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ひまわりの里づくり三峰川沿いで今年も 園児が種まき
伊那市長谷総合支所、国土交通省三峰川総合開発工事事務所などが取り組む「ひまわりの里」づくりが10日、長谷杉島の三峰川沿いにある休耕田であった。長谷保育園の園児たち約20人が集まり「大きくなって」と願いながら種をまいた。
水源地花いっぱい運動の一環として、上下流域の交流と水源地の大切さをアピールする目的。「ひまわりの里」づくりは1992年から、美和ダム、戸草ダム周辺を花でいっぱいにしよう竏窒ニ取り組んでいる。
地域住民が所有する約4アールの休耕田を借りて実施。園児たちは種が入ったバケツを手に、地元老人クラブや職員らとともに用意した1・5キロを約30センチ間隔で2粒ずつ畝にまいていった。優しく土をかぶせると「できた」と作業完了を声に出して確認し、大きな花が咲くのを期待した。
関係者によると8月中旬ころには花が咲きそろう。自分たちの背丈よりも大きくなったヒマワリを見学に、もう一度訪れる予定だ。
ヒマワリの種は上下伊那の小中学校、高校、各市町村庁舎などの120カ所にも配布して栽培を呼びかけ、「水源地花いっぱい運動コンクール」で大きさや高さ、見栄えなどを審査する。
詳しい内容の問い合わせは、伊那市長谷総合支所建設水道課(TEL98・2211)へ。 -
満光寺で月遅れの花まつり
伊那市高遠町、長谷の寺院でつくる東部仏教会(22寺、会長・田中勲雄弘妙寺住職)は8日、高遠町の満光寺(兼子展世住職)で花祭りをした。各寺院の総代や保育園児など約100人が参列し、釈迦(しゃか)の誕生を祝った。
花祭りは一般的に、釈迦の誕生日4月8日に各寺院でするが、遠方寺院も多い同会は、参拝者への配慮から例年町中にある満光寺で合同でしている。また、4月上旬は町内が花見客で混雑するため、1カ月遅れでしている。
今年は高遠第1、第4保育園、長谷保育園が参加。一昨年までは満光寺の近くにある第1だけだったが「多くの子どもにお釈迦様の誕生について知ってもらおう」と、昨年から対象地域の全ての園に声がけしている。
紙の花でつくったカンムリや首かざりを身に付けた園児たちは、境内中央にある花御堂に安置された釈迦に甘茶を注ぎ、手を合わせた=写真。
釈迦の誕生を説明するスライド上映もあり、参拝者には甘茶が配られた。 -
常福寺で宗良親王の春法要
南北朝時代に長谷で薨(こう)去したとされる宗良親王の春法要が7日、伊那市長谷の常福寺であった。
宗良親王は後醍醐天皇の皇子。一度は出家したが、父と南朝のために還俗し、大鹿村大河原で南朝方を指揮した。亡くなった場所は長年不明とされてきたが、明治中ごろに子犬沢で発見された円形無縫塔が宗良親王の墓だと分かった。また、1940年に常福寺本本堂の屋根で見つかった僧形坐像の中に入っていた古文書にも、宗良親王がこの地で薨去したことが記されていたため、無縫塔は常福寺境内北側の小山に安置し、僧形坐像は本堂に納め、親王が薨去したとされる10月1日と5月に例祭を続けてきた。
例年春は、本堂の僧形坐像の前で開かれており、この日も一人ひとりが像の前で手を合わせた。
その後の奉賛会では、伊那市文化財審議委員・久保村覚人さんによる講和があり、北条氏が鎌倉奪回を目指した「大徳王寺城の戦い」について見識を深めた。
秋法要は墓前で行う。 -
ふる里あったかとお・ジュニアリーダー養成講座
ジュニアリーダー養成講座「半熟のつどい」が5日、伊那市高遠町の高遠城址(し)公園であった。初回は参加者らが自然の中でゲームを通じて交流を深めた。法人自然学校「ふる里あったかとお」(丸山宏一代表)主催。
市内の中高生を対象に、ボランティア活動を通じて仲間づくりを手助けする講座。小学生向けの自然体験活動などを展開している「ふる里あったかとお」としては、初めてのプログラムとなる。
第1回講座は同市西箕輪中学校1年の男子生徒2人が参加。講師の5人を交えて、互いの緊張を解きほぐすためのゲームをしたり、抜け替ったばかりのシカの角を探しに山へも出かけた。
フラフープが皆の指から離れないように上下に移動させるゲームでは協力しながら満喫。参加した澤田翔太郎君は「人と協力することは大変だと思った。ゲームを通じて仲良くなれて楽しかった」と息を弾ませていた。
「ふる里あったかとお」では地域の老人ホームや保育所でのボランティア体験や、自分たちで活動プランを立てたりなどの全4回の講座を予定。事務局長の村田喜直さんは「学区外での活動が少ない中高生には、仲間づくりの場が必要とされている」と参加を呼びかけている。
問い合わせは、「ふる里あったかとお」事務局(TEL94・2428)へ。 -
伊那署が街頭犯罪抑止呼びかける 地域防犯ボラも協力
伊那警察署は地域の防犯ボランティアの協力を得て「街頭犯罪等抑止総合対策強化月間」の初日の1日、管内の大型店4カ所で街頭啓発をした。
アピタ伊那店、ジャスコ箕輪店、ケーヨーホームセンターニシザワ南箕輪店、ニシザワ食彩館高遠店の4カ所で実施。伊那少年友の会、伊那エンジェルス隊など約80人が参加し、啓発チラシなど千枚を買い物客らに配った。
アピタ伊那店にはボランティア約30人のほか、県警のマスコットキャラクター「ライポくん」も参加。自転車の盗難や車上狙い防止を訴えるチラシ約400枚を配布し、市民に街頭犯罪抑止を呼びかけた。
伊那署管内で発生した05年の街頭犯罪は、前年と比べて178件少ない658件。小嶋惣逸署長は「この時期に抑えることで、1年間の犯罪抑止につながる」と話していた。 -
