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下島育子さん(54)
「光を通して浮び上がり、あふれるような色彩で見る人を魅了するステンドグラス。ステンドグラスではないが、ステンドグラスの雰囲気を楽しむことができる」-。
駒ケ根市北割生まれ。会社員を経て、「理容しもじま」を営む下島善三さんに嫁ぎ、家業を手伝うため、家事、育児の傍ら、通信教育で学び、理容師の免許を取得した。以来、25年間、夫と二人三脚で理容店を切り盛りした。「お客様とのコミュケーションが楽しい。ここでは本音でしゃべってくれる」。
2年前、東京で理容師の修業していた長男の和善さんが帰郷。家業を手伝ってくれるようになり、趣味の世界に没頭できるようになった。
もともと、ものづくりが好きで、仕事の傍ら、趣味で押し花やパッチワークを習っていたという。ヴォーグ社のパッチワークの本に掲載されていたグラスアートの記事に目が止まった。「5カ月でインストラクターの資格が取れる」というグラスアート甲府教室の生徒募集に「前からやりたかったステンドグラスに似ている。誰もやっていない新しいアート。しかも、短期間で資格が取れる」と飛び付いた。
1昨年10月から甲府教室に通い、5カ月後に長野県で初めての日本グラスアート協会公認のインストラクターになり、教室「手作り工房りんごの木」を開いた。
グラスアートは1枚のガラスに接着剤つきのリード線を貼って、デザインを描き、裏から日焼けしにくい特殊フイルムを貼って彩色し、フイルムの端をリード線でとめて作品を作る。ステンドグラスに比べると、手軽に短時間でき、安全に作ることができるのが特徴。
「リード線をしっかり圧着させ、フイルムに空気やゴミを入れないように貼るのがコツ。リード線でカーブを作ったり、色の調和が難しい」とか。
昨年7月、伊那市のかんてんパパで、初めて、教室の作品展を開き、3日間で千人が来場。写真立てや宝石箱、壁掛け、テッシュケースなどの小物やランプシェード、衝立などの大作を鑑賞し、グラスアートの世界に親しんだ。
しかし、グラスアートの認知度は低い。伊那市のペアーレや飯島中央公民館の講座で教えるなど、多くの人がグラスアートを手軽に楽しめるように活動の輪を広げている。
「ステンドグラスのイメージが強すぎて、とっつき難い面もあるが、体験してみると、うそみたいに簡単にできる。子供でも高齢者でも楽しめる。時には苦労して、大作を完成させた時の喜びは格別」。5人家族。
教室の申し込みは「手作り工房りんごの木(TEL83・1353)」大口国江 -
アマチュアミュージシャンライブ
飯島町の与田切公園で30日、アマチュアミュージシャンのライブ「夏のライブVol・2 in与田切公園」が開かれた。飯田市のポピュラーミュージックスクール「キューブ・ミュージック・スタジオ」(中島裕喜代表)主催。野外ステージには伊那市のブルースバンド「PAN竏谷AN」のほか、飯田市や東京の9グループが次々に登場してそれぞれ得意の演奏を披露した=写真。中には現役のプロ・ドラマー今泉正義さんが特別に加わったバンドも出演し、ファンの喝采を浴びていた。集まった観客は芝生にのんびりと座り、手拍子を打ったり体をゆすったりしてリズムを取りながら、広場に響くさまざまなジャンルの演奏を存分に楽しんでいた。
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食欲モリモリ、子どもたちが流しソーメン
夏休み中の宮田村の子どもたち約30人が1日、村の福祉交流施設なごみ家で流しソーメンやスイカ割りを楽しんだ。
長かった梅雨も明け、夏空広がる屋外に子どもたちが集合。流しソーメンは約2・5キロ用意したが、全員ぺロリとたいらげた。
「もっと流して」「まだまだ食べられる」と歓声も。
急きょ、買い足しに走る事態に。暑さにも負けない子どもたちの食欲に、大人たちは驚いていた。
スイカ割りも楽しみ、やっと到来した本格的な夏を心ゆくまで味わっていた。 -
大正琴上伊那交歓会
上伊那地区大正琴指導者会「虹彩」は30日、第26回上伊那地区交歓会を飯島町の町分化館で開いた。約60グループが出演し、それぞれ得意の演奏を披露し合った=写真。
20年継続者と80歳以上の生徒に表彰状が贈られた。
表彰されたのは次の皆さん。
