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伊那市議会総務委で風力発電計画中止求める陳情採択
伊那市議会総務委員会は18日開き、入笠山・鹿嶺高原周辺で民間企業2社が検討している風力発電計画に対する賛否の陳情10件を審議し、計画中止を求める7件を採択、推進の3件を不採択とした。12月定例会最終日の20日、市議会で決議し、市はこれを踏まえて態度を示す見通しだ。
継続審査を賛成少数で不採択としたうえで陳情の採決を図り、委員長を除く委員7人のうち4人が計画の反対を支持。いずれも風力発電による自然エネルギーの有効性を認めたうえで「(計画場所については)自然、生態系、景観の破壊につながり、深刻な問題になる」「全国有数の山岳地帯で環境破壊についての問題は避けられない」などと指摘した。
希少猛きん類への影響の点では、イヌワシやクマタカのペアが確認されていることなどを挙げ「自然保護が必要な場所だ」と強調。景観面では、市などが南アルプスの世界自然遺産登録に向けて乗り出したことからも「影響は甚大なものであり、確実に登録されなくなる恐れもある」とした。
計画を推進する委員は「CO2の削減はしなくてはならない。風力発電は必要といいながら、だめだというのは無責任。子どもたちにきれいな空気を残すためにも、地球環境を守るべき」などと反論した。
鹿嶺高原から入笠山にかけた尾根伝いで検討していた三峰川電力の大西英一所長は結果を受けての取材に「今の時点で何も申し上げることはない。本議会での決議を見守りたい」とするに留まった。
一方、反対署名3万余人分を集めた山岳団体や自然保護団体などでつくる署名連絡会事務局の北原功さんは「本会議を控えて手放しでは喜べないが、環境を考えての結果は非常にうれしく思う。自然は金には替えられない」と話した。 -
ふれあいバザールinいなっせ開催
伊那市内の共同作業所5施設による「ふれいあいバザールinいなっせ」が16日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。各施設の自主制作している織物や焼き物、クッキーなど約600点が販売されたほか、革細工の体験コーナーや織り機を使った実演などもあり、訪れた人を楽しませた=写真。
自主作品の販売で得た代金を利用者に還元するとともに、地域の人に共同作業所への理解を深めてもらおう竏窒ニ始まった取り組み。施設同士が交流を深め、お互いの自主作品を知る機会にもなっている。
伊那地区からは伊那市共同作業の家「ゆめわーく」、「輪っこはうす」のほか、今年から「コスモスの家」も参加。高遠町の「高遠さくらの家」長谷地区の「ひまわりの家」も、昨年から引き続き参加している。
自主作品に加え、星型のキャンドルや紙粘土で作ったもみの木のオブジェ、シクラメンなどこの時期ならではの作品もあり、利用者も「いかがですか」と来場者に呼びかけていた。
各施設では、企業などから受ける請け負い作業の傍ら、自主作品作りに取り組んでいる。 -
市が長谷学校給食共同調理場を職員表彰
伊那市は、地域食材を使った給食の提供を評価するとともに、全国学校給食甲子園で優勝した功績をたたえ、長谷学校給食共同調理場を職員表彰した。
同調理場は、日々地域食材を豊富に取り入れた献立を考案し、安全でおいしい給食を175人分調理して、長谷の小中学校に提供している。11月にあった給食甲子園では、地元産の野菜や米などをふんだんに使ったメニューで、出場した全国1514校の頂点に立った。
市役所で14日夕開いた表彰式は、調理場長の西牧健史・長谷中学校長、栄養士の埋橋恵美さん、給食技師の松本ひろみさん、二瓶真美さん、春日雅子さんの5人が出席。調理場の様子や苦労話、甲子園のエピソードなどを紹介した。
