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台風9号の影響で美和ダム放流
台風9号の影響で、伊那市長谷の美和ダム「三峰川バイパス」が6日午後10時40分ごろから、放流を始め、7日午前0時10分、最大放流量が毎秒約260立方メートルに達した。関係者によると、最大放流量は過去最大で、放流期間は10日ごろまで続く予定。河川には近づかないよう警戒を呼び掛けている。
三峰川バイパスは、全国の多目的ダムでは初めてとなる「恒久堆砂対策施設」の中心施設で、05年5月に完成。完成後の実質的運用は今回で3回目となる。初回となった06年7月豪雨災害時の美和ダムへの最大流入量が毎秒367立方メートルに対し、今回は毎秒約560立方メートル。流入量、放流量ともに過去最大となった。 -
伊那署管内の小中学生防犯ポスター審査会
伊那市、箕輪町、南箕輪村でつくる伊那防犯協会連合会と伊那署は5日、同署道場で、管内の小中学生を対象に集めた、防犯ポスターの審査会を開いた=写真。
15小学校5中学校(小学2年縲恍・w3年)から402点(前年比24点増)の応募があった。各学年から1縲・人の9作品を県審査会へ送る推薦作品として選出。そのほか金賞、銀賞など40作品を入賞作品とした。
伊那北高校の美術科担当の三沢正博教諭や小嶋惣逸署長ら審査員が、作品のメッセージ性、色使いなどのバランスを審査。薬物乱用、飲酒運転の禁止や振り込め詐欺の注意を促す趣旨のポスターが多かった。
推薦作品などに選ばれたのは次のみなさん。
◇小学4年▼推薦作品=北林未希(西春近南)▼金賞=曽根原智佳(伊那東)▼銀賞=宮下満喜(西春近南)▼銅賞=有賀穂乃夏(南箕輪)
◇小学5年▼推薦作品=春日俊輔(伊那北)▼金賞=倉田祐輔(南箕輪南部)▼銀賞=林優衣(南箕輪南部)▼銅賞=天道美雪(伊那北)▼佳作=中島秀真(長谷)熊谷魁人(南箕輪)伊藤大貴(南箕輪南部)
◇小学6年▼推薦作品=加藤美沙貴(南箕輪南部)赤羽郁海(箕輪中部)▼金賞=坂本祥子(箕輪中部)▼銀賞=小林大(箕輪中部)▼銅賞=城子颯一朗(箕輪中部)▼佳作=鈴木楓(箕輪中部)唐沢綾(箕輪中部)有賀亮太(西箕輪)小林由里香(箕輪中部)池田ひかる(箕輪中部)
◇中学1年▼推薦作品=有賀莉沙(南箕輪)高橋潤(南箕輪)▼金賞=藤沢亮太(南箕輪)▼銀賞=荒木香名(伊那)▼銅賞=丸山詩織(伊那)▼佳作=大久保杏衣(伊那)亀井翔子(南箕輪)曽我和佳奈(伊那)原真裕子(西箕輪)本井綾華(伊那)村上礼実(南箕輪)佐藤祐介(伊那)
◇中学2年▼推薦作品=鈴木希望(箕輪)尾形怜(南箕輪)▼金賞=荻原祐樹(箕輪)▼銀賞=清水里佳(箕輪)▼銅賞=山口夕貴(箕輪)田中萌乃(箕輪)▼佳作=原安祐美(箕輪)原佑実(南箕輪)平沢裕介(箕輪)藤田慧(箕輪)高山綾(箕輪)城倉未来(箕輪)中田惇一(箕輪)
◇中学3年▼推薦作品=鈴木早恵子(高遠)▼佳作=赤羽駿(高遠)星野雅和(高遠) -
長谷地区社協が発足
伊那市長谷地区で4日夜、長谷地区社会福祉協議会が発足し、本年度の民生児童委員長を務める池上明博さんを会長に選出した。
新伊那市の発足に伴い昨年10月、旧3市町村にあった社会福祉協議会も統合し、一つの組織として活動を開始している。
旧伊那市では地域福祉の振興などを目的として旧村を単位とする「地域社協」が個々の活動に取り組んでいるが、高遠町、長谷地区には似たような組織は存在するが社協組織はなかったため、各地区の関係者に呼びかけて地域社協づくりを進めてきた。
そんな中、長谷地区ではまず、地区全体の社会福祉協議会を発足し、その後、旧村単位の地域社協づくりを目指すこととなり、区長会や民生委員らとの話し合いを進めてきた。
池上会長は「任期までしっかり務めていきたい」とあいさつ。今後は、一人暮らし高齢者との懇談会やボランティアとの交流会などに取り組んでいく。 -
秋葉街道入門講座
南アルプス自然体験ネットワークは24日夜、伊那市長谷の南アルプス村メルシーで、秋葉街道入門講座の初回を開いた。市内の約10人が参加し、時代の流れの中で忘れさられた古道について、関心を高めた。
信仰の道、交易路として伊那谷から静岡県秋葉神社へ通じる道として用いた同街道に関して学ぶ講座。初回は、06年2月、地域に眠る観光資源を活用しようと発足した、秋葉街道発掘調査隊の高坂英雄隊長(60)=同市長谷市野瀬=が講師を務めた。
高坂さんは、江戸時代の絵図をもとに、地元公民館や県立図書館などに残る資料と照らし合わせ、道筋を確認。長谷の非持縲恪a口地籍は湖底に水没しているため、代替ルートを紹介するなど街道のルートと周辺の史跡、景観などを解説した。
