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自然に触れ歴史を学ぶ
千葉県香取郡多古町の小学生20人が17日から3泊4日の日程で、高遠町に訪れている。多古町教育委員会主催の夏休みを利用したツアーで、希望する児童が参加。6泊7日で、多古町と縁のある高遠町と静岡県を周り、自然体験などを通して協調性や自主性などを養う。
多古町との縁は、豊臣秀吉が小田原攻めで北条氏を降伏させ、天下を統一した際、1590(天正18)年、徳川家康を関東八州の領主に任命。家康の家臣だった高遠藩主・保科正之の祖父にあたる正直が下総多胡1万石を賜り、およそ11年間従事していたことが始まり。
3日目の19日は、東高遠の樹林寺(川上宥円住職)を訪問し、本堂に安置される夕顔観音像を拝観した。
夕顔観音は、平安時代に多胡付近にある寺が火災で全焼したときに、農民が夢想によって、実際に夕顔の中から取り出したとされる。正直の長子である正光が夕顔観音を深く信仰し、下総多胡から高遠に移り、樹林寺を建て、夕顔観音を写し作って、勧請し安置したと言われている。
川上住職が高遠と多古との縁や夕顔観音の沿革を説明。児童たちは真剣に耳を傾け、両町の歴史のつながりに理解を深めた。
一行は国立信州高遠少年自然の家を拠点に、期間中、森屋山登山や町内の自然探索などを体験。20日に町内を散策して、静岡県に向う予定。 -
「新伊那市」誕生周知へ
高遠町は、伊那市、長谷村との合併が、総務大臣から12日付で官報告示されたことを受け、「平成18年3月31日 新『伊那市』誕生」などと記したPR用の看板2枚を町役場入口ロビーに設置した。
看板は、伊那まつりの市民おどり(6日)に参加した際、連で引いたリアカーの両サイドに付けていたものを使用。祭り後の有効活用を考え、「(官報に告示されたことで)町民に改めて合併を認識してもらおう」と、来庁したときに目に付く場所として、総合受付前の天井につり下げた。
町は「早めに合併をアピールしていくことは大事。今後も、できることは町独自でもPRしていきたい」としている。 -
地域住民の生活道路拡幅早期完成へ起工
高遠町上山田の押出地区から小原地区に抜ける、町道押出小原線の拡幅工事のうち、国の地方道路交付金事業で進める、芝平入口交差点から下山田の清水坂交差点までの800メートル間の起工式が18日、現地であった。伊東義人町長をはじめ、関係者ら約30人が出席し、工事の安全を祈願した。
全幅は2・5メートルの片側歩道を含む9・25メートルにする予定で、07年度の完成を目指す。総事業費は3億円で、国から55%の補助を受ける。
伊東町長はあいさつで「地域住民の生活道路として、目的を達成できるよう一日でも早く、無事故で完成させたい」と述べた。
また、00年に着手し、昨年12月に終了した押出地区の県道西伊那線交差点から金井地区西側交差点までの780メートル間のしゅん工式が同日、上山田公民館であった。
幅員の狭さから、大型車のすれ違いに困難が生じていたことを受け、町単独の過疎対策事業として、片側1車線で、全幅7メートル、車道幅は5・5メートルに拡幅。総事業費4億4600万円。 -
人間社会の愚かさなど表現
高遠町の信州高遠美術館で28日まで、国画会会員の柴田久慶さん(60)=駒ケ根市赤穂=によるギャラリー展が開かれている。
近作の「MAN 振れる人間」は、十字型で、逆さづりのようになった男が、振り子のように振れている姿を描き、「天から地へ落ちていくような感じで、戦争が絶えない世の中である人間社会の愚かさ」を表現している。
