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高遠小新年の会でマリンバ演奏楽しむ
伊那市の高遠小学校は9日、3学期の始業式に合わせて恒例の「新年の会」を開き、マリンバの演奏を楽しんだ。
同校は毎年、さまざまな奏者を招いて音楽に浸り、気持ちを新たに新年をスタートさせている。今年は市内出身のマリンバ奏者、伊藤聡さんら3人を招待した。
曲目は「ハンガリア舞曲」「雨の踊り」「賛美歌」など、軽快なリズムの曲から心和ます曲まで全5曲。児童たちはマリンバの音色に聞き入り、音楽に親しんでいた。
始業式では、代表の児童たちが意見発表。卒業を控える6年の女子児童は「学習面、生活面で小学校のまとめをしたい。中学校の入学を前に不安や心配が多いが、残りの学校生活の1日1日を大切に過ごして、自信や希望に変えたい」と決意を語った。
白鳥彰政校長は「願いや目標を持つことが大事であり、それを実現するようにやり遂げる一年にしてほしい」と呼びかけた。 -
中山湖スケート場今季営業中止・完全閉鎖も
伊那市高遠町藤沢の中山湖スケート場は、昨年7月の豪雨の影響で整備が不可能となり今季の営業を中止、今後の復旧も困難な状況にあり、完全閉鎖の可能性も高まっている。
管理する市教育委員会高遠教育振興課によると、沢の氾濫によって土砂が湖に堆積、通常で水深2メートルあるが、これによって5縲・0センチほどとなった。また、湖に流れ込む沢も増えたことで、氷を張らせることが厳しくなっている。
復旧には土砂を掘削したり、湖の周囲に水路を設置するなどの大規模改修が強いられるが、予算面から、利用者が低迷している点などを踏まえ、改修の必要性の有無が検討課題となっている。
スケート場(外周約150メートル)は、88年にオープンし、当初は1シーズン千人以上が利用していたが、近年は400人前後まで低迷。競技人口の減少をはじめ、地元の小学校でスケート教室がなくなったことや、温暖気候による短期間営業を強いられていることなどが原因とされている。
近くにある国立青少年自然の家の利用者や地域住民が主に足を運び、氷上ボーリングやカーリングも楽しめるスケート場として親しまれていた。 -
高遠地区成人式
合併後初となる伊那市高遠町の成人式が2日、高遠さくらホテルであり、対象者87人(男47、女40)のうち79人が顔をそろえた。新成人たちはスーツや華やかな振りそで姿で式に臨み、関係者から祝福を受けて人生の新たな門出を祝った。
小坂樫男市長は「社会の一員として権利と義務を与えられ、個人として責任ある行動が期待される。伊那市の新しいまちづくりにも力を貸していただきたい」と祝辞を述べた。
新成人を代表して2人が意見発表。小松渉さんは「さまざまな経験から得たことを今後に生かしていきたい」と、大人としての新たな人生に抱負を語った。中学校時代の当時の担任らも出席し、新成人の成長に目を細め、激励の言葉を寄せた。
新成人たちは式後に、音楽ステージなどを盛り込んだ祝宴を企画。ビールやジュースで乾杯し、記念撮影をしたり、会話を楽しんで、友との再会を喜んでいた。 -
風力発電計画推進
伊那市の入笠山、鹿嶺高原周辺で風力発電計画を検討している三峰川電力は28日、引き続き事業計画の策定を進めることを、小坂樫男市長あてに同日付の文書で提出した、と発表した。
計画をめぐっては、市議会12月定例会本会議で事業推進の陳情が可決された一方で、小坂市長は計画に反対する態度を示した。
これに対し、事業者側は提出した文面で「事業開発は慎重に進めるべきとの考えが示されたと理解しており、責任を持って計画を進めることが必要であると再認識している」とし、「市の新エネルギー開発に対する方針を尊重し、極力沿った形で各地区における懸念点に配慮した計画の策定に尽力する」としている。
取材に対し、小坂市長は「文書ではよく分からないので説明を求めたい」と話した。 -
高遠ダム新放流設備から維持放流開始
伊那市高遠町の県営高遠ダムの維持放流設備が完成し27日、放流開始式で完成を祝い、運用を開始した。三峰川に水が流れる本来の姿を復元するための設備。同ダムから水を下流に流す装置で、鋼管から毎秒0・96トンを放流することができる。
