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西春近北小学校で4者共催講演会
伊那市の西春近北小学校で22日、同校同窓会、同校PTA、西春近公民館の4者共催講演会が開かれた。今年は飯田女子短期大学看護科講師の辰野恒雄さんが「よりたくましい子どもに育つために」と題して講演をした。
辰野さんは児童相談所などでの体験談を交えながら、親たちの間違った認識や今の子どもの心理的特徴などを事例をあげながら語った。今の子どもの心理的特徴としては「順番が待てない、我慢ができない、感情を抑えることができない」「問題解決の答えを一つしか用意できない」「自分という存在を認めない」の3つをあげた。
辰野さんは「親が先回りしてブレーキをかけてしまうと、子どもは体験することができない。子どもにはいろんなことをできるだけやらせてほしい」「子どもを育てる最大のポイントは子どもの言動をきちんと認めること」などたくましい子どもに育てるためには何が必要なのか語った。 -
伊那市食育講演会
伊那市教育委員会は25日夜、市駅前ビルいなっせで文部科学省の委託を受け「栄養教諭を中核とした学校・家庭・地域の連携による食育推進事業」の計画として食育講演会を開いた。小中学校の教員や保護者ら約80人が参加。東海大学体育学部の小沢治夫教授=写真=が「子どもを一人前に育てる大人の責任」と題して話した。
小沢教授は1978縲・003年、筑波大学付属駒場中・高等学校の教諭をした後、03年より北海道教育大学の教授となり、07年から現職を務める。専門は保健体育科教育学、トレーニング科学、発育発達学など。文科省の「子どもの体力向上プロジェクト」研究代表としても活躍する。
講演会は「最近の子どもの生活・食・健康・体力・学力に関する調査から見えてくるもの」についてで、小沢教授は「今の子どもたちは元気がない」と強調。小中学生の1、2割が欠食し、高校ではさらに増え、大学生にいたっては約半数という報告があり、このため貧血や低体温状態となり、通学意欲の低い子どもたちが増えているという。
小沢教授は「食事を中心とした日常の生活を見直し、立て直すことが現在の日本の子どもの教育のために不可欠なこと」と主張。「起床時間が遅いほど、子どもの朝食摂取を心がけている保護者の割合が低い」とし、学校、家庭、地域が連携して食育を推進する必要があると訴えた。 -
油絵を描く
箕輪町下古田
朝倉将至さん「生きた絵を求めて」をテーマに、自己流で油絵を描き続け37年になる。「音楽は寂しい音や楽しい音が聞こえる。季節も聞こえる。それを絵でどう表現するか。うれしい、楽しい、悲しいなど内面的なものを相手に伝える、何かを訴える。仲間には、そんなの描けないよと笑われてるけど」。難しいテーマにあえて挑戦している。
主に風景画で、スケッチをしたり、記憶をたどって描いたり。
「1枚だけ描くと壁にぶつかるから」と、何枚ものキャンバスを置いて制作に取り組む。1枚目で筆が止まったら2枚目を描く。描けると思うと1枚目に戻る。「だから、壁にぶち当たったことがない。逃げ方が上手いんだな」と笑う。
今は抽象画も描く。筆だけでなくカッターナイフ、くしなども絵を描く道具として試した。最近は筆で塗った後にゴムで掘り起こす方法で、「何ができるか分からない偶然性」を楽しんでいる。
「抽象画はでたらめ描いてあるからいいのかな」と冗談めいて笑うが、「訴えるものを取り込めるのが魅力。内面を込めて描くので、一人でもいいという人がいればそれで成功だと思う。人は皆別だからね」。これまでに、作品を見て涙を流してくれた人もいたという。
絵を始めたのは就職してからだった。小学生のころは絵が展覧会に出てほめられ、中学の校内写生会は3年間、最優秀賞や優秀賞を受賞。絵描きを志したが親の反対で、高校時代は絵とは無縁の生活を送った。卒業後、東京で就職。人間関係などからノイローゼになり朝まで眠れない日々を過ごした。「このままでは病院行きになってしまう。どうせ眠れないなら絵を描こう」と絵筆を握った。
運送業から料理の世界に入り、板橋の中国料理の店「一品香」で4年間修行。のれんわけしてもらい74年、出身地の松本市に戻って「中国料理 一品香」をオープンした。89年に養子で朝倉姓から小平姓になり、16年間腕をふるった店を閉じて箕輪町に移った後は、定年を迎えるまで会社勤めをした。
