-
合併協議会(16)
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会の第16回会議が13日、市役所であった。特別職の身分の取り扱い1項目を了承。高遠町・長谷村に置く地域自治区長(総合支所長)の職務権限は助役に準じると報告し、提案項目から外した地域協議会委員を含む報酬額は助役会に一任した。次回(2月下旬)、報告される。
「地域自治区長の職務権限は助役に準じ、報酬額は一般職最高の部長級と助役の中間」(小坂市長)。総合支所の事務を総括管理し、所属する職員の指揮監督するのが主な業務。専決事項は総合支所業務の調整、総合支所にかかわる重要な申請や願書などの処理方法の決定など。財務関係では、報酬費や委託料、工事請負費など2千万円以上5千万円未満など助役と同等の決裁とした。
予算執行は原則として本庁の課と連携した統一管理方式で、総合支所は担当者竏忠ロ長竏虫汳キ竏虫ゥ治区長から市長に上げる。
入札の執行は本庁で一括。
総合支所の職員配置(課長・係長除く)は、総合支所次長以上となる。
第15回会議で、町村委員から「地域自治区長の権限を早急に決めるべき」と意見が挙がり、合併協幹事会や助役会などで協議した内容が示された。
委員から異議はなかった。
常勤特別職の報酬は県内の人口類似規模の安曇野市・塩尻市に準じ、非常勤特別職は現伊那市にとどめる提案の通りとし、地域自治区長、地域協議会委員の報酬は助役会に一任することを加えた。
町村委員から、地域協議会委員の報酬は「年額でなく日額にしてほしい」とする要望があった。
年度内に集約する方向で、助役会の協議後、合併協正副会長会に諮り、合併協に報告する。
合併協議会長の小坂市長は「おおまかな協議が終了した。うらやましがられる新市に努力していかなければならない」と述べ、3月31日の新市発足に向け、協力を求めた。
会議では、新市の事務組織図、市章候補の選定経過なども報告。今月末に、住民の窓口手続きなどをまとめた「くらしのガイド」を全戸配布する。 -
高齢者の事故増える
伊那署は05年に管内で発生した交通事故状況をまとめた。人身事故は618件で前年と比べて29件(4・5%)減、死者は5人で同1人(16・7%)減、けが人は785人で同37人(4・5%)減竏窒ニ減少傾向。しかし、高齢者の関わる事故が全体の約3割を占める181件で、22件増加した。
死亡事故の特徴は5件ともすべてが車両単独による路外逸脱で、事故原因の多くは、わきみ運転、速度超過など、基本的な運転行為を怠っていた。また、悪質な運転ともいえる飲酒がらみの事故が17件で、前年と比べて7件増加した。
第一当事者が女性の事故、夜間の事故、交差点内の事故が前年と比べて減少。交差点内での事故については、道路管理者と連携を取り、安全対策を実施した効果が減少につながったと考えられる。
市町村別の人身事故の発生状況は、伊那市が371件で前年比12件(3・1%)減、箕輪町が126件で30件(19・2%)減、長谷村が2件で4件(66・7%)減少。一方で高遠町が20件で7件(53・8%)増、南箕輪村が98件で9件(10・1%)増加した。
伊那署の下里幸巳交通課長は高齢者の事故防止対策について「小人数でも構わないので、出前的な高齢者の交通安全講話教室を開くなどして、交通事故に対しての注意を呼びかけていきたい」と話している。 -
3学期始まる
高遠町と長谷村の4小中学校で10日、始業式があった。
長谷小(三澤久夫校長)は、学校生活への願いや1年間の安全を祈って、だるまに目入れをした。近くのJA上伊那美和支所が毎年8体を贈っているもので、全校児童を前に、三澤校長と児童会副会長が2体に目入れ。職員室と児童玄関に置き、残りの6体を各学年の教室に飾った。
式では、1、3、5年の代表10人が意見発表。「下級生の見本になるような生活をしたい」「友達や家族を大切にしたい」「学校を1日も休まないようにしたい」など今年の抱負を述べた。