▽門下生20年継続者=小原のぶえ(福澤幸子教室)伊藤のり子、北原小春(秋山志げ子教室)原喜久子(田中千代子教室)上山きよ子(那須野みさ子教室)▽門下生80歳以上=有賀多嘉子、伊藤恒子、伊藤いく江、池上しず子、春日千枝、田辺久枝(以上長井幸子教室) -
飯島小6年生がブルーベリー狩りを楽しむ
飯島町の飯島小学校6年生40人は27日、上の原のブルーベリー農園「ベリーヒル(市村茂園主)」に招かれ、ブルーベリー狩りを楽しんだ。
町の農業を調べたり、収穫体験で自然に触れようと来園した。
学校から約20分歩いて同園に到着した児童らを前に、市村さんは「裏まで真っ黒に完熟したものが甘い。いろいろな種類が植えてあるので、食べ比べて」と呼び掛けた。
児童らはデキシーやエイトブルなど中晩生種が熟す農園に散らばり、「甘い!」「大きくて、おいしい」と真っ黒に色づいた実を次々と口に運んでいた。
また、家へのお土産ももらい、笑顔で持ち帰った。 -
飯島町発足50周年記念お陣屋まつり開幕
飯島町に代官の陣屋が置かれていたことに由来する町民総参加の祭り「第25回お陣屋まつり」は29日、広小路をメーン会場ににぎやかに行なわれた。
町発足50周年記念、最終となる祭りは、駿府、飯島を往来した当時の行列を再現した代官行列が「えいほ、えいほ」の掛け声も勇ましく本郷公民館を出立し開幕。竹やぶの道をしずしずと進み、本郷神社へ。境内では本郷地区の歴史に基き、現代風刺を効かせた歴史劇「養山塚の秘話」を上演。町内唯1の回り舞台もギシギシ鳴って、観客の拍手喝采を浴びた。
メーン会場では、高坂町長が代官に扮した代官行列、古来伝承のしし舞が奉納され、特設ステージには、龍真、鼓楽、鼓遊の3グループが次々と登場し、特徴ある響きを披露した。
お陣屋音頭に合わせ、地区や団体の踊り連が広小路に繰り出し、工夫を凝らした子どもみこしも出陣し、祭りを盛り上げた。
夕闇が迫ると、火を点した提灯みこしも広小路に練り込み、競い、煙火の打ち上げも始まり、祭のにぎわいは最高潮に達した。 -
伊那谷最大の馬宿、宮田村大田切に存在
江戸から明治にかけ伊那街道で発達した民間輸送の仲馬(ちゅうま)。研究する都筑方治さん=飯島町出身、群馬県在住=の調査で、馬15頭が一度に泊まれる伊那谷最大の馬宿(うまやど)が宮田村大田切にあったことが分かった。馬を引き連れる馬方(うまかた)の宿泊施設でもあり、太田切川を渡る物流に重要な役割を果たしたとみられる。
29日に同村公民館が開いたふるさと発見講座で発表した。
今までの研究では、辰野町小野と駒ケ根市小町屋の間で馬宿の存在が未確認。空白区間だったが、都筑さんは仲馬の移動距離などから宮田村周辺にもあるはずと調査していた。
箕輪町で見つかった古文書から、大田切の馬宿が文政6(1823)年の正月2日に、宿泊した今村、横川(ともに現辰野町)の馬方の失火により焼失したという記述を発見。
現地調査で、馬宿があったとされる家人から「正月に火事を出して財産をなくした」という言い伝えがあることを聞き、古文書に記される物的証拠が現在も同家に残っていることから確証を得た。
今までは9頭が泊まれる飯島町七久保の馬宿が伊那谷最大とされたが「川が増水すれば、仲馬は足止めを食らう。大田切周辺には他にも馬が泊まる小屋があったのではないか」と都筑さんはみる。
宿場ごとに荷物を中継する幕府公認の伝馬制度に対して、仲馬は送り主からあて先まで中継せずに責任持って引き渡す。一度に3縲・頭の馬で物資を運ぶが、長距離輸送のため馬宿は欠かせない存在だった。
宅配便をはじめ現代の流通の原点でもある仲馬だが、都筑さんは「伊那街道は中山道の脇街道で、宿場に常備していた馬が少なかったことも、仲馬の隆盛につながったのでは」と話していた。 -
吹奏楽コンクール中学生の部 上伊那9校・県大会へ
第46回県吹奏楽コンクール中学生の部南信A地区大会が29日、伊那市西町の県伊那文化会館大ホールで開かれ、県大会出場校が決まった=写真。県、県教育委員会などの主催。
コンクールはA編成(50人以内、課題曲・自由曲)、B編成(30人以内、自由曲)の2部門に、諏訪、上伊那地域から計27校が出場。高校、中学校教諭ら5人が、演奏技術や表現力などを審査した。
生徒らは歌劇やバレエ音楽などを自由曲の題材に、日ごろの練習成果を発揮し、息のあった演奏を披露。ほぼ満員となった観客席では、保護者らが澄んだ響きに耳を傾けた。
