-
伊那市上下水道料金 据え置き答申
伊那市上下水道事業運営審議会は、市から諮問されていた、令和7年度までの上下水道料金について、据え置くよう白鳥孝市長に2日に答申しました。
この日は、審議会の岡野哲郎会長らが市役所を訪れ、白鳥市長に答申書を手渡しました。
上下水道の料金は、人口減少などで利用者が減っているため値上げをする必要があるということですが、新型コロナや物価高騰の影響で家庭の負担が増えていることから、市側の諮問通り据え置くよう答申しました。
市側は、下水道については、これまでの3年間は一般会計から4億円を補填していて、令和5年度からの3年間については、6億5千万円を補填し、料金の据え置きに対応すると諮問していました。
岡野会長は「生活に困っている人が増えているため、これまで以上に細やかな対応をしてもらいたい」と話していました。
-
トルコギキョウの出荷がピーク
長野県が生産量全国1位で、上伊那が県内2位の花、トルコギキョウの出荷が現在ピークを迎え、花卉農家では出荷作業に追われています。
このうち伊那市東春近で花の生産を行っている、株式会社フロムシードでは、年間およそ50万本のトルコギキョウを栽培しています。
トルコギキョウはアルストロメリアと同様、上伊那の花の主力品種の一つで、フロムシードでは毎年6月下旬から10月末まで出荷をしています。
この時期は秋の彼岸を前にピークを迎えていて、およそ25人が作業を行っています。
7日の1日で6,000本の収穫とサイズや品質別に分ける選花作業を行いました。
フロムシードでは15種類のトルコギキョウを栽培していて、ほとんどがオリジナル品種だということです。
-
伊那市 住宅新築補助 拡大へ
伊那市の白鳥孝市長は、過疎地域などに行っている45歳以下か、中学生以下の子どもがいる家庭が住宅を新築する際の最大150万円の補助を、市内全域に拡充する考えを8日に、示しました。
これはきょう、市役所で開かれた、伊那市議会9月定例会の一般質問の中で議員の質問に対して白鳥市長が答え
たものです。
伊那市では現在、新山などの田舎暮らしモデル地域と、高遠町や長谷地区に新築を建てる際、45歳以下か、
中学生以下の子どもがいる家庭には150万円の補助を行っています。
今後は定住支援として範囲を伊那市全体に広げるとしています。
白鳥市長は「若い人に住み続けてもらえるような定住支援や子育てしやすい環境づくりなどを一気にこれからやっていきたい」と話しました。
この補助金についての予算案は、伊那市議会9月定例会に提出されていて、13日に委員会審査、16日に委員長報告と採決が行われます。
-
伊那節大会・ふるさと芸能祭
伊那節の歌唱力を競う伊那節大会・ふるさと芸能祭が、4日に伊那市のいなっせで行われました。
伊那節大会には、上伊那から19人が出場しました。
最優秀賞には伊那市富県の歌舞劇団「田楽座」に所属している、中山ねむかさんが選ばれました。
大会は、伊那節を次世代に引き継いでいこうと2年に1度開かれていましたが、新型コロナウイルスの影響で2017年以来になります。
ふるさと芸能祭では、まほら伊那民謡会や民謡ふるさと会など5団体が発表を披露しました。
-
林秋実さん作陶展
伊那市高遠町の陶芸家、林秋実さんによる作陶展が伊那市のかんてんぱぱホールで開かれています。
作陶展は主役は料理で器は脇役をテーマに開かれていて、皿や茶わん、カップなどおよそ200点が並んでいます。
林さんは三重県出身で40年ほど前から陶芸を始めました。
益子焼を学び、2006年に高遠町に移住してきました。
薪ストーブから出た灰やわらの灰を混ぜた釉薬を使っているということです。
展示会は毎年この時期に開いていて、今年で15回目となります。
作陶展は11日まで開かれていて、展示品の販売も行われています。
-
白鳥市長「市戦没者慰霊祭」検討へ