三澤校長はあいさつで、ある小説家と日本画家の作品や作家になるまでの歩みを紹介し、「大きな夢をもち、実現に向けて進んでほしい」と呼びかけた。
高遠小(宮下廣規校長)は式に合わせて恒例の「新年の会」をした。伊那三曲協会を招いて、筝(こと)・尺八の演奏に耳を傾けた。
伝統芸能に触れる機会として、地域の芸能団体に出演を依頼。近年は詩吟や剣舞などを鑑賞している。伊那三曲協会は初めて。
曲目は、「年のはじめ」「さくら変奏曲」「飛躍」の3曲。福沢雅志世普及委員長が「新年を祝して」「高遠町が桜の名所ということもあって」「みなさんが1年間元気に躍動できるように願いを込めて」とそれぞれ選曲理由を説明し、歌を交えて演奏を披露した。
児童たちは、日本古来の伝統楽器が奏でる和やかな音色に聞き入り、気持ちを新たに3学期をスタートさせた。
伊那三曲協会は上伊那の学校の要望に応じて演奏披露や筝指導をする。年間で約20校を訪問し、日本音楽の普及に努めている。この日は、17回目となる伊那市の東春近小にも訪れた。
一足早く6日に始業した高遠北小学校は10日、授業で書道を習っている3年生以上が年末年始休みに仕上げた書き初め作品をそれぞれ教室や廊下に貼り出した。20日まで展示する。
3年はひらがなで「はつゆめ」、4年は「はるの光」、5年は「雪の正月」、6年は「希望の朝」。どれも達筆で、見ごたえある作品が並んだ。
本年度、漢字を習い始めた4年生は、力強く書いた漢字の「光」に苦戦し、納得できるまで何十回も書き直したという児童もいた。
女子児童の一人(10)は「全体的に難しかったけど、そのなかでもやっぱり漢字。家族に教わりながら、一生懸命書いた」と話していた。
2年生は今年の目標を各自硬筆で記した作品を飾った。 -
長谷村消防団 出初め式で初めての分列行進
長谷村消防団(平出万彦団長、110人)の出初め式が8日、村公民館であった。3月31日の伊那市・高遠町・長谷村の合併に伴い、村単位では最後となるため、伊那市・高遠町消防団の協力を得て、初めて市中の分列行進に取り組んだ。
式典に先立ち、小大沢橋手前縲恆コ公民館の延長約500メートルを分列行進。団員約70人に、伊那市・高遠町消防団ラッパ隊の各12人が加わり、ポンプ車が連なった。
長谷小学校付近では、平出団長、宮下村長らの観閲を受けた。
沿道には地域住民20人ほどが駆けつけ、ラッパ隊の演奏に合わせて堂々と歩く団員の姿を見守ったり、写真に収めたりしていた。
これまで団員数が少なく、ラッパ隊がいないことから、分列行進はしていなかったという。
式典で、平出団長は「消防団は住民の生命、身体、財産を守る使命がある。昨年発足した自主防災会と連携を取り、住民から愛され、信頼される団員になってほしい」と訓示。
そのあと、日本消防協会表彰をはじめとする表彰があった。
合併後、団員の定数は変わらないものの、現在の2分団7部から1分団3部になる。
同日、高遠町でも出初め式があった。 -
放火が前年比6件増
伊那消防組合は05年に管内で発生した火災状況をまとめた。火災件数は92件(前年比18件増)で、死者は8人(同6人増)、負傷者は5人(同4人減)、被害総額は1億4425万2千円(同4719万4千円増)。火災原因のなかで最も増加した「放火・放火の疑い」は、前年に比べて6件増の15件だった。
内訳は「建物」が45件(同10件増)、「林野」が6件(同1件減)、「車両」が6件(同1件減)、「その他(廃材・土手焼き)」が35件(10件増)。焼損面積は、建物が3023平方メートル、林野は115アール、車両は6台。焼損棟数は全焼が22棟など合計59棟で30世帯、97人が被災した。
原因は、「放火・放火の疑い」(15件)、「たき火」(11件)、「枯れ草焼き」(9件)、「コンロ・てんぷら火災」(8件)の順で多い。
市町村別の火災発生数は、伊那市43件、南箕輪村18件、箕輪町14件、辰野町10件、高遠町6件、長谷村1件だった。
