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みはらしファームで新伊那市誕生記念イベント
伊那市西箕輪の農業公園・みはらしファームで1日、新伊那市の誕生記念イベントがあった。植樹、連凧(たこ)揚げ、チェーンソーアートなどの催しと、春野菜の対面販売、地元名物屋台などがあり、多くの人でにぎわった。
この日は、準市木だったケヤキ、旧高遠町木の高遠コヒガンザクラ、旧長谷村木のカエデを3本ずつ植樹することからスタートした。みはらしファーム運営会議の有賀正喜議長が「木が大きく育ち、新しい伊那市が発展していくよう心を込めて植樹したい」と語った後、スタッフ約15人が園内の公園にそれぞれの木を植えた。 -
新伊那市 新たな船出
伊那市・高遠町・長谷村が31日に合併し、新伊那市が発足した。上伊那で唯一の合併。伊那市役所で開市式(市役所開庁式)、高遠町総合支所と長谷総合支所で開所式をそれぞれ開き、新たな船出に気を引き締めた。
開市式には本庁職員、高遠町と長谷の課長以上ら約400人が出席。
市役所正面玄関で、市長職務執行者を務める伊東義人氏(前高遠町長)ら13人が「新伊那市誕生」のくす玉を開き、門出を祝った。
伊東職務執行者は「望んでいた新しいまちが誕生した。それぞれの特色を生かし、個性が光るまちづくりの実現に向けたい」と述べ「奉仕者として、市民のための行政をやることを忘れずにやっていきたい」と職員に呼びかけた。
高遠町、長谷の両総合支所の開所式は職員や前理事者らが出席。それぞれ庁舎の館名板を除幕し、地域自治区事務所の看板を掲げた。また、高遠町はだるまに目入れ、長谷はくすだま開きをして歴史の幕開けに決意を新たにした。
伊東職務執行者は「住民の声が届く行政で地域振興につなげていくことが重要。3地域がそれぞれの特色を生かし、個性あるまちづくりを推進するとともに、住民のニーズに応えられるよう市民のための行政を目指して良い合併となるように尽力いただきたい」と述べた。
職員数は930人。本庁754人、高遠町総合支所105人、長谷総合支所63人。
組織は総務、市民生活、産業振興など6部、まちづくり対策室、子育て支援課、税務、社会福祉、農林振興、建設など36課を設けている。
初日、伊東職務執行者は06年度の一般会計予算をはじめ、規則141件、条例制定220件を専決処分したほか、部長級以上や教育委員などに辞令交付した。
窓口業務に混乱はなかった。
新市の人口は7万4千人で、県内で7番目に多い。面積は668平方キロメートル。 -
新伊那市長選・市議選日程決まる
伊那市の暫定選挙管理委員会が31日、市役所であった。新市発足に伴う市長選・市議選は23日告示、30日投開票の日程で行うことを決めた。
市長選・市議選は、公職選挙法で合併後、50日以内となっている。1月に3市町村選管の打ち合わせ会議で「高遠町の観桜期は選挙運動に支障が出る」「5月の大型連休は投票率低下の可能性がある」などの点を考慮し、日程を申し合わせていた。
不在者投票は市町村単位に1カ所ずつ設置し、当日の投票所は、旧市町村のときと変わりない71カ所。
また、ポスターの掲示場は当面、現行の461カ所とする。
3月2日現在の選挙人名簿登録者は5万7171人。
市長選・市議選の日程は次の通り。
▽6日=立候補届け出手続き等説明会▽17・18日=立候補届け出書類、選挙公報事前審査▽23日=告示▽24縲・9日=不在者投票▽30日=投開票 -
伊那市内の郵便局 写真付き切手発売へ
伊那郵便局(藤原良明局長)などは31日から、伊那市・高遠町・長谷村の合併による新伊那市誕生を記念した写真付き切手(シール式)の予約をはじめた。
写真付き切手は「みはらしファームと南アルプス」「春の桜雲橋」「夕日に映える仙丈ケ岳」など、80円切手10枚入りを1300円(送料500円込み)で通信販売。限定千部。
伊那郵便局が新市のPRになれば竏窒ニ、市内の郵便局に呼びかけて企画し、市から写真の提供を受けて実現した。
予約受付、申込方法は、新市内郵便局の窓口にて。 -
