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伊那市緊急経済年末相談窓口設置伊那市役所
伊那市は27日から、中小企業の融資に対する相談、解雇により住まいを失った市民の相談に応じる年末の相談窓口を設置する。
窓口では▽中小企業を対象にした緊急保障制度に関する認定▽市の制度資金の利用▽解雇により住まいを失った市民を対象に住宅や生活竏窒ネどについての相談に応じる。また、必要に応じて、ポルトガル語通訳の派遣もする。
市によると、これまでに解雇による居住の問題についての相談は寄せられていないという。
設置期間は30日までの4日間で、市役所3階の商工振興課で受け付けている。 -
雇用維持と安定に緊急メッセージ
急激な景気悪化に伴う雇用不安に対し24日、長野県と労働局、経済、労働団体は共同で雇用安定に向けた緊急メッセージを発表した。村井仁県知事、小池國光長野労働局長、安川英昭和県経営者協会長、近藤光連合長野会長の4者連名。県内企業に雇用維持と安定に向けて最善の努力を求めた。
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「南極でこうや豆腐はできますか?」
信州の伝統食品であるこうや豆腐。かつてその産地だった諏訪の清陵高校の生徒たちが提案した「南極でこうや豆腐を作って!」という実験が、南極観測隊に採用され、注目を集めている。この実験を考えた清陵高校生、畑中美帆さんと清水恒平君が、担当の清水久樹教諭と連れ立って、このほど、伊那市でこうや豆腐を作る登喜和冷凍食品を訪ね、提案した実験の方法と結果の予測について、専門家からの意見を聞いた。
提案した実験は、極寒の地である南極で、豆腐を屋外に置いておけばこうや豆腐になるのか?を試すもの。
「こうや豆腐はただ寒ければできるのか?」「南極で作ればどうなるのか?」竏窒ネどの高校生たちの質問に、登喜和冷凍食品の登内英雄社長らは、「凍結と溶解を繰り返さないと乾燥しない。南極で溶解するのかが問題」「凍ったまま風にさらせば乾燥するかも。自分たちも結果を知りたい」などと熱心に議論していた。
こうや豆腐は、日本のシェアのほとんどを長野県の食品製造会社が占めている。業界では、伝統食品としての普及と同時に、調理済み製品にしたり、機能性を発展させた新食品にしたり、新たな試みが続いている。
こうした状況下で、高校生の素朴な疑問を解決するために協力するのも、伝統食を継承する重要な試みだといえよう。【詳細解説記事はゴーシュホームページに】 -
県が緊急経済総合相談窓口開設、初日相談50件
急激な景気悪化と雇用不安を受け長野県は24日、緊急経済対策総合相談窓口を県庁に開設した。失業者の生活資金関連の16件、中小企業の資金繰り関連14件をはじめ、初日は50件の相談が寄せられた。県の出先機関でもある上伊那地方事務所でも27日から30日まで年末相談窓口を開設し、中小企業者の資金や経営相談、公営住宅入居に関する相談に応じる。
この日、県庁の窓口に寄せられた相談はほかに福祉資金関係が6件、労働関係が5件、住宅関係が3件などだった。相談窓口(電話026・232・6203)は年内は30日まで、年明け5日以降の平日も開設。午前8時半から午後5時15分まで中小零細企業の資金繰りから、解雇や雇止めの労働相談、生活困窮者や消費相談にも応じる。
上伊那地方事務所の年末相談窓口は商工観光課(0265・76・6829)、建築課(0265・76・6831)で午前8時半から午後5時15分まで。 -
県営住宅を失業者に提供へ
長野県は、急激な景気悪化に伴う解雇や雇止めで社員寮や社宅などから退去を迫られた失業者の救済策として、県営住宅の提供を始める。24日から申請受付を開始。県全体では42団地、98戸、上伊那は5団地で7戸分を確保している。
今年10月1日以降に県内の雇用先から解雇、雇止めされ、来年1月末までに社員寮や社宅などの住居から退去を余儀なくされた場合が対象。必要書類の審査を行い、完了者から先着順で入居が可能になる。原則1年間の使用で、最も低額の家賃相当額の3分の1を減免した額を毎月の賃料とする。
上伊那で提供される団地は馬見塚、湯舟、旭、陣場、大原。申請、問い合わせは県緊急経済対策総合相談窓口026・232・6203、上伊那地方事務所建築課0265・76・6831へ。 -