小坂樫男市長は「全国で優勝したことは市にとって快挙。日ごろの努力に感謝するとともに、これからも体も心も健康になるようなおいしい給食を提供していってほしい」と激励。西牧校長は「これを励みに一層精進したい」と述べた。 -
長谷保育園でもちつき大会
伊那市の長谷保育園で15日、もちつき大会があり、園児たちが大きな掛け声とともに一生懸命きねを振り下ろした。
恒例行事で、毎年きねと臼を使った昔ながらのやり方で体験している。園児たちは子ども用の小さいきねで「よいしょ、よいしょ」「ペッタン、ペッタン」と職員に支えられながらついた。つきたてのもちは一口サイズに丸め、きな粉やごまなどをまぶして味わった。
この日は、7月から給食に野菜の提供を受けている地元の農業女性グループ「麦わらぼうしの会」のメンバー3人も招待。一緒にもちつきや会食をしたほか、感謝の気持ちを込めて、園児手づくりのプレゼントを贈った。 -
風力発電事業 長谷地域協はおおかた賛成
第4回長谷地域協議会が15日あり、入笠山縲恷ュ嶺高原周辺の風力発電事業について、委員の意見を聞いた。「山岳地帯での風力発電の先進地になる必要はない」と慎重論も出たが、賛成が多かった。
小坂市長は、市議会に提出された風力発電事業の賛成・反対の陳情に対し「今議会で継続審査となった場合、判断はしない」との考えを示した。
協議会には、全委員の15人が出席。
市側が風力発電事業の概要などを説明し、委員一人ひとりが考えを述べた。
「事業が具体的に見えてこない」という委員もいたが、おおかたの委員は賛成で「事業によって作業道ができれば、山林の管理ができる」「長谷住民4分の3に相当する署名の総意を受け止めていほしい」「循環型エネルギーを使っているところとしてむらづくりができる」など事業推進が地域の活性化につながるとした。
反対の一つに挙がる景観への影響は「悪いということが理解できない」「風力を観光にしているところがあり、問題にならないと思う」などが出た。
また、事業に対する情報不足の指摘、慎重審議や市議会との意見交換の場を求める意見も出た。
小坂市長は協議会終了後「企業のある地元は当然、賛成が多いかなと思う。意見を参考にしながら、市全体の考えを決めていく。議会の判断を見守る」と話した。 -
長谷保育園児が地元のお年寄りと交流
伊那市の長谷保育園(宮下瑞穂園長)で12日、地元の高齢者クラブとの交流会があり、園児たちが歌や踊りなどを披露したほか、一緒に給食を囲んで楽しんだ。
同保育園では毎年年数回、地元の高齢者クラブと交流の機会を設けている。今年はこれまでに、昨年交流のなかった黒河内、溝口、杉島地区の各クラブを招いて、ヨモギ団子作りや、七夕飾り、運動会など季節に合った内容で交流した。
この日は今年最後で、非持山地区のクラブと長谷地域の一人暮らしのお年寄り合わせて約30人を招待。年長から3歳未満児の各クラスごと、歌や踊り、劇遊びやオペレッタを元気よく発表した。
また、園児たちは「おじいちゃん」「おばあちゃん」と駆け寄っては会話をしたり、各クラスにお年寄りが分かれて給食も食べ、互いに一緒に過ごす時間を楽しんでいた。 -
長谷保育園で生活発表会
伊那市の長谷保育園(宮下瑞穂園長・46人)は9日、生活発表会を開いた。歌や合奏、劇などでこれまでの園児の成長を披露。会場に集まった約100人の保護者らは笑顔で見守った=写真。
未満児から年長児までの4クラスがそれぞれ2演目ずつ披露のほか、保護者や保育士らも参加し、計11プログラムを展開。パジャマの着脱や衣服をたたむなどの生活面での成果も発表した。
年中の「すみれ組」は、ちびっこ忍者にふんして運動遊びやダンスをステージで繰り広げた。子どもたちは、「○○忍者、跳び箱します」などと元気よく自己紹介すると、軽やかに跳んで見せた。
保護者たちは、ビデオカメラなどで我が子の成長の記録を撮影しながら、大きな拍手で応えていた。 -