旧井澤家で「古文書・絵図展示会」
伊那市・高遠町・長谷村の合併による新市誕生を記念した展示「古文書・絵図展示会」が31日、同市西町の旧井澤家住宅ではじまった=写真。先人たちが現代に残した過去の記録が飾られている。の伊那部宿を考える会、伊那市古文書研究会共催。4月6日まで。
3市町村に関わる古文書や絵図などの写しのほか、それぞれを同研究会会員が解読した解読文など約100点を出品。伊那部宿絵図、天竜川歴史絵図、権兵衛峠開削文書などがある。
約300年前、諏訪領と高遠領の間で起きた山争そいを治めるために作られた「芝平山絵図」や飯田領と高遠領の境界裁許絵図、長谷地区の山の入会権に関連する文書など、昔の争論について語っている資料が目立つ。
伊那市古文書研究会の久保村覚人会長(68)=伊那市荒井区=は「初公開のものが多く、それぞれの図面や古文書にはすべて、解読文が入っている。多くの人にじっくり見てほしい」と来場を呼びかけている。
午前9時縲恁゚後5時。期間中は入場無料。 -
新生伊那市出身作家美術展 はら美術
新伊那市誕生を記念した展示会「新生伊那市出身作家美術展」は10日まで、伊那市坂下区旭町の「はら美術」で開いている=写真。日本画、洋画のほか彫刻、人形といった工芸などで有名な地元作家の作品が一堂に並んでいる。
伊那市・高遠町・長谷村による新市・ス誕生・スと、3市町村から・ス誕生・スした画家を引っかけた、店主の原義美さん(64)のこだわりの展示即売会。物故から中央画壇で現在活躍中の26人が、一人2縲・点の計約100点を出品している。
旧高遠町から中央アルプスを望んだり、南アルプスの仙丈ケ岳を描いたりと、新市の美しい自然を絵にした風景画が中心。山中一正(旧伊那市)の「宝剣夜話」、竹内徹(同町)の「高遠の桜と中央アルプス」などの作品がある。
原さんは「それぞれの個性や会派も違う作家の作品が集まる展示。せっかく合併したのでお祝いの意味を込めて開きました」と来場を呼びかけている。
5日は定休日。午前11時縲恁゚後6時。 -
歴史シンポジウムまとめ 「伊那の歴史・地域性と先人の知恵」発行
伊那市教育委員会は2002縲・4年に市内で開いた歴史シンポジウムの講演をまとめた本「伊那の歴史・地域性と先人の知恵」を発行した。同市のシンポジウム講演集は3冊目となる。
9人の研究者の基調講演、質疑討論などの展開を収録した。図や表、写真などを使い、理解しやすいように工夫。テーマは原始時代から現代までと幅広く、過去の先人の知恵を学びたい人のためのテキストになるようにした。
シンポジウムのテーマは02年「高遠藩領と天領」、03年「天竜川の水運」、04年「伊那市の生い立ちと先人の知恵」。04年には信州大学人文学部の笹本正治教授が中世の伊那谷と題して、織田信長による信濃侵攻と高遠城落城などについて説いている。
A5判、280ページ。1500円(税込み)。購入に関する問い合わせは、伊那市教育委員会(TEL0265・78・4111、内線2722)へ。 -
ノルウェーから高校交換留学生 オーエン・スティアン君来伊
高校生交換留学生の国際機関「エイ・エフ・エス日本協会」の派遣留学生受け入れプログラムで来日しているノルウェー国籍のオーエン・スティアン君(17)が29日、ホストファミリーと一緒に伊那市役所を訪問した。オーエン君は小坂樫男市長(当時)に滞在期間中の抱負を日本語で語った。
日本の言葉、文化、テレビアニメに興味があるオーエン君は同協会長野南信支部を通じて、ホストファミリーの小学校教諭・橋本明典さん(49)=同市美篶前原=宅へ10カ月余り滞在。期間中は橋本さんの長女・結さん(16)が通う赤穂高校(駒ヶ根市)で勉学に励む。
インターネットなどで日本語を独学で学んだというオーエン君の流ちょうなしゃべりに小坂市長も驚きの表情。漢字やカタカナの読み書き、日本語の冗談も話せるとあって「大したもの」とほめた。
オーエン君は日本の高校で「日本語で会話するのが楽しみ」と入学式が待ち遠しい様子。「将来は日本の大学へも行きたいので、絶対戻ってくる」と展望を語った。 -