商工会青年部がパーティーオークションの売上げを村へ寄付
宮田村商工会青年部は22日、約200人を集めて6日に開いた歳末慈善パーティーのオークション、入札の売上金23万7588円を「福祉に役立てて」と全額、同村へ寄付した。小田切等部長と、副部長の吉沢賢治さん、花井祐治さんが村役場を訪問。清水靖夫村長は若者の呼びかけで集まった多額の善意に感謝した。
パーティーは今年で43回目を迎え、恒例のオークションと入札には約60社が協賛。ワインやとうふ、そばなどを詰め合わせた村の特産品セットなど多彩な出品があり、参加者が楽しみながら競り落とした。
収益は村などへ毎年寄付しており、善意を受け取った清水村長は「みなさんの想いが地域に広がり、つながっている」と小田切部長らに声をかけた。
村内の風倒木をリサイクルし、地元にある県の知的障害者総合援護施設・西駒郷の利用者と共同製作した「エコはし」を会食に用いたことで盛り上がった今年の慈善パーティー。清水村長は「知恵と行動力があれば我々も色々できることを皆さんが証明してくれた。今後も刺激になるような活動をお願いしたい」と、さらなる青年部の活躍に期待を寄せた。 -
県が70億円規模の緊急経済対策実施へ
景気と雇用情勢の悪化を受けて長野県は22日、公共事業の前倒し発注や中小企業融資の拡充、失業者向けの融資制度創設などを盛り込んだ総額70億円規模の緊急経済対策を決めた。仕事量の確保で需要を喚起し、相談窓口を開設するなどして差し迫った年末の生活や事業活動についても緊急対応をとる。
県有施設の耐震化や県営住宅の建て替えなど、生活安定の面を考慮に入れながら前倒しで社会資本整備を実施。中小企業融資では借り換え制度創設など貸付条件の緩和を図る。失業者対策は低利で長期の融資制度を創設するほか、解雇などで住居退去を余儀なくされた人たちに対して県営住宅を一定期間提供するなど、居住安定の確保も盛った。
資金繰りや雇用、当面の生活などの相談に応じる窓口は24日から30日まで県庁に開設(電話026・232・6203)。27日から30日までは上伊那地方事務所など県の現地機関にも設ける。
また、県は対策の実行を図るため24日、県内の経済各団体に緊急協力要請も行う。 -
アルゴルが画像処理装置を小型化、製造現場の声を反映して開発
画像処理装置開発のアルゴル(南箕輪村)は、電子部品などを画像検査する汎用装置GVシリーズで従来機種の57%にまで小型化した「GV-X」を来年1月から発売する。構造設計を見直し、故障の原因になりやすい可動部のファンを排除。「長期の使用に耐えるためリスクを減らし、より信頼性の高い装置を目指した」(開発担当者)という。価格は従来機よりも5万円安い70万円で、年間300台の受注を見込んでいる。
工場の限られた空間の製造ラインに数台の装置を設置したいというユーザー企業の強い要望も受け、開発を進めてきた。「製造現場では同じ能力ならばより小型をと求めており、画像装置の重要な製品要素にもなる」と今井博充社長は説明する。内蔵する拡張ボードを従来機の半分の3枚に絞り込み、重さは2キロ軽い5キロ、外形の幅と奥行きは約32センチ、高さは9センチと小型化を実現。カメラから送られる画像処理は毎分3千個以上で従来機の能力を保っている。
処理装置は製造ラインとともに常時稼動するため、高い耐久性も求められるが、同社は従来から故障リスクの大きい可動部を極力排除しながら装置を開発。GV-Xでは国産の産業用ファンレス電源を採用した。
装置に関する問い合わせなどはアルゴル0265・76・4422へ。 -
宮田村が緊急経済雇用対策本部設置
景気悪化を受けて宮田村は18日、緊急経済雇用対策本部を設置した。村産業建設課商工観光係と村商工会に窓口を設けて各事業所の相談に乗り、実情を把握しながら具体的な支援策を検討する。この日は本部を構成する村、議会、商工会、金融機関、信用保証協会、農協の各担当者が集まり会議を開いた。村は老人福祉センターの改修をはじめ総額9800万円にのぼる公共事業を前倒し発注するなど、村内建設業を中心に受注機会を拡大させる当面考えられる具体策を明らかにしたが、落ち込みが激しい製造業への支援は不透明で未曾有の事態に対応の難しさを伺わせている。
前倒しで発注予定の事業はほかに、中央保育園と中学校の緊急地震速報受信機設置工事や小学校の耐震補強、北の城橋修繕工事などで年度内に発注する。年明けにも発注拡大を刺激する500万円規模の補正予算も組む考えで、商工会のプレミアム商品券などを活用した村内消費促進のための方策も検討する。