仕事も住む場所も変わったが、ずっと続けてきたのが油絵だった。店をやっていたころは、自分の絵を店に飾った。上高地の帝国ホテルを描いた絵を売ってほしいと、3カ月間毎日通ってきた客に根負けして、「やるから持っていってくれ」とあげたこともある。中央展に出品し、個展も3回開いた。年鑑に名前も載っており、各地に絵の仲間がいる。周囲に知られているため、絵を描くときは朝倉姓を名乗り続けている。
「絵描きに転向も考えたけど、踏み切れないでいる。ずっとやってるのは好きなだけだね」
箕輪町長田の日帰り温泉施設ながたの湯ロビーで作品展示する「MAながた会」を01年に立ち上げ、毎年新作を発表している。(村上裕子) -
東保育園でチャレンジゲーム
宮田村東保育園は24日、いくつもの関門を突破して宝をゲットする「チャレンジゲーム」を開いた。趣向を凝らしたゲームの数々に園児が挑戦。ゴールを目指した。
年長をリーダーに、年中、年少3人1組のグループになってスタート。
羽子板を使ったバランスゲーム、クイズやボール投げなど、数種類の難関に立ち向かった。
年長が年下の園児たちをサポートする姿も。失敗をおそれず、友情を深めながら楽しんでいた。 -
西箕輪小で来入児給食試食
伊那市の西箕輪小学校(御子柴俊治校長)は24日、来年度入学予定児童を対象とした給食試食会を開いた。園児や保護者ら約100人が学校を訪れ、学校給食を味わった。
「嫌いな食材が出てくるかも」など、入学前から学校給食に対して不安を持つ児童や保護者たちの悩みに答えるための試食会。取り組みは前年度に続き2年目になる。
子どもたちは初めての学校給食をそれぞれのペースで試食。その後、保護者からの「この子は野菜が苦手なんです」「食べきれない給食はどうすればよいの」などの質問に学校関係者が丁寧に答えた。
来入児の保護者の一人は「入学する前に給食が食べられるなんて魅力的。子どもにとってこの機会が、給食を入学する楽しみの一つになるきっかけとなればうれしい」と話していた。
同校では2月、来入児を対象とした一日体験入学も企画している。 -
邦楽SALAD
2月10日公演伊那市の県伊那文化会館で2月10日、演奏会「邦楽SALAD」が大ホールである。公演に向け、出演者が練習に励んでいる。
「邦楽SALAD」は、サラダ感覚で邦楽の堅苦しいイメージを逸脱した企画により日本の音を楽しんでもらうという伊那文化会館と出演者による実行委員会主催の演奏会。07年の第17回公演を一区切りに、今年は新たな気持ちで公演する。
出演は、昨年4月に一般公募した地元出身者中心の30人。10月の顔合わせから月4、5回の練習を重ねている。音楽監督は尺八奏者の川村泰山さん。ゲストは和楽器奏者4人のユニット「ファンクンフォルク」と伊那市立東部中学校合唱部。
伊那東部中合唱部は「IMBENI縲恪ーの夜明け縲怐vを発表。尺八による「民謡縲恣・ゥら北へ縲怐vは、刈干切唄、こきりこ、ソーラン節の3曲を編曲し委嘱初演する。「箏・三絃・十七絃のための四重奏曲」は高度な技術を要求される曲。プロによる「カレーライス」、ファンクンフォルクのライブもある。
出演者とゲストによる「桜 SAKURA さくら」は編曲委嘱初演で、森山直太朗、ケツメイシ、河口恭吾、日本古謡、コブクロの5曲をメドレーにした合唱と和楽器が共演する初の試みになる。
音楽監督の川村さんは、「全国でも珍しい充実した内容。文化会館の委嘱で新作も出来ているし、中学生の若いエネルギーにも期待したい」という。
実行委員会は、「公募メンバーの息を合わせ、合唱部の生徒とプロと共に楽しい音楽、明るい雰囲気のサラダを作り上げたい。素晴らしいパワーあふれる舞台になると思う。演奏会を楽しんでほしい」と話している。
午後1時半開場、2時開演。全席自由一般2千円、高校生以下無料。当日託児室あり(前日までに会館に連絡する)。チケットの予約、問い合わせは伊那文化会館(TEL73・8822)へ。 -
はらぺこ保育園の入園説明会27日に
伊那市富県北福地の自由保育園「山の遊び舎はらぺこ」で27日、第2回08年度入園説明会がある。
3年前、母親たちの「こんな保育園あったらいいね」の思いから始まったはらぺこ保育園。野外活動や自然とのかかわりを大切にした保育活動を展開し、母親らも一部保育にかかわりを持つ中で、母子ともども、里山の自然の中で成長している。また、月に2回、開放日として園の保育を体験してもらう機会を設けており、24日は、来年度同園への入園を考えている母子など3組が集まり、同園の園児らとともに雪遊びを体験=写真。
