-
JA上伊那の生活部会が老人保健施設「すずたけ」にチャリティーバザーの収益金で購入した車いすなどを寄贈
上伊那農業協同組合(JA上伊那)伊那地区と東部地区の生活部会は30日、車いすや徘徊防止センサーマットなどを伊那市美篶の老人保健施設「すずたけ」に寄贈した=写真。
寄贈品は、両生活部会が昨年のJA上伊那まつりなどで実施したチャリティーバザーの収益金で購入したもので、伊那地区は03年から、東部地区は昨年からこの取り組みを続けている。
昨年のバザーでは、東部地区で10万円、伊那地区で28万円の収益金が集まったため、東部地区が車いす1台と歩行機2台を、伊那地区が徘徊防止センサーマット2台を寄贈することとなった。
この日は、JA上伊那の三沢芳秀代表専務理事とともに伊那地区の加藤加与子部会長と東部地区の金井靖子部会長が同施設を訪問。
塚越広施設長は「徘徊する人も多く、センサーが鳴って気付くこともある。また歩行機も、少し足がおぼつかなくなった人にはありがたい」と感謝の思いを語った。 -
長谷道の駅のレストランでまきストーブ講座
伊那市長谷、道の駅・南アルプスむらにあるレストラン「野のもの」(吉田洋介代表)で30日、「薪(まき)ストーブクッキング講座」があった。市内外から集った参加者たちは、まきストーブやダッチオーブンを使って、イタリア料理に挑戦した。
まきストーブを備える同レストランが調理への活用法を学びたいと、一般にも参加を呼びかけて開いている講座で、2回目。初回に続き、市内でイタリア料理の指導をしている生パスタの製造・販売店「蔵部」の渡辺竜朗さん(35)を講師に迎えた。
メニューは、イタリアの冬の料理の代名詞とされる「バーニャ・カウダ」と、魚料理「アクアパッツァ」の2品。おいしく作りあげるポイントや、調理時におけるまきストーブの有効な使い方を教わった。
箕輪町から訪れた50代の女性は初めて参加。「家にまきストーブがあるけど、料理などになかなか生かせれていないので、コツを教わりたかった。(講座を通して)料理の幅が広がりそうです」と話していた。 -
料理教室で雑穀の魅力探る
伊那市長谷の郷土食の掘り起こしを目指す「雑穀プロジェクト2007in伊那」が27日、長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で始まり、第1弾として、2種類の雑穀を使った料理教室をした。
プロジェクトは地元住民有志でつくる「長谷食文化研究会」と、伊那市が企画。旧長谷村が昨年度始めた食文化調査研究事業の一環で、料理方法の情報交換や栽培研究などを通して雑穀の魅力を探る。雑穀の普及を図り、遊休農地の復活などを目指して、中山間地の農業振興や地域活性化につなげる狙いだ。
市内外からスタッフを含めて約50人が参加。「雑穀でつくるおかずとスープ」と題し、料理研究家の美上みつ子さんを講師に、冬野菜のシコクビエシチュー、キビとひじき煮のサラダ、シコクビエとキビのコロッケ、雑穀入りごはんの4品を作った。
美上さんは雑穀の豊富な栄養成分や健康への効果などを紹介し、調理のポイントをアドバイス。参加者たちは積極的に質問したり、メモを取って知識を深めていた。
美篶の主婦(35)は「栄養面で雑穀が体にいいって聞いたので、子どももいるし、食事に取り入れたいと思って参加した。さっそく家で作ってみたい」と話していた。
プロジェクトは3月まで全3回。次回は2月に雑穀のおやつを作り、最終回は「雑穀で地域づくり」と題したフォーラムを予定している。 -
小学生防火作品コンクール審査会
伊那防火管理協会は19日、伊那公民館で、伊那消防組合管内の小学生を対象とした防火作品コンクールの審査会を開いた=写真。ポスターと書道の部の各最優秀賞1点ずつを選び、ポスターは伊那東小4年の小林莉歌ちゃん、書道は同小6年の郷頭愛(まな)ちゃんの作品に決まった。
防火意識を高めるための恒例事業。ポスター、書道、作文の部へ管内の小学4縲・年生から342点の応募があった。この日は、最優秀賞のほか、小学校教諭らが審査をし、ポスター19点、書道14点の優秀賞も決めた。
ポスター、書道の部の優秀賞以上の入賞作品は、「春の火災予防運動」期間中(3月1日竏・日)、各市町村の役場や大型店などで展示。作文の部は後日、審査があり、入選作品は有線放送で発表する予定。 -
西春近商工会が臨時総会