制度資金については、当面の資金繰りを緩和させる借り換えメニュー新設したが、次年度に向けては金融機関と協議しながら金利の見直しも図っていきたい考えだ。
会議では、製造業の支援が見えない部分の指摘も挙がり「企業の実態を把握し、橋渡しにもなる専門員を設置して」などの声も。企業だけでなく失業者への支援について問う意見もあった。
村内でも非正規雇用労働者が大幅削減される一方で、零細企業は将来の技術継承を見越して人員整理をせずに操業時間の短縮などで耐えているとの現状報告も。
金融機関は年明けから厳しい資金繰りを背景に返済条件の変更を求める企業が続出する可能性があるとの見方も示したが、清水靖夫村長は「傷口が広がる前に各企業への早めの指導と対応を金融機関にお願いしたい」と強く求めた。 -
本坊酒造がスパークリングワインを新発売
本坊酒造信州ファクトリー(宮田村)は、長野県産のブドウ「善光寺竜眼」で仕込んだ新製品のスパークリングワイン「ぺティアン・ド・マルス善光寺」を発売した。本格的なシャンパン製法を採用。同ファクトリーは地元宮田村産の山ぶどう配合種ヤマソービニオンで赤ワインを生産してきたが、発泡性が特徴の今回の製品で新境地を開拓。来春にはヤマソービニオンのスパークリングワインを発売する予定もあり、ワイン製品の幅がさらに広がりそうだ。
炭酸を加えるのではなく、瓶内2次発酵によるきめ細かな泡立ちと爽快感にこだわった。にごりや沈殿物など酵母の中身成分も残し、風味豊かな味わいに仕上げた。アルコール度数は10%の辛口で、冷やして飲むのに適している。
ウィスキーなど製造する同ファクトリーは、地元農家が生産するヤマソービニオンで赤ワインを醸造し「紫輝」、「駒ケ原」銘柄で製造販売。県の原産地呼称管理制度の認証を受けるなど評価も得ており、その技術力を製品開発に生かしている。
720ミリリットル入りで小売価格は1500円(税抜き)。問い合わせは同ファクトリー0265・85・4633へ。 -
県倫理法人会 総合役員会
企業の経営者が参加する、県倫理法人会の総合役員会が14日、伊那市の伊那商工会館で開かれた。県内各地の役員など約120人が参加した。
総合役員会は月1回松本で開かれているが、伊那で開かれるのは今回初めて。早起きを実践し自己意識を変えようと、この会のセミナーは早朝から行われており、この日も朝5時半に集まり、職場の朝礼について考える委員会などから活動報告があった。
県倫理法人会の安江高治会長は、「これからも、1人1人が倫理について考えを深めていってほしい」と総括した。 -
再就職支援セミナー、社会復帰考える女性たち熱心に
社会復帰を考える女性を対象に心構えなどをアドバイスする「再就職準備セミナー」が16日、伊那市役所で開かれた。財団法人21世紀職業財団長野事務所が主催。産業カウンセラーで人材開発関係の会社を営む伊藤かおるさん=松本市=が講義し、普段の日常生活の中から時間管理や気持ちを切り替える力を養っていくことが必要と指摘した。「再就職に一発逆転はない。未来の自分のために今、何が自分に必要か考え地道な積み重ねが大切。自分の未来、幸せは自分でつくるもの」と続け、参加した約20人は熱心に耳を傾けた。
自身も2人の子どもの母親として仕事と家事を両立してきた伊藤さん。経験も踏まえながら「自分を追い込んでしまう女性が多いが、何でも自分で背負いすぎないこと」と語り、気持ちの切り替えや割りきりなどが就職してからも重要になると繰り返した。
家族や人との日常的な接し方ひとつをとっても、就職する際に求められるコミュニケーションの基本的な技能になると説明。現状の生活のなかでさまざまな準備ができることを示し、意識を持つか否かが「後で大きな差になる」とも話した。
同事務所は今年、同様のセミナーを県内で10回開催。再就職のためのサポートプログラムなども用意し、社会復帰を考えている女性を支援している。問い合わせは同事務所026・223・4521へ。 -
南信労政事務所など21日に休日電話相談、景気悪化による雇用や条件など労働問題全般受け付け
南信労政事務所(伊那市県伊那合同庁舎内)は21日、業績悪化による解雇や退職勧奨、賃金、配置転換など労働問題全般について困っている人から相談を受ける休日電話相談窓口を開設する。午前8時半から午後5時15分まで。