黒河内縲恷s野瀬地籍の街道は、木々の緑の中を通っていて「さわやかな風、小鳥のさえずりが心を癒す場所」などと説明。豊かな景観を地域おこしへつなげ、県内外からも関心を持ってもらえる観光ルートになれば竏窒ニした。
第2回講座の日程は未定。 -
子ども向け雑穀料理教室を開催
栄養バランスの良い雑穀を子どもたちの食事にも取り入れてもらおう竏窒ニ26日、雑穀料理教室「雑穀でつくる子どものためのごはんとおやつ」が伊那市長谷の気の里ヘルスセンターであった。小学校入学前の子どもを持つ母親など11人が集まり、タカキビを使ったハンバーグとモチキビとリンゴのタルトに挑戦した。
条件の悪い農地の活用と雑穀の特産品化実現を目指す「雑穀プロジェクトin伊那」の一環として市とNPO法人の「南アルプス食と暮らしの研究舎」が催している料理教室で、今回が3回目。食育への関心の高まり、子どもたちののアトピー増加などを受け、今回は小さい子どもを持つ母親などに栄養バランスに優れた雑穀を知ってもらう目的で料理教室を企画。講師には穀菜・豆料理コーディネーターで現在道の駅南アルプスむらのレストラン「野のもの」の調理チーフである堀田麻衣子さん(30)を迎えた。
堀田さんはまず、雑穀にはタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素がバランス良く含まれていることなどを紹介。炊き方や料理への応用方法を示し、「雑穀というと面倒なイメージもあるが、まとめて炊いてけばいつものおかずに使うこともできる」と説明した。
料理教室を企画した南アルプス食と暮らしの研究舎代表、吉田洋介さん(40)は「アトピーの子どもを持つお母さんなどに関心を持ってもらえれば」と話していた。
今後もさまざまな形で料理教室を開催していく予定。 -
ZANZA2007(仮称)を発表
伊那市長谷の入野谷一帯でうたい踊り継がれている「ざんざ節」をロック調にして新しく振り付けた「ZANZA2007」(仮称)が完成した。10月14日の第24回南アルプスふるさと祭りで、市民が踊って盛り上げる。曲名は近く、市民を対象に公募して決める。
ざんざ節は江戸時代末期から、木炭やまき、大豆など馬の背につけ、高遠へ運ぶ馬追いたちにうたわれ、やがて盆踊りや酒の席のうたになったといわれる。
「ZANZA」は、ざんざ節をアップテンポに編曲。振り付けは仙丈ケ岳を目指して歩く、中尾歌舞伎の大見得を切る、人々の友愛などをイメージし、腕を広げたり、飛び跳ねたりと前に進みながら全身を使って踊る。
9月上旬、「ZANZA」を収録したDVDを長谷地域の全戸(約700戸)へ配布するほか、踊り練習も組む。
以前から、若い世代が親しめるように新しい振り付けを望む声が出ていた。2月、ふるさと祭り検討委員会でリニューアルを決定し、市内業者に委託。22日夜、第1回ふるさと祭り実行委員会で発表された。
曲名は公募したあと、実行委員会で選考し、ふるさと祭りで発表する。
振り付けを担当した長野市の境じゅんこさんは「ざんざ節の持っている優美さ、重さを取り入れ、地域で暮らす人の優しさ、強さを伝えたかった。激しい動きだが、繰り返しなので覚えやすい」と話した。 -
長谷浦の「山の家」で東京の子どもたちが1週間泊まり込みで自然を学ぶ
伊那市長谷の浦にある「山の家」で16日から、東京少年少女センター(神代洋一会長)の中学生約15人が、1週間の泊まり込みでじかの自然に触れながらの体験学習に取り組んでいる。
東京少年少女センターは、東京に住む子どもたちの仲間づくりや異年齢間でのつながりづくりなどを促すための活動を展開しているNPOで、青空教室の開催、雪祭りなどさまざまなイベントを企画している。
中学生を対象とする「夏の学校」は、大学生や夏の学校の卒業生らが教師となり、自然をふんだんに取り入れた集団学習を行うもので、もともと浦の分校があったあと地を活用して毎年開催している。今年は「水」をテーマに、川遊びなどを行う予定で、期間中の食事は基本的に子どもたちが自炊して用意する。こうした取り組みを通じて、子どもたちは学ぶことの喜びを知り、本当の仲間を作って帰って行くという。
目的地に到着した中学生たちは、互いに自己紹介をしながら、これから始まる生活への期待を語っていた。 -
飛び立てなかった海軍二等飛行兵曹
伊那市長谷中尾
大出達雄さん(80)“浜までは 海女も蓑(みの)着る 時雨時”
「海に潜る海女であっても、陸にいるときに雨が降れば自分の体を気遣って蓑を着る。だから、命は絶対粗末にしてはいけない。大切にしろ」