伊那市の西春近商工会(野溝和男会長、240人)は18日、西春近商工会館で臨時総会を開いた。高遠町商工会、長谷村商工会と合併する議案1件を承認。3商工会でいずれも承認されたことになり、4月1日、伊那市商工会がスタートする。
野溝会長は、合併に至るまでの経過に触れ「補助金の削減で、合併せざるを得ない」苦渋の決断と述べ「さらに発展するための事業を考え、関係機関の協力を得ながら頑張っていきたい」と同意を求めた。
出席者約50人は合併理由やこれまでの経過など説明を受け、賛成多数で承認した。
合併は長谷、西春近を解散し、高遠町を存続する定款変更合併で、組織の経済基盤の確立や経済環境の変化に対応した小規模事業者の経営指導などに当たる。高遠商工会館に事務所、長谷、西春近に各支所を置く。
10年4月を目途に商工会と商工会議所の統合を予定し、補助金減額に対応するため、3年間、3商工会の拠出金で補てんする。 -
長谷を賑やかにする会がまちづくり放談会開催
伊那市長谷の住民有志でつくる「仮称・長谷を賑(にぎ)やかにする会」(羽場政光代表)は17日夜、道の駅・南アルプスむらの活動拠点施設メルシーで「新春まちづくり放談会」を開いた。地元住民らが意見を交わして、地域活性化への方策を探った。
同会は昨年12月、道の駅関係者や地域住民の有志で発足。合併によって懸念する地元の寂れや「取り残される不安」の解消を目指している。第一ステップとして、地域に参加を呼びかけ、活力あるまちづくりに向けて模索する機会にするべく、放談会を計画した。
放談会で会側は、長谷の情報発信基地とする道の駅から活性化の輪を広げていくことを提案し、メルシーの機能性の向上策について意見を求めた。参加者からは「まずは地域を盛り上げていこうという賛同者で組織を立ち上げることが第一歩。その組織で会議を重ね、知識を出し合って、年間の企画を考案していったらどうか」などの意見が出た。
放談会後の取材に羽場代表は「どうやって活性化に結びつけていくか手探り状態だったが、放談会によって今後の方向性が見えてきたように思う」と手ごたえを話した。
今後も月1回開催していきたいという。 -
「秋葉街道」観光資源に
「発掘調査隊」ほぼ全経路を確定伊那市長谷を南北に貫く古道、秋葉街道の復活を目指している「秋葉街道発掘調査隊」の活動で、ほぼ全経路が明らかになった。16日夜あった会合で、メンバーや元文化財専門委員らが、確認し合って道筋を断定し、観光資源として活用していくことで意見をまとめた。
調査はこれまで、古文書や絵図と照らし合わせたり、点在する道標や石碑などをたどったりしながら道筋を結びつけてきた。道路改良やダム建設などによって手がかりがないなど、不明確な個所も多かったが、元文化財専門委員らの協力を得ておおよそを確定するに至った。
会合では、観光資源としての活用について、湖底に水没している非持から溝口、黒河内の一部は、代替えルートとして国道を使うことを決めた。今後は2月下旬に、街道の姿をとどめる個所を中心に、やぶの刈り払いや道跡をつけるなど、本格的な整備に入る。
来年度は復元した街道のポイントに案内板を設置する予定。街道から地域の名所に誘致するために、街道に沿った地域マップの作成も考えている。
秋葉街道は江戸中期以降、静岡県の秋葉神社参詣に使われた道。長谷地区景観策定委員会が古道の復元による周辺部の景観づくり構想を立て、昨年2月に調査隊を組織し、道筋を探ってきた。 -
伊那市マレット協会・92人が快音・熱戦
伊那市マレットゴルフ協会(諸田秀会長)は13日、同市美篶の南割河川敷マレットゴルフ場で、本年度の初打ち大会を開いた。3市町村合併に伴い高遠町、長谷地区からも新会員19人を迎え、92人がコース上に初打ちの快音を響かせた。
諸田会長は「マレットゴルフのマナーを守り、健康に気を付けて今年度も楽しくプレーしてほしい。初打ちにふさわしい結果が出ることを期待する」とあいさつ。熱戦を終えた会員らには、ダルマ1個の記念品が贈られた。
同協会は、1縲・2月、月2回の例会など、年間約30回の大会を予定している。
結果は次の通り。
▽男性 (1)宮下近夫106(2)赤羽篤108(3)伊坪寿勝110(4)網野信一郎、酒井重雄、田中豊文113(5)小沢恒二郎、宮下昭喜、諸田秀114(6)赤羽貞雄115
