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伊那弥生男子ソフトボール部 全国選抜大会へ
高校ソフトボールの第26回全国男子選抜大会(21縲・4日・静岡県富士宮市)に伊那市の伊那弥生が出場する。選手たちは「安定感のある守備」を武器に前回果たせなかったベスト8を目指し、毎日の練習に励んでいる。
伊那弥生は、昨年9月末にあった県大会の代表決定戦、飯山北を7竏・の5回コールドで下し、2年連続の全国大会出場を決めた。全国の舞台は各都道府県代表45チームが参加し、4日間のトーナメントを展開。初戦は九州の雄、玉名工(熊本)と対戦する。
チームが許した失策は県大会、同11月初旬の北信越新人大会の3試合を通じて1試合に1回程度。ドロップボールやチェンジアップなどの変化球が多彩な主戦で主将の原卓を中心に守備で試合の流れをつくる。「攻撃力は劣ったが、今年は守ってコツコツと点を加えたい」と小林光二監督は語る。
原卓主将は「守備が安定しているのでミスがなければ上位も狙える。相手は関係なく、自分たちのソフトボールが出来れば」と意気込む。 -
08春闘上伊那地区連絡会総決起集会
2008春季生活闘争上伊那地区連絡会総決起集会は5日夜、伊那市狐島の上伊那農業協同組合本所で行った。50単組、約500人が集まり、労働条件の改善などを目指して今春闘を闘い抜く意志を固めた=写真。
集会では上伊那地区連絡会の竹内啓剛議長は「戦後、空前の好景気といわれ続けているが働く者のその実感はなく、ただ賃金の格差、組織間の格差が広がっている感がある。経営者のみこの好景気の恩恵を受けることを許してはいけない。労働者は使い捨ての部品ではない。私たちはこの格差社会から脱却するために賃金の格差是正と非正規職員の処遇改善や正規化などの実現をしなければならない。本日はそういった意味で今春闘で要求していることが満額回答であるまで、最後まで闘う意志の統一の場にしたい」とあいさつした。
このほか、▽労働分配率の反転する▽格差是正と均等待遇の実現をする▽働き方改革でワーク・ライフ・バランスを推進する竏窒ネどを集会アピール。すべての労働者に今春闘への参加と連帯を呼びかけ、最後まで戦い抜くことを宣言した。 -
県公衆衛生専門学校伊那校で卒業式
伊那市の県公衆衛生専門学校伊那校で5日、卒業式があった。保護者や在校生らに見守られる中、18人の卒業生が学校長の山崎宗広伊那保健所長から卒業証書と専門士称号を受け取り、2年間の思い出を振り返るとともに社会人としての一歩を踏み出すため、志を新たにした=写真。
昨年度浮上した公衆衛生専門学校の存続問題の中、本年度の卒業生は学業に励んできたが、関係者の県への働きかけの結果、伊那校は存続することとなり、喜びの中での卒業式となった。
山崎校長は「みなさんはこの2年間、医療従事者としての厳しさに直面する中、相手の思いに立って行動することを学び、人格的にも大きく成長したと思う。これからの仕事を通じて創造力と想像力、2つの力に磨きをかけ、いたわりの心を持ち、たくましく、堂々と生きていってほしい」とはなむけの言葉を送った。
また、在校生の小林亜早美さん(19)=富士見町=は「私たちにとって、先輩たちはあこがれであり、目標でした。これからの1年、少しでも先輩方に近づけるようにしたい」と語った。
さまざまな祝福のメッセージを受け卒業生の竹村慶子さん(20)=豊丘村=は「同じ目標を持つ仲間とともに、一つひとつの経験を乗り越えてこれた。これからは社会人として、今まで以上に苦しいこともあると思うが、学校での経験を思い出し、目標とする歯科衛生士に近づけるように頑張りたい」と語った。
本年度の卒業生の出身地は、上伊那11人、諏訪地域4人、下伊那1人、松本地域1人。進学する1人を除く17人の就職が内定しており、6人が上伊那地区内で就職する。国家試験の合格発表は25日。 -
環境講演会
市民団体、関係行政機関などでつくる「豊かな環境づくり上伊那地域会議」は5日、環境講演会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。信州大学繊維学部の鈴木栄二教授が「地球温暖化対策のウソ・ホント」を演題に講演。約100人が集まり、温暖化防止対策として取り組まれているさまざまな事業の効果や実情を学んだ=写真。
環境づくりを担う人材育成を目的として企画した講演会で、講師に迎えた鈴木教授は、二酸化炭素(CO2)の排出抑制など目的として燃料電池自動車、太陽電池の開発、砂漠緑化事業など取り組まれているが、本当に効果があるものなのかを検証。
「燃料電池自動車の場合、燃料とする水素を生産するとき、炭酸ガスを放出するため、それを合計すればガソリン車と炭酸ガスの排出量は変わらない状況にある」とし、自動車会社のイメージアップ戦略に過ぎないことを示した。
