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上伊那郡市育樹祭
森林づくりの大切さをより深く理解してもらおうと県上伊那地方事務所、駒ケ根市、上伊那山林協会、上伊那森林組合は16日、第26回上伊那郡市育樹祭を駒ケ根市東伊那の東伊那財産区有林で開いた。林業関係者、緑の募金協力団体、上伊那の各市町村職員など約200人が参加し、ヒノキの枝打ちと不良木の伐採作業に汗を流した。地元の東伊那小学校の児童らでつくる東伊那小学校みどりの少年団の4、6年生児童約50人も参加し、のこぎりを手にして枝打ちに取り組んだ=写真。児童らは急な傾斜にバランスを崩しそうになりながらも、教わった通りにのこぎりを当て、横に伸びた枝を幹の付け根からきれいに切り取っていた。枝打ちしたヒノキは1994年に植樹祭で植えた木で高さ約5メートルほどに育っている。
地方事務所の宮坂正巳所長は開会式で「今日の育樹祭を契機に一人一人が森林の大切さを伝える応援団となり、森林整備の必要性を後世に引き継いでほしい」と呼び掛けた。 -
赤中27会が古希祝賀会
駒ケ根市の赤穂中学校を1952(昭和27)年度に卒業した同年生でつくる赤中27年会(横山信之会長)は14日、駒ケ根市のアイパルいなんで古希を記念した祝賀会を開いた。全国から恩師2人を含む130人が出席、級友や恩師らと笑顔で再会を喜びあった。
横山会長は「昭和19年に赤穂国民学校に入学、27年に新制中学を卒業したが、勉強した記憶よりも、物不足、食糧難で大変だったという思い出が強い」と振り返り「それぞれ第2の人生を過ごしていると思うが、心身ともに健康で、地域社会に参加し、老後を充実させて暮らそう。今日は楽しく旧交を温めよう」とあいさつ。
この後、料理や飲物を口に運びながら、思い出話に花を咲かせた。 -
高砂園でふれあいの集い秋の巻
駒ケ根市の障害者センター「高砂園」で14日、「第26回ふれあいの集い・秋の巻」がにぎやかに行われた=写真。施設を利用する各種団体の会員や利用者らが製作した、盆栽や生花、手芸品などを展示したほか、衣類や日用雑貨、食品、野菜、花などを販売するバザーが開かれた。
うどんやおしるこ、おでんなどの販売もあり、来場者の食欲を満たしていた。
また、パソコンコーナーでは名刺づくりにチャレンジしたり、点字体験教室では、会員から基礎を教わりながら、実際に点筆を使って点字を打つなど理解を深めていた。 -
【記者室】海外ボランティア・ス親子・ス合同訓練がスタート
JICA(国際協力機構)が行っている事業の中に、途上国にボランティアを派遣する青年海外協力隊(20縲・9歳)とシニア海外ボランティア(40縲・9歳)がある。派遣前訓練はこれまで別々に行ってきたが、今後は合同となる▼その第一陣の訓練が今月、駒ケ根青年海外協力隊訓練所でスタートした。183人が65日間の缶詰生活を送りながら派遣先の国の言葉や文化、習慣について学ぶのだが、年齢が親子ほども違うのだから、今までのように同年代の気楽な雰囲気ではなくなる▼しかし、シニアボランティアの中には深い見識と豊富な実績を持つ・スくろうと・スも多いという。海外経験の少ない若者にとって願ってもない貴重なアドバイスの数々が得られることだろう。(白鳥文男)
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昭和伊南病院が医師確保に向けた新制度創設
不足している産科医師などの確保に向け、昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)を運営する伊南行政組合(組合長・中原正純駒ケ根市長)は、県外から転入して同院で3年以上勤務しようとする医師に500万円、2年以上勤務しようとする医師に300万円をそれぞれ貸与する竏窒ネどとする医師研究資金貸与制度を新たに創設する。私立を除く県内の病院では初の導入という。15日の伊南行政組合議会で条例案と補正予算案を可決した。