県市町村対抗駅伝・7日 「新伊那市」で優勝目指す
第16回県市町村対抗駅伝競走大会に出場する伊那市チームの結団式がこのほど、市役所であった。本年は3市町村合併に伴い旧町村から長谷の大村紘樹選手(信州大学2年)が選出。選手らは一丸となって優勝することを誓い合った。
市教育委員会の北原明教育長は「選手同士が励まし、支え合って仲間づくりをして、1本のタスキに全員の願いを託して頑張ってほしい」と激励した。
前回はコーチとしてチームを見守った桜井健一監督(オリンパス辰野工場)は「選手たちが自分の力を精一杯出してくれれば、自ずと結果はついてくる」とあいさつした。
3区を走る鈴木昌幸選手(20)=美原区=は「今年からは旧伊那市、高遠町、長谷村の力を合わせた新チームになったので、存分に力を発揮したい。大会当日は応援をお願いします」と決意表明した。
第16回県市町村対抗駅伝競走大会(長野陸上競技協会など主催)は5月7日、松本平広域公園陸上競技場を発着点に、9区間42・195キロで競う。
伊那市は前大会で総合13位。第1、3、6回大会で優勝し、長野市に続いて優勝回数は2番目に多い。
伊那市チームのメンバーは次の皆さん。
▽1区(3・2キロ)=守屋風姫(春富中3年)▽2区(3・8キロ)=原田遊(伊那中2年)▽3区(5・8キロ)=鈴木昌幸(ジェルモ)▽4区(3・4キロ)=平澤綾(伊那北高3年)▽5区(4・7キロ)=萩原英雄(ジェルモ)▽6区(5・0キロ)=守屋智春(喜楽Q)▽7区(6・5キロ)=大村紘樹(信州大2年)▽8区(3・4キロ)=田村真史(伊那中3年)▽9区(6・395キロ)=北原健介(上伊那農業高3年)▽補欠=林孝行(信州大4年)宮島有里恵(伊那北高2年)小林一也(伊那中2年)片桐紗雪(伊那中2年)▽監督=桜井健一(オリンパス辰野工場)▽コーチ=平澤和海 -
長谷中・ヒノキ苗植林 親子の交流も深める
伊那市の長谷中学校PTA(中山勝司会長)は29日、塩平の丸山谷にある市有林で植林作業をした。恒例行事に生徒や保護者など約130人が参加。上伊那森林組合が育てた約4600本のヒノキの苗木を家族らで植えていった。
先祖がつくりだした長谷の自然のありがたみを実感しながら、親子の交流も深める目的で、1990年からはじまり15回目を迎える。本年度初めてのPTA作業。例年は「みどりの日」の一週間前に実施していたが、学校行事の都合で変更した。
ヒノキの苗木は3年もので、高さは約40センチ。上伊那地方事務所の林務関係者から指導を受けながら、1万8500平方メートルの市有林に一人ひとり約50本ずつの苗木を植林していった。参加者らは植えた部分の周りの土をしっかりと踏み固めると、落ち葉を優しく被せて大きな樹に育つことを願った。
橋爪義彦さん(42)は長男の翔平君(13)と会話を楽しみながら共同作業で植樹。「作業は大変だが、親子の交流が深めれてよかった」とし、翔平君も「楽しい」と満足の様子だった。
中山PTA会長は「長谷は山を背負った特有の地域なので、そこで育った子どもたちには山とのかかわりを感じてもらいたい」と話していた。 -
伊那市議選 新議員26人が決まる
新市発足に伴う伊那市議会議員選挙は30日、市内71カ所の投票所で一斉に投票が行われ、即日開票の結果、新議員26人が決まった。投票率は69・42%だった。
合併後、初めての選挙で、旧3市町村単位に選挙区を設けた。選挙区ごとの定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が立候補、7日間にわたる激戦を繰り広げた。
当選したのは、前職22人、新人3人、元職1人で、党派は無所属21人、共産党3人、公明党2人。共産党は立候補者5人を擁立したが、高遠・長谷で各1人が落選、旧伊那市議の議席4を3に減らした。
選挙区ごとの投票率は伊那が67・07%、高遠が83・76%、長谷が85・84%だった。
最も高かった投票所は長谷の非持山で98・66%。伊那の西箕輪大萱が48・06%と最低だった。
有権者数は5万6183人(男2万7148人、女2万9035人)。
【伊那選挙区】
定数18。前職16人、元職1人、新人1人。党派は無所属13人で、共産党、公明党がそれぞれ3、2の議席を確保した。
トップ当選は、西春近の元市議飯島尚幸氏。公明党の組織票に加え、集落単位で決起集会を開くなど地元で安定した強さを見せ、2655票を獲得した。
同世代の若者を中心に「応援団」を組織した西春近の春日晋治氏、有権者2874人と大票田の富県の下島省吾氏が2千票台で上位当選した。
手良の新人竹中則子氏は、市女団連OB有志らでつくる「明日を担う女性の会」が「政策決定の場へ女性を送り出したい」と擁立。得票数1800票を目標に掲げ、各地区に支部を設けて全市的に支持を広げた。
前職5人のうち3人が引退した西箕輪は、前沢啓子氏=共産党=のみとなった。
東春近は、新人1人が立ったものの、共産党の前職飯島光豊、伊藤泰雄の2氏は、しっかり地元などの地盤を固めた。
美篶は前職黒河内浩、矢野隆良の2氏が、伊那は前職新井良二、小林信、柴満喜夫、中村威夫、馬場秀則、前田久子=公明党=、三沢岩視、柳川広美=共産党=の8氏がそれぞれ当選を果たした。手良の小平恒夫氏は次点と41票差で当選ラインに滑り込んだ。
民主党の推薦を受けた東春近の新人野溝直樹氏は、ビジョン実現のため「だれもが自由に自分の意見を言える民主主義の風土づくり」を目指し、選対を組織せずに戦った。前職2人の地盤を崩すことができず、他地区へも浸透できなかった。市民派として立った西箕輪の前職倉田節子氏は地縁・血縁の地域選挙の壁にはばまれ、美篶の若林徹男氏も前回(03年2月の旧伊那市議選)より約370票を伸ばしたが、当選ラインに届かなかった。