大井海軍航空隊にいたある司令官は、自作の詩とともにそう語った。その言葉は印象的だった。62年経った今でも鮮明に覚えている竏秩B
◇ ◇
栃木県出身。航空戦力の立て直しを目的として国が海軍航空隊の増員を進める中、甲種飛行予科練習生に自ら志願したのは中学3年生の時だった。1943年、入隊試験に合格。茨城県の土浦海軍航空隊甲種13期に配属となり、基礎となる体力づくりのほか、精神教育、陸戦、軍制などといった知識を徹底的に叩き込まれた。
翌年ほどなくして予科を修了し、偵察員を養成するために開設された静岡県の大井海軍航空隊第39期に配属となる。
大井に移ってからは、爆撃、射撃、航法など、実際に知っていなければ自分の死に直結する実践的な訓練が中心となった。厳しい訓練を必死でこなす一方、周囲の状況から、日々悪化していく戦況を感じずにはいられなかった。
敵の艦載機が航空隊の上空を頻繁に飛び、その爆撃で命を落とす友人を目の当たりにする。そんな日常が続き、自分も生きて帰れないことを覚悟した。
「土浦にいた時は『戦局は極めて悪化の一途をたどっている。人間魚雷として志願してくれ』という訓示があった。この訓示により、自分たちより2カ月遅く入った同期の仲間が随分と持っていかれた。土浦を出てからも、関西や鹿児島の方に行った同期の仲間は特攻機に乗って亡くなっている」
敗戦色が濃くなってきた1945年3月、突如として偵察術の訓練が中止となり、自分たちが使っていた訓練用の航空機を使い、特攻隊として編成された八洲隊の訓練が始まった。
いよいよ自分も危ない竏秩Bそう感じ、兵士らの繕い物をするため兵舎に出入りしていた女性に手紙を託し、航空隊の外にある班長の下宿に父と弟を呼び出し、面会を果たした。
しかし、最終的には航空機の数が足りず、順番待ちをしたまま飛び立つことなく終戦を迎えた。
◇ ◇
終戦後、社会的にも、精神的にも立ち直るには時間がかかった。社会的な復帰を果たした後も、思い出したくない記憶は封印し、極力表に出さないことを心がけた。
しかし10年ほど前からは、大井海軍航空隊のOB会に参加したり自分の戦争体験を語るなど、過去の記憶をたどるとともに自分の経験を伝える活動に取り組み始めた。
「それまではあまり思い出したくもないので、OB会にも参加していなかったし、戦争のことを語ることもなかった。しかし、平和を守るためには戦争をしないという合意づくりが大切だと気付いた。だからこそ、自分の経験を伝えていこうと思う。若い世代には、平和を守ることがいかに大切かを伝えていきたい」 -
三峰川電力が三峰川風力発電事業計画にかかる環境影響評価の方法書を縦覧
伊那市の入笠山、鹿嶺高原一帯で風力発電事業の検討をしている三峰川電力(酒井宗二社長)は13日から、同事業にかかる環境影響評価の方法書の縦覧を行っている。
環境面での調査方法に対して広く意見を募ることを目的とするもので、9月12日までの午前8時半縲恁゚後5時(土日、祝日は除く)、同社ホームページ(http:www.mibuden.com)で縦覧できる。
これに伴なう意見書の提出を9月26日(必着)まで郵送FAX、電子メール受け付けており、住所、氏名を明記すること。ホームページ上からも意見を提出できるようになっている。
なお、縦覧は事業の可否を問うものではないとしている。
意見書の提出先は〒396竏・403長野県伊那市長谷黒河内2895三峰川電力会社。
問い合わせは三峰川電力三峰川発電所(TEL98・2027)へ。 -
長谷で鹿公園のあり方を検討
伊那市が長谷にある南アルプス鹿公園の07年度廃止を検討していることを受け、長谷地域で検討会が立ち上がった。地域内でも賛否が分かれ、産業や観光面など幅広く検討し、存続か、廃止かの方向を出す。
検討会は、鹿公園の管理人、農業委員、市担当職員ら10人で構成。
7月下旬に開いた初会合で、出席者から「シカの有害鳥獣被害が出ている」と廃止の意見が出る一方で、「情操教育として続けてきた。肉を食べることは食育にもつながる」と存続を求める声もあった。賛否はあったものの、「現状の頭数では多い」が大半を占めたという。
6月に長谷地域協議会が主催した「新伊那市2006 写真・資料展」で、地域づくりに対する住民からの意見にも、存続に向けた検討を望む意見が出ていた。
鹿公園は85年、鹿牧場として始まり、現在、広さ2ヘクタールで約60頭を飼育。休日には子どもらが訪れている。管理委託や飼料など年間230万円がかかり、継続が厳しい状況になっている。 -
ユーモアたっぷりのかかしがお目見え
