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ししカレーを伊那の名物に
「ししカレー」を伊那の名物に竏秩B伊那市役所の食堂「アザレア」で7日、ししカレーの試食会があった。市職員に好評で、近く、新メニューに載せる。
カレーは、シシの脂がカレーに溶け込み、濃厚な味になるという。試食会用に、地元産シシ肉4キロを仕入れ、約20食分を用意。シシ特有の味を生かし、1時間ほど煮込んだ。
試食した市職員は「シシ肉といわれなければ分からない」「おいしい」とシシ肉の味を確かめながら、ぺろりと平らげた。
ししカレーの提案者である小木曽大吉さん(63)は「名物になりうるもので、夢が広がる。そのうち鹿も」と期待した。
シシ肉は1キロ5千円と高価なため、食堂では日にちを限定して売り出すことを考えている。これから価格設定するが、食堂で提供しているカレー400円より高めになりそうだ。
ししカレーの名物化は半年ほど前からあり、ちょうど食堂が新たなメーンとなるメニューを考えていたこともあって、売り出すことになった。食堂ではローメンなどの地域メニューも出している。 -
マツクイムシの新たな防除方法の実験進む
拡大の一途をたどる松くい虫被害。新たな防除対策として県は「誘導抵抗性林分の造成」という研究をしている。毒性の弱いマツノザイセンチュウを健全な松に事前接種して免疫をつくり、松枯れを防ごうとする手段で、これまでの予防方法の一つ、薬剤の樹幹注入に比べ、樹木1本当たりにかかる費用を半分以下に抑えられるため、効果への期待も高まっている。
空中散布による防除に変わる手段を模索してきた長野県で、弱毒性のセンチュウの接種により抵抗性が誘導されることが紹介されたのは04年。上伊那ではその翌年から、実際の松林を使った実証実験をしている。
場所は飯島町日曽利、駒ヶ根市東伊那にある被害地区の一部で、昨年度は約100本、本年度は約260本に接種。センチュウを媒介するマツノマダラカミキリは風の通り道ができる河川、道路沿いを風に乗って北上する傾向にあるため、カミキリの飛来しやすい風上の林縁部に接種し、その奥の樹木を守る防護帯としての役割も検証している。
飯島町日曽利の場合、昨年8月の段階では接種したマツに影響はなかったが、10月には3本の枯損を確認。最近の状況を調査した関係者の話では、接種した樹木の枯損がわずかながら増えていたが、接種しなかった部分では被害拡大が明確であったのに対し、接種部分では被害の拡大が少なかった。
しかし、実験はまだ途中の段階であり、効果に継続性があるかどうかは結果を待たなければ分からない。今後県は、08年度まで実験を続け、手段の有効性を検証していく。 -
富県でグリーンツーリズム講演会
被害が深刻化する松くい虫と有害野生獣類被害の防除対策を学ぶ講演会が5日夜、伊那市の富県ふるさと館であった。約60人が参加。信州大学農学部付属施設アルプス圏フィールド科学教育研究センターの中村寛志教授と泉山茂之助教授を迎え、それぞれ生態や対策方法を学んだ=写真。富県グリーンツーリズム推進委員会など主催。
中村教授は「松枯れ病を媒介するマツノマダラカミキリは弱った松にしか卵を産まないため、昔はほとんど存在しなかった」と語り、県内では1989年から95年の間に被害が急増してきたことを示した。それに伴う被害木の伐倒・くん蒸、薬剤に樹幹注入などの対策を説明。また、現在実験中の誘導抵抗性林分に、一定の効果が見られたことなどを示した。しかし、決定的な解決手段の確立には至っておらず「被害拡大が防げない現状にある」と付け加えた。
泉山助教授は、野生獣類の棲息と被害防止について講演。「それぞれの動物によって生態・生活の方法が異なるため、防除方法も代えていかなければならない」とし、冬場は人間が畑に捨てた残飯などが動物の食糧となっていることなどを示した。また、具体的な防除については「さまざまな主体が連携して長期的、短期的防除を組み合わせて対策を講じていく必要がある」と呼びかけた。 -
みはらしファームのブルーベリー園、8日からオープン
伊那市西箕輪の農業公園・みはらしファームは8日から、ブルーベリー園の収穫体験を始める。