伊那市の白鳥孝市長は、伊那市遺族会の会員が減少している事などから、各地区で開催している式を一本化し、市主催の戦没者追悼式の開催を検討していきたいとの考えを示しました。
これは7日開かれた、市議会で議員の質問に答えたものです。
伊那市内では、9地区で遺族会が地区社協の協力を得て追悼式などの活動を行っています。
しかし、戦後77年が過ぎ遺族の高齢化が進んでいて、遺族会の会員数はこの4年で477人から291人と180人以上減少しています。
白鳥市長は「国や県の追悼式を参考しながら、遺族会と協議を進めていきたい」と話しました。
-
台風に備え果樹農家が収穫
大型で強い台風11号は午後4時半現在日本海を北東へ進んでいます。
伊那地域では果樹農家が対応に追われていました。
6日は伊那市西箕輪の果樹農家笠松悟さんが、りんごの収穫に追われていました。
品種は今が収穫時期のつがるです。
リンゴ狩りの受け入れを行っているため残していましたが、台風に備え収穫をしていました。
長野地方気象台によりますと、伊那地域では午後1時24分に最大瞬間風速17.4mを記録しました。
長野地方気象台によりますと、県南部では、夜には風は収まるということです。
-
知立市野外センター 閉所セレモニー
来年3月末の廃止が決まっている伊那市西春近の知立市野外センターの閉所セレモニーが6日行われました。
6日は、野外学習で現在施設を訪れている愛知県知立市の知立西小学校の5年生が参加し閉所セレモニーが行われました。
知立市野外センターは伊那市と友好都市提携を結んでいる愛知県知立市が平成7年に設置し、知立市の小学5年生と中学2年生が「山の学習」で毎年訪れていました。
敷地面積はおよそ4万4千平方メートルで、管理棟やテント広場、宿泊棟などがあります。
施設の老朽化などにより知立市が去年3月に廃止することを決めました。
知立西小学校は今日から一泊二日の日程で施設を訪れていて、知立市による施設の利用は最後だということです。
野外センターは知立市が利用する日以外は一般に公開され、伊那市民も宿泊やバーベキューなどで活用してきました。
施設は10月末まで一般の利用が可能です。
知立市によりますと、廃止後は土地・建物を売却予定だということです。
-
障がい者就労施設支援 林福連携事業を検討
伊那市の白鳥孝市長は、障がい者就労施設への支援として、林業と福祉を連携させた「林福連携事業」を進めていきたい考えを示しました。
これは6日市役所で開かれた、伊那市議会9月定例会の一般質問の中で議員の質問に対して白鳥市長が答えたものです。
白鳥市長は「伊那市から障がい者就労施設に対して安定的な仕事の発注を行うことは重要だ。林業と福祉を連携させた、林福連携事業を進めていきたい」と話しました。
伊那市では、樹木の育苗や植樹、山林の下草刈り等を発注できないか検討をしているということです。 -
上農高校の生徒が春日公園を整備
上伊那農業高校コミュニティデザイン科里山コースの3年生は、伊那市の春日公園にある噴水跡地を人が集う場所にリニューアルする取り組みを行っています。
6日は3年生17人が現地で縁石の設置作業をしました。
長野県建設業協会伊那支部青年部のメンバーが作業のやり方を指導していました。
この場所には平成元年に噴水が整備されましたが、平成2年にコスト削減のため運用が停止され、それからおよそ30年間使われていませんでした。
この噴水跡地の整備を上伊那農業高校の生徒が行うことになりました。
昨年度から3年生がこの事業に取り組んでいて、今年度は南側の200平方メートルにブロックを敷き詰め桜の模様を作る計画です。
7月から測量を行い、先月末から本格的に作業を始めました。
里山コースの生徒たちは、9月は毎週火曜日に整備作業を行います。
この取り組みは、建設業の人材確保につなげようと、長野県が、長野県建設業協会伊那支部青年部の協力を得て行っています。
