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南アの紅葉 色濃く
長谷村の南アルプス林道から望む山々の紅葉が見ごろを迎え、除々にふもとに下りてきている。
今秋は暖かい日が続き、降雨も少なかったことから例年に比べて2週間ほど遅れていて、現在は歌宿あたりの標高1600メートル前後が見ごろ。ケヤキ、カツラ、ミズメなどが赤や黄、緑色の鮮やかなパッチワークをつくる。
村営バス営業所によると、期間中(11月15日まで)は十分楽しめる見通しで、今後冷え込みが続けば朝方には「霧氷」も目にすることができるという。 -
旭日双光章受賞(専門工事業振興功労)
麻野幸好さん(81)箕輪町三日町の農家に長男として生まれ、箕輪町役場勤務、建設業を経て1965年に駒ケ根市に信濃広告を設立。現在取締役会長。その間、県広告美術塗装業協同組合連合会会長、甲信越地区広告美術業組合連合会会長などを歴任し、業界の発展に尽くした。屋外広告物審議委員、景観審議委員・アドバイザーを務めるなど、屋外広告行政にも積極的に協力し、行政とのパイプ役としても活躍。
「(受賞は)うれしいが、自分の力だけではない。業界や関係者など、多くの人に代わっていただくものと思う」と謙虚に語る。
広告業に飛び込んだのはまさに日本が経済成長に入ろうとする時代だった。「役場の天井の節穴を定年まで眺めて暮らすのかと思ったら嫌になっちゃってね。役場を辞めた後、建設現場でもっこかつぎなんかをして金を貯め、それを元手に看板屋を始めたんだ。金がなくてもできるから窶狽ニ思ってね」
同業者の敬遠する仕事にも積極的に挑戦し、伊那谷一円の役場や国鉄(当時)飯田線の仕事を一手に引き受けるなど、順調に発展を続けてきた。
「振り返れば、80年一日のごとし窶狽セね。いろいろと世相の動きはあったが、今日を省みて明日を考える。この繰り返しでやってきた。後退せず、前に進むことだけを考えて何事にも努力してきたつもりだ。これからも体験から何かをつかもうとする意欲はずっと持ち続けていたいね」 -
旭日双光章(地方自治功労)受賞 中坪敏郎さん(74)
1987年に駒ケ根市議会議員に初当選。03年に引退するまでの4期16年間にわたって市政の発展に尽くしてきた。95縲・9年までの2期4年間は市議会議長を務め、議会の長としての重責を担った。
◇ ◇
「父は、私を絶対に議員にさせない窶狽ニ生前言っていたようだが、いろいろな成り行きで議員として働くことになった。中でも印象に残っているのは、議長時代、全市全戸への下水道整備、南田市場の区画整理、伊南バイパス建設などについて中原正純市長に相談を受け、これらの課題の実現に向けて協力して全力で取り組んだことだ。地域の人の理解をどうやって得るかで大変苦労したが、市民の皆さんの手伝いが少しはできたという気がする」
「市長とは遠慮なくやり合ってきた。今後の議員に言いたいのは駄目なものは駄目とはっきりと言い、やる時はとことんやれということだ。市長が言うことに同調してばかりいてはこれからの時代はうまくいかない。理事者や議員にはそのあたりの読み違えをしないように望みたいね」
「(受賞は)市民のためにと思ってやってきたことを評価してもらえたのかもしれないが、何だか申し訳ないような気持ちだ。支えてくれた多くの人たちに感謝したい」 -
ミツバチ供養
伊那市の小松養蜂園(小松実治代表)は30日、西箕輪羽広の仲仙寺でミツバチ供養をした。受粉のためにミツバチを使う上伊那のイチゴ生産者26人が参列した。
小松養蜂園のミツバチは、10月から翌年5月までの7カ月間、イチゴ栽培のハウス内で受粉のために働く。今年は10月20日過ぎからハウスに放している。12月初旬には実がなり、クリスマス時期の出荷に間に合わせる。
