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第6回睦月展
世代や性別を越え、創作活動に携わる人たちが作品を出展する「睦月展」が15日まで、伊那市立図書館の広域情報コーナーで開かれている。折り紙や陶芸、油絵などの作品が、訪れた人たちの心を和ませている。
もともと絵を志す仲間同士で始めた展示で6年目。その後、活動分野にこだわらず、陶芸、染色、折り紙などを周囲の人から募るようになった。不登校児童の支援などにあたる上伊那子どもサポートセンターも協力参加。創作活動は、子どもの内面を表現する手段にもなっているという。
今年は、中学生・高校生から80代の女性まで、幅広い年齢層の約15人が出展。展示会は、関係づくりの機会にもなっている。
入場無料。 -
3学期始まる
高遠町と長谷村の4小中学校で10日、始業式があった。
長谷小(三澤久夫校長)は、学校生活への願いや1年間の安全を祈って、だるまに目入れをした。近くのJA上伊那美和支所が毎年8体を贈っているもので、全校児童を前に、三澤校長と児童会副会長が2体に目入れ。職員室と児童玄関に置き、残りの6体を各学年の教室に飾った。
式では、1、3、5年の代表10人が意見発表。「下級生の見本になるような生活をしたい」「友達や家族を大切にしたい」「学校を1日も休まないようにしたい」など今年の抱負を述べた。
三澤校長はあいさつで、ある小説家と日本画家の作品や作家になるまでの歩みを紹介し、「大きな夢をもち、実現に向けて進んでほしい」と呼びかけた。
高遠小(宮下廣規校長)は式に合わせて恒例の「新年の会」をした。伊那三曲協会を招いて、筝(こと)・尺八の演奏に耳を傾けた。
伝統芸能に触れる機会として、地域の芸能団体に出演を依頼。近年は詩吟や剣舞などを鑑賞している。伊那三曲協会は初めて。
曲目は、「年のはじめ」「さくら変奏曲」「飛躍」の3曲。福沢雅志世普及委員長が「新年を祝して」「高遠町が桜の名所ということもあって」「みなさんが1年間元気に躍動できるように願いを込めて」とそれぞれ選曲理由を説明し、歌を交えて演奏を披露した。
児童たちは、日本古来の伝統楽器が奏でる和やかな音色に聞き入り、気持ちを新たに3学期をスタートさせた。
伊那三曲協会は上伊那の学校の要望に応じて演奏披露や筝指導をする。年間で約20校を訪問し、日本音楽の普及に努めている。この日は、17回目となる伊那市の東春近小にも訪れた。
一足早く6日に始業した高遠北小学校は10日、授業で書道を習っている3年生以上が年末年始休みに仕上げた書き初め作品をそれぞれ教室や廊下に貼り出した。20日まで展示する。
3年はひらがなで「はつゆめ」、4年は「はるの光」、5年は「雪の正月」、6年は「希望の朝」。どれも達筆で、見ごたえある作品が並んだ。
本年度、漢字を習い始めた4年生は、力強く書いた漢字の「光」に苦戦し、納得できるまで何十回も書き直したという児童もいた。
女子児童の一人(10)は「全体的に難しかったけど、そのなかでもやっぱり漢字。家族に教わりながら、一生懸命書いた」と話していた。
2年生は今年の目標を各自硬筆で記した作品を飾った。 -
中川東小で3学期始業式
中川村の中川東小学校(久保村和子校長)は10日、3学期の始業式を行い、登校日数50日と最も短い、まとめの学期をスタートさせた。
式では2年生の代表3人が「算数の九九が早く言えるように頑張りたい」「一言もしゃべらず、床をピカピカに磨く」など3学期の目当てを発表。
5年生代表は書初めで「掃除」「百人一首」「全校の見本」「笑顔が1番」など、新年の決意を披瀝した。
斉藤寿典児童会長は「今年は戌年、犬にように強く目標に向かう年にしたい。3学期は児童会祭をはじめ、まとめの行事がいっぱいあるが、全校で力を合わせて頑張りましょう」と呼び掛けた。
久保村校長は「学年の始めに立てた目標を思い起し、3学期は50日間と短いが、みんなで力を合わせ、しっかりと1年間のまとめをしよう」と話した。 -
SO竏鱈ABが新春ライブ
邦楽バンド「SO竏鱈AB(ソーラボ)」のライブ「その参」が8日夜、伊那市生涯学習センター6階ホールであった。「和」と「洋」をコラボレートしたステージで、奏者と観客が一体となって楽しんだ。
00年夏に結成されたソーラボは、伊那市を中心に尺八、箏(こと)、十七弦、ギター、パーカッションの奏者5人のグループ。
今回はオリジナル曲「風来」「朝霧」「月の贈り物」「Gmブルース」などを中心とした12曲を用意した。童謡「チューリップ」を明るく、楽しくアレンジした最新作「SA・I・TA(咲いた)」も。