ダムを管理する県企業局南信発電管理事務所(同市)は、無水区間解消のため、放流設備を設置し、02年から毎秒0・2トンの試験放流を開始。04年には国土交通省が毎秒0・96トンの維持放流量を義務付けたため、新たな放流設備の工事を実施していた。
維持放流設備は、ダムの洪水吐ゲートの脇に穴を開け、直径40センチ、長さ36メートルの鋼管を設置するため、11月初旬に着工。総工費は約3千万円。
同市東春近の県営春近送電所の水力発電などのための施設として、1958(昭和33)年に完成した同ダムは当初、放流設備が無いダムだった。洪水期以外の下流では枯渇するため、地域住民は「本来の三峰川の姿に戻したい」との要望を県などに投げ掛けていた。
維持放流を呼び掛けてきた市民団体「三峰川みらい会議」の織井秀夫代表(71)=東春近榛原=は式で「これで三峰川の清流と河川環境を次世代に伝えることができる」とあいさつした。 -
信州高遠美術館でスクラップブッキング展
伊那市高遠町の信州高遠美術館で来年1月11日まで、「スクラップブッキング作品展」が開かれている。思い出の詰まった写真をアレンジし・スオリジナルアルバム・スに仕立てた作品の数々が来場者の目を楽しませている。
スクラップブッキングは、写真を台紙に張り、リボンやビーズなどで飾り付けて、メッセージを添える。市内などで講師などをしている久保田浩子さん(42)と小林佳世さん(43)が自分たちの写真を使って制作した約40点を飾った。
水族館や東京ディズニーランドの家族旅行、桃の節句や運動会の我が子の様子などを撮影した写真を工夫を凝らして装飾し、当時の思い出を華やかによみがえらせている。
小林さんは「写真さえあれば誰でも簡単にできるから楽しいですよ。敷居を高くもたず、チャレンジしてほしい」と話している。
火曜日休館。午前9時縲恁゚後5時。一般500円、小中学生150円。問い合わせは、信州高遠美術館(TEL94・3666)へ。 -
「高遠石工」で地域起こし
江戸時代の高遠石工の活躍が知られる伊那市高遠町は、町内にある石造物をかたどった工芸品を売り出そうと考えている。先人が培った貴重な文化遺産を掘り起こし、地域おこしにつなげる狙いだ。
守屋貞治をはじめとする名工を生み、その作品は全国でも高い価値を得たとされている。町内には2229基の石造物があり、それを題材にペーパーウエイトやペン立てなどに仕立てる。
第1弾は、長藤板山にある、二神が手を握り合っている道祖神(縦45センチ、横28センチ)と、三義山室川辺にある猫の石造物。西高遠の工芸家、鈴木岬さん(64)に製作を依頼し、現在は試作品を作っている。
粘土でかたどり、素焼きした後、色づけをして仕上げる。いずれの作品も現物を高さ10センチほどに縮小した形となる。千円前後に価格を設定する予定で、年度内にも高遠歴史博物館で販売する。
第2弾以降は「反応を見ながら考えていく」(市高遠町総合支所)。 -
異例、委員会審議覆す
伊那市議会は12月定例会最終日の20日、入笠山、鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している風力発電計画に中止の陳情を採択した総務委員会の審議結果を少数差で否決、委員会の審議結果が本会議で覆される異例な結果となった。一方、議会閉会後の全員協議会で小坂樫男市長が見解を述べ、計画に反対の姿勢を示した。
本会議では、総務委員長の報告に続く討議で、賛否の観点からそれぞれ3人が意見。採決はきっこうし、議長を除く25人のうち中止を求める陳情を賛成11人、反対14人で否決、推進の陳情を賛成14人、反対11人で可決し、市議会として推進の方針を打ち出した格好となった。
しかし、全員協議会で小坂市長は計画に対し「観光や地域活性化の起爆剤になるとは一概には言えない」と否定。景観面からも「高台に巨大な建造物を立てるのはいささか疑問を抱く」と非難した。
市議会での結果を受けて、鹿嶺高原から入笠山の尾根伝いにかけて検討している三峰川電力の大西英一所長は「市議会の決定を真摯(し)に受け止めたい。反対意見にも耳を傾け、懸念される点について配慮しながらこれまで通り検討を進めたい」とした。
反対署名3万余人分を集めた山岳団体や自然保護団体などでつくる署名連絡会事務局の北原功さんは「市長が広い見識で決断されたことを歓迎する。賛否が問われる大きな問題で、計画には反対」と述べた。 -