また、海洋性気候にある日本の場合、20年後であっても温暖化の影響で困ることはないとしながらも「温暖化は加速減少。何もしないとブレーキが効かなくなるため、絶対対策は必要」と指摘。地元でやりやすい取り組みとして、環境負荷の少ない木材チップの利用や小規模水力発電などの可能性を示し、「温暖化という必然的な世の中の流れに対し、どうやってビジネスをやっていけば良いかということも真剣に考えてほしい」と語った。 -
上伊那地域医療問題懇談会が総会
市町村長や医師会代表者らで構成する上伊那地域医療問題懇談会の総会が4日、駅前開発ビル「いなっせ」であった。産科医療の公立病院での妊婦健診について、4月から昭和伊南総合病院(駒ケ根市)で週3日、辰野総合病院(辰野町)で週4日行うと報告があった。
安心して出産できる体制を確保するため、産科医療の連携として、拠点病院に伊那中央病院(伊那市)を位置づけ、各医療機関で「妊婦健診」「妊婦健診・分娩(ぶんべん)」「妊婦健診からハイリスク分娩」の取り扱いをそれぞれ担うこととした。
公立病院の妊婦健診は、辰野病院が2月初旬から、非常勤医師により段階的に取り組んでいる。
3月末で産科診療を休止する昭和病院は、伊那中病に4月、産婦人科医師が1人増えて5人体制となることから、週2日、出向くことになるのではないかという。
会長の小坂伊那市長(上伊那広域連合長)は「地域住民の医療を守るため、知恵を出し合い、県と相談したり、木曽と連携を図り、クリアしていかなければならない」と話した。
伊那中病の地域救急医療センター専従医師が4月、4人から3人に減る見込みで、第1次医療から救急処置が必要な第3次医療までのすみ分けをしなければ、救急体制が組めないと報告もあった。
委員から「上伊那全体で、今ある医療資源を有効に活用していくことを考えなければならない」「上伊那周辺地域との連携も模索していかなければならない」などの意見が挙がった。 -
街路樹剪定(せんてい)士資格更新研修会
日本造園建設業協会が認定している「街路樹剪定士」の資格更新研修会が1日、伊那市の県伊那文化会館であった。同資格を持つ県内の造園業者など約80人が集まり、美しい景観を保つとともに、その機能が十分発揮される街路樹とするために剪定(せんてい)技能などを学んだ。
「街路樹剪定士」の認定は適切な剪定と美しい街路樹の創出を目的に98年から始まった制度で、資格を得るにはただ伸びた枝を切るといった技術のみだけではなく、街路樹の機能を理解し、それを最大限発揮できる適切な管理方法を習得しているかなどが求められる。現在県内では約280人がこの資格を保有しているが、資格更新を5年ごとに行い、技術の質保持に努めている。
資格更新研修会は今回、伊那市、長野市の2会場で開催。講演会や実際の街路樹を見て、適切に剪定されているかなどを考えた。
日本造園建設業協会長野県支部の原孝昭支部長=飯田市=は「基本的な技術は当然だが、街路樹を剪定する職人として正しい技術を身に付け、地域住民の人たちに街路樹の大切さ、役割などを伝えられるファシリテーターとしての役割も担ってほしいと願っている」と話していた。 -
08年度公立高校後期志願者、上伊那の倍率は1.01倍
県教育委員会は3日、08年度公立高校後期選抜試験、志望変更後の志願者数集計結果を公表した。最終的な上伊那の全日制志願者数は903人。2月26日の志願受付締め切り後より5人増加したが、倍率は前回と同じ1・01倍となった。一方、多部制の箕輪進修は前回調査時より7人減少し、110人。倍率は前回の1・16倍となっている。
学校、学科別に見ると、最終的に定員割れとなったのは3校5学科。前回定員割れだった伊那北普通科は、募集人員より1人少ない203人が志願している。
倍率では、伊那北理数科の1・75倍、赤穂商業の1・35倍、箕輪進修の1・16倍の順に高くなっている。
定時制の志願者数については変更がなかった。 -
伊那ビジネス専門学校で卒業式
伊那市狐島の伊那ビジネス専門学校(三沢清美校長)で1日、07年度卒業式があった。上伊那地方から集まった、情報経理学科2人とOAビジネス学科1人の計3人が卒業。学校生活の思い出を振り返り、新たな旅立ちの門出を祝った。
三沢岩視理事長は「自分で努力しなければ社会では生きていけない。学校で取得したそれぞれの資格を十分に生かして頑張って」。三沢校長は「社会に出ても自分で決めた仕事を簡単にあきらめないで。道に迷ったときは、この学校に相談して」と、それぞれエールを送った。
情報経理学科1年の・ス美佳さん(20)=伊那市=が「学校で学んだことを、これからの人生の歩みに生かして」と送辞。同学科卒業の手塚枝里さん(20)=駒ヶ根市=は「これからは一人前の人間として社会の要求にこたえなければいけない。一日でも早く独り立ちできるよう努力する」と答えた。