ロック調の雰囲気を出したステージに、奏者5人が立ち「子どものころ、西部劇が好きだった。疾走感の曲を作りたいと思って書いた」など曲紹介を交えながら、軽快な音楽を奏でた。
観客約200人はリズムに乗り、新春の一夜をにぎやかに過ごした。 -
愛情たっぷりの七草がゆ
正月疲れの胃袋を休める七草がゆ。宮田村の福祉交流施設なごみ家でも7日、利用者らに振る舞われ、「今年1年元気に過ごせそう」と喜んだ。
同施設管理人の鈴木幸子さんが、愛情たっぷり込めておかゆに彩り豊かな七草を添えた。
施設を利用していた小学生と、心の病と向き合っている当事者グループ「こざくら」のメンバーらがさっそく試食。「あったまる」「今年は良いことありそうだ」と、正月明けの伝統食を満喫していた。 -
無病息災願ってどんど焼き
宮田村大原区で7日朝、無病息災を願う正月の伝統行事「どんど焼き」が行なわれた。子どもたちがしめ飾りや門松などを各家庭から集めて点火。住民の多くも参加して餅を焼いて食べ、良い1年になるよう祈った。
地区PTAの主催で、小学生が各家庭を巡回。正月飾りなどを天満宮横の広場に集めると、高さ3メートルほどにもなった。
点火すると、炎と白煙が勢い良く空高くへ。燃え尽きると、餅を焼いてさっそくみんなで食べた。
きな粉にまぶしたり、砂糖しょう油につけたり。地区PTAの宮沢会長は「子どもたちが行事に親しんでくれてうれしい」と目を細めていた。
この日は中越区でもどんど焼きが行なわれたが、多くの地区は8日に予定している。 -
箕輪南宮神社山車飾保存会
箕輪南宮神社祈年祭に奉納する山車(だし)飾り。100年以上もの歴史がある山車飾りを、木下区民有志でつくる箕輪南宮神社山車飾保存会(会員47人)が守り、受け継いでいる。
歴史上の有名な人物や物語の場面を、人形を作り舞台に再現する山車飾り。始まりは明治初期で、高遠から箕輪郷木下に移り住んだ青年が、「高遠の鉾持神社の例祭に古くから山車が飾られ、参詣者の足を止めている。南宮神社の祭りにも飾ったらどうか」と提言したものという。
神社境内や商店、町内各所に計30余もの山車が飾られた時代もあり、昔は商店や常会、青年会などで作っていた。78年に保存会が発足。88年7月、山車飾りが箕輪町民俗無形文化財の指定を受けたのを機に新たに保存会を組織し、一般区民のほか区会議員も参加する現在の形になった。
「物作りが好きだということが基本にある。その気持ちがあるから続いているのでは」と蟹沢廣美会長。会員は友達で誘い合ったり、区会議員で参加しそのまま残ったり。モーター仕掛けで人形を動かすための技術者が必要で「会に入れられちゃった」と笑う人も。
保存会は「材料が何もないゼロからのスタート」だった。町や木下区の補助を受け、人形の頭や着物の生地など材料を少しずつ買いそろえ、今では頭を70個所有。「財産が増えた」。
「今は前に使ったものを補修してできるから楽になったけど、最初から作るのはえらいこと」「鎧の着せ方も分からずに会に入って、最初は前からいた人に教わった。難しいもんだなと思ったけど、あれがいい勉強になっている」
衣装作り、機械操作など、各自が過去の職業や得意分野を持ち寄って制作に携わる。
祈年祭の舞台決めは夏ころから始まる。昨年は、穂高神社の研修視察で頭や手、胴体などの作り方を学び、9、10月に保存会独自の工夫を加えて胴体を作った。11月末からは日曜日を除く毎晩、人形作りや舞台の組み立て作業に精を出した。
「仕上がって飾ったときは立派にできたなと思う。その時はやっぱりうれしい」「自分ではまだ足りないと思うけど、素晴らしいと言ってくれるとほっとした気持ちになる」
完成したときの喜びに加え、「歴史的な面白さ」もある。「歴史に関心がうとかったが、作り出すと歴史を再検討するような勉強になる会」と話す会員もいる。
毎年異なる舞台を作る大変さがあるが、「続けていかにゃいかんという責任感」で、皆が団結。後継者育成のため02年に発足した子どもたちの「スマイル山車くらぶ」の指導にも力を注ぐ。
今年の祈年祭は14、15日。「安寿と厨子王」「孝女白菊」「曽我兄弟の仇(あだ)討ち」、干支(えと)にちなんだ「犬の踊り子」「犬のごあいさつ」、スマイル山車くらぶの「花咲かじいさん」を奉納する。二年参りには、一足早く「犬の踊り子」を披露した。
祈年祭が終わると例年、町役場や文化センターにも山車を展示。木下区民文化祭にも飾る。
祈年祭まで1週間と迫り、「どんな批評があるかな。大勢来てくれるかな」と、そんな思いを抱きながら、今は舞台への飾り付け作業を進めている。 -
イコン展・かくれキリシタンの聖画展
