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西町区キンボール大会
西町区は6日、伊那市の市民体育館で区キンボール大会を開いた。区民約70人18チームが参加し、キンボールを楽しんだ。
キンボールは直径122センチ、重さ約1キロのボールを使用するスポーツ。4人1組の3チームがコートに出てそれぞれピンク、グレー、ブラックのゼッケンをつけ、ヒットチームが「ピンク」など他チームの色を言い、ボールを打つ。ゼッケンのの色を言われたチームはボールが床に落ちないよう拾う。
西町区がキンボール大会を取り入れたのは今回が初めて。
河野義直区長は「室内なら天候にも左右されないし、せっかくこんないい施設もあるのだから。次もこれをやるかはまだ決まっていないが、毎年何か室内競技をやっていきたい」と話していた。
キンボールを初めてプレーする参加者が多く、開会式後に市の体育指導員がルールを説明。
試合が始まると、大きなボールをうまく拾えなかったり、ボールを追いかけて転がったり、選手たちは笑い声を上げながら試合を楽しんだ。
「初めて体験するけど、楽しい。やりはじめると夢中になっちゃう」と参加者の声。
試合終了の声がかかっても、選手たちが熱中してしまい終わらないこともあった。 -
長谷中2年 仙丈ケ岳登山事前学習
23、24日、南アルプスの仙丈ケ岳(3033メートル)に集団登山する伊那市の長谷中学校2年生13人は8日、同中で南アルプス研究会のメンバー2人を招いた事前学習会を開いた。安全に登山を行うため、山での歩き方や服装などについて学んだ。
県内のほとんどの中学生が体験する集団登山の一環で、南アルプスに登るのは上伊那では高遠中との2校だけ。長谷中で研究会が事前学習を行うのは4年目で、この日は山岳環境部門の田島守さん=長野市=、北原昇さん=辰野町=が訪れた。
生徒たちが不安に思っていることなどに対し、田島さんらが答えていった。最も質問が多かった高山病については、「普段から標高500縲・00メートルの場所に住んでいる県内の人間なら大丈夫。原因は寝不足や疲れ、急激な運動などにある」と説明し、不安を取り除いた。
このほか、「仙丈(千丈)ケ岳の名前の由来は長さの単位にある」「南アルプスはホンシュウジカの食害がある」などと、スライドを見ながら解説した。メンバーらは「みんなで協力し合って登る喜びを味わってもらいたい」と呼び掛けた。
南アルプス研究会の田島さんから話を聞く生徒たち -
伊那小学校卒業生ら岩手・宮城内陸地震へ義援金
伊那小学校の1941年卒業生の飯島悦雄さん(伊那市西町)らが4日、伊那市役所を訪れ日本赤十字社伊那市地区長の小坂樫男市長に岩手・宮城内陸地震の義援金8万円を託した。
1941年に伊那小学校の敬組を卒業した飯島さんらは、今年80歳を迎えることを記念して先月20日に同級会を開いた。その席上で「現地ではこれから本格的な復旧が始まる段階。少しでも援助の手を差し伸べたい」と義援金を集めることが決定。飯島さんが中心となり、地域の人や知人などに声をかけ義援金を集めた。
義援金は日本赤十字社長野支部を通して被災地に送金する。 -
奥村憲とイーゼル会展
伊那市の女性プラザ伊那で活動する絵画サークル「イーゼル会」と、講師の奥村憲さん=伊那市=による第5回展「奥村憲とイーゼル会」が3日、市生涯学習センター2階展示ギャラリーで始まった。油絵、水彩、パステルの個性豊かな42作品を展示している。
イーゼル会は02年から活動。会員7人が生物、風景、花など写実を基本に水彩やパステルで描いている。今回は主に過去1年間に描いた作品で1人3点ずつ出品した。
白日会などの会員で油絵歴40年余の奥村さんは、これまで自身の作品をまとめて発表する機会がなかったことから今回、「伊那谷・仙丈ヶ岳眺望」など100号2点を含む油絵を中心にクレパスやパステルで描いた風景や花などの作品21点を飾った。雪景色が好きで、100号の大作は伊那の雪景色を描いている。
奥村さんは、「だれでも絵心があると思うが、それを素直に表現できる世界がイーゼル会にはある。見ていてほっとする世界、ゆったりした時間を味わってほしい」と話している。
会期は8日まで。午前9時縲恁゚後6時(最終日午後4時)。 -
【記者室】ソースかつ丼元祖論争の行方
伊那谷の名物の一つにソースかつ丼がある。伊那と駒ケ根にそれぞれの飲食店でつくる別の組織があるが互いの交流はなく、独自に活動を続けている。
周囲からは両者が対立しているように見えたためか、当事者を差し置いて両市の間で元祖論争が起きたこともあった。だが両方の会長に別々に話を聞いたところ、いずれも「どっちが最初か竏窒ネんてどうでもいいこと。ただおいしいかつ丼で喜んでもらいたいだけ」と異句同音に話していた。