ハウス内で働くミツバチは、自然環境の中と比べ短命になってしまうという。生産者は1年間働いたミツバチに感謝し、静かに手を合わせた。 -
瑞宝双光章(教育功労)受賞
高坂保さん(76)「教え子たちは幾つになっても『先生、先生』と言って慕ってくれる。教師をやってきて良かったとつくづく思いますね。本当に楽しかった。でも振り返ってみれば教え子に教えられることの方が多かったですね。今回の受賞も支えてくれた教え子や保護者、先輩たちとともにいただくものと思います」
◇ ◇
七久保村(現飯島町七久保)の村長の家に生まれ、予科練(海軍飛行予科練習生)を経て大陸で戦闘機の訓練中に終戦を迎えた。本土への復員船の中で「これからの日本は大きく変わっていかなければならない。それには何といっても教育が大切だ」と考えを定め、理想に燃えて教職の道を選んだ。1950年、長野市の川端中学校を振り出しに下諏訪町、伊那市、松本市、駒ケ根市、辰野町の中学校勤務を経て駒ケ根市立東中校長、赤穂小校長を歴任。退職後は駒ケ根市教育長の重責を10年間務めた。
学校では怖い先生だったという。「子どもたちと友達になってしまっては駄目だ。しかし共に笑い、共に泣くような『共感』は絶対に必要。厳しい時と緩める時の塩梅(あんばい)が大切ですね」
若いころは教えることの難しさに悩んだこともあるが「先輩や同僚の教師らと毎晩遅くまで議論したり、哲学書や禅、武士道などの書物の読み合わせをしたものだ。そんな切磋琢磨を重ね、周囲に支えられて今日の自分があるんですよ」。 -
町一区子ども会のお楽しみ会
駒ケ根市の町一区子ども会(須田秀枝会長)は30日、赤須町地域交流センターでお楽しみ会を開いた。親子約60人が参加し、紙芝居やバルーンアートのほか、ゲームやクイズなどで楽しんだ。
バルーンアートは赤穂高校ボランティア部の女子生徒3人が訪れて、子どもたちに犬やキリンなどの作り方を丁寧に教えた。「細長い風船を膨らませたら、ここをこうねじって、ここをこう結んで…ほら出来上がり」生徒らの手元を食い入るように見詰めていた子どもたちは「すごい」「私も作りたい!」と先を争って色とりどりの風船を手にすると早速ポンプや口を使って膨らませ、生徒らに教えてもらいながら動物や花づくりに夢中で取り組んでいた=写真。 -
上農高写真部 伊那中央病院で作品展
伊那中央病院の院内レストラン前で4日まで、上伊那農業高校写真部の作品展が開かれている=写真。校外での展示は初めて。若者ならではの個性的な視点で撮影した作品に、多くの関心が集まっている。
4年前からデジタルカメラで撮影し、プリントする・ス手軽な方法・スに切り替え、2カ月に1度の校内展示を中心に活動。本年は生徒の写真技術向上に伴い発表の場を広げていて、本紙では5月から毎月2作品づつの掲載をしている。
メンバー4人が組み写真を中心に16点を出品。花のしべのアップ、雲がかかる空、猫などの身近な日常をモチーフに、自分らしさを表現している。
所河憂美部長は「自然を主体に撮っているので、患者の人も室内で自然を感じて元気になってもらえれば」と話している。 -
星空☆マタニティ~いいお産の日in上伊那~
11月3日の「いいお産の日」に合わせ伊那市の県伊那文化会館プラネタリウムで2日、「星空☆マタニティ~いいお産の日in上伊那~」があった。妊婦ら50人が来場し、ドームに映した胎児の写真や満天の星空、マタニティ・ヨガなどで、お腹の赤ちゃんと一緒にくつろいだひとときを過ごした。
伊那文化会館、日本助産師会長野県支部上伊那地区、日本看護協会長野県伊那支部助産師機能の主催。
妊娠中のお母さんにマタニティ・ライフを楽しんでもらおうと、昨年に続き2年目。