正面と側面を向いて立つ男4人を描いた「MAN」は、「融合できない人間関係」を表し、「相手がいて自分がいることを伝えたかった」。ほかにも、油彩やアクリル画全13点を並べる。
伊那市手良出身。信州美術会、伊那美術協会の会員でもある柴田さんは「まだ未熟の身。批評してもらい、勉強していきたい」とし、「作品の意図が少しでも伝われば」と来場を呼びかけている。
午前9時から午後5時まで。入館料は一般500円、小中学生150円。問い合わせは、信州高遠美術館(TEL94・3666)へ。 -
高遠さくらホテル花火大会
今年で10年目となる高遠町勝間の高遠さくらホテルの夏の花火大会が15、16日、隣接する高遠湖の湖半であった。
宿泊客に楽しんでもらうことを目的として始まった花火大会は、8月と2月に開かれ、地元住民も多数見物に訪れる。8月は盆に合わせて、関東方面などからの予約も増え、15日までは満室だったという。中には、花火大会に合わせて宿泊する人もいる。
例年通り、子どもの誕生を祝う花火から打ち上げが始まり、スターマインや湖上を横断するものなど、さまざまな花火が打ち上げられた。水面に花が咲いたように見える水上花火が上がると、多くの見物客から歓声があがった。
花火は2日間で240発打ち上げられ、夏の夜空を鮮やかに彩った。 -
高遠町四日市場、最後盆踊り大会
地元の人も帰省する人も一緒に、楽しみながら先祖を送ろう窶狽ニ15日、今年で最後となる高遠町の四日市場の盆踊り大会があり、惜しまれつつ20年の歴史の幕を閉じた。
四日市場は全25世帯の小さな集落だが、毎年の大会には、近隣地区や帰省者も多数参加し、にぎわいを見せてきた。しかし、高齢化に伴い年々参加者が減少し、実行委員も高年となるなど、大会維持が困難となり、20回の節目となる今年、休会を決めた。
華々しく終わりたい窶狽ニの声にこたえ、しばらく打ち上げていなかった花火も復活した。好評の無料屋台は、今年も大にぎわい。イノシシ肉の煮物やいもの煮っころがし、マツタケ入りのおむすびなど、地元の人の手作り郷土料理も並び、参加者を喜ばせていた。
大人も子どもも、1つの円となって踊り、大会の最後を惜しんでいた。 -
ちびっこ広場で高校生ボランティア
保育園などに通う前の幼児を遊ばせたり、母親同士が交流できる伊那市の生涯学習センターのちびっこ広場で11日、夏休み中の高校生が、子どもと遊んだり紙芝居の読み聞かせをした。
週に3回ほど広場の管理をしている子育て支援グループ「子どもネットいな」が、夏休みに合わせ「幼児とあまり接する機会のない高校生にも、子どもと触れ合ってもらおう」と、高校生ボランティアを募集。35人の応募があった。
この日は、高遠高校福祉コースの1年生、池上エリカさん(16)と矢野成美さん(15)が参加。同校は、就業体験の一環として介護施設や保育園での現場実習をしており、生徒も積極的に臨んでいるという。
最初はぎこちなかった高校生も、楽しみながら紙芝居の読み聞かせをするなどして、徐々に打ち解け、笑顔で子どもと触れ合っていた。 -
高遠高校創立80周年で記念CD製作へ
高遠町の高遠高校(清水國利校長)は今年で創立80周年を迎え、10月下旬に予定している記念式典に向けて、記念CDの製作に取り組んでいる。合唱部や吹奏学部、音楽コースの生徒約40人が12日、伊那市駅前ビル「いなっせ」ホールで校歌などを収録した。
同校同窓会、振興会などでつくる式典実行委員会が、音楽コースを取り入れる特色を生かし、手作りのCD製作を考案。約700枚を作って、式典で生徒や出席者らに配る。