県大会にはA編成から上位10校、B編成から上位3校が出場。8月8竏・0日、長野県民文化会館(長野市)で大会がある。
出場校は次の通り(上伊那関係分)。
▽A編成=箕輪(金賞)伊那(金賞)春富(金賞)赤穂(金賞)飯島(金賞)辰野(銀賞)宮田(銀賞)中川(銀賞)
▽B編成=高遠(金賞) -
はなまる地域探検隊・木曽を訪問
伊那市の小中学生を対象に体験活動の場を提供する事業「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)は29日、学習の場を木曽へ移して活動展開した。権兵衛トンネルを抜け、木曽町ある天体観測所や考古資料館などを見学。隊員たちは他地域で経験する初めての体験に胸を踊らせた。
児童、生徒計80人が夏休みを利用して集まり、マイクロバスで木曽へ向かった。探検隊は3年前、工事中のトンネルを見ているため、子どもたちは今回の木曽訪問に格別の思いで参加した。
東京大学木曽観測所では、口径105センチシュミット望遠鏡を見た。観測所関係者が望遠鏡について説明、星を追うデモンストレーションを披露。子どもたちは目を輝かせ、メモを取りながら、熱心に話を聞いた。
関係者によると同望遠鏡は、広い視野でボケの無い像が撮影可能、世界でも4番目の大きさの口径。小沢昌弘君(伊那東小4年)は「落ちてきそう」と、そのサイズに驚いた様子だった。
そのほか、観測所の近くにある名古屋大学の太陽風を観測する電波望遠鏡や、開田高原でのびのびと木曽馬が暮す「木曽馬の里」なども見学し、見聞を広げた。 -
箕輪バイパス片側通行止め解除
箕輪町松島の国道153号箕輪バイパスJR飯田線跨線橋の片側通行止めは28日午後5時、解除になった。
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高校生が一日看護体験
駒ケ根市の昭和伊南総合病院は28日、上伊那の高校生を対象にした一日看護体験学習を行った。男子3、女子13の計16人が参加し、病棟での看護などを体験した。
白衣を着た高校生は数人ずつに分かれて各病棟で入院患者の身の回りの世話に当たった。内科病棟を訪れたグループは患者の手足をせっけんで洗う作業を体験=写真。医療用手袋をつけ、恐る恐る患者の手を洗い始めるとそばで見ていた担当の看護師が「もっと強く」「指の奥までしっかり洗って」などとアドバイス。高校生らは慣れない手つきながらゆっくりと慎重に作業をこなした。患者が「気持ち良かった」と言うと初めて緊張が緩み、うれしそうな笑顔を見せた。高校生らは患者の汚物処理などの作業も行い、看護師らの仕事の大変さに改めて驚いていた。
参加した伊那弥生ケ丘高2年の水田亮君(17)は「将来は医療関係の職業に就きたいと思って参加した。実際に患者さんと接するのはすごく緊張するが、いい経験になった」と話した。 -
駒ケ根市教職員夏期研修会
駒ケ根市教育委員会は28日、市内の小中学校教職員を対象にした夏期研修会を駒ケ根市文化会館で開いた。教職員約200人が参加し、飯田教育事務所教育支援主事の伊藤潤さんの講義「特殊教育から特別支援教育へ」、信州大医学部付属病院精神神経科子どものこころ診療部の酒井文子さんの講演「軽度発達障害について竏窒サの理解と対応」を聞いたほか、7つの分散会に分かれてそれぞれ討論を行い、特別支援教育について理解を深めた。
伊藤さんはLD(学習障害)やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)児童への具体的な対応方法について「特別視しないが配慮する竏窒ニいう姿勢が大事だ。必要な支援を必要な分だけ行うと同時に、保護者への支援が大きなポイントになる」と話した=写真。 -
【筝、三味線演奏家 大庫こずえさん】
91年から駒ケ根市で教室を開く傍ら、3年前から昼神温泉の舞台で月5回の定期演奏をこなす。一方で筝、三味線、尺八から成るユニット「まいまい」のメンバーとして各地で演奏活動を行うほか、中学、高校で邦楽器の実技指導も行っている。
4月、霊犬早太郎伝説700年を記念する独演会を光前寺で開いた。同じ演目で7月には京都芸術センターでも公演を開催。演奏家としての方向性を模索し、追求し続けながらもつかめずにいたこれまでの自身とは一線を画す演奏に、新境地への確かな手応えを感じている。