急速に景気が悪化していることを受け県は1日から、県内4つの労政事務所と本庁の労働雇用課に緊急相談窓口を開設。今回、平日に利用できない労働者に配慮して日曜日に相談日を設ける。
相談費用は無料で秘密厳守。南信労政事務所の電話相談窓口は0265・76・6833。 -
金融機能強化法を学ぶ
世界的な金融危機が続くなか、中小企業を支援するため策定された金融機能強化法について学ぶ講演会が13日、伊那市役所で開かれた。
会場には地元の金融機関の職員や中小企業経営者など、およそ170人が集まった。
この講演会は、不安定な日本経済のあおりを受けている中小企業や地方の金融機関に苦しい状況を打開してもらおうと、伊那商工会議所などが開いた。
金融庁総務企画局信用制度参事官の小野尚さんが、新しく示された金融機能強化法の改訂案について説明した。
金融機能強化法は、国が地域の金融機関の資本を増強して中小企業などの経営体質を改善してもらおうと、平成16年に策定し、今年3月までの期間で施行された特別措置法。
今回、厳しい状況に直面している中小企業や地域経済を支援しようと、期間を平成24年3月まで延長する改訂案が示されている。
小野さんによると、今回の改訂で国が支援する資本金の額が増え、中小企業を重要視した条件が設けられたという。
また、金融機関の経営責任を緩和することで、借り入れがしやすい環境になったという。
参加した人たちは、真剣な表情で説明を聞いていた。
なお講演会では、地元選出の宮下一郎代議士から、国の情勢に関する説明もあった。 -
産業観光の振興へ先進企業の事例に学ぶ
地域観光の振興を目指す上伊那地域観光戦略会議の分科会は、企業活動を通しての産業観光に向けた取り組みを始めている。
12日、県内外から観光客が工場見学に訪れる伊那食品工業から産業観光について学ぼうと、メンバーが現地を訪れた。
この分科会は、県の呼びかけで開かれているもので、商工会議所や商工会の関係者のほか、今回、活動に賛同した上伊那の18企業が会員に加わった。
この日は、企業が集まる初めての勉強会で、伊那食品工業秘書広報室取締役室長の丸山勝治さんが、産業観光の取り組みについて話した。
丸山さんは、「美しいところには人が集まり、人が集まるところは栄える。まず、きれいにすることから始まる」と話し、整理、整頓などの5Sの大切さを強調した。
また、初めからもうけようとすると失敗すること、知名度を上げるために力を注ぐことなどをアドバイスしていた。
参加者からは、「情報発信をして知名度を上げたい」「産業観光のしかけを楽しんで作れたらと思う」などの意見が出ていた。
分科会では今後、ほかの企業も訪問して取り組みを学ぶ勉強会を開くと同時に、参加企業を紹介するホームページを作り、今年度中に情報発信をしていきたいとしている。 -
金融庁参事官が改正金融機能強化法を事業者や金融機関などに解説、中小企業支援に軸足と強調
伊那、駒ヶ根両商工会議所などは13日、金融庁の職員を講師に迎え、中小企業向け融資の円滑化を定めた改正金融機能強化法などに関する説明会を伊那市役所で開いた。管内金融機関のほか、事業者、行政など約150人が出席。12日に成立したばかりの同法は、公的資本注入により金融機関の経営基盤を安定させ、中小企業への貸し渋りなどを防ぐねらいがある。金融危機の不透明な状況下で貸し出しにつながるか懸念も指摘されるが、同庁総務企画局の小野尚信用制度参事官は「決して金融機関を救済するものではない。中小企業への貸し出しを明確にして資本注入のための審査基準としている」と強調した。
「中小企業に重きの軸を置いているのがポイント」と繰り返し、金融検査マニュアルの改訂により中小企業向け融資の貸し出し条件緩和措置も行っていると解説した。
計画を立てて経営改善の見込みがあれば不良債権にならない取り扱いを拡充したとふれ「決して分厚い計画書などが必要なわけではない」と説明。会場に出席した金融機関に対しても「借り入れている企業と2人3脚でつくりあげてほしい」と協力を求めた。
また、大臣目安箱なども設けて金融円滑化の監視を強化しているとも説明。保険会社の保険金不払い事件も投書から発覚したと例にあげたうえで、貸し渋りなどがあった場合などの情報提供を求めた。 -
食と健康の産業観光プロジェクトに18社が参加