上伊那郡西天竜土地改良区総代会
上伊那郡西天竜土地改良区(有賀正理事長)の第141回通常総代会が31日、西天竜土地改良区事務所であった。事業費の繰上償還や06年度一般会計予算案など24議案を全て承認した。
06年度は、組合員の負担軽減のため、県営ため池等整備事業借入金で約4103万1372円、基幹水利施設補修事業で2014万3千円を繰上償還する。支線水路改修の非補助土地改良事業は、理事会専決処分に一任し繰上償還する。
06年度一般会計予算の総額は約4億124万円。支出は、単独事業で中部・南部・北部地区の水路改修2500万円、南箕輪村の北殿から南殿の雨水対策計画による新農業水利システム事業1400万円など。
総代会正副議長の選任は、議長に日野源七さん、副議長に原英雄さん。任期は4月1日から1年間。 -
龍水呉服第66回春・正絹染呉服まつり
上伊那農業協同組合(JA上伊那)の龍水呉服は2日まで、第66回春・正絹染呉服まつりを伊那市狐島のJA南信会館で開いている=写真。
作家ごとに5ブースが設置されており、それぞれが約50から60点をそろえている。草木染め、ぬれ描き蝋羯彩友禅を合わせた手法など、各作家それぞれの個性が生きた作品があり、若い世代から年配者まで、それぞれの嗜好にあった1点を見つけることができる。今年は花を基調とした女性らしい柔らかい作風が特徴の「きもの咲」が新たに加わった。
また、絹を贅沢に使ったニットや糸、染色から全てオリジナルで仕上げている洋服などのコーナーも例年人気が高く、リピーターが訪れるという。
担当者は「県下最大規模を目指しており、3日間でこれだけの規模は南信でも珍しいと思う。一度会場で見ていただければニーズにあったものがあると思うのでぜひご家族で出かけてほしい」と話していた。 -
JA上伊那稲作部会が米の消費拡大を目的としたイベント開催
上伊那農業協同組合(JA上伊那)稲作部会(北條久志部会長)の米の消費拡大を目的とした「うまい米・うまいお酒春祭り」が29日、伊那市狐島の本所であった。生産者や消費者など、約170人が集まり、地元産米や、上伊那6酒造会社がつくる地酒を比べながら、味の違いを楽しんだ。
米の消費が低迷する中、消費者だけでなく生産者の米消費も減少している。また、米を使う日本酒の消費量も減少しており、地元消費者の傾向としても地元の酒米を使う地酒以外を購入することが多いため、生産者自らの米消費を見直し、消費者に地酒の良さを見直してもらおう竏窒ニ初めて企画した。
地元の酒生産者は「地元美山錦を使った純米酒。嗜好(しこう)の違い、体調の違いなどによって味の感じ方も違ってくるので、飲み比べてみてほしい」などとアピールした。
参加者は、地元生産者の作ったコシヒカリ、アキタコマチコシヒカリの無洗米の食べ比べたり、五平もちやチャーハン、おはぎなどの試食をしながら、地酒の味を確かめていた。 -
保育所サービス充実に向け、伊那東保育所で改修終了
未満児保育や時間外保育へのニーズの高まりを受けて市は、4月から保育園サービスを拡充する。
従来は午前7時半縲恁゚後7時に対応する時間外保育を実施している園が上の原1園しかなかったが、伊那東、美篶西部、竜西でも対応時間を延長。それ以外の保育所も、朝の受け入れ時間が午前7時半からとなる(夕方は午後6時まで)。
未満児保育は、より多くのニーズに対応できるよう伊那東保育園を改修。これにより同園は、現在より10人ほど多く、未満児の受け入れができるようになった。また、未満児保育の対象年齢は0歳から3歳までと幅が広く、成長の度合いも異なってくるため、0、1歳と2、3歳というようにある程度年齢分けした保育体制もとっていく。
急な用事ができた場合などに利用できる未就園児の一時預かりは、私立の伊那保育園でしか実施していなかったが、今後は公立でも対応できる園を設置していく予定でいる。 -
半期に一度の「決算大バザール」 ベルシャイン伊那で4日まで