長谷道の駅のレストランで料理教室
伊那市長谷の道の駅・南アルプスむらにあるレストラン「野のもの」(吉田洋介代表)で12日、まきストーブを利用した料理教室があり、市内外から集まった主婦たちがピザなどの焼き方を学んだ。
講師は、イタリア料理のシェフであり、手づくり生パスタを販売する東春近の渡邊竜朗さん。まきストーブを備える同レストランが調理への活用法の指導を依頼し、料理教室を計画した。
渡邊さんは「まきストーブで生地を作ると驚くほど違い、確実においしくなる。イタリアでもまきを使っている店は看板に書いて特徴づけるほど」と利点を紹介。「まきを立てて入れることで火の広がりが早い」「火力調整のために細いまきを使うといい」などとアドバイスした。
参加者たちは「フォカッチャ(パン)」、「ピザ」、「鶏の赤ワイン煮」の3品に挑戦。おいしさを引き出す料理のコツなども教わり、メモに取ったりして熱心に耳を傾けていた。
駒ヶ根市の主婦(53)は「家のまきストーブで1度料理してみたかった。詳しい説明をしてもらえたので一つ一つがわかりやすく、来てよかった。さっそくやってみたい」と話していた。 -
長谷親子ふれあい広場でクリスマス会
伊那市長谷の親子ふれあい広場で7日、クリスマス会があった。21組約50人の親子が集まり、サンタクロースから子どもたちへのプレゼントがあるなど、一足早いクリスマスを楽しんだ。
親子が折り紙でサンタやトナカイ、ツリーなどクリスマスにちなんだものを作って遊んでいると、保健福祉課の職員が扮(ふん)したサンタが登場。子どもたちは「サンタさんだ。サンタさんが来た」と大はしゃぎしながら駆け寄った。
一人一人プレゼントを受け取ると「サンタさんありがとう」と大喜び。早速、中身のおもちゃを使って遊び、楽しいひとときを過ごした。
広場は旧長谷村から続く事業で、まちづくり拠点施設「気の里ヘルスセンター栃の木」を週1回、未就園児の親子に開放。保護者たちの子育てにかんする情報交換の場や、子ども同士の関わりを深める機会にしている。
1才児をもつ非持の主婦(30)は「(広場では)ほかのお母さんから子育てのアドバイスも聞けるし、子どももほかの子に刺激されて成長が早い。クリスマス会を含めていろんな企画もあり、子どもも私自身も楽しく生き生きと過ごせる場です」と話していた。 -
手作りしめ飾りで新年を 長谷地域青少年育成会
伊那市の長谷地域青少年育成会は2日、長谷公民館で、恒例の「親子しめ飾り教室」を開いた=写真。地域内の親子27人が参加し、良い新年を迎えるため、しめ飾り作りに挑戦した。
親子の交流と伝統文化の伝承を目的とした教室。旧長谷村の元教育長の伊東耕平さんを講師に招き、地元で取れた稲のわらを使って、参加者らが思い思いのしめ飾りを制作した。
経験者は2人で残りの人は初心者。わらに・スより・スを掻けていくのに苦労していたが、次第にコツをつかむと、指導者も「うまくできた」と太鼓判を押す作品が完成した。
2年目の参加となった中山晴貴君(長谷小3年)は「昨年よりうまくできた」と満面の笑み。周りの保護者らは「地域の人に教えてもらい子どもたちが受け継いでいってくれれば」と話していた。 -
三峰総 「川下り米」の味検証
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は20日、伊那市長谷にある美和ダムの堆積(たいせき)土で育てた「川下り米」の味を検証するため、長谷保育園の園児たちを対象に試食会を同園で開いた=写真。園児たちの反応を見て所員らは、土の新たな利活用の可能性に手応えを感じた様子だった。
三峰総は、ダムの機能を維持するため大量の堆積土を掘削し、ほ場整備などに活用してきた。ミネラルを豊富に含んだ同土は、家畜飼料、育苗土などの活用研究、野菜への適用性などの検証もしている。