桜大学・文学講座
「里」の価値を学ぶ伊那市高遠町公民館の第28回桜大学、伊那市公民館運営協議会の第18回文学講座は17日、高遠町総合福祉センターやますそで開いた。立教大学大学院教授の内山節さんが、『「里」の価値』をテーマに、「生と死のすべてが包まれている場『里』をどうやって作っていくか、真剣に考える時代に来ている」と語った。
『里』について、「里は生きていく場であるとともに死んでいく場。自然も同じ。人間も自然の生き物も生きて、死ぬ。すべてを許容する所」と定義。都市は生きている人がもっと元気に生きるために開発してきたが、「亡くなる人にも納得のいくのが本当の社会」とし、これからの地域づくりは「すべてが里づくりである」と話した。
フランスの農山村を例に、日本より一つの村がとても小さく、行政の仕事は住民が受持ち、NPO団体を作って行政を動かしていること、村に都市から移住する人が増え、その理由に▽自然と共に生きる暮らし▽一人ひとり役割をもって地域社会で生きていくことに価値がある人間的な生き方-を挙げていることを紹介した。
日本で里を考える場合、行政単位ではなくもっと小さい単位で、行政の中にいろいろな里があることを提案。地域住民が地域をつくる仕組みを作る、行政のあり方を抜本的に変えるなど、「住民も行政も大きな決断をする時代」と述べた。 -
伊那市議会総務委で風力発電計画中止求める陳情採択
伊那市議会総務委員会は18日開き、入笠山・鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している風力発電計画に対する賛否の陳情10件を審議し、計画中止を求める7件を採択、推進の3件を不採択とした。12月定例会最終日の20日、市議会で決議し、市はこれを踏まえて態度を示す見通しだ。
継続審査を賛成少数で不採択としたうえで陳情の採決を図り、委員長を除く委員7人のうち4人が計画の反対を支持。いずれも風力発電による自然エネルギーの有効性を認めたうえで「(計画場所については)自然、生態系、景観の破壊につながり、深刻な問題になる」「全国有数の山岳地帯で環境破壊についての問題は避けられない」などと指摘した。
希少猛きん類への影響の点では、イヌワシやクマタカのペアが確認されていることなどを挙げ「自然保護が必要な場所だ」と強調。景観面では、市などが南アルプスの世界自然遺産登録に向けて乗り出したことからも「影響は甚大なものであり、確実に登録されなくなる恐れもある」とした。
計画を推進する委員は「CO2の削減はしなくてはならない。風力発電は必要といいながら、だめだというのは無責任。子どもたちにきれいな空気を残すためにも、地球環境を守るべき」などと反論した。
鹿嶺高原から入笠山にかけた尾根伝いで検討していた三峰川電力の大西英一所長は結果を受けての取材に「今の時点で何も申し上げることはない。本議会での決議を見守りたい」とするに留まった。
一方、反対署名3万余人分を集めた山岳団体や自然保護団体などでつくる署名連絡会事務局の北原功さんは「本会議を控えて手放しでは喜べないが、環境を考えての結果は非常にうれしく思う。自然は金には替えられない」と話した。 -
ふれあいバザールinいなっせ開催
伊那市内の共同作業所5施設による「ふれいあいバザールinいなっせ」が16日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。各施設の自主制作している織物や焼き物、クッキーなど約600点が販売されたほか、革細工の体験コーナーや織り機を使った実演などもあり、訪れた人を楽しませた=写真。
自主作品の販売で得た代金を利用者に還元するとともに、地域の人に共同作業所への理解を深めてもらおう竏窒ニ始まった取り組み。施設同士が交流を深め、お互いの自主作品を知る機会にもなっている。
伊那地区からは伊那市共同作業の家「ゆめわーく」、「輪っこはうす」のほか、今年から「コスモスの家」も参加。高遠町の「高遠さくらの家」長谷地区の「ひまわりの家」も、昨年から引き続き参加している。
自主作品に加え、星型のキャンドルや紙粘土で作ったもみの木のオブジェ、シクラメンなどこの時期ならではの作品もあり、利用者も「いかがですか」と来場者に呼びかけていた。