▽女性 (1)林清子104(2)浅野八重子114(3)平沢祐子115(4)網野さだ子、池田紀子、城鳥和子116(5)佐藤美知、鈴木よしゑ117(6)山崎和子118
▽ホールインワン 池上猛、春日初夫、山崎広美、浅野八重子(2回)、城鳥和子 -
長谷村商工会が3商工会の合併を決議
伊那市の長谷村商工会(橋爪將司会長)は14日、臨時時総会を開き、高遠町商工会、西春近商工会との合併を賛成多数で決議した。
昨年10月に合併の調印を交わした3商工会は、今月20日までにそれぞれの地区で臨時総会を開き、合併を決議する。長谷村商工会は、最も早く臨時総会を開く運びとなった。
橋爪会長は「長谷村商工会は小さいながらも加入率75%というまとまりがある良い商工会だった。今日は解散総会をするわけだがみなさんのご巧妙な判断を仰ぎたい」と語り、4月からスタートしようとしている新体制を説明。会員らは、効率的で効果的な事業運営を目指す新体制の趣旨を挙手により決議した。
宮下市蔵長谷総合支所長は「大きな時代の変化の中での決断だと思う。基幹産業である農林業が衰退する中、商工会のみなさんが旧長谷村を支えてくれた。合併による弊害への懸念もあると思うが、みなさんが原動力となる新しい商工会に期待したい」と語った。 -
伊那市消防団 参与会を発足
伊那市消防団(田畑安彦団長、1156人)は9日、高遠町・長谷村と合併により誕生した新団以前の各旧市町村の団長経験者を集め、団の活動に助言を与えることを職務とした参与会を発足した。市役所で委嘱式などがあり、会長に御子柴龍一さん、副会長に馬場市衛さんを選出した。
委嘱したのは就任の同意を得た23人。この日は、そのうち12人が出席し、田畑団長から委嘱状を受け取った。田畑団長は「地元の地理に詳しい皆さんから指導を頂くことで、災害が起きても迅速な対応ができると思う。皆さんの活躍を期待したい」と話した。
御子柴会長は「私たちの仕事は現職の皆さんを補佐し、地域住民の財産保全などを助けること。親ぼくを深めるとともに新伊那市消防団の手助けをしていきたい」と就任のあいさつをした。
参与会は、合併前、後の団長経験者が対象。今後は年2回の定例会で団幹部と親ぼくを深めながら意見交換をするほか、団行事にも参加していく。 -
第21回伊那消防組合職員意見発表会
第21回伊那消防組合職員意見発表会は11日、箕輪町文化センターであり、同組合管内の4消防署から7人が出場し、日ごろの消防、救助活動などを題材に肌で感じたことなどを発表した。伊那消防組合消防本部の主催。
箕輪消防署の荻原大輔消防士(25)が「
OVER THE BORDER縲恪窓ォを越えて縲怐vと題した意見発表で最優秀賞を獲得。優秀賞は、伊那消防署の下倉剛雄消防士(25)、高遠消防署の伊藤政史消防副士長(32)が選ばれた。
入署して2年目の荻原消防士は、昨年の7月豪雨災害で体験した、管轄に縛られた活動のもどかしさを訴えた。「各消防本部、市町村で複雑な事情があると思うが新人の私だからこそ素朴に持つ疑問。すぐそばで困っている人がいれば手を貸してあげたい」とした。
現在、国、県が進めている消防の広域化を図れば、管轄を越えて活動ができる竏窒ニ制度改正を熱望。「東海地震では伊那谷に被害が出ると予想される今だからこそ、私は提案したい。救う命に国境はないと確信している」と強調した。
最優秀賞者の荻原消防士は、県内の14消防本部の代表者が集まる県消防職員意見発表会(2月8日、伊那市)に出場。「初めての出場となるが自分の意見を大きな声で伝えたい」と意気込みを語った。 -
伊那消防組合06年の火災状況
伊那消防組合は06年に管内で発生した火災状況をまとめた。火災件数84件(前年比8件減)、死者3人(同5人減)、負傷者6人(同1人増)、被害総額1億6700万8千円(同2275万6千円増)。「放火・放火の疑い」は前年に比べて1件増の16件で、枯れ草火災が例年より増え、半数を占めたという。
内訳は「建物」43件(同2件減)、「その他(廃材・土手焼き)」31件(同4件減)、「林野」が5件(同1件減)、「車両」が5件(同1件減)。焼損面積は、建物2308平方メートル、林野20・9アール、車両5台。焼損棟数は全焼17棟など計53棟で34世帯、81人が被災した。
原因は、「放火・放火の疑い」(16件)、「たき火」(12件)、「火遊び」(6件)、「電気機器」(6件)の順で多い。