地域連携による観光の活性化を目指し県の呼びかけで始まった上伊那地域観光戦略会議の食と健康の産業観光プロジェクト分科会に、管内の食品、飲料を製造する18社と9つの商工団体が会員として参加することになり12日、初の先進企業との意見交換会を開いた。この日は、工場や敷地内の庭園を開放して年間30万人にも及ぶ誘客に成功している伊那市の伊那食品工業北丘工場を訪問。同社の取り組み経緯について丸山勝治秘書広報室長の説明を受け、意見も交わした。今後も同様に先進企業訪問と意見交換を重ねるほか、会員企業が相互リンクをはる産業観光ガイドのホームページも年度内に立ち上げる予定。学習と情報発信の2本立てで、産業と観光の融合のあり方を探っていく考えだ。
3万坪にも及ぶ北丘工場の敷地内は「かんてんぱぱガーデン」として一般開放し、山野草などが楽しめる庭園やレストラン、売店なども完備。この日も多くの来場者でにぎわったが、丸山室長は日々の清掃から始まり植栽や環境整備に至るまで社員自らの手により20年間続けてきた取り組みの積み重ねであることを強調した。
「美しい所には人が集まる。人が集まれば、そこは栄える。まずきれいにすることから出発しないと難しい。それにはやはり社員教育が大切」と話した。
また、伊那谷の知名度をあげることが観光の重要ポイントと指摘。木曽や諏訪、松本など周辺地域との広域的な観光ルート化の必要性もあげ「素朴さなど都会にはないものが資源になる。連携してみんなでつくりあげていくことが大切」とも続けた。
意見交換で会員企業からは「他の観光地と同じようなことをやっても難しい」「企業として利益をあげていくことを最優先に考えなければならないが、地域とどのようにつながっていくかこのプロジェクトで探っていきたい」などの声が聞かれた。 -
「創業塾」起業チャンピオンに伊那市の川島潤一さん
伊那商工会議所が新しくビジネスを始める人を支援する「創業塾」の起業チャンピオンに、伊那市西箕輪の川島潤一さんが選ばれた。
10日、伊那商工会館で表彰式が行われ、川島さんが盾と縁起物のダルマを受け取った。
創業塾は新しくビジネスを始める人のために、融資制度や成功事例などを紹介する研修で、上伊那地域から24人が参加した。
起業チャンピオンは参加者が考えているビジネスプランを説明しその内容で選ばれるもので、川島さんのプランは実行性があることや、地域貢献などの項目で高い評価を得た。
川島さんは現在、個人で林業に従事しているが、里山整備をビジネスと捉え、会社を立ち上げることにした。
川島さんは伊那商工会議所の創業塾を受講したことで、「漠然と考えていた夢が明確になった」と話し、新たなビジネスに意欲をみせている。
具体的には荒れている山林で間伐作業をしたり、山全体の手入れや、管理を行うもので、環境保全という視点にたったビジネスを展開していくことにしている。 -
南信州ビールが地元産こだわりのリンゴ発泡酒発売
地ビール製造の南信州ビール(駒ヶ根市)は12日から、伊那谷産のリンゴ果汁を用いた発泡酒「アップルホップ」を発売する。地元に対する意識を強く打ち出しながら全国に向けて発信。新たな味として地域活性化や観光誘客などにもつなげていく考えだ。傷などで規格外となった果実の新たな使い道ともなり、栽培時の農薬使用記録や果汁糖度が分かる生産履歴「トレーサビリティ」も採用。ホームページ上などで消費者に情報を開示し、安全安心も徹底する。今後もリンゴに限らず生産者の顔が見える地元産果実にこだわった商品を順次発表していく予定で、大手ビールメーカーとは一線を画すフルーツ王国伊那谷ならではの発泡酒の領域を開拓していく。
宮田村にある南信州ビール駒ケ岳醸造所で11日に開かれた発売会見には、発泡酒に用いたリンゴを生産した内山隆生さん(73)=箕輪町木下=、井沢八恵子さん(63)=同町東箕輪=、果実の搾汁を手がけた小池手造り農産加工所の小池芳子代表も出席。井沢さんは6月の降ヒョウで自身のリンゴ畑に大きな被害を受けており、「発泡酒になるとは夢にも思ってみなかった。風味も豊かで口当たりもいい。皆さんに喜んでもらえたら」と笑顔がこぼれた。内山さんも「規格外のリンゴは安値でジュースなど使い道も限られたが、このような新たな加工品に使えれば農家としても助かります」と話した。
「この土地でしかだせない柔らかな味がある」と同醸造所の竹平考輝所長。製造現場では農家が丹精込めて育てた果実の魅力を最大限に生かそうと、繰り返し試作開発が行われた。