収録するのは、応援歌「アルプスおろし」、逍遥歌「朝に仰ぐ」のほか、校歌をピアノ伴奏で斉唱、吹奏楽部伴奏で斉唱、ピアノのみの演奏の3パターンで録音。
2週間集中的に練習した生徒たちは「自分たちの演奏がCDになって、いろんな人に聞いてもらえるなんてうれしい」と張り切って取り組んでいた。 -
三峰川を知るためのサイクリング・ツアー
サイクリングをしながら暮らしを支える三峰川を知ろう窶狽ニ12日、三峰川みらい会議は「三峰川サイクリングツアー」を開いた。
アレチウリ駆除や自然学校など、三峰川に関する活動に取り組んできた同グループだが「原点に戻り水について学ぼう」と、流域住民や夏休み中の小学生などを対象に、ツアーを企画。約20人が集まった。
コースは伊那市役所からスタートし、三峰川沿いを上流、高遠方面に向かって進むもの。途中、流入河川の水質検査も行った。
pHや透明度などの調査には、子どもたちも挑戦。意外にも上流の方が透明度が低い結果となったのは、前日に降った雨の影響だという。
今回は雨のため、予定の半分しか回れなかったが、普段あまり見る機会がない三峰川に触れた子どもたちは、その面白さを再発見したようだった。
三峰川みらい会議は、来年も8月初旬に同ツアーをしたいとしている。 -
人口定住対策・小原の集合型町営住宅起工
高遠町が小原地区に建設する、集合型町営住宅ハイツ小原南F棟の起工式が11日あり、関係者約20人が出席して、工事の安全を祈願した。
集合型は人口定住対策の一環として、95年から99年にかけて、瀬戸にA、B棟を、小原南にC、D、E棟を建設。6棟目となるF棟は、プライバシーの確保や日当たりの良さを考慮し、C棟北側に隣接して建てる。
来年1月末に完成を予定し、12月初旬から入居者を募集する。
伊東義人町長あいさつで「入居者も目的に合うよう、若者に入ってもらい、さらに町の活性化にもつながれば」と期待した。
F棟は、鉄筋コンクリートの三階建て。延床面積は約600平方メートル。2LDKで9世帯。建設費は1億円余。 -
水しぶき・歓声大きく 海洋スポーツ満喫
高遠町の高遠湖にある「B&G海洋センター」が11日、無料開放された。12日までの2日間のみで、カヌーやヨットなどの海洋スポーツを多くの人に親しんでもらおうと計画。お盆間近だけに毎年、帰省客らでにぎわいをみせている。
通常は予約制で、1時間ごとに料金設定がされているが、この機会には好きなときに、好きな分だけ楽しむことができる。インストラクターの指導で、カヌーやミニヨット、手こぎボートも体験できるとあって人気だ。
千葉県から実家の伊那市に帰省してきたという、青嶋こずえさん(45)ひかるさん(12)親子は、約1時間にわたってカヌーなどを体験。「臨場感あふれて、おもしろい」と楽しんでいた。 -
きょう 官報告示
11日に開かれた伊那市・高遠町・長谷村合併協議会で、小坂市長は12日付で総務大臣から官報告示されると報告した。法的事項が終了し、合併(06年3月31日)の効力が発生する。
小坂市長は「1年かかって協議し、ようやくたどり着いた」と関係者の協力に感謝。
伊東町長は「きめ細かな住民説明を開いて理解を得ていきたい」、宮下村長は「地域自治区のあり方についてどう歩んでいくのか懇談したい」とそれぞれ述べた。 -
伊那市・高遠町・長谷村合併協(14)
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会の第14回会議が11日、市役所で開かれた。▽特別職の身分の取り扱い▽事務組織および機構の取り扱い窶狽ケ承。新市章は11月ごろから募集したいと報告した。
