-
特集・目指せ甲子園 赤穂高校
春先から攻守ともに安定せずにきたが、ようやくまとまってきた。打線の機動力はいまひとつだが、失策の目立った守備は、主戦投手の熊谷と昨夏を唯一経験している遊撃の松崎を中心に堅さをみせる。「守備には自信がある。今年は少ないリードを守って勝つ」(田中主将)。
熊谷はカーブとスライダー、調整を続けてきたナックルといった変化球と制球力の良さを武器に打ち取る。追い込んでからの勝負球の甘さが課題だったが、「球のキレも良くなって、状態はいい。万全の体制で臨めそう」と自身も手応えを感じている。継投には左腕丸山、2年生の小田切、黒塚が控えるが、最も成長した丸山の起用が高い。
チーム打率は2割5分弱と低く、出塁して、得点圏に進めた後の攻撃が課題。「適時打が出ないし、得点能力が低い」(真野監督)と不安を残す。
安定感のある根津、長打の期待が高い松崎、原の中軸でなんとか先取したい。代打にはチームで1、2位の長打力を誇る片桐も控える。
「大きくリードを許すと追い上げるのは相当苦しい」(真野監督)ため、点差を広げての勝利は厳しく、序盤に先制して守りぬきたい。
初戦は11日、上田と対戦する(午後12時30分、県営飯田野球場)。
◆田中潤也主将
打線もつながり始め、ようやくチームとして勢いづいてきた。打てるチームじゃないため、細かい攻撃でなんとか先制し、守り勝つ野球で上位進出を狙いたい。とにかく、初戦を突破してリズムをつかみたい。 -
勤労青少年ソフトボール大会
7月第3土曜日の「勤労青少年の日」を記念して2日、南箕輪村の大芝総合運動場で、上伊那地域で働く30歳以下の勤労青少年を対象にしたソフトボール大会が開かれた=写真。
日ごろ接する機会が少ない他社の人と交流を深める目的で、伊那地区勤労青少年福祉推進者連絡協議会などが主催している大会は、今年で25年目。高校卒業以来、疎遠になっていた友人などと、この場を通じて再会する人もいるという。
各事業所や勤労青少年ホームごと、チームを編成。今年は12チームが参加した。「女性にも参加してほしい」との思いから、各チーム、必ず2人は、女性が参加するルールとなっている。中には女性がピッチャーを務めるチームもあった。
交流を深めつつ、参加チームそれぞれが、日ごろの成果を発揮し合った結果、南信マリナーズ(南信精機製作所)が優勝、コガネイ(コガネイ駒ケ根事業所)が準優勝した。
##(了) -
青少年の健全育成・強化月間で街頭啓発
県青少年対策本部上伊那地方部は1日夕方、「青少年の非行問題に取り組む全国強調月間」「有害環境排除県民運動強調月間」(1窶・1日)の活動の一環として、上伊那の大型店4カ所で街頭啓発を展開した。
伊那市では、上伊那地方事務所の牛越徹所長をはじめ、市職員、市子ども会育成協議会役員、伊那署員ら11人が、西町のアピタ伊那店前に集まり実施。参加者は同じ色のジャンバーを着て、肩には・ス伸びよう伸ばそう青少年・スと標されたタスキをかけ、啓発のチラシなど、300枚を買い物客に配布した。
チラシには・ス愛の声かけ運動を推進しましょう・スなどと書かれ、未来を担う青少年に、まわりの大人が積極的にかかわり、健全な成長を支援することを呼びかけた。
牛越所長は「街頭啓発をきっかけに青少年を取り巻く障害などが除去され、非行防止につながればありがたい」と話した。 -
特集・目指せ甲子園 高遠高校
3年生は主将の伊藤(郁)1人のみで、2年生8人、1年生7人の若いチーム。結束力と思いきりの良さが強みだが、その反面、精神的もろさが課題。一度崩れると最後まで引きずってしまう。
主戦2年生の右腕福澤は直球とカーブ、スライダーが武器。しかし、苦しんできた腰の故障とスタミナに不安を残すため、完投は難しい。継投には春から急成長した有賀が控え、威力がある直球を持ち味に力強い投球をみせる。
投手はいずれも打たせて取るタイプのため、確実な守備が決め手。だが一つのミスでチーム全体が連鎖反応を起こす欠点をもつ。本番までに一人ひとりのメンタル面の弱さをどれだけ克服できるかが明暗を分ける。
打線は下位まで安定しているが、チームで最も出塁率が高く、足の速さにも自信を持つ先頭の湯澤が一つの鍵。中軸の福澤、伊藤(郁)、酒井で確実に得点して、活力を見出したい。
全体的に立ち上がりが遅く、早々と点数を許すと巻き返しの期待は薄い。序盤はなんとか守備で乗り切り、先制点を奪ってリズムをつくっていきたいところ。