一帯の整備は令和6年度まで行う予定です。
-
伊那北高校 合唱コンクール
伊那市の伊那北高校の第55回合唱コンクールが6日に伊那文化会館で行われ、3年D組が最優秀賞に選ばれました。
コンクールでは1年生から3年生までの18クラスが発表しました。
審査の結果、「一詩人の最後の歌」を歌った3年D組が最優秀賞を受賞しました。
コンクールの模様は、10月からご覧のチャンネルで放送します。
-
痴漢・盗撮被害撲滅を目的 伊那市駅に弥生書道部の作品
痴漢・盗撮被害撲滅を目的とした、伊那市の伊那弥生ヶ丘高校書道部の書道作品が1日から、JR伊那市駅に飾られています。
きのうは制作を依頼した長野県鉄道警察隊の隊員が作品を展示していました。
作品は、JR伊那市駅の待合室に飾られています。
縦2メートル、横3メートルの書道作品です。
作品には「あなたの勇気が被害者を救います。痴漢・盗撮を見て見ぬふりせず安心安全なまちづくりをしよう」と書かれています。
これは、長野県鉄道警察隊と伊那弥生ヶ丘高校の書道部が連携して制作されました。
文章は伊那弥生ヶ丘高校の書道部が考え、製作期間は1ヶ月だということです。
なお、痴漢・盗撮被害撲滅を目的とした書道作品は弥生の他県内3つの高校でも制作されました。
長野県鉄道警察隊では、被害に遭った時や目撃したときは、すぐに110番へ通報してほしいとしています。
この書道作品は9月30日まで飾られています。
-
倉田さんやり投げ全国優勝 報告会
先月行われた全国高校総体陸上競技の女子やり投げで全国優勝を果たした伊那市の伊那北高校3年の倉田 紗優加さんの報告会が、1日に学校で開かれました。
報告会では優勝を祝って、生徒会長でクラスメイトの今井 伶さんから、花束が贈呈されました。
南箕輪村在住の倉田さんは、先月6日に行われた高校総体の女子やり投げで、53m82を投げ優勝しました。
1日は、各教室に配信する形式で、報告会が開かれ、全校生徒720人がオンラインで参加しました。
埋橋浩校長は、「やればできるということを全校のみんなに教えてくれました。このキャリアを、自信を持った人生につなげてほしい」と全国優勝を祝っていました。
-
薪を背負って運ぶ西駒んボッカ 3年ぶりに開催
中央アルプスの山小屋西駒山荘まで薪を背負って駆け登る「西駒んボッカ」が4日に、3年ぶりに行われました。
参加者は、4日午前6時半に伊那市の鳩吹公園をスタートし、西駒山荘を目指しました。
部門別に3キロか15キロの薪を背負い、標高差1,750mのコースを走ります。
最初に姿を見せたのは、3キロの部に出場した伊那市の鈴木昌幸さんです。
タイムは、2時間11分20秒でした。
鈴木さんは、過去にもこの大会で優勝していて、長野県縦断駅伝競走大会の上伊那チームの選手としても活躍しています。
西駒んボッカには、男女合わせて127人が参加し、126人がゴールしました。 -
大学生が砂防施設見学
砂防について関心のある大学生が、伊那市長谷の美和ダム内に令和2年度に完成したストックヤードを26日、見学しました。
日本大学、鹿児島大学の学生2人と信州大学の大学院生1人が参加しました。
天竜川上流河川事務所は学生が砂防事業について学ぶことができる「キャンプ砂防」を主催しています。
キャンプ最終日の26日は、美和ダムのストックヤードを見学しました。
三峰川総合開発工事事務所の職員がストックヤードの概要や仕組みを紹介しました。
この施設は、美和ダムの土砂を一時的にためておき、大雨時に水の勢いを利用して土砂バイパストンネルに流すもので、容量は約3万立方メートルです。
三峰川は多量の土砂を含んでいて、今後もダム機能を維持していくために令和2年度に作られました。
ストックヤードは、国内初めての施設だということです。
天竜川上流河川事務所では、「施設見学を通し、将来の職業選択に役立ててもらいたい」と話していました。