同消防組合によると、全国的に火災原因は放火、たばこ、コンロなどが増加しているという。「家の周りに燃えやすい物を置かないことや、隣近所での声掛けなど、放火のしにくい環境づくりを心がけてほしい」と呼びかけている。 -
新「伊那市」誕生まで…カウントダウンボードを設置
伊那市・高遠町・長谷村は4日、3月31日の合併による新「伊那市」誕生までのカウントダウンボードをそれぞれ庁舎に設置した。
ボードには、新市の将来像「二つのアルプスに抱かれた自然共生都市竏註lと歴史と文化を育む活力と交流の美しいまち竏秩vと、それぞれのイメージキャラクターなどを書き、高遠町と長谷村は合併時の面積と人口も記している。
住民へのPRと合併への気運を高める狙い。 -
06年仕事始めの式 首長のあいさつ
◆宮下村長
昨年は大変多忙な1年だった。今年は長谷村の長年の歴史の中で、大きな変革のときを迎え、新伊那市の長谷自治区としてスタートする。村の今までの歴史を締めくくり、新たな旅立ちに向けて、どのように進むか、かせられた業務は重いが、皆の英知と努力で乗り切ってもらいたい。合併というのは変革のときということを、それぞれの立場の中で認識し、一人ひとりが自分の心に『あのとき自分はよくやった』と誇れるよう、1年間努力してほしい -
長谷村成人式
長谷村成人式が1日、村公民館であった。新成人22人が出席。新たな門出を喜びつつ、「長谷村」としては最後の成人式となることを惜しみあった。
宮下村長は「80年の人生のうち20年を終わろうとしている皆さんは今後、義務を伴う責任を果たしていく必要もある。長谷村は31年の歴史を閉じるが、長谷という名は伊那市長谷として残り、長谷の雄大な自然も変わらない。苦しい時などに故郷を思い出し、どんな時でも励ましてくれるものであることを知ってほしい」と新成人に訴えた。
新成人代表の伊藤真悟さんは「これからの人生、一人ひとりが責任を持った行動をしていきたい」と新たな決意を述べた。
中学校時代の教諭小林智さんによる記念講演もあり、昔懐かしい恩師や友人に会えた喜びにも浸っていた。 -
冬山は危険です。気をつけて
南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会と伊那警察署は28日、仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳などへの登山口となる長谷村の戸台河原に今季の登山補導所を開設した。
入山者の多い31日まで毎日、午前6時から正午に開設し、行動予定や緊急連絡先などを記す登山者カードの提出を求めたり、非常食や登山道具の装備を確認するなど、遭対協の救助隊員や伊那署員が交代で対応する。
この日は関東、東海地方から6パーティ13人が入山。救助隊員から「積雪は例年並みで、北沢峠では50センチぐらい」と積雪状況や危険個所など冬山の登山情報を聞き、「気をつけて行ってらっしゃい」と送り出されて、気を引き締めていた。 -
励んだ成果カレンダーに
長谷村健康増進センターへリハビリテーションに通う人たちでつくる「あすなろ会」の切り絵グループ7人が、06年用のカレンダー(A3判)を製作した。
あすなろ会は、リハビリを兼ね、趣味と交流を目的に集う。切り絵グループは毎週1回、各自の体力や障害に合わせて作業に励んでいる。年間を通して製作してきた作品のなかから、桃の節句のひな人形や桜の花びらなど季節に合った作品を選出してカレンダーにまとめた。
メンバーの女性(84)は「切り絵は難しいけど、年々上達してきていると思うし、いい感じにできたよ」と出来栄えに満足していた。
カレンダーは村内の公共施設に贈り、喜ばれている。 -
南アルプス食と暮らしの研究舎みつろうキャンドル作り