「怖いもの知らずで、思いきりの良さが、良い方向に向いていけば、勢いづいて最高の試合展開が望める」(保母監督)
初戦は11日、屋代南と対戦する(午前10時、長野オリンピックスタジアム)。
◆伊藤郁也主将
選手全員が声を出してムードを高めていくことが第一。人数が少ない分、まとまりがあるところを武器に、守備の乱れを少なく、一つでも多く勝ち進むことが目標。練習の成果を十分に発揮して、悔いのない最高の思い出をつくりたい。 -
伊那地区納税貯蓄組合連合会総会
伊那地区納税貯蓄組合連合会は1日、高遠町の高遠さくらホテルで第64回総会を開いた。04年度事業を確認し、今年度事業を承認したほか、功労者表彰も行った。
長野県は、中学生を対象として募集している「税に関する作文」の応募数が他県と比べて少ないことなどから、同連合会は、租税教育の促進が必要と判断。05年度は、新たに税理士会や税務署などと協力して講師団を結成し、各学校に働きかけていきたいとしている。また、引き続き租税の自主納付体制の確立や期限内完納促進のための事業に努める。
表彰は次のみなさん。
▼伊那地区連合会会長表彰=松村洋子、渕井和子、田辺信子
##(了) -
伊那諏訪家畜畜産物衛生指導協会総会
伊那諏訪家畜畜産物衛生指導協会は30日、伊那市西箕輪の羽広荘で総会を開いた。05年度事業報告などを承認したほか、長年書記を務めてきた伊那市西春近の寺山真寿美さんに感謝状を贈呈した。
先日、茨城県で鳥インフルエンザが確認されたことを受けて、県内各地区の家畜保健衛生所も、ニワトリやアヒルを50羽以上飼育している養鶏農家などや、保育所を対象に異常の有無を確認しているが、今のところ異常は確認されていない。
会長を務める伊那市の小坂市長は「BSEや鳥インフルエンザなど、世間を騒がせている家畜伝染病は、未然に防ぐ必要があり、地域で畜産物の飼育に当たっている人々には一層予防に取り組んでほしい」と話した。
同協会は牛などに感染するヨーネ病などの早期清浄化のために、自主淘汰(とうた)や検査を畜産農家に促し、安定的経営と安全・高品質な畜産物生産支援をしていく。
##(了) -
音上げる肉弾戦
観衆800人の歓声「ゴツン」窶萩ソきわたある肉体のぶつかりあう音に、スタンドを埋めた800人の観衆は歓声と拍手を送った。
愛好者などで作る実行委員会ほかが主催する第9回伊那市大学ラグビー招待試合が19日、伊那市陸上競技場であった。関東大学リーグ戦優勝の法政と、関西大学Aリーグ制覇の同志社がぶつかり合う好試合。
開始直後から相手陣内に攻め込み次々とトライを重ねる同志社に対して、法政は前半20分過ぎから反撃に出たが、同志社の固いデイフェンスにじ伏せられ、82対12の思わぬ大差で同志社に軍配が上がった。
トップスピードでぶつかり合う時の肉の軋むような音。相手のわずかなミスを付いて一挙に駆け抜けるスピードなど窶箔倹シ実力校の大戦に観客席は魅了された。
前試合の全長野vs同志社は、7対96の大差で同志社に力を見せつけられた。
##(写真・よこ)
後半、法政がトライを狙うも惜しくも阻まれる -
あゆ友釣り解禁
天竜川水系の鮎の友釣りが1日解禁になり、地元上伊那だけでなく、関東・中部地域から集まった太公望が、雨をついて、この夏初めての鮎釣りの感触を楽しんだ。(高遠ダムより上流の三峰川水系は9日解禁)
この日竿を出した釣り人は約100人で、主に三峰川に入った。解禁の午前6時には一斉に竿を出したが、途中から雨が強くなったため、午前11時頃にはほとんどが竿をたたんだ。それぞれ10縲・0匹の釣果。生育がよく、例年より少し大ぶりだという。
三峰川竜東橋上で竿を出した伊那市の加藤さん(会社員OB)は「魚の数は多い感じ。でもまだ追いが弱くて、思うようにかからない」と話した。
天竜川業業協働組合の春日英男参事は、「雨で濁りが入ったので、普段より少し追いが弱くなったようだ。水が澄めば、かなりの釣果が期待できると思う」と話した。 -
特集・目指せ甲子園 駒ケ根工業高校
春の大会では昨年に続いて南信大会を勝ちあがり、県大会出場を決めた。勝負強さに課題を残すが、勢いづけばブレーキがきかない爆発力をもつ。
投手は主将で4番の左腕宮内と、昨春から主戦として投げる小椋の2枚。守備の要である遊撃の大澤、中堅の松崎が安定した守りで、リズムをつくる。