「聴いて楽しんでもらうことはうれしいのだけれど、自分が音楽に求めているものはただそれだけではなくてもっと本質的な何か。筝でなければできないこと、自分だけにしかできないこと竏秩Bそれが今回の試みで少し見えてきた気がします」
◇ ◇
東京都豊島区生まれ。邦楽とは特に縁のないごく普通の家庭に育った。中学3年生の時「思い当たるきっかけもないのに、なぜか筝を弾いてみたいという思いが強くわき上がってきて」進学した高校で筝のクラブに入った。初めて弾いてみた筝は「すごく楽しかった」。指導に当たっていたのがたまたま山田流筝曲の師匠で、クラブと並行して、浅草にあるその師匠の教室にも通い始めた。
「1人だけでなく、ほかの先生の教えをもっと受けてみたい」と東京芸術大邦楽科の別科筝曲に入学。「素晴らしい先生に出会えて」2年間の課程を修了したが…。
その後結婚して夫の仕事の都合で駒ケ根市に転居。子育てに没頭する生活が10年近く続いた。
「子育ては楽しかった。筝や三味線は思い出したように年に1回ぐらい触れてみる程度で、特に弾きたいとも思いませんでした」
子どもが成長したのを機に再び演奏を始めると、長かった空白を埋めるようにさまざまな活動に挑戦した。ビートルズの曲、ピアノやギター、インドの楽器との共演竏秩B東京、名古屋などの大都市でも公演した。
「楽しんで演奏することは新鮮な経験でした。可能性を求めていろんなことを試してみたんですが…」何かが違う。やればやるほど伝統的な演奏に魅力を感じ「こういう演奏でいいのか」と疑問は募るばかりだった。
光前寺の公演の話が舞い込んだのはそんな時。心機一転を期して臨んだ演奏は重なった欲求不満を吹き飛ばすものだった。
「やっと気がついたんです。無理して新しいことをやらなくてもいい。自分自身が本当にやりたいことをやればいい。それがほかの人にはない、自分を100パーセント生かせる道だってことに竏秩v
◇ ◇
「この道に終わりはない。一生勉強です」
今も月1回東京に通い、師匠に教えを受けている。
「先生は『教えることはもうない』と言う。でも何かしら得るものは必ずあります。以前弾いた曲をまた弾いてみると、もっと深いものを感じることがある。感性が深まったというか竏秩Bそれが自分を成長させることでもあるんです」
演奏の依頼、教室の申し込みはTEL83・0863へ。
(白鳥文男) -
中学生カナダホームステイ&語学研修の旅
箕輪中学生を激励箕輪町は26日、カナダホームステイ&語学研修の旅に参加する箕輪中学校の生徒の壮行会を中学校で開いた。
研修は31日から8月12日までの13日間。カナダのレスブリッジに滞在し、ホームステイしながら語学研修や校外活動をする。カナディアンロッキー見学やバンフ市内観光もある。
箕輪中学校からは2年生6人が参加する。全員が初めての海外経験となる。
小林通昭教育長は、「日本を離れ全く知らない家でホームステイする。箕輪中の代表、町の代表として自覚を持ち、身振り手振りを交え、深い交流をしてほしい。文化の違いを学び、皆の生活に生かし、箕輪中の皆にも貴重な体験を報告して」。北原秀樹校長は「自分の持っているものをそのまま伝えてきてほしい。今でしか、ここでしかないことを存分に楽しんで、大きくなって帰ってきて」とそれぞれ激励した。
中学生は、「生活の違い、文化の違いを学びたい」「今の英語力を試したい」「ホームステイ先の家族と交流を深め、楽しく学びたい」と抱負を語った。
上伊那地区の参加は旧伊那市10人、旧高遠町・長谷村6人、宮田村1人、箕輪町6人、南箕輪村8人の計31人。 -
中学生レスキュー隊員がパソコン教室サポート
夏休み恒例、初心者対象の宮田村公民館パソコン教室が27日、開講した。宮田中学校の生徒有志でつくる「パソコンレスキュー隊」が講師補助として参加。質問に受け答えするなど、指導にあたった。
同中の堀川隆義教諭が講師で8月2日までの全4回。今年は幅広い年齢層の15人が受講し、簡単な文章や写真編集、暑中見舞いハガキの作成などに挑戦している。
レスキュー隊は昨年の教室に引き続き2回目の・ス出動・ス。
この日は3人の生徒が、困っている受講者のサポートにあたっていた。 -
「芝居の会」定期公演にむけてけいこ佳境