県が今年策定した「観光立県長野再興計画」の中に、上伊那「どんぶり街道プロジェクト」(仮称)が新たに登場した。これを機会に同じ(少し違うかもしれないが)かつ丼を作る仲間として共同歩調を取るのもいいかもしれない。(白鳥文男) -
伊那市民プールと高遠スポーツ公園プールがオープン
伊那市の市民プールと高遠スポーツ公園プールが7日、オープンし初日は無料開放された。
伊那市民プールには小中学生や家族連れなど大勢が訪れ、好天のもと元気に水遊びを楽しんだ。
開場時間は伊那市民プール午前9時縲恁゚後5時、高遠スポーツ公園プール午前10時縲恁゚後6時。外気温、水温が満たない時、台風などの荒天による閉場がある。 -
願いごとが叶うよう 東春近中央保育園・七夕飾り
伊那市の東春近中央保育園(青木多津子園長、園児114人)は4日、天の川や星に見立てた紙飾りを施したササを同園庭先に設置した。7月7日の七夕にちなんだ行事の準備で、園児それぞれが願いごとを書き記した短冊をササに飾り付けていった。
恒例の行事だが本年度は、園児たちがササを調達。年長園児34人が他のクラスの分を含めた、高さ4メートルのササ4本を地元住民から分けてもらい、「エイサ!ホイサ!」と掛け声を合わせながら園へ運んだ。このほか、今年は、わが子の成長を願う保護者からも短冊を募った。
「保育園の先生になれますように」「キリンのように背が大きくなりたい」などと書き記した、園児たちの願いがこもった短冊の重さに枝が垂れるササ。8日の「7月の誕生会」で七夕行事を行った後日、園庭で燃やし、煙とともに願いごとを天に届ける予定だ。 -
小売業売上高ランキングでニシザワが8位
企業・経済調査会社の東京商工リサーチが発表した07年度(07年4月縲・8年3月)の県下小売業ランキングでスーパーのニシザワ(荒木康雄社長、本社伊那市)が8位にランクインした。上位30位以内は上伊那で唯一。南信ではほかにキラヤ(本社飯田市)が21位に入った。
ニシザワの07年度売り上げは220億4700万円(前年度比1・5%増)。これまでも03年度7位、04、05年度8位、06年度9位と、毎年上位に入っている。
1位はスーパーのエス・エス・ブイ(本社長野市)で、売上高は766億800万円(前年度比5・1%減)だったが、08年7月1日に西友に吸収合併されたため、来年度はランキングから姿を消すことになる。
上位10社は次の通り(カッコ内は本社所在地)。
(1)エス・エス・ブイ(長野市)(2)ツルヤ(小諸市)(3)アップルランド(松本市)(4)マツヤ(長野市)(5)綿半ホームエイド(長野市)(6)エプソンダイレクト(松本市)(7)ながの東急百貨店(長野市)(8)ニシザワ(伊那市)(9)西源(松本市)(10)モリキ(長野市) -
民謡舞踊教室が県大会に向け最後の練習
日本民謡舞踊連盟の県大会(7月6日、松本市)に昨年に続いて2年連続で出場するサンライフ伊那の民謡舞踊教室(酒井房子師範、14人)は4日、大会前の仕上げとなる最後の練習を伊那市の市民会館で行った。
演目は水森かおりの『ひとり薩摩路』。出場する9人は本番用のあでやかな衣装に身を包んでステージに上がり、やや緊張した表情で歌に合わせて踊った。踊りを指導する酒井師範は「4月にこの曲を始めたときはバラバラでどうなることかと思った。みんなが動きをぴったりそろえるのは難しいが、特訓でかなりまとまってきた。順位をつける大会ではないが、出場は励みになる。これまでの練習の成果を発揮できればいい」と話している。
同教室は毎週1回集まり「仲良く、楽しく、和気あいあいで」練習を重ねている。 -
閉鎖のぺアーレ伊那が一転、継続へ
心身の健康と生きがいづくりを目的とした施設「ペアーレ」を全国51カ所で運営している社会保険庁の外郭団体・社会保険健康事業財団の方針によって売却が決まり、9月30日で閉鎖竏窒ニされていた伊那市西町の伊那社会保険健康センター「ぺアーレ伊那」は6月25日の入札で、事業継続を前提として参加した伊那市の測量・設計コンサルタント会社によって落札されたことが4日までに分かった。同社は「閉鎖が決まって利用者が困っていると聞き、地元のわれわれが何とかしたいと考えて入札に名乗りを上げた。こうした施設を運営した実績がない当社にとって新規事業となるが、経営は十分に可能と判断した」としている。契約は7月7日、引渡しは10月1日の予定。
ペアーレ伊那は95年4月開設。鉄筋3階建て、延べ床面積約1800平方メートル、敷地面積約2900平方メートル。温水プール、トレーニングルーム、各種教室などを備えている。07年度は健康づくり講座、教養文化講座合計で約100講座・330教室を運営。延べ約8万7千人が利用した。年度収支は少なくとも02年度以降黒字を続けている。