年々体験者が増えているため今年は、昨年よりほ場を約1ヘクタール拡大。1日の受け入れ可能人数が350人に増えた。また、昨年は体験日を限定していたが、今年は1週間を通して開放していくという。
現在は早生品種の「スパータン」が色付き始めている。大粒でほど良い酸味があるのが特徴。5円玉ほどの大きさになる実もある。開園を前に、すでに70組ほどの予約が入っており、期間中は中京圏などから多くの観光客が訪れる。体験期間は8月20日までを予定しており、順をおってさまざまな種類のブルーベリーが色付いていく。
採れたブルーベリーを使ったジャムと、みはらしファーム「麦の家」で作ったパンをセットにして販売していくことも計画している。
受け入れ時間は午前9時縲恁゚後3時。小学生未満は無料。小学生500円、中学生以上千円。
また、ジャム用の量り売りも行う予定で、自分で収穫した場合は1キロ1500円、園主が用意したものは1キロ2千円としている。 -
KDDIが伊那市高遠町長藤に携帯電話基地局
KDDIが伊那市高遠町長藤地籍の市道小豆坂線に、住民説明をせずに携帯電話基地局を建設している問題に対して、同社は5日夜、町老人福祉センターで住民説明会を開いた。基地局から発する電波の安全性などについて話し合ったが、住民を納得させる解答には至らなかった。
小中学校の児童、生徒、保育園児の通学路の近くに設置することを望まない「三義子供会」が地権者の市へ、説明会の実施と工事の一時停止を同社へ求める陳情書を提出したのがきっかけ。集会には同会員や地域住民約40人が集まり、KDDI名古屋エンジニアリングセンター関係者約10人が説明した。
同社はスライドで、高遠地区を訪れる観光客らの要望でサービスエリア拡大のためとし、場所の選定は「長藤地区が見渡せ、電波が飛ばしやすい場所だった」竏窒ネどと説明。電波の安全性については「基地局電波は国の基準値の何十万分の一の値。人体に影響がないという定め内のサービス」とした。
住民説明の問題に対しては、「総務省から住民への周知、理解を得よとの要請は受けたが、説明会を実施せよとの指導ではなかった」とし、「建設地近隣には人が住んでいないので、(社内基準で判断し)長藤区長、隣りの地権者には説明し、承諾を得た」と返答。しかし、同区長は基地局建設との認識では話されていない竏窒ニし、互いの理解が合致していことが分かった。
出席者からの「子供の脳の方が電波の影響を受けやすいのでは」との質問には、「100パーセント安全ではないが、国の基準値を守っているので安全といえる。責任が認められれば、誠意を持って対応したい」とした。
工事期間は8月上旬を予定しているが、三義子供会の要望である、一時中止はしていない。同会の鄭震雄会長は「説明会があれば、あそこに建設されていない。大人として子供の立場に立って、(建設場所の是非を)社内で話し合ってほしい」とし、検討結果をまとめた報告書の提出を約束。会では、同地区と今後の方針を決めていく。 -
NPO法人「樹」グループホーム立ち上げを目前に学習会
9月を目標にグループホーム設立の準備を進めているNPO法人「樹」は3日夜、新しいグループホームの紹介を兼ねた学習会を開いた。約40人が集まり、駒ヶ根市の県西駒郷地域生活支援センターの山田優所長と、同市のグループホーム・大原ハイツで世話人を務める林俊子さんを迎え、グループホームの意義や世話人としての役割などを学んだ。
山田さんは「施設で暮らす障害者の多くが利用者自らが希望した施設に入所しておらず、応援があればグループホームで暮らしてみたいと感じている」と語り、県モデルとして障害者福祉を創り上げてきた西駒郷の地域移行について紹介。必要な支援があれば障害がある人でも地域で自律的に生活していくことができることを示した。
また「グループホームの世話人は入所者対職員といった明確な関係性を持ちにくい難しさがあり、世話人が悩みなどを抱え込んでしまわないよう、地域との関係を築いていくことが重要」と語った。 -
伊那市と新宿区が友好提携
伊那市と東京都新宿区の友好提携の調印式がこのほど、区立新宿文化センターであった。同区と提携していた旧高遠町の合併に伴い、新市として改めて調印し、長年の交流を継続して、よりきずなを深めていくことを確認し合い、災害時の相互援助協定を取り交わした。