貸与された資金は、それぞれの勤務期間を経過すれば返還の義務は免除される。対象となる診療科は産婦人科、整形外科、そのほか。県が運用している同様の制度では3年勤務で300万円、2年勤務で200万円が貸与されるが、その適用者には差額(3年竏・00万円、2年竏・00万円)が貸与される。
同日の全員協議会で、同院で1年以上の後期研修を受けた外科、内科医師に対し、1回限り100万円を交付する後期研修医奨励金制度も示され、了承された。 -
【駒ケ根秋香会会長 本間秋男さん】
自宅の外壁を取り囲むように200鉢以上のキクが整然と並ぶ。子どものころから花が好きで「近所の家でつくっているキクを見て『いつかは自分もやってみたい』と子ども心に思った」。
機会がないまま年月が過ぎたが、30歳代半ばになってようやく始めることができた。
「腰痛を患ったのがきっかけでね。早起きしてキクの手入れをすれば腰に良いと思って始めた。キクをつくるのは夢だったから、簡単にはできなかったんだ」
当時住んでいたのは住宅が立て込んでいる町中。使える土さえもないような所だった。
「しょうがないから近くを流れる川の岸にたまっている土をさらって来て使った。柿の木がある家に行って『キクをつくるから枯れ葉をくれ』と頼んで堆肥にしてみたりね。今みたいに店でいろいろと売っていない時代だったから、目についた物を生かそうと自分で工夫したんだよ」
最初の年につくったのは10鉢ほどだったがキクづくりの楽しさに無中になり、たちまち増えて数年後には40縲・0鉢になった。しばらく自己流でやっていたが、キクづくりを通じて知り合いも増え、誘われて秋香会に入会。先輩にこつを教えてもらいながら、美しいキクを求めて試行錯誤を重ねた。
ある年は良いキクをつくりたいという思い入れが強すぎて大失敗をした。
「肥料を強くし過ぎたんだ。千倍に薄めるべきところをおかしな欲を出して500倍にしたもんだから、根に障害が出てね。葉も下の方からすっかり枯れてしまった。結局40鉢つくったうちの30鉢が駄目になったよ。あの時のショックはいまだに忘れられないな」
反省を生かそうと気を取り直して翌年以降も懸命に取り組んだ結果、数年後には県知事賞を受賞した。
「知人にもらった泥土を使ったのが良かったんだ。あれは黄色の3本立てだったが、花の盛り上がりが素晴らしく良かった。葉も大きくて青々としていてね。会場に持ち込んだ瞬間に、周りの人たちが『すごい』と感心したくらい良い出来だったよ」
良いキクをつくるためには「やはり土が一番大事」という。葉と土を混ぜる割合の基本は4対6。発酵剤を入れて発酵させ、発熱してきたら油かすと牛ふんを混ぜて寝かせる竏秩B成長に応じて肥料を適度に与えることも大切だ。
「もうすぐ咲くという時期になると特に気を使う。葉を日光にしっかり当てるのは大切だが、花が咲いたら日光を当てすぎてはいけない。花の色があせるからね。肥料も強すぎると悪い影響がある。いい花を咲かせる人はやっぱりそのあたりの管理が上手だよ」
◇ ◇
「手入れで葉や花に触るとね、何ともいえない良い香りを発してくれるんだ、キクたちは。かわいいよ」
「一生懸命手入れをするのがいつの間にか生きがいになっていたな。キクをつくってきたおかげで幸せだった。いい人生だったよ。花は人生に彩りを添えてくれる。これからもずっと続けたいね」
(白鳥文男) -
東伊那きのこ祭
駒ケ根市のJA上伊那東伊那支所は13、14日の2日間、恒例のきのこ祭を開いている。出が遅れ気味だったマツタケはここにきてようやく数が増え、1パック7千円縲・万2千円ほどの品が店頭を飾っている=写真。最高ランク品の価格は1キロ当たり5万5千円程度。キノコの当たり年だった昨年に比べ、今年は「全体的に少し小ぶり」という。
毎年好評の「きのこ宴会」では1人5千円でマツタケをふんだんに使ったすき焼きや吸い物、きのこおにぎりなどが食べられるとあって、争って予約を申し込んだ人たちが宴会場を訪れ、ぐつぐつと煮える鍋を囲んで秋の味覚に舌鼓を打った。
キノコのほか、野菜や果物、漬物などが特価で販売されたほか、毒キノコの見分け方などを教える鑑定コーナーや、きのこ汁やきのこうどんなどを販売する軽食コーナーが出店し、訪れた家族連れなどでにぎわった。 -