【高遠選挙区】
定数5に8人が立候補した。なかでも5人が出馬した激戦の高遠地区は、他地区からの集票がカギとなっていたが、「貧乏くじ」を引いたのは同地区の3人だった。
大票田の藤沢からただ一人出馬した伊藤明由氏は地元票を固め、候補者がいない隣地区の長藤、三義からの上乗せを図った。一時は「地元に他候補が多く入り込み、かなり入り乱れている」と不安を募らせていたが、激戦の高遠地区の陣営を中心とした切り崩しをしのぎ、千票を超す票数を獲得してトップ当選を果たした。
河南地区からは上山田の推薦を受けて立った平岩国幸氏が、地元や候補者を出していない地区内の集落を固め、血縁関係の強い他地区からの票も得た。
激戦の高遠地区から一人抜け出る格好となったのが北部地域に勢力を伸ばした原浩氏。有権者が約230人と少ない下山田の野々田高芳氏と、同じ集落から3人が立つ大激戦の高遠地区相生町から出馬した飯島進氏は、各地区から票を重ねて滑り込んだ。
組織票と地元票以外の票が伸びなかった共産党の関森照敏氏、血縁関係の強い河南地区の小原を固めたものの、他地区への拡大に失敗した伊東實氏、全域からの支持を狙った春日嗣彦氏の高遠地区3人が涙をのんだ。
【長谷選挙区】
長谷区は定数3に対して5人が出馬。北を固めた非持の中山彰博氏、南をまとめた佐藤八十一氏、地元をはじめ、全域からの集票を図った北原幸彦氏が当選した。溝口から立った羽場好美氏と共産党の宮下金典氏が落選した。
非持から出馬した新人の中山氏が確実に地盤を固めてトップ当選。これまで南非持と中非持それぞれで候補者を擁立して対立してきた両集落の一本化を図り、非持全体から票を獲得した形となった。
また、佐藤氏も昭和の合併で長谷村となる前の旧伊那里村地域である中尾、市野瀬、浦、地元杉島の4地区を統一した格好で、両氏とも安定した基礎票で、選挙戦を優位に展開した。
有権者225人の非持山から立った北原幸彦氏は、苦戦がささやかれていたが、全域から支持を得るために精力的に活動し、各地区からの上乗せで滑り込んだ。
大票田を地盤とする中山氏と佐藤氏の固い防衛に影響を受けたのが、溝口の羽場好美と宮下金典の2氏。地元票だけでは当選が難しいことから、羽場氏は47歳の若さを武器に若者層に支持を訴え、宮下氏は組織票と草刈り場を中心に全域からの集票を狙ったが、他地区の固い防衛によって切り崩しに失敗した。 -
中尾歌舞伎が定期公演
伊那市長谷の「中尾歌舞伎」春季定期公演が29日、文化伝承施設「中尾座」であった。真に迫る演技で、村内外から詰めかけた観客300人余を魅了した。
演目は「奥州安達原三段目 袖萩祭文の段」。約1時間半の公演で、浄瑠璃と三味線に合わせ、源氏に滅ぼされた奥州安部一族の壮絶な復しゅう物語が進んだ。親子の情愛の深さ、太刀や旗を使った大見得などの見せ場では、会場からおひねりが飛び、拍手が沸いた。
中尾歌舞伎は江戸時代からの歴史があり、一時、戦争で自然消滅したが、86年に復活。98年、長谷村の無形文化財に指定された。例年、春と秋に定期公演を開いている。 -
伊那市議選あす投票・候補者「最後のお願い」
新市発足に伴う伊那市の市議選は30日、投票が行われる。市議選は、旧市町村単位を区域とする3選挙区で、いずれも定数を超え、激しい選挙戦が繰り広げられている。残すところあと1日で、立候補者は選挙カーに乗り込み「最後のお願い」に回る。
定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が立候補。伊那が前市議18人、新人2人、元市議1人で、党派は無所属16人、共産3人、公明2人。高遠は前町議7人、新人1人で、無所属7人、共産1人。長谷は前村議4人、新人1人で、無所属4人、共産1人。
選挙区ごとの有権者数は22日現在で、伊那が4万9428人(男2万4038人、女2万5390人)。高遠が5948人(男2810人、女3138人)。長谷が1834人(男854人、女980人)。
03年2月の旧伊那市議選の投票率は68%。今回は、合併後初めての選挙で、投票日が2月に比べて暖かい時期であることから上がると見る一方、大型連休にかかり、市長選が無投票だったことから下回ると予想する人もいる。
仮に、投票率が70%だった場合、有権者を定数の18で均等割すると、立候補者1人当たり1922票。上位当選者が大量に票を獲得すると、当落ラインはぐっと下がる。
高遠、長谷はいずれも旧町村議選の前回選挙が無投票で終わっているため、前々回選挙の投票率でみると、高遠は89%(01年3月)、長谷は92%(99年4月)だった。
高齢化率が上がっていることや、大型連休にかかり若者層の投票が減るなど、これまでの投票率を下回るとした見方が多いため、高遠を85%、長谷を90%として定数(高遠5、長谷3)で均等割すると、高遠が立候補者1人当たり1011票、長谷が550票となる。
3選挙区とも定数が旧市町村議会より、伊那が6人、高遠と長谷がそれぞれ9人と、大幅に減ったことで、かなり多くの集票が求められ「前回の2倍は取らなければ、当選は難しい」「今までのように地域の票だけを頼りに戦えない。これまでにない厳しい選挙」「票読みが難しい。ふたを開けてみないとわからない」と危機感を募らせる立候補者の声が目立つ。投票率の低下を懸念しつつ、一票ずつを確実に上乗せするため、各選対は期日前投票を含めて投票を呼びかけている。 -