園児たちは、堆積土を20パーセント混ぜた土壌で育てた米と、混ぜていない土壌で育てた米をおにぎりにして食べ比べた。年長児16人にアンケートしたところ、14人が「川下り米」の方がおいしいとの結果が出た。
三峰総では、18日に「道の駅・南アルプスむら」であったイベントでも試食会を開き約200人にアンケート。7割以上が「甘い」などの感想で「川下り米」に票を入れたという。
関係者は「厄介ものの土を使ってもらえる受け皿があることが分かった。アンケートを分析し、堆積土の今後の活用方法を検討していきたい」と話している。 -
長谷道の駅・南あるぷすむら食の感謝祭
伊那市長谷の道の駅・南アルプスむらで18日、第1回「食の感謝祭」があった。地元で採れた野菜の販売、雑穀を使った料理の試食など多彩に繰り広げ、「長谷の食の魅力」をアピールした。
長谷地域は、多種類の野菜や雑穀などを栽培して特産品の開発を進めている。今春リニューアルした道の駅に地場産物直売所、地元食材を使ったレストランも新たに加わり、祭りで特色ある食を広くPRすることにした。施設を運営する振興公社、生産者組合、民間団体など関係者でつくる実行委員会が計画した。
イモ類、ネギ、ハクサイ、ゴボウなど新鮮な野菜を中心とした地元産物の販売コーナーでは、「地元で採れたものですよ」と強調しながら宣伝。「これはいい野菜だね」と大勢が買い求めていた。
黒米のおにぎりや、ヤーコンのきんぴらの試食、五平もち、おやき、ソバの提供のほかに、全国優勝した学校給食の試食も人気を集め、会場は多くの人でにぎわった。 -
南ア林道バス今季も無事故で運行終了
伊那市長谷の戸台口から北沢峠まで、南アルプス林道を結ぶ市営バスが15日、今季運行を終了した。7月の豪雨の影響で利用客数は01年度以来5万人を切ったが、紅葉シーズンは昨季を上回るにぎわいを見せた。営業開始から27年間、94万600人を無事故で運んでいる。
利用客数は前年比約3千人減の約4万7300人。夏山シーズンのピーク突入時に豪雨が重なり、団体客(15人以上)のキャンセルが相次いだことなどによるもので、7月だけで前年比約5千400人減だった。
最終日は利用した9人全員に来季の乗車券の引き換え券を、最終便に乗車していた2人には記念品も贈った。
終了式には運転手ら職員約15人が出席。市商工観光課の御子柴泰人課長は「無事故でこられているのも皆さんの努力の結果」と労をねぎらい「喜んで利用してもらい、また来てもらうことが大事。鋭気を養ってもらい、来季に向けてほしい」と述べた。 -
オペラの発展学ぶ 長谷公民館で生涯学習講演会
作曲家、指揮者、ピアニストとして有名な青島広志さんを招いた「生涯学習講演会inはせ」は12日、伊那市の長谷公民館で開いた。市内から約180人が集まり、青島さんのピアノ伴奏に平松混声合唱団長の小野勉さんが声楽(テノール)で参加した演奏を楽しんだ。
長谷地区文化祭に合わせた恒例の講演会。青島さんは「オペラからミュージカルへ」と題して、西洋の娯楽の中心であった舞台芸術のオペラの発展を語るため、年代を追いながら代表曲10曲を演奏し、それらの作曲家や劇内容について説明した。
「昔は宗教に縛られ男性しか出演できなかった」「時代が変るごとに高音が使われるようになった」などの説明の中にも冗談を交えて講話。生誕250年のモーツアルトなども、分かりやすくおもしろい切り口で教授した。
酒井さや香さん(32)=長谷非持=は「オペラについての豆知識を知り、オペラに興味がわいた。とても分かりやすく、楽しい解説だった」と話していた。 -
南アルプス世界遺産登録に向け山梨連絡協が来伊
南アルプスの「世界自然遺産登録」を目指し、山梨県連絡協議会(会長・石川豊南アルプス市長)のメンバーが13日、伊那市を訪れ、長野県側の関係自治体による連絡協議会の設置を要請した。小坂市長は「登録されればなお一層、南アルプスの価値がでてくる」と推進に積極的な姿勢を見せた。