西駒郷新居住棟しゅん工式
施設が老朽化していることなどから利用者の居住環境向上を図ろうと知的障害者総合援護施設長野県西駒郷(吉江速人所長)が昨年7月から建設していた新居住棟「さくら寮」が完成し13日、しゅん工式が行われた。村井知事、中原正純駒ケ根市長、清水靖夫宮田村長など関係者約80人が出席。テープカットを行ったほか、利用者と職員が太鼓を演奏するなどして施設の完成を祝った=写真。村井知事は「住まいとしての機能を充実させた。利用者や保護者の期待に応えられると確信する。障害者が地域で安心して暮らせる社会を実現するために、今後も福祉施策の充実を図っていきたい」とあいさつした。
さくら寮は木造平屋建て、述べ床面積約2830平方メートルで、全室個室。定員は60人。 -
駒ケ根東中学校文化祭
駒ケ根市の東中学校で13、14日の2日間、文化祭「第43回桑東祭」が開かれている。・スONE PIECE(ワンピース)縲恚Pけ 東中のピースたち・スをテーマに、各クラスやクラブ、個人による発表や展示が教室やステージで行われるほか、各種の音楽やスポーツなどを体験する講座などが開かれる。
13日は「The極める」として、そば打ち、茶道、ギター、サッカーなどの9講座が開かれ、生徒がそれぞれ選んだ講座に挑戦。地元の講師の教えを受けながら、普段馴染みのない技を楽しく学んだ。体育館は耐震補強工事中で使えないため、開祭式とステージ発表は近くの東伊那小学校体育館を借りて行われた。
14日は展示見学、紅白対抗運動会、閉祭式が行われる。 -
駒ケ根の園児千人が影絵鑑賞
駒ケ根市内の全13幼稚園・保育園の園児を対象にした影絵の鑑賞会が12日、駒ケ根市の市文化会館で開かれた。東京の人形劇専門劇団「角笛」の楽しい影絵が上演され、約千人の園児がテレビや映画とは違う幻想的なシルエットの美しさを楽しんだ=写真。
上演された演目は『やさしいライオン』『つのぶえのうた』『こぶたのマーチ』の3本。会場を埋めた子どもたちは席を立ったり騒いだりすることもなく、夢中になってスクリーンに映る影絵に見入っていた。
劇団角笛は子どもたちに夢と希望を与えようと1963年創立以来、年間160回の公演を行っている。 -
赤穂中文化祭
駒ケ根市の赤穂中学校で12、13日の2日間、文化祭「第51回白鈴祭」が開かれている。・ス刻もう赤中「絆」ストーリー 笑顔あふれる最高の1ページへ・スをテーマに、各クラス、クラブなどによる発表「若者の集い」「すずらんの響き」や展示がステージや教室で多彩に行われている=写真。ステージのバックには「絆」の文字を中心に生徒や教職員らがそれぞれ好きな漢字を書いた折り紙約千枚が飾られている。
13日には学校生活について日ごろ感じていることなどを全校の前で発表する「赤中生の主張」や、実行委員企画の学級・学年別「絆リレー」などが行われた。
14日にも発表や展示が行われるほか、海外で医療ボランティアとして活動する医師桑山紀彦さんによる映像と音楽のショー「地球のステージ」の公演や、各種の音楽やスポーツなどを体験するチャレンジ講座が開かれる。一般公開は午前8時30分縲恁゚後3時15分。 -
地域安全運動チラシ配布
全国地域安全運動(11縲・0日)初日の11日、駒ケ根市、伊南防犯連合会、駒ケ根警察署は住民に防犯を呼び掛ける街頭啓発活動を駒ケ根市内の大型店2カ所で行った。伊南防犯連合会役員、市職員、警察署員など約10人が参加し、店を訪れた買い物客らにチラシや啓発グッズを配布して犯罪の未然防止を呼び掛けた=写真。駒ケ根署生活安全刑事課の長沼秀治課長は「防犯活動が地域の人たちに浸透することで、犯罪の発生が少ない社会になってほしい」と話している。
飯島町、宮田村、中川村の3カ所の店舗でもチラシを配布した。 -
伊南消防北署防火ポスター審査
伊南行政組合消防本部北消防署(米山覚署長)は10日、管内の小中学生を対象にした07年度防火ポスターコンクールの審査を同署で行った。寄せられた376点の作品を竹上俊隆消防長ら署の幹部が審査し、学年ごとに金・銀・銅賞を選んだ。 入賞者は次の皆さん。