三沢校長から卒業証書を受け取る卒業生 -
子どもの健康に関する連絡会全体会
「子どもの健康づくり研修会」が27日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。食生活改善推進協議会のメンバーや栄養士など約100人が参加。子どもの体と心を育てる食生活のために、各主体が取り組む活動事例の発表や講演があり、子どもへ向けた食育のあり方について考えた=写真。
子どもの健康に関する関係者の知識向上と連携による効率的な食育活動などの推進を図ることを目的とする取り組みで、「子どものからだと心を育てる食生活」をテーマとした話題提供では、母親、地域、栄養教諭、それぞれの立場から子どもの健康のための食生活について考えている3人がそれぞれの活動や思いを発表。
母親の立場から発表した駒ケ根市生活クラブ代表の中山静代さんは、「自分たちが実際に口にしているものには加工食品も多いが、『素性が分からないから食べない』というのではなく、それが何でできていて、どういう風に育てられた食材なのかを学校だけでなく、家庭でも子どもと一緒に学べたらよいと思う」と語り、「ぜひ子どもの食べる物に手を出せる母親自身が、食について考えていきたい」と発表した。また、伊那市の栄養教諭である岩根美ゑ子さんは、子どもを対象とした食育活動の経験を示し「子どもたちは体験を通じて学ぶことが非常に多い」と指摘。「今後は食育コーディネーターとして、いかに多くの人を巻き込んで行動できるかが求められていると思う」と語った。 -
上伊那地域「児童クラブ」スキルアップ交流会
児童クラブ指導員の情報交換と資質向上を目的とする「上伊那地域児童クラブスキルアップ交流会」が27日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。各市町村の児童クラブ担当者や指導員など約100人が参加。講演や事例発表があったほか、意見交換では4つのテーマに沿ってそれぞれの意見を交わした。
研修では、上伊那地方事務所福祉課の保育専門相談員を務める宮原貞雄さんが「学童期の子どもたちについて」をテーマに講演=写真。
宮原さんは「今の子どもたちが昔の子どもに劣っているとは思えない。子どもの問題の大抵は、子どもを育てている大人に大きな問題があると思う」と指摘。人と人との関係が築きにくい時代背景に触れる一方、豊かな人間関係を育むには言葉のやり取りが重要な役割を果たしていることを示し「子どもにあいさつを返すという単純なことでも、私たちは忘れていることが多い。言葉には子どもの心を揺り動かす素晴らしい力を持っている。子どもの投げてきた言葉を、より豊かな言葉でオウム返しに返してあげることで、子どもも豊かな言葉を身に付けていく」とした。また、実体験に基づく言葉を教えていかなければ、本当の言葉が身に付かないことなども示し、「日常生活の中にある生きた体験の中で、本当の言葉を教えていくことが必要」と指摘した。 -
食の安全安心を考える勉強会
伊那食品衛生協会(御子柴誠一会長)は26日、シンポジウム「食の安全・安心を考える勉強会」を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いた。行政、検査機関関係者、生産者、消費者など約150人が参加し、意見交換をした。
シンポジウムでは消費者代表として長野県食の安全・安心モニターの中山千代美さん、上伊那地方事務所農政課の桑原祐一さん、上伊那農業協同組合常務理事の瀬戸喜成さん、飯田食肉衛生研究所の安藤清明所長、伊那保健所食品生活衛生課の熊谷彰芳さんなどが、それぞれの立場から食の安全について講演した。
桑原さんは「ポジティブリスト制度に対応した農薬使用について」と題し、農薬や肥料を安全に使用するための国や県の対策について話した。
桑原さんはまず「農薬を使わない農業生産では、どうしても病気や害虫、雑草などにより農産物の安定生産を欠く」と農薬の必要性を説明。農薬を使わなかった場合の減収率として、水稲28%減、小麦36%減、大豆30%減、リンゴ97%減、モモ100%減など、農林水産省のデータを提示した。
そして農薬の安全性を確保するために取られている政策として、厳密な検査のうえで国に登録された農薬だけが製造、輸入および販売できる農薬の登録制度や、農作物に対し全ての農薬の残留基準値を設定し、基準値を超過した農作物、食品の流通を禁止するポジティブリスト制度などを説明した。
桑原さんは「農家において規制や回数、希釈倍率を守っていくことが、食の安全につながっていく」と話していた。