この日参加した母親の一人は「子どもを自然の中で遊ばせてあげたいと思っていた。まちの保育園も見学にいったんですが、もっと自然な遊びや昔ながらの子どもの遊びを体験させてあげたいと感じた。今は3歳だけど、いずれは入園したいと考えています」と話していた。
27日の入園説明会では、普段の子どもたちの生活の様子を説明するほか、同園の保育士・小林成親さんが、子どもと自然のかかわりについて話す。また、質疑応答の時間もある。
時間は午前10時縲恊ウ午、場所は園舎。参加希望者は事前連絡のうえ、来園すること。
また、同園の保育を体験できる開放日も毎月2回、開催しており、2月は12日、28日が開放日になっている(開放日は一家族300円の参加費が必要)。
問い合わせははらぺこ保育園(TEL76・3341)へ。 -
高遠高校福祉コースの2年生が保育園実習で披露するパネルシアターを制作
伊那市の高遠高校福祉コースの2年生22人が25日、保育園実習で披露するために制作してきたパネルシアターの実演練習をした=写真。
例年福祉コースでは、年に2度ほど、保育実習のために保育園を訪れ、園児との接し方を学ぶとともに交流を深めている。そんな中今年は、ただ交流するだけでなく、高校生たち自身が何かを表現し、それを園児らに伝えることができないか竏窒ニ、パネルシアターに初挑戦することになった。
6班に分かれ、10月ころから準備を開始。地元でパネルシアターなどを使ったボランティア活動を展開する矢田雅子さんに教わりながら、年長、年中、年少、それぞれの園児に対応したパネルシアターを自分たちで作り上げた。また、出来上がった後も、物語を園児に話すための練習を重ねてきた。
矢田さんは生徒らに対し「保育園に行ったときは恥ずかしがらず、自分も楽しもうという気持ちでやりましょう」とアドバイス。
今回初めてパネルシアター作りに取り組んだ今井理沙さん(17)=箕輪町=は「初めてなので作るのも難しかった。子どもに分かり易く、大きな声でやるのは大変だけど、楽しんでもらえれば」と話していた。
パネルシアターは31日に高遠第4保育園で披露するほか、2月8に高遠第1保育園でも披露する。
また今後は、老人福祉施設などでも実演できないか検討する。 -
権兵衛トンネル開通2周年記念特別展「木曽路の美-広重から現代工芸まで」25日から
伊那市の県伊那文化会館で25日から、権兵衛トンネル開通2周年記念特別展「木曽路の美-広重から現代工芸まで」が美術展示ホールで始まる。木曽郡上松町の木曽路美術館所蔵品を中心に浮世絵、絵画、彫刻、現代工芸、写真の約80点を紹介する。
上伊那と木曽地域の文化交流をすすめる活動の一環で、木曽の風土と歴史がはぐくんだ美術作品を伊那谷に紹介する初の企画。
歌川広重・渓斎英泉の浮世絵「木曽街道六十九次」の中から「小田井」から「馬籠」までの23点を紹介。途中展示入れ替えする。昨年秋に修復した千村士乃武の彫刻「首飾」(石膏)は修復前の写真も展示している。
木曽の伝統を受け継ぐ木工と漆芸は、木目や漆塗りが美しい大丸卓や盆などがあり、近代美術や現代絵画、そば猪口20点も並ぶ。
木曽路美術館の丸山時恵館長は「1点ずつ心のこもった作品。初代館長丸山利喜次が収集してきた流れが伝われば」と話している。
関連イベントで「信州農村歌舞伎祭」(2月16・17日、伊那文化会館)に出演する上松町「上若連」に関連する写真展示コーナーもある。
2月24日まで。観覧料一般300円、高校生以下無料。 -
駒工課題研究発表会
駒ケ根工業高校(本間秀明校長)の3年生が思い思いに取り組んできた研究成果を発表する第10回課題研究発表会が24日、同校体育館で開かれた。ステージ上では電気、機械、情報技術の各科から2グループずつ選ばれた6グループが代わる代わる登壇し、それぞれの取り組みの成果を発表した。
市販の2足歩行ロボットにサッカーをさせる研究に取り組んだ情報技術科のグループは「片足で立って全身のバランスを取らなければならないキックの動作の制御が難しくて苦労したが、何とかできた。今後はもっと複雑な動作ができるようにしたい」と発表。ペレットストーブの製作に取り組んだ機械科のグループは「板金や溶接が思ったより大変だった」などと活動を振り返った。
会場には3年生がかかわった全作品が展示され、生徒らは訪れた人たちの求めに応じて作品をリモコンで動かしたり、質問に笑顔で答えたりしていた。