市町村別の火災発生数は、3市町村合併に伴い前年比4件増の伊那市47件(高遠町5件、長谷0件)のほか、辰野町が1件増の11件。箕輪町は同数の14件、南箕輪村は前年2番目に多い件数だったが6件減の12件だった。
同消防組合によると05年現在、全国的に見て出火原因は、「放火」が8年連続の上位で、火災件数の3割を占めるという。署員は放火予防対策として、家の周りを整理整とんしたり、センサーライトを設置したりするだけで効果があると呼び掛けている。
死者1人を出した伊那市高遠山室の住宅火災(昨年12月6日) -
長谷成人式
伊那市長谷地区の07年成人式は1日、長谷公民館であり、思い出話に花を咲かせながら喜びを分かちあった=写真。
長谷地区では例年、多くの人が出席できる正月に成人式を実施。今年は、対象者23人のうち20人が式に参加した。
長谷公民館の伊藤智良館長は「長谷の地に生まれ育ったことを誇りとし、夢を胸に歩んでいってほしい」とあいさつ。
新成人を代表して城口権二さんが「私たちはこれからさまざまな困難と喜びが隣り合わせの人生を歩んでいく。一人ひとりがそれぞれの道を選び、歩んでゆくので、これからも指導をお願いします」と新しい出発への思いを述べた。
その後、成人者らの中学校時代の担任・中村昭彦教諭が講演。「カブトムシを取ってきたり石を投げて池のコイの様子をうかがったりとやんちゃな子どもたちだったが、地域のみなさんも子どもたちの活動を見守ってくれ、温かさを感じた」と当時の思い出話を交えながら、はなむけの言葉を贈った。 -
南アルプスを世界自然遺産に
南アルプスを世界自然遺産に竏秩B長野、山梨、静岡の3県にまたがる雄大な自然財産を世界に知らしめるべく、関係10市町村による壮大な構想が始動する。登録にはさまざまな条件が連なり、課題も山積しているのが現状。一筋縄ではいかない険しい道のりと言えるが、県域を越えて手を結んだ運動に期待が高まっている。
南アルプスは、日本第2位の標高を誇る北岳を主峰とする3千メートル級の山々を10峰有した日本有数の連峰。キタダケソウをはじめとした固有種が自生するなど、高山植物群が全域に分布し、特別天然記念物のニホンカモシカやライチョウなども生息、氷河遺跡も存在する。財産として誇示する理由がそこにある。
世界遺産ともなればその価値は一層高まり、国際的に自然環境の保全を図れるほか、知名度が上がり、地域の発展につなげることができる。
登録を目指した構想は、静岡市による南アルプス市への投げかけによって始まった。山梨県側の関係市町もこれを歓迎し、両県ともに各自治体の首長や議長らで連絡協議会を設置。長野県側においては、申し入れを受けた伊那市が取りまとめ役となり、2月にも連絡協を設置する考え。年度内に3県全体の推進協議会を立ち上げて、本格的な活動の展開へ体制を整える。
山梨県連絡協によると、03年に国が世界遺産に推薦する候補地を検討するなかで、南アルプスの名も挙がり、「山岳景観として必要な要素はすべて包含している」との高い評価も得ている。
しかし、地形・地質面で「氷河自体を包含していない」とされ、生態系についても「近緑種もしくは同一種が近隣地域にも見られる」との指摘を受けている。また、「カナディアンロッキー山脈公園群(カナダ・既登録地)など、同様の優れた山岳景観を有する、より規模の大きな登録地が多く存在する」と、世界遺産として求められる普遍的な価値には欠けていた。
推進協ではこうした課題を整理するとともに、登録に向けて多面的に検討を進めていく予定。一方で、地域住民の意見に耳を傾けることも不可欠だ。
法的規制がかかる区域が山稜部に限定されているとした国の指摘によって、推進協では国立公園など保護区域の拡大も検討する。また、世界遺産になれば厳しい規制がかかることを視野に、南アルプス北部のふもと、伊那市長谷の関係者は「地元は・ス天与の恵み・スとも言うべき大きな財産。世界遺産となればすばらしいことだとは思うが、住民の生活が犠牲になるようなことがあっては困る」と不安をのぞかせる。「まず第一にメリット、デメリットをしっかりと示す必要があるのでは。全てにおいて、地域にとって良かったと思えるようであってほしい」。 -
風力発電計画推進
伊那市の入笠山、鹿嶺高原周辺で風力発電計画を検討している三峰川電力は28日、引き続き事業計画の策定を進めることを、小坂樫男市長あてに同日付の文書で提出した、と発表した。