南アルプス市が静岡市から登録運動への協力の要請を受けて乗り出すことになり先月、北杣市、韮崎市、早川町との山梨県内関係4市町の首長や議長ら12人で連絡協を発足させた。効果的に推進するための総合調整や、必要な資料の収集、自然環境の保全と地域振興などに関することを協議していく。
当面は、南ア国立公園をもつ長野県の4市町村、静岡県の2市町、山梨県の4市町で各連絡協を設置、年度内に3県全体の推進協議会を立ち上げて、来年度から登録実現に向けた運動を展開していきたい考え。
県内の関係自治体は、伊那市、飯田市、富士見町、大鹿村。石川会長は「長野県側の取りまとめを伊那市にお願いしたい」と求めた。
これに対し、小坂市長は前向きな姿勢をみせつつ、南アふもとの伊那市長谷、大鹿村や下条村に残る歌舞伎など古い民俗芸能を踏まえ、「複合遺産」としての登録を提案。石川会長は、長野県の連絡協で内容を詰め、推進協で検討したい、とした。
山梨県連絡協によると、全体の推進協設置後は、03年に世界遺産の候補地に関する国の検討会で指摘された問題や課題を整理し、南アの学術的な価値を調査・研究するなど、登録に向けた検討を多面的にし、実現への方策を進める。 -
伊那防火管理協会 消火通報コンクール
伊那市など4市町村の企業でつくる伊那防火管理協会(藤澤洋二会長)は10日、消火通報コンクールを伊那市営プール駐車場で開いた。消火器操法など2種目に11事業所から16チームが参加し、訓練の成果を披露した=写真。
15回目のコンクール。消火器と屋内消火栓を正しく取り扱い災害発生時に活用すると共に、正確な119番通報の習得を目指す。
競技は、木箱とオイルパンからの出火を消火器を用いて消火する「消火器操法」と、ホースを伸ばし標的へ放水する「屋内消火栓操法」があり、それぞれ操作時間や動作の正確さを競った。
消火器操法では、用意した2本の消火器のうち、1本だけで消火するチームや、2本使用するチームなど成果はさまざまだった。
入賞したチームは次の通り。
【消火器操法】(1)伊那バス(2)中部電力伊那営業所(3)石川島汎用機械B
【屋内消火栓操法】(1)中部電力伊那営業所(2)石川島汎用機械(3)伊那市役所 -
風力発電事業計画・猛きん類影響評価検討委員会第2回
伊那市の入笠山から鹿嶺高原で風力発電事業を検討している総合商社・丸紅と子会社の三峰川電力は9日、希少猛きん類等への影響評価検討委員会の第2回会合を伊那市高遠町の総合福祉センターで開いた。事業者が委託した日本気象協会による渡り鳥への影響調査の結果から「計画地は渡りの主要ルートではない」と評価した。
渡り鳥への影響調査は、渡りが盛んな9月から10月にかけて実施。調査結果によると、主な渡り鳥のサシバ、ノスリ、ハチクマは松本市の白樺峠で合わせて約9千羽(昨年約6800羽)だったのにに対し、計画地周辺の観測地では110羽(同46羽)を確認。渡りの主要ルートではないが、秋とは渡りのルートが違う春に再度調査する。
絶滅危惧(ぐ)種のイヌワシとクマタカについては年度末までに、個体識別したうえで営巣地を含み行動圏を把握、計画地を利用する頻度を調査する。
事業者側は、営巣地や頻度の強弱など調査結果を踏まえ、風車の建設場所を変更するなど計画に反映させ、年度末に予定する次回会合でこれまでより具体化した計画案を示す方針だ。 -
長谷学校給食共同調理場が全国優勝
地元産の食材を使った献立を競う第1回「全国学校給食甲子園」=11月4縲・日、東京都・女子栄養大学=(NPO法人21世紀構想研究会主催、文部科学省など後援)で、伊那市の長谷学校給食共同調理場が見事、優勝を飾った。山里の美味をふんだんに使って、全国に「長谷の良さ」を轟かせた。
全国1514校から3次までの書類審査を通過した6ブロック代表12校が出場し、栄養士と調理師各校2人が制限時間60分内に調理。学識経験者らが栄養価などを審査した。