両市区の関係者100人余が出席。中山弘子区長は「未来の希望を胸に、飛躍の出発点となり、強いきずなで結ばれた両市区が発展することを願う」とあいさつ。入院中の小坂樫男市長に代わり酒井茂助役が「首都圏の中核都市の新宿と二つのアルプスを有する伊那市の提携で、互いに活性化が図られることを確信している」と述べた。
旧高遠町と同区は、高遠藩主・内藤家が新宿御苑に下屋敷を構えた縁で、1986(昭和61)年に友好提携を結び、今年で20周年。相互の祭りに招待し合うなど交流を深めてきた。この日も、伊那市の羽広獅子舞保存会と高遠囃子(ばやし)保存会、新宿区の区民謡連盟、新宿ほのぼの会が伝統芸能を披露して、新たな出発に華を添えた。 -
高遠高校福祉コース3年生が養護学校で交流
高遠高校福祉コースの3年生20人は4日、授業の一環で伊那市西箕輪の県伊那養護学校を訪れた。高等部生徒約70人が日ごろ取り組んでいる作業学習に加わって交流した。
高遠高は年2回の学習訪問に加え、養護学校の夏のスポーツイベントや文化祭などへのボランティア参加を通じ、長年にわたって同年代交流を継続。養護学校に対する理解を深めている。
本年度の第1回は、高等部の週3回の作業学習に参加し、陶芸、木工、縫製、薪(まき)、生活、農芸の6班に3、4人ずつ分散。各自が胸に名札を付け、名前を呼び合って仲を深めた。
木工班は文化祭などで販売する机やいすを製作。卓上ドリルを使った穴開けや、やすりがけなど、高等部の生徒が高遠高の生徒に手ほどき。互いに会話も楽しみながら協力し合って制作に励んでいた。 -
サークル「クローバー」初の単独作品展
ネイチャープリントサークル「クローバー」(西村みち子代表)の作品展は9日まで、伊那市立図書館で開いている。サークル単独では初となる展示。草花などを画像にして、扇子や布のタペストリーに張り付けたオリジナル作品が会場を華やかに彩っている。
ネイチャープリントは、写真や押し花を特殊なシートへ加工し、それを紙や陶器などにアイロンなどで転写し、作品づくりを楽しむ新しい手芸。約3年前に、箕輪町、伊那市で2教室を立ち上げ、現在は30竏・0代の生徒たちが月一回、学んでいる。
作品展は2教室のメンバー約20人が一人10点ずつの計約200点を出品。色鮮やかな草花や、愛犬の写真などを額装、軸装、パネルのほか、時計、植木鉢、ガラス製品などに転写している。
西村代表は「華やかな雰囲気と、生徒たちの創造性豊かな作品を見て楽しんでもらえれば嬉しい」と来場を呼びかけている。
期間中は毎日、人数限定で無料体験会を実施中。午前10時縲恁゚後7時(最終日は午後3時まで)。 -
リラクゼーションスペース「くぇーぶぅ」 桜井沙織さん
03年7月、伊那市荒井区の国道361号線「室町」交差点横に、リラクゼーションスペース「くぇーぶぅ」をオープンした。英国式リフレクソロジー(足裏健康法)を中心としたマッサージを提供。わずか7坪の店は、日常の生活に疲れた現代人のくつろぎの場所になっている。
足裏健康法のほか、肩、背中の「オイルトリートメント」、モグサの熱でツボを温め、ビワ葉の成分を肌から浸透させる「びわキュー」竏窒ネど、メニューはさまざま。体の痛みを和らげ、披露回復、ストレス解消など、健康の増進を手助けする。
「肩の力を抜いて、緊張をほぐす、癒しの空間にしたい。お客さんが笑って帰れる店づくりを心掛けている」
◇ ◇
短大を卒業して企業へ就職。仕事の疲れを癒すため、友人の紹介で足裏マッサージの店へ足を運ぶようになった。初日の夜はぐっすりと眠れた。2、3回と通うにつれ、体も気持ちも楽になっていくことを実感した。
「人を癒したい」竏秩B2年半勤めた会社を辞め、東京で足裏健康法について学ぶことを決意。講師の下、マンツーマン授業で集中的に学習し、帰郷してすぐ、自分の技術を提供できる場所を探した。
その決断、行動に迷いはなかった。
「いろんな人にリフレクソロジーの良さを知ってもらいたかったから」
◇ ◇
一人ひとりに合った施術を提供し、それぞれの人の満足を追求する。