各施設では、企業などから受ける請け負い作業の傍ら、自主作品作りに取り組んでいる。 -
高遠町地域協が風力発電計画受け入れの是非継続審議要望
伊那市の入笠山、鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している大型風力発電計画について、高遠町地域協議会は14日開いた会議で、市に事業受け入れの是非に関して継続的な審議を要望した。これに対し、開会中の市議会定例会後に市として判断を示す方針でいる小坂樫男市長は会議後の取材で「ご意見として受け止めた。自治区に決定権はない。議会の状況を見ながら決める」と、あくまでも態度を明らかにする姿勢を見せた。
開会中の市議会定例会では、計画をめぐる賛成・反対の陳情10件を20日の本会議で採決する見通し。これを受けて市としての是非を示す考えでいることから、高遠町、長谷の両自治区は、地元の声を判断材料にしてもらう機会として、小坂市長に申し入れ、急きょ地域協を開く格好となった。
市側は事業者2社が計画する概要を説明、これまでの経過と現況を報告して、意見を求めた。委員からは「CO2削減に自然エネルギーは必要なこと」「観光対策に生かせると思う」などと計画を推進する声があった一方で、景観面や災害の可能性などの指摘もあって、賛否両論に分かれた。
ただ、「賛成、反対の署名者は計画の内容を理解したうえなのか疑問」、「住民に対して十分な説明がなされていない状況で、結論を出すべきない」とした意見も多く、「住民に納得いくまで十分な説明をしたうえで、地元の意思決定をしてもらいたい」と、態度の保留を要望することで意見をまとめた。
長谷地域協は15日開く。 -
高遠町・弥勒ソバの会の恒例新ソバ祭
伊那市高遠町弥勒の有志でつくる「弥勒ソバの会」(23人、池上裕敏会長)は10日、弥勒多目的集会施設で、10回目となる恒例の「弥勒新ソバ祭り」を開いた。地区内のみならず市内外から途切れなく人が訪れ、会員が手打ちした新そばを味わった=写真。
ソバの会は、地区の休耕田の荒廃防止のため有志で94年に発足し、0・8ヘクタールの畑を利用してソバを栽培している。当初は会だけの祭りだったが、97年から地区住民へ感謝の気持ちを表わそうと広めていった。
会員は、午後の祭りに向けて朝から準備し700食のそばを打った。次々と人が訪れ満席となった会場では、毎年楽しみにしている人たちが「うまい」とうなづきあいながら味をたん能した。
池上会長によると、本年は天候に恵まれ上質のそばを収穫できたが例年に比べ多くの有害鳥獣被害にあったという。「せっかく続いてこれたので維持していきたいが得策があるわけでもない」としている。 -
高遠そばを伝承、普及へ
伊那市高遠町で7日、「高遠そば打ち講座」が始まった。高遠そば組合(松井教一組合長)などによる昨年からの取り組みで、修了生のなかには、実際に店の開業を控える人もいる。長い歴史をもつ高遠そばの伝承と普及を図り、産業や商業、観光面などから地域起こしを狙った試みだ。
高遠そばは、地元産のそば粉を使ったそばを、辛味大根の絞り汁に焼き味噌と刻みネギを加えた「辛つゆ」で食すのが特徴。そば好きだったとされる高遠藩主の保科正之公が「高遠そば」の文化を広めたことでも知られる。
講師は組合に加盟する山室、弥勒のそばの会や販売者の会の会員らが務める。受講生26人が「伝承者」と「初心者」の各コースに分かれ、2月まで5回にわたって技術の習得を目指す。
作業は▽水回し▽こね・練り▽延し▽切り竏窒フ工程に沿って進める。初日は、そば粉8割、つなぎ粉(小麦粉)2割を使う二八そばに挑戦。初心者コース500グラム、伝承者コースは1キロ(約10人分)を打った。
受講生たちは各工程ごとに悪戦苦闘していたが、慣れない手つきながらも、積極的に講師に指導をあおって熱心に励んでいた。
下山田の主婦(56)は「家族においしいそばを食べさせたくて参加した。早く覚えて家で打ってみたい」と話していた。
最終日は、伝承者コースの受講生を対象に試験をし、合格者には認定証を交付する。 -
高遠小中学校の給食で「アマランサスご飯」
栄養価が高い穀物、アマランサス(ヒユ科ヒユ属)を使ったオリジナル商品の開発を目指している伊那地域研究会は、伊那市の高遠町学校給食センターに収穫した実を提供し6日、高遠町の3小中学校の給食に「アマランサスご飯」が並んだ。