にが味を抑えながらホップとリンゴの香りの調和をだすのに苦心したが、努力の甲斐あって絶妙なブレンドをつくりだした。アルコール度数は6.5度と高めだが、ビールが苦手な女性にも楽しんでもらえるやさしい飲み口だ。
今回使ったリンゴ品種は「シナノスイート」で、1000リットルを製造。今後もさらに別の農家が生産したリンゴ果汁で生産を続け、1月末には「王林」、2月末には「ふじ」を用いて販売する。
県の助成も得て今年9月に発泡酒製造免許を取得。新規参入だが「リンゴ以外にも旬のフルーツを使っていきたい」と竹平さん。ナシや宮田村特産の山ぶどう(ヤマソービニオン)なども視野に入れ、さらなる製品開発に夢は広がる。
アップルホップは330ミリリットル入りで500円。同醸造所売店のほか、上下伊那の酒販店や関東方面を皮切りに順次全国で販売していく。問い合わせは同醸造所0265・85・5777へ。 -
起業チャンピオンに川島潤一さん
里山を中心にした森林整備を会社組織を立ち上げて取り組もうと準備を進めている伊那市西箕輪の川島潤一さん(41)が、伊那商工会議所の起業セミナー「創業塾」の受講者を対象にした「起業チャンピオン賞」に選ばれた。10日に同商議所で表彰式があり、「山の価値を多くの人に理解してもらうことが大切。伊那の山から始まり、夢は日本全国の山々を良くすること」と受賞を喜んだ。
福岡県出身で元は建材メーカーに勤めていた川島さん。電子部品開発製造のKOA(箕輪町)が主宰する森林塾に参加したのを契機に10年前に脱サラして上伊那に移り、森林整備の仕事を個人で始めた。
「人工林に手が入らず荒れている状態を何とかしたい」と公共機関や所有者から託された森林整備を手がける日々。培った経験をもとに、より事業を拡充するため会社組織に転換することを考えた。
8月から9月にかけて開かれた創業塾では、同じく起業を志す23人の仲間とともにマーケティングやビジネスプランを学習。事業計画書などを実際につくるなかで「漠然としていたものが形となり、明確になった」と振り返る。
来年6月ころに会社を立ち上げる予定。測量から始まり、間伐、搬出、販売など森林に関する業務は全てをこなす。里山は所有者や境界が複雑で、整備が進まない困難さもあるが「適正に手を入れていくことが山づくりのポイント。山の価値と良さを知らせていく役割を果たしたい」と目を輝かす。
表彰式で同商議所の伊藤正専務理事代行は「環境にやさしく市民への癒しも提供する素晴らしい事業。パイオニアになってもらいたい」、創業塾講師の平沢会計事務所代表の平沢三津男さんも「元来のいきいきとした森に生き返ることを期待。人づくりにも力をいれて」とエールを送った。 -
上伊那のレギュラーガソリン価格続落、前月比19.9円値下がり
上伊那地方の1リットルあたりレギュラーガソリンの価格は8日現在122.7円で、先月10日の調査に比べて19.9円値下がりしたことが県企画部の調査で分かった。前月は他地域と比べて下落値が鈍く全県平均とは6円ほどの価格差があったが今月は3.2円まで縮まった。灯油の店頭価格も18リットルあたりで前月に比べ355.5円安い1307.2円で、全県平均を10円ほど下回った。
レギュラーガソリンの県平均は119.5円で前月よりも16.9円値下がり。近隣地域では諏訪が116.8円(前月比14円減)、下伊那が124.7円(同16.1円減)だった。
県企画部は県内78店舗を対象に電話による聞き取りで石油製品の価格動向を調査。ガソリンとともに価格が上昇し続け、8月には18リットルあたり2300円台の価格をつけた灯油は、今回の調査で全県平均1317.9円にまで下落した。2007年初頭以来約2年前の水準にまで価格が戻った。
上伊那のハイオクガソリンの価格は134.5円(前月比19.1円減)、軽油は115.2円(前月比12.3円減)。 -
企業支援に最善尽くす考えアルプス中央信金理事長、伊那CATV年末特番収録で語る
アルプス中央信用金庫(伊那市)の大澤一郎理事長は9日、伊那ケーブルテレビ年末特番の収録に出演し、金融不安に端を発した世界同時不況について「ここ1、2年で解決する問題ではない。100年に一度の暴風雨」との見方を示した。上伊那でも主力の自動車、電子部品関係をはじめとして生産調整や人員整理の動きが強まっていると指摘する一方、企業の資金繰りに対する県内金融機関の貸し渋りなどはないとの認識を強調し「地域発展のため何としても企業を支えていく」と語った。収録の模様は29日午後11時から(初回)の特別番組「伊那谷の経済を振り返る」で放送される。