◇小学5年▽金=白鳥悠斗(赤穂)▽銀=藤沢ひなの(宮田)▽銅=二ツ木航(赤穂)◇小学6年▽金=宮下亜未(宮田)▽銀=石口雅人(赤穂)▽銅=桐野一真(宮田)◇中学1年▽金=夏目玲(宮田)▽銀=松井早希(赤穂)▽銅=伊東諒(駒ケ根東)◇中学2年▽金=松尾暢晃(赤穂)▽銀=田口瑠莉(宮田)▽銅=中村夕貴(赤穂)◇中学3年▽金=小山愛維▽銀=下平悠真▽銅=羽生翔太(以上赤穂) -
赤穂高校強歩大会
駒ケ根市の赤穂高校で11日、強歩大会が行われた。全校生徒約800人が参加し、男子41・5キロ、女子29・0キロのコースに挑んだ。男子は午前8時40分に、女子は9時に学校をスタート=写真。天気は快晴で涼しい風が吹く気持ちの良いコンディションだったが、時間がたつにつれて強い日差しが照りつけ、朝とは打って変わってかなりの暑さに。出場した生徒らは息を切らし、汗だくになって遠いゴールを目指した。
コースは男女とも学校をスタートし、東伊那から火山峠を経て伊那市富県へ。男子はさらに東に向かい、高遠町との堺から三峰川沿いを下って東春近から宮田村を通り、学校に戻る。女子は富県から北上し、東春近で男子のコースと合流する。いずれも長距離の上、アップダウンの激しい難コース。中には体力を使い果たして走れなくなり、教職員の救護車で学校に戻る生徒も見られた。
グラウンドの一角では見事に完走、完歩を果たした生徒らにPTA手作りの豚汁が振る舞われた。 -
写真クラブ「彩(いろどり)」作品展
駒ケ根市近郊在住のアマチュアカメラマンら約30人でつくる写真クラブ「彩(いろどり)」(宮沢基和代表)は第8回写真展「わたしの花風景II竏衷o会いと想い」を駒ケ根市の市立博物館展示室で21日まで開いている。花や草木などをテーマに会員18人がそれぞれに思いを込めて撮影した作品43点が展示されている=写真。真っ赤に色づいた紅葉や季節を彩るサクラ、ユリ、ヤナギラン、ホテイアオイ、チューリップなどの花々の鮮やかな色彩を見事に切り取った作品のほか、山や森などの遠景を巧みに構図に取り入れた作品などが並ぶ。
入場無料。午前9時30分縲恁゚後6時(最終日は午後5時)。15日は休館。問い合わせは同館(TEL83・1135)へ。 -
駒ケ根市高齢者クラブ連合会体育祭
駒ケ根市高齢者クラブ連合会(高坂繁夫会長)は10日、第32回体育祭を駒ケ根市東伊那のふるさとの丘アルプスドームで開いた。ゲート通し、玉入れ、グラウンドゴルフ、輪投げの全4種目が行われ、参加した会員ら約450人が地区ごとの単位クラブ対抗で優勝を争った。
「ゲート通し」は1チーム10人が一人10個ずつボールをスティックで打ち、4メートル先のゲートを通すゲーム。スティックさばきはゲートボールやマレットゴルフで慣れているはずの出場者らも、いつもの雰囲気とは勝手が違うのか思ったように打てず「しまった」などと口走っていたが、すぐに気を取り直して次のボールを打っていた=写真。応援席からは「落ち着け」「頑張れ」と声が掛かるなど、競技は和やかな雰囲気の中で行われた。
参加者はさわやかな空気の中でスポーツの秋を存分に楽しんでいた。 -
ひとり暮し高齢者の集い
駒ケ根市社会福祉協議会(北沢洋会長)は10日「駒ケ根市ひとり暮し高齢者の集い」を市ふれあいセンターで開いた。72歳以上の独り暮しのお年寄り約140人が出席し、歌や踊りなどの演芸や屋台村での食べ歩きなどを楽しんだ。
ステージでは華やかな衣装を身にまとった出演者が見事な歌や踊りを次々に披露し、集まったお年寄りを喜ばせた=写真。
会場内には上伊那調理師会駒ケ根支部の会員やボランティアが出店する焼き鳥、五平もち、すし、てんぷら、おでんなどの屋台が並んだ。お年寄りらは「こんなにたくさんあってもとても全部は食べられないね」などと笑顔で話しながらおいしそうに味わっていた。 -
海外協力隊初の青年、シニア合同入所式