昨年から本格的に栽培に乗り出した研究会の高遠花摘み倶楽部は、町内4カ所の遊休農地で作り、今年は300縲・00キロを収穫している。同給食センターの栄養士が「地元の活動を生徒たちに知ってほしい」と、給食での利用を持ちかけたことから、1・5キロを提供した。
この日は、地元産の白米にアマランサスの種を混ぜ合わせたご飯を児童や生徒が味わった。高遠中3年の女子生徒は「少し甘味がある気がするけど、くせもないしおいしいですよ」と感想を話した。
研究会は、ここ数年で市民による栽培が活発化し始めたことが発端となり、信州大学、伊那商工会議所、地元企業、栽培者などが連携して立ち上げた。
アマランサスの種や葉が、たんぱく質、カルシウム、鉄分、繊維などが豊富なことに着目し、食品としての商品化を進める一方、赤色の花を咲かせ観賞用としても楽しめるため、産業と観光面から地域の活性化に向ける構想。現在は、乾麺、菓子、かゆ、酒の試作品を作っている。
信大農学部の根元和洋助手は「地元の一つの特産として栽培や利用が継続し、地域に根付いてほしい思いがある。給食に出ることによって栄養はもちろんのこと、地元の活動を児童や生徒、保護者に知ってもらう機会になる」と話す。 -
「こどもを守るJRバス」運行開始
全国で多発する子どもをめぐった凶悪事件を受け、伊那市のJRバス関東中央道統括支店は4日、「こどもを守るJRバス」として路線バスの運行を始めた。業務中に助けを求めてきた子どもを車内に保護したり、不審者を発見した際に警察に通報し、子どもの安全を守っていく。
同支店が防犯活動への協力を伊那署に提案し、同署が黄色のステッカー(縦約15センチ、横約40センチ)を提供。停留所の高遠駅を発着するバス10台を対象に、乗降口など前側面2カ所に張って運行し、利用客や地域住民の意識も高めている。県内のJRバスでは初めての試みという。
路線は伊那市街、高遠町、長谷を巡る4路線で、午前6時過ぎの始発から午後8時半ごろの最終がある。運行中に助けを求める子どもや不審者を確認した場合には、業務用無線で支店に連絡して、伊那署に通報するほか、地域の商店などに協力を求める。
秋葉松美支店長は「子どもが被害にあう前に未然に防げるよう、地域の役に立ちたい」と話す。 -
高遠町図書館「としょかんまつり」
伊那市高遠町図書館の20周年「としょかんまつり」は2、3日、町文化センター内の同図書館で開いている。20年間の懐かしい写真や貸出し冊数の推移資料を展示した「20周年のあゆみ展」や「えほんの複製原画展」「古本・雑誌市」などの企画を繰り広げている。
3日午前10時30分からは、「はじめての古文書教室」と題して図書館で所蔵する古文書などを読み解く。同午後1時30分からは、「風船飛ばし・こどもひろば」があり、保育士らによる読み聞かせや、メッセージ付きの風船飛ばしをする。
1986年10月26日、同図書館が誕生した。20年間の貸出し総点数は110万8920点。蔵書数は開館当初と比べ、約1万2千点から約9万点まで増えているという。05年の一人当たりの一年間の貸出し点数は8・4点だった。
「20周年のあゆみ展」を見学する利用者 -
高遠町内の祭り統合など催し見直し検討
伊那市の高遠町観光協会は、歴史ある「城下祭り」と伝統の「燈篭(ろう)祭り」を統合するなど、町内の各種催しの見直しを検討している。30日夜あった高遠町地域協議会で意見を求めた。
催しの見直しは行政改革(経費削減)の一環。観光協会の合併を来年度に控えるなかで、旧3市町村での祭りや催しが多く、日程が近いことも理由の一つ。
高遠町観光協会では8月に理事や会員などで「祭りプロジェクトチーム」を編成し、検討。地域協で示した案によると、4月の桜祭りや10月の秋祭り、2月のだるま市は従来通り継続。6月のホタル祭りは、過去10回開催してきたが、協会で養殖したホタルを高遠城址公園に放していたことから「養殖してまですることはないと廃止を考えている」。
7月の城下祭りと9月の燈ろう祭りの統合は、8月に伊那の伊那祭り、10月に長谷の南アルプス祭りと祭りが続くことから統合を検討する。
城下祭りは3年前に前身の絵島祭りの名称を変更した夏祭りで、合わせて40回の歴史がある。燈ろう祭りは、五穀豊穣を祝う収穫祭、鉾持神社の例祭に合わせた伝統の祭りであることから、地域協の委員からは「祭りの意味や由来を考えたほうがいい」などの意見が出た。