「人それぞれ痛いところや気持ち良いところがあり、来店する目的も違う。その人それぞれの自分では手が届かないところへ、手を届かせたい。しかも、口に出してもらうのではなく、自分がその人の足や体をさわって、何も言われないのに手が届くような施術をしたい」
オープンして4年目を迎える。振り返って感じることは、人と人とのつながりだ。
「自分が一人でやってこれたのも友人や家族、そして、お客さんの支えがあったからこそ。ここを必要としている人たちがいるから、もっと、もっと質の高いサービスを提供していきたい」
◇ ◇
「ここでしか味わえないもの」。同業種の店が増えているが、「店は小さいけど、自分の手でしか味わってもらえないものを求めてきてくれれば嬉しい」と笑顔が輝く。
窮屈(きゅくつ)な現代社会に生きる人々を元気にしてくれる、そんな店だ。 -
伊那西高校第22回西校祭8日から
伊那市西春近の伊那西高校で7月8日から始まる第22回西高祭。4日間に渡る日程で、9、10日は一般に公開する。
今年のテーマは西高生のさわやかさ、すがすがしさを表した「爽SOH縲恚Pかそう私の三原色縲怐v。
改築中に伴い1日目の開祭式、オープニングセレモニーは伊那市民会館で開き、芸術鑑賞には信州大学グリークラブ、伊那フィルハーモニー交響楽団、西高音楽系クラブのジョイントを実現。
9、10日の一般公開は例年どおり伊那西高校で開催。10時半からお琴クラブ「桜ゆらら」が、誰もが知っている「桜」をアレンジした曲をホールで演奏した後、3年1組による文化祭限定劇「迷宮の国のアリス」の公演がある。その後も、3年5組による和太鼓演奏、合唱クラブ、演劇クラブ、吹奏楽クラブの発表が続く。
一般公開2日目の10日は、ジャーナリスト・江川紹子さんを招いた講演会を企画。オウム事件などで注目された江川さんが、最近の10代の若者の話しなどを交えながら「夢の探し方」について講演する。時間は午前10時半から。 -
子どもに木の温もりを感じてもらう子どもの城、公開へ
地域材の温かさを子どもたちにじかで感じてもらおう竏窒ニ、伊那市美篶の信州国産材開発協同組合(玉田隆理事長)は、長野県産カラマツでつくったログハウスの中に、木のおもちゃや絵本などを置いた「子どもの城」を7月下旬から公開する。
同組合は、長野県産のカラマツの製材に取り組んでおり、ほとんどが輸入材でつくられているログハウスを、国産材でつくる取り組みもしている。
昔の木造家屋は、柱そのものに木の原型が感じられる温かなものが多かったが、現代は家を新築しても内面を加工版やコンクリートで覆うことがほとんど。子どもたちが本当の木に触れる機会はほとんどなくなってしまった。
そんな状況を知った玉田理事長は「本当の木の温もりを小さいうちから知ってほしい」と考え、楽しみながら木と触れ合える「子どもの城」を公開することを決意した。
現在はログハウスの名前を募しており、名前発表の時にはログハウスの色塗り体験会も合わせて行いたいと考えている。
名前の応募先は信州国産材開発協同組合(TEL78・6688)へ。 -
伊駒流舞・現代舞踊発表会 華麗な衣装で優雅に
日本舞踊の伊駒流舞踊会(宗家家元・伊駒寿宜)は2日、県伊那文化会館で、創立18周年の現代舞踊発表会を開いた。社中らが豪華な衣装に身を包み、これまでの練習の成果を披露した。
上伊那の24団体から80余人が出演し、65曲の演目を披露。会場に駆け付けた、ほぼ満員の観客からは、舞台が終わるごと大きな拍手が贈られた。
伊駒流は伝統芸術を基本に、新しい創作舞踊を取り入れているのが特徴。舞台では「みれん海峡」「古城の舞」「さざん花の宿」などのほか、オリジナルの「伊駒音頭」を優雅に踊った。
魅了された観客は目をうっとりとさせ、次から次へと繰り広げられるステージを満喫。一つひとつの舞台が始まる度に、カメラのフラッシュが出演者に向けられた。 -
伊那市・美篶地区子供球技大会
伊那市の美篶小学校校庭で2日、同地区子供球技大会があった。小学生ら約170人が集まり、男女混合のキックベースを楽しんだ。美篶青少年育成会(畑房男会長)の主催。