JICA(国際協力機構)駒ケ根青年海外協力隊訓練所(山形茂生所長)は10日、これまで時期をずらして別々に行ってきた青年海外協力隊(20縲・9歳)とシニア海外ボランティア(40縲・9歳)合同の07年度第3次隊の派遣前訓練入所式を開いた。全国から応募して試験に合格した青年119人、シニア64人の候補者計183人が出席し、正式隊員を目指して訓練を開始した。山形所長はあいさつで「派遣先の厳しい環境の中での活動は決して容易なものではないと思うが、その困難に立ち向かうため、65日間の訓練に精いっぱい励んでほしい」とした上で「青年とシニアが双方の持ち味を吸収し合い、訓練の成果を上げることを期待する」と激励した。候補者を代表して漁業技術教育員としてフィジー派遣予定の青・ス正樹さんは「初心を忘れず訓練に取り組み、晴れて隊員となって海外に旅立てるよう精進することを誓う」と宣誓した。
派遣前訓練はこれまで年3回行われ、期間はそれぞれ70日間だったが、来年度からは年4回、期間は各65日間となる。 -
高烏谷神社矢納め
駒ケ根市東伊那の高烏谷神社で7日、300年続く伝統の「矢納めの儀」が行われた。里宮の境内にしつらえた矢場には東伊那に住む跡取り息子の中から選ばれた12人の弓子が一列に並び、28メートル先にある直径1・6メートルの大的をめがけて一人ずつ矢を射た=写真。弓子として儀式に臨むことができるのは一生に一度という晴れの舞台。裃(かみしも)を身にまとった弓子らは物音ひとつしない静寂の中、緊張した表情でゆっくりとつるを引き絞りながら的に狙いを定め、気合いを込めて矢を放った。矢が空気を裂いて飛ぶ音と的に命中する音が境内の杉木立ちに甲高く響いた。
儀式は的中を競ったり吉凶を占うものではなく、高遠藩の弓道指南約を務めた旧塩田村の馬場家を宗家とする弓の作法を伝承するもの。かつては儀式で弓子を務めないと跡取りとして認められなかったという。弓は1人1射ずつ順に引き、12人が一巡したらさらに1射ずつ。これを5回繰り返す。 -
【記者室 中原市長引退へ 一つの時代の終わり】
5期20年の長きにわたって市政を担ってきた駒ケ根市の中原正純市長が今期限りでの引退を表明した。市民の間からは「まだ67歳。まだまだやれる」という応援と「長過ぎる。もう十分だ」という批判の両方の声が聞こえてくる中での決断だった▼中原市長の政治手法には、強力なリーダーシップと裏腹の強引とも思えるやり方も目立った。見方はさまざまではあるが、賛否の分かれるところだ。多選の弊害も言われ続けたが、それもこれももう終わり▼これで一つの時代が終わったと思うと感慨を禁じ得ないが、問題はこれからだ。課題が山積している現状の中で誰に今後の市政のかじ取りを任せるのか。その答えが出る注目の選挙の投開票日は年明け早々の1月20日だ。(白鳥文男)
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駒ケ根市戦没者公務殉職者追悼式
駒ケ根市は6日、07年度戦没者公務殉職者追悼式を市文化会館で開いた。遺族など約250人が出席。1分間の黙とうをし、祭壇に花をささげて戦争と公務で亡くなった788柱の霊を慰めた=写真。中原正純市長は「戦後の平和と生活水準の向上は英霊のおかげ。世界の恒久平和実現に向けてたゆまぬ努力を続けることが、英霊に応える唯一の道」と式辞を述べた。市遺族会会長の北村四郎さんは「駒ケ根市が目覚ましい発展を遂げて素晴らしいまちとなったのは、英霊の尊い犠牲があったからこそ。二度と戦争を繰り返さないことを誓い、戦争の悲惨さを後世に語り継ぐことが私たちの責務だ」と追悼の言葉を述べた。
市は会場での黙とうに合わせ、行政無線を通じて市内全域の住民に黙とうを呼び掛けた。 -
駒ケ根商工まつり
産業や技術、物産などをアピールする第51回駒ケ根商工まつり(駒ケ根市、駒ケ根商工会議所主催)が6、7日の2日間、駒ケ根商工会館、銀座アーケード、日の出町などを会場に開かれている。企業や商店の製品、商品の展示のほか、体験、試食、販売コーナーなどさまざまなブースが会場いっぱいに設けられ、訪れた家族連れなどでにぎわっている。
人気は駒ケ根名物として定着したソースかつ丼の販売コーナー。1つ300円のミニ丼を買い求めようと、訪れた家族連れなどが長い行列をつくった=写真。中には1人で5、6個買う人もあり、駒ケ根ソースかつ丼会加盟の8店舗が用意した320食はたちまち売り切れとなった。