また瀬戸さんも最初に農薬について「農薬というと大変危険だという認識が多くあるが、ほとんどのものは長くても1週間以内で成分が分解し、体に障るということのない範囲のものになっている。散布したものを一生食べて健康に差し障りがない、そういうものが基準になっている」と話していた。 -
拡大する松くい虫被害竏茶}ツタケ産地での取り組み
28日に開かれた上伊那地方松くい虫防除対策協議会では、依然、各市町村で拡大し続けている松くい虫被害の実態が報告された。上伊那全体の被害量は5250立方メートルとされているが、すでに被害が拡大しすぎて把握しきれていない市町村も出てきており、潜在的にはこれよりさらに広い範囲で被害が生じていると考えられる。そんな中、マツタケの産地である「東伊那地区」でも松くい虫被害が発生し始めている駒ケ根市は、同地区を守ろうと必死だ。本年度から薬剤の空中散布などを始めているが、それ依然から住民らが主体的に松林を守る取り組みを進めるなどして、何とか山を死守しようとしている。
駒ケ根市における本年度の松くい虫被害量2320立方メートル。前年度比で150パーセント増、市内全域で確認されている。早くから地域住民などが自費で対策を講じてきた東伊那地区でも、隣接区の中沢地区から松くい虫被害が侵入。そのため、東伊那を松くい虫被害の前線基地としないために、駒ケ根市や地方事務所では中沢地区内での徹底駆除などを行うなどしてきたほか、東伊那地区約10ヘクタールでヘリコプターや地上からの薬剤散布を実施。結果、枯損木の発生を極力抑えることができた。
市担当者は「東伊那だけでなく、市内のアカマツをできるだけ守れるよう、徹底した駆除をしたい」と話す。 しかし、被害拡大を防ぐためには全量駆除が不可欠。本年度も薬剤撒布を計画しているものの、薬剤散布だけでは全量駆除は難しく、枯損木が発生した場合、早期伐倒駆除も不可欠となる。 -
松くい虫被害、箕輪に北上
県や関係市町村などでつくる上伊那地方松くい虫防除対策協議会が28日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、これまで松くい虫被害がなかった箕輪町の卯ノ木地区で今年1月、新たな被害の発生を確認したことを報告した。これにより、松くい虫被害は上伊那6市町村まで拡大。昨年度最北だった伊那市美篶下川手地区より約5キロ、被害地域が北上したことになる。
箕輪町では1月8日、伊那市境にある同地区の道沿いに生えている松林で発見した枯損木の原因調査を上伊那地方事務所に依頼したところ、3本のアカマツで松くい虫被害が発生していることが判明。この結果を受け、町の林野調査専門委員会が町内の標高800メートル以下に生えている松を調査。2月15日の段階で、95本の枯損木を確認し、そのうち3本については、松くい虫による被害の可能性が高いため、地主の了承を得てから、検体をとることとなった。
こうした事態を受け、町では早期対策を講じるために、すでに被害を受けている3本を伐倒する費用30万円を3月補正に計上するほか、監視、巡視対策強化のための予算130万円を08年度予算に盛り込む予定。
本年度の上伊那全体の被害量は5250立方メートルと過去10年の中でも2番目に多い量となっている。一方、駆除量は3821立方メートル。各市町村とも積極的な防除対策に取り組んでいるが、被害拡大になかなか歯止めがかからない現状にある。
同協議会は本年度、各市町村に支給する防除対策費として632万円を当初予算としていたが、被害拡大に伴い各市町村で積極的に防除対策を実施したため、それに伴う対策費用の増額分を補正した700万円を各市町村の防除事業費として支給する。 -
強盗への対処方法を確認
上伊那地方の郵便局と伊那署は28日、伊那市長谷の市野瀬郵便局(西村敏博局長)で、強盗を想定した防犯訓練を実施した。訓練を通じて強盗への対処方法を確認し、緊急時に備えた。
強盗対策の一環として年1回、上伊那の郵便局が持ち回りで開く訓練で、今回は各局の職員約30人が見学。訓練は署員が強盗役に扮(ふん)し、ピストルを片手に窓口の女性職員を人質に取り、金を奪って逃走する想定で行った。
職員たちは、逃げる犯人の体格や服装などの特徴、逃走方向を覚えるなど、対策マニュアルに沿ってそれぞれが行動を確認した。署員の迫真の演技に「慌ててしまう場面もあったが、(警察が到着するまでの)時間をできるだけ稼ぐことができた」と西村局長は訓練を評価した。
伊那署生活安全課の亘浩幸課長は「いざというとき、今日と同じ対応ができるよう、日ごろから心がけてほしい」と呼びかけた。
伊那署員の迫真の演技で緊張感が増した強盗模擬訓練(市野瀬郵便局) -
環状北線、来月29日に供用開始