特別職の身分の取り扱いは、特別職報酬等審議会を設置し、合併までに調整。理事者、地域自治区長(総合支所長)、消防団員、各種審議会委員などの報酬額を審議する。
委員はまちづくり委員会、区長会、女性団体など各市町村長が推薦した6人と、経営者協会上伊那支部、金融団など4人で構成。
9月ごろに諮問し、11月に答申予定。
事務組織および機構の取り扱いは、本庁に総務、市民生活、保健福祉、産業振興、建設、水道の6部を設置。高遠町、長谷村に置く総合支所は、本庁の組織と整合性を持ち、これまでのサービスを維持する体制を確保する。
部・課の肥大化について「最小限必要で、効率的な課を考えた。都市計画課は建設課で対応できる」とした。
市章は11月初旬から1カ月ほど募集し、候補選定委員会で5点に絞る。合併後、新市長・市議会議員が決まったあと、選定委員会を設けて決定する。
委員は正副会長・幹事会に一任した。
次回(11月)の合併協では、特別職報酬等審議会の答申のほか、仕事の流れを示した機構図が提示される。 -
自然の中で自主性磨く
高遠町のNPO法人「自然学校ふる里あったかとお」は城址公園内の高遠閣を拠点に、7月31日から13日まで13泊14日の日程で、「子ども長期自然体験村」をしている。自然の中での生活体験や共同生活を通して、感性や自主性をはぐくむ。
6年目で、県内をはじめ、東京都や埼玉県、愛知県などから21人の小中学生が参加した。大学生らのボランティアスタッフも入れ替わりで20人余ほどが携わっている。
野外炊飯や自然探索、運動会をしたり、竹馬や弓矢などの竹細工にも挑戦。そば打ちやカヌー、民泊を体験するなど、地元との交流も楽しんでいる。
9日は、長崎に原爆が投下された日。スタッフが「ここで楽しく過ごせている幸せをかみ締め、戦争のない平和な世の中を築きあげていってほしい」と子どもたちに訴え、黙とうを捧げた。
昼食はスタッフが流しそうめんを計画。経験したことがないという子どもがほとんどで、「いつもと一味違っておいしい」と喜び、空腹を満たした。
スタッフの村田喜直さん(24)は「実体験をすることで、達成感や悔しさを感じ、最初に比べて、考え方や行動に少しずつ変化がありますよ」と子どもたちの成長に目を細めていた。 -
用水路で発見バイクの92歳死亡
8日午後7時16分ころ、高遠町長藤弥勒の諏訪神社前の用水路で、近くに住む無職の北原武雄さん(92)が原付バイクと一緒に転落しているのを、北原さんの帰宅が遅いことを心配した家族が発見。救急車で伊那市内の病院に収容したが午後8時44分、死亡が確認された。
用水路の横には幅2・5メートルほどの町道があり、辺りに街灯はない。道路と水路との最大落差は約2メートルほどで、水深は約20窶・0センチ。
伊那署管内の交通死亡事故は今年で2件目。高遠町では1425日ぶりとなった。
8月8日現在の交通事故373件(前年同期日7件減)のうち、高齢者が関わる交通事故は100件(同14件増)と全体から見ても多く、バイク事故も多発している。 -
県内外の子どもたち自然と暮らす9日間
高遠町の国立信州高遠少年自然の家(高岡道久所長)で、4日から12日まで8泊9日の日程で「長期野外生活体験」があり、県内をはじめ関東、東海地方などの40人余の子どもたちが、テントを設営して、自炊生活を送っている。
自然探索や料理、伝承遊びなどの体験を通して、道徳心や生きる力を養う。小学5年生から高校生までが対象で、年齢の枠を越えた人間関係も築く。
五平もち、おやき、そば作りなどで食文化を学び、竹細工、木工、自然観察などのプログラムを体験。植物探索では、アカツメ草やヨモギ、ヤマブドウ、アザミの葉などを採集し、講師による指導で、資料を見ながら食用とそうでないものに識別。食べられる野草は天ぷらにして味わった。