半期に一度の洋画などの展示即売会「決算大バザール」は4日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
中央画壇で活躍する現役作家を中心に約40人が、一人2縲・点の計約80点を出品。特別価格の8万円縲・00万円で販売している。
伊那市出身の野溝嘉彦の「伊那谷の春」(20号)や辰野町出身の大森祥吾の「春の常念岳」(6号)などの地元作家作品のほか、島根清の「紅葉の奥入瀬」(M15号)、雨宮英夫の「峠のそば店」(6号)などが並ぶ。
織田広喜の少女像を中心に描いた5点、吉村美令由のアヤメやツバキなどの花の絵5点もある。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
伊那スキーリゾート今季営業終了
伊那市西春近の伊那スキーリゾートは31日、今季の営業を終了した。寒波の影響などによって、暖冬に悩まされた昨季より5日早くオープンし、営業日数104日間で、例年並みの約8万人が楽しんだ。
スキー場によると、利用者は全体の7割近くが東海地方からの家族連れ。冷え込みが続いたオープンから1月中旬までは昨季より1・4倍の人でにぎわい、1月8日には今季最多の約2600人を記録した。
また、ナイターには2月の権兵衛トンネル開通後は、ナイター営業のスキー場がない木曽谷から多くのスキーヤーらが訪れた。
最終日は約200人が今季最後の滑走を満喫。駒ヶ根市から母親と来ていた阿部厳ちゃん(8)は「すごく楽しかった。次の冬が待ち遠しい」と話していた。 -
県伊那文化会館4月から指定管理者制度移行
新料金などサービス向上4月から指定管理者制度が導入される県伊那文化会館は、県の選定の結果、設立から会館運営をしている長野県文化振興事業団が指定管理者に選定され、06年度以降も引き続き会館運営をする。新料金制度などで「県民サービス向上と効率的運営を目指す」という。
事業団は、標語に「みんなで参加し育てる伊那文化会館」を掲げ▽快適空間とホスピタリティの提供▽県民の芸術機会の拡大と創作交流の支援▽「経営管理意識」で業務の運営▽職員の専門性の向上-を挙げる。会館のミッションは「県民の文化の振興と福祉の増進」。実現に向け、引き続き施設管理、自主事業、貸し館事業に取り組む。
指定管理者の選定では、南信地域で盛んな地芝居を招いた農村歌舞伎祭、館付属のジュニアオーケストラや劇団の育成、上伊那地域だけでなく下伊那・木曽地域とのつながりも重視した具体的な事業提案、閑散期割引など新料金制度、託児サービスといったサービス向上策の提案などが評価された。
4月からの新利用料金は次の通り。
◇会館利用料金割引(免除)の拡大 ▽大・小ホール=利用日の前40日を過ぎてホール利用がない場合にリハーサルとして、定める額の70%相当額(1時間単位)で利用できる▽大・小ホール=閑散期(4月)の利用料は定める額の80%相当額▽小ホール=平日に美術展示ホールと同時に使用し展覧会をする場合に美術展示ホールに準じた利用料、利用時間区分を適用▽プラネタリウム=団体割引人数を現行30人以上から10人以上にする
◇利用料減免制度の改正 ▽ホールなどは学校等・社会福祉団体は現行40%減免を50%減免▽減免対象外だった備品や冷房設備など付属設備は芸術文化団体40%減免、学校等・社会福祉団体は50%減免 -
きょう 新伊那市が発足
31日、伊那市・高遠町・長谷村が合併して新伊那市が発足する。午前8時に伊那市開市式(市役所開庁式)、10時45分に長谷総合支所開所式、11時半に高遠町総合支所開所式をそれぞれ開く。
新市長が決まるまでの間、職務執行者を務める伊東義人氏(前高遠町長)が06年度の一般会計予算や条例制定などを専決処分するほか、部長級以上などに辞令交付する。
新市には、市役所(本庁舎)、高遠町総合支所、長谷総合支所、富県や美篶など6支所を置く。窓口の開設は午前8時半縲恁゚後5時15分(高遠町のみ月曜日は7時まで証明書交付する)。届け出・登録申請の受け付けは外国人登録申請などは市役所のみとなる。