ドームの満天の星空に、子宮という“小宇宙”で育つ胎児の11週から37週までの超音波写真を映し出し、絵本「おかあさんになるってどんなこと」の読み聞かせもした。助産師会上伊那地区長の池上道子さんは、「安心して無事に出てきてね。心から待ってるよ」という魔法の愛の言葉を紹介。「お腹の赤ちゃんや子どもにいろいろ語りかけてくださいね」と話した。
妊娠8カ月の伊那市の女性は、「妊娠中はちょっとイライラすることもあるので、リラックスできてよかった。絵本の話を聞いて赤ちゃんも動いていて、一緒に喜び、ゆっくり楽しめた」と話した。
3日は午前10時から。おなかの赤ちゃんの話、満天の星空と音楽のコンサート、リラクゼーション・ヨガ、胎児の心音測定、開業助産師の紹介、妊婦体験などがある。詳細は同会館(TEL73・8822)へ。 -
ようやくキノコ出はじめました
朝晩の冷え込みが厳しくなり、紅葉が始まった駒ケ根市東伊那の里山では、1カ月遅れの10月末からキノコが出始め、話題になっている。
地物のキノコ料理で有名な東伊那大久保のしぶき荘(赤羽芳春社長)では、先週末までマツタケも雑キノコも1本も採れなかったが、今週に入って、突然出始め、連日、マツタケやショウゲンジ、ハナイクチなど10キロ余を採取している。
2日も午後から持ち山や東伊那財産区の競り山を回って、マツタケ30本を含む、10キロ余のキノコを採った。
例年、キノコの発生は10月末まで、11月になってからの発生は珍しく、キノコ採り歴30年余の赤羽昭二会長は「地球はきまぐれ、こんな年は初めて」と驚いている。 -
瑞宝単光章 消防功労 川手成美さん(71)
51(昭和26)年に旧伊那町消防団員になってから28年間、消防団活動に携わった。94窶・8年に団長、95年に上伊那消防協会副会長などを務めた。
冬の夜、火災現場で放水した水が凍っても団員は火を消し止め、次に備えてポンプ車を整備しなければならない。「団員が一生懸命やってくれたおかげ。個人でもらったものではない」と団員の活動をたたえる。
93(平成5)年4月、面積35ヘクタールを焼いた東春近の山林火災が記憶に残る。現場に着いたときは盛んに燃えていた。水利を探したがなかなか見つからず、ポンプをつないで消火活動に当たった。「火が頭の上を飛ぶ恐ろしい山火事」で、自衛隊のヘリコプターを依頼して消し止めた。「少しの火でも大きな火になる」と恐ろしさを語る。
死傷者が出る火災を目の当たりにしたことも。「ガスをつけたら、その場を離れない」と注意を促す。
「団員確保」が課題。長男で地元にいればほとんど入った時代とは違う。「地域の人との関係ができるし、苦労しただけ成長するのではないかと思う。地域の安全確保のため、力になってほしい」と若者にメッセージを送る。
妻浅子さんと2人暮らし。旅行や食事に出かけることが楽しみ。
伊那市平沢。 -
秋の叙勲 上伊那で7人が受章
政府は3日付で、秋の叙勲の受章者を発表した。上伊那は、旭日章(顕著な功績を上げた人)で3人、瑞宝章(公共的な業務に従事し、功労を積み重ねた人)で4人。
受章は、旭日双光章で専門工事業振興功労の麻野幸好さん(81)=駒ケ根市・元県広告美術塗装業協同組合連合会長、地方自治功労の熊崎安二さん(77)=飯島町・元飯島町長、中坪敏郎さん(74)=駒ケ根市・元市議会議員、瑞宝小綬章で教育功労の千田俊明さん(70)=伊那市・元公立高等学校長、瑞宝双光章で教育功労の高坂保さん(76)=駒ケ根市・元公立小学校長、瑞宝単光章で消防功労の川手成美さん(71)=伊那市・元伊那市消防団長、郵政業務功労の酒井祐治さん(65)=伊那市・元郵政事務官=。
受章者は全国で4029人、県内で81人。県内の内訳は旭日章25人、瑞宝章56人となっている。 -
瑞宝単光章(郵政業務功労) 酒井祐治さん(65)
「仕事の面では先輩や同僚を含めて上の人たちがいるなかで、なぜ(自分が叙勲をもらえたのか)と思った」と驚きの様子。