活発に取り組んでいた飯村諒君(13)=山梨県=は「自炊生活がおもしろい。失敗も経験したが、自分自身を磨けるから参加してよかった。テレビを見ているより、ずっと楽しい生活」と話していた。 -
浴衣姿で踊って…歓声
高遠町の第一、第二保育園で5日夜、恒例の夏祭りがあり、園児や家族らが踊りやイベントなどを楽しんだ。
第一(山岸加代子園長)は、浴衣やジンベエなどかわいらしく着替えた園児が、リズムダンスや盆踊りを園庭で元気良く踊った。保護者が我が子の晴れ姿をビデオカメラなどに収め、にぎやかに祭りが始まった。
園内に設けた、お化け屋敷や輪投げコーナーは開始早々、長蛇の列ができる人気。お化け屋敷は、保護者が武士やスターウォーズのダースベーダーにふんして脅し、次々と悲鳴があがった。
園児が製作したちょうちんを飾った園庭では、フランクフルトやじゃがバター、豚汁などの出店も並び、家族でゴザを敷いて、真夏の優雅なひとときを過ごしていた。
職員や保護者のほか、高遠高校の生徒7人がボランティアとして祭りを支えた。6日には、第4保育園でも開かれる。 -
第3回伊那市・高遠町・長谷村社会福祉協議会合併協議会
伊那市・高遠町・長谷村の社会福祉協議会合併協議会の3回目が3日、高遠町総合福祉センター「やますそ」であった。
前回検討した合併方式や時期などを決め、議論となった事務所所在地の明記方法は、本所所在地(伊那市福祉まちづくりセンター)の後に、高遠町、長谷村にある現在の事務所に支所を置くとした案が再提案された。
また、事前協議事項として役員や評議員の定数を提案。各役員の選出区分は、10月ころを目途に協議を進める。 -
町青年研修所取り壊しへ
高遠町は、老朽化で危険を伴うとして、東高遠にある信州高遠美術館に隣接する町青年研修所(木造2階建てトタン葺き)を本年度中にも取り壊す。
1964(昭和39)年に設置以来、学生村などの宿泊施設として使用。近年は、高遠太鼓の練習道場としてのみ利用されていた。しかし、03年3月に旧郷土館を改装し、地域間交流施設が開館したことで、太鼓練習の場が移り、研修所は観桜期に、ごみ集積所として使用するだけとなっていた。
高遠城址が国史跡に指定されたことで、景観を尊重するため、史跡とはかかわりのない建造物は撤去するという方針を示した「史跡高遠城跡保存管理計画」に基づき、利用されていない研修所を、国庫補助事業の史跡保存修理事業で撤去する。
撤去後は整地し、史跡景観を維持していく方針。観桜期のごみ集積所は一定期間、必要の場合のみ仮設建物を設け、臨時集積所とする予定だ。
工事費は約270万円。9月の議会定例会で議決した後、工事に取り掛かる。 -
合併、観光、福祉充実…率直に質問
高遠町の高遠中学校3年生を対象とした恒例の「子供議会」が4日、町役場議場であり、生徒が一般質問に挑んだ。伊那市、長谷村との合併問題や観光などについて、率直な疑問や要望が飛び出した。
代表10人が議員となり、約40人が傍聴。地方自治法に基づき、臨時議長の指名によって、大石早織さんを議長に選出して、一般質問を繰り広げた。
合併後、従来のようなサービスを役場で受けられないのかとの問いに、伊東義人町長は「総合支所としてこれまで通り日常生活に必要なサービスは受けられる。不便になったと言われない合併を目指している」とし、「みなさんにも積極的にまちづくりに参加してほしい」と呼びかけた。