スポーツを通じて地区、学年を越えた交流を深める目的の大会。1989(平成1)年ごろからの恒例行事で、当初はソフトボールやバレーをプレーしていたが、近年はキックベースをしている。
参加チームは、地区内を東部、中部、西部の3つに分け、その中から14チームを構成。2リーグに分け、1チームが2試合ずつを戦い、勝率、得失点差で総合順位を決めた。各リーグの上位2チームが決勝トーナメントを戦うはずだったが、天候悪化で日程を短縮した。
校庭には約50人の保護者らが駆け付け、雨の中の応援にも熱が入っていた。
優勝したチームの唐木巧君(11)は「チーム内でもめたりもしたが、最終的には仲良くプレーできてよかった。決勝戦はできなかったが優勝できて嬉しい」と満足していた。
畑会長は「子どもたちの盛り上がりが、美篶地区全体の活性化につながる」と話した。 -
英語弁論大会でモンゴルのことを語り全国大会出場権を手にした
上伊那農業高校生物工学科2年
伊那市美篶
御子柴すみれさん(16)今、モンゴルの人の半分は遊牧生活をやめ、都市へと移り住むことを選んでいます。しかし、都会の方が本当に楽しいのでしょうか。どうして彼らは何千年も続けてきた遊牧生活をやめなくてはならないのでしょうか竏秩B
6月23日、上伊那農業高校で開かれた第26回英語弁論大会の長野県予選で、モンゴルでの経験から感じた思いを英語で聴衆に訴え、見事全国大会への切符を手にした。昨年も出場したが、惜しくも最優秀賞を逃した。その悔しさも後押しし、膨大な思いを制限時間内で話せるよう、しっかりと文章を練り込んだ。原稿ができたのは本番の約1週間前。そこからスピーチを必死で練習し、なんとか本番に間に合わせた。「いろんな先生方がすごく熱心に指導してくれたおかげです」と笑みを浮かべる。
◇ ◇
「スーホの白い馬」を読んで以来、憧れていたモンゴルを初めて訪れたのは中3の夏休み。大草原を駆け抜ける馬、長年引き継がれてきた遊牧生活への期待を胸に、首都・ウランバートルに到着。そこには想像を超えた世界が広がっていた。高層ビル、コンビニエンスストア、何の不自由もない都市の生活竏秩B衝撃を受けた。しかし、最も衝撃的だったのは自分とあまり年の変わらない子どもが、物乞いをしている姿だった。モンゴル最大のデパートを訪れた時、親を無くしマンホールで生活する“マンホールチルドレン”と呼ばれる子どもたちが物乞いをしていた。何かしてあげたい気持ちはあった。しかし通訳に「きりがないから」と止められた。テレビの中でしか見たことのない世界を目の当たりにし、自分の置かれた環境の豊さを思い知る。
◇ ◇
その後、遊牧民の生活を体験するために都市部からはなれたボルノール村へ。そこでは、母親・モギーをはじめとする大家族のゲルに泊り込み、仕事を手伝いながら共に生活を送った。「言葉が通じないことが最初は不安だったけど、簡単な英語は伝わったし、ほとんどはジェスチャーで伝わって。言葉は通じないのにコミュニケーションがとれるのは楽しかった」。他人の子、自分の子という分け隔てはなく、一家の周りには当たり前のように多くの子どもが集まっていた。
ものすごく寒い夜があった。その日はほとんど眠ることができなかったが「寒かった」ということは言わなかった。しかし次の日、モギーは一枚の毛布を持って、そっと掛けてくれた。人の温かさが溢れた生活。物質的な豊かさはない。しかし、厳しい自然環境が人の絆を一層強くしているんだ竏秩B強い感動した。
◇ ◇
「私自身、都会への憧れがあったりするから、モンゴルの人が都会の生活へと移っていくのも分かる。でも、マンホールチルドレンや黒い煙、ゴミの山を生む都市の生活と、無駄が無く人の温かさがある遊牧生活、どちらが本当に幸せなんだろうって思う。豊かさを求めすぎた結果、その国の文化が消えていってしまうのは寂しい。そう思うんです」。 -
不法残留で逮捕の中国人を再逮捕 偽造旅券など使用
伊那署は6月9日、不法残留で逮捕した中国籍の男2人を4日、偽造有印公文書行使などの疑いで、再逮捕した。陳建春(チェン・ジェンチュン)らによる身分証明書等偽造事件を捜査中の警視庁、県警察の合同捜査本部は、2人が使用した旅券などは陳容疑者らが偽造したものとみて捜査している。