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館は「鞠安(まりや)日出子イコン展・写真で巡るかくれキリシタンの聖画展」を2月28日まで開いている。イコン(キリスト教の神や天使、聖人などを描いた絵画)作家鞠安日出子さんが描いた大小の作品約100点と、写真家中城忠さんが撮影した長崎県生月島の隠れキリシタンの聖画などの写真パネル約60点を同時に展示している=写真。
午前9時30分縲恁゚後5時。入館料は大人千円、大・校生800円、小・中学生500円(小・中学生は毎週土曜日無料)。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。 -
宮田小で3学期が始業
伊南地方のトップをきって宮田村の宮田小学校は6日、3学期の始業式を開いた。厳しい冷え込みの朝となったが、子どもたちは書き初めなどの課題を抱えて元気に登校。年末年始の思い出や今年にかける夢を語り合った。
始業式では児童を代表して小田切みのりさん=2年=と平沢太志君=5年=が新年の抱負を全校に発表。
取り組んできた学習の成果を振り返り、「3学期は短いけど、3年生になるためのまとめをしたい」(小田切さん)、「けじめをしっかりつけ、全校をまとめられる6年生になりたい」(平沢君)と語った。
野溝和人校長は「終わり良ければすべて良し」と話し、「今まで頑張ってきた人は継続し、そうでない人も挽回は可能。みんなで努力する喜びを味わおう」と呼びかけた。
各学級ではさっそく授業が始まり、冬休み中の課題や出来事、新年の夢などを発表していた。 -
はら美術で柴田久慶さんが個展
人物画を通じて自らの思いを描く駒ヶ根市の洋画家・柴田久慶さん(60)の個展が9日まで、伊那市旭町のはら美術で開かれている。暖色系の色彩で描きこまれた独特な人物画や風景画など約50点が、訪れた人たちの目を楽しませている。
柴田さんは国画会や県展などで数多くの賞を受賞し、県展審査員なども勤めてきた。はら美術での個展は初めて。
見る角度やポーズによって、さまざまな表現を可能とする人物画の魅力にひかれ、被写体を通して心の内を表現することに挑んできた。昨年の国画会に出展した作品「MAN」は、近年の世情不安を描写。戦争を繰り返し、弱い者がみじめな思いをする社会をつくり上げた人間の愚かさを表現し、そうした醜い部分は、誰の中にも存在することを訴えかけている。
柴田さんは「絵画を始めて40年近くになるが、やっと絵の具の良さが分かってきた。微妙なタッチを楽しんでほしい」と話していた。
入場無料。9日まで。 -
伊那市在住・出身者の作家洋画展
伊那市在住・出身者の作家洋画展「漸(ぜん)進展」(実行委員会主催)が5日、伊那市生涯学習センター2階ギャラリーで始まった。作家13人が持ち寄った風景、人物、抽象など24点が並び、訪れた人の目を楽しませている。10日まで。
作品は、かやぶきの屋根に雪が積もった「信濃雪景」をはじめ、「街角」「家族」「月と女 曼荼羅(まんだら)」「御岳I」など。一人が最新作1縲・点を展示した。サイズは100号以上の大作が多い。
須沢重雄代表は「作家が精根込めて描いた。大作が多く、それぞれ個性を生かした作品は見ごたえがある」と話している。
作品展は一昨年のセンターオープンのこけら落しとして始まったもので、本年で3回目。「一人ひとりが少しずつでも前に進んでいこうという気持ち」で、昨年までの精鋭作家洋画展から名称を変更した。
開館は午前10時縲恁゚後5時(最終日4時)。入場無料。 -
かんてんぱぱ・森のドライアート展
伊那市西春近のかんてんぱぱホールは15日まで、駒ヶ根市在住のクラフト作家・市山泰子さん(51)による「森のドライアート」展と、『かんてんぱぱガーデンに咲く四季折々の花』を出版した植物細密画家・野村陽子さん(52)=山梨県=の細密画展を開いている。植物の異なる側面を楽しめる2つの展示会が、訪れた人たちの目を楽しませている。
園芸種にはない魅力を持つ山の素材の色彩や形にひかれ、リースやオブジェ製作を手がけるようになった市山さん。今回はコケ類、樹皮、木の葉、つるなど、野山にある素材を中心にした作品を多く並べた。
乾燥した青葉だけでなく、枯葉も素材として使った作品も多いが、枯葉が青葉の緑をより鮮やかに見せる一方、青葉は枯葉の温かみを感じさせ、それぞれが作品を引き立て合っている。
市山さんは「あまり人が目に留めないなにげない素材の良さを知ってほしい」と話していた。 -
かんてんぱぱで高遠石工写真展
「高遠石工を訪ねる友の会」(赤羽忠二代表)による「新春高遠石工写真展」が4日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。県内外に残された素晴らしい石仏を撮影した写真約70点が、訪れた人の関心を引き付けている。