ほかに、少子高齢化に伴う福祉施設の充実や、観光客増加に向けての町の取り組み、子どもの居場所づくり窶狽ネどを求める声も上がり、「新たな施設をつくる際は、子どもの意見を聞く機会を必ずつくってほしい」と、町政とのかかわりに意欲をみせる生徒もいた。
伊東町長はあいさつで、「出た質問を今後の町政に反映したい。こういった機会は社会生活で自分のためになる。政治や行政を勉強し、将来の国や町を担っていってもらいたい」と期待した。
来年度の合併を控えていることで、「子供議会」は今回で最後となった。 -
アマランサスの研修会
アマランサスを知ってもらうと共に、商品化を模索しよう窶狽ニ、高遠花摘み倶楽部(赤羽久人理事長)は2日、高遠町総合福祉センターやますそで、会員や一般を対象としたアマランサスの研修会を開いた。
研修は2回目。高遠町藤沢水上地区の遊休農地(約1・5ヘクタール)で同倶楽部が栽培を進めるアマランサスは、種、葉、共に栄養効果があり、美しい花も楽しめるが、その実態はあまり知られていない。今後、1・5ヘクタールという広大な土地で栽培を進めるためには地域住民の協力が不可欠で、地域的特性を生かした商品開発を進めるためにも、アマランサスをもっとよく知ってもらう必要があると考え、研修会を開いている。
研修には約20人が参加。栽培指導の協力者、信州大学の根本和洋助手が、アマランサスの機能性や食品特性について講義した。根元助手によると、高ミネラル、高タンパク質でコレステロール低下作用もあるアマランサスは、乳幼児や高齢者の栄養補給や、アレルギーの代替食品にもなる。 -
東京芸大副学長迎えて子どもアートスクール
東京芸術大学副学長の宮田亮平さんと学生を講師に迎えた、子どもアートスクール(信州高遠美術館主催)が30、31日、町立歴史博物館横の地域間交流施設であった。同大学の前身、東京音楽学校の初代学長である伊沢修二が町出身だったことを縁に交流が続き、初企画のアートスクールが実現した。
宮田さんは「うまく描かなければいけないという概念を捨て、自分の好きな色を使って自由に描く心が大切」とし、子どもたちは横1メートル、縦5メートルの大きな和紙に、思い思いの作品を描いた。
児童たちは「おもしろい」と言いがら次第に、スポンジや刷毛を使ったり、自分の手形や足形をつけるなどして、独自の芸術性で作品を仕上げた。製作した作品は後日、同美術館に展示する予定だ。 -
女子ゴルファー諸見里しのぶさん・プロ合格のお礼で高遠の弘妙寺を参拝
7月下旬にあった日本女子プロゴルフ協会のプロテストに合格した、諸見里しのぶさん(19)=沖縄県名護市出身=が3日、高遠町荊口の弘妙寺(田中勲雄住職)に参拝に訪れ、今後の飛躍を祈願した。
女子ゴルフ界で、宮里藍、横峯さくら両選手とともに注目を集める人気選手。アマチュア選手権(6月25日、北海道)で優勝を飾り、その後のプロテストで見事合格を果たした。
弘妙寺は標高1020メートル、市街地から約10キロ離れた場所にあることで、アスリートの理想である「高く遠く」の寺とされ、スポーツ選手が参拝に訪れている。諸見里選手の指導者・江連忠プロのマネージメントを務める大羽賢二さんが長谷村出身であったことを縁に、アマ選手権、プロテストを控えた6月中旬には、必勝祈願として江連プロの両親が代理で同寺を参拝。結果を出せたお礼として、今回江連プロとともに初めて訪れた。
弘妙寺は「気」の寺ともされることから、愛用のクラブに気を入れ、今後の飛躍を祈願。記念に紅葉を植樹した。
プロのデビュー戦は、9月の日本女子オープンを予定。米女子ツアーも視野に入れる諸見里選手は「世界の舞台に立てるよう、一戦一戦頑張っていきたい」と今後のプロ生活に意欲をみせていた。 -