協会は今後、再びプロジェクトチームや地域協で再検討して年内にも方向づけをし、協会の理事会に案を示して決定する方針。 -
信州高遠22キロてくてく歩き大会
励まし合いながら完歩を目指そう竏窒ニ22日、伊那市高遠町の信州高遠青少年自然の家から高遠町内まで「信州高遠22kmてくてく歩き大会」があった。県内外から266人が集まり、ともにゴールを目指した。
さまざまな世代の人や仲間同士で歩くことを通じて、忍耐力や体力、集中力を培うことなどを目的する取り組み。昨年までは「かち歩き大会」として行っていたが、今年は「てくてく歩き」と名称を改め、コースもループ橋方面を通るようにした。
毎年出場する参加者もいるが、好タイムを目指す人、完歩を目指す人、歩くことを楽しむ人など目的はさまざま。走らないことを原則として、それぞれのペースでゴールを目指していた。
各部門の上位入賞者は次の通り。
◆小学生の部(1)日向一機(11)(2)宮沢翼矢(12)(3)小池星弥(12) (5)北村俊也(12)
◆中学生の部(1)増澤圭史郎(15)(2)原悠也(15)(3)松田未来(15)(4)御子柴恵子(14)(5)石川実佳(15)
◆一般の部(1)高橋順子(54)(2)草深昭嘉(72)(3)岩本卓也(23)(4)中嶋鐵彌(63)(5)北原昇(56)
◆グループの部(1)伊那中C(2)ニコニコ家族(3)チームイトウ -
伊那市高遠町藤沢で「はつらつ藤友教室」
伊那市高遠町で、藤沢地区在住の一人暮らしの高齢者を対象にした「はつらつ藤友教室」が開かれている。健康体操や調理実習などを通して、認知症や体力低下などの予防につなげている。
藤沢地区の高齢化率は高遠町では最も高い約45%(昨年度)で、一人暮らしも多い。高遠町総合支所は町内数カ所で高齢者の介護予防教室を展開しているが、藤沢地区は、70歳から85歳の一人暮らしの高齢者を対象にした。
該当する37人に参加を呼びかけ、14人が登録。10月から12月まで週1回ずつ、全12回を予定している。栄養バランスがとれた献立で一人でも簡単に作れる料理の実習、全身を使った転倒予防の健康体操、演奏や歌を歌った音楽療法の体験のほか、消費生活についての講習も受ける。
お年寄りたちは和気合い合いと楽しい時間を過ごしている。教室最高齢者の83歳の女性は「みんなでわいわいやって、笑ってる。いろんなことも体験できるから、毎週楽しみにしているんですよ」と笑顔で話していた。 -
伊那市高遠第2・3保育園で異年齢交流
伊那市の高遠第2・3保育園(柿木節子園長、41人)で13日、異年齢交流を目的としたクッキングがあり、園児らが園で収穫したサツマイモを使ってスイートポテトづくりに挑戦した=写真。出来上がりを食べた園児らは「甘ーい」などと舌鼓を打ち、笑顔を広げていた。
本年度から本格的に始まった「なかよし保育」の一環。年間20回の予定で、各年代が一緒になってプール遊びなどの交流をしてきた。年上の子が年下の子の世話をすることで、園内に兄弟関係と同じような深いつながりが生まれているという。
この日は、各学年が交じり3グループに分かれて、蒸かしたサツマイモを潰し、生クリーム、砂糖、バターを混ぜて、丸い形にしていった。エプロンを着るのに手間取っている園児がいれば、年上の子が手伝うなどして交流を深めていった。
柿木園長は、なかよし保育について「同じ地域に帰った時でも交流できるようになってもらえればうれしい。小規模の保育園ならではの活動にしていきたい」と話していた。 -
高遠高校と創造学園大学が連携協定
高遠高校は14日、群馬県の創造学園大学と高大の連携や交流を図る協定を締結した。教育内容の充実、生徒の学習意識や教員の指導力向上を目指す。
高遠高は95年度に芸術や福祉などのコース制を導入し、特色として掲げる。開学3年目の創造大は、創造芸術学部とソーシャルワーク(社会福祉)学部をもち、芸術と福祉の融合をテーマに大学づくりを進めている。
本年度、高遠高は魅力ある高校づくりに向けて設置した高校改革推進調整委員会で、コース制の特色を踏まえ、新たな方向付けとして、同様の専門学部をもつ大学との連携を図ることで意見をまとめ、創造大に投げかけた。双方とも高大の連携は初めて。