大澤理事長は、今回の不況を取り巻く現状について「5割しか受注がないという現状も出てきており、減産により派遣社員やパートの解雇につながっている」と解説。「企業個々の頑張りでは難しい部分もある」とも指摘し、合併や業種転換に踏み切る企業が出てくる可能性もあるのではと分析した。
また、資金繰りなどで困っている企業について「早め早めの相談をお願いしたい」とも話した。
収録後の取材で大澤理事長は「アルプス中央信用金庫では再生支援の専門職員を資金繰りなどで困っている企業に配置しており、難関を乗り越えるためのお手伝いをしていく」と語った。 -
宮田村で山ぶどうワインまつり、08年産「紫輝」解禁で400人堪能
宮田村特産の山ぶどう配合種ヤマソービニオンでつくる2008年産赤ワイン「紫輝」を解禁するワイン祭りは7日、醸造する同村新田区の本坊酒造信州ファクトリーで開いた。関係者でつくる中央アルプス山ぶどうの里づくり推進会議の主催。、400人近くが訪れ、収穫から2カ月で仕込んだ新鮮な飲み口を堪能した。
村内農家が栽培するぶどうを使ったワイン生産は10年目。近年は県の原産地呼称管理制度に認定されるなど高い品質を毎年維持している。祭りで同ファクトリーの深水公明工場長は「1日、1日宮田のワインは成長している」と自信を示し、推進会議の会長を務める清水靖夫村長は「生産者の愛情で良いワインができる。多くの人に親しみ愛飲してもらえれば」と来場者に呼びかけた。
日本ソムリエ協会専務理事の高野豊さん=長野市=は以前から宮田村のワインを高く評価し、この日も会場で08年産の出来具合を講評。「特性が出ており、フランス的な格調高いワインに近づいている」とさらなる期待を寄せた。
今季は約28トンを収穫し、紫輝は720ミリリットルビン5200本分を上伊那の酒販店中心に出荷する。価格は1本1900円。定番の「信州駒ケ原」のほか新たな商品の販売も今後予定している。問い合わせは本坊酒造信州ファクトリー0265・85・4633、宮田村産業建設課0265・85・5864へ。 -
宮田村商工会が緊急経済対策求めて村長に要望書
金融不安による景況感の悪化を受けて宮田村商工会は8日、緊急経済対策を求める要望書を清水靖夫村長に提出した。村内企業の経営安定化と支援を円滑に進めるため対策本部の設置を求めたほか、制度資金の利率引下げや、優先発注による受注機会の確保など5項目を要望した。村側は早い時期に本部を設置する意向を明らかにし、前倒しが可能な公共工事なども洗い出して早期発注したい考えも示した。
毎年この時期に行っている商工会と村の両理事者らの懇談会の席上、前林善一会長が村長に要望書を手渡した。村産業建設課は制度資金の利率や条件緩和について、さらに金融機関と相談して新年度に向けても善処していくと説明。商工会側からは「新たな借り入れが難しい中で、企業個々の事情をかんがみて対応して」「村職員は各企業をまわって何が必要かニーズを把握し、厳しさを肌で感じてほしい」と注文も寄せた。 -
伊那ケーブルテレビ12月1ch座談会は「産学官連携による人材育成」テーマに
伊那ケーブルテレビの自主放送番組1ch座談会の12月放映号は「産学官連携での人材育成」をテーマに収録した。ハローワーク伊那(伊那公共職業安定所)の野口博文所長、箕輪進修高校の荒井和人校長、伊那市教育委員会の北原明教育長がゲスト。地域産業経済誌ゴーシュの毛賀沢明宏編集長が司会を務め、厳しい経済雇用情勢の中で働く意義、素晴らしさをどう次代につなげていくか現状の取り組みを交えて意見を交わした。6日午後2時を皮切りに、12月の毎週土、日に放送する。
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宮田村商工会青年部の歳末慈善パーティーは「エコはし」で、西駒郷利用者と一緒にてづくり
宮田村商工会青年部(小田切等部長)は6日開く恒例の歳末慈善パーティーの会食で、使い捨てのわりばしに替えて、村内の風倒木を加工した「エコはし」を用いる。地元にある県の知的障害者総合援護施設「西駒郷」の利用者と一緒に手づくりしたもの。部員たちは「環境も考えながら自分たちが住む地域を見直すきっかけにもなる」と交流を深めながら、丁寧に仕上げた。
材料は風雨などで倒れた村内のヤナギの木。8月に切り出して準備を進めてきた。