伊那市子ども会育成会連絡協議会新組織に
伊那市子ども会育成会連絡協議会が26日夜、市役所であり、新役員の選出や06年度事業、予算などについて話し合った。3市町村合併に伴い会員34人(内訳=旧伊那28人、旧高遠5人、旧長谷1人)の新組織となった。新会長には美篶笠原の農林業、畑房男さんに決まった。
伊那市教育委員会の北原明教育長は、現在の子どもたちの学習について「現実体験から離れた学習を詰め込むのでなく、実際の体験を通して学んでいくことが必要。皆さんには地域でさまざまな体験活動を展開していくことを期待する」と話した。
新会長に選ばれた畑さんはあいさつに立ち「健全育成のために子どもたちを育てると同時に、守ることが重要。それには地域の中でその一翼を担うための団体にならねば」と決意を述べた。
本年度事業では7月中旬に中南信地区安全指導者研修会に参加するほか、9月下旬には地域子ども安全フォーラムを市内で開く。 -
横領の元職員に懲役3年6月 地裁伊那支部
伊那市などでつくる伊那中央行政組合の公金を着服したとして、業務上横領の罪に問われていた同市坂下区入舟の元伊那中央衛生センター庶務係長、田畑浩二被告(41)=懲戒免職=に対して地裁伊那支部(藤井聖悟裁判官)は27日、懲役3年6月(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。
判決公判などによると田畑被告は、庶務係長になった2003年4月から06年1月までの間、122回にわたり、同センターにし尿回収業者3社が支払った施設使用料のうち、2566万8千円を着服していた。
経理をほとんど一人で担当していたため、誰もいない時を見計らって、事務所金庫に保管していた現金を抜き取る手口で横領。飲食やパチンコなどの遊興費、消費者金融への借金返済などに使っていた。
藤井裁判官は判決理由で「公務員としての責任ある立場にありながら、それを悪用し、公務員に対する信頼を失わせた責任は重い。重大性、背信性を十分認識しながら遊興費に使用したことは、規範意識の欠如は明らかだ」とした。 -
伊那市議選激しいつばぜり合い・高遠区情勢
新市発足に伴う伊那市議選は、旧市町村を区域とした選挙区が設けられ、伊那18、高遠5、長谷3の定数に対し、それぞれ21人、8人、5人が立候補。激しいつばぜり合いはいよいよ後半戦にもつれ込んだ。候補者たちは遊説カーで各選挙区域を隅々まで回り、力強い決意をにじませて、有権者に公約を訴えている。選挙区ごとに情勢を探る2回目。
高遠選挙区は、定数5に、前町議7人、新人1人が出馬。党派は、無所属7人、共産1人。地区別では、高遠が前町議5人、河南が前町議1人と新人1人、藤沢が前町議1人。
高遠選挙区の中心部である高遠地区は、西高遠から前職の飯島進、伊東實、春日嗣彦、関森照敏、原浩の5氏が立候補。このうち相生町から飯島、伊東、関森の3氏が立つ。各陣営とも「地元からガッチリ(票を)取りたいが、非常に難しい」と危機感を募らせている。
血縁関係の強い他地域からの確実な票獲得に向ける陣営、候補者のいない地区内の東高遠のほか、長藤、三義に加え、藤沢に入り込むなど、全域からの「票取り合戦」が強いられている。
新市発足により衰退が懸念されている周辺部の藤沢、長藤、三義の3地区は、有権者約980人を誇る大票田の藤沢に伊藤明由氏一人が立つのみ。三義と、長藤の北中部地域からの集票も狙い勢力の拡大を目指す一方で、「守ることが大変」と上滑りを警戒する。
河南地区は、下山田から前町議の野々田高芳氏、上山田から新人の平岩国幸氏の2人が地元の推薦を受けて出馬。有権者約450人の上山田、その2分の1ほどの下山田、いずれも地元票だけの当選が難しいことから、河南地区内で約900人の有権者がいる小原と勝間の票を奪い合う。しかし、小原は血縁関係の強い他地区の候補者が「地盤」としていることもあり、長藤と三義などからの上乗せを図る。
各陣営とも地道に他地区へ足を運んで支持を広げ、事務所では、電話やはがき戦略で支持の拡大を図るなど、終盤に向けて追い込みをかける。
有権者数は4月22日現在で、5948人(男2810人、女3138人)。 -
伊那市議選激しい舌戦中盤へ・長谷区情勢
新市発足に伴う伊那市議選は、旧市町村を区域とした選挙区が設けられ、伊那18、高遠5、長谷3の定数に対し、それぞれ21人、8人、5人が立候補。激しい舌戦は早くも中盤にさしかかった。候補者たちは遊説カーで各選挙区域を隅々まで回り、力強い決意をにじませて、有権者に公約を訴えている。選挙区ごとに情勢を探る。
長谷選挙区は、定数3に、前職4人、新人1人が出馬。党派は、無所属4人、共産1人。地区別では非持に前職1人と新人1人、溝口に前職2人、杉島に前職1人が立つ。
非持地区は、非持山から前職の北原幸彦氏、非持からは区の有志が擁立した新人の中山彰博氏の2人。「非常に厳しい選挙」とする北原陣営は有権者約230人の地盤を守りつつ、血縁のある非持の一部や、候補者を出していない黒河内や市野瀬などの草刈り場から集票を狙う。
長年にわたり南非持、中非持の各集落ごとに候補者を擁立し、対立してきた非持。今選挙は中非持から中山氏一人のみの出馬とあり、これまでにない区の一本化を図る。他地区からの切り崩しもあるが、確実に足元を固めて、草刈り場などへの勢力を広げる。
溝口からは前職の羽場好美、宮下金典の2氏。両陣営とも有権者約380人の地元票を頼りとするほか、羽場氏は47歳の若さを看板に全域の若者層から支持を狙う。共産党の宮下氏は、黒河内や中尾などを中心に全域からの集票を狙い、「有権者からの期待は感じるが、その期待が投票につながるように後半は活動したい」とする。