食と暮らしを考え、豊かな地域づくりを目指す長谷村のNPO法人「南アルプス食と暮らしの研究舎」は23日、昨年に続いてミツロウキャンドル作り教室を村公民館で開いた。村内の親子ら35人が集まり、クリスマスを前にオリジナルを作った。
ミツロウには、ニホンミツバチを飼う村民らでつくる「長谷村日本蜜蜂(みつばち)の会」の会員から提供してもらったみつを搾った後の巣約15キロを使用。たこ糸に湯せんするロウをつけては冷やす作業を何十回と繰り返して、黄色の棒状に仕上げた。
なかには、丸型のキャンドルにするなど変形させて工夫を凝らしたり、2本以上作る子どももいて、「クリスマスケーキを食べるときに飾るの」と張り切って作業を進めていた。 -
長谷保育園児サンタクロースに興味津々
長谷村の長谷保育園(北原洋子園長)で22日、クリスマス会があり、サンタクロースと対面するなどして楽しんだ。
色鮮やかに電飾がともるツリーでクリスマスムードに包まれた会場に、鈴の音とともにサンタが登場すると、待ちかねた園児は「サンタさんだ」と大歓声。
「海の向こうの遠い場所からトナカイのソリに乗ってきたよ」というサンタに興味津々の園児たちは、年齢や好きな食べ物などの質問を投げかけて会話を楽しんだ。
最後にサンタから一人ひとりプレゼントが贈られ、目を輝かせながら喜んでいた。
給食は園児が大好きなカレーピラフなどクリスマス特別献立。おやつの時間にもケーキを食べて、楽しいクリスマスの1日を過ごした。 -
地域ボラで「見守り隊」発足を
長谷村の小中学校、保育園、教育委員会や伊那署などは19日夜、広島県や栃木県で女児殺害事件が相次いで発生したことを受け「不審者対策緊急連絡会」を村小学校で開いた。関係者約30人が集まり、各教育現場の対策状況を報告し、通学路の安全対策と声かけ事案発生時の早期通報の実施などを確認した。
伊那署が発表する管内の声かけ事案12件のうち、長谷村は0件だが、県教育委員会などの呼びかけで、15日以降、同小中学校では、子どもたちの下校時刻に合わせて教員が通学路をパトロール。伊那署も14日以降、下校時の通学路や学校周辺を警戒している。
対策状況は、小中学校が通学路の危険個所等の確認を見直し、安全マップを作製中で、中学校は集団下校時に生徒と一緒に通学路を点検する予定だ。保育園は、園内に不審者が侵入したことを周囲に知らせる緊急通報システムを11月中旬に設置。登園などはマイクロバスが送迎するため、保護者への日常生活における安全管理を重点的に呼びかけている。
生活安全課の西澤忠篤課長は「学校や保護者だけでは子どもの安全を守れないのが現状。地域のボランティアで『見守り隊』を発足してほしい」と呼びかけた。
意見交換では「箕輪町で効果が出ている青色回転灯の導入」「不審者情報を収集し広報する組織の構築」などがあがっていた。 -
新「伊那市」誕生まで100日公用車にPR用ステッカー
来年3月31日の「新伊那市」発足100日前の21日、伊那市・高遠町・長谷村はそれぞれ公用車にPR用のステッカーを張った。合併まで地域住民に一層の周知を図っていく。
ステッカーには「平成18年3月31日 新『伊那市』誕生 伊那市・高遠町・長谷村」と記している。伊那市は、縦30センチ、横50センチ、白地に文字は青、赤色の2色を使ったデザインで、80枚を各公用車に張りつけた。高遠町は縦22・5センチ、横50センチ、黄色地に文字は青、赤、黒の3色で、20枚を張り、長谷村も20枚で伊那市と同様のデザインを用いている。 -
長谷村保育園児もちついて おいしく食べて
長谷村の長谷保育園(北原洋子園長)でこのほど、恒例のもちつき大会があり、園児が交代で楽しんだ。
伊那広域シルバー人材センターの長谷地区会員から提供された白毛もち米4・6キロを使用。園児たちは、保育士に支えられながら一人ひとり順番に、「よいしょ、よいしょ」ときねを振り下ろした。
つきたてのもちは一口サイズに丸め、きな粉やごまをまぶして、口いっぱいにほお張った。 -
長谷小学校で安全マップづくり