宮内は制球力が持ち味で、カーブやスライダーといった変化球を織り交ぜ、打たせて取る。ゲームメイクがうまく、大量失点の恐れは少ない。「安心して見ていられる」と監督の信頼も厚い。
問題は小椋の不調。直球とカーブを武器に勢いのあるピッチングを披露していたが、昨年から肘と膝の故障を抱え、思い通りの投球が出来ずに苦しんできた。徐々に本来の調子を取り戻してきてはいるが、大会までの復調が鍵をにぎる。
打線は全体的に長打の期待は薄いが、安打で地道に点数を稼ぐ。しかし、残塁の多さにも頭を抱える。出塁率の高い先頭の松崎、3番大澤、4番宮内で確実に得点に結びつけて、チームを盛り立てたいところ。ポイントは下位から上位へのつながり。山岸監督も「春は下位がうまく機能した」と打線には手応えを感じているが、一方で、試合の流れを大きく左右しそうだ。
「投手を中心とした守りでリズムを作って、攻撃につなげたい」
初戦は11日、中条高校と対戦する(午後2時、諏訪湖スタジアム)。
◆宮内弘司主将
守備も打線も良くなってきているし、大会までに仕上げたい。自分を含めた投手がきっちり投げ、確実な守備でリズムを作って、ワンチャンスを必ず得点に結び付けたい。本番に合わせて気持ちを高めて、一つひとつ大事に戦っていきたい。 -
特集・目指せ甲子園 辰野高校
甲子園出場をかけた第87回全国高校野球選手権長野県大会が7月9日に幕を開ける。出場する上伊那8校を順次紹介する。
一昨年ベスト4まで上り詰めた。当時を経験する3年生、結果を受けて入部した2年生、いずれも「ベスト4再び」を目標に掲げ、練習に励んできた。「まだ力を100%発揮できていないだけで、チーム力は弱いはずがない」と池田監督も豪語する。
主戦・宮川は制球力が武器。さらに、継投の小林はカーブ、スライダー、シンカーなど多彩な球種を兼ね備える。練習の半数以上を守備に費やしているため、堅実な守りが持ち味。
戦力は春日、酒井、熊谷のクリーンアップの長打に期待がかかるが、なんといっても下位までどこからでも得点に結びつけられる「近年では最高の打線」だ。
しかし、追い込まれた場面での勝負強さに欠け、残塁の場面が目立った。春からは・ス一球練習・スに取り組み、選手一人ひとりのメンタル面の強化を図ってきた。本番でいかに発揮できるかが鍵をにぎる。
最近の練習試合では、佐久長聖に7窶・、丸子実業に6窶・、長野商業に6窶・、塩尻志学館に9窶・と白星を重ねてきている。
「理想の試合展開はない。選手たちは勝ち方にこだわると、自分たちの野球ができない。泥臭く勝ちにいく」
初戦は12日、田川と長野商業の勝者と対戦(午前10時、長野オリンピックスタジアム)。
◆熊谷竜司主将
ここ1カ月でチーム力が上がった。もう一回り成長して、大会までに一番良い状態にもっていきたい。基本に忠実に、くだらないミスをしなければ勝利を呼び込める。守備に重点を置くなかで、ワンチャンスをものにすることを念頭に、一つひとつ確実に勝っていきたい。 -
東京ビッグサイトに上伊那20社が出展
機械技術要素展盛大に東京都江東区有明にある東京ビッグサイトで日本最大の部品加工技術の展示会「機械技術要素展」が始まった。上伊那からは20社が出展、初日の22日から多くの来場者の注目を集めた。
同展示会は、製品の開発製造に重要な機械部品・加工技術の粋を集めたもので、9回目。全国から561社が参加。同時開催の第16回設計製造ソリューション展、第13回産業用バーチャルリアリティ展と合わせると1019社、来場予定者6万7000人を数える大規模な産業展だ。
上伊那からは宮田村機械加工グループ7社、箕輪町商工会工業部会3社(製品展示ボックスでの参加はほかに18社)、伊那市などが進めるニューフロンティアin伊那の4社、駒ヶ根テクノグループの4社、そのほか2社が参加している。
直径0・数ミリの微細穴加工や、新素材・難加工材の加工、ユニークなアイデアの加工ロボットなど、各社独自の技術を趣向を凝らして展示し、上伊那の製造業の水準の高さを示している。
村内の主要な加工業者が勢ぞろいした感のある宮田グループのブースは、場内でも人目をひく洒落た作り。同村のパブリックレコードの映像収録クルーも従えて、村商工会を上げての展示となった。
箕輪町商工会は、ミカドテクノスや伊藤製作所が自社製の製造用ロボットをデモ運転し、多くの客の足を止めた。<br> ニューフロンティアin伊那のテク・ミサワは、07年から欧州で施行されるクロムフリー(6価クロムなどの使用規制)に対応して新素材の加工に挑戦。