計画をめぐっては、市議会12月定例会本会議で事業推進の陳情が可決された一方で、小坂市長は計画に反対する態度を示した。
これに対し、事業者側は提出した文面で「事業開発は慎重に進めるべきとの考えが示されたと理解しており、責任を持って計画を進めることが必要であると再認識している」とし、「市の新エネルギー開発に対する方針を尊重し、極力沿った形で各地区における懸念点に配慮した計画の策定に尽力する」としている。
取材に対し、小坂市長は「文書ではよく分からないので説明を求めたい」と話した。 -
宅幼老所にまきストーブ寄贈
伊那市長谷の機械設備塗装業ハセコート(畑口勇代表取締役)は駒ケ根市のNPO法人リブサポート南信州(中原茂之代表理事)が運営する同市北割一区の宅幼老所「サポートハウスぽぷり」にまきストーブ1台(約60万円相当)を寄贈した。26日、宅幼老所の利用者や職員ら約15人を集めて贈呈式と火入れ式が開かれ、すでに設置工事が終わって火入れを待つばかりのストーブの前で、ハセコートの早坂清一専務が中原代表理事に目録を手渡した=写真。中原代表理事は「ここは山の中で寒い。ストーブを買いたいと話したところ、心よく寄贈を申し出てくれた。その温かい気持ちと一緒にストーブを受け取りたい。今後もますます温かい介護をしていきたい」と感謝を述べた。
ストーブには早速火が入れられ、利用者らは赤々と燃える炎をガラスごしに見ながら、和やかな午後のひとときを過ごしていた。 -
秋葉街道8割方道筋確認
伊那市長谷を南北に貫く古道、旧秋葉街道の復活を目指している「秋葉街道発掘調査隊」の調査も終盤に差し掛かり、年度内には全経路が明らかになる予定だ。これまでに8割方の道筋を確認したが
、道路改良やダム建設などによって不明確な部分に難航している。
秋葉街道は江戸中期以降、静岡県の秋葉神社参詣に使われた道で、長谷地区景観策定委員会がこの古道の復元による周辺部の景観づくり構想を打ち立て、今年2月に調査隊を組織。古文書や絵図と照らし合わせたり、点在する道標や石碑などをたどったほか、地元の高齢者から情報を収集しながら調査を進めてきた。
これまでに街道の姿をとどめる個所も多かった黒河内地区の旧平集落から、国道を外れた中尾地区を経由し、市野瀬、分杭峠の大鹿村境までおよそ12キロを確かめることができた。
ただ、非持は湖底に水没している部分があり、溝口は東への迂(う)回と直線の説があるなど、両地区には不明確な個所が多い。今後も、文化財研究者などを中心に探り、道筋を結びつけていく。
確認個所から除々に整備を進め、来年度にも復活した街道のポイントに案内板を設置し「江戸時代の人たちの目線で多くの人に歩いてもらいたい」。また、街道から地域の名所に誘致し、観光面から地域活性化につなげたい考えだ。 -
異例、委員会審議覆す
伊那市議会は12月定例会最終日の20日、入笠山、鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している風力発電計画に中止の陳情を採択した総務委員会の審議結果を少数差で否決、委員会の審議結果が本会議で覆される異例な結果となった。一方、議会閉会後の全員協議会で小坂樫男市長が見解を述べ、計画に反対の姿勢を示した。
本会議では、総務委員長の報告に続く討議で、賛否の観点からそれぞれ3人が意見。採決はきっこうし、議長を除く25人のうち中止を求める陳情を賛成11人、反対14人で否決、推進の陳情を賛成14人、反対11人で可決し、市議会として推進の方針を打ち出した格好となった。
しかし、全員協議会で小坂市長は計画に対し「観光や地域活性化の起爆剤になるとは一概には言えない」と否定。景観面からも「高台に巨大な建造物を立てるのはいささか疑問を抱く」と非難した。
市議会での結果を受けて、鹿嶺高原から入笠山の尾根伝いにかけて検討している三峰川電力の大西英一所長は「市議会の決定を真摯(し)に受け止めたい。反対意見にも耳を傾け、懸念される点について配慮しながらこれまで通り検討を進めたい」とした。
反対署名3万余人分を集めた山岳団体や自然保護団体などでつくる署名連絡会事務局の北原功さんは「市長が広い見識で決断されたことを歓迎する。賛否が問われる大きな問題で、計画には反対」と述べた。 -