登下校の危険個所を確認しよう竏窒ニ長谷小学校で19日、児童らによる安全マップづくりがあった。
登下校時における児童の安全確保が緊急課題とされる中、子どもたち自身が自分の通学路の危険個所を知り、安全対策を講じることが目的。
児童らは各地区ごとに分かれ、拡大した住宅地図に自分の家から学校までの通学路を記入。そこへ、下校時に一人になる所、民家が少ない場所、空家がある場所など、危険個所を特別に記入した。
中には、ほとんど民家のない区間を一人で下校する児童や、見知らぬ人に「車に乗っていかない」と声をかけられたことがある児童もおり、知らない人の車には絶対乗らないことなどを改めて確認。防犯対策として携帯しているブザーや笛の吹き方なども練習した。
また、伊那警察署や長谷駐在署職員らを迎えて防犯教室も実施。不審者に声をかけられた場合の対処方法や体をつかまれた時の逃げ方などを教わり、防犯意識を高めた。 -
伊那小学校5年勇組 美和ダム「桜守」本格治療を開始
長谷村の美和ダムで総合学習に取り組む伊那市の伊那小学校5年勇、智の両組は15日、同ダムでそれぞれの活動を展開。勇組33人は、天竜川ダム統合管理事務所美和ダム管理支所「みわっこ」周辺にある桜の木の本格治療に取りかかった。
勇組は6月下旬、同事務所から美和ダムの桜守に任命。児童一人ひとりが1本づつの桜の木の管理を任され、夏場などは健康観察を続け治療計画を立ててきた。
冬場は木が休眠し治療の負担が少なくなるため、この日が本格治療の初日となった。児童らは、「テング巣病」「コウヤク病」などの菌にやられた部分をのこぎりなどを使って除去した。
児童らは「春には満開の桜が見れればうれしい」「枝きりも優しく接しながらやっている」「雪が降ったときも心配になった」などと自分たちの木に愛情を込めながら治療していた。
勇組は来年3月まで、月1回のペースでみわっこを訪れ、同様の治療を継続。4月は花見を計画している。
同じく6月下旬に天竜川ダム統合管理事務所から「美和湖探検隊」に任命された智組33人は、手作りカヌーを使ったダムの水質調査のほか、アレチウチ駆除などを展開してきた。この日は、環境美化活動の一環として、中央構造線公園周辺のごみ拾いをした。
ビンや瀬戸物の破片、ペットボトル、空き缶、流木など、一般家庭のごみ袋計5袋分を収集。集まったごみは報告を兼ねて、村役場に提出した。
児童たちは「燃えるごみが多いと思っていたが、ガラスビンなどが落ちていたのが不思議。投げ捨てをせず、ごみは自分で持ち返ってほしい。きれいな湖にしたい」と感想を述べていた。 -
重機から油漏れ
16日午前9時15分ころ、パトロール中の伊那署員が長谷村非持の国道152号線の路肩にあった工事用重機から軽油が流れているのを発見。工事業者は原因を燃料タンクの水抜きコックが人為的に開かれたと考え、「なぜこんなことを」と頭を悩ませている。
軽油は数リットル程度の流出で、高遠消防署などが吸着マットで処理し、周囲の川やダムへの汚染を防止。近くの美和ダム工事関係の警備員の話によると「周辺は油の臭いがして、じわじわと漏れている感じだった」という。
重機は17日から国道の舗装工事を開始するため、14日午後から置いてあった。関係者によると、油の流出は15日にもあり、国道利用者の通報で現場に向かうと、直径1メートルほどの染みを地面に確認。重機を動かすなどしたが、その後の漏れは見つからず、14日に搬送した業者に聞いてもコックの故障など重機に異常はなかったという。
重機はスファルトを敷き均す「アスファルトフィニッシャー」と呼ばれ、全長約8メートル、車体重量約16トンのドイツ製。燃料タンクには最大230リットルが入り、14日は半分ほどの軽油が詰まれていたという。
工事責任者は「周りに恨みを買う覚えはないし、今までこんなことになったのは初めて。油が高騰しているので盗もうとしたのか?」と犯行の真相がわからず困惑している。
17日から工事は予定通り開始。工期中は夜間の見回りなどの対策を実施していくという。