駒ヶ根テクノの塩澤製作所は、ダイキャスト製品の一貫製造や図面なしの少量試作のシステムなどを展示して注目を集めた。
出展した駒ヶ根市のハヤシの林社長は、会場で「自社の技術について質問され、他社の技術を垣間見られるのは大いに刺激になる。こうした催しに力を合わせて参加することが重要」と話した。
同展は24日まで行われる。 -
「おくに言葉」で憲法を守ろう
第45回上伊那母親大会が19日、伊那市の駅前ビル「いなっせ」であり、約200人が6つの分科会の後、日本俳優連合理事の大原穣子さんの「平和憲法とわたし」と題する講演を聞いた。地域の連絡会や高教組、民主商工会などで作る実行委員会が主催。
テレビ・映画などで方言指導もする大原さんは憲法9条や11条、24条などを様々な地方の方言で朗読してみせ、「暮らしの中にある言葉で憲法を読むことで、庶民の目線で憲法を守っていくことが必要」などと訴えた。
分科会では、「子どもの豊かな成長」「暮らしと仕事」「医療と介護の問題」「農と食料医療介護」「農・食料と健康」「核兵器廃絶と憲法」「絵手紙」などをめぐって議論し、全体会議で報告大会宣言と申し合わせ事項に反映させた。 -
経営とまちづくりを考える
伊那青年会議所(織井常昭理事長)=以下「伊那JC」=は18日、県伊那文化会館で「すばらしい経営の追求とまちづくりを考える集い」を開催した。
織井理事長は「JCが力を入れるまちづくりの根幹には会社の経営の改善が据えられるべきで、そのために自らの経営者としての資質の向上を目指したい」とあいさつ。会員や一般参加者約400人が集まった。
第一基調講演の岡本正耿氏(マーケティングプロモーションセンター代表取締役)は「地域における企業の役割とは何か」と題して、「私は誰か」「何をしようとしているか」という「実存的問いかけ」を根幹にし、「社会にどう働きかけるかという主体的姿勢を保って行政や事業を考える事が重要」と強調。行政は舵取りに専念し、事業の運営は受益者に任せ、独占や差別を防止する健全な競争を創造する事が必要窶狽ネどと訴えた。
第二基調講演は北川正恭氏(早稲田大学大学院教授)の「生活者起点の地域経営とは」。前三重県知事として取り組んだ行政改革の経験を踏まえて、「自らが問題点に気付き反省して変えて行く文化=『自責文化』を徹底すれば、地域も企業の大きな変革も可能」などと話した。
講演の後、塚越寛氏(伊那食品工業会長)と織井常昭理事長をが加わったパネルディスカッションがあり、「利益とは、本来、社員の生活が豊かになることを通じて地域が豊かになるための手段のはず。この手段を目的と履き違えて、そればかりを追い求めることから社会のゆがみが始まる」(塚越会長)などと、活発に意見を交換した。 -
第1回
後継者は考える
-地方の経営者に問われる資質とは何か?【下】【出席者】
織井常昭さん=38歳=(織建専務取締役/伊那青年会議所05年理事長)
唐澤幸利さん=35歳=(伊那燃料常務取締役/伊那青年会議所05年経営資質開発委員長)
塚越英弘さん=39歳=(伊那食品工業専務取締役)
上伊那の地元企業の後継者たちが、自らの経営資質を磨かなければいけないと、行動を開始している。その動きを追った座談会の後編。 -
第1回
後継者は考える
-地方の経営者に問われる資質とは何か?【上】【出席者】
織井常昭さん=38歳=(織建専務取締役/伊那青年会議所05年理事長)
唐澤幸利さん=35歳=(伊那燃料常務取締役/伊那青年会議所05年経営資質開発委員長)
塚越英弘さん=39歳=(伊那食品工業専務取締役)
伊那毎日新聞は05年、創刊50年を迎えました。その記念企画の一つとして、上伊那経済「時事対談」を6月より、毎月15日前後・2日間にわたって掲載します。この企画では、03-04年度2年間連載してきた「上伊那輝く!経営者」キャンペーンの特集記事を踏まえて、上伊那の産業・経済が直面している問題を、地元の事業所・企業や関係者の皆さんに順次語り合っていただく予定です。 -
始まるか?「広域的地域づくり」
上伊那は06年、大きな変化を迎える。
一つは2月4日の権兵衛トンネル道路の開通による経済・生活圏の拡大。もう一つは3月31日の伊那市・高遠町・長谷村の合併による新伊那市の誕生。
これらの歴史的転機をとらえて、上伊那地域の経済・産業の振興を新たな次元に押し上げることが求められている。
だが、それはどうすれば可能なのか?