杉島からは前職の佐藤八十一氏。昭和の合併で長谷村となる以前の旧伊那里村地域である浦、市野瀬、中尾からは候補者がいないことから「政治の灯を消さない」(佐藤陣営)を合言葉に、有権者約490人の伊那里地域4地区を中心に集票を図る。
各陣営からは「ふたを開けてみないとわからない」「票読みができない」「これまでにない厳しい選挙」などの声があがる。地盤の切り崩しに警戒を強めつつ、新たな支持者の掘り起こしにも力を入れるなどし勢力を拡大に必死になっている。
有権者数は4月22日現在で、1834人(男854人、女980人)。 -
「伊那市営」南アルプス林道バス今季運行開始
南アルプス林道バスは25日、伊那市営として戸台口から歌宿までの今季運行を開始し、山岳観光シーズンの到来を告げた。
出発式で職員7人を前に、伊東義人市長職務執行者は「開始から26年間無事故であり、親切でていねいな運行をしておられる。今季も無事故で、喜ばれるような運行をし、新市の目玉になるように努力をしてもらいたい」と呼びかけた。
仙流荘バス停では、午前8時5分の始発便に7人が乗車。自然散策を目的に訪れた伊那市美篶の男性(52)は「残雪の景色などを見にきた。南アルプスの景色は最高で、夏山を中心に毎年来ている。新市の山としてさらに愛着がわきそう」と話していた。
昨季の利用者は5万163人と例年並み。1980(昭和55)年の同林道バス運行開始から昨季までの利用者数は89万3300人余で、期間中に90万人を達成する見通し。ピークは夏山シーズンの7月中旬から8月中旬ごろと、紅葉が楽しめる10月中旬ごろだという。
山梨県境の北沢峠までの延長運行も6月15日から始まる。営業は11月15日までの予定だが、天候状況などよって変更する場合もある。
戸台口からの発車時刻は▽午前8時▽午前10時▽午後0時40分(7月16日縲・月31日の期間を除く)▽14時05分竏秩B土曜日・休日と7月16日縲・月31日は毎日、午前6時発の早朝便も走る。歌宿までの所要時間は45分(16キロ)。料金(片道)は、戸台口竏忠フ宿間900円、戸台口竏猪k沢峠間1200円。
問い合わせは、南アルプス林道バス営業所(TEL98・2821)または、市長谷総合支所(TEL98・2211)へ。 -
「伊那少年友の会」会員委嘱式 新会長に丸山義貞さん
伊那署は21日、「伊那少年友の会」の会員委嘱式を署内で開いた。2年任期に伴う委嘱替えで、会員は10人の退任者に代り、9人の新任者を迎えた計42人。新会長には丸山義貞さん=伊那市高遠町長藤=が選出された。
小嶋惣逸署長は「子どもたちの健全育成や、安心安全な環境を守ることは私どもや地域にかせられた任務。皆さんの力を持ち合わせて、次代を担う子どもたちを育てていきたい」とあいさつ。
退任者に対しては「元気で活躍すると共に、今後も指導、アドバイスなどの支援をいただければ」と感謝した。
伊那少年友の会は非行少年の早期発見、補導などを目的に活動。伊那、箕輪、南箕輪、高遠(長谷含む)の4ブロックで構成され、本年度の初仕事は「街頭犯罪抑止強調月間」の初日(5月1日)、大型店で街頭啓発のチラシ配りを予定する。
伊那署によると、昨年管内で発生した刑法犯の検挙人数221人のうち、少年補導人数は全体の43パーセントとなる96人。このうち万引き、自転車盗などの犯行手段が簡単で、動機が単純な非行「初発型非行」が約6割を占めている。 -
伊那中央病院で防災訓練
伊那中央病院(小川秋実院長)で20日、夜間に出火したと想定した防災訓練があった。当日夜勤の医師や看護師など約40人が参加。初期消火、状況報告などの担当に分かれて訓練に臨んだ。
今月から3階西病棟の病床使用が開始されたのに伴い、消火班などの編成方法を一部見直した「自衛消防隊活動マニュアル」に添って訓練。任務遂行者が手順を熟知しているかなど、新マニュアルの問題点を浮き彫りにすることを目的に、初めて実施した。
火災報知器が作動すると共に、出火場所の近くで働く職員から順に現場へ集合。消火器などで初期消火をしたり、被害状況を本部指揮官に伝えるなど、各自がそれぞれの担当任務に取り組んだ。
訓練が終了すると、伊那消防署の塩原正美予防係長が講評。「自分の役割が分かっていない部分もあり、流れが悪かった。いざという時に迅速な行動ができるようにしておいてほしい」と呼びかけた。
小川院長も「反省点を参考にして、次回はよりよい訓練ができるよう心掛けてほしい」と職員らの気持ちを引き締めた。 -
伊那市議選情勢(3)長谷区
新市発足に伴う伊那市の市長選・市議選は23日告示、30日投票の日程で行われる。市議選(定数26)は初回に限り、旧市町村を区域とした選挙区を設ける。定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が出馬を表明し、いずれも選挙戦に突入する見通し。旧市町村別に情勢を探る3回目。
長谷選挙区は、他選挙区に比べ低調な出足だったが、定数3に対し、これまでに前職4人、新人1人が出馬の意向を示している。党派は、無所属4、共産1。地区別では非持に前職1人と新人1人、溝口に前職2人、杉島に前職1人が立つ。
非持地区は、非持山から前職の北原幸彦氏、前職3人が引退した非持からは、区の有志が擁立した新人の中山彰博氏が名乗りを挙げた。有権者約550人の大票田である非持で唯一、立候補を表明している中山氏の陣営は「他地区からの切り崩しで有権者の多さが逆にあだとなることがあるし、油断はできない」と、区の一本化を図って確実に足元を固めていく。