調理場では、栄養士の埋橋恵美さん(39)と調理師の松本ひろみさん(44)が包丁を握った。栗や豆などを入れた「五殻ごはん」、きのこや野菜たっぷりの「杣人(そまびと)汁」、特産のエゴマを使った「野菜のエゴマ味噌マヨ和え」など、長谷ならではの秋の味覚を盛り込んだ5品を調理。地域食材を9割以上使っている豊富さなどが評価を受けたという。
地域の農業女性らでつくる「麦わら帽子の会」が低農薬栽培する農産物を20年ほど前から利用していて、「(大会では)普段と代わり映えせず、メーンになる料理もなかったが、地域の学校給食への理解が大きかったと感謝している」と埋橋さん。「まだまだ長谷の良さは語り尽くせない。全国だけでなく、子どもたちにも郷土を誇れることを献立を通して伝えていきたい」と話した。
大会は、地場産物を活用した給食の紹介により、学校給食への理解と食育の推進を図る狙いがある。 -
伊那市長谷でツキノワグマ捕獲
30日午前、伊那市長谷浦で女性がツキノワグマに襲われた事件に関係し、同市長谷総合支所などは31日夜、同固体と思われるクマを、同地区杉島に設置した檻で捕獲=写真=し、1日早朝に射殺した。
同支所産業振興課の話によると、クマは体長1メートル34センチ、体重約90キロで4、5歳の雄。事件発生後、猟友会が犬を放って杉島地籍へ追い込んだと思われるクマを捕まえた。
関係者は「クマを一頭捕まえただけでは安心できない。冬眠する12月ごろまでは、民家の庭先のカキを狙ったりするので十分注意が必要」と呼び掛けていた。 -
美和土地改良区がコモンズ支援金事業として美和一貫水路脇に木製防護さくを設置
上伊那郡美和土地改良区(北原幸彦理事長)は29日、伊那市長谷の美和一貫水路脇に、延長約53メートルの木製防護さくを設置した=写真。
溝口コモンズ支援金の採択事業として昨年から整備しているもので、ここを通る小学生や農業者の安全確保が目的。紅葉や桜の時期に足を運ぶ観光客の危険防止もある。今年は事業費約60万円のうち、40万円の補助を受けた。
作業には土地改メンバーや行政職員など約60人が参加。水路への愛着を養い、後世に引き継いでいってほしい竏窒ニ、地域住民の参加も募った。参加者は協力し合いながら、昨年施工の延長上に、地元産カラマツの間伐材を使って高さ1・3メートルのさくを設置。全長約100メートルの防護さくを完成させた。
同水路は美和ダムの建設に伴い新たに整備された農地などへの水を供給している。また、生活用水、防火用水としても活用されている。 -
長谷公民館で絵手紙教室開講
伊那市の長谷公民館でこのほど、初企画の絵手紙教室が始まった。小学生から70代まで10人余が参加し、12月までの全4回、・ス心を届ける絵手紙・スの魅力を再認識しながら、習得していく。
講師はぺアーレ伊那や伊那公民館などで指導している西町の倉科照子さん。参加者たちは筆の持ち方を教わり、各自が持ち寄った柿、キノコ、リンゴなど、旬の野菜や果物、花々を題材に製作した。
「ものを全て枠に収めようとしないで、特徴を抑え、はがきからはみ出るように大きく描いたほうがいい」などとアドバイスを受けると、題材にじっくりと目を向けながら筆を動かし、最後に自由に言葉を添えて、心温まる作品に仕上げた。
初めて絵手紙を作ったという非持の女性(71)は「孫に絵手紙を出したいと思って習いにきた。なかなか難しいけど、家に帰って早速やってみたい」と話していた。
今後、公民館の文化祭(11、12日)の出品に向けたり、年賀状用の作品にも挑戦する。 -
詩吟楠洲流聖楠会東部吟詠会の吟詠発表大会
詩吟楠洲流聖楠会東部吟詠会の発表大会が29日、伊那市の高遠町総合福祉センター「やますそ」であった。会員など約90人が参加し、自慢ののどを披露し合った=写真。