駒ケ根市近郊の演劇愛好者らでつくる劇団「芝居の会」(久保田恵美代表)は29・30日に宮田村の村民会館大ホールで開く第10回定期公演『絢爛(けんらん)とか爛漫(らんまん)とか』に向け、駒ケ根市文化会館別館で連日けいこに励んでいる。25日夜は出演者、スタッフら約10人が集まり、本番の舞台を想定しての通しけいこを行った=写真。4人の出演者をはじめ団員らは真剣な表情でそれぞれの役割に取り組んでいた。
『絢爛(けんらん)とか爛漫(らんまん)とか』は昭和初期の時代を背景に、個性あふれる4人の女性作家の人間模様をコメディを織り交ぜながら描いた作品。主演の斧研雅子さんは「幸せをつかもうとする女性たちそれぞれの感情を大事に演じてお客さんにきちんと伝えたい。ここにきて修正点がたくさん出てきたので本番に向けてしっかりけいこしたい」と話している。
開演は29日午後6時30分、30日午後1時30分。全席自由、前売り1千円、当日1200円。駒ケ根市、伊那市のプレイガイドで発売中。問い合わせは芝居の会(TEL090・8347・2154)へ。 -
華道家元池坊教授・茶道表千家教授
南箕輪村
沖村直次さん華道と茶道の教授免許を持ち、自宅と南箕輪村公民館などで指導し、日本の伝統文化を伝えている。
「戦後で何もないころだった。家の中は、木も畳も紙もよしずも皆枯れているもの。その中に、たった1輪でも生きた花があれば…」。華道のけいこを始めたのは戦後の1947年だった。当時の国鉄に勤務し、家の農業もやりながら、けいこを続けた。52年ころから、近所の嫁入り前の娘さんに教えるようになり、54年に池坊の教授会に仲間入りした。
「花は一瞬のもの。生けた瞬間の美しさが魅力」。心の部分が90%を占め、迎える客のことを考えて花を生ける。
「華道をずっと続けているのは、自分が好きだったということでしょうかね。自分がその世界に入ってしまうと、いいなと思い込んでしまう。マインドコントロールなんでしょうね」
鉢植えは幾日経っても同じ顔をしているが、切花はせいぜい3日の命。4日目くらいからだめになり、1週間でけいこする。この繰り返し。野にあるものでない姿、例えば野では背の高いものを首だけ切って生けるように、構成する楽しさがある。花材は、中心となる花を選び、それを引き立てる脇役を選ぶ。生けてみて「よかった」「これはくどかった」などと研究しながら今日まで来たという。
茶道は、50年ころから4、5年勉強したがしばらく中断。65年に再開し、80年ころから教えるようになった。
「茶の湯は、必ず相対でやる。亭主がいて、客がいる。対話ができることが楽しみであり、魅力ですね」
花は、玄関などに生けた場合は訪れた客と会話できるが、展示会場では生けた本人を知っている来場者にしか分からない。そのため、対話ができる茶道はより面白みを感じる。
茶道もまた心の世界で、亭主は客に心を集中し、客も亭主に心を集中する。茶の心が込められているという言葉『和敬清寂』(和して敬い合い、清らかで、どんなことにも動じない)。「おけいこを続ける中で自然に感じるようになると心技共に-となってくる」のだという。
「日本の伝統文化をぜひ継承してほしい」と、文部科学省の外郭団体である伝統文化活性化国民協会の事業として、南箕輪村内で小学4年生から中学3年生までを対象に茶の湯、華道、舞踊の教室も開催。代表を務め4年になる。茶の湯と華道が月2回に加え、南箕輪わくわくクラブのスクール「茶道」が月1回。「今は自分が中心になっている。相手を第一に思う心を大事にしてほしい」と願い、指導している。
「敷居が高いと思われるのは実際あると思うが、だれでも気軽にやってみてほしい」。茶道も60代以上が中心で、20代から30代は数えるほどしかいない。上伊那地域は男性が少なく、指導者はわずか5人。「もっと男性も習ってくれるといいな」という思いもある。
相手に心を砕き、日々、立ち居振る舞いや言葉遣い、人との接し方などに気を付けるという暮らしぶり。長年、華道と茶道の世界に携わり、「西洋文化だけでなく、日本の伝統にも目覚めてほしい」と強く願っている。(村上裕子) -
桜田晴義展
駒ケ根市菅の台の駒ケ根高原美術館は「桜田晴義展竏虫糾oを超える表現」を8月31日まで開いている。スペイン・マドリッドと軽井沢に居を構え、独自の道を歩む桜田さんの油絵作品約70点を展示。
約40年前、武蔵野美術大を卒業した当時の桜田さんは「目先ばかりを追う日本画壇の風潮に愛想が尽き、絵をやめようと思ったこともあった」が、初心に戻るため絵の原点を求めてスペインに渡ったことが転機となり、再び意欲的な創作活動に入った。「骸骨や幽霊などインパクトの強いものを描いた時もあったし、こけおどし一切抜きの徹底したリアリズムを追及した時期もあった。自分自身の内面の変化によって作風も変遷してきたんだ。今は人生の集大成となるようなものを描きたいね」と話している=写真。