-
上伊那111人含む県内1,488人の新型コロナ感染確認
長野県内で4日新たに、上伊那地域の111人を含む1,488人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。
県、長野市、松本市の発表によりますと、感染が確認されたのは、伊那保健所管内は111人で、
伊那市で54人、箕輪町で9人、南箕輪村で5人、駒ヶ根市で18人、
辰野町・中川村でそれぞれ4人、飯島町で2人、宮田村で15人
松本保健所管内で154人、諏訪保健所管内で149人、長野保健所管内で130人、
佐久保健所管内で125人、飯田保健所管内で110人、上田保健所管内で103人、
北信保健所管内で45人、大町保健所管内で43人、木曽保健所管内で3人、
県外12人、長野市292人、松本市211人の合わせて1,488人です。
午後4時現在、県内で感染が確認されたのは18万1,087人で、入院は463人、死亡は303人です。
また、3日午後8時現在の確保病床使用率は55.9パーセントとなっています。
-
絵島を偲び法要 今年202回忌
江戸時代、絵島生島事件で江戸城から高遠に追放され生涯を終えた大奥の女中絵島を偲ぶ法要が、3日に、伊那市高遠町の蓮華寺で行われました。
今年で282回目となる法要には、伊那市観光協会の役員などおよそ10人が参加し、絵島の墓に花を手向けていました。
江戸時代中期、幕府内の政権争いにより起きた「絵島生島事件」で、大奥御年寄の絵島が高遠に、歌舞伎役者の生島が東京都の三宅島へ流されました。
法要は、絵島を偲び毎年行われています。
「絵島生島事件」が縁で、旧高遠町が昭和45年に三宅村と友好町村盟約を結び現在も交流が行われています。 -
中尾歌舞伎秋季公演 親子招待
伊那市長谷に伝わる農村歌舞伎「中尾歌舞伎」の秋季公演に向けての稽古が1日から始まりました。
今回の公演は、市内の親子先着150人が招待されます。
1日は、中尾歌舞伎保存会のメンバー8人が中尾座に集まり秋の公演に向けての稽古をスタートさせました。
秋の公演は、子どもたちに地域の伝統芸能を伝えようと伊那ロータリークラブの特別公演として行われます。
市内在住の小学生親子150人を招待します。
今回、上演する演目は「人情噺 文七元結」です。
博打好きの男長兵衛と、その娘で父の借金を返すために身売りするお久など江戸時代の町民の気質と人情が表現された作品です。
この演目は、披露するのは平成28年以来で、子どもたちにもわかりやすい作品になっているということです。
今回の演目を演じる10人のうち2人が、初舞台を踏みます。
昨夜は、台本の読み合わせが行われ、ベテランの役者が若手の役者にアドバイスを送っていました。
伊那ロータリークラブの特別公演は、11月3日の午後1時30分から中尾座で開かれます。
尚、歌舞伎の観劇を希望する小学生親子は、来月3日~17日まで長谷公民館で電話予約を受け付けます。 -
音楽制作活動に取り組む高校生 木下渉平さん
勉強の傍ら、音楽制作活動に取り組む伊那市の高校生を取材しました。
伊那北高校3年の木下渉平さん。
西箕輪の自宅には、ギターやドラム、シンセサイザーなどが置かれています。
中学生のころからバンドを組みライブ活動を行っていて、高校では軽音楽部に入りました。 -
原富男という生き方
原富男さん 69歳。
妻・弘美ひろみさんと二人三脚で便利屋を営んでいる。
私が原さんと出会ったのは、福島第1原発事故の被災地支援活動に同行取材させてもらった時。2015年。
南箕輪村に暮らしている便利屋さんが、そんな活動をしているとは・・・
さらにチェルノブイリ原発事故の被災者支援も30年にわたり続けていて、現地の名誉市民にもなっている。
原富男という生き方・・・原さんてどんな人なんだろう。
〈便利屋〉