伊那市議会総務委で風力発電計画中止求める陳情採択
伊那市議会総務委員会は18日開き、入笠山・鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している風力発電計画に対する賛否の陳情10件を審議し、計画中止を求める7件を採択、推進の3件を不採択とした。12月定例会最終日の20日、市議会で決議し、市はこれを踏まえて態度を示す見通しだ。
継続審査を賛成少数で不採択としたうえで陳情の採決を図り、委員長を除く委員7人のうち4人が計画の反対を支持。いずれも風力発電による自然エネルギーの有効性を認めたうえで「(計画場所については)自然、生態系、景観の破壊につながり、深刻な問題になる」「全国有数の山岳地帯で環境破壊についての問題は避けられない」などと指摘した。
希少猛きん類への影響の点では、イヌワシやクマタカのペアが確認されていることなどを挙げ「自然保護が必要な場所だ」と強調。景観面では、市などが南アルプスの世界自然遺産登録に向けて乗り出したことからも「影響は甚大なものであり、確実に登録されなくなる恐れもある」とした。
計画を推進する委員は「CO2の削減はしなくてはならない。風力発電は必要といいながら、だめだというのは無責任。子どもたちにきれいな空気を残すためにも、地球環境を守るべき」などと反論した。
鹿嶺高原から入笠山にかけた尾根伝いで検討していた三峰川電力の大西英一所長は結果を受けての取材に「今の時点で何も申し上げることはない。本議会での決議を見守りたい」とするに留まった。
一方、反対署名3万余人分を集めた山岳団体や自然保護団体などでつくる署名連絡会事務局の北原功さんは「本会議を控えて手放しでは喜べないが、環境を考えての結果は非常にうれしく思う。自然は金には替えられない」と話した。 -
ふれあいバザールinいなっせ開催
伊那市内の共同作業所5施設による「ふれいあいバザールinいなっせ」が16日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。各施設の自主制作している織物や焼き物、クッキーなど約600点が販売されたほか、革細工の体験コーナーや織り機を使った実演などもあり、訪れた人を楽しませた=写真。
自主作品の販売で得た代金を利用者に還元するとともに、地域の人に共同作業所への理解を深めてもらおう竏窒ニ始まった取り組み。施設同士が交流を深め、お互いの自主作品を知る機会にもなっている。
伊那地区からは伊那市共同作業の家「ゆめわーく」、「輪っこはうす」のほか、今年から「コスモスの家」も参加。高遠町の「高遠さくらの家」長谷地区の「ひまわりの家」も、昨年から引き続き参加している。
自主作品に加え、星型のキャンドルや紙粘土で作ったもみの木のオブジェ、シクラメンなどこの時期ならではの作品もあり、利用者も「いかがですか」と来場者に呼びかけていた。
各施設では、企業などから受ける請け負い作業の傍ら、自主作品作りに取り組んでいる。 -
市が長谷学校給食共同調理場を職員表彰
伊那市は、地域食材を使った給食の提供を評価するとともに、全国学校給食甲子園で優勝した功績をたたえ、長谷学校給食共同調理場を職員表彰した。
同調理場は、日々地域食材を豊富に取り入れた献立を考案し、安全でおいしい給食を175人分調理して、長谷の小中学校に提供している。11月にあった給食甲子園では、地元産の野菜や米などをふんだんに使ったメニューで、出場した全国1514校の頂点に立った。
市役所で14日夕開いた表彰式は、調理場長の西牧健史・長谷中学校長、栄養士の埋橋恵美さん、給食技師の松本ひろみさん、二瓶真美さん、春日雅子さんの5人が出席。調理場の様子や苦労話、甲子園のエピソードなどを紹介した。
小坂樫男市長は「全国で優勝したことは市にとって快挙。日ごろの努力に感謝するとともに、これからも体も心も健康になるようなおいしい給食を提供していってほしい」と激励。西牧校長は「これを励みに一層精進したい」と述べた。 -
長谷保育園でもちつき大会
伊那市の長谷保育園で15日、もちつき大会があり、園児たちが大きな掛け声とともに一生懸命きねを振り下ろした。
恒例行事で、毎年きねと臼を使った昔ながらのやり方で体験している。園児たちは子ども用の小さいきねで「よいしょ、よいしょ」「ペッタン、ペッタン」と職員に支えられながらついた。つきたてのもちは一口サイズに丸め、きな粉やごまなどをまぶして味わった。