●経済圏拡大に見合う視野の広がりが必要
権兵衛道路開通を前に産業界はさまざまな動きを開始している。
木曽側では、首都圏からの誘客のために地域全体で観光業者などへの働きかけを強めている。漆器・木材木工品など特産品の売り込みのために、伊那での木曽特産展開催の道などを探り始めてもいる。その動きは伊那側よりも積極的に見える。これまで経済的には中京圏に組み込まれてきた木曽の人々が、中央高速道路を通じて首都圏に直結することに賭ける期待は大きい。
一方、伊那側では、通勤圏・買い物圏が木曽側に大きく広がることから、製造業・商業を中心に期待が広がっている。「しばらく様子を見て」と口にする企業主が多いが、木曽に人材募集をかける製造業者が増えているほか、トンネルに近い、伊那インターアクセス沿いへの大型店舗の出店計画も目立つ。
大桑村に世界最大級の自動車用ターボエンジンの工場を持つ石川島汎用機械が06年、辰野町にも同様の工場を新設する予定だが、これも道路開通による〈人・もの・技術〉の往来の迅速化を見越してのことだろう。
こうした動きを見るまでもなく、権兵衛道路の開通は伊那竏猪リ曽の産業地図に大きな影響を与えるだろう。経済圏の拡大にともなって、広域的視点に立った地域振興策のプランニングが必要になっていることは明らかだ。
●新市誕生にともなう広域的視点の必要性
広域合併による新伊那市の誕生も、広域的な地域振興策策定の必要性を高めている。
伊那市・高遠町・長谷村の3市町村は、3月31日の新市誕生に向け、政治的・文化的・経済的な諸側面での議論を進めている。新市の発展方向を模索する議論もないわけではないが、現在の議論は主要に、「地域自治区」の権限とシステムの問題に集中している。特に高遠町や長谷村では、旧町村単位の財産保有・地域振興・そのための自律的システムを求める声が多い。
もちろん、新市においても旧市町村単位の「地域づくり」は必要だ。だが、その試みが、新市全体の産業振興や観光振興から切り離されて議論されるのでは、合併の意義は薄れるだろう。合併を選んだ市町村の人々には、旧単位を超える広域的視野が否応なく求められている。
さまざまな理由から合併の道を選ばなかった上伊那のほかの市町村にしても事情は同じだ。企業誘致、観光振興で自主財源の確保の道を探る駒ヶ根市。それぞれ、特産物づくりを軸に、地場産業の特色ある連携と展開の道を模索する他の町村……。地方交付税の削減の中で、以前にもまして「わが町」「わが村」の存亡をかけて必死だと言える。
だが、広域交通網・情報網の発展と、それにともなう経済圏・生活圏の拡大の中で、「地域づくり」も、1つの市町村だけを視野に入れた発想では通用しなくなっている。このこともまた明らかだ。ごみ処理問題、医療・高齢者福祉の問題、さらに中核市への商店・企業の集中と周辺町村の過疎化傾向竏窒ネどを見るまでもない。
新伊那市を中心にする上伊那広域の中に、どのように自らの市町村を位置付けるか?そして、自らの市町村の発展が広域の発展でもあるような「地域づくり」の青写真をどのように描くのか?竏窒アの視点がなければ「自立」もままならないのが実状ではないだろうか?