1940(昭和15)年に生まれる。小中学校、高校と地元で学び、西春近郵便局に正規職員として19歳で入局。定年退職した2000(平成12)年までの約40年間、同局一筋で仕事に励んだ。
貯金と保険の外務員を中心に、郵便配達員、郵便担当の総務主任を歴任。貯金の勧誘をしていた当時は思いもしなかったが、「貯金が元手で、子どもを大学に出せたよ」と、退職後に言われた利用者の労いがうれしかったと振り返る。
仕事のモットーは、先輩から引き継いだ仕事を次の世代につなげる・スよい継承者・スを目指した。利用者に対しても目線を下げ、「仕事をやってやるではなく、郵便配達をさせてもらう」気持ちで接するなかで、周りに育てられながら仕事をしてきたという。
これからの郵便局について考える。時代の流れで民営化が進むが「今まで通り、お客さまに気軽に安心して利用してもらえる場所であってほしい」と願う。
書道、写真撮影などが趣味。妻と2人暮らし。
伊那市西春近表木。 -
南箕輪村オリジナル年賀はがき発売
南箕輪村は、06年のオリジナル年賀はがきを作成し1日、発売した。南箕輪郵便局と村内の切手取扱い店で購入できる。
村をアピールしようと昨年に続き2年目。「南箕輪村からの仙丈ヶ岳」の写真をはがき右下に掲載した。冬の風景で、山や民家の屋根には白く雪が積もっている。村の美しい風景を撮影した写真の中から選んだ。
2万枚作成。1枚50円。昨年は大芝湖の写真で、完売した。村は「希望者はお早めに」と話している。 -
伊那市青島いきいきサロン
タニシ汁に舌づつみ「うまいもんだよタニシのお汁 尻をつついて口で吸う」とかつては詠われ、今では幻の珍味になっているタニシを味わう集まりが30日、伊那市青島地区であった。
地域の社会福祉協議会(矢島信之会長)が主催した高齢者対象の「いきいきサロン」。供されたのは同地区の農家が採ったタニシ500粒で。だしのきいた味噌汁に、参加者は「昔は良く食べた」「なつかしい」と、つまようじで身を引き出しては吸い取っていた。
矢島さんによれば、40年程前は同地区の田んぼでタニシが良く採れたが、当時は、表土の薄い青島の土地柄から、タニシにはほとんど何も付着せずきれいだった。
近年は農薬などによりタニシはほぼ絶滅し、有機農業を営む小川文昭さんの田んぼなどにだけ棲息しているが、有機農法で土地が肥えているためか藻などが付着したものが多く、今回もタニシ500粒を1つづつ歯ブラシで磨いて用意したという。
タニシ試食会に先立って、伊那市福島在住の地名研究家・松崎岩夫さんが美篶の地名の由来などを講演。「地名は字ではなく音が大切。青島(アオシマ)はもともとは大島(オオシマ)などと呼ばれていたはず。シマは川沿いの村落などを示す」などの話に、参加者は盛んにうなづいたりしていた。 -
ブラジル人学校、ハロウィンでデイサービスセンターを訪問
米国などで盛大に開かれる祭り「ハロウィーン」に合わせ31日、魔女や悪魔を装ったブラジル人の小学生や幼児約20人が、伊那市の介護サービス施設「アイリスケアセンター伊那」で、お年寄りとの交流を楽しんだ。
市内のブラジル人教室「ベビーキッズ」(飯島ヨシムネ園長)の子どもたちで、ふれあいを通して地域と密接な関係を築こう窶狽ニ、今回初めて訪れた。
子どもたちはお年寄りにカボチャやブラジルの手作りおやつをプレゼントし、ダンスや歌を披露。お返しにお年寄りも童謡「赤とんぼ」を披露し「どこの国でも、子どもはかわいいね」などと話していた。
同教室は、日本の学校の授業についていけないブラジル人の小学生や幼児が対象で、もともとは託児所として9年前に設立。現在辰野町から飯島町まで約50人の子どもが共に学んでいる。ブラジル人就労者には、残業や土日曜日・祝日に出社せざるをえない人も多いため、現在は、日曜日を除く午前7時縲恁゚後8時半、開放している。 -