台湾から修学旅行の途上で同校を訪れた国立東勢高級工業職業学校の生徒らも発表を興味深そうに見詰めていた。 -
宮田小5、6組が中央保育園で劇公演
宮田村宮田小学校特別支援学級5、6組の10人は24日、中央保育園で劇「猫山」を上演した。園児たちを前に、臆することなく堂々と演技。自信を持てなかったり、感情を示すことにハンディを抱える児童も多いが、人前に出て演じることでたくましさも増す。来月5日には東筑摩郡山形村障害者相談センターで劇による交流も予定しており、ふれあいの輪も広げている。
ハッキリ大きな声で演じようと、この日の本番に臨んだ子どもたち。昨年東保育園で「力たろう」を上演した時よりも、さらに成長した表現力で役を演じきった。
昨年度は保護者にも披露し、今年度は演目を変えて春から取り組んできた同学級。
中央保育園での公演を控え、12月から本格的に練習を再開した。
舞台の背景に使う絵は児童自ら手づくりし、観客に分かりやすく伝えようと演出に工夫も。
我が子の演じる姿を園児と一緒に見守った保護者のひとりは「自信を身につけてきた。学級のまとまりも良くなっているなって感じます」と目を細めた。
山形村への・ス遠征公演・スに続き、3月の学習発表会では保護者に今までの成果を披露する。 -
宮田小の292人が漢字検定受験
宮田村宮田小学校の全児童の4割以上にあたる292人が19日、漢字検定を同小で受験した。一昨年から希望者を対象に実施し、上の段階を目指そうと子どもたちが試験に臨んだ。
学年やレベルに応じて、日本漢字能力検定協会が主催する5級から10級を受験。
児童の自主的な学習意欲にもつながっているといい、この日も真剣な表情で日ごろの積み重ねをぶつけていた。 -
手良小で「弁当の日」 児童たち手作り持参
伊那市の手良小学校の5、6年生約50人が21日、自分で作った弁当を持参し、給食の時間に味わった。同校が初めて取り組む、「食」への関心を高めるための企画。児童たちは弁当作りを通じ、家族への感謝の思いを感じた様子だった。
植木行雄校長の提案で昨年10月から月1回のペースで始まった「弁当の日」。学校の管理栄養士の早川佳代さんは「これまでの3回で、それぞれが栄養のバランスや味付けに関心を持ち、工夫するようになった」という。
この日は、おにぎりやサンドイッチ、ソースカツレツ、ナポリタン、ドリアなどの料理がテーブルに並んだ。児童たちは恥ずかしがりながら手作り弁当を互いに見せ合ったり、栄養士のアドバイスに耳を傾けたりしていた。
チーズ入り卵焼きを作った5年生の宮原すずえさん(10)は「家族にちょっと手伝ってもらったが、中にチーズを入れるのが難しくて何度も失敗してしまった。次は彩りがもっときれいなお弁当を作りたい」と意気込んでいた。
本年度は3月まで「弁当の日」を予定する。 -
伊那東部中生が全国ロボコンへ 市長訪問
26日、茨城県である「第8回全国中学生創造ものづくり教育フェア」(全日本中学校技術・家庭科研究会など主催)のロボットコンテストに出場する、伊那市の東部中技術部3年の井口裕吾君(15)、丸山晃生君(15)ペアが22日夕、小坂樫男市長を表敬訪問し、意気込みを語った。
コンテストはロボットを操り得点を競う部門など5部門。東部中ペアは地方大会のオリジナル競技をビデオ審査する部門に初出場する。昨年12月、埼玉県で行われた関東甲信越大会の同部門(7チーム参加)で優勝し、同校から初めて全国大会への進出を決めた。
2人は、11月中旬にあった「県中学生ロボットコンテスト」に出場し、紙筒を相手陣地により多く運んだ方が勝ちとなるオリジナル競技「リングサザエ」で優勝。2人が昨年の夏から2カ月間かけて製作したロボットは、ベルトコンベア式のアームが上下に移動するスピードが早いところが特長だという。
全国大会で同ペアは、県大会の様子やロボットの性能を紹介した2分間のビデオを披露する。井口君は「全国大会に集まった多くの人たちに自分たちのロボットを見てもらいたい」。丸山君は「自信のあるロボットなので優勝したい。2人のアイデアを形にしたところを見てほしい」と意気込みを語った。 -
26日に伊那市、駒ヶ根市で「どんぐり販売」を開催
伊那養護学校高等部現在1年から3年まで72人が共に学ぶ伊那養護学校高等部。その生徒たちが26日、これまでの作業学習の中で製作してきたさまざまな製品を販売する「どんぐり販売」を伊那市狐島の上伊那農業協同組合(JA上伊那)本所と、駒ヶ根市東町のJA上伊那駒ヶ根支所内、介護サービスステーション伊南の2カ所で開催する。