江戸中期から多くの石仏を残した高遠石工は、生活の場を求めて伊那地域から山梨県、岐阜県、関東方面など、あらゆる地域へと波及。その優れた技術は各地で受け入れられた。
職人によって作風は異なるが、手からつま先まで丹精に刻まれた高度な技術は一環している。約200年前に始まった文化は以後100年近く、親から子へと引き継がれたが、明治時代になると後継者が不足し、技術が途絶えてしまった。
会場には、親子代々の作品写真を並べた展示もあり、美しい石仏と共に時代の変遷もうかがえる。
代表の赤羽さんは「先祖が苦労して引き継いできた技術が、今なお各所に存在していることを知ってほしい」と話している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。9日まで。 -
中川村の成人式
中川村は「成人の日(9日)」に先立ち3日、文化センターで06年成人式を開いた。新成人73人(男40、女33)のうち、62人が女性は華やかな振り袖で、男性はスーツ姿で出席し、村理事者や村議会、恩師らの祝福を受けた。
村公民館と新成人などでつくる実行委員会が企画、進行したこの式典で、松村正明公民館長は「成人式は社会を担う一員として公に認められた節目の式。今年は知事選や村議選があるが、率先して選挙権を行使し、自覚と責任を果たしてほしい。21世紀を担う大事な1人として、心と体の健康に留意し、村や日本、世界の発展に貢献して」と期待した。曽我村長は「社会には筋の通らないことや理不尽なこともあるが、不平不満を言わず、自分が変わることが大事。自分を変え、成長することで、周りを変え、すばらしい未来をつくって」と激励した。
引き続き、新成人の代表に村からは記念写真と紅白ワインセット。安協中川支会女性部からは手作りの交通安全ストラップがそれぞれ贈られた。
また、新成人を代表し、佐々木壮さんは「親元を離れ、1人暮らしをして、初めて家族の苦労が分かった。家族への感謝の気持ちを忘れず、社会の一員として、自覚を持ち、責任ある大人に成長したい」。北島奈美さんは「社会人として自覚を持ち、責任を他の人に
転嫁するような大人にならないように、一歩一歩努力したい」とさわやかに、成人の決意を述べた。
この後、成人者は輪になって1分間スピーチ、最後に記念撮影を行い、思い出深い節目の式を閉じた。 -
ブラジル母国語教室「BABY KID’S」保育担当
駒ヶ根市赤穂
関口一枝さん「ポルトガル語で『うんちが出る』っていうのは“コッコ”っていうのだけど、最初はそれさえも分からなくて大変でした」
伊那市双葉町にあるブラジル人母国語教室「Baby Kid’s」(飯島ヨシムネ代表)の保育担当。昨年3月、代表の飯島さんが一時帰国することになり、その間の3カ月間、留守を引き受けることになった。「今は約束の3カ月を過ぎているのだけど、慕ってくれる子どもたちや、日本の事情がよく分からないスタッフに『いてほしい』って引き止められて、なかなか戻れなくて」と笑う。
◇ ◇
高校卒業後、オーストラリアへと出かけた次男が身ぐるみをはがれ、斬りつけられるという事件に遭遇。しかし、近くにいた中年女性が面倒を見てくれたおかげで、息子は無事に帰国することができた。見ず知らずの外国人を助けてくれた女性に感謝しながら「きっと日本で生活する外国人も、いろんな不安を感じているんだろうな」と実感した。少しでもそうした人たちの力になれれば竏窒ニ、出稼ぎに来る日系ブラジル人の家族と交流するようになる。そんな中「会社の寮を使って日系ブラジル人の子どもたちを見ている人がいるよ」と紹介されたのが「BabyKid’s」の前身となる託児所だった。そこから親戚付き合いのような交流が始まる。
◇ ◇
母国語教室との付き合いは20年近い。保育士として勤め上げたキャリアもあったが、日本の保育園と違い「言葉の壁」がある母国語教室での生活には、当初戸惑うこともあった。何が原因で泣いているのか分からず、なんて声をかけてあげれば良いのか分からない竏窒サんな状況もしばしば。しかし、日本語ができる子どもの力を借りて、何が原因かを知ることができるようになった。ここまでがんばってこれたのは、子どもたちが与えてくれたパワーのおかげ。
教室にはポルトガル語しか話せない子どもも多い。「せめてあいさつくらいは」と毎朝、ポルトガル語のおはよう“ボンジーア”に続けて、日本語で“おはようございます”とあいさつするようにしたところ、最初はポルトガル語しか話せなかった子どもが「おはようございます」とあいさつしてくれるようになった。「いただきます」を言う習慣もなかったが、それも言えるようになった。こうした日々の変化を発見することが、何よりの楽しみとなっている。