秋香会菊花まつり
創立45周年を迎えた駒ケ根秋香会(本間秋男会長)は恒例の菊花祭りを駒ケ根市三和森クラブ広場で3日まで開いている。県民芸術祭2005に参加。3本立、ダルマ、福助、懸崖、盆栽、特作花壇など、会員らが丹精込めた作品が多数展示されている=写真。菊花鉢の販売、抹茶の野点サービスなどもある。入場無料。
菊花展入賞者は次の皆さん。
▽県知事賞=飯塚礼子▽駒ケ根市長賞=井口春人▽同市議会議長賞=飯塚礼子▽駒ケ根商工会議所会頭賞=小町谷誠▽駒ケ根市教育長賞=飯塚礼子▽全菊連会長賞=飯塚礼子、森勝美▽町部自治会長賞=森勝美▽秋香会長賞=森勝美▽審査委員長賞=羽場一雄▽宮下賞=北原・ス一▽伊那毎日新聞社賞=本間秋男▽信濃毎日新聞社賞=北原康平▽中日新聞社賞=塩澤春夫▽読売新聞社賞=酒井世喜良▽駒ケ根ニュース社賞=岡野修一▽駒ケ根日報社賞=松崎和男▽大中屋賞=浜口善元▽秋香会長賞=中西利幸▽長生社賞=熊沢作永▽秋香会賞=田中勝美▽池上賞=勝部由紀夫▽しらかば賞=森勝美▽米沢賞=飯塚礼子▽克水賞=小町谷誠▽MANABU賞=堺澤悦子▽サンケイ技研賞=山村英一▽新世紀賞=塩澤春夫▽有賀芳郎賞=栗山いさ江▽ビーナイン賞=樋屋次郎
◇赤穂小学校▽金賞=丸藤裕子、堀川佑香里、佐々木啓文、佐々木力弥、太田圭亮、野村美結、平栗舞歩、山岸朋博、倉田桃子、河嶋慈明、新井詩織、池上竣、山岸愛、唐沢紗季▽銀賞=清水雄平、高橋啓明、幸村響、中島悠、気賀沢和司、福沢美佑、松崎岳、竹上梢太、尾崎美優、名倉那夏、池戸直人、米山勇生、保科光輝、上谷大和▽銅賞=加藤優希、小池晨、有賀直美、小原淳美、千村諒、池上諒、下島亮、村田愛、川上優香、宮下蓮、園原有紀、松枝拓磨、下平達也、倉田挙伍、清水弥、矢崎亮介
◇順天寮▽金賞=順天寮菊クラブ1、同2▽銀賞=同3
◇団体賞▽秋香会長賞=赤穂小、順天寮 -
南大東島へ友好米贈る
「平成の米の道」開通をめざしてコメの取れない沖縄県・南大東島に送ろうと、市民有志が伊那市東春近の友好田で栽培してきたコシヒカリがこのほど収穫され、3日に南大東島にコメを届ける訪問団が出発することになった。1日、有志の中心母体である青パパイアの会(代表・小林史麿グリーンファーム社長)が記者会見して明らかにした。
市民レベルで進む沖縄県・南大東島と伊那市との交流を拡大するためのもので、6月に無償で提供された細田清登さんの田んぼを借りて、ボランティアが田植え。8月には伊那を訪問した同島の子どもたちが雑草取りをした。その後も、有志を中心にした田んぼの管理をし、精米して20俵弱の収穫があった。
島には合計19俵を贈り、6俵は幼稚園・小中学校・老人ホームなどで使用。残りは経費相当分の原価で島の人に譲る。
コメを届ける訪問団は、友好のきっかけを作った井地千代子さんはじめ、8月に島民を招いた際に食事作りなどを担当した女性4人。「伊那谷コメ娘」として伊那の美味しいコメを宣伝してくる。4日には南大東小中学校で伊那のコメを使った給食をともにするほか、5日には島の運動会でおにぎりにして振舞うなどの計画も進行中だ。
南大東島の子どもとの学校ぐるみの交流を始めた伊那西小学校からの手紙や贈り物なども携えて島に向かう。
小林さんは「昔、伊那のコメは権兵衛峠を超えて木曽に向かった。平成のコメの道は、海を越えて信州から離島に向かう。そんな経済交流の先駆けになればうれしい」と話した。 -
【記者室】平和の願い