●「この地域」とはいったいどこまでか?
これまでも「地域づくり」はさまざまな場所で、さまざまな内容で語られてきた。「コモンズ」とか「コミュニティ」とかというカタカナ言葉で言われたこともある。では、それらで言われてきた「この地域」とはいったいどこまでの広がりを想定していたのだろうか?1つの集落、せいぜい町村程度の範囲ではなかったろうか?
もちろん上伊那にも市町村でつくる広域連合があり、経済団体や農業団体も上伊那の範囲で「広域」的な取組みを進めてきてはいる。「広域的発想」の必要性が指摘されたこともあった。
だが、それは、市町村単位の「地域」の調整や共同事務の遂行などの機能を発揮するにとどまる傾向があったように見える。
上伊那広域連合は05年に「広域計画」を改定した。04年から見直し作業は進められたが、見直し案策定委員会や広域連合職員の努力と裏腹に、広域連合議会でも、各市町村議会でも、極めて低調な議論しか行われなかった。ここにも「広域的発想」の弱さが示されてはいないか?
06年は、伊那ばかりか首都圏と木曽をつなぐ道路が開け、その中継拠点にあたる地に、新しい市が誕生する。この事態を、「単に上伊那にとどまらない、信州南部に新しい玄関口ができることだ」と評する人もいる。
こうした時代の変化の中で、従来の「地域」の枠を超えて、「広域的地域」の振興を考えるべき時が来ている。「広域的地域」の境界線は、上伊那どころか信州南部全体に引かれるべきだろう。自分が生まれ育った集落や市町村に目を釘付けにしているのでは、時代に置いていかれる。そういう変化の中にいる。
もちろん、上・下伊那と木曽を横断的につなぐ行政機構も、経済団体も、市民団体も、まだ存在しない。だが、だからこそ、信州南部全体を俯瞰(ふかん)し、信州北部や信州中部に比して、「この地域」の魅力や個性は何であるかを考えることが、そしてその発展の中に、各市町村や集落のスタンドポイントを見出していくことが、新しい経済・産業の発展につながるという声もある。 -
宮田村長が国道伊那バイパス期成同盟会に参加の意向を表明
国道153号伊那バイパスの促進期成同盟会(会長・小坂樫男伊那市長)が宮田村に会への加入を求めていた問題で、宮田村の清水村長は20日の村議会一般質問で「入会して、活動に参加していきたい」と意向を示した。21日の議会産業建設委員会で議論するが、村内ルートが見通しが立たないなかで、慎重な意見もありそうだ。
以前から同盟会の加入は浮上していたが、一度は発表すると言われていた宮田村のルートが示されず、実現性も問われ、村や村議会などは入会を見送ってきた経緯がある。
一方で村長は「広域連合などを通じて県にルートを示すよう要望しており、(村がルートにかかる)2期工事に向けて参画したい」と考えを示した。
本紙の取材に対して村長は「国道、広域農道も渋滞する。宮田だけが固辞するわけにはいかない」と答えた。 -
インフルエンザ警報発令
-
家庭の生ごみ堆肥化へ
-
立秋 縲怎}ツタケお目見え縲・
-
高校生ゴスペル合唱団 始動
-
上伊那の経済「今後の状況厳しい」
-
伊那市松くい虫被害 拡大
-
踊るか?そぞろ歩くか? 今日から伊那まつり
-
08年地価公示竏衷繹ノ那8市町村では30カ所すべてが07年より下落竏・
-
酪農家の挑戦竏衷繹ノ那の現場から(2)竏・
-
高校野球・春季上伊那大会が開幕
高校野球の春季上伊那大会が4月1日、駒ヶ根市のアルプス球場で開幕し、1回戦2試合があった。伊那弥生ヶ丘は駒ヶ根工業を2竏・で下し、辰野は箕輪工業に8回コールドで勝利した。
大会は8校が参加し、トーナメントで熱戦を展開する。2日に残りの1回戦、8日に準決勝、9日に決勝の予定。3位決定戦と下位戦で全順位も決める。
【駒ヶ根アルプス球場】
駒ヶ根工業
000000010-1
00000002×-2
伊那弥生ヶ丘
箕輪工業
00000000-0
20000005-7
辰野
(八回コールド)
2日の日程(開始時刻)は次の通り。
◇アルプス球場▽伊那北竏衷繹ノ那農業・午前9時30分縲・4)赤穂竏注i刀E午後0時30分縲・