便利屋ということで、さまざまな仕事が舞い込んでくる。
この日は、お墓のお掃除。遠くに住んでいる人がふるさとのお墓の掃除を毎年頼んでいる。
何件かそうした仕事を抱えていて、お盆が近づくと、にわかに忙しくなる。
この日は、落ち葉を片付け、墓に続く道もきれいにした。
アンテナの修理
40年来のお付き合いだという常連さんから依頼が来た。
妻の弘美さんは、高い所が苦手だそう。
原さんに呼ばれ屋根に登っていく。
滑りそうで、見ているこっちが心配になってしまう。
原さん、35歳の時に始めた便利屋は今年で34年になる。
<チェルノブイリ救援・中部>
名古屋市を拠点に活動しているNPO団体チェルノブイリ救援中部。原さんは、設立当初からのメンバーで、今は副理事長をつとめている。
チェルノブイリ救援中部は、チェルノブイリ、福島第1原発事故の被災者・被災地支援を行っている市民団体。
ロシアの軍事侵攻により救援基金も立ち上げ、チェルノブイリに限らず全般的な支援活動もはじめた。
<上京>
伊那市出身の原さん、骨髄炎を患いながら伊那小学校から伊那中へと進み、中学卒業と同時に16歳で上京。
最後は印刷会社で働いた。そこで、労働組合運動に携わる。
労働組合運動に没頭していた原さん33歳の時、世界を揺るがす大事件が起きる。
1986年、昭和61年4月26日、午前1時23分、旧ソビエト連邦、現在のウクライナのチェルノブイリ原子力発電所4号炉で、史上最悪の原発事故が起きた。現在のウクライナ、ベラルーシ、ロシアの他、ヨーロッパ全域に放射性物質が拡散した。
<帰郷>
労働組合運動で、心身ともに疲れ切った原さんは、伊那に帰ることを決意。35歳の時だった。
毎月親に仕送りしていたという原さん。そのお金に両親は手をつけず、貯金をしておいてくれた。
そのお金で南箕輪村南原に土地を購入。家がないため、電車の客車で生活していたという。
<古物商>
岐阜県中津川市に向かう。 定期的に開かれている骨董市。一般は入ることができない。
古物商の免許も持っている原さんは、市での購入、またその販売が可能だ。
便利屋の仕事は、冬の時期に少なくなるため、その穴埋めにとはじめた。
いかに安く買って、高く売るかがポイント。
ごみのようなものから値が張りそうな器まで入り混じった混沌とした世界。
目利きが試される場所だ。
競りが始まる前に一周して狙いを定める。
競りが始まった。次次と落札していく。原さん、弘美さんの目利き、大丈夫か?
それ、買うんだ?!
競りは、終了。デゴイチの貯金箱や鹿のつのの置物など 使ったお金は8,000円。車につみこみ、自宅に戻る。
これまでに競り落としたお宝が眠っている自宅近くの倉庫に。
8,000円分のお宝が増えた。
今回市では、買っただけで売らなかったが、タイミングを見て市に出品したり、ネツト販売するという。
こちらは、鉄道ファン垂涎のお宝だという。
<チェルノブイリ支援>
広島・長崎に落とされた原爆の数百倍の放射能が、ウクライナのみならずヨーロッパに降り積もったとされるチェルノブイリ原発事故。
現地からの情報は、3年後にようやく開示されはじめ、事故から4年後の1990年4月、
被災者への支援を通じて現地の自立を目指す市民団体『チェルノブイリ救援・中部』が発足。
とにかく何かしなければ、と集まったメンバーは80人を数え、原さんもその一人だった。原さん、当時37歳。
活動直後にウクライナのお母さん達から届いた手紙。
現地に住み続ける家族の病気や子どもの状況等が、生々しく書かれていた。
「夕方には、お客を呼んで、新しい家での生活に喜びもひとしおでした。新しい生活もみな夢のものになってしまったのです。
私たちには、娘「アヌーシカ」がいて今3年生で音楽学校にも通っています。
チェルノブイリ救援中部発足の翌年1991年の8月、原さんは、援助物資を持って現地を訪問する。38歳の時だった。