岡谷市で活動する混声合唱団「岡谷せせらぎ会」の10月末のリサイタル。「沖縄の唄」と題したステージで、戦争の歴史、沖縄の傷などを題材にした曲を平和への願いを込めて歌い上げた▼世界平和と地球環境保護をテーマに絵を描く箕輪町の遠藤友幸さんは、美術専門誌アートクロス社の戦後60周年平和祈念賞(洋画部門)を受賞。平和に対する意識を高めなければならない-との企画で、平和を願い優れた作品を発表し続ける作家の一人として表彰された▼遠藤さんは言う。「殺し合いしない“真の人間”に進化できないものか」と。戦後60年の節目は、平和への新たな出発。夏が過ぎれば終わり-ではない。我々にできること、すべきことをもう一度考えてみたい。(村上記者)
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伊那北高校7期生が50周年同窓会
伊那北高校の7期生(1955年度卒業)は11月19日、卒業50周年記念同窓会を伊那市のマリエール伊那で開く。
同窓生約250人のうち、80人弱が参加。全クラス合同での同窓会は、30周年以来2度目となる。
7期生には今年8月、英国の科学雑誌「ネイチャー」に論文を発表した武田幸作氏(東教学芸大学名誉教授)もおり、19日に来伊する。
武田氏は、バラと同じ型の色素を持つ「ヤグルマギク」は、なぜ青い花を咲かせるのか窶狽ニいう、90年近く議論されてきた難問を解明。赤い色素、アントシアニンに、金属イオンなどが結合することで、青い色素を出すことを発見した。
武田氏と同じクラスだった井地政久氏は「一つのものに打ち込む姿勢は、並みの精神力ではできない。学校の誉れであり、同窓会としても誇りに思う」と話していた。 -
三峰川、見所いっぱい
みらい会議がサイクリングツアー流域の環境や景観の保全に取り組む三峰川みらい会議の水チーム(前林賢一代表)は30日、三峰川に流入する小河川や排水路・取水口をサイクリング・ツアーした。
伊那市・竜東橋近くの榛原親水公園から高遠水路橋・高遠ダム・伝兵衛井水跡・新山川ファブリ可動堰などをめぐるコース。途中、高遠町上山田の鞠ケ鼻井筋の記念碑=昭和12(1935)年建立=付近では、伝兵衛井筋最大の難所で、江戸時代から何度も崩れては掘り返した用水路の歴史なども語られた。
新山川のファブリ堰=ゴム製の水門を使用した珍しい堰=では、管理する春富土地改良区の協力で、ゴム製の水門内部の空気を抜いて、実際に水を流した。
農業用水の取水口に設置された水門で、以前は鉄製の水門が設置されていたが、58災害で上流から倒木が流れて堰を埋め、付近一帯が洪水になった。そのときの対策として、ゴム製の袋を使った新しい堰が作られたという。大水で倒木などが流される状況下では、ゴムの袋が破れて、下流に水を流す仕掛けになっているという。
三峰川みらい会議のスタッフは「三峰川の治水・利水の歴史は奥深い。まだまだ知らないことがあるので、みんなで調べて考えてみたい」と話している。 -
町二区道普請
宮田村町二区(小木曽光明区長)は30日朝、区内の道路にたまった砂利や小石、枯草などを取り除いたり、側溝の泥をさらうなどの作業を行った。早朝から住民らが出て各班ごとに作業を進め、道路際には多くの土砂や草などが山のように積み上げられた。
小木曽区長はじめ区の役員ら12人はトラック2台に分乗して区内を回り、道路に積まれた草などを次々にトラックの荷台に積み込んだ=写真。
作業の終わった道路は見通しも良くなり、路肩の小石などもなくなって隅々まですっかりきれいになった。集めたごみは午前中いっぱいかかって役員らが分別した。土砂は村内の建設会社の敷地に埋め立て、草などは燃えるごみとして出すという。 -
消防団秋季訓練
宮田村消防団(有賀健一団長)は30日、秋季訓練を宮田村の中央グラウンドと寺沢林道などで行った。水防・山林火災訓練や長距離ポンプ中継訓練などのほか、隊形変換、方向転換など行進の訓練を行って、身に付けてきた技能にさらに磨きをかけた。