○…伊那市長谷黒河内の南アルプス林道バス営業所東側に、かかし17体が立つ。「イナバウアー」の技を見せるフィギュアスケート選手などユーモアたっぷりのかかしに、登山客らの注目を集めている。
かかしは、買い物かごを提げたスタイル抜群の女性や野球帽をかぶった子どもなどさまざま。パッチリとした目に、口元を赤色に塗るなど細かい部分にまで気を配っている。
地元に住む女性が作ったもの。当初は水田のスズメを追い払うためだったが、今では楽しみで作っているという。
米の収穫が終わる10月末ごろまで飾っておくそうだ。 -
戸台の化石保存会 伊那市長谷
伊那市長谷の南アルプス北西の登山口にあたる、南北約30キロ、東西約数百メートルの「戸台層」から産出する化石を「戸台の化石」と呼ぶ。中生代白亜紀(約1億4400万縲・500万年前)の海底でたい積した地層が地殻変動で隆起したものと考えられている。二枚貝化石トリゴニア(サンカクガイ)、アンモナイト類などさまざまな化石が出ている。
1899(明治32)年、地質学雑誌に「信州美和村のトリゴニア化石」として発表され、化石の産出場所として注目されるようになった。
化石研究者やマニアらが訪れ、貴重な戸台の化石が分散する心配があったため、化石をまとめて保存しようと1987(昭和62)年に戸台の化石保存会が発足した。長谷住民のほか、学習会に参加して興味を持った人、地質が好きな人など県外者を含めて構成される。
保存会では、採集地の保護や化石の散逸の防止、標本の整理、学習会などの活動を展開。活動内容を紹介した「アンモナイトだより」も発行している。
29日は、化石を採集する学習会を開催。地元を中心に、親子連れなど約60人が集まり、黒河内戸台の採取場所で化石を探した。
急斜面だったが、参加者は泥岩を手に取り、夢中になって一人ひとりハンマーで岩の側面をたたき割った。中から、化石が見つかると、小学生は「あったー」と大喜びで「これは何?」と興味津々だった。
見つかった化石は、9割がアンモナイト(かけら含む)で、そのほかは二枚貝、ウニ、植物など。
長谷公民館に場所を移した参加者は、化石の岩を小さく割り、一点ずつ箱に入れて採集日や採集者名などを記した。
この20年間で、アンモナイトだけで3千点以上が集まり、すべて長谷公民館にある「戸台の化石資料室」に保管。「どんなかけらも1カ所にまとめておけば、新しい発見の可能性もある」。化石の持ち帰りはできないが、いつでも見られるようになっている。
化石の産地はたくさんあるが、その場所ですべてを保存する活動は「おそらくない」。100年以上の採集記録が残っているのも、それほど多くないという。
伊東耕平会長(75)は「海から遠く離れた長谷に、しかも標高1000メートル以上の山地から、海の生物の化石が出てきている。地球変動のすごさ、地質のおもしろさを感じてほしい」と話す。
化石の学習会は年2回で、すでに63回目を数えた。秋にも開く予定。
(湯沢康江) -
「夏の交通安全やまびこ運動」始まる
07年度「夏の交通安全やまびこ運動」が25日、県内で一斉に始まった。31日までの7日間、県や警察が協力し「信濃路はルールとマナーの走るみち」を運動スローガンに交通事故防止を呼びかける。
南箕輪村の中央道伊那IC出口では、交通安全指導所を開設した。伊那警察署、伊那交通安全協会など関係者約80人が啓発チラシなどを料金所を通過するドライバーに配布=写真。「お気をつけて」などと呼びかけ、無事故を祈った。
また、伊那安協女性部がつくった人形「伊那娘(いなっこ)」も配布。一つひとつ手作りの人形には、運動スローガンが記した紙の札も付いていて、関係者らは「啓発に役立てば」と配っていた。
伊那署によると、管内で今年に入って発生した人身事故件数(24日現在)は、303件(前年比31件増)、けが人は388人(同58人増)、死者は0人(同3人減)。県内の人身事故発生数が6658件で前年比539人減に対し、増加傾向となっている。
女性や高齢者が被害者となる事故、夜間や交差点内で発生する事故が増えているという。
啓発チラシなどを配布する参加者(中央道伊那IC、南箕輪村) -
里山整備で地域づくり
伊那市長谷で今月、里山整備で地域づくりをする「中山もりもり(森守)元気組」(中山勝司代表、20人)の活動が始まった。有害鳥獣被害の防止や地域住民の交流などを図る。
区域は溝口区中山の白山公園周辺の約2ヘクタールの私有林で、所有者が高齢化し、手入れが行き届かない現状にある。シカやイノシシなどが出没し、農作物への被害は増大の一途。そのため、密林化した竹を切ったり、ヒノキや杉を間伐したりして、せい息しにくい環境を作る。将来的には、アジサイやツツジなどを植え、散策できるように整える考え。間伐材は木炭やまきストーブ、竹は竹炭などに活用する。