「もういい年なので、今後は自分の趣味の時間もほしいなっと思って。ただ、保育担当を離れても、母国語教室や日本にいるブラジル人家族とは変わらず交流をし、自分にできることを続けていきたいと思ってます」 -
新春年女、吉川さん
「コロコロして丈夫、好き嫌いがなく誰とでも仲良くできる。悪く言えば八方美人」と戌(いぬ)年の性格を分析する。
子どものころ、犬に追いかけられ、犬嫌いになったが、婚家で犬を飼っていたため「世話をしているうちに、まあまあ、お付き合いでできるようになった」とか。
飯島町に生まれ、地元の高校卒業後、母に「地元にいてほしい」と懇願され、飯島町役場の事務吏員に、住民課窓口が振り出し。「住民と直接触れ合う職場で、色々な人が来て、時には大きな声を出す人もいた」とか。商工観光課では千人塚のスケート場づくりにも携わった。「水を撒いた夜、凍みが強いと、いいリンクができるとうれしかった」。
企画財政課の花機構事務局も担当。「飯島町には花愛好者や花き生産者が多いことに驚いた。盆花市では、裏方の苦労も体験し、いい勉強になった」と振り返る。
01年から教育委員会に。社会教育係として「少子化が進み、自立のまちづくりの中で、子育て支援はどうあるべきかが問われている。お金を掛けずに子どもにも親のためにもなる支援とはなにか、模索している。公民館は生涯学習のし掛け人、多くの人に公民館の活動を知ってもらい、利用し、それぞれのスキルアップに役立ててほしい」と願う。
夫と子ども2人、義母の5人暮らし -
七久保で大晦日花火大会
大晦日の風物詩、飯島町七久保の七久保煙友会の大晦日新春花火大会は、七久保上通り集会所西側をメイン会場に、今年も大晦日の午後11時30分から元旦の0時30分まで盛大に行われる。A2版の豪華なポスターも完成、町内随所に張り、来場を呼びかけている=写真。
19回目の今年は、除夜の鐘108にちなみ尺玉8発のほか、ロング綱火、小型花火、スターマインなど煙友会が「来場しないともったいない、見られない」と惜しまれるようにと、工夫を凝らす。
また、会場では年越しそばや豚汁、お神酒が振舞われる。 -
南宮神社祈年祭に奉納
山車飾り準備進む箕輪町木下の山車飾り保存会(蟹沢廣美会長)は、06年1月14、15日の南宮神社祈年祭に奉納する「山車(だし)飾り」の準備を進めている。神社の2年参りには例年通り、神苑池に来年の干支(えと)にちなんだ舞台「犬の踊り子」を飾る。
山車飾りは町民俗無形文化財に指定されている。今年は、社務所前に「安寿と厨子王」、祭典広場東に「孝女白菊」「曽我兄弟の仇(あだ)討ち」、子どもたちのスマイル山車クラブによる「花咲かじいさん」、神苑池に「犬の踊り子」、商工会・コミュニティセンター前は「犬のごあいさつ」を飾る。
会員は11月末から日曜日を除く毎晩、約3時間ずつ人形作りや舞台の組み立てなどに取り組んできた。人形は全て出来上がり、年明けから舞台に人形を据え付けるなど仕上げの飾り付け作業をする。
スマイル山車くらぶの山車飾り「花咲かじいさん」は、干支にちなみ、犬がほえた場所を掘って小判が出てきた場面。5、6年生を中心に11人が11月初旬から毎週土曜日、保存会員の指導を受けて作った。 -
南箕輪小管理教室棟05年度分改修工事完了
南箕輪村内の公共施設で初の耐震構造となる南箕輪小学校管理教室棟(中校舎)の05年度分改修工事が完了した。
04、05年度事業。本年度分の工事は職員室などの増築、耐震補強。耐震補強工事は、職員室と1、2階の各1カ所の窓に鉄骨耐震ブレスを設置し、各階に数カ所ずつ厚いコンクリート壁を設けた。
改修で、校舎は従来より木を多く使い、明るくなった。一部の15教室は2学期から使用しており、通路は3学期、残りの教室は新年度から使う予定。
事業費は建築、電気設備、機械設備、工事監理業務委託費で、総額5億3947万9500円。工期は06年3月15日までだったが、天候に恵まれたことなどもあり年内に完了した。 -
中川村成人式は3日に文化センターで
中川村の成人式は、3日午前10時から中川村文化センターで行われる。今年も成人を迎える実行委員が手づくりの成人式を演出しようと企画、成人者代表あいさつ、成人者1分間スピーチなどが予定されている。
20歳を迎えるのは73人(男40、女33)。
陣馬太鼓の勇壮な響きでオープニング。村歌の斉唱、松村正明公民館長の主催者あいさ、曽我村長の激励の言葉に続いて、公民館や安協女性部から記念品贈呈。松村隆教育委員長、恩師代表がお祝いの言葉を送り、成人者を代表し、佐々木壮さん、北島奈美さんが謝辞を述べる。