向かった先は、チェルノブイリ原発西側のウクライナジトーミル州。
超音波診断装置や放射線測定器、注射器など16品目を救援物資として届けた。
原さんは、当時のことを会報誌「ポレーシェ」にこのように投稿している。
「病院で重病の子どもに会った。話によれば後3カ月の命だということだ。
見舞いを終えて病室を出た時、僕はお見舞いをしたことを深く反省した。この子は、外国人である僕たちが見舞ったことによって
病気の深刻さと自分の運命を悟ってしまったに違いないからだ。」
チェルノブイリ原発事故から20年が経ち、新たなプロジェクトが動きはじめた。
ジトーミル州のナロジチ。原発から南西70キロにある。
全ての住民が移住すべきこのまちには、1万人を超える人が暮らし続けている。
その中でナタネを栽培し、セシウムを吸着させて土壌を浄化し、非汚染地域を拡大するというのが、「ナロジチ菜の花プロジェクト」だ。
放射能はナタネの植物体や種皮には蓄積するが、油には入ってこないため、しぼってバイオディーゼル燃料を精製し、
その搾りかすをメタン発酵、バイオガスを発生させエネルギーとして利用する。
原さんがプラント建設を手伝った伊那市西箕輪の小野寺さんの牧場。
小野寺ようこさん。大学で活性汚泥について学び牛舎脇にプラント建設を計画。
原さんのほかに信州大学農学部の学生たちが協力し完成させた。
ガスは、搾乳機の洗浄や自宅での調理に使われている。
この技術がウクライナで活かされることになる。
1991年からウクライナでの医療支援、粉ミルク支援、インフラ支援を続け、
バイオディーゼル燃料、バイオガス生産の実験は順調に進んでいった。しかしロシアのクリミア併合で現地は戦争状態へと突入してしまった。
<東日本大震災>
そんなおり、日本で大惨事が発生した。2011.3月11日に発生した東日本大震災。
福島第一原発事故が起きて、皮肉にもチェルノブイリの支援活動が地元日本で活かされることになるは誰も予想していなかった。
春が来てプラントは完成。バイオガスが無事発生した。
ウクライナの菜の花畑 バイオディーゼル燃料ができ、バイオガスプラントも完成。
その技術がフクシマに移植された。
<ロシアの軍事侵攻>
3.11から11年目の今年、また不測の事態が起こる。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻。
原さんは、ウクライナ国旗を作ることから始めた。
チェルノブイリ救援中部のトレードマーク「届け鳥」被災地に救援物資と心を運ぶ意味が込められている。
ウクライナ救援中部の創立メンバーのひとり、原さんも尊敬する分子生物学者の河田昌東さん「救援物資とともに心を届けているんです」
強制避難当時 8 歳だった、アヌーシカちゃんの写真がチェルノブイリ救援中部に届いた。
おととしお母さんになったという。
様々な病気と闘いながら母親になったことは、支援者たちにとって大きな喜びとなった。
原さんが自宅の庭にバイオガス施設を作りだしたのは、2020年。
古物商で鍛えた目利きで岐阜の造り酒屋から仕入れた醸造用タンクを発酵槽に活用する。
仕事に、支援活動に忙しい日々を送っているためなかなか次の段階に進めないというが、
気長に完成する日を楽しみに待ちたいと思う。
原富男さん、妻弘美さんと4匹のねこと暮らしている。
南箕輪村南原で便利屋を営んでいる。 -
雨の影響で飯田線運転見合わせ
長野地方気象台は1日午後2時32分、上伊那地域に大雨洪水警報を出しました。
この雨によりJR飯田線は駒ケ根駅から辰野駅間で運転を見合わせました。
午後2時30分頃に雨規制の影響でJR飯田線は駒ヶ根駅から辰野駅の区間で上下線とも運転を見合わせ、午後4時30分現在、再開の見込みはたっていません。
伊那市では午後2時51分までの1時間に43ミリの激しい雨が観測されました。