22日の作業には、メンバー11人が参加。切り倒した竹を竹炭用にビーバーなどで長さ90センチに切りそろえるなど、メンバーは汗を流しながら黙々と作業をこなした。
中山代表(48)は「継続した活動が必要で、みんなの力がなければできない。竹材などの活用方法を考えながら、楽しみに前向きに取り組みたい」と話している。
元気組は県の「元気づくり支援金」を受け、活動に必要ななたなどの道具を購入した。 -
宮田村津島神社祇園祭、勇壮に本格的な夏の到来告げる
“天下の奇祭”と呼ばれる宮田村津島神社祇園祭は21日あり、名物のあばれみこしが神社周辺の中心商店街を練り歩いた。梅雨空を吹き飛ばす迫力で、埋め尽くす観客も巻き込んで熱気に満ちた。
18歳から60代後半までの「奉仕者」と称される担ぎ手が、勇壮にみこしを運行。5時間近く練り歩き、神社石段からみこしを豪快に投げ落とす「打ち壊し」で最高潮に達した。
原形をとどめないまでにみこしを粉砕。その破片は厄除けになるとされ、見物客も一緒になり奪い合う光景がみられた。 -
伊那消防組合 資機材搬送車導入
伊那消防組合は13日、本年度予算で整備した資機材搬送車両=写真=の入魂式を伊那消防署で開き、組合長や本部、各消防署職員ら約20人が出席した。
車両は昨年12月、「長野いすゞ」の創立60周年記念の一環で寄贈を受けた2トントラック。同組合はパワーリフト、赤色回転灯、サイレンアンプなどの積載品を取り付けるなどして、組合初となる緊急車両としての資機材搬送車を導入。整備費は250万円。
パワーリフトが整備され、コンテナや資機材の積み下ろしを迅速、安全、確実に行うことができ、関係者は「効率よく作業ができる」と話している。 -
高遠、高遠北、長谷の3小学校2年生交流
伊那市の高遠北小学校で12日、2年生による同校を含む高遠、長谷小学校3校の交流会があった。遊びなどの交流を通じて、校外での友だちの輪を広げる目的。年間3回を企画していて、初回のこの日、子どもたちはドッチボールなどをして楽しんだ=写真。
交流会に高遠小41人、高遠北小10人、長谷小7人の計58人の児童が参加した。フォークダンスを一緒に踊ったり、各児童が作った自分の名刺を新しい友だちに配ったりして交流。名刺には自分の好きな食べ物や遊びを記入するなどの工夫があった。
高遠小学校の林千尋ちゃん(8)は「一緒に遊べておもしろかった。ちょっとだけ友だちも出来た」と話していた。
今後の予定としては、プレゼント交換や各学校の紹介などのイベントを開き、交流を深めていく。 -
県少年友の会連合長表彰
伊那署で3日、県少年友の会連合会長表彰の伝達表彰があり、伊那市長谷の農業西村久子さん(72)が小嶋惣逸署長から表彰状を受け取った=写真。
西村さんは、同署が委嘱する伊那少年友の会員として約20年間活動。毎月の計画的な実施のほか、高遠城址(し)の観桜期などにも街頭補導を実施したり、地区女性部で防犯啓発チラシを配布したりと積極的に取り組んでいる。
また、年十数回、地域の老人ホームで「入浴サービスボランティア」をするなど少年育成に限らず、幅広く活動している。
少年非行防止活動に尽力し、少年の健全育成に貢献したことが称えられた西村さんは「これからも犯罪のない明るい街づくりに貢献したい」と話した。 -
南アルプス開拓者をしのび、安全登山誓う
南アルプスの開拓者、竹沢長衛翁をしのび、安全な登山を誓う第49回長衛祭(実行委員会主催)が30日、北沢駒仙小屋横であった。
碑前祭の祭文で、小坂市長は、山小屋の新設や遭難救助などに当たった長衛翁の業績を思い起こし、南ア世界自然遺産登録に向けた運動に触れ「国家的資源である南アルプスを幅広い視野で安全確保、自然保護に努めなければならない」と述べ、登山客の安全を祈った。
アトラクションで、アルペンダンスや弦楽四重奏の演奏があった。
アルペンダンスでは、民族衣装を着た長野市のアルペンダンス愛好会メンバー22人がチロル地方の踊りを披露。参加者も輪に加わり「アルプス一万尺」を楽しんだ。
30日は、日帰り希望者5人が仙水峠(標高2264メートル)へ登り、1日は日本百名山の一つ、東駒ケ岳(標高2967メートル)への記念登山がある。市境を歩く「平成の大検地」を兼ね、地元を中心に、長野市や東京都など82人が参加する予定。 -
花ろまん(18)バラ(下)