作業学習の目的は“生きる力”“働く力”を培うこと。生活、陶芸、農芸、縫製、薪(まき)、木工の6班に分かれており、生活班はぼかし作り、縫製班はエプロンや手さげ袋作り、陶芸班は花瓶、小皿作り、といったように、班ごとさまざまな製品作りに取り組む。当日は、このほかにも焼きいも、竹炭、机などさまざまな製品が並ぶ。
高等部の横山真弓教諭は「最初、入部した時は自信が持てない生徒も多いんですが、作業学習の中で、できなかったことができるようになったり、一つの製品を完成させたりする経験をして、自信を持てるようになる生徒もいます。この時期は1年の中でも最も良い製品が出来てくる時期なんです」と語る。
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天竜川上流を訪ねて
天竜川の源流諏訪湖。ここには、冬になると遠くシベリアからコハクチョウが越冬のために飛来する。コハクチョウは、春、5月頃から産卵し、一ヶ月ほどでヒナが孵化。9月の末頃、シベリアが厳しい寒さの季節を迎えると、沼や川が凍りつき、エサを探したり、泳いだりできなくなるため、日本を目指して約4千キロの空の旅が始まるのだ。 こうして、北海道の湖などで羽を休めながら、その一部のコハクチョウたちが諏訪湖にやってくる。
諏訪市在住の珪藻研究者飯島敏雄さんによれば、コハクチョウたちが暮らす北シベリアの湖と諏訪湖には、同じ種類の珪藻が存在することが確認されており、「コハクチョウのエサの中に含まれていた珪藻が、糞などを介して運ばれたもの」(飯島さん)と推測されるという。
天竜川源流の水は、コハクチョウといういきものを通して、世界の水環境とつながっていると言えるだろう。
また、天竜川が太平洋に注ぐ河口の砂浜には、絶滅危惧種アカウミガメが産卵に訪れることが知られている。アカウミガメたちは、天竜川が運んだ砂に新しい命を託し、孵化したアカウミガメたちは、遠く赤道直下まで太平洋を移動し、やがて20年後に再び同じ砂浜に産卵にやってくると言われている。ここでも、アカウミガメといういきものを通して、世界にその環境がつながっている。
伊那市新山小学校では、約1年前、珪藻研究者飯島敏雄さんを迎えて、学校近くにあるハッチョウトンボが生息する湿地の水を調べる授業を開いた。その授業の中で、新山には貴重な水環境があり、日本でも珍しい珪藻が存在していることを確認している。そこで、新山小学校では昨年夏、その湿地の水がやがてたどりつく天竜川河口へ、アカウミガメの卵に出会う旅に出かけ、その貴重ないきものたちの存在と自分たちのふるさとがつながっていることを知った。
そして、この冬、自分たちのふるさと新山から天竜川を上流にたどり、諏訪湖の鳥たちに出会う旅に出かけた。 -
4カ国の食文化など学ぶ はなまる地域探検隊
伊那市内の小中学生を対象に体験活動の場を提供する事業「はなまる地域探検隊」は19日、同市駅前ビルいなっせで恒例の新春国際交流会を開いた。市内などに在住の米国、カナダ、バングラディッシュ、ネパール出身者を講師に招き、それぞれの食文化などを学んだ。
広く世界の人たちと交流する目的で4回目。児童や生徒約100人と、信州大学に通う学生や国際交流員ら5人が参加した。子どもたちは班ごとに分かれ、香辛料をたっぷり入れたカレーのほかクレープやクッキー作りに挑戦。おしるこやみそ汁も料理し、試食をしながら交流を広げた。
信大農学部の大学院生でネパール出身の男性、ウッダブ・バハドゥール・ギミレさん(38)は、羊肉とタマネギ、ニンニクなどを一緒に炒めた郷土料理「カシコレド」を調理。ウッダブさんは「ネパール料理に興味を持ってもらえてうれしい。交流は楽しい」と笑顔で話していた。
チョコレートチップクッキーを作った伊那中学校1年の牧田はるかさん(12)は「英語を使って、ちょっとお話ができて楽しかった。もっと英語で話して見たい」と目を輝かせていた。 -
かんながけプロに学ぶ 伊那東部中2年生
伊那市の東部中学校の2年生(7クラス、各40人)は地元の大工からのこぎりびきや、かんながけの技術を学んでいる=写真。「地域触れ合い学習」の一環。技術科の時間を使ってプロの技を体験しながら、それぞれが本立てなどの製作に取り組んだ。