水防・山林火災に備える訓練では、もやい結びなど、災害現場で必要となるロープの結束方法などを学んだほか、土のうを積み上げる訓練、背中にタンクを背負って放水するジェットシューターの訓練などが行われた=写真。団の幹部は、団員らに実践的な動作を身に付けさせようと、大きな声できびきびと指示を出していた。 -
大久保区歩け歩け運動
宮田村の大久保区保健補導員会は30日、「健康教室・歩け歩け運動」を開いた。子どもを含む約20人が参加し、秋の自然を楽しみながら区内の約3キロを歩いたほか、血圧や体脂肪などの測定をしたり、保健師の講話を聞いた。
集まった参加者は軽く準備体操をしてから大久保集落センターをスタート=写真。「少し肌寒いね」などと話しながら、天竜河畔から熊野神社を経て集落センターに戻る約3キロのコースをそれぞれのペースで歩いた。
保健師の村田修子さんはメタボリック・シンドロームについて「肥満や高血圧など、動脈硬化の危険因子をいくつも持っている状態のこと」と説明し「動脈硬化を引き起こす内臓脂肪を減らすためには、食事生活の改善や適度なや運動などが効果がある」と話した。 -
ハロウィン楽しむ
駒ケ根市小町屋の住民らが29日夜、仮装をしてお菓子をもらったりパーティーをしたりするなどの本格的なハロウィンの祭りを盛大に楽しんだ。来日して約10年という米国人の英会話講師マルコ・メランソンさん(47)一家が中心となり、近くの住民らに呼び掛けて今年初めて実現した。
近くに住む約20人の子どもたちは白雪姫、海賊、お化けなど思い思いの扮装に身を包み、ジャック・オー・ランタン(お化けカボチャ)の灯りが揺らめくメランソン家の前に集合=写真。中には親子そろって忍者の装束を着て登場したほほえましい家族の姿もあった。子どもたちは早速近くの家庭を順番に訪ね「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言ってはキャンディやチョコレートなどの菓子をもらい、うれしそうに見せ合っていた。
「どの子の仮装が一番かみんなで投票しよう」とコンテストをしたり、集めたお菓子を持ち寄ってパーティーをしたりと、大人も子どもも初めて体験する西洋の祭りを地域ぐるみで楽しんだ。
ハロウィンはキリスト教の聖人を祝う万聖節の前夜祭で、悪霊を追い払うため玄関に中身をくりぬいたカボチャを置くなどの習慣がある。 -
錦秋の渓谷美を満喫、宮田村不動滝の水巡りウォーク
宮田村商工会の村おこし事業実行委員会などは30日、不動滝の水巡りウォーキングを開いた。村内外から約110人が参加。紅葉真っ盛りの黒川林道を歩き、荘厳な滝の景色を堪能した。
新大田切発電所近くから出発。標高が高まるにつれて木々の色付きも深まり、参加者の目を楽しませた。
赤や黄金の帯となって渓谷に映え「ここ10年間で最高の紅葉だ」と歓声も。昨日降った冷たい雨が露となり、標高約1450メートルの滝周辺では・ス錦秋・スを一層濃くしていた。
ウォーキングは4年前から年2回開催し、宮田高原から入山する伊勢滝を目的地にしてきた。
しかし、災害復旧工事のため今回初めて不動滝で実施。参加者に好評だったことから、主催者は「伊勢滝と不動滝で交互に開ければ」と話していた。 -
小黒川渓谷キャンプ場で感謝祭
伊那市荒井区内の萱の小黒渓谷キャンプ場で30日、初の感謝祭があった。熱々のきのこ汁がふるまわれ、場内の釣り堀でニジマスを釣ったり、釣ったニジマスを炭火で焼いて味わうなど、紅葉が見ごろを迎えた渓谷は家族連れらでにぎわった。
昨年10月、台風23号の影響で、テントサイト区画が土砂で埋まり、場内にシャベルカーが入って土砂を除いたり、敷地内を流れるせせらぎ水路を新しく直すなどの工事で迷惑をかけたおわびの意味と、利用者への感謝の気持ちを込め、伊那市振興公社が計画した。
釣り堀は、さお代、くし代などはサービスし、釣ったニジマスは1匹100円で販売。市内や近隣から訪れた人で常に満杯の状態で、子どもも大人も、糸をたらしてじっと当たりを待った。駒ヶ根市から訪れた家族4人は8匹を釣り上げ、「もう2匹釣りたい」と話していた。