駒ケ根工業高校は電子おもちゃ製作教室を商工会館で開催。「運勢占い器」を作ろうと集まった小学生に、同校の生徒がはんだ付けや配線などを丁寧に指導していた。
商工会議所建設業部会が商工会館で開いている親子木工教室では、小学生と保護者が本棚などを製作。市内の大工や建具職人の指導を受けながら真剣な表情でかなづちやのこぎりを振るった。 -
駒ケ根市環境・健康ポスター・標語審査
駒ケ根市は4日「07年度環境ポスター・標語、健康標語」の審査委員会を市役所で開いた。出席した委員ら約10人が審査=写真。部門別、学年・年齢区分別にそれぞれ入選作品を決めた。作品は市の広報などに活用されるほか、市役所などに展示される。表彰は10月20日に市文化会館で開かれる第20回消費生活展&環境・健康フェスティバルの席で行う。応募数は環境ポスターが357点、同標語が87点、健康ポスターが10点、同標語が33点だった。
入選者は次の皆さん。
【環境ポスター】◆小学校低学年▼銀賞=渡辺莉乃(赤穂2)塩沢克裕(同)▼銅賞=小池璃久(赤穂東2)◆小学校高学年▼金賞=芦部瑞穂(赤穂6)▼銀賞=宮沢拓陽(赤穂4)土橋彩音(赤穂5)▼銅賞=小沢直哉(赤穂東5)佐々木郁弥(赤穂6)新井詩織(同)▼佳作=阿部仁美(赤穂4)北林里菜(同)杉本小百合(赤穂5)浦野栞里(赤穂6)山岡真子(同)沢田千紘(同)林大暉(赤穂東6)小林真由子(同)◆中学校▼金賞=木村里紗(赤穂1)▼銀賞=笹井綾乃(赤穂1)渡辺涼(赤穂3)▼銅賞=小島拓也(赤穂1)小田あかり(赤穂2)坂芽衣(赤穂3)▼佳作=門平真歩(東1)森友司(赤穂2)岩瀬未来(同)福沢愛理(東2)北沢紗彩(赤穂3)小松拓海(同)気賀沢麻希(同)
【環境標語】◆小学校低学年▼優秀賞=北沢大地(中沢2)▼入選=宮脇里菜(中沢2)◆小学校高学年▼最優秀賞=牧村美月(赤穂5)▼優秀賞=山村安優美(赤穂5)小池諒(中沢4)▼入選=小原和花子、丸藤知里、三浦椋太、唐沢友梨(以上赤穂5)◆中学校▼入選=小幡房香(赤穂2)◆一般▼入選=小池明弘、原安徳
【健康ポスター】◆中学校▼銅賞=林佐弥乃(東2)▼佳作=志賀春菜(東1)寺沢真子(同)
【健康標語】◆小学校低学年▼入選=小田切彩音、菅沼和羽、竹村郁輝(以上中沢2)◆小学校高学年▼入選=宮下鈴夏(中沢4)小林華歩(同)須田花枝(赤穂5)◆一般▼優秀賞=小池明弘、原安徳▼入選=小林敏宏 -
赤穂高定時制で性教育講座
駒ケ根市の赤穂高校(米山明広校長)定時制は4日夜、全学年の生徒を対象にした性教育講座を開いた。「人生発見講座」と題して、市の保健師、栄養士らが同校を訪れて学年別に講義をし、性と命の大切さを教えた。3年生を対象にした「子育て講座」では市内の母親4人がそれぞれの乳児を伴って教室を訪れ、生徒らに赤ちゃんを抱っこする体験をさせた=写真。生徒らは小さな赤ちゃんをおっかなびっくり抱き「軽いなあ」、「かわいい」などと感想を述べ合っていた。
1年生は「生命の誕生」、2年生は「恋愛(思春期の性)」、4年生はこれまでの講座で学んできたことのまとめについて、それぞれスライドやビデオなどを交えた講義を受けた。 -
駒ケ根市切石浄水場更新に向け起工式
駒ケ根市内に水道水を供給している北割一区の切石浄水場=写真=の老朽化に伴う全面更新の工事が始まるのを前に5日、安全祈願祭と起工式が行われた。関係者約40人が出席し、工事の無事完成を祈った=写真。
同浄水場は1964年に1系列(一日当たり処理能力3100立方メートル)が完成、72年に第2系列(同5100立方メートル)が増設されたが、それぞれ43年、35年が経過して老朽化が進んできたほか、耐震性も十分でない上、手動制御で急激な水質変化に対応できない竏窒ネどの問題があることから、水道課は2年前から改修を含め、施設の更新について検討を重ねてきた。比較したほかの方式に比べ、より安全で安定した給水が可能という「膜ろ過方式」を新たに採用する。処理能力は現在と同じ一日当たり8200立方メートル。