学習は21縲・0日の5日間の日程で、上伊那建設労働組合の伊那大工、美篶、富県、手良の4分会計22人が学校を訪れ、7クラスの生徒を指導する。初日は、手良分会のメンバー4人が3組の子どもたちと交流を深めた。
かんながけは習得に3年以上かかる技術で、「余分な力を入れず、手でなく腰で引くのがコツ」などと指導。体験した飯島裕太君(14)は「はじめは難しかったが慣れてくると木くずがきれいに出てきて面白かった」と講師の手の動きを観察していた。
手良分会長の向山達雄さん(66)は「今は職人の数も減ってきている。みんなに少しでも興味を持ってもらい、ものを自分の手で作り出す魅力を知ってほしい」と話していた。
かんながけに挑戦する東部中の2年生 -
伊那西高校合唱コンクール開催
伊那市の伊那西高校は22日、07年度合唱コンクールを伊那市民会館で開いた。3学年17クラスが課題曲の「フユノヨル」と各クラスごとに選んだ自由曲1曲を披露=写真。結果、3年5組が今年の1位に輝いた。
コンクールは毎年この時期に開催しているもの。数年前から市民会館に会場を移し、一般の人にも広く聞いてもらえるようにしている。
自由曲に「瞳の宇宙」を選び、練習を重ねてきた3年5組は、これまでの成果を存分に発揮。場内に美しい歌声が響きわたった。また、午後は合唱部などの演奏もあり、集まった生徒たちを楽しませた。
音楽担当の橋爪えりか教諭は「今年はどのクラスもいつもよりレベルの高い演奏でした」と話していた。
コンクールの結果は次の通り。
(1)3年5組(2)2年3組、2年6組(3)2年2組、2年5組 -
上伊那建労組箕輪分会が箕輪中2年生に技術指導
箕輪町立箕輪中学校で21日、上伊那建設労働組合箕輪分会が2年生の技術の授業で、のこぎりやかんなの使い方を指導した。生徒は地元の職人の技を間近に見て学んだ。
1996年に箕輪分会がボランティアで訪れたのが始まりで、毎年続いている。2年生は昨年10月からテーブル作りの学習をしており、各クラスが2回ずつ組合員から技術を学ぶ。
この日は2年3組の1回目の授業。組合員4人が訪れた。学習はのこぎりびき、かんながけ。のこぎりびきでは、「真上から見てまっすぐ切る」「一番最初に刃を入れるところが肝心」とアドバイスを受けた。
かんながけでは、「小口は刃の調整をできるだけ小さくする」などと教わり、生徒は刃の微妙な調整具合を組合員に教わりながら何度もかんなをかけた。男子生徒は「かんなの刃は調節が難しい。勉強になった」と話していた。
箕輪中は本年度、町教育委員会が取り組む「ものづくり教育プログラム」を受け、技術の授業に「ユーザー視点のものづくり」学習を取り入れている。今回のテーブル作りでは、製作前にユーザーの意識調査として家族の意見を聞くなどの学習をしている。 -
みすゞ俳句会が新年総会
月刊俳句雑誌「みすゞ」を発行する上下伊那の俳句愛好者でつくる、みすゞ俳句会(城取信平主宰、会員約500人)は20日、伊那市内で新年総会を開いた。初句会や懇談会などもあり、集まった会員約100人が交流を深めながら新年を祝った。
「みすゞ」は本年6月で創刊700号を迎える。総会では本年の活動計画として6月15日に記念大会を開く予定。恒例の一泊吟行は止め、秋に日帰り吟行を計画する。このほか昨年の顕彰として、「みすゞ賞」「奨励賞」の計3人の発表もあった。
城取主宰はあいさつで、「県内の結社も高齢化が進んでいるのが現状。これからも新しい会員を募りながら俳句で語り合い、俳句の仲間と仲良く手をつなぎ、一日一日を精いっぱい生きていこう」と呼びかけた=写真。 -
伊那市・知立市の伝統文化交流公演会開催
それぞれの地域に伝わる郷土芸能を知り、後世へと継承していってもらおう竏窒ニ20日、伊那市の生涯学習センターで「伊那市・知立市の伝統文化交流公演」あった。伊那市の友好都市である愛知県知立市に伝わる国の重要無形民俗文化財「知立山車文楽」と、伊那市長谷中尾地区に伝わる農村歌舞伎で、市の無形民俗文化財「中尾歌舞伎」が上演され、集まった約300人の目を楽しませた。
伊那市のNPO法人・伊那芸術文化協会が一昨年から開催している試みで、地元に伝わる郷土芸能を見てもらうとともに、地域に伝わる方言を織り交ぜながらその由来、成り立ちなどを伝える劇を公演。楽しみながら伝統文化に触れてもらうことを目的としている。