キャンプ場は11月末まで営業する。 -
第3回もみじ湖夢まつり
第3回もみじ湖夢まつりが30日、箕輪ダムイベント広場であった。好天に恵まれ町内外から家族連れらが大勢訪れ、シートを広げてくつろいだり、イベントに参加して楽しんだ。箕輪町東箕輪地区有志による「信州もみじ湖夢くらぶ」(根橋英夫代表)などでつくる実行委員会の主催。
メーンイベントの「牛さんのおにぎり杯争奪第2回ロール転がし競争大会」は、消防や農協、スポーツチーム、地元の箕輪東小学校PTAら21チームがエントリー。優勝賞品の「米」獲得を目指し、牛の飼料を詰めた重さ400キロのロールを必死に転がした。
催しは、エアロビクスダンスや箕輪太鼓演奏のほか、マウンテンバイクや乗馬体験、ゲームコーナー、竹馬作りなど盛りだくさん。新企画もみじ湖写生大会は、子どもから大人までが、わずかに紅葉し始めた山並みなどを描き、芸術の秋を満喫。搾りたて牛乳、きのこ汁のサービスには長蛇の列ができ、ふれあい動物園では、子どもたちがアイガモを抱いたりしてふれくあった。 -
【記者室】歯科健診の勧め
行かなくて済むなら、行きたくない場所の一つに、歯医者がある。治療するときの痛さや音、待ち時間の嫌な空気。早く行けば治療も軽くて済むと言い聞かせ、重い足どりで向かう。それでも治療が終われば、気持ちはすっきり▼日本歯科医師会などが、80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという「8020」運動を提唱している。20本以上の歯があれば、ほとんどの食物をかみくだくことができ、楽しい食事と健康な日常生活を送ることができるという▼約10年ほど前のデータで、20本以上自分の歯を持つ人は70代前半で4人に1人。予防することで、夢ではない数字だ。年1回はきちんと定期健診に行こうと決めるのだが…なかなか守られないでいる。(湯沢記者)
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古書画表装展
伊那市御園にある伊藤盛輪堂の第13回古書画表装展が28日、ベルシャイン伊那店2階文化ホールで始まった。地元の作家を中心に、掛け軸60点、額15点が並ぶ。31日まで。
作品は、町田曲江、小坂芝田、池上秀畝が合作で梅、松、ボタンをそれぞれ描いた掛け軸のほか、手良出身の登内微笑、長尾無墨、堀田秀叢などがそろう。
40年余の経験を生かし、精根込めた表装で、作品の1点1点に「丸表装」「袋表装」「輪補大和表装」など表具様式を記す。今月中旬、京都府であった全国表装作品展(全国表具経師内装組合連合会主催)に出品した、二段表装の江崎孝坪「朝」=写真・左=も並ぶ。
また、掛け軸やびょうぶ、ふすま絵などに関すること、表具の取り扱いなど無料相談に応じる。
営業時間は午前10時縲恁゚後6時(最終日4時)。 -
宮田村大原区女性部のバザーが盛況
宮田村大原区の女性部(城倉八重子部長)は29日、地区公民館でバザーとフリーマーケットを開いた。各家庭で眠っている衣料や日用雑貨を提供してもらい、安価で販売。会場では区内の大工3人が包丁研ぎのボランティアを行なうなど、多くの区民で賑わった。
隣近所の交流を深める機会にもしようと、昨年に続き2回目の開催。服や靴、かばん、日用品など多数の商品が集まった。
格安の値段とあって、会場は熱気ムンムン。主婦仲間が「これいいねぇ」と楽しみながら品定めする姿もみられた。
今回初めて設けた「包丁研ぎコーナー」も大人気。来場者が持参した各家庭の包丁を職人が丁寧に研ぎ、買い物が終わるまでに仕上げていた。
バザーの収益金は区の活動費や購入費などに充てられる。