伊那署は、いたずらと重機の故障の両面などから原因を捜査している。 -
第2回市章候補選定
来年3月に発足する新市「伊那市」の市章デザイン候補選定委員会が15日、伊那市役所であった。「二つのアルプスに抱かれた自然共生都市」をテーマとした多彩な作品が並び、次の選考へ進む610点を選んだ。
約2カ月の期間を設け、全国から作品を公募した結果、1206人、2490点の応募があった。
伊那市、高遠町、長谷村からの応募が520点と最多だが、県内を中心に47都道府県すべてから応募があり、米国、英国などからも応募があった。応募者の年齢は、3歳縲・1歳とさまざま。
地域の魅力を的確に表現しているか、さまざまな用途に使用しても印象が変化しないかなどを基準に選考。今回は、完成度の低い作品でも良くなる見込みのある作品は残すなど、可能性のある作品は出来る限り残した。
市章デザインは、最終的に5点になるまで同委員会で絞り込み、正式なデザインは、新市がその中から決定する。委員会の最終結果を、住民に公開するかどうかは検討中。
3回目の選考は1月上旬を予定している。 -
長谷保育園生活発表会
今年がんばってきた取り組みを家族にも見てもらおう竏窒ニ10日、長谷保育園で「生活発表会」があった。各クラスごとダンスや合唱を披露したほか、保護者による発表もあり、園児らを楽しませた。
今年取り組んできた活動の集大成を見てもらうための発表で、11月ころから準備を進めてきた。
未満児・つぼみ組の園児たちは、10月の祖父母参観で好評だったダンス「おもちもちもち」を披露。園児たちのかわいらしい演技が、会場を和ませていた。
また、ばい菌に扮してダンス「虫歯建設株式会社」を披露した年長・きく組の保護者たちは、園児たちに「歯磨きをしましょう」と呼びかけ、会場の笑いを誘っていた。
ほかにも、この時期に合わせたクリスマスの歌やオペレッタが披露され、我が子の有志を収めようとする保護者らが、ビデオカメラを構えていた。 -
社会福祉協議会合併協議会
伊那市、高遠町、長谷村の社会福祉協議会合併を検討する第6回合併協議会が8日、伊那市福祉まちづくりセンターであった。前回提案した各種事務事業に関する提案を承認。障害者訪問介護事業など8事業に関する事前提案があった。
現在は3市町村に事業所がある指定障害者居宅介護事業については、財政的側面から長谷村の事業所を高遠町の事業所と統合することを提案。これまで伊那市社会福祉協議会が運営してきた伊那市総合福祉センターの運営については、指定管理者制度導入に伴い、今年度で市社協への委託廃止となることを、改めて確認。協定項目として提案した。
伊那市福祉まちづくりセンター「ふれあいーな」について、指定管理者制度の指定業者として08年度まで現行運営を継続。3市町村の高齢者生活福祉センター事業、長谷村のデイサービスセンターや小規模多機能施設の運営についても、現行通りの継続を提案した。 -
高遠町が寄贈した桜の苗木植樹
長谷小学校(三沢久夫校長)は7日、開校30周年を記念してタカトオコヒガンザクラの苗木3本を植樹した。 高遠町から節目を祝して寄贈された苗木で、高さ2縲・メートル。卒業を控えた6年生が植樹を担った。
児童たちを前に、三沢校長は「高遠町の大事な宝を友好の証として頂いた。成人してふるさとに帰ってきたときにはきれいに咲いていることだと思う」と話し、学校、児童ともに新たな出発を誓って、校庭北側に1本1本丁寧に植えた。 -
活動の成果堂々と
長谷村の第27回文化祭が3、4日、村公民館であった。小中学生や公民館サークルなどによる作品展示やステージ発表があり、多くの村民でにぎわった。
展示は小中学生の書道、絵画、各サークルや個人で出品した洋画、水墨画、盆栽、デイサービスセンター「やすらぎ」の利用者によるクリスマスリースなど力作約300点が並び、来場者も足を止めて見入っていた。