伊那市都市街路網の環状線の一部として98年から約10年にわたり、整備が進められてきた環状北線が来月29日、供用開始となる。県道伊那インター線と国道153号線を結ぶ同線の整備は、伊那市中心市街地に流入する車の台数を減らし、渋滞を緩和することなどを目的とした街路事業で、総事業費は55億円。一時は完成が遅れる懸念もあったが、年度内完成の見通しとなった。
環状北線は中央道伊那インターチェンジと国道153号を結ぶ主要幹線道路として整備されてきたもので、伊那インター線と県道南箕輪・沢渡線が交差する伊那市御園の交差点から、伊那市水神町の国道153号まで橋梁でつなぐ。環状北線の全長は520メートル。うち、橋梁部の長さは184メートルで4車線。現在橋梁部に続く取り付け道路の拡張工事が進んでいる。 -
08年度公立高校後期選抜者志願者数(1)の概要を公表
県教育委員会は26日、08年度公立高校後期選抜者志願者数第1次締め切りの集計結果を公表した。上伊那の後期選抜出願者は1920人。全日制の倍率は1.01倍となっている。
最も倍率が高いのは伊那北理数科の1・75倍。志願者数最多だったのは伊那北普通科の199人。しかし、同学科は定員204人に達していない状況で、同校を含む全日制4校8学科で定員割れとなっている。多部制の箕輪進修は普通科で1・24倍、工業課で1・2倍。
後期選抜志望変更受付は27日から3月3日の正午まで。学力検査の実施日は3月11日で、合格発表は21日となる。
志望校変更後の志願者数発表は3月3日。
また、私立・伊那西高校は3月10日まで願書受け付けをしている。 -
木曽駒ヶ岳生態系保護地域における植生復元対策事業の調査結果を報告竏注。後5年を目途に植生マット施工技術などをフローチャート化
登山者の入り込みなどによって高山植物の荒廃などが進む中央アルプス木曽駒ヶ岳で、植生復元対策事業に取り組む中部森林管理局木曽森林環境保全センターは26日、本年度実施した復元作業の報告と今後の事業のあり方を考える検討会を伊那市の南信森林管理署で開いた。同事業に参加するNPOやボランティア、市町村関係者が集まり、植生復元のために設置したヤシ繊維マットなどの成果を確認。「厳しい自然環境においては劇的な植生の増加は難しい」としながらも、個体数や植被率が増加傾向にあるという報告を受けたほか、事業継続を予定している5年の間に、植生マットなどの施工手順や技術をマニュアル化する。
同事業が始まったのは05年度。調査区域は木曽駒ヶ岳森林生態保護地域や特定地理保護林となっており、今年度は昨年9月にボランティアや県、市町村の協力のもと、伊那前岳の八合目でヤシ繊維や麻繊維のマットを伏工し、一部に高山食物の種子をは種した。
また、05年度、06年度にヤシマットを設置した場所についてはモニタリング調査を実施。05年度に設置した場所ではもともとそこにあった植物の生長による個体数増を確認。一方、08年度に設置した場所では、主には種した植物が個体数を増やしたことで、全体の個体数が増えていることが明らかになった。
事業は5年程度の継続調査を行い、どのような傾向を示すか確認し、その後の方向性を模索する。また、来年度は「八丁坂」や伊那前岳にいたる「九合目」「登山道沿い」で、植生復元計画を検討していく。
参加者からは「いずれにせよ、復元には時間と労力がかかる。植生が破壊されないよう、できる限り観光客に呼びかけていく必要がある」などといった意見も出された。 -
08年度自衛隊入隊者激励会
伊那地区、飯田地区の08年度自衛隊入隊者激励会が24日、箕輪町の伊那プリンスホテルであった。自衛隊関係者や来賓、入隊予定者の家族ら約200人が集まる中、来年度入隊を予定している23人に、激励のメッセージや記念品などが送られた。
来年度、上伊那で入隊を予定しているのは18歳から25歳までの男女13人。また、予備自衛官補として1人が入隊を予定している。
激励会主催団体の一つ、上伊那郡市自衛隊協力会連合会の上山儀一会長は「教育、訓練を受けることは楽しいことばかりでなく、幾多の試練もあると思う。しかし、郷土の代表であることを認識し、世界の平和が保たれるよう訓練に励んで立派な自衛官となってほしい」と激励。
また、海上自衛隊一般曹候補生として入隊を予定者している小出大志さん(駒ケ根市)=写真=は「今日、みなさまからの温かな励ましを受け、私たちに対する期待と自衛隊の崇高な任務の責任の重さを感じている。訓練に耐え、一刻も早く一人前の自衛官になり、活動していきたい」と語った。 -
長野県長寿社会開発センター伊那支部ふるさとを学ぶ会パネルディスカッション
長野県長寿社会開発センター伊那支部ふるさとを学ぶ会(中島重治代表)は21日、パネルディスカッション「伝説の豊かなふるさと上伊那」を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いた。