新市は面積668平方キロメートルで、県内3番目の広さ。世帯数は2万6300戸で、人口7万4千人。
【経過】
03年12月、伊那市・高遠町・辰野町・箕輪町・南箕輪村・長谷村の任意合併協議会が解消となり、04年2月、高遠町・長谷村から伊那市に合併研究の申し入れがあった。南箕輪村にも申し入れ、4月に4市町村による合併研究会が発足した。7月の住民投票の結果、南箕輪村は反対が6割を占め、研究会が解散。9月に伊那市・高遠町・長谷村合併協議会を設置し「新設合併」など基本的な協議事項9項目に加え、住民生活に影響のある各種事業の取り扱い、新市建設計画などの協議に当たった。
◆ ◆ ◆
新伊那市発足を前に、30日、伊那市で閉市式、高遠町・長谷村で閉庁式がそれぞれあった。
●伊那市
伊那市では、歴代市長や議長、各種行政委員、市職員の部課長以上ら約120人が出席。
小坂市長は、54(昭和29)年の6町村合併からの歴史を振り返り「困難な問題を克服し、伊那市を築き、上伊那、南信の行政、経済、文化の中心的な役割を担ってきた」と感謝し、31日の新市発足に当たって「合併してよかったといわれる伊那市に育て上げることが全市民の義務であろうと思う」と述べた。
そのあと「伊那市の歌」を3番まで歌い、小学生代表4人が伊那消防署員の指揮に従って市旗を降納。
前市長原久夫さんの音頭で万歳三唱し、新市の発展を願った。
●高遠町
高遠町は職員や町議会議員ら約150人が見守るなか、伊東義人町長らが町旗を降納し、庁舎の館名板「高遠町役場」を取り外した。
伊東町長は町の歴史を振り返り「町民がより暮らしやすく、高遠を誇りと思える施策に取り組んできた。庁舎はなくなるわけではなく、高遠町総合支所として新たにスタートするが、さらなる発展に向けた次へのステップととらえ、地域住民のための庁舎として気軽に立ち寄れる場所であってほしい」と述べた。
また新市発足にあたり「合併は最終目標ではなく、それぞれの地域の特性を生かし、互いに尊重し合って、より暮らしやすいまちづくりを一日も早く築くことが大切」とし、職員に向けて「良い合併となるよう地域を愛する思いをもった活躍を願う。市民のための行政を目指して、常に公正の立場で地方自治進展に尽くしてもらいたい」と期待した。
●長谷村
長谷村では、職員など約70人が見守る中、宮下市蔵村長らが村旗と役場看板を降納した。
式辞で宮下村長は「合併は長谷村の将来のため、どのように進んでいくか考えたときの苦汁の選択で決めた。合併は決してゴールでない。これを契機に新しい街づくりに向けて、住民の皆さまと出発してほしい」と式辞を述べた。 -
「霞提」後世に伝えよう 伊那市など美篶下川手に看板設置
伊那市は国土交通省・天竜川上流河川事務所(天上)などの協力を得て、美篶下川手の三峰川サイクリング・ジョギングロード沿いに、同河川の治水対策として古くから造られていた堤防「霞提(かすみてい)」の役割などを解説した看板を設置した。
昨年9月の議会一般質問で、議員から「三峰川治水の歴史として保存していく考えは」との質問。市では霞提が持つ機能を後世に伝えるための看板設置を考えた。霞提の維持管理している天上が看板を製作し、23日に設置した。
看板は三峰川の右岸に8、左岸に3の計11箇所に霞提があることや、堤防の一部を切って田畑などに水をあふれさせる役割があることを図などで説明し、36災害(1961年)時の霞堤の効果を写した航空写真なども掲示している。大きさは縦245センチ(うち看板部分140センチ)、横214センチ。総事業費は約200万円。
掲示内容は市、天上、霞提に詳しい地元住民などを交えて、昨年12月から検討。専門用語や難しい漢字などを使わないなど、表記は子どもたちでも分かるように工夫している。 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長 荒木茂さん(82)【I】
伊那市日影に本社を置くニシザワは、中南信エリアを中心にグループ全体で59店舗を展開する。日常生活に欠かせない食品・服飾用品・書籍・文具などを供給するだけでなく、リサイクル書店や外食産業にも進出し、いまや押しも押されぬ伊那谷流通業の中核的存在。中部日本でも有数な総合小売業である。