長谷太鼓や大正琴の演奏、手話ダンス、民謡、熱田神社にまつわる紙芝居など全16演目を繰り広げたステージ発表では、出演者が日ごろの練習の成果を発揮し、会場から拍手を集めた。
村が村内に分散して保存していた文化財などを一括収蔵するため、公民館に増築した生涯学習活動施設の工事により、例年より1カ月遅れだったが、村民は前日に開館したばかりの施設内も見学し、関心を寄せていた。
伝統文化の継承と健全育成を目的に、村青少年育成協議会(伊藤善明会長)は初日の3日、恒例の「親子しめ飾り教室」を併せて開いた。
12組約30人の親子が参加。初めて体験する保護者も多く、縄が緩かったり、ほどけたりと、手のひらをこすり合わせるようにしてわらを編んでいく作業にてこずる姿が目立った。
しめ縄の形が整うと、おかめやエビなどの演技物を付け、正月に向けて立派なしめ飾りを作った。 -
村の宝まとめて保存
長谷村が分散して保管してきた埋蔵文化財や戸台の化石などを一括して収蔵するため、村公民館南側に増築していた生涯学習活動施設が完成し、2日、開館式があった。
施設は、鉄筋コンクリート平屋建て約450平方メートル。アンモナイトを中心とした戸台の化石、村内で出土した縄文土器などの埋蔵文化財、各地区で発見された古文書などを保管する収蔵室3部屋があり、一部を展示できるよう常設展示スペースを備えている。
蔵書などを閲覧できる図書室、「子どもに読み聞かせなどができるように」(村教委)多目的ホールも設けた。総事業費は約1億2500万円。
村内にある文化財は現在、化石が4千点、古文書5千点、埋蔵文化財2200点、蔵書6千点で、順次搬入を進めていく。
宮下村長はあいさつで「これからも自分たちが誇りのもてる地域として、先人の文化遺産を後世に残すための基礎的な土壌ができて感無量」と完成を喜んだ。 -
「信州新医療構想」美和診療所参考に
地域の病院や診療所が連携して、県民に総合的な医療を提供する「信州新医療構想」に基づき、県衛生部は29日、地域医療について考える第1回検討会を長谷村非持の国保直営美和診療所で開いた。
美和診療所は手術を要する患者を、伊那市の伊那中央病院や駒ヶ根市の昭和伊南総合病院に紹介するなどの連携を図り、診療所に隣接して福祉施設もあり、地域に根付いた医療を展開している。
住民が質の高い医療を安心して受けるためには、医療機関の機能分化と役割分担が必要で、「美和診療所は参考になる」(県衛生部)。
検討会には、医師が10人に満たない県内6病院から30人余が参加。岡部竜吾所長が診療所を解説して回り、市町村立病院、診療所のあり方から、地域医療に求められる機能や役割分担、美和診療所の特徴などを話した。 -
みつ240グラム瓶千本販売へ
ニホンミツバチを飼い、採取したみつを販売する「長谷村日本蜜蜂(みつばち)の会」(保科政男代表、48人)は26日、上伊那森林組合山菜加工所で、今季のみつをびん詰めした。
ハチはトチ、タラの木、ウドの花など山林からみつを集めるため、山間部が好調で、今季は平年より多く採取できたという。
役員10人で、会員から集まったみつを1びん240グラムずつ約千本詰め、「南アルプス入野谷日本みつ」のラベルを張った。1本1500円で道の駅南アルプスむらなどに並ぶ。
同会は個々で養蜂(ほう)していた村民でつくり、5年目。丸太をくりぬいた巣箱を山などに置き、管理し、採取は巣ごとすりこぎでつぶして網でこす。みつは、2年目の巣からのみ搾るため、糖度が高い濃厚な味わいが特徴だ。
保科代表は「会員一人ひとりが丹精込めてできたみつ。苦味がなくおいしくできた。活動が地域おこしにつながればうれしい」と話していた。 -
農林作物の被害軽減へ
ニホンジカによる農林作物への被害軽減を目的に、県や郡内各市町村などでつくる上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は26日、長谷村の鳥獣保護区でニホンジカの一斉捕獲をした。上伊那猟友会の協力を得て、猟師200人余が4班に分かれて実施、44頭を捕獲した。