協定の締結により、高校側は音楽や美術、福祉の各教科で教育実習生を受け入れる。大学側は専任教員や学生を派遣して特別講義や技術指導をするほか、芸術と福祉コースからの指定校推薦枠を設ける。ほかに、教育に関する調査・研究などに対して協力し合う。
調印式で福沢務校長は「互いに手を携え、未来のためにより高いものを求めていきたい」、堀越哲二学長は「在学中に本大学を訪ねてくださる機会があることを願っている」と述べ、それぞれ協定書を交わした。
連携を記念し、高遠高合唱部と創造大オーケストラによるコンサートもあった。 -
ガールスカウト長野26団 高遠町でウォークラリー
伊那市などの団員らでつくるガールスカウト長野第26団(木部則子団委員長)は12日、一般参加者を募った「子どもたちの居場所づくり事業」の一環として、同市高遠町のホリデーパーク周辺でウォークラリーを開いた。
園児、児童の団員ら23人が参加。4グループに分かれた子どもたちは、同町内の白山橋、歴史博物館、桂泉院、高遠城址(し)公園など6カ所を順番に回り、それぞれで出題される問題に挑戦した。
「橋の長さを自分の歩数で測って距離を割り出す」「大きな木の周りをロープで測る」などの出題をグループごとが力を合わせて正解を考えた。高遠城址公園では落ち葉などの自然物を使って、一人ずつ画用紙に・ス秋・スを表現する工作も楽しんだ。
出発時点では雪が空から落ちてきて肌寒さを感じていたが、次第に日の光りが降り注いでくると、赤や黄色に色づいた周囲の紅葉に目を見張っていた。 -
伊那防火管理協会 消火通報コンクール
伊那市など4市町村の企業でつくる伊那防火管理協会(藤澤洋二会長)は10日、消火通報コンクールを伊那市営プール駐車場で開いた。消火器操法など2種目に11事業所から16チームが参加し、訓練の成果を披露した=写真。
15回目のコンクール。消火器と屋内消火栓を正しく取り扱い災害発生時に活用すると共に、正確な119番通報の習得を目指す。
競技は、木箱とオイルパンからの出火を消火器を用いて消火する「消火器操法」と、ホースを伸ばし標的へ放水する「屋内消火栓操法」があり、それぞれ操作時間や動作の正確さを競った。
消火器操法では、用意した2本の消火器のうち、1本だけで消火するチームや、2本使用するチームなど成果はさまざまだった。
入賞したチームは次の通り。
【消火器操法】(1)伊那バス(2)中部電力伊那営業所(3)石川島汎用機械B
【屋内消火栓操法】(1)中部電力伊那営業所(2)石川島汎用機械(3)伊那市役所 -
風力発電事業計画・猛きん類影響評価検討委員会第2回
伊那市の入笠山から鹿嶺高原で風力発電事業を検討している総合商社・丸紅と子会社の三峰川電力は9日、希少猛きん類等への影響評価検討委員会の第2回会合を伊那市高遠町の総合福祉センターで開いた。事業者が委託した日本気象協会による渡り鳥への影響調査の結果から「計画地は渡りの主要ルートではない」と評価した。
渡り鳥への影響調査は、渡りが盛んな9月から10月にかけて実施。調査結果によると、主な渡り鳥のサシバ、ノスリ、ハチクマは松本市の白樺峠で合わせて約9千羽(昨年約6800羽)だったのにに対し、計画地周辺の観測地では110羽(同46羽)を確認。渡りの主要ルートではないが、秋とは渡りのルートが違う春に再度調査する。
絶滅危惧(ぐ)種のイヌワシとクマタカについては年度末までに、個体識別したうえで営巣地を含み行動圏を把握、計画地を利用する頻度を調査する。
事業者側は、営巣地や頻度の強弱など調査結果を踏まえ、風車の建設場所を変更するなど計画に反映させ、年度末に予定する次回会合でこれまでより具体化した計画案を示す方針だ。 -
白山登り釜で窯焼き
伊那市高遠町の伝統陶芸品、高遠焼きを製陶する白山登り窯(唐木米之助代表)で3日、仕上げの本焼き作業「窯焼き」が始まった。湯のみや花器、つぼなど約千点を窯に入れ、3日間かけて焼きあげる。
高遠焼きは1813(文化10)年、高遠城へと水を引くため、美濃から陶工を招いて城内導水用の土管を焼いたことが起源。昭和中期から末期にかけて一時は途絶えたが、唐木さんが1975(昭和50)年に復活させた。
粘土をろくろで成形し、素焼き後に釉薬をかけて仕上げの本焼きとなる。まきをくべて1250度に保ちながら3日間、昼夜問わず焼き続ける。まきには松を使う。やにが多いことで火力が強くなるため、窯焼きには最適という。