伊那市の友好都市である知立市を迎えるのは今回が初めて。「知立山車文楽」は、本来山車の上で人形浄瑠璃を上演する珍しい文楽で、第1部ではその由来や人形操作の方法などを紹介する劇の中で、保存会のメンバーが演目「日高川入相花王 渡し場の段」を上演=写真。人形たちは三味線演奏とともに華麗な演技を披露し、会場を沸かせた。
第2部では中尾歌舞伎保存会が「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」を披露。演じられた悲劇の物語に、観客も引き込まれていた。 -
【シンガー・ソングライター 吉本有里さん】
東京学芸大に入学はしたものの、教員になるための勉強に興味が持てなくなっていたある春の日、授業に出る気がせず、大学近くの小金井公園に足が向いた。折りしも盛りだった桜の花びらが空中をひらひらと漂う光景を眺めて「私も力を抜いたらあんなふうになれるのかな」と思っていると、知らず知らずのうちに体が舞っていた。「その時、桜の歌が体の奥からわき出てきて、いつの間にか口ずさんでいたんです」
初めての曲『花びら流れて』を「授かった」瞬間だった。
◇ ◇
卒業後、教員にはならず、シンガーとして全国各地で演奏した。32歳の時、知り合いのつてで探した米カリフォルニアの山中の小屋に移住。「お腹の中の子のためにも自分のためにも、どうしても自然出産がしたかった。でも日本にいると必ず誰かが心配して世話を焼いてくれるので仕方なく国外脱出です」
電気も水道もない、まさに自然の中での暮らしだった。
「生まれてからずっと物に頼って生きてきたけれど、動物としての野生を取り戻したように心が洗われてストレスがなくなった。出産だって初めてなのに、どうすればいいのか内なる声が聞こえてきたんです」
生活する金が底をつくと町に下りて赤ちゃんをおぶって歌を歌い、バイオリンを演奏した。「子連れのミュージシャン」と評判を呼んで、各地から演奏依頼の声が掛かった。
10年後に帰国してからもCDをリリースし、全国ツアーを行うなど活躍している。
◇ ◇
静岡県出身。ほとんどテレビも見ず、音楽も聴かずに育った。
「既製の音楽にとらわれないのはそのせいもあるかな。私の曲は作っているんじゃなく、胸の中に流れて来るもの。だから生みの苦しみはない。今までもそうだったし、今の生き方を続ける限り、これからもずっと流れて来てくれると信じています」
大切な人に裏切られて起き上がる元気もないくらい落ち込んだこともある。そんな時、ふとギターを手に取ってみると、やはり心に音楽が流れてきた。
「でも、失望し、恨んでいるはずなのに流れてきたのは違う歌。心の奥にある、本当の自分の思いだったんです。信じている、いつかまたきっと出会えるんだっていう竏秩B歌はいつも本来の自分を見せてくれる」
「人は歌を通して人生を分かち合うことができるんです。コンサートで私の歌を聞いた人が自分の人生を呼び起こされ、大切なことを思い出せるような…。そんな歌を歌っていきたい。私も音楽によって生かされているんです」
(白鳥文男) -
宮田小の耐震診断結果、08年度から補強へ
宮田村宮田小学校の校舎のうち、1981(昭和56)年度以前に建設した特別教室棟、普通教室棟、体育館が耐震基準を下回ることが診断結果で正式に判明した。21日の村教育委員会定例会で報告し、今後2年間かけて補強工事に着手する。
新年度に特別教室、普通教室両棟、2009年度に体育館の補強をそれぞれ実施する計画。概算で工費は1億1千万円ほどを見込んでおり、今年度中に設計に入る。
同教委では、教室棟の改修にあたって影響が出る学級もあることから、空き教室を利活用して児童の学校生活に対応していく考え。
同じく診断した給食棟については基準を上回った。 -
宮田小児童が諏訪湖でハクチョウ観察会
宮田村宮田小学校の児童と家族約50人が20日、諏訪湖でハクチョウ観察会を開いた。冬の使者である多くの水鳥とふれあい、子どもたちが歓声をあげた。
昨年に続いて2回目の観察会で2年生が中心に参加。日本野鳥の会伊那支部の小口泰人さん、同諏訪支部の北沢千文さんを講師に、ハクチョウをはじめユリカモメなど湖に飛来した鳥たちと接した。
諏訪湖白鳥の会の協力で、エサやりの体験も。2年2組の市原春菜さんは「何羽も白鳥が観察できた」と喜んだ。
原一彦教諭は「鳥たちと自然な形で接することができ、子どもたちの良い体験になったと思う」と話した。 -
08年度大学入試センター試験始まる