実際の製作は青年部員が西駒郷を訪れて利用者と共同で作業。できばえを見せ合いながら楽しく談笑するなど、ふれあう姿もみられた。「これを機会にもっと仲良くしていけたらいいですね」と実行委員長の吉沢賢治さんは話した。
売り上げのなかから村の福祉などへ寄付を行っている歳末慈善パーティーも43回目。今年の会食メニューにはとうふやマスのくんせいなど地元の名物を使ったオリジナルの「特産品御膳」を用意する。「宮田の若者たちがつくった地元材のはしで、郷土のおいしい料理を存分に味わってもらえたら」と吉沢さんら青年部員は準備に余念がない。 -
セイコーエプソンに学ぶ環境経営セミナー
環境問題に取り組む先進企業セイコーエプソンの事例に学ぶ環境経営セミナーが4日、伊那市内であった。県テクノ財団伊那テクノバレー地域センターと世界一を目指して行動する上伊那地域企業の会の共催で、経営者や各企業の担当者ら約70人が参加した。セイコーエプソン地球環境推進部の田中規久部長が講演し、使わない照明の消灯を励行しただけで電気代が半減した実例など紹介。企業単体で取り組むだけでなく社会を巻き込んだ協調性ある活動が必要とも指摘し「自分たちができることを業務にもおきかえながら行うことが大切。いずれ業務の達成感が環境の達成感になるようなれば」と話した。
同社は地球環境の将来を見越して全社あげて環境への取り組みを推進。以前に経営トップの強い意志でフロンガス全廃を4年で達成した実績もあり、田中部長は「大きな目標を掲げて活動するのは弊社の原動力。目標が高いと意識を抜本的に見直すことにもつながる」と説明した。
設計段階からユーザーが利用して廃棄するまで、全てにおいて環境を考えてものづくりを行っているとも言及。製品とそれを製作する機械に至るまで、ものを小さくして省力化を図るダウンサイジングを徹底しているともふれ「小さくなれば軽くなり消費電力は少なくなり、輸送費だって安くなる。全てが環境負荷の軽減につながっています」と続けた。
消費電力が多いクリーンルームも局所的なクリーンを導入して省力化を図っているほか、将来的には工場も小さな施設にしていきたい考えを説明。生産プロセスを抜本的に見直し、常に効率化を図っているセイコーエプソンの姿を紹介した。 -
経営革新塾閉講、若い経営者の新たな力に
伊那商工会議所主催で4年目を迎えた「経営革新塾」は全9回の講義を終え、受講した若手経営者ら17人が修了した。マーケティングから現場改善まで幅広く生き残りの戦略を学習。同商議所は「厳しい状況下にあるが、学んだ経験と自社の強みをいかして企業発展してもらえれば」と話している。
約1カ月間の集中講座。著名な経営者ら多彩な講師陣を迎え、企業として体質を強化する術をあらゆる角度から学んだ。
最終回はコンサルタントの長野修三さんを講師に実践に向けた計画「アクションプラン」づくりに取り組み、自社の将来的な企業プランを実際に描いた。 -
制度資金に長期返済対応の借り換えメニュー、宮田村が中小企業の資金繰り支援で
宮田村は景況感悪化に伴う中小企業の資金繰り対策として、村商工業振興資金(制度資金)を利用している事業所の長期返済に対応する借り換えメニュー「特別経営安定対策資金」を設けた。最長7年の返済期間と今利用している制度資金からの借り換え一本化を可能にすることで、「月々の返済額を減らすこともでき、資金繰りに悩む企業の負担軽減を図りたい」と村産業建設課は説明する。
2007年3月以前に村の制度資金を借り入ていることが主な条件。同課によると200件ほどが対象になるとしている。借り換えにより実質的に返済期間を延長することで、経営の安定化を促していきたい考えだ。問い合わせは村産業建設課85・5864まで。 -
緊急労働相談窓口を開設
長野県は、景気悪化に伴い雇用や賃金などについての緊急労働相談窓口を県内7ヶ所に設置し無料相談を始めた。
このうち伊那合同庁舎5階の南信労政事務所にも相談窓口が設けられている。
県によると、今年度4月から9月までに去年とほぼ同じ718件の相談があった。
金融危機の影響もあって10月と11月には前の年に比べ15%増の257件の相談があったという。
こうしたことから県では、労働事務所など7ヶ所に無料の相談窓口を設置した。
窓口は、平日の午前8時30分から午後5時15分まで。相談内容は、解雇や賃金に関すること。
県では休日も窓口の開設を検討している。