同会は17縲・9年度の「ふるさと講座」のまとめとして、3カ年計画によるパネルディスカッションを予定しており、今回がその1年次となる。
基調講演を行った竹入弘元さんはふるさとの代表的な伝説として、各地区の名前の由来や、孝行猿や早太郎伝説などを紹介した。「こうした伝説を通して、昔の大自然や動物たちとの生活を知ることができる」と竹入さん。
基調講演のあとは、久保村覚人さん、小沢聡さん、柴登巳夫さんがパネリストとなり、参加者を交えての意見交換を行った。
##写真(たてよこ) -
長野県有機農業研究会とやまなし有機農業市民の会が種苗交換会を開催
長野県、山梨県で有機農業に取り組む農家らでつくる2団体による「第15回種苗交換会」が23日、南箕輪村民センターであった。同会の会員ら約60人が、それぞれ有機農法で育てた種約100種類を持ち寄り、思い思いの種と交換した=写真。
長野県有機農業研究会とやまなし有機農業市民の会が毎年開催しているもので、自分たちで育てた種を共通の財産として多くの仲間に栽培してもらうとともに、栽培技術などに関する情報交換をしている。
種苗交換に先立ち、波田町にある自然農法国際研究開発センターの中河原敏雄さんが、試験的に取り組んでいる「自然生え育種」について説明。「自然生え育種」はその名の通り、肥料などを与えず、自然のままに生えてきた野菜の苗の中から、生命力の強い苗などを選び、そこから種を採取する方法で、中河原さんは「根の張りが強く、土壌条件に合った種が選抜できるのが特徴」と説明。また「有機農業は生産量を上げるということが非常に難しいと思うが、こうした栽培を目指すのであれば、野菜本来の持つ力を生かしたやり方が、より栽培しやすいのではないかと思う」と語った。 -
「親子で水質調査」 夏休みの研究レポート発表
リサイクルシステム研究会(会長=向山孝一KOA社長)などは23日、箕輪町の伊那プリンスホテルで諏訪湖・天竜川水系健康診断「親子で水質調査」の自由研究レポートの報告会を開いた。親子約100人が出席し、代表6家族の報告に耳を傾けた。
水質調査は環境問題に関心の高い、地域の企業に参加を呼びかけて実施し、9年目。21企業の77家族が夏休み期間を利用し、天竜川水系などで簡易調査器具を使い、排水の汚水を評価する指標となるCOD(化学的酸素要求量)などを調べた。
清水麻希さん(箕輪中部小5年)家族は、昨年、岡谷市縲恟シ川町の天竜川の調査を行い、下流につれてCODが下がるなか伊那市で上昇した原因を今回、調査。市内を流れる天竜川支流4河川などを調べ、麻希さんは「原因は生活排水かもしれない。家の風呂の残り湯はCODが7と高かった。汚れた水を川に流してはいけないと思った」と考察した。
報告会ではこのほか、子どもたちが「川が濁って見えた」「魚が死んでいた」など、自分の目から得た情報を交えて報告。「家がたくさんあったり、人がたくさん通るような川が汚いということが分かった」「ごみは持ち帰って、きれいな川にしたい」などと話した。
県自然観察インストラクターの野口輝雄さん(伊那東小学校教諭)による講演会「川にほたるを呼び戻そう」もあった。 -
上伊那広域連合2月定例会
上伊那広域連合2月定例会が22日、伊那市内であり、本年度補正予算、08年度一般会計予算を含む予算議案5件、上伊那地域ふるさと市町村圏計画後期基本計画策定のための議案1件を全会一致で可決し、先月の駒ケ根市長選で新たな市長に選ばれた杉本幸治氏を広域連合副連合長に選任する議案を合意した。
08年度上伊那広域連合一般会計予算の総額は歳入歳出とも29億8756万8千円。情報システムの効率運営などを目的として取り組んできた情報システム再構築業務にかかる整備費が08年度に集中することから、本年度予算に盛り込んだ「新システム整備費」を減額補正した後、08年度予算として新たに11億2800万円を計上。その影響で本年度当初予算総額の45・6パーセント増と、金額では約9億3千万円の増額となった。
また、上伊那広域連合が建設を予定している新ごみ中間処理施設の環境影響評価業務委託費なども本年度予算として計上してあったが、建設地を決める伊那市の用地選定委員会が慎重に審議を進めており、年度内に用地が決定しなかったため、減額補正し、改めて新年度予算に盛り直した。また、伊那市に支払う用地選定負担金として約1千万円を計上。新ごみ中間処理施設建設まで、使用延期となる2つの焼却施設の地元環境整備費として約170万円が盛り込まれた。
また、ふるさと市町村圏事業特別会計予算の総額は794万1千円で本年度当初予算の9・5パーセント増。土木振興事業特別会計予算の総額は7291万2千円で本年度当初予算総額より35・5パーセント減となっている。 -
自然とじょうずにつきあう日本の家