かつて16世紀のフランスのバラの詩人、ロンサールは「恋びとよ、見にゆかん 花薔薇(そうび)けさ紅に 陽に解きし その衣 くれないの 重なりも」と歌い、ボードレールはバラは「美しくあれ、そして悲しくあれ」と言った。アイルランドのトマス・モアが生と滅びを表現した「夏の終りの薔薇」の哀愁を帯びたメロディーは、日本では「庭の千草」で知られている。蕾から開ききるまで、刻々と姿を変え、絢爛豪華に咲けば、咲くほどに、文学に登場するバラは、悲哀と滅びを内包し、見る者のロマンをかき立てる。今回は高地に咲くバラの特集、伊那市の高遠しんわの丘ローズガーデン、長谷のみらい塾、山荘ミルクを取材させていただいた。(大口国江)
##(中見出し)
「アンネのバラ」から修景バラまで108種類、4380本が咲き競うしんわの丘ローズガーデン
花の丘公園西側、標高800メートルに位置し、6月1日にグランドオープンした。直立性や株立などの大輪、土手を利用した這性のバラ、修景バラなど。花びらが幾重にも重なるロゼット咲き、包みこむカップ咲き、剣弁高芯咲き、半八重咲き、一重咲きと様々な花が見られ、さながらバラの見本園のようだ。
明日への希望を抱きながら、非業の死を遂げた、少女、アンネ・フランクのために作られたバラ「スヴニール・ドゥ・アンネ・フランク」。上品な雰囲気の「プリンセス・ド・モナコ」。花びらの重なるフリルがかわいい「ほのか」。
房状で花色は白から次第に淡緑色に変わる「緑光」。輝く黄色「サプライズ」、ピンク色で裏白の花が波のような「ケアフリーワンダー」。
真紅の大輪、存在感のある「オクラホマ」。黄色から赤色に変わる「栄光」-など色々楽しめる。
##(中見出し)
有機堆肥「あきら」で1・5倍の大輪に、珍しい咲き分けもある長谷蔵の宿、みらい塾(市ノ羽幸子さん経営)
伊那市長谷黒河内にある蔵の宿みらい塾は標高900メートルに位置し、今、数10種類400本のバラが見頃を迎えている。
市ノ羽さんが1番好きな花というアンネ・フランクのバラは40本植えて、小道を作る。花色は赤から黄色と変化しつつ、晩秋まで咲き続ける。
花弁数50枚、下向きに咲く、上品で優雅なピエール・ド・ロンサールもお気に入り。
個性的なのは、白地に濃いローズの縞が入る、カップ咲きからロゼット咲きに変化するボローニャ。今年は咲き分けで濃いローズ1色の珍しい花が咲いた。「昨年、新品種として発表されたばかり」とか。
レモンのような香り、剣弁高芯咲きの「ブルームーン」゜壁面いっぱいに鮮やかな花をつける「カクテル」などのほか、色とりどりの木立性大輪や、垣根に這わせた修景バラもあるが、いずれも、花の大きさが通常の1・5倍ほどある。その秘密は、幸子さんの夫で、アルストロメリア栽培の晧さんが開発した有機堆肥「あきら」にあるとか。
「バラは早朝から夜まで、1日中見ていても飽きない。バラの香りに包まれてティータイムを」と喫茶も営業する。
このほか予約で食事も提供、蔵で宿泊もできる。詳細は(TEL98・2168、email miraijuku1038@yahoo.co.jp)
##(中見出し)
自然と融合するバラたち 横山山荘ミルク向山美絵子さん。
標高千メートル、緑の里山をバックに1万平方メートルの広々としたフィールドに立つ、山荘ミルク。サルの食害に遭い、野菜からバラに切り替えた。前庭はモダンローズ、畑側はオールドローズ、山際はイングリッシュローズとエリアを決めて植栽した。ホールから庭、玄関前、庭の入口など効果的にアーチを配し、スタンダード仕立てで高低差をつけた。
淡いピンク、クラシカルな花形の「シーザー2005」のアーチ。青みを帯びたピンクの花びら、わずかな風にも揺らぐ「ディンティー・ベス」。紫系の一重、和のテイストを持つ「たそがれ」。真紅で存在感のある「ウィンショッテンアンティーク」など。
四季折々色とりどりの花をつける宿根草、明るいグリーンから深緑、美しい斑入りなど百種類余のギボシがバラを引きたてている。「標高が高いため、朝夕の寒暖の差が大きく、花色が冴えている。葉の色がいいとお客様にほめられる」と笑顔を向けた。
山荘ミルクは月、火曜日定休。営業時間午前11時縲恁゚後5時(夜、休日は予約のみ)(TEL72・9990) -
伊那消防組合 規律訓練
伊那、高遠、辰野、箕輪消防署でつくる伊那消防組合は26日、伊那市の市民体育館、県伊那勤労者福祉センター体育館で規律訓練をした。訓練は26、27日の両日、組合署員約120人が実施。各署員らは、日ごろの消防業務に生かすため規律の保持と迅速的確な行動を訓練で学んだ。
初日は、組合署員66人が参加。30人ずつの小隊編成・隊列整とんとして、行進間、停止間の動作や敬礼方法などを指揮者の指示に従がって訓練した。署員らは真剣な表情で取り組み、律心の向上を目指した。