午前9時縲恁゚後5時30分。入館料は大人1千円、大・高校生800円、小・中学生500円(小・中学生は土曜日無料)。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。 -
駒ケ根市内小学校終業式
駒ケ根市内の5小学校で25日、1学期の終業式がそれぞれ行われた。子どもたちが待ちに待った長い夏休み竏秩B始まりは一斉だが終わりはさまざまで、最も短い赤穂南小が8月18日まで、赤穂東は同20日、赤穂21日、中沢、東伊那は22日までとなっている。
赤穂南小学校(下平達朗校長)では全校児童を前に1・3・5年生が学習の成果などを発表した。1年生は鍵盤ハーモニカで『かえるの歌』を演奏したり、南幼稚園との交流の思い出などを大きな声で発表したりした。3年2組は総合的な学習の時間で「地域の昔を探検しよう」をテーマに取り組んだ味噌作りやカイコの飼育などについて発表したほか、初めて習ったというリコーダーの演奏を披露=写真。5年2組は1学期に頑張ったことについて「漢字をたくさん練習して100点が取れるようになった」「金管バンドの練習をして曲が吹けるようになった」などと一人ずつ発表した。下平校長は「1学期はみんなそれぞれ頑張った。夏休みは火遊びをしない、けがをしない、うそをつかない竏窒轤チて良い休みにしてください。2学期の始業式には元気な顔で会いましょう」と呼び掛けた。 -
中学生カナダホームステイ&語学研修の旅
南箕輪村で壮行会南箕輪は24日、カナダホームステイ&語学研修の旅に参加する南箕輪中学校の生徒8人の壮行会を村民センターで開いた。
研修はカナダのレスブリッジに滞在し、ホームステイしながら語学研修や校外活動をする。カナディアンロッキー見学やバンフ市内観光もある。31日から8月12日までの13日間。
上伊那地区の参加は旧伊那市10人、旧高遠町・長谷村6人、宮田村1人、箕輪町6人、南箕輪村8人の計31人。
村は、人材育成村民国外派遣研修事業で、中学2、3年生対象の参加希望者を募った。16人の応募があり、抽選で派遣枠の8人を決めた。
唐木一直村長は「参加できなかった皆さんの分まで勉強し、日本と違う文化、習慣を学んでほしい。長い人生できっと役に立つ。体に気をつけて元気に行ってきて」とあいさつ。伊藤修教育長、南箕輪中学校の堀田実校長も激励した。
中学生は、「外国人とのコミュニケーション、接し方を勉強してきたい」「自分に積極性を身に付けたい」「語学をたくさん学びたい」など、一人ずつ抱負を語った。 -
宮田小2年掘井さんの俳句、いとうせいこうさんも絶賛
コンクールで審査員賞に宮田村宮田小学校2年生の堀井ステファニーさんが、全国から166万余もの作品が集まった俳句コンクールで見事に入選。妹のことを真っ直ぐな視点でとらえた作品で、小説家のいとうせいこうさんが絶賛し、審査員賞に輝いた。
飲料メーカーの伊藤園が募集した「第17回おーいお茶俳句大賞」。2年2組の仲間とともに俳句に親しんでいる掘井さんは、妹が笑っている情景に「あかちゃんて わたしのこと しんじてる」と詠み、応募した
審査員賞に選んだいとうさんは「これほど邪念のない感情は確かになく、世界を浄化する力さえあると思った。現代社会に生きる私たちに反省を促すような重く、また明るい句です」と選評した。
「妹のことが本当にかわいい」と話す堀井さん。受賞も心から喜んでいた。 -
伊那市・小中学校で1学期終業式
伊那市内の5小学校で25日、1学期の終業式があった。今週末までに市内の全小中学校が夏休みに入る。児童らは1学期を振り返り、休み中の目標を掲げた。
伊那小(北原和俊校長・756人)では1、4年の代表者3人が学期を振り返った。1年男児は「1年生になって一人で(朝)起きれるようになった。夏休みはプールでいっぱい泳ぎたい」と決意表明した。
北原校長は「地域では大雨で災害があったが、皆さんが誰一人としてけがもなく1学期を終えられたことを嬉しく思う。休み中は事故やけがに遭わないよう、2学期の始業式には元気よく登校してもらいたい」とあいさつした。