引き続き、輪になって、成人者の一分間スピーチ、記念撮影の後、祝宴に移る。
記念品はラベルを新成人がデザインした紅白のワインセット。
新成人は次のみなさん(敬称略)
【男性】亀沢哲也(美里)松沢成善(北組)宮下泰裕、久慈哲史(以上中組)中島彰宏、中塚卓也、米山真二(以上沖町)荒井悠希(三共)森本和幸、平島将寿(以上葛北)片桐開、矢沢雄太(以上渡場)富永春樹(柳沢)佐々木正和、沢田康博、松下泰希、吉田弘次(以上横前)米山俊嗣、上沢秀仁(以上針ケ平)上久保達也(小平)高橋雄一郎(小和田)斉藤渉(竹ノ上)永井友和、井沢孝一(以上中央)渡辺敦(中通)山田慎也、山本竜太、吉田亘、前沢敦史(以上田島)松下竜也(中田島)中平章浩、中平健太、米山和也(以上南田島)佐々木壮、小沢達也(以上牧ケ原)福沢徹、福沢優、川上貴史、坂井明、松下芳弘(以上南原)
【女性】小栗佳子(下平)酒井美希(中組)北村香澄、安富園子、米山あかね(以上沖町)小林蕗子、ワインあけび、若宮亜希子(以上桑原)北島奈美、宮下ゆかり(葛北)下平綾乃、南沢倫香(以上柏原)片桐亜紗美、宮島綾子(以上渡場)出崎未那子、宮崎恵(以上横前)米山沙美子(針ケ平)座光寺舞、桃沢絵里子、座光寺恵(以上小和田)松下あや、南彩、米山静香(以上中央)北沢沙奈美、矢沢睦、久保田淳子(以上田島)中平朋代、唐沢有希子(以上中田島)、松村渚沙(南田島)唐沢真理子、冨永由理(以上牧ケ原)北原麻衣、東山千恵子(以上南原) -
門松作りに大忙し 小松彰一さん(75) 伊那市東春近
「この時期は気合いが入るね」。正月を控え、門松作りに大忙しだ。寒さに加え、朝から夕方までの1日仕事に、手が荒れ、割れ目ができる。それでも「冬の楽しみでやっていることね。人の喜ぶ顔がうれしい」と自宅の庭で火をたきながら、正月飾りづくりに精を出す。
11月ごろから、山に行って松を切ったり、友人から竹を譲ってもらったりと材料を準備。早めに作ると、竹が割れてしまうため、製作は短期間に集中する。
高さ1・5メートルの門松十数基のほか、しめ飾り、タイなどを手がける。門松で使った直径15センチの竹の切れ端を土台にしたミニ門松が新たに加わった。
門松は3本の竹を中心に、松、梅、しめ飾りを組み合わせる。わらで作る土台のはかまも手づくりで、オリジナル。梅は温室で咲かせるが、本年は寒くてつぼみにもなっていないとか。
門松作りを始めたのは15年前。会社にあった門松を見て、作ってみようと思い立った。上伊那中の商店街や銀行の門松を見て回り、研究した。
10年ほど前から、仕上げた門松は、地元の公共施設などへ寄贈。「しめ飾りの作り方を教えてほしい」と自宅まで習いに来る人もいる。小学校などへも出かけ、指導に当たる。
「わしたちの小さいころは、ござを編んだり、学校に履いていくぞうりを作った」とわら文化は生活に欠かせないものだった。今では、わらに触れる機会が少なくなり「わら文化を伝承したい」と願う。
◇ ◇
中川村四徳出身者らでつくるNPO法人「山里の暮らしと豊かな森林を守る会」の理事長を務める。
今夏、立ち上げたばかりで、四徳に築窯した炭焼きがまで間伐材を使って炭を焼いている。
今後、キノコ山を整備したり、ログハウスを造ったりと森林の活性化や山里の暮らしを復活させ、活性化に結びつける。
メンバーは、61年(昭和36)年の三六災害で集団移住を余儀なくされた60縲・0代の住民ら約20人。「まさか、ふるさとの山で炭を焼くと思わなかった」と話すものの、メンバーが集まると、ふるさとの話は尽きないという。
活動を継続するためにも、後継者育成が必要と考えている。
短歌や俳句も趣味。
ふるさとの山で、炭焼きに取り組んだ様子を題材にした短歌もある。
(湯沢康江) -
茅の輪くぐり
飯島町の梅戸神社で28日、師走の大祓い式が行われた。氏子ら約20人が拝殿前に設えた茅の輪をくぐり、1年のけがれをはらい、来る年の無病息災と招福を祈った。
茅の輪の神事は日本古来の行事。同神社は毎年の師走の28日に実施している。
氏子らはまず、日ごろ知らず知らずに身に付いた罪や汚れを払い、人形(ひとがた)に擦りつけおさめた。
続いて、氏子総代らがカヤで作った直径2・5メートルの茅の輪の前に勢ぞろいし、茅野建夫宮司を先頭に、1列になり、神妙な面持ちで3回輪をくぐり抜け、一家の健康と招福を祈った。 -
2学期終業式
駒ケ根市の7小中学校のうち赤穂地区の3小学校で28日、2学期の終業式がそれぞれ行われた。年末年始休業は各校とも1月9日まで。
赤穂南小学校(白鳥彰政校長)の終業式では児童らによる発表が行われた。2年2組は「なかよしランドまつりでお店を開きました」「みんなで頑張りました」などと2学期の出来事を振り返り、4年1組の児童は、総合的な学習の時間で調べた地震についての学習の成果などを発表した=写真。6年2組の児童らはリコーダーの合奏で『パッヘルベルのカノン』を披露し、全校児童の大きな拍手を受けていた。