工事は第1系列を解体後、同地に新規設備施設を建設。第2系列はその間稼動を続け、09年7月の設備完成、運用開始を待って解体する。完了は09年度内の予定。事業費は解体費を含め約16億円で、財源は一般会計からの繰り入れは行わず、国庫補助金、起債、料金収入を充てる方針。水道料金は完成翌年度から2段階に分けて数%程度の値上げが必要となる見通し。 -
駒ケ根市中原市長引退会見
任期満了(08年1月28日)に伴う駒ケ根市長選に立候補しないことを3日夜に明らかにした中原正純市長は4日、記者会見を開き、あらためて今期限りでの退任を発表した=写真。後継候補については「現段階では誰を支持するとは考えていない。指名はしないが、少なくともリーダーシップがあり、今の流れを大切にする人に市政を担ってほしい」として、中原路線継続を掲げる候補を支援したいとする考えを示した。
引退決断は「4年前の前回選の時に既に決めていたが、どの時期に表明すればいいかタイミングをはかってきた」。多選批判については「必ずしも悪いことではないと思う。政治はやはり経験が尊い。経験の中から人脈ができ、本当の意味で仕事ができる」として、在職が5期20年の長期にわたったことは決断の理由にはならなかったことを示唆した。
現職の引退発表を受け、市長選に向けての動きは一気に加速すると思われる。現時点では、前回選で当選まであと一歩と迫った元県教育次長の杉本幸治氏(58)=上穂町=のほか、元市議会議長の北沢洋氏(56)=上赤須=などの名前が挙がっているが、いずれも出馬について明言を避けている。共産党も独自候補擁立を模索しているとみられる。
選挙日程は告示が1月13日、投票は同20日に決定している。立候補手続き説明会は今年12月中旬に、立候補届け出書類の事前審査は1月上旬に行う予定。 -
スタジオ・イマイ研究生作品展
駒ケ根市東伊那在住の造形作家今井由緒子さんが主宰するスタジオ・イマイ美術研究所の研究生らによる第2回作品展が駒ケ根市の駒ケ根高原大沼湖畔「森のギャラリーKomorebi(こもれび)」で15日まで開かれている。駒ケ根市や伊那市の研究生9人による絵画と彫塑(ちょうそ)作品計11点が展示されている=写真。絵画は好みの花や風景などをモチーフに描いた水彩画、アクリル画とコラージュ(貼り絵)。「押し付けにならないよう、それぞれが持っている個性を大切にしたい」という今井さんの方針により、のびのびとした感性を生かして制作された作品が訪れた人たちの目を和ませている。
作品展は今後も1年に1回開いていきたいという。今井さんは茅野市出身で東京芸術大彫刻科卒。多くの個展を開くなど活躍している。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時。火・水曜日定休。問い合わせは喫茶エーデルワイス(TEL83・3900)、スタジオ・イマイ(TEL83・9630)へ。 -
駐在所夫人激励会
管内の駐在所に勤務する警察官の夫人らの日ごろの労苦をねぎらおうと、警察官を支援する事業所などでつくる駒ケ根警察官友の会(唐沢亨会長)は4日、駐在所夫人の激励会を駒ケ根警察署で開いた。駒ケ根市の中沢、宮田村の宮田村、飯島町の飯島、七久保、中川村の片桐、大草の各駐在所の夫人6人が出席し、唐沢会長と駒ケ根署の山本修作署長らの激励を受けた。唐沢会長は「警察一家というくらいで、奥さん同士の横のつながりは普通の家庭よりも強い。皆さんは警察業務も補助的に行うなど、精神的にも肉体的にも苦労があることと思うが、今後もどうか頑張って」と激励し、一人一人に記念品を手渡した=写真。夫人らは「夫の助けになれるよう、これからも努力したい」、「24時間気が抜けない生活だが、地域の人たちと交流を深めていきたい」などと今後に向けて決意を新たにしていた。
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【フェンシングで国体7度目の出場 大槻高範さん】
「フェンシングの攻防は激しいものに見えるかもしれないが、そのほとんどが誘いの動き。高校生ぐらいのレベルではただやみくもに攻撃するだけだが、一段上になると微妙な駆け引きと戦術が勝敗を分ける」。