入笠牧場を体験しよう
普段あまりなじみのない畜産を身近に感じてもらおう窶狽ニ3日、高遠町の入笠牧場で、放牧中の牛を観察したり触れたりする体験イベントが、入笠牧場であった。
県の主催。小学校高学年の児童を対象に諏訪地区、上伊那地区合同で3回目。今年は約20人が参加。子どもたちは牛の衛生検査を見学し、そのようすを写生した。
上伊那農業高校の生徒たちによる青空教室もあった。上農の生徒は、牛の食性や肉用牛と乳用牛の違いなどを分かりやすく説明。「牛は人間が消化できない麦やワラを消化して、ミルクや肉など、人間が食べられるものに変えてくれる。そのため、人間と牛は案外古くからつながりがある」と話し、子どもたちは真剣に聞いた。
初めて牛に触れるという子どももいて「温かい」と、実感していた。 -
県河川協会が高遠町高砂河川愛護会を表彰
高遠町を流れる藤沢川の美化に長年努めてきた高遠町西高遠高砂町のグループ「高砂河川愛護会」が、県河川協会から表彰された。阪下哲彦町内会長(74)は「高齢者世帯が多い町だが、今後も一生懸命がんばっていきたい」と受賞の喜びを語った。
今回、県下で表彰されたのは1個人4団体。高砂河川愛護会は長年の経歴と年2回の河川美化活動が評価された。高遠町の団体が河川活動で表彰されるのは今回が初めて。
川の水が生活水の一端を担っていた高砂町は、戦前から生活習慣の一部として町内河川の美化に努めてきた。戦中、一時活動を中断したこともあったが、戦後再開。ごみ拾いが中心だった活動も時代と共に変化し、近年は、大水の減少に伴い繁殖が著しい河川の草刈りが活動の主体になっている。
草が成長する6月と盆前の8月には「帰郷する人に故郷の川を楽しんでほしい」と町内全16戸が河川清掃や草刈りに取り組んでいる。 -
新宿区の親子70人がキャンプ
高遠町と友好交流を深める東京都新宿区の親子が7月26日から1日までの間、3グループに分かれて、総勢70人が2泊3日の交流キャンプに訪れた。国立信州高遠少年自然の家を拠点に、自然散策やそば打ち体験、野外炊飯などをして、夏休みの楽しいひとときを過ごした。
2日目のそば打ちは、昨秋までに「都市地方連携推進事業」の補助を受けて改修した交流拠点施設「高遠閣」で同事業の一環として開いた。
芝平そばの会と町JCB町屋の会員から指導を受けて挑戦。粉を力強く練ると、親の手を借りて、一生懸命生地を伸ばした。切った麺は太過ぎたり細過ぎたりだったが、焼き味噌と辛み大根の辛つゆで、手打ちの味を満喫していた。
参加者たちは、ポレポレの丘や町内も散策して、都会では触れることのできない自然を堪能した。 -
秋葉街道を駆け抜ける
高遠町から下伊那郡南信濃村まで、日本最大の断層である中央構造線上に位置する秋葉街道約91キロを2日間かけて走破する「第15回中央構造線サイクリング大会」が30日、高遠町の高遠城址公園駐車場を出発点に開幕した。
5歳から79歳までの幅広い年齢層に加え、福岡県などの遠方を含め、県内外から両日で総勢230人余が出場。1日のみの参加も可能で、初日は約200人が力強くペダルをこいだ。
開会式のあいさつで伊東義人町長は「各地域の文化や歴史を味わってもらい、良い思いでになるように頑張ってほしい」と激励。街道沿線町村の今後の発展を願い、各町村代表がメッセージを携えて走る飛脚も同時にスタートした。
コースは文杭峠(標高1424メートル)と地蔵峠(1314メートル)を通過し、中央アルプスと南アルプスの山並みを楽しむことができる。初日は下伊那郡大鹿村、2日目は南信濃村までを駆け抜ける。