非持山の北原氏は有権者約230人の地盤を守り、非持や候補者を出していない他地区を中心に勢力を広げる構え。
溝口からは前職の羽場好美、宮下金典の2氏。羽場氏は有権者約390人の地元のほかに、47歳の若さを看板に全域の若者層から支持を狙う。共産党の宮下氏も地元を固めながら、黒河内や中尾などの草刈り場を中心に全域からの集票を図る。
杉島からは前職の佐藤八十一氏が立つ。約90人と有権者は少ないが、浦、市野瀬、中尾といった昭和の合併で長谷村となる以前の旧伊那里村からの票を集める。旧伊那里区域は約500人の有権者数を誇り、他地区からの切り崩しにも固い防衛をみせる。
前回選挙が無投票に終わったことや、定数が変わったことなどで、各陣営とも票読みに苦労しながらも、これまでのような地縁を頼りとした確実な地盤固めを図る陣営、大票田の切り崩しや草刈り場への勢力拡大を目指す陣営、いずれもあいさつ回りなど精力的に前哨戦こなす。
有権者数は3月2日現在で1839人(男851人、女988人)。 -
伊那署など 小冊子「こどもごしんじゅつ」を作成
伊那署と伊那防犯協会連合会は、子どもを守る対策の一環として小冊子「こどもごしんじゅつ」を作成した。管内の22小学校の全児童に配れるよう約6700部を用意。今後は各学校の防犯講話などで活用される。
小冊子は、子どもが日常生活の中で心がけなければいけない注意事項がまとめられている。一人で歩く時、留守番をする時竏窒ネど、児童が自分の身を守るための対処方法を掲載。例えば、車に乗った人から話し掛けられた場合は「ぜったいに車に乗らない」などと紹介している。
内容は小学3年生までに習う漢字を使用。イラストや、署員の家族をモデルに使った写真なども盛り込まれ、視覚的に興味を引くよう工夫した。
小冊子はA5判、6ページ、オールカラー刷り。 -
津野祐次写真展「美しき日本」
伊那市にあるヤマウラ長谷営業所内の長谷アルプスフォトギャラリーで、津野祐次写真展「美しき日本」が開かれている。「伊那市は国内屈指の美しい風景が存在する」ことを実感できるよう、あえて日本各地の風景と合わせて展示した。8月27日まで。
新伊那市誕生を記念した写真展の第2弾。国内を10年ほど飛び回り、撮りためた中から、津野さん自身が推薦する海や渓谷、高原、山岳を中心に、作品40点を並べた。
南アルプスの「塩見岳」「藪沢源流」など地元の自然景観に加え、朝日を浴びる「橋杭岩」、夏の「ブナの森(秋田県)」「博多港夜景(福岡県)」など日本の風光明美な地を紹介。満開の桜で埋まる高遠城址公園と、弘前城をバックにした「弘前公園」の桜を見比べることもできる。四ツ切縲・×1・5メートルサイズ。
津野さんは「写真の表情から、岳都にふさわしい地域の良さを見直す一助になれば」と話している。
開館は午前9時縲恁゚後5時。土・日・祝日のみ開館。29日縲・月7日、8月5縲・6日は毎日開館。入館料は大学生以上100円。 -
伊那市議選情勢(2)高遠区
新市発足に伴う伊那市の市長選・市議選は23日告示、30日投票の日程で行われる。市議選(定数26)は初回に限り、旧市町村を区域とした選挙区を設ける。定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が出馬を表明し、いずれも選挙戦に突入する見通し。旧市町村別に情勢を探る。
高遠選挙区は、定数5に対し、前職7人、新人1人が出馬を表明。党派は、無所属7、共産1。地区別では、高遠が前職5人、河南が前職1人と新人1人、藤沢が前職1人。
高遠選挙区の中心部、高遠地区は、西高遠から前職の飯島進、伊東實、春日嗣彦、関森照敏、原浩の5氏が表明。このうち相生町から飯島、伊東、関森の3氏が立つ。激戦区とされる高遠地区は、各陣営とも地域の票のみを頼りに戦えない厳しい状況にある。地区内の東高遠や周辺部の長藤と三義をはじめ、大票田の藤沢に入り込むなど、全域からの票獲得に必死だ。
一方、新市発足により衰退が懸念されている周辺部の藤沢、長藤、三義の3地区は、前職が4人引退するなか、新人の擁立に苦戦するなど有権者約980人の大票田、藤沢に伊藤明由氏ただ一人が立つのみ。激戦の高遠地区からの切り崩しで「入り乱れた状況」(伊藤陣営)にある。候補者を出していない三義と、長藤北中部地域からの確実な集票を狙い勢力を広げる「守りながら攻める」姿勢をみせている。
河南地区は、下山田から前職の野々田高芳氏、上山田から新人の平岩国幸氏の2人。いずれも地元の推薦を受けての出馬だが、地元票だけでは当選は難しく、約900人の有権者がいる地区内の小原、勝間をはじめ、長藤、三義への拡大も図る。
各陣営とも「貧乏くじを引くわけにはいかない」と、票獲得に向け、動きも活発化してきている。
3月2日現在の有権者数は5971人(男2828人、女3143人)。 -
伊那署管内 「交通安全運動」期間中の事故発生状況
06年度「春の全国交通安全運動」(6竏・5日)の10日間、伊那署管内で発生した人身事故は前年と比べて7件少ない、4件だった。死亡者は1人(前年比1人増)、けが人は4人(同10人減)。期間中は歩行者が関わる事故や交差点内の事故の発生が目立っている。
管内では同運動初日、高齢者が運転するミニバイクによる交通死亡事故が発生。事故は信号機のない、4差路交差点で起きた。昨年は交通死亡事故全5件のうち、2件で高齢者2人が死んでいる。