再逮捕したのは箕輪町の派遣社員、リュウ・イエンシン容疑者(24)=偽造有印公文書行使、偽造有印私文書行使罪=と伊那市美篶の派遣社員、フー・チョアトン容疑者(29)=偽造有印私文書行使罪=の2人。
リュウ容疑者は本年5月1日ごろ、市内の人材派遣会社の採用面接の際、不法滞在者であることを隠し、他人名義に偽造された外国人登録証明書と旅券を呈示。フー容疑者は本年1月29日ごろ、前者と同様、偽造された旅券を呈示した疑い。 -
県下初の民間事業所が防犯ボランティア組織
伊那署は4日、上伊那の事業所でつくる「県自動車整備振興会伊那支部」(杉本廣志支部長)の同署管内の25業者65人を、自主防犯パトロール隊員に委嘱した。この日は各業者の代表約20人が訪れ、小嶋惣逸署長から委嘱状を受け取った。
同支部は「自分たちも子どもを守る活動に積極的に参画しよう」と、同署の委嘱でパトロール隊を結成。署によると、民間事業所が防犯ボランティア団体を組織するのは県下で初めてとなる。
委嘱状の交付後、隊員で「こどもを守るオアシスパトロール隊」を発足。今後は7月中旬までに、青色回転灯を25業者50台に設置し、▽児童の登下校時の巡視▽事件、事故発生時の巡視竏窒ネどの業務を通じて、防犯活動を実施していく。
同支部長の杉本代表は「地域の安心、安全に寄与することを誓う」と決意表明。小嶋署長は「県下では初めてのケースなので、今後の活躍が期待される。大きな味方ができたと心強い」と激励した。
現在、駒ヶ根署管内の県自動車整備振興会伊那支部内の業者も、同様の活動を展開しようと話し合いを進めている。 -
警察署に県知事選の事前運動取締本部設置
第17回県知事選挙の実施に伴い、4日、県警察本部及び、県下25警察署に事前運動取締本部が設置された。同日午前10時、伊那署内にも同本部が設けられた=写真。
前回の県知事選挙では管内で違反行為はなかった。刑事課の相澤光宏課長は「公正な選挙の確保、実現に向け、小さな違反も見逃さず、厳正に取り締まっていく」と目を光らせている。
第17回県知事選挙は20日告示、8月6日投開票。13日には、各署などに違反取締本部が設置される。 -
南ア登山中の男性死亡
2日午前8時23分ごろ、伊那市長谷の南アルプス小仙丈ケ岳(2855メートル)付近の登山道で、南箕輪村の無職男性(67)が登山中、意識不明で倒れた。地区遭難対策協会隊員や警察官、同行登山者によって収容したが死亡が確認された。
この日男性は、長衛祭記念登山に参加し、仙丈ケ岳を目指していた。 -
かんてんぱぱで第27回長野県陶芸展
長野県陶芸作家協会は9日まで、第27回長野県陶芸展を伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開いている。県内で活躍するベテランから若手まで、23人の陶芸作家が手がけた約千点の多彩な作品が、訪れた人たちを楽しませている=写真。
年に1度、県内各地で開催してきた作品展でかんてんぱぱホールでの開催は3年目となる。さまざまな作家の作品を一堂に並べることで、会員相互の製作意識を刺激すると共に、学びあう場として開催してきた。
つぼや皿、ティーセットなどといった生活に身近な作品が中心で、作家それぞれの個性が楽しめる展示となっている。上伊那からは伊那市長谷、駒ヶ根市から3人の作家が作品を出展している。
協会顧問で出展者の一人でもある村越久子さん(85)=上田市=は「みなさん一人ひとりの違いを真剣に見てくださっている」と話し多くの来場を呼びかけていた。
作品はその場で購入することもできる。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後男4時)。 -
JA上伊那伊那支所、七夕に合わせて浴衣でキャンペーン
伊那市室町の上伊那農業協同組合(JA上伊那)の伊那支所は3日から、来店者に願い事を下げてもらうための七夕飾りを設置している=写真。
取り組みはJAバンクが一時金が支給されるこの時期に実施している「ワンモアボーナスキャンペーン」をPRするために伊那支所独自で行っているもの。7日までに来店した人には、七夕に願い事を下げてもらうと共に、大当たり賞、七夕賞などが当たる空クジなしのくじを引いてもらっている。また、6、7日には支所内の女性職員が浴衣で窓口対応することも予定している。