あいさつに立った伊那消防組合消防本部の登内正史次長は「それぞれの動作を確認しながら、年一回の訓練で大きな声と汗をかいてもらいたい」と呼び掛けた。
小隊編成の訓練に取り組む組合署員ら -
伊那まつりのポスター決まる
伊那市の「第35回伊那まつり」ポスター原画審査会は15日、市役所であり、市内の中学2年生から募った作品から最優秀賞1点、優秀賞6点、佳作33点が決まった。最優勝賞はに、市イメージキャラクターの「イーナちゃん」と竜、花火を独自のセンスで描いた高遠中学校の伊藤理図さんの作品が選ばれた。
「イーナちゃん」や新市の市章などを題材にした作品を中心に全6中学校から388点が集まった。原画は、伊那まつり実行委員会総務広報委員、教育長ら約20人が意見を交わしながら審査した。
審査員の一人の高遠高校美術科教諭の北原勝史さんは、最優秀賞作品について「イーナちゃん、竜、花火を題材にした作品が多い中で絵画的に描かれているのがよい。工夫しているし、申し分ないおもしろさがある」と評価した。
最優秀賞、優秀賞に選ばれたのは次の皆さん。
▽最優秀賞=伊藤理図(高遠中学校)▽優秀賞=久保村佳音(伊那)伊藤里美(伊那東部)菊島諒奈(春富)塚越涼太(西箕輪)長谷川道華(高遠)西村ひかり(長谷)
伊那まつりポスター最優秀賞・伊藤理図さんの作品 -
伊那防犯協会連合会が定期総会
伊那防犯協会連合会(会長=小坂樫男伊那市長)の定期総会が15日、伊那公民館であり、07年度事業計画、予算などを原案通り可決した。総会前には防犯活動に貢献し、県防犯協会連合会賞などを受賞した6人、2団体を表彰した。
本年度は「安全・安心を実感できる地域社会づくり」を目標にかかげて活動。防犯意識高揚のための事業、防犯ボランティア活動に対する支援事業、少年の健全育成に対する支援事業竏窒ネど5事業を計画重点とした。
表彰された個人、団体は次の皆さん。
【県防犯協会連合会功労】▽個人=山下末廣(伊那防協連合会)
【伊那防犯協会連合会功労】▽個人=堀田弘子(伊那市防協)赤羽要(美篶地区防協)唐沢千春(高遠地区防協)池上啓子(伊那エンジェルス隊)福沢秀美(伊那エンジェルス隊)▽団体=箕輪東小学校みまもり隊(代表・丸山全二)箕輪南小学校みまもりたい(代表・中村喜男) -
高遠消防署が水難救助訓練
伊那市の高遠消防署(蟹沢昭二署長)は6日、高遠ダム湖の海洋センター付近で水難救助訓練を実施した。川遊びなどのレジャーシーズンを迎え、水難事故防止を図るためボートを使用した救助訓練に全署員の18人が参加した。同訓練の実施は、新市誕生後初めてとなる。
高遠ダム、美和湖などの湖を管内に有する同署独自の訓練。水難事故が発生したと想定し、救助隊が伊那消防署から現場に到着するまでの間の初動救助体制の確認を目的としている。また、市町村合併の人事異動により、経験の少ない署員の育成のため実施した。
ゴムボートの組み立てなどの取り扱い方法を中心に訓練。5人1組でボートに乗り込み、要救助者に見立てた目標物に向かって操船し、地上で待機している救急車に救助者を受け渡す動作を確認した。夜間を想定し、湖岸からは現場をライトで照らしたりもした。
蟹沢署長は「高遠ダム湖などの湖を持っている同署では、水難事故が発生する可能性がある。有事の際、迅速な対応ができるよう訓練を続けていきたい」と呼びかけた。
水難救助訓練でゴムボートから救助者を地上へ移動させる署員ら -
秋葉街道 道普請隊を募集
伊那市の人材バンク「南アルプス自然体験ネットワーク」の「秋葉街道・道普請隊」は16日、長谷を南北に貫く古道、秋葉街道の復旧整備に当たる。13日まで、隊員50人を募集中。
作業区間は黒河内縲恍・フ約3キロで、街道の石をどかしたり、崩落個所を通行できるようにしたりと歩行者の安全を確保する。体力や能力に応じて作業を分担するため、家族での参加も可能。
当日は長谷総合支所駐車場へ集合し、午前8時半縲恁゚後3時、作業する。
参加料は500円(保険代含む)。持ち物は昼食、水筒、軍手など。
希望者は、申込書に住所、氏名など必要事項を記入し、長谷総合支所産業振興課内ネットワーク事務局(TEL98・3130)へ申し込む。
主催者は「先人が歩んだ古道を整備しながら、江戸時代から続く歴史に触れてみませんか」と参加を呼びかける。
市は散策に必要な看板などを設ける計画で、整備終了後は街道を歩くイベント開催を考え、観光資源に生かす。
秋葉街道は、静岡県の秋葉神社参拝に使われた道。昨年2月、「秋葉街道発掘調査隊」を発足させ、江戸時代の絵図などをもとに、1年かけて調査して道筋を確認した。 -
山菜採りで行方不明の男性見つかる