昨年に続いて2年目。高遠町、中川村でも12月に予定し、同様にニホンジカの越冬地とされる鳥獣保護区を中心に行なう。昨年度は3町村で129頭、今年度は300頭の捕獲を目指す。
県が01年度に策定した特定鳥獣保護管理計画では、南アルプスでの生息数を1万2千縲・万5千頭と推測、適性数を約7400頭とし、今年度の捕獲目標数を一般狩猟捕獲を含めて千頭としている。
上伊那地方事務所林務課によると、ニホンジカによる郡内の農林業被害は作物や高山植物の食害、水田荒らし、角による樹皮はがしなどで、被害額にすると、昨年度は6300万円余に上る。 -
正しい姿勢で健全な心
早稲田大学名誉教授の春木豊さん(心理学)と桜美林大学が正しい姿勢と心の変化のつながりを研究するため、長谷村の長谷小学校で9月から「背筋を伸ばす」いすを用いた実証研究をしている。
いすは横浜市の寺で座禅用に開発され、座面と背もたれにクッションが付いているのが特徴で、座面は前方が膨らみ後方に傾斜している。5年生15人に来年3月まで試作品を使ってもらい、月に1度、「やる気がでてきたか」や「元気がでてきたか」「ピリピリしないか」など約10項目を6段階評価して、心への影響を調査する。担任の視点からも児童の変化を調べ、データをまとめる。
同校で使用している従来の木のいすは、「姿勢が崩れやすい」。
大学生で同様の研究をしたところでは、背筋が伸び、顔が正面に向いていると気持ちが前向きで、猫背で下向きだとうつになりやすい結果が出たという。
春木さんと、桜美林大の鈴木平助教授(人間科学)は、「背筋を伸ばすいすによって姿勢や顔の向きが改善され、健全な心の教育につながることを示したい」とし、同校以外でも調査して、効果次第で最終的に全国での普及を目指している。 -
育てた農作物 収穫を喜ぶ
長谷村の長谷小学校5年生(降旗宏子教諭、15人)は23日、溝口の講友館で、年間通して取り組んできた稲作の収穫祭をした。
4月から同級生の祖父の指導で、もち米作りに励んだ。4月からあぜぬりや田植えをし、10月に稲刈りと脱穀をして、180キロを収穫した。
収穫祭は恒例の親子交流会も兼ね、保護者ら約20人とともに、4升を使ってもちづくり。児童は重いきねを振り上げて「よいしょ、よいしょ」と威勢よくもちをつき、あんこやきな粉、大根おろしなどで味わって、収穫の喜びをかみ締めた。
また、保護者らを前に、児童一人ひとりが稲作の活動を発表。作業の様子をスライドに映し出し、「あぜぬりや田植えは難しくてうまくできなかった」「モグラの穴のせいで水がぬけて大変だった」「脱穀したら米の量が半分くらいになってびっくりした」と振り返り、協力者に感謝した。
残りのもち米は今後、児童の自宅に配ったり、販売していく予定という。 -
頑張ろう長谷・高遠!キャンペーン
合併後の新市のまちづくりについて考えるまちづくりアカデミーは20日、「頑張ろう長谷・高遠!キャンペーン」と題したイベントを高遠町総合福祉センター「やますそ」で開いた。第1弾で、駒ケ根市の中高年バンド「駒ケ根ベンチャーズ」を招いてライブをした。60年代にエレキブームを巻き起こした米国のバンド「ベンチャーズ」の曲目を中心とした27曲の演奏があり、会場を沸かせた。
まちづくりアカデミーは「高遠町の自立をめざす会」として活動して、まちづくりのあり方などを考えてきた住民グループが前身。3月の合併を目前に方向転換を図り「地元のことは少しでも地元で」という理念に基づき、合併後のまちづくりを考えるため10月、7人で活動を開始した。
今回は、まちづくりを担う中高年世代を元気付けよう窶狽ニ、青春時代に聞き入った60縲・0年代サウンドの公演を企画。一世を風靡(ふうび)したベンチャーズの曲を中心に演奏するバンド・駒ケ根ベンチャーズを招いた。
3月までに、まちづくりに関する取り組みを進めていく。