唐木さんは「今はガスや灯油を使って焼くことが多いが、昔ながらのまきを使って焼くと、また一味違った作品になる。古い伝統を守っていくには、伝統の技法を継承し、こだわり続けていくことが大事」と話す。 -
高遠、三義分館で文化祭
伊那市の高遠町公民館高遠分館の文化祭が3、4日、総合福祉センター「やますそ」で開かれている。地域住民が作品展示やステージで日ごろの成果を発表。喫茶コーナーで談笑の場を設けるなど親ぼくを深めた。
展示には、地元の小中高生を含む25団体が出展。前菜、わんもの、造りなど懐石料理に使う器12点を仕上げた陶芸、来年のえとであるイノシシの手芸品、生け花、手書き友禅、クラフト、写真など力作が勢ぞろい。交流のある東京都早稲田川柳クラブの作品も並んだ。
ステージ発表では12団体がコーラス、踊り、詩吟などを披露。婦人会によるバザーもあった。
4日は午前9時縲恁゚後3時。
また、三義分館も同日開き、長藤分館は4日、町老人福祉センターである。展示は午前9時半縲恁゚後3時半、ステージ発表は午後1時からとなっている。 -
高遠城址公園で秋まつり
伊那市の高遠城址公園で3日、紅葉狩りを楽しむ「秋まつり」が始まった。見ごろは11、12日で、高遠町観光協会は19日までの期間中、来場者2万人余を見込む。
公園内にあるカエデ約250本は色づき始めたばかり。昨年より5日ほど遅れ、見ごろには早かったが、初日から家族連れやアマチュアカメラマンの姿が目立った。公園内に、琴の生演奏が流れ、来場者は紅葉を眺めながら散策したり、弁当を食べたりした。
期間中は、菊花展や新そばまつり、クイズ大会、「山本勘助を知る講座」など多彩な催し物を展開。
第3回高遠城址クラフトハーツ(実行委員会主催)は、伊那谷の作家を中心に、陶芸、木工、ガラス工芸、染め、漆器など30店が並んだ。5日まで。
桜やモミジにちなんだ作品展示の特設コーナーには、桜の材を使った弁当箱や木づちなどがそろった。来場者はオリジナル作品を手に取り、お気に入りの品を買い求めた。
町酒販店活性化委員会(桜井節男会長)は、地元の山室産酒米「ひとごこち」を100%使った清酒「やまむろ」を発売。
昨年から生原酒やにごり酒などを売り出し、好評を得ている。清酒は、すっきりとしたのどごしで飲みやすく、冷か、ぬるめがお勧めといい「ぜひ、地元の人に飲んでいただきたい」と呼びかける。
5日まで出店するが、それ以降でも委員会に加盟する町内12店で販売。価格は一升瓶2千円。
公園内には、とろろご飯などを用意した食事どころ(午前11時縲恁゚後2時)もある。
まつりは5年目。公園内のカエデを観光資源にして誘客を図ろうと始まった。入場無料。
問い合わせは、高遠町観光協会(TEL94・2552)へ。 -
高遠中学校の吹奏楽部を東京芸大音楽部のメンバーが指導
伊那市高遠中学校の吹奏楽部の生徒が29日、東京芸術大学音楽部の学生から、演奏技術の指導を受けた=写真。
同校では例年、高遠町で開かれる「伊沢修二先生記念音楽祭」に合わせて来伊する東京芸大の学生らに協力を仰ぎ、中学生への演奏技術指導を依頼。地元ではなかなか学べない本格的な演奏に触れる機会を提供している。
この日は大学生9人、吹奏楽部の15人に加え、高遠高校の生徒数人も参加。各楽器ごとに分かれて、それぞれが苦手とするポイントや音の出し方など、基礎的な部分を集中して練習した。
指使いを指摘されたクラリネットの生徒は、的確なアドバイスに関心しながら、熱心に練習に励んでいた。 -
詩吟楠洲流聖楠会東部吟詠会の吟詠発表大会
詩吟楠洲流聖楠会東部吟詠会の発表大会が29日、伊那市の高遠町総合福祉センター「やますそ」であった。会員など約90人が参加し、自慢ののどを披露し合った=写真。
発表会は34回目。今年は、それぞれのレベルに応じて競う4部門のほか、指導者レベルが吟ずる部門、昨年各部門で優勝した会員が吟ずる部門など12部門を設けた。
その中の一つ、剣詩舞の部では、「高遠城と絵島をしのぶ」をテーマとし、それにゆかりがある詩や歌を数人が吟詠。ナレーションとともに、伊藤楠洲の「高遠城懐古」や絵島節、絵島が江戸を離れる時に残した和歌などを剣舞や詩舞、舞踊を交えて吟じ、訪れた人たちを楽しませた。