伊那市、箕輪町、南箕輪村によりますと、用水路があふれているとの情報が数件、寄せられましたが
午後4時半現在、人や家屋への被害の情報は入っていないということです。
上伊那地域に出されていた警報は、午後4時24分に解除されましたが、長野地方気象台では1日夜の始めころまで土砂災害に注意するよう呼びかけています。
-
横山バイクパーク ミニレース大会
伊那市横山の自転車専用コース、横山バイクパークで、ミニレース大会が27日に行われました。
この日は、市内外の6人が参加し、トーナメント方式でレースをしました。
レースでは、凹凸とカーブが左右対称に作られているコースを走りました。
レースの結果、伊那市在住の白井勇樹さんが優勝しました。
ミニレース大会は、今回が2回目で、毎月最終土曜日に開催されます。
大会は誰でも参加できるということで、次回は、9月24日(土)の予定です。
-
童話劇グループ「わとびら会」 伊那公演
東京都を中心に活動する童話劇グループ「わとびら会」の伊那公演が、伊那市西春近のArtistic Studio LaLaLa INAで27日に行われました。
県内にある夫婦道祖神をモチーフにしたオリジナルの童話劇が披露されました。
精霊となった女の子が森の守り神になるまでの物語を、語り、歌、踊り、人形で表現します。
2020年に結成した「わとびら会」は、関東を中心に活動していて、メンバーのひとりが長野県にゆかりがあることから、県内の夫婦道祖神にまつわる童話劇を手掛けています。
この物語のモチーフとなった夫婦道祖神は、高遠石工が作ったもので、今回初めて伊那市で公演することになりました。
わとびら会では「高遠石工のうまれ故郷で公演することができて嬉しい」と話していました。 -
今年のマツタケは?藤原さんに聞く
本格的なマツタケシーズンを前に伊那市の松茸博士 藤原儀兵衛さんに今年の出来について話を聞きました。
藤原さんが向かっているのは管理している松茸山です。
今年は8月8日からマツタケの収穫を始めたという事です。
この辺りは30日に10本程収穫し、31日は山に入り5分程で1本見つけました。
藤原さんは、今年の暑さにより、例年より地中の温度が高くなった事もあり、豊作に期待できると話します。
マツタケが育つには、今後の適度な雨と、気温が徐々に下がる事が必要だと言います。
藤原さんによりますとマツタケは9月10日頃から出始めるという事です。
-
中間教室 分室「伊宝館」9月1日開設
伊那市教育委員会は、不登校の小中学生が、週に一度、農業など様々な活動を行いながら学ぶ中間教室の分室「伊宝館」を9月1日から開設します。
狐島の旧教員住宅を改装した「伊宝館」です。建物の面積はおよそ70平方メートルで、3部屋あります。
市教委の教育支援コーディネーターで伊宝館担当の北澤喜宏さんです。
伊那市には、現在、不登校の児童生徒が通う中間教室があり、市内5か所で分室を開設しています。
伊宝館は6か所目で、野菜づくりなどを通して自立の後押しをするとしています。
また近くのアファス伊那で体力づくりも行えるという事です。
昨年度、伊那市内で中間教室や分室を利用した児童生徒は、49人だという事です。
-
高遠高校の生徒が若者向け松葉炭酸水開発へ
伊那市高遠町の高遠高校文理進学コースの2年生は、アカマツの葉を使った若者向けの「松葉炭酸水」の開発に取り組みます。
30日は、「地域の科学」の授業を選択している生徒たちが、藤沢里山再生協議会が販売している松葉炭酸水を試飲しました。
この松葉炭酸水は、藤沢のアカマツの葉の粉を使って飲料にしたもので、今年1月から販売しています。
30日は藤沢里山再生協議会の巣山真由美さんから、地域のアカマツを活用するためにこの飲料を作ったことなどについて話を聞きました。
高校生たちは、若者向けの松葉炭酸水の開発に取り組む第一歩として今日試飲を行いました。