創業は、1924(大正13)年、伊那市通り町の小さな書店。その後、創業者故荒木昌平氏急逝や、1949(昭和24)年の大火、県外資本による競合店進出竏窒ネどの度重なる難局を乗り越え、現在の地歩を築き上げた。
現在会長の荒木茂さんは、3月30日で82歳。1940(昭和15)年、母が守り続けた書店に18歳で入り、戦争とシベリア抑留の一時期を除いて、常に経営の先頭に立ってきた。
書店から、デパート(ニシザワデパート)、スーパーマーケット(ニシザワショッパーズ)、ショッピングセンター(ベルシャイン)、さらにディスカウントストア(サンマックス)、リサイクル書店(ブックオフ)、外食産業(「牛角」など)竏窒ニ、多角化による安定発展の道を歩み続けた荒木さんに、次世代に伝承するべき経営の秘訣と、流通業にかけた思いを聞いた。
【毛賀沢明宏】 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長荒木茂さん【II】
伊那谷流通業のリーディングカンパニー、ニシザワを育て上げてきた荒木茂さん(現同社会長)。その素顔に迫る特集の2回目。前号(29日掲載)では、「良い物を、より安く竏窒ニいうことに尽きる」と語る経営哲学の底に、地域への貢献の魂が脈打っていることを素描した。
本号では、そうした荒木さんの考えはどのような人生の苦闘の中で発酵してきたのか、そしていかなる深みを持つのか竏窒A青年期のエピソードの中に探ってみた。
【毛賀沢明宏】 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長荒木茂さん【III】
伊那谷の流通業の中核を担うニシザワグループの創設者、荒木茂さんの特集3回目。さまざまな苦難を乗り越えてきた道筋の中に、心の拠り所となった哲学を探った。
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環境に関して市民らの活動紹介 八十二銀行伊那支店
伊那市境東の八十二銀行伊那支店(荻原英俊支店長)で31日まで、市民などによる環境保全運動の取り組みを写真などのパネルで紹介している=写真。
同支店は環境について多くの利用者にも関心を深めてもらおう竏窒ニ企画した。
パネルは市内各地の河川で展開している、児童と住民によるアマゴ放流や水質調査などの活動のほか、同市富県新山の湿地に生息しているハッチョウトンボの解説などが一目で分かるようになっている。
リサイクルシステム研究会が毎年開いている、諏訪湖から遠州灘(静岡県)までの一斉ごみ拾い「天竜川環境ピクニック」の様子も写真などで紹介している。 -
伊那木曽連絡道路の開通に伴う交通変化(速報値)とその効果
飯田国土交通事務所などは28日、伊那木曽連絡道路の開通に伴う交通変化(速報値)とその効果を発表した。
当初予想された大型車の利用は少なく、観光、医療、経済、雇用など、あらゆる面で地域間交流が進んでいる。
開通後の1カ月の1日平均交通量は、平日2216台、休日6559台。休日利用は平日の約3倍になる。大型車の利用は平日・休日を平均して約4・7%に留まった。
国道19号線の迂回路としての機能も発揮しており、上松町内で交通事故による通行止めがあった3月12日は、伊那木曽連絡道路の交通量が約2・5倍増加した。
医療方面では、以前は見られなかった木曽地域の外来者が伊那中央病院を訪れており、2月4日縲・8日で17人が来院した。うち4人は緊急患者として搬送されており、医療ネットワークが充実した。
観光では、もともと利用者数の少なかった木曽側観光施設の利用者数が3倍、5倍、7倍と大幅に増加。もともと利用者数の多い伊那側は、1・1倍、数にして約3500人増となった。
ほかにも、木曽地域の新聞へ折込み広告を入れる伊那側のスーパーなどが増加し、伊那市の公共職業安定所で木曽地域も対象とした求人が15件あった。2月末現在で木曽地域から照会登録している人も7人いる。