白鳥校長は「みんなに力がついたことが分かる充実したいい2学期になった。年末年始休みには家族で過ごす時間を大切にしてください」と呼び掛けた。 -
伊那小6年仁組 手作り門松販売
「門松はいかがですか」竏窒ニ児童の元気な売り子の声が師走の寒空に響いた。手作り楽器演奏に取り組む、伊那小学校6年仁組(赤澤敏教諭、34人)は28日、卒業コンサートに向けた資金づくりのため、自分たちで製作した門松を市内の市駅前ビルいなっせなど3カ所で販売した。
4年生の時から鳥笛やケーナなどの手作り楽器に挑戦してきた仁組の門松販売は、2年目。売り上げ金はこれまで、学校の庭に設置した工房の建築費や楽器の材料費などに活用してきた。児童たちは今回、来年3月16日のラストコンサートに向けて取り組んでいる。
門松の材料となる、稲わら、竹、杉の葉は近くの寺などからの頂き物。赤澤教諭の指導で作った児童たちは、25日から3日間で用意した39対を3カ所で手分けして売った。買い求めた客は「頑張ってね」などと優しい声を投げ掛けていた。
児童の一人は「自分もお客さんも楽しめるコンサートにしたい。今までの練習の成果を出して思い出に残したい」と卒業コンサートに向けて意気込んでいた。 -
2学期終業式
駒ケ根市の7小中学校のうち竜東地区の3小中学校で27日、2学期の終業式がそれぞれ行われた。年末年始休業は各校とも1月9日まで。
東伊那小学校(小川清美校長)では白川みほさん(1年)長谷部敬子さん(3年)藤井愛さん(5年)が2学期の出来事を作文にして発表した。白川さんは「掃除も勉強も大好き。友達もたくさんできて良かった。遠足、水泳記録会、マラソン大会などいろいろあってとても楽しい2学期でした」と振り返った。長谷部さんと藤井さんは勉強やスポーツ、ボランティアスクールなどの経験を通じて得たことをそれぞれ発表した。
音楽クラブの児童らが「ずっと練習してきた曲です。聞いてください」とリコーダーやアコーディオン、木琴などでディズニー・ソング『ハイホー』の演奏を披露した=写真。
小川校長は「今年の漢字は『愛』だったが、私は『命』を当てたい」と話し「皆さんと同じ小学生2人が命を奪われた。休み中、命の大切さをもう1度よく考えてください」と呼び掛けた。 -
来年1月にSO竏鱈ABライブ
邦楽バンド「SO竏鱈AB(ソーラボ)」は06年1月8日午後6時半から、伊那市生涯学習センター6階ホールでライブを開く。本番に向け、練習は最終段階に入った。
ソーラボは伊那市を中心に尺八、箏(こと)、十七弦、ギター、パーカッションの奏者5人のグループ。新春ライブは3年目を迎え、今回は「和」と「洋」をコラボレートした構成で、自分たちだけのサウンドにこだわった11曲を用意している。
曲目は、1月のライブを収録し、CD発表したオリジナル曲「風来」「朝霧」「月の贈り物」のほか、5つの楽器がからむ「春の海」ソーラボバージョン、和楽器を取り入れたブルース、「チューリップ」を明るく、楽しくアレンジした最新作「SA・I・TA」など。
ギターの毛涯伸さん(44)=長野市=は「ステージはロック調。和を崩した形だが、改めて古典の良さを感じた。正月くらいパァといくかという感じで、楽しんでほしい」と話している。
入場料は一般1千円、高校生以下500円、未就学児無料、全席自由。
チケットの予約・問い合わせは、市生涯学習センター(TEL78・5801)または毛涯さん(TEL090・3558・6461)へ。 -
中学生アンサンブルコンテスト
県吹奏楽連盟が主催する第31回県アンサンブルコンテスト中学校の部上伊那地区大会が24日、駒ケ根市文化会館で行われた。サックスやフルート、クラリネット、打楽器などで編成された57グループが出場し、南信大会(1月15日、下諏訪町)への出場をかけて日ごろの練習の成果を競い合った=写真。審査の結果、金賞受賞の12グループ、銀賞受賞の上位2グループが南信大会出場を決めた。
南信大会出場グループは次の通り。
▽金賞=赤穂クラリネット7重奏、赤穂木管5重奏、伊那クラリネット4重奏、伊那金管8重奏、東部クラリネット8重奏、飯島打楽器3重奏、飯島木管8重奏、箕輪金管8重奏、辰野クラリネット8重奏、辰野打楽器5重奏、辰野金管8重奏、辰野木管5重奏▽銀賞=中川金管5重奏、西箕輪フルート3重奏 -
山岸めぐみ門下生クリスマスコンサート