浴衣対応や七夕飾りなどは例年行っているサービスだが、「涼しげでいいね」などと来店者からも好評。お盆の時期にも浴衣による窓口対応を行うが、その時はスズムシなどをプレゼントするサービスもしているという。 -
南大東島と伊那市の交流が行政レベルへ
青パパイヤを通じて民間同士の親交を深めてきた南大東島と伊那市の交流が、行政レベルの交流に発展しようとしている。南大東村教育委員会の宮城克行社会教育主事は3日、10月に予定している「南大東島と伊那の小学生の交流事業」の打ち合わせのため、伊那市を訪れた。5日まで滞在し、伊那西小学校の訪問、市教育委員会との打ち合わせなど行いながら具体的な内容を検討していく。
これまで南大東村では、環境の類似する八丈島と小学生交流事業をしてきたが、島と違った環境にある自然、農業などを体験する中で郷土を見直し、生きる力を養ってもらうことを目的として、昨年度から民間レベルの交流を深めてきた伊那市に小学生の受け入れを依頼。村として予算措置も講じた。
宮城教育主事は「稲刈りなど、島では体験できない農業、自然体験通して、改めて島の良さを知ってほしい。まったく違う環境での体験が、子どもたちの自信、成長につながると思う」と話す。
村の子どもが交流する伊那市側の小学校には、青パパイヤの取り組みを知り、校独自で島の児童と交流してきた伊那西小学校を希望している。
訪問団は小学5、6年生10縲・5人、引率3人の予定で、10月の4縲・日までに来伊したいとしている。 -
中体連県大会男子棒高飛び 県中学タイ記録でV
第45回県中学校総合体育大会陸上競技が2日、松本平広域公園陸上競技場であった。上伊那勢は11校から108人が参加し、男子棒高跳びで松澤ジアン成治君(春富中3)、女子4×100メートルリレーで赤穂(松井、大場、中村、赤羽)が全国大会出場を決めた。
松澤君は2位との差50センチの4メートル20で圧勝し、県中学校タイ、大会新記録を樹立した。
大会は激戦の各地区大会を勝ち上がってきた約千人の選手が集まり、33種目で熱戦を展開。上伊那は7種目を制覇した。
8月18竏・1日、香川県丸亀陸上競技場で全国大会がある。 -
高遠中の吹奏楽部 東京芸大生から基本学ぶ
伊那市の高遠中学校に1、2日、東京芸術大学音楽学部器楽科の学生4人が、吹奏楽部の指導に訪れた。
東京音楽大学(現・東京芸術大)の初代学長の伊沢修二が東高遠出身とあって、市(旧高遠町)と同大学は長年交流。同中学校にも毎年、学生が指導に訪れている。
期間中は部員15人のほか、高遠高校の生徒7人も参加。フルート、クラリネット、サックスなどのパートに分かれ、楽器の持ち方や吹き方などの基本練習などをした。
クラリネットのパートでは学生が「肩の力を抜いて楽に吹く」などと生徒らを指導。部員たちは「めったにないこと」と熱心に取り組んでいた。 -
伊那市ソフトバレー大会
第12回伊那市ソフトバレーボール大会が2日、県伊那勤労者福祉センター体育館、市民体育館であり、4部門で熱戦を繰り広げた。市体育協会ソフトバレーボール部主催。
年齢別にヤングの部、ブロンズの部、シルバーの部、ダイヤモンドの部に上伊那各地から計64チームが参加し、それぞれ予選リーグ、決勝リーグ・トーナメントを戦った。
選手らは声を出し合って息の合ったプレーを展開。時にはフライングレシーブなどの好プレーも飛び出し、会場を沸かした。
結果は次の通り。
▽ヤングの部 (1)はせくらぶA(伊那市)(2)SPB777(同)(3)O・G・S(同)▽ブロンズの部 (1)マックン(南箕輪村)(2)梅の里T(宮田村)(3)チアフルB(飯島町)▽シルバーの部 (1)こまちゃんB(駒ヶ根市)(2)沢尻のスター(南箕輪村)(3)はせくらぶC(伊那市)▽ダイヤモンドの部 (1)似たかC(伊那市)(2)似たかB(同)(3)こまちゃん(駒ヶ根市) -
上伊那母親大会 勇気ある行動で問題解決を
第46回上伊那母親大会が2日、伊那市駅前ビルいなっせであった。約180人が集まり、青年の雇用問題、高校改革プランの現状など、現代社会が抱える問題について考え合った。民商や医療生協などの団体代表者でつくる実行委員会(山崎桂子委員長)の主催。