発表会は34回目。今年は、それぞれのレベルに応じて競う4部門のほか、指導者レベルが吟ずる部門、昨年各部門で優勝した会員が吟ずる部門など12部門を設けた。
その中の一つ、剣詩舞の部では、「高遠城と絵島をしのぶ」をテーマとし、それにゆかりがある詩や歌を数人が吟詠。ナレーションとともに、伊藤楠洲の「高遠城懐古」や絵島節、絵島が江戸を離れる時に残した和歌などを剣舞や詩舞、舞踊を交えて吟じ、訪れた人たちを楽しませた。 -
伊那市長谷浦 自宅庭でクマに襲われ重傷
30日午前10時30分ごろ、伊那市長谷浦に住む無職の西村くにゑさん(70)が自宅の庭でクマに襲われ、顔や頭、両腕などに重傷をおった。今年に入って上伊那では2件目、伊那署管内では初めての人的被害が出た。
同署の調べによると、西村さんは、敷地内で飼い犬がほえていたため、外に出たところ、後方からクマに襲われたという。庭にあった養蜂箱を荒した形跡があることから、はちみつを狙ったと思われる。
西村さんは、襲われた後、自分の足で助けを求め、近くの男性(76)の車で近くの診療所へ搬送された。男性によると「『クマに襲われた』と叫ぶ声が聞こえて見にいくと、顔を血だらけにしていた。意識はあるようだった」と話している。
上伊那地方事務所、市、猟友会など約25人が辺りの山などを捜索するがクマは見つかっていない。同日午後4時ごろ、付近に檻を設置し、捕獲を試みている。
地元住民によると、長谷地域では約40年間、クマの被害はないという。今年に入って同地区では、5件ほどの目撃情報がある。
上伊那では本年(30日朝までに)、63頭を捕獲、14頭を処分した。8月にピークは過ぎたものの、現在でも伊那市内の西箕輪、西春近で目撃が多くあるという。
西村さんのサンダルが残された被害現場を捜査する関係者 -
伊那市長谷の学校給食共同調理場が全国学校給食甲子園へ
伊那市長谷の小中学校給食共同調理場が、地元産の食材を使った給食を競う第1回「全国学校給食甲子園」=11月4縲・日、東京都・女子栄養大学=(NPO法人21世紀構想研究会主催、文部科学省など後援)に出場する。クリやきのこ、旬の野菜を使った長谷ならではの自慢の味覚をアピールする。
地場産物を活用した給食の紹介により、学校給食への理解と食育の推進を図る大会。応募のあった全国1514校から3次審査までを通過した6ブロック代表12校が出場し、その場で実際に調理して、審査員が味や衛生面などを評価する。
同調理場では、地域の農業女性らでつくる「麦わら帽子の会」が栽培する農産物を年間94%(昨年度実績)利用。長谷中は会員との交流給食や総合学習などを通して、新鮮で安全という地元産の良さを理解し、「地域に誇りがもてる特色ある給食づくり」を目指している。
大会には栄養士の埋橋恵美さんと調理師の松本ひろみさんが出向く。献立は白米、黒米、もち米を交ぜ合わせ、豆や旬のクリを加えた「五殻ごはん」、ホウレンソウやキャベツに長谷特産のエゴマを入れた「野菜のエゴマ味噌マヨ和え」など5品。栄養価を考慮したうえ、「子どもたちが食べ慣れないえごまをみそとマヨネーズでより食べやすく」工夫するなど、味にもこだわっている。
埋橋さんは「長谷だからこその食材であり、地域の協力があってこその給食。長谷の魅力を全国にPRしてきたい」と話す。 -
南アルプスの紅葉始まる
朝晩の寒さを感じるようになり、南アルプスなど、各地の山々が紅葉で色付き始めた=写真。
ミズナラやカエデなど、さまざまな広葉樹がある伊那市長谷の浦国有林では、白い岩肌が見える頂に生えた木から紅葉が始まっており、別名ミツバハナとも呼ばれるメグスリノキは、鮮やかな紅色に変化。 -
浦国有林で国有林視察ツアー
伊那市長谷の浦国有林で16日、三峰川流域国有林視察ツアーがあった。一般や伊那市の行政関係者など約30人が参加。ここにしか自生しない貴重な植物や独特の地形について学んだり、現在治水工事の行われている荒川流域などを訪れた。南信森林管理署主催。