駒ケ根市の山岸めぐみ音楽教室は23日、門下生らによる第18回クリスマスコンサート「ピアノソロズ・デュオズ」を駒ケ根市文化会館大ホールで開いた。幼稚園・保育園児から大学生・一般の約50人が代わる代わるステージに登場し、日ごろの練習の成果を存分に発揮した。クリスマススペシャルとしてピアニカやリコーダー、ミュージックベルなどによるクリスマスソングの演奏が披露された=写真。
出演者はそれぞれ緊張した面持ちでステージに登場し、ピアノの前に座るとショパンやモーツァルト、ベートーベンなど、毎日練習を重ねてきた曲を懸命に弾きこなし、聴衆から大きな拍手を受けていた。
客席の保護者らは「失敗しなければいいが…」とささやき合いながら心配そうな表情で出演者を見つめたり、演奏する姿をビデオカメラで撮影したりしていた。 -
上伊那の小学校で2学期終業式
上伊那のトップを切って、伊那市や箕輪町の小学校で26日、2学期の終業式があった。
伊那市の手良小学校(戸田淳子校長、153人)では、1・5年生が学習発表。
5年生は、水泳や収穫祭などを振り返り「みんなで助け合って頑張ってきた。来年(SBCこども音楽コンクールの入賞を目指して取り組んでいる)歌を完成させたい」と抱負を語り、合唱「たたけ鬼太鼓(おんでこ)」を披露し、息のあった歌声を響かせた。また、1年生も歌を交えた群読「くじらぐも」を元気に発表した。
戸田校長が「2学期の目標として掲げた『全員が授業に参加する』『全力でやり抜く』は達成できましたか」と問いかけると、児童たちは元気に「できた」と返事。命を粗末にしないことを呼びかけた。
終業式後、1年生の教室で、教諭が「大きな声が出せるようになったね」など児童一人ひとりに声をかけながら、通知表を手渡した。
児童たちは早速、通知表を開き、二重丸の数を数えたり、友だちと見せ合ったりした。
休みは来年1月9日まで。 -
尺八大師範
南箕輪村北殿
両角忠幸(粋山)さん「尺八は自分の出す音色、音程は全部自分で作らないといけない。これを出せるようになるのがおもしろい」
小学生でダブルベース、中学生でフルート、高校生でクラリネット、大学生で尺八。ずっと音楽に親しんできたが、大学のクラブ活動でプロに師事した尺八が趣味として残った。
諏訪市出身。仕事で南箕輪村に移り住み14年になる。「邦楽グループうつぎ」に誘われ尺八の演奏を再スタート。これが縁で伊那市の県伊那文化会館の名物演奏会「邦楽サラダ」に第2回から参加。10縲・5回まで実行委員長を務め、06年1月15日公演の「邦楽サラダ16th コラボレーション」も実行委員になっている。
邦楽サラダは、プロのゲスト演奏に加え、地元の邦楽家がプロと一緒に演奏。伊那文化会館が音響、照明、演出をする。「ゲストとの交流や皆で一緒に舞台を作り上げる楽しさが魅力」。公演まで3週間とせまり、「今はがむしゃらに練習。1月に、本番に向け仕上がっていくところがおもしろい」という。
メーン活動に位置付ける邦楽サラダ。公演を終えると2、3月は反省、音源確認、写真現像に時間を費やし、6縲・月は翌年の曲やゲストの選定、9月に練習が始まる。週2回の練習は1月に週4回に増え、邦楽サラダ一色の生活になる。
雪が降って当然の季節の公演だが、毎年800人近くが訪れる。「最低20回まではやりたい」と夢を抱いている。
諏訪三曲協会に所属し、県内外の演奏会にも出演する。今年は「国民文化祭ふくい2005邦楽の祭典」(福井県敦賀市)に県代表で参加。演奏曲は「信濃の抒情」。前日のリハーサルが思わしくなく、当日朝、海岸で仲間と尺八で一番低い音「乙のロ」を吹く練習をし息を整えて出演。結果は「最高の仕上がり」。今年最も印象に残る演奏会になった。
筝(こと)、三絃、尺八の奏者3人だけの古典の会「指月の調べ」では、諏訪市文化財指定庭園「指月庵」で庭園を背に演奏。生の音がわずか1メートル先の客に音質、音程、リズム、強弱の全てが聞こえる。「120%くらいの技量が求められるので一番緊張するけど、自分の勉強になる」と年1、2回出演。県内で年1回、持ち回りで演奏会をする尺八だけの「竹竹の会」も、来年6月に村公演を計画中だ。
活動は幅広く、村内2小学校での演奏会のほか、村文化団体「尺八・筝の会」でも活動。太鼓グループ「鼓龍」にも参加し、子どもの太鼓グループ「CoCo龍」で育成にも関わる。今年は南部小学校で篠笛作りから演奏までの指導もした。
2年前、村の大泉地区に伝承されしばらく途絶えていた「大泉ばやし」を有志で復元した。おはやしの篠笛を子どもに吹かせたい-との思いがあり、子どもが地域から伝承するものの一つとしての活用を模索する。
「外から村に来た人間のほうが、伝承してほしいと感じるのかもしれない。伝統文化を取り上げることに理解を頂きたい」。尺八を主軸に邦楽と深く関わる中で、伝承の大切さを考えている。