期間中、県下の交通事故発生は、人身事故313件(前年比61件減)、死者数2人(同1人減)、けが人414人(同55人減)と、減少傾向。しかし、16日現在の死亡数は27人で、そのうち約60パーセントを占める17人が高齢者だ。
伊那署の中山邦夫交通課長は「運動期間中だけでなく、常に事故を起こさないという意識を再確認してほしい。一人ひとりが意識して思わなければ事故はなくならない」と話している。 -
3市町村合併で体育指導委員会も統合
伊那市体育指導委員の委嘱書交付式が14日夜、市駅前ビルいなっせであった。3市町村合併により各市町村の体育指導委員会は統合。市教育委員会は35人(内訳=旧伊那21人、同高遠6人、同長谷8人)を委嘱した。
北原教育長は「新しい市の健康づくり、住民の元気づくりを担ってほしい。今は高齢者から幼児にいたる各年代にそれぞれの課題があると思う。幅広い守備範囲となるが、皆さん目標を持って取り組んでほしい」とあいさつした。
委嘱式の後、体育指導委員会役員を選出。委員長に松本守博さん=坂下区=、副委員長3人に伊藤直人さん=高遠長藤=、伊藤卓郎さん=長谷非持=、松田悦子さん=荒井区=が選任された。
体育指導委員は地域の生涯学習スポーツ振興の中心者。学校、公民館などのスポーツ事業を手助けする役割などを担っている。同委員会主管の本年度行事は5月の「イーナちゃんウォーキングカーニバル」、7月の「ラジオ体操オープニングセレモニー」などがある。 -
市長選・市議選告示まであと1週間
新市発足に伴い、23日告示、30日投票の日程で行われる伊那市の市長選・市議選が、あと1週間に迫った。住民の会話にも、選挙の話題が上がるようになった。
17、18日は本庁・総合支所で、それぞれ立候補届出書類・選挙公報などの事前審査がある。受け付けは午前9時縲恁゚後4時。
【市長選】
出馬を表明しているのは、前伊那市長小坂樫男氏(70)=無所属・小沢=のみ。
後援会組織は、16日に結成総会を開く長谷を含めて29支部。
これまで組織に市議を含んでいたが、今回は市議選と日程が同じであることから、役員は後援会幹部で固めた。青壮年、女性、熟年など各年齢層を網羅する。
また、市内の企業や6割近い区から推薦を得ている。
小坂氏は市町村合併に伴い、3月30日に市長を失職してから、25カ所の集落や市議選立候補予定者の集会に出向き、出席した住民に政策などを訴えている。
後援会では「新たな立候補予定者が出るのか先が見えないが、選挙体制は整えている」と気を引き締める。
小坂氏は、具体的な施策に▽過疎対策の充実(定住対策など)▽少子化対策(保育園の統廃合を進め、働く人の手助けをする、企業の育児休暇を取れる体制)▽旧伊那中央病院の後利用として▽保健・福祉の拠点整備、新規企業誘致と既存企業の支援竏窒ネどを挙げる。
新人擁立に動く市民有志は「市議選にエネルギーを吸い取られる」などの現状もあり「希望は捨てていないが、厳しい」という。市民有志の結論を待つ共産党上伊那地区委員会は「最終結論まで、時間をいただきたい。鋭意努力したい」としている。
合併を推進し、新しいまちづくりの道筋をつける意味から、新人が出にくい状況もあるようで、一部から「無投票になるのではないか」という見方も出ている。
【市議選】
市議選(定数26)は初回に限り、旧市町村を区域とした選挙区を設ける。定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が出馬を表明。各選挙区で定数を超え、選挙戦は確実となっている。立候補予定者は各地域を回り、組織拡大を図っている。
伊那選挙区は、地区別に伊那8人、富県1人、美篶3人、手良2人、西箕輪2人、東春近3人、西春近2人。
西箕輪の選挙人登録者数は4790人で、前職5人のうち3人が引退したため、他地域からの切り崩しが激しくなっている。
高遠選挙区は定数5に対し、前職7人、新人1人の計8人が出馬を表明。そのほかに動きはなく、現状のまま選挙戦に持ち込まれそうだ。
高遠地区は西高遠から前職5人が出馬を表明しており、混戦となる模様。候補者のいない他地区に拡大を図るなど動きも活発化している。
一方で、新市発足により衰退が懸念されている周辺部の三義、長藤、藤沢の3地区は、新人の擁立に苦戦し、前職5人のうち候補者は藤沢から1人のみ。河南地区は上山田から新人1人、下山田から前職1人が名乗りをあげている。
長谷選挙区は新人擁立の模索や周囲の動向を探るなど他選挙区に比べ低調な出足だったが、定数3に前職4人、新人1人が出馬の意向を示している。
地区別に見ると、有権者数約870人の非持に2人、約390人の溝口に2人、約90人の杉島に1人が立つ。溝口、杉島の立候補予定者は大票田、非持の切り崩しを回りながら候補者を出していない黒河内、中尾、市野瀬などの草刈り場からの集票を狙う。
高遠、長谷は前回選が無投票だっただけに、各陣営とも票読みに苦労している。 -
南アルプスで男性遭難 足首など打撲
9日午前11時52分ころ、南アルプス仙丈ケ岳の岳沢付近で雪崩により群馬県沼田市の自営業の男性(49)が遭難していることが、同伴者の通報で分かった。県警は午後1時34分、ヘリコプターで男性を救助し、伊那市内の病院に搬送。男性は頭、首、右足首打撲などの軽傷を負っていた。
遭難者を含む2人は8日から、大仙丈を目指して入山。三峰川ベースキャンプに野営し9日午前3時40分ころ出発したところ、登頂途中に雪崩に巻き込まれて約50メートル流され負傷した。
同伴者が自力で下山し、長谷駐在所へ救助要請し、県警のヘリコプターが出動。午後1時50分、市内の病院に収容した。 -
伊那市身体障害者福祉協会・合併創立総会