この日は、7月から給食に野菜の提供を受けている地元の農業女性グループ「麦わらぼうしの会」のメンバー3人も招待。一緒にもちつきや会食をしたほか、感謝の気持ちを込めて、園児手づくりのプレゼントを贈った。 -
風力発電事業 長谷地域協はおおかた賛成
第4回長谷地域協議会が15日あり、入笠山縲恷ュ嶺高原周辺の風力発電事業について、委員の意見を聞いた。「山岳地帯での風力発電の先進地になる必要はない」と慎重論も出たが、賛成が多かった。
小坂市長は、市議会に提出された風力発電事業の賛成・反対の陳情に対し「今議会で継続審査となった場合、判断はしない」との考えを示した。
協議会には、全委員の15人が出席。
市側が風力発電事業の概要などを説明し、委員一人ひとりが考えを述べた。
「事業が具体的に見えてこない」という委員もいたが、おおかたの委員は賛成で「事業によって作業道ができれば、山林の管理ができる」「長谷住民4分の3に相当する署名の総意を受け止めていほしい」「循環型エネルギーを使っているところとしてむらづくりができる」など事業推進が地域の活性化につながるとした。
反対の一つに挙がる景観への影響は「悪いということが理解できない」「風力を観光にしているところがあり、問題にならないと思う」などが出た。
また、事業に対する情報不足の指摘、慎重審議や市議会との意見交換の場を求める意見も出た。
小坂市長は協議会終了後「企業のある地元は当然、賛成が多いかなと思う。意見を参考にしながら、市全体の考えを決めていく。議会の判断を見守る」と話した。 -
長谷保育園児が地元のお年寄りと交流
伊那市の長谷保育園(宮下瑞穂園長)で12日、地元の高齢者クラブとの交流会があり、園児たちが歌や踊りなどを披露したほか、一緒に給食を囲んで楽しんだ。
同保育園では毎年年数回、地元の高齢者クラブと交流の機会を設けている。今年はこれまでに、昨年交流のなかった黒河内、溝口、杉島地区の各クラブを招いて、ヨモギ団子作りや、七夕飾り、運動会など季節に合った内容で交流した。
この日は今年最後で、非持山地区のクラブと長谷地域の一人暮らしのお年寄り合わせて約30人を招待。年長から3歳未満児の各クラスごと、歌や踊り、劇遊びやオペレッタを元気よく発表した。
また、園児たちは「おじいちゃん」「おばあちゃん」と駆け寄っては会話をしたり、各クラスにお年寄りが分かれて給食も食べ、互いに一緒に過ごす時間を楽しんでいた。 -
長谷保育園で生活発表会
伊那市の長谷保育園(宮下瑞穂園長・46人)は9日、生活発表会を開いた。歌や合奏、劇などでこれまでの園児の成長を披露。会場に集まった約100人の保護者らは笑顔で見守った=写真。
未満児から年長児までの4クラスがそれぞれ2演目ずつ披露のほか、保護者や保育士らも参加し、計11プログラムを展開。パジャマの着脱や衣服をたたむなどの生活面での成果も発表した。
年中の「すみれ組」は、ちびっこ忍者にふんして運動遊びやダンスをステージで繰り広げた。子どもたちは、「○○忍者、跳び箱します」などと元気よく自己紹介すると、軽やかに跳んで見せた。
保護者たちは、ビデオカメラなどで我が子の成長の記録を撮影しながら、大きな拍手で応えていた。 -
長谷道の駅のレストランで料理教室
伊那市長谷の道の駅・南アルプスむらにあるレストラン「野のもの」(吉田洋介代表)で12日、まきストーブを利用した料理教室があり、市内外から集まった主婦たちがピザなどの焼き方を学んだ。
講師は、イタリア料理のシェフであり、手づくり生パスタを販売する東春近の渡邊竜朗さん。まきストーブを備える同レストランが調理への活用法の指導を依頼し、料理教室を計画した。
渡邊さんは「まきストーブで生地を作ると驚くほど違い、確実においしくなる。イタリアでもまきを使っている店は看板に書いて特徴づけるほど」と利点を紹介。「まきを立てて入れることで火の広がりが早い」「火力調整のために細いまきを使うといい」などとアドバイスした。
参加者たちは「フォカッチャ(パン)」、「ピザ」、「鶏の赤ワイン煮」の3品に挑戦。おいしさを引き出す料理のコツなども教わり、メモに取ったりして熱心に耳を傾けていた。