フェンシングには剣の種類や攻撃の有効面などにより、フルーレ、エペ、サーブルの3種目がある。突きだけが有効となるフルーレやエペと比べ、切ってもよいサーブルが好きだという。
「チームスポーツと違って1対1の戦いだからこそ、勝てば相手より強いことがはっきり分かるのがフェンシングの魅力。試合で相手と向き合った時には『ぶった切ってやる』『絶対にやっつけてやる』と激しい闘争心がわく。生意気と言われることもあるが、敵をのんでかかる気で臨みたい」
◇ ◇
箕輪町出身。フェンシングを始めたのは中学2年の時。同年代の友人に誘われて軽い気持ちで社会体育の練習に参加した。
「初めてにしてはすごくうまい竏窒ニ言われてうれしくなっちゃってね。割合早く試合にも勝てるようになったものだから、余計調子に乗って練習に励んだ。剣道は小学3年からやっていたんだけど特別強くはなく、まあ普通だった。でも今思うと、剣道で伸び悩んでいたからもっと活躍できる場を求めていたのかもしれない」
フェンシングは西洋の剣道ともいえるが、構えや打ち込み方などがまったく違う一方で共通点もある。
「似ているのは間合いの感覚かな。勝つためには、目にも止まらないほどの速さで動く相手の剣を追えるだけの動体視力が必要になるが、その点では剣道をやっていた経験が役立ったと思う」
進学した伊那北高校では当然のようにフェンシング部に入り、2年の時のインターハイ個人の部で全国4位、3年では6位に入賞した。スポーツ推薦で進んだ専修大学でもフェンシングを続け、全日本選手権団体3位、インカレ(大学選手権)3位などに貢献した。 記憶に残る試合は初めて出場した国体の初戦。緊張感で実力を発揮できなかった。
「もうボロ負け。勝てるはずの相手だったのに全然体が動かない。ほかの大会とは違う雰囲気にのまれて悔しい思いをした」
その後出場した国体では4位に入賞したが、勝った試合のことはあまり覚えていない。
「4位とはいってもそれは準決勝で負けたということ。悔しさのせいか、負けた試合のことばかりよく覚えている」
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現在赤穂高校のフェンシング部顧問を務める。当初はホッケー部の顧問だったが、2年目の冬、生徒を集めてフェンシング同好会を立ち上げた。その後、部に格上げさせたいという強い思いから「全国大会に出場してベスト4に入れば文句はないだろう」と決意。部員にも恵まれ、初出場ながら望外の全国優勝に導いた。
昨年、一度は選手引退を決意した。
「部の指導があって練習が十分できないし、年齢のこともある。強い選手の動きについていけなくなり、試合で勝てなくなってきたから指導に専念した方がいいと思った」
しかし今年になってもう一度だけ挑戦してみようと考え直して県予選に臨んだ結果、見事に7度目の出場権を手にした。
文部科学省公認コーチの資格を得るための研修を積んでいる。
「後進の指導をするなら、きちんと資格を取ってやらなければいけないと思う。自分の高校だけでなく、将来県全体のレベルを上げていくことができたらうれしい。だが、現役もやれる限りやろうと思う。取りあえず負けるまではね」
(白鳥文男) -
中原駒ケ根市長引退表明
任期満了(08年1月28日)に伴う駒ケ根市長選への出馬について現職の中原正純氏(67)は3日夜に駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた後援会「緑正会」の役員会総会で、立候補しないことを明らかにした。中原氏は「政治家として引き際が大切。もう1期やれという声もいただいていたが、かなり以前から今期限りで退任しようと腹を固めていた」と述べた。理由として、南田市場土地区画整理や下水道整備など大型事業が終息に向かっていることや財政の健全化が進んでいることなどを挙げ「掲げた公約は5期20年でほぼ達成できたのではないか」と述べた。
後継者については「指名は控えたい」としながらも「今の市政の流れを引き継ぐ人を応援していきたい」とした。