木曽地域トンネル付近には大型量販店がないため、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設・みはらしの湯を訪れる観光客の中には観光の一環として大型量販店を訪れたいと希望するグループもあるという。 -
水彩画サークル「葦の会」 個性溢れる力作披露
伊那市を中心とした水彩画愛好者でつくるサークル「葦の会」の展示会は4月5日まで、伊那市中央区の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている=写真。
20縲・0代の幅広い世代の会員17人が制作した、水彩画やシルクスクリーン版画の計35点を出品。「水彩画を楽しく描こう」と取り組むメンバーによる風景、静物、人物画などの力作が並ぶ。
毎年11、12月に取り組んでいるシルクスクリーン版画は初めて展示。会員が年賀状のために作った版画は、季節の到来を告げる花のほか、今年の干支(えと)の犬などを描いている。水彩画はそれぞれの色とタッチが個性的で「モチーフに合わせた背景の色使いを見てほしい」と会員は呼びかけている。
葦の会は伊那公民館講座「水彩画教室」(1990‐92年)を修了した仲間で14年前に設立。「パリ国際ル・サロン」会員の碓井伍一氏(伊那市山寺区)を講師に迎え、同公民館で月2回の教室で学ぶ。同ギャラリーでの展示は年に春と秋の2回を開いている。
土・日曜日、祝祭日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
伊那市環境審議会 最後に推進5項目を具申
伊那市環境審議会(小松朝雄会長、15人)は28日、同市に対して重点的に取り組んでほしい「環境行政の推進に関する具申」のまとめを小坂樫男市長に提出した。
同審議会は市環境基本計画の推進母体である市環境協議会の年次報告書を協議、検討。2月28日の本年度3回目の会合で要望をまとめた。
「環境行政の推進竏秩vは▽ごみを限りなくゼロに近づける伊那市を目指して▽水辺空間の保全・創出について▽環境教育等に関する具体的提案▽里山相談窓口について▽帰化植物の撲滅について竏窒フ全5項目。
水辺空間の保全・創出について小坂市長は、三峰川の河川敷に帰化植物が繁茂している状況を「もう少し整備していく必要がある。今後も国土交通省と連携していきたい」と述べた。
同市では新市環境基本計画をつくるにあたり、今回の要望を歌いこんでいく考え。
市環境審議会は伊那市・高遠町・長谷村の3市町村合併に伴って消滅。新市では委員を3市町村から選出して構成する。 -
春日街道~R361直線で接続
県などは、県道伊那箕輪線(通称・春日街道)の沢尻交差点(南箕輪村)から国道361号へつながる道などを新たに造る工事を24日、終了させた。権兵衛トンネルが開通し、車の交通が頻繁になる状況を、特に県道から国道に向かう車両の流れをスムーズに通すための工事。31日午後4時から、新道路の交通を開放する。
国道に対して、沢尻交差点からほぼ直角に接する道路と交差点(仮称=沢尻南)を造った。それぞれの道路をつなぐ川北町交差点(伊那市)が鋭角だったため、これまで大型車が交道を曲がることが困難な状況だったことを解消した。
新しい道路の全長は約300メートル。全幅は本線6・5メートル、右折車線(国道に向かって)3・0メートル、片側歩道2・5メートルなどを含む13・5メートル。用地買収や計画設計などは県が受け持ち、本工事は飯田国道事務所が昨年夏からはじめた。
新しい道路を造るにあたり、沢尻交差点を直角交差に整備するなどの工事費用も合わせて約5億円。 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長 荒木茂さん【IV】
伊那谷の流通業の中核を担うニシザワグループ。その先頭で牽引してきた荒木茂会長に迫るシリーズ4回目。会社プロフィールと、地域で関係のあった人々に「私の見た荒木さん」を語ってもらった。