伊那市・高遠町・長谷村の3市町村合併により統合した伊那市身体障害者福祉協会は9日、市福祉まちづくりセンターで合併創立総会と記念式典を開いた。式典には会員ら約90人が出席。新会長に選ばれた竹松猛会長=日影=は、新体制になった身障協への協力を呼びかけた。
式典で竹松会長は「3市町村合併により、身体障害者手帳の交付者は約2300人を超えた。会員は増えたが、入会率は32%と厳しい状況。これからは事業を活発化させ、魅力ある協会にしなければ。皆さんと支えあって、伊那市が全国一住み良い街と言われるように頑張っていきたい」とあいさつした。
伊東義人市長職務執行者は「合併により、今までの福祉(サービスの質)が落ちないよう、協力していきたい。今後、市でも重点的に支援していきたい」と話した。
総会では役員選出や、会員相互の親ぼく会や障害者スポーツへの積極的参加などの本年度事業計画など3議案を承認、可決。役員は副会長に西村周市さん=高遠町上山田=、加藤伸一さん=原新田=、下島忠孝さん=中央区=らが選任された。 -
【登場】伊那警察署長 小嶋惣逸さん(58)
「少しでも治安が高まるようにしていきたい。地域の人が警察にどんな要望を持っているかを汲み取っていければ」と展望を語る。
1947(昭和22)年の飯田市生まれ。警察官になってからは交通関係の仕事を中心に従事。10年間、交通機動隊員として活躍してきた経歴も持つ。署長職は今回で2回目。
伊那署は2度目の転任。前回は88縲・0年の2年間、交通課長を務めていた。
「新市誕生、権兵衛トンネル開通と、一つの新しい時代を迎えている」というのが16年振りの管内の印象。以前に世話になった地域住民との再会に「顔ぶれが懐かしいね」と昔の自分を思い出したりもする。
権兵衛トンネル開通による犯罪の広域化、全国的な傾向である高齢者がかかわる交通事故の増加竏窒ネど、伊那署が抱える課題は大きい。
「伊那署は国道361号と国道153号が十文字に交差する地域。県下でもそういった場所は犯罪、事故が多発している。警察だけで事件事故を未然に防ぐのには限界がある。地域の皆さんの自主的活動を支援しながら、一緒に防いでいきたい」
趣味は写真撮影。背中に背負ったリュックサックにカメラを入れ、自転車で管内の安全を見守りながら散策を楽しむ。撮った風景や花などの写真は、ハガキして友人に送っているという。
官舎で妻と2人暮らし。 -
伊那市となって初めての入学式、高遠、長谷で
旧高遠町・長谷村の小学校3校、中学校2校で6日、新伊那市となって初めての入学式があり、新入生と共に新たな一歩を踏み出した。
長谷小の新入生は8人。一人ひとり、原孝壽校長から名前で呼ばれ、元気よく「はい」と返した。原校長は「みなさんはもう、長谷小学校の一員。うるわしき長谷の自然の中、頑張ってください」と激励。児童会長の白川翼君は「全校で集まる楽しいイベントもある。悲しいこと、困ったことがあったら相談してほしい」と新入生を温かく迎え入れた。
PTA会長の中山和文さんは「伊那市となった長谷小がスタートし、不安な声も聞かれるが、長谷小は村だった時から教育に対しては格別の思いで取り組んできた。そういう思いがある限り、長谷小は大丈夫なので安心してほしい」と新入生の保護者に呼びかけた。 -
高遠城址公園さくら祭り開幕
全国有数の桜の名所、伊那市高遠町の高遠城址公園で6日、公園開きがあり、新伊那市として初めての「さくら祭り」が開幕した。関係者約120人が式典に出席し、権兵衛トンネル開通などによる一層のにぎわいを期待した。
1500本のタカトオコヒガンザクラのつぼみも膨らみ、開花を待つばかり。長野地方気象台の開花予想は9日、見ごろは14日前後とみている。今季は木曽谷にPRするなど誘客に力を入れ、昨季を上回る32万人の人出を見込む。
式典で伊東義人伊那市長職務執行者は「新市誕生にふさわしいさくら祭りとし、観桜客にまた来たいと思われるようにしたい」とあいさつ。高遠町3保育園の年長児約50人を先頭に参列者が桜雲橋を渡り、問屋門をくぐって公園開きを告げた。
さくら祭りは5月5日まで。期間中は高遠ばやしの巡行、高遠町商工会女性部による桜茶のサービス、高遠まんじゅう大食い大会などの催しを予定している。
また、これまでは入園券で無料入館できた町歴史博物館は今年から割引の別途料金にしたことから、サービスの低下を補うため、高遠閣に大型モニターを設置し、開花前に訪れた観桜客に対して満開時の様子を上映している。
さくら祭りは83年の有料化以降、24年目。「天下第一の桜」とうたわれ毎年、全国の花見客を魅了。有料入園者数は初年度の13万5千人を皮切りに、昨年度で600万人を突破した。 -
伊那市交通指導員委嘱式 交通事故のない市へ
交通安全指導などの啓発活動に取り組む伊那市交通指導員の委嘱式が4日、市役所1階多目的ホールであった。指導員数は3市町村合併により、高遠地区5人、長谷地区1人を加えた22人。それぞれが伊東義人市長職務執行者から委嘱状を受け取った。
伊東市長職務執行者は「道路交通におけるモラルについて呼びかけ、市民の交通安全マインドを向上させてほしい。新市に交通事故が発生しないような、活発な活動となるよう期待する」とあいさつした。
伊那市交通指導員会の内山寿会長(71)=同市山寺区=は「伊那市に交通事故を無くすよう、痛ましい交通死亡事故がなくなるよう、市民の交通安全意識の高揚、推進を図っていきたい」と宣言した。
同指導員は全国の交通安全運動を中心に、月2回の地域啓発などで交通事故防止を呼びかける。6日の「春の全国交通安全運動」が本年度の初出動となる予定。