終業式では、児童会が夏休みの過し方を指導する寸劇を披露したほか、休み中にコンクールへ出場する合唱団の壮行会もあった。 -
東伊那小児童会夏祭り
駒ケ根市の東伊那小学校(小川清美校長)児童会は24日、児童会夏祭りを開いた。全校児童が縦割りの10グループに分かれ、児童会の各委員会が趣向を凝らして用意したアトラクションやゲームなどを楽しんだ。
校内の各教室や体育館などには伝言ゲーム、音楽クイズ、ボール投げ、お手玉など、7つのコーナーが設けられ、児童らがグループごとに会場を回ってはそれぞれのゲームに挑戦した。みどり委員会の「お手玉何回まわせるかな?」は1分間に連続して投げたお手玉の回数に応じてチームに得点が与えられるゲーム。児童らは1回でも多く成功させようと真剣な表情でお手玉を投げ上げた=写真。中には70回以上成功させた児童もいて、グループの皆から「天才!」「さすが」などと祝福を受けていた。
児童会が夏祭りのテーマに掲げた「全校のみんながあいさつし合い、仲良く助け合って友達の輪を広げよう」の通り、1年生など低学年の児童を高学年児童が助けたり励ましたりしながら楽しくゲームに取り組む微笑ましい姿が校内のあちこちで見られた。 -
「カイコを育ててみよう」教室
カイコって、かわいいね-。駒ケ根市東伊那のシルクミュージアムで23日、小学生を対象にした「カイコを育ててみよう」教室があり、郡内の3組約10人の親子が参加した。
ミニシアター「カイコの不思議」で、カイコの一生や絹製品について学んだあと、宮崎久美学芸員からカイコの飼い方の説明を受けた。
この中で、宮崎さんは「カイコには朝、昼、晩と夜の4回新鮮なクワを与える。途中で、クワが無くなったら追加する。クワは冷蔵庫の野菜室に保存する」と説明した。
この後、子どもたちは5齢のカイコ10頭を分けてもらい、大切に持ち帰った。
小学1年の長男と参加した伊那市のお母さんは「息子は虫が好きで、参加した。自分もカイコを育てたことがないので、子どもと一緒に育ててみたい」と話していた。 -
1学期終業式
飯島町の七久保小学校(細川道子校長)は郡下のトップを切って21日、1学期の終業式を行い、30日間の夏休みに入った。
式では5年生が各班ごと寸劇仕立てで、6月の臨海学習について発表。「ジャンボエビフライおいしかった」「干物づくりは面白かった」。恒例の枕投げを披露し「みんなで泊まって楽しかった」゜ぬいぐるみを使ってイルカショーなど、各班が工夫を凝らした発表で、臨海学習の楽しさを伝えた。
細川校長は「あいさつや思いやりなど、目に見えない部分でたくさんの成長があった」と喜び「いよいよ、明日から夏休み、自分が自分の先生になって正しい生活をする。『早寝、早起き、朝ご飯』を実行し、21日は元気に登校して」と呼び掛けた。 -
わが家のセーフティーリーダー委嘱式
地域の防犯意識を高めようと駒ケ根警察署と伊南防犯連合会は20日、駒ケ根市内の2小学校の6年生54人に対し「わが家のセーフティーリーダー」のリーダー証を交付した。同署の山本修作署長らが東伊那小学校と中沢小学校を訪れ、児童一人一人にリーダー証を手渡した=写真。山本署長は「あいさつの前には相手の名前を呼んでください。地域の人が顔と名前を覚えてくれる。そして弱いものいじめなど卑きょうなことをしないように。地域の安全をつくり上げるリーダーとなることを期待する」と呼び掛けた。
リーダー証には「友達や家族に安全を広めるリーダーとしての任務」として▽元気良くはっきりとあいさつする▽決められたルールを守る▽みんなの手本になる行動をとる竏窒ネどが掲げられている。 -
「おいしいが量は多め」
中川村の中川西小学校で18日、1年生(17人)の保護者を対象に、給食試食会を開いた。児童と同じ物を食べ、給食の内容や量、味付けを舌で感じ、食べている時の様子を観察した。
この日の献立はご飯、ビビンバ、中華スープ、笹かまチーズ、牛乳、プラム。
児童らはきびきびと、給食室からご飯や牛乳を運び、お母さんたちに手伝ってもらいながら、手早く配膳した。
配膳し終わったところで、当番の児童が「手を合わせて、ご一緒にいただます」とあいさつ、一斉に食べ始めた。
保護者らは「おいしい、味付けもちょうどいい」「おいしいが、1年生にはちょっと量が多いのでは」などの感想を述べていた。 -
上伊那教育会講演会で働かない若者支援について考える