日本の伝統的な家屋は、土壁、木、障子(紙)茅葺き屋根など、自然素材で囲まれていた。土も木も紙も、それぞれ呼吸し、湿気を調節する。そうした自然の呼吸とともに、家があり、その中で四季折々の暮らしがあった。中でも障子は、破れるとその場所だけを補修したり、年末には家族総出での障子の張り替え作業など、その家族の暮らしぶりに密着した存在だ。
日本の伝統様式を残しながらも、最近では洋風な住宅様式が主流となり、障子や畳を使った和室が一室もない住宅も増えている。
今回の朝の学舎は、高遠小学校4年生が、障子貼り体験を通して、自然とじょうずにつきあってきた日本の家屋について学ぶ。
障子貼りの舞台は、伊那市高遠町の『進徳館』。ここは、日本の近代教育の基礎を築いた伊沢修二をはじめ、優れた人材を輩出した高遠藩の藩校として知られる貴重な建物で、1860年に開校された。茅葺き屋根、障子、濡れ縁など、当時のままの姿で保存されている貴重な建物だ。今回は、特別に許可を受けて、高遠小学校の子どもたちが進徳館の障子を貼りかえる体験をした。 -
県老人大学伊那学部卒業式
県老人大学伊那学部の卒業式が18日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。2年間の課程を修了した98人が卒業した。
同学部長の宮坂正巳上伊那地方事務所長は「これからも自主活動を継続し、若い人と交流し、積極的に社会に参加していただきたい」と式辞を述べた。
卒業生を代表した宇治重人さんは「卒業後も学ぶ心を忘れず、老人大学伊那学部第30期生としての誇りと自覚を持って社会参加し、人生の続く限りがんばりたいと思う」とあいさつした。
県老人大学は来年度から長野県シニア大学と名前を変え新しくスタート。同伊那学部では08年度生を募集している。
知識や教養を身に付けるための教養講座や趣味や健康づくりのための技能講座、社会参加活動を実践するための実践講座など。1年時は初日の入学式を含め17日間の講座を予定(朝の会午前9時40分縲怐B授業午前10時縲恊ウ午・午後1時縲・時)。
費用は授業料など経費として3千円。また教材費、自治会費など。
入学願書を上伊那地方事務所福祉課内事務局、居住の市役所、町役場へ持参または郵送で申し込む。29日まで(定員120人)。
問い合わせは、上伊那地方事務所福祉課(TEL76・ -
もりもり上伊那 山の感謝祭開催
上伊那の林業関係者や市民団体、NPOなどが一堂に集う「もりもり上伊那 山の感謝祭」が21日、南箕輪村の信州大学農学部キャンパスであった。功労者表彰や林業関係コンクール入賞者の表彰があったほか、上伊那地域で森林づくりを実践する各団体の活動発表があり、自分たちにできる森林整備の方向性などを模索した。
森林づくりを次世代へと引き継いでいくことなどを目的として県や森林関係団体など4者が合同で開催しているもので、約200人が集まった。
実践発表では、信州大学農学部の野口俊邦教授が司会を務める中、上伊那各地で活動する8団体がその取り組みについて発表。
その一つ、伊那市を中心として森林整備などに取り組む「森だくさんの会」は、環境への理解を深めるとともに、人材育成の一環として、女性も一緒になって里山づくりに取り組んでいることを紹介。発表者の稲辺謙次郎さんは「今後の展望としては、地域の方々と一緒になって活動できる信頼されるボランティア団体となり、確かな技術を身に付けていきたい」と語った。
表彰者は次のみなさん。
【上伊那山林協会長表彰】
◇林業功労者表彰▼治山=小林元邦(飯島町)▼林道=大村博幸(伊那市)▼造林=小田切泰雄(宮田村)
【上伊那林業コンクール】
◇間伐の部▼最優秀賞=野口中坪共有林・北原林業(伊那市)▼優秀賞=杣道の会(辰野町)
◇枝打ちの部▼立石洋一(伊那市)▼優秀賞=大出財産区(箕輪町)
◇国土緑化・育樹運動ポスターの部▼最優秀賞=植木千尋(宮田小3)宮沢翼矢(高遠中1)▼優秀賞=林優奈(宮田小3)中原未帆(宮田小3)油井瞳(高遠中2)田畑正輝(高遠中1)
◇野鳥愛護ポスターの部▼最優秀賞=橋爪陽(宮田小3)原朱花(西箕輪小6)田辺悠(宮田中2)▼優秀賞=浦野咲紀(宮田小3)水上由伸(宮田小3)竹内万結(辰野東小6)中村真優(南箕輪南部小5)小野覚(宮田中1)林あかね(赤穂中3)
◇野鳥巣箱製作の部▼最優秀賞=有賀智紀(箕輪北小4)▼優秀賞=唐沢春樹(箕輪北小6)梅本諄人(箕輪北小3) -
「交通事故死ゼロを目指す日」 全国一斉展開
交通安全に対する意識を高めるための国民運動「交通事故死ゼロを目指す日」の初めての活動が20日、全国一斉にあった。上伊那地域では警察署と交通安全協会などが協力し、大型道路沿いで人波作戦などを展開した。
南箕輪村では伊那署員や村安協ら約10人が参加。緑、黄色の布地に「夕暮れ時は早めのライト点灯」「シートベルト着用」などと書かれたのぼり旗約20本を田畑の村道両側に設置し、ドライバーに交通安全を呼びかけた。