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伊那市養護老人ホームみすず寮の経営移管式典
伊那市から上伊那福祉協会に経営移管する伊那市美篶の養護老人ホームみすず寮で29日、経営移管協定書・契約書の調印式があった。
市町村から上伊那広域への経営移管は2カ所目。01年度以降みすず寮は、上伊那広域で整備を進めていくことを検討。効率的で安定的な民間経営手法を導入していくため、05年度を目途に上伊那福祉協会へ経営移管することとなっていた。みすず寮が加わり、上伊那福祉協会が運営する福祉施設は8カ所となる。
上伊那福祉協会が経営することで効率的な人員配置を実現し、伊那市外からの入所希望者の受け入れなど、よりスムーズにできるようになる。
上伊那福祉協会の平澤豊満会長(箕輪町長)は「入所者が安心できる施設となるように努めていきたい。経営移管しても利用者側はこれまで通りなので安心してほしい」と語った。
移管後は、老朽化した施設の改築などの検討も進める。また、隣接する特別養護老人ホームも、上伊那福祉協会に経営移管する予定で、06年度から検討を進めていく。 -
みはらしの湯で4月からさくらパフェを販売
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設・みはらしの湯は4月1日から、桜をイメージしたオリジナルデザート「さくらパフェ」を1カ月限定で販売する。
高沢尚人調理長が考案したオリジナルパフェは4作目。出来るだけ地元の食材を使い、四季に合ったものを提供したい竏窒ニ、「いちごパフェ」「とうふパフェ」「秋のみのりパフェ」などをこれまで考案してきたが、みはらしいちご園のイチゴを使っているいちごパフェは数量が限定されてしまうため、春に楽しめる新たなパフェを考案することになった。
今回は、春をイメージさせる桜をテーマ。市町村合併ということもあり、高遠町のコヒガンザクラも意識した。桜の塩漬けを固めたゼリーの上に、桜アイス、桜色のくず餅などがトッピングされている。サクラの花が入っているゼリーは、口に入れるとほのかに桜の香りがし、和菓子感覚で楽しめる。
価格は450円。 -
新伊那市議選に長谷村の現職出馬を表明
伊那市・高遠町・長谷村の合併に伴う新伊那市議会議員選挙(4月23日告示、30日投開票)で、長谷村の現職・北原幸彦氏(74)=無所属、非持=が出馬を表明した。これにより長谷選挙区は定数の3人が顔をそろえた。
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伊那市で企業誘致進む
安定した税収の確保、雇用創出などを目的とした企業誘致が伊那市で進んでいる。現在進行している進出案件は13件。新しい企業の進出という案件より、現在伊那市内に工場を持つ「既存企業」の拡張・設備投資拡大などに伴うものが多い。自治体間の企業誘致競争が加速する中、既存企業に対する支援制度を充実し、企業のニーズを満たす工場用地を整備するなどを通して既存企業を出来る限り市内に留まらせ、更なる経済効果を生み出したいと考えいる。
現在誘致を進めている工場用地は六道原、福島、東原、鳥居沢(造成中で06年夏より販売予定)の各工業団地で、道路、水などの条件がそろった新たな産業適地の候補地8カ所も選定しいる。
こうした工業団地などの特定地域に進出する企業に対しては、補助制度を設けて設備投資拡大などを補助しているほか、企業訪問によるPR・情報収集、企業誘致リーフレットの作成、信州大学との連携を通した共同研究の提案なども実施している。
昨年10月に伊那市美篶の六道原工業団地に進出したNECライティング(本社・東京、皆元輝征代表)は、07年3月末までに800人体制まで人員規模を拡大する予定でいる。全体の約80%が新規雇用となるが、正社員は200人弱だという。非正規社員の雇用が地元の雇用に直接的につながるかは疑問もあるが、それぞれの企業が持つ効果が相乗することで、大きな経済効果につながることも考えられる。