6日午前7時28分、伊那市長谷の尾勝谷(三ツ石山)に山菜採りに出掛けたまま行方不明になっていた、宮田村の会社員宮下肇さん(53)の安否が確認された。
伊那署の調べによると、宮下さんは友人と2人で5日午前8時から、山菜採りのため入山していたが同日午後3時ごろ、仲間と離れたまま所在が分からなくなっていた。
届け出を受け、6日午前6時40分から捜索していた隊員らが、自力で下山してきた宮下さんを発見した。 -
浦国有林でクリーン活動
南信森林管理署は6日、伊那市長谷の浦国有林の林道沿線でクリーン活動を展開した。職員や同署事業関係請負事業者など約25人が参加。林道の入り口から延長17キロの区間でごみ拾いや巡視をした=写真。
国有林内でのごみ拾いはしばらく行っていなかったが、登山や山菜取り、釣りなどを目的とする一般の人が国有林内の立ち入り禁止区域まで入り、不法投棄するケースも増えているため、不法投棄防止の呼びかけの意味なども含めてクリーン活動を行うことにした。
参加者は4班に別れ、それぞれが約4キロの区間を点検。入り口付近にはブルーシートや銅線などといった大きなものからペットボトル、空き缶などの一般ごみまで散乱しており、参加者はそれらを分別しながら丁寧に拾い集めた。
職員の一人は「ここから立ち入り禁止となっているので、ここまで来て捨てて行く人も多いのだと思う」と話していた。 -
伊那署協議会 委員委嘱
伊那警察署協議会の委員委嘱式が1日、同署であった。委員の任期(2年)満了に伴う式で、再任7人、新任8人の計15人に対し、県公安委員会の委嘱状を小嶋惣逸同署長が受け渡した=写真。
同協議会は、警察が住民の声に基づいて行動するような仕組みを確立するため、01年6月に発足した制度。委員委嘱した地域住民の警察に対する要望や意見を反映させながら業務運営を改善するなどの目的がある。
委嘱式の後、本年第1回目の協議会を開催。「大量退職時代を迎えての優秀な人材の確保と若い警察官の育成」について、住民の意見を聞いた。協議会は年間4回あり、その都度、テーマを設けて話し合う。 -
長谷でシコクビエの機械栽培開始
昔ながらの雑穀で地域おこしを竏秩B伊那市長谷のレストラン経営・吉田洋介さん(39)と農業・春日孝徳(72)などが4日、イネ科の雑穀・シコクビエの本格栽培を開始した=写真。移植作業から脱穀、除草まで各工程で既存の機械を用いることで省力化を実現。増加する高齢農業者にも取り組み易い作物となっている。また、水田をそのまま利用することができるため、遊休農地の解消や転作田の有効活用にもなると期待している。
取り組みは健康志向の広まりとともに付加価値が高まっている“雑穀”に着目したもの。今は途絶えてしまった在来の雑穀を復活させるとともに特産品化を図り、地域振興につなげていこう竏窒ニ、信州大学農学部の井上直人教授の研究室とともに昨年から試験栽培を進めてきた。
その結果から本年度は、機械化し易く、有害鳥獣被害もなかったシコクビエを本格的に栽培していくことになった。
この日は約12アールの水田にシコクビエの苗を田植え機で移植。井上教授によると、シコクビエはビタミンやミネラルが豊富なほか、肌の代謝に有効なパントテン酸も多く含まれているという。そのほかにも今年はモチアワ、アマランサスなどを栽培する。
一方、販路拡大は今後の課題となるが、吉田さんは「現在日本国内に出回っているシコクビエのほとんどが輸入品。需要はあるが供給が追いついていない状況にある」と期待を示す。
当面は吉田さんが経営するレストランで調理に用いたりホームページを通じて販売していく。
収穫は10月下旬の見込み。 -
伊那市観光基本計画のまとめを市長へ報告
伊那市の観光基本計画策定委員会(秋山智弘委員長)は31日、総合産業としての観光振興を目指すため、このほどまとめた市観光基本計画の内容を小坂樫男市長へ報告した。秋山委員長や藤沢秀敬副委員長、アドバイザーの森田芳夫氏ら4人が市役所を訪れた=写真。
計画は、新市発足に伴い、観光振興の基本理念や展開方策などを明かにする目的。「パノラマ伊那市」を表示理念とし、同市の立地、観光特性を端的に表現するとともに観光施策の展開を目指すため、委員らが約50時間かけて策定した。
掲げた基本方針は▽新市にふさわしい観光のまちづくり▽多彩なニーズに対応した魅力ある観光地づくり▽市民参加型の観光体制の構築▽観光客受け入れのための環境整備竏窒フ4点。
観光基本計画の概要は市報7月号の配布に合わせ、市民に周知する予定。今後は6月中旬を目標に同策定委員を中心とした構成で観光計画推進協議会を立ち上げ、年次ごとの実施計画をつくっていく。
小坂市長に観光基本計画の内容を報告する秋山委員長(右)ら