旧長谷村には、県内国有林の約30%が存在しているが、旧伊那市や旧高遠町の住民にはなじみが薄い。そこで、視察を通して地域住民に地域の森林への理解を促し、今後の活動や市政に役立ててもらおう竏窒ニ、林内が色付く季節に合わせて今回の視察ツアーを初企画した。
参加者は、美しく色付いた紅葉に目を奪われながら森林内を散策。この地に落ち延びた平家と関係した巫女(みこ)が身を投げたとされる「巫女淵」を見たり、八ヶ岳や南アルプスの一部にしか見られない絶滅危惧種・ヒメバラモミや、固有種・トダイハハコなどについて学んだ。
参加者の中には、昔この地に住んでいたという人もおり、「昔はこの辺にふちがあった」などと話しながら、散策を楽しんでいた。 -
長谷中文化祭企画・人文字で「新市章」
伊那市立長谷中学校で14日あった文化祭で、生徒や保護者、教職員ら総勢約130人が人文字で新市章を表現した=写真。
恒例のPTAによる催しのなかで、市立として初の文化祭に合併を記念して企画。共同で市章を作り上げ、互いの絆(きずな)を深め合った。
一人一人が色付きビニールを身につけ、3年が緑で大地を、2年が青で2つのアルプスを、1年がピンクで桜の花びらを、教職員と保護者が白で天竜川・三峰川を表し、縦7・5メートル、横15メートルの市章を完成させた。
会長の中山勝司さん(47)は「PTAでは親子のふれあいを一つのテーマに掲げるなか、生徒と保護者、教職員が全員で協力してできたので、とてもいい企画だった」と話していた。 -
伊那市長谷のNPOと信大農学部が雑穀収穫
ミレット(雑穀)を復活・普及させ、中山間地の地域活性化を狙う伊那市長谷のNPO法人「南アルプス食と暮らしの研究舎」と信州大学農学部食料生産科学科の井上直人教授の研究室は11日、長谷の田んぼで栽培してきたキビやヒエ、アワなど6品目20種を収穫した。
雑穀の栽培は「ミレット復活事業」の一環で、同地に適当な品種を調査し、普及を目指す。来年度以降は栽培面積を除々に拡大していくとともに、研究舎では品種の特性に合った料理の開発、提供も考えている。
両者は昨年12月から取り組み、全国各地で栽培されているさまざまな品種を集めて、大学の苗場には種。6月に長谷の約5アールの田んぼに苗を移植し、手を加えたのは2度の草刈りのみで、無農薬で育てた。この日は、会員や学生ら約20人が作業にあたり、種類ごとに実の部分だけを刈った。
雑穀は栄養価が高いことから井上教授は「長寿社会の現在、健康面からニーズがあり、都会では白米より高値で取り引きされている」と話し「山村の農家が主体的に栽培していければ、地域振興にもつながる」と期待していた。 -
キノコ採り中に負傷の男性救助
8日午前8時50分、伊那署、伊那消防署などは、伊那市長谷中尾の山中でキノコ採りをしていて負傷した箕輪町の男性(50)を消防防災ヘリコプターで救助した。
同署の調べでは、男性は同午前5時30分ごろ、足を滑らせて約20メートル滑落し、腰などを強打するけがを負った。一緒に山へ入った友人や通交人が携帯電話で高遠消防署(同市)へ救助を求めた。 -
南アルプスふるさと祭り
伊那市長谷で8日、南アルプスふるさと祭りがあった。地元産品コーナーや飲食ブースが並んだほか、舞台では太鼓演奏や地元の踊りなどが披露され、多くの人でにぎわった。
長谷村の時から続いている取り組みで23回目で、子どもみこしや花火大会などといった、さまざまなイベントが催されている。小学生以下でつくる子どもみこしは毎年好評で、今年は6地区が参加。さまざまなみこしで会場を練り歩き、訪れた人の目を楽しませた。
また今年は、伊那地区、高遠地区からも踊り連が参加し、ドラゴン踊りや伊那節、高遠音頭などを披露。高遠高校吹奏楽部による吹奏楽演奏などもあり、会場を沸かせた。