6歳と10歳の子どもと妻の家族4人で参加した浮洲和典さんは「家族で走るのは初めてで、楽しみ。1日のみだが、完走を目標に頑張りたい」と話していた。 -
ポレポレの丘にサルビアなど定植
高遠花摘み倶楽部(赤羽久人理事長)は30日、管理・運営する東高遠のポレポレの丘で夏から秋に見ごろを迎えるサルビアなどを定植した。会員やボランティア約15人が参加し、作業に汗を流した。
通年観光を視野に、年間で四季折々の花を楽しめる花園を目指す同倶楽部は、春から夏までの花が咲き終わったことで、新たにサルビア7色約1万500株、デルフィニウム5種1万株を2日間かけて植える。
園内6カ所での植え替え作業で、このうち1カ所は、赤、黄、緑など7色のサルビアで虹を描く予定だ。8月下旬に見ごろを迎える。
また、町の国道152号杖突街道沿いの遊休農地で観光花園づくりを進めている同倶楽部は、藤沢水上地区の第2定植地に植えたアマランサスについての研修会を8月2日に町総合福祉センターで開く。信州大学の根本和洋助手を迎え、栄養成分が豊富な種を使用した食品の開発を目指す -
アレチウリ駆除全県統一行動
天竜川・三峰川に約500人在来種の存続や本来の景観を荒らす侵略的外来植物アレチウリを根絶しようと31日、天竜川・三峰川に総勢約500人が出て駆除作業を行った。県の統一行動日にも指定されており、上伊那の取り組みを中心に県内各地で同様の取組が行われた。
三峰川みらい会議が主催する三峰川と伊那市内の天竜川の駆除作戦には約300人が参加。一般市民・伊那青年会議所・自治体職員・県職員・国土交通省職員・JA上伊那職員などが午前8時半に高遠町の三峰川河川敷に集合、開会式で注意事項などを確認した後、長谷村・高遠町・伊那市の繁茂箇所に分散して駆除作業に汗を流した。区民に参加を呼びかけた伊那市荒井区、署長を先頭に参加した伊那消防署員などの姿もあった。
三峰川みらい会議の織井秀夫代表は「駆除作戦は7回目を数えるが今日は歴史的な日。三峰川・天竜川から始まったアレチウリ駆除の作戦は県内統一行動にまで発展した。伊那市は6月19日を統一行動デーにして若芽のうちに駆除をした。その効果を踏まえてさらに和を広げよう」とあいさつした。
一方、天竜川ゆめ会議(福澤浩代表)が主催した天竜川本線の、岡谷・辰野・駒ヶ根・高森・飯田の5会場にも04年の2倍にあたる合計200人が参加。侵略的外来植物駆除の意識の高まりをうかがわせた。
伊那市内の天竜川でアレチウリの駆除作業を行う参加者たち -
俳人・井上井月の絶筆を公開
高遠町公民館河南分館の河南学級で27日夜、漂泊の俳人・井上井月(1822窶・7年)の絶筆の句が公開された。京都府から出向いた人もいたほどで、参加者約50人が食い入るように見つめた。
句は「何処(どこ)やらに 鶴の声聞く 霞かな」。井月の自筆で、所有者から特別に借りた。生前から書き残されている句だが、臨終を前に、床に付き添っていた俳人・六波羅霞松(かしょう・1845窶・934)が筆をとらせて書かせたとされる。霞松の添え書きには「病床にうかがった際、酒を進めたが、杯1、2杯を飲み、俳句を書いてくれと頼んだら書けないと答えた。筆を取らせて書かせたが、その夜、相果てた。真情にあい、さすが俳句の達人」という内容が記される。
講師を務めた信州井月会代表の春日愚良子さん=伊那市美篶=は「井月の句と、添え書きが一対になっているから句が引き立つ。字配り、筆勢はさすが。伊那谷の宝として貴重なもの」と解説。伊那谷での2人の生活、井月の日記なども紹介し、足跡をたどった。
河南学級は地域を知るをテーマに、陶芸教室や野外研修など年6回を計画している。