「交通事故死ゼロ竏秩vは、1968(昭和43)年以降、毎日、交通死亡事故が発生している状況が続いているため、内閣府が決定した運動。活動を通じ、近年の交通事故死傷者数の減少傾向を確実なものにする狙いがある。本年は4月10日も実施。
上伊那各市町村の交通死亡事故ゼロ継続日数(19日現在)は、伊那市66日、駒ヶ根市264日、辰野町61日、箕輪町524日、飯島町3日、南箕輪村430日、中川村509日、宮田村194日。
##(写真たて・よこ)
南箕輪村田畑の村道で人波作戦を行う関係者 -
上伊那家庭婦人バレー大会
第28回上伊那家庭婦人バレーボール大会(上伊那家庭婦人バレーボール連盟主催)は17日、中川村の社会体育館と中川中学校体育館で開かれた。15チームが出場。4ブロックに分かれてのリーグ戦で熱戦を繰り広げた=写真。総合優勝は得失点差により、駒ケ根市の「あすか」が勝ち取った。
結果は次の通り。
▼第一ブロック(1)マザーズA(伊那市)(2)リュシオール(辰野町)(3)どんぐり(飯島町)(4)空木(駒ケ根市)▼第2ブロック(1)コスモス(伊那市)(2)かやの(箕輪町)(3)マザーズB(伊那市)(4)辰野(辰野町)▼第3ブロック(1)あすか(駒ケ根市)(2)たんぽぽ(伊那市)(3)大和(伊那市)(4)さわやか(宮田村)▼第4ブロック(1)なかがわ(中川村)(2)南箕輪(南箕輪村)(3)みやだ(宮田村) -
伊那広域シルバー人材センターで21日まで会員互助会の作品展
伊那市西町にある伊那広域シルバー人材センター「伊那ワークプラザ」で21日まで、会員互助会(会員約700人、清水武茂会長)による第15回作品展示会が開かれている。会員120人が制作した絵画や写真、書や盆栽のほか、各種手工芸品など345点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
作品展は辰野町、箕輪町、南箕輪村、伊那市の4市町村の会員でつくる同会が毎年1回開催しているもので、サークル活動や個々の制作活動の中で趣味の一環として制作しているさまざまな作品を会員らから募り、展示することで、生きがいづくりなどにつなげている。今年は昨年より若干多くの作品が集まった。
会場には今人気の「布ぞうり」のほか、編物、紙人形などが並んでおり、ドラム缶で焼いた炭や手作りほうきなど、一部の作品は購入もできるようになっている。
会場を訪れた人たちは「この写真はどうやって撮っているのかね」「きれいだね」などと話しながら、作品を楽しんでいる。
入場無料。午前9時縲恁゚後4時。 -
天竜川水系の渓流釣り解禁
上伊那地方の天竜川水系で16日、渓流釣りが一斉に解禁となった。県内外から釣り人が入渓し、今シーズンの初・スアタリ・スの感触を味わった。天竜川漁業協同組合によると、今年は河川上流部は雪深く、下流から中流部にいるアマゴが狙い目だという。
伊那市の小黒川に入った60代男性=箕輪町=は、午前5時半から約3時間で、体長20センチ前後のアマゴ10匹を釣り上げた。「まずまずの釣果だが、初日は数ではなく釣ったときの感触を楽しみたい。それがだいご味」と笑顔で話した。
天竜川漁協は2月上旬、上伊那の主要渓流数10河川にアマゴの成魚700キロを放流。3、5月は、イワナの成魚を放す計画だ。
遊漁料は、一日券千円、年間券6千円、中学生券300円、小学生以下無料。問い合わせは、漁協(TEL72・2445)へ。
今シーズンの初・スアタリ・スを楽しむ釣り人 -
南信森林管理署、個体数調整のためのニホンジカのわな捕獲開始
昨年からわな捕獲によるニホンジカの個体数調整を実施するための準備を進めてきた南信森林管理署(久保田広署長)は今月18日から、上下伊那、諏訪地域にある同署管轄の国有林内に全90個のわなを設置する。これまで、防護ネットなどで対策を講じていた同署が、個体数調整を行うのはこれが初めて。上伊那では伊那市長谷地区の浦国有林内に30個のわなを仕掛ける予定で、目標頭数を30頭としている。
狩猟期間終了後からわな捕獲によるニホンジカの個体数調整に取り組むため、同署では昨年、現場職員など30人がくくりわなの設置方法などを学ぶ研修を受け、わな捕獲のための許可を取得した。
南アルプスにおけるニホンジカの食害が深刻化する一方、個体数調整を行う猟友会員は減少。高齢化も進んでおり、同署としても何とか被害防止対策に取り組みたいと、今回のわな捕獲開始にいたった。
浦国有林のほか、富士見町の編笠岳、大鹿村の大河原などにも順次30個のわなを仕掛ける予定で、全体の目標頭数は90頭としている。
捕獲したニホンジカは関係市町村の猟友会を通じて猟銃で射殺し、埋没などの処理する予定。