介護問題などについての意見発表では、上伊那民主商工会婦人部が消費税増税を訴える法被に身を包み「よさこいソーラン」を披露したり、「うたごえサークルざざむし」の歌の発表などを展開した。
辰野高校教諭の宮下与兵衛さんによる、「今こそ教育基本法を守り生かしていくために」と題した記念講演もあった。
山崎委員長は「いまほど命の問題に対して危機感を感じることはない。個々の活動では弱いが、ここで学習したことを力にして、勇気を出して行動するきっかけにしてほしい」とあいさつした。 -
守屋山山開き
2日、伊那市高遠町と諏訪市の境にある守屋山(1650メートル)の山開きがあった。地元の片倉区(伊藤武房区長)のほか、町公民館の呼びかけで集まった市民ら計約50人が山頂を目指して登り、奥宮で参拝した。
「神の宿る山、雨ごいの山」として知られる守屋山の山開きは、豊作や無病息災を祈願するため、江戸時代より明治の中ごろまでは、地元の氏子らによって旧暦6月1日に実施。現在は7月1日に最も近い日曜日に毎年開いている。
「鳥居づるね」と呼ばれ、1743(寛保3)年に建立した石の鳥居、「みたらしの水」周辺の栗の巨木などが見れる表参道コース。高さ15メートルの巨岩「立石」、鬼が住んだとされる伝説の「鬼ヶ城」などがある変化に富んだ立石コースの2コースから、ぞれぞれが入山した。
伊藤区長は「昔から・ス守屋おろし・スと呼ばれる、山から流れる水の被害を受けてきた。天災が起きないように祈願し、守屋山の神が静になってくれればうれしい」と話していた。 -
荒井神社で茅の輪くぐり
伊那市の荒井神社で1日、身のけがれを払う「茅の輪くぐり」があった。総代ら約20人が参列。
茅の輪をくぐることで、心身を清め、除病や暑気を無事に越す行事で、50年以上続く。1年の後半に向け「夏越の祓(なごしのはらえ)」「六月祓(みなづきばらえ)」ともいわれる。
境内には、総代が青々としたカヤを太さ20センチに束ねた直径2メートルの茅の輪を用意。
総代らは一人ずつ人形(ひとがた)の紙を持ち、体をなぞり、息を吹きかけて、けがれを払った。そのあと、唐沢克忠宮司を先頭に、本殿に向かって左、右と2度くぐった。
茅の輪は7日ごろまで設けておくという。 -
伊那市民プールに水しぶき
伊那市民プールが1日オープンし、初日は無料開放された。小学生や家族連れなど584人(前年832人)が利用し、今季の遊泳を楽しんだ。営業は8月27日まで。
時折雨が降るなどの悪天候ながら、開場時の午前9時の水温は24度と温かかった。子どもたちはビーチボールや大きな浮き輪で遊び、プールには終日、はしゃぎ声が耐えなかった。
営業開始は前年度と比べて、ほぼ同時期。昨年から営業開始、閉止時は利用者が少ないので、例年より約2週間少ない期間に短縮している。
入場料(1人1回)は、一般600円、中学生以下300円、未就学児無料。回数券(12回券)は、一般6千円、中学生以下3千円。
開場時間は午前9時縲恁゚後5時。外気温22℃以上、水温21℃以上で開場し、台風などの荒天による閉場もある。
昨年度の最終利用人員は2万2034人で、最高利用人員は7月18日の1632人だった。 -
岸本和子さんの県内初の個展 ベル伊那・4日まで
中央画壇で活躍する洋画家・岸本和子さんの県内初の個展「人生の機微を一枚の人物画に込めて」は7月4日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
正統派の人物画を描き続ける、現在は東京都羽村在住の画家。4、5年振りとなる今個展は新作を一部交え、女性像や花、西洋人形を題材にした作品30余点(3号縲・0号サイズ)を展示販売している。
インドの民俗衣装のほか、フラメンコ、ドレス、バレリーナなどの服に身を包んだ女性像を中心に、ポピー、パンジーなどの花の絵を出品。画家本人の誠実さ、品格などの人間性がにじみ出ている作品に、多くの人の注目が集まっている。
午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。入場無料。