08年度大学入試センター試験が19日、全国の試験会場であった。上伊那の会場となっている南箕輪村の信州大学農学部と駒ヶ根市の県看護大学には、上下伊那の受験生約1300人がそれぞれの試験会場に集まり、これまでの努力の成果を発揮すべく、試験に臨んだ。
大学入試センターによると、08年度、センター試験を利用する大学は国公立、私立合わせて621大学(08年1月17日現在)と過去最多となっている。こうした状況からか、上下伊那のセンター試験受験者数も過去最多の1456人となり、2会場に収容できなくなる事態が発生したため、約100人が松本会場で試験を受けることとなった。
約900人が受験することとなっている農学部会場には、受け付け開始時刻の午前8時10分ころから受験生が集まり始め、会場の外で待ち構えていた担任の教師らに激励の言葉をかけられると、緊張した面持ちがほぐれて笑顔を見せる姿もあった。
伊那市内の高校に通う受験生の一人は「今まで勉強してきた成果を今日のセンターで十分発揮できるよう頑張りたい」と意気込みを語った。 -
かんてんぱぱ小学生絵画コンクール表彰式
伊那食品工業(本社・西春近、井上修社長)主催の「第3回かんてんぱぱ小学生絵画コンクール」の表彰式が19日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールであった。市内の小学校から寄せられた作品738点を展示したホールに入賞者23人が集まり、井上社長などから表彰状を受け取った=写真。
同コンクールは、絵を描くことを通して子どもたちに古里を見つめてもらおうとの願いで、一昨年から開催されている。この日は、11月に行われた審査会で見事入賞作品に選ばれた児童らが会場に集まった。
井上社長は「絵を通して自分の古里を見続けてほしいというのがコンクールの思い。応募してくれた738人、すべてのみなさんが主役だと考えている」と語り、入賞者に表彰状を手渡した。
最優秀賞のかんてんぱぱ賞を受賞した新山小学校2年の両角あずささん(8)は「最初は難しいと思ったが、意外に簡単だった。大豆の色が難しかった」と話していた。
子どもたちの作品は2月11日まで同ホールに展示している。入場無料。午前9時縲恁゚後6時。 -
ハーモニカ教室、心温まる発表会
宮田村公民館ハーモニカ教室は19日、3年間の練習の成果を披露する発表会を村民会館視聴覚室で開いた。郷愁誘う音色で訪れた聴衆を魅了。会場一体となり心温まるコンサートとなった。
「緊張で頭が真っ白」と話すメンバー。会場からは「がんばれ」と声援も飛び、練習を重ねてきた曲を合奏や独奏で披露した。
知床旅情にもみじ、冬景色など情感も豊かに演奏。
独奏する女性の音色にあわせ、会場も一緒に口ずさんで盛りあげる場面もあった。
3年前の発足以来、村文化祭出演や村内の福祉施設を訪問するなど、対外的にもハーモニカの楽しさを発信してきた同教室。
この日の発表会も多くの村民と一緒に満喫し、心地良い緊張感を次なる力にしていた。 -
箕輪南小学校で百人一首大会
箕輪町の箕輪南小学校(北原文雄校長)は18日、百人一首大会を同校で開いた。全校生徒90人が参加し、伝統的な遊びを楽しんだ。 百人一首大会は同校では毎年恒例の行事。1、2年生は2人一組で、3縲・年生は5、6人でグループとなり札を囲んだ。
低学年の児童たちは下の句を聞いてから一枚一枚探す。上のを聞いたらすぐに札を探しにかかる。見つけたら、「はい」と素早く手を伸ばし、札を叩いた。 -
西箕輪中で熱戦 百人一首大会
伊那市の西箕輪中学校は17日、全校生徒を対象とした新春恒例の百人一首大会を開いた。体育館に集まった生徒約160人は、学年の枠を超えた5縲・人ずつのグループで札を取り合い、喜びを声に出しながら熱戦を繰り広げた。
大会は、全校を26グループに分けたクラスマッチ形式。各クラスの総合獲得枚数をクラスの人数で割った平均枚数で競い合った。上位3クラスのほか、各グループの最多獲得者を表彰した。
3学期に入ってから国語の授業で取り組んできた百人一首。それぞれの自主練習に励んできた成果が試された。大会は札が少なくなるにつれて激しさは増し、終盤になると各グループで歓喜の声がわいた。
各クラスの実力者を集めた3つある「選抜グループ」の一つでは、1年生の千代(ちしろ)昌吾君が先輩を退け36枚の札を獲得。千代君は「家でけっこう練習した。先輩たちがいて緊張したが、家にいるような感覚で臨んだら勝てた」と笑顔を見せていた。
熱戦を繰り広げた西箕輪中の百人一首大会