06年度上伊那教育会講演会が15日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であり、フリーター問題の専門家として数々の著書を出版している長須正明さんが「日常生活から考えるキャリア・デザイン縲恂「来を担う若者を地域・社会で育てる支援のあり方縲怐vについて講演した=写真。県教職員組合上伊那支部、上伊那PTA連合会主催。
長須さんは、若者が働かない理由で最も多いのが「病気、けが」であることを示し「精神的な病気などで働きたくても働けないのが実情。メディアが伝える『働けるけど働かない』という若者は一部」と語った。また、こうした精神的な問題を抱える若者には「就労」という形で地域とのつながりを持たせていくことが社会の役割と指摘。
現代は何らかのハンディキャップを持つ者が生きにくさを感じることも多いが、どんな状況でもそれぞれができることはあり、日常のさまざまな活動を「仕事」や「生きること」としてとらえなおすことがキャリア教育であるとした。 -
【郷土史研究家 田中清文さん】
『駒ケ根の貞治仏』『郷土の石工竏樗・・・Z』『高遠石工石匠列伝』など著書は6冊にもなる。現在は『邪馬台国への旅路』と『伊那谷の石工I』『同II』の続編を構想中。
「書きたいことは頭の中にたくさん詰まっているが、ここのところ古道の研究に忙しくてね。なかなか手がつかずにいるところなんですよ」
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「郷土史の研究に携わるようになったのは小学生時代の土器拾いがルーツ」という。
小学校4年生の時、国語の教科書に上野原遺跡で子どもたちが石器や土器を拾う話があって興味を引かれた。同級生が「うちの畑からも土器が出た」と言うので見に行くと見事な文様の土器を見せられた。
「縄文中期の物でしょうね。素晴らしい文様に魅せられた」
それからというもの、あちこちで土器を探し出してはせっせと博物館に持って行き、学芸員らに見てもらった。
「横穴を掘って行くいわゆる『たぬき掘り』だけど、どんどん続いて出てくるから面白くてね。郷土研究会とはそのころからの縁です」
20歳代のころ農業構造改善事業による工事が各地で行われ、土器などが次々に発見されるようになると「田中に聞けば分かるだろう」と多くの緊急発掘調査に駆り出された。
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卑弥呼の墓と邪馬台国についても深く興味を持ち、足掛け8年間九州に通って調べた結果、邪馬台国は考えられているほどスケールの小さな国ではなく、博多湾沿岸から卑弥呼の宮殿があったと思われる現在の都城市にかけての広大な地域である竏窒ニする「九州縦貫広域説」を打ち出した。
「机上の研究者は地図だけを見て考えるから判断を誤る。現地に足を運んでみなければ分からないこともあるんですよ」
一昨年からは郷土研究会で三州街道、古東山道と令制東山道、春日街道などの研究に取り組んできた。現地調査がほぼ終わり、研究成果をまとめて「私たちが探索した伊那谷の古道」として9月縲・0月に駒ケ根市立博物館で展示することにしている。
「道というのは大切なもの。古道を調べていくことによって当時の暮らしの様子までが分かる。本当ならもっともっと時間をかけて調べたい。道とはいかなるものか竏秩B現代と比較して追及できれば最高ですね」
「光前寺や大御食神社には研究課題が詰まっている。まだまだこれから調べることがたくさんあります。研究は本当に面白くてやめられないですね」
(白鳥文男) -
駒ケ根市幼児幼年教育研究会
駒ケ根市内の幼稚園、保育園、小学校、教育委員会の担当者らでつくる幼児幼年教育研究会は18日、赤穂公民館で06年度研究会を開いた。会員約60人が参加し、赤穂南小学校教頭の塩野入幸隆さんの講演「南小における教育相談について」と聞いたほか、6グループに分かれて意見交換をした。
支援が必要な新入学児童を自律学級でなく通常学級に入れたい竏窒ニいう保護者の意向を受けてどんな話し合いをしてきたかについて塩野入さんは「自律学級に対する偏見などもあるが、学校側の意見の押し付けでなく、保護者と長い期間にわたって辛抱強く話し合うことが、子どもにとって一番良い環境を用意できる道ではないか」と静かに訴えた=写真。参加者は時折メモを取りながら熱心に発表に聞き入っていた。