藤沢里山再生協議会が販売している飲料に甘味はなく健康志向の人に好評だということですが、生徒は若者が親しみやすい味の高遠高校バージョンを開発します。
今後は甘味料の種類や量、松葉との割合を検討していくということです。
高遠高校バージョンの松葉炭酸水は今年度中の商品化を目指します。
-
伊那商工会議所建設部会 鹿嶺高原展望テラス備品購入に寄付
伊那商工会議所建設部会は、伊那市長谷の鹿嶺高原に整備された木製テラスの備品購入に充ててもらおうと伊那市に200万円を29日寄付しました。
29日は、完成を記念したセレモニーが開かれ、伊那商工会議所建設部会の池田幸平部会長が伊那市の伊藤徹副市長に目録を手渡しました。
伊那商工会議所では、南アルプス観光魅力創出特別委員会を設置し、鹿嶺高原をより親しまれる場所にしてほしいと、伊那市にテラスの設置を要望してきました。
テラスは8月上旬に完成したもので、面積は200平方メートルです。
唐木和世会頭は「皆さんの協力で伊那谷を盛り上げ、楽しい場所にしていきたい」と話していました。
伊藤副市長は「さらに魅力的な場所になるよう頂いた寄付で備品などを用意していきたい」と感謝していました。
-
伊那北高校軽音部「polyflow」が全国大会で準グランプリに
伊那北高校の軽音部の3年生4人は、28日に東京都で開かれた「全国高等学校軽音楽コンテスト」で準優勝にあたる準グランプリに選ばれました。
29日は、ボーカルの木下渉平さん、ギターの穂刈太陽さん、シンセサイザーの小林花菜さん、ドラムの下平真人さんの4人が埋橋浩校長に大会の結果を報告しました。
4人組バンド「polyflow」は、地区大会・県大会を勝ち上がり、28日に東京都で開かれた全国大会に出場しました。
他のバンドが青春をテーマにした曲などを演奏する中、4人が披露した曲「フルメタルジャケット」は、ボーカルの木下さんが今年の4月に突然じんましんに襲われ、3日間に渡り苦しい思いをした時の心情を曲にしたものです。
審査員からは、「技術とクオリティーの高さに加え、オリジナリティに溢れていてすばらしい演奏だった」と評価されたということです。
大会には、全国から29団体が出場し、オリジナルやコピー曲を演奏しました。
4人は、1年生の時にバンドを組み、学校と市内のライブハウス「グラムハウス」で週1回の練習を重ねてきました。
今後、バンド活動はいったん休止し勉強に専念するということで、「3月の卒業の時期にもう1度演奏ができたらうれしいです」と話していました。 -
農村インポッシブルin伊那
伊那市の農林資源を活用した地域活性化のアイデアを生み出すイベント「農村インポッシブルin伊那」のプレゼンテーションが28日に行われました。
参加した県内外の17人が、4グループに分かれて、地域活性化のアイデアを考えました。
27日と28日の2日間にわたり各チームが市内の飲食店や企業を視察し、その中で生まれたイベント企画などのアイデアをまとめ、プレゼンテーションを行いました。
あるチームは、天然素材を発酵させた際の発酵熱を利用したフットサウナを設置し、無農薬自然栽培で育てた米のもみ殻を敷き詰めて海のない伊那市にビーチを造るアイデアを提案していました。
「農村インポッシブルin伊那」は伊那市と東京都の一般社団法人INSPIREとの共催で、地域活性化のアイデアを考えようと開かれました。
-
第22回邦楽子どものつどい
伊那三曲協会による「邦楽子どものつどい」が伊那市のニシザワいなっせホールで21日に開かれ、日頃の練習の成果を発表しました。
上伊那で箏などを習っている小学4年生から高校2年生までの6人と卒業生4人の合わせて10人が8曲を披露しました。
「邦楽子どものつどい」は毎年伊那三曲協会がこの時期に開いているもので、今回で22回目を迎えました。
伊那三曲協会では「聴きに来た人の心に響く演奏をしてほしい」と話していました。