駒ヶ根市の主婦(53)は「家のまきストーブで1度料理してみたかった。詳しい説明をしてもらえたので一つ一つがわかりやすく、来てよかった。さっそくやってみたい」と話していた。 -
長谷親子ふれあい広場でクリスマス会
伊那市長谷の親子ふれあい広場で7日、クリスマス会があった。21組約50人の親子が集まり、サンタクロースから子どもたちへのプレゼントがあるなど、一足早いクリスマスを楽しんだ。
親子が折り紙でサンタやトナカイ、ツリーなどクリスマスにちなんだものを作って遊んでいると、保健福祉課の職員が扮(ふん)したサンタが登場。子どもたちは「サンタさんだ。サンタさんが来た」と大はしゃぎしながら駆け寄った。
一人一人プレゼントを受け取ると「サンタさんありがとう」と大喜び。早速、中身のおもちゃを使って遊び、楽しいひとときを過ごした。
広場は旧長谷村から続く事業で、まちづくり拠点施設「気の里ヘルスセンター栃の木」を週1回、未就園児の親子に開放。保護者たちの子育てにかんする情報交換の場や、子ども同士の関わりを深める機会にしている。
1才児をもつ非持の主婦(30)は「(広場では)ほかのお母さんから子育てのアドバイスも聞けるし、子どももほかの子に刺激されて成長が早い。クリスマス会を含めていろんな企画もあり、子どもも私自身も楽しく生き生きと過ごせる場です」と話していた。 -
手作りしめ飾りで新年を 長谷地域青少年育成会
伊那市の長谷地域青少年育成会は2日、長谷公民館で、恒例の「親子しめ飾り教室」を開いた=写真。地域内の親子27人が参加し、良い新年を迎えるため、しめ飾り作りに挑戦した。
親子の交流と伝統文化の伝承を目的とした教室。旧長谷村の元教育長の伊東耕平さんを講師に招き、地元で取れた稲のわらを使って、参加者らが思い思いのしめ飾りを制作した。
経験者は2人で残りの人は初心者。わらに・スより・スを掻けていくのに苦労していたが、次第にコツをつかむと、指導者も「うまくできた」と太鼓判を押す作品が完成した。
2年目の参加となった中山晴貴君(長谷小3年)は「昨年よりうまくできた」と満面の笑み。周りの保護者らは「地域の人に教えてもらい子どもたちが受け継いでいってくれれば」と話していた。 -
三峰総 「川下り米」の味検証
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は20日、伊那市長谷にある美和ダムの堆積(たいせき)土で育てた「川下り米」の味を検証するため、長谷保育園の園児たちを対象に試食会を同園で開いた=写真。園児たちの反応を見て所員らは、土の新たな利活用の可能性に手応えを感じた様子だった。
三峰総は、ダムの機能を維持するため大量の堆積土を掘削し、ほ場整備などに活用してきた。ミネラルを豊富に含んだ同土は、家畜飼料、育苗土などの活用研究、野菜への適用性などの検証もしている。
園児たちは、堆積土を20パーセント混ぜた土壌で育てた米と、混ぜていない土壌で育てた米をおにぎりにして食べ比べた。年長児16人にアンケートしたところ、14人が「川下り米」の方がおいしいとの結果が出た。
三峰総では、18日に「道の駅・南アルプスむら」であったイベントでも試食会を開き約200人にアンケート。7割以上が「甘い」などの感想で「川下り米」に票を入れたという。
関係者は「厄介ものの土を使ってもらえる受け皿があることが分かった。アンケートを分析し、堆積土の今後の活用方法を検討していきたい」と話している。 -
長谷道の駅・南あるぷすむら食の感謝祭
伊那市長谷の道の駅・南アルプスむらで18日、第1回「食の感謝祭」があった。地元で採れた野菜の販売、雑穀を使った料理の試食など多彩に繰り広げ、「長谷の食の魅力」をアピールした。
長谷地域は、多種類の野菜や雑穀などを栽培して特産品の開発を進めている。今春リニューアルした道の駅に地場産物直売所、地元食材を使ったレストランも新たに加わり、祭りで特色ある食を広くPRすることにした。施設を運営する振興公社、生産者組合、民間団体など関係者でつくる実行委員会が計画した。
イモ類、ネギ、ハクサイ、ゴボウなど新鮮な野菜を中心とした地元産物の販売コーナーでは、「地元で採れたものですよ」と強調しながら宣伝。「これはいい野菜だね」と大勢が買い求めていた。
黒米のおにぎりや、ヤーコンのきんぴらの試食、五平もち、おやき、ソバの提供のほかに、全国優勝した学校給食の試食も人気を集め、会場は多くの人でにぎわった。