ペアーレ伊那は4月から利用者らに対し「9月30日で閉鎖」を告知している。利用者からは「楽しみに通っていたのに今後どうすればいいのか」「なくなるなんて残念」「施設がもったいない」など、閉鎖を惜しむ声が多数挙がっていた一方、一部で「取り壊されて跡地にマンションが建つらしい」などのうわさもささやかれていたという。
一転、継続へ竏窒フ報を聞いたペアーレ伊那のヨガ教室に通っている女性(66)=伊那市美篶=は「閉鎖と聞いてほとんどあきらめていたが、継続ならこんなうれしいことない。うまく進んでほしい」と話している。 -
西春近北小4年生
同窓生寄贈の太鼓で演奏初披露伊那市の西春近北小学校4年ひのき組(31人、原安彦教諭)は2日、同窓生から同校に昨年寄贈された和太鼓での演奏を校内音楽会で初披露した。同窓生の故郷への思いが込められた和太鼓を元気いっぱいにたたく力強い演奏に、児童や保護者から大きな拍手が起きた。
1929年に同校を卒業した東京都在住の本田美枝さんが、故郷のためにと、昨年9月に大太鼓1張り、宮太鼓8張り、小太鼓2張り、鉄筒、収納箱などを寄贈した。
これを受け同校は、全校児童が1度は和太鼓に触れるようにと、4年生が学ぶことにした。
今年の4年ひのき組は、総合的な学習の時間に太鼓に取り組むことを決め、地元の小出太鼓の神山修二さんの指導を受けて練習に励んできた。
演奏曲「夏祭り」は小出太鼓の曲で、昨年度から太鼓に取り組んでいる5年生も演奏した曲。同校で代々演奏していく許可をもらっている。
寄贈の太鼓のほか、地元の沢渡太鼓の太鼓を借り、姿勢や打ち方など基礎から始め、音楽会前は音楽の授業時間にも練習。こうして迎えた音楽会では、そろいの法被姿で動きを入れながら、体育館中に威勢のいい音色を響かせ堂々と演奏した。
ひのき組は、7月下旬に地元の太鼓演奏会への参加を予定。太鼓を引き継いでいけるよう、年度末には来年度太鼓に取り組む3年生と交流しながら太鼓を教える計画という。 -
池坊伊那支部青年部が郵便局に生け花展示
華道家元池坊伊那支部青年部の中部ブロックは18日まで、伊那市中央区の伊那東郵便局ロビーに生け花を展示している。
年2回の青年部の展示奉仕。池坊の生け花を広く知ってほしい-という願いと共に、公共の場に花を飾ることで地域住民に季節を感じ心和んでほしい-との思いも込め取り組んでいる。
1週間を前期と後期に分け、2作品ずつを展示。3週間で12人がカーネーションやアジサイ、ユリなど季節の花、庭に咲く身近な花を生ける。
中部ブロックでは、「家のどこにでも飾られるような、どんなスペースでも、どこからでも見てもらえる自由な花。生け花をしていない方にも、飾ってみようかなと思っていただける参考になればありがたい」と話している。 -
橋爪まんぷ漫遊スケッチ展 桜咲く伊那の風景並ぶ
第37回日本漫画家協会賞で特別賞を受賞した伊那市境の漫画家・橋爪まんぷさん(67)の「漫遊スケッチ展」が3日、ベルシャイン伊那店2階文化ホールで始まった。桜咲く伊那の風景を中心に、水彩スケッチ62点がそろう。8日まで。
題材は旅先の漁港もあるが、9割が伊那の風景。雪をかぶった仙丈ケ岳をバックに、ピンク色に染まる高遠城址公園を描いた「城花遠望」、駅前開発ビル「いなっせ」北側の「街路交叉」、天竜川を入れた「河畔深遠」、高遠町山室の「山裾香桜」などほのぼのとした作品が並ぶ。2月から6月にかけ、スケッチブックを持って、あぜ道や民家の裏、山すその集落などをふらふらと歩き、出合った風景の数々。
橋爪さんは「身近な場所も立ち止まって左右前後を見ると、車では見えない、描くことが楽しくなる風景が広がる。新たな発見があるのでは」と話す。
タイトルはすべて四文字熟語で、作品と一緒に楽しむことができる。サイズはA4判と8号。
営業時間は午前10時縲恁゚後6時(最終日4時)。 -
園児向け環境紙芝居制作、上演へ
環境問題に長年取り組んでいる伊那商工会議所女性会(小林旬子会長、40人)は幼少時から環境保護の大切さについて考えるきっかけにしてもらおうと本年度、幼稚園・保育園児向けのオリジナル環境紙芝居を制作、上演する。年度内の上演実施に向け、現在ストーリーの制作に取り掛かかっている。
子どもたちにとって難しくなりがちな環境問題を紙芝居で見てもらうことにより、ごみの分別や減量、リサイクルの推進、資源の大切さなどについて楽しみながら無理なく理解してもらう狙い。
ストーリーは会員らが考案する完全オリジナルで、数種類制作する予定。会員には環境問題を身近なこととして認識している家庭の主婦が多いことから、題材には事欠かない。電気の節約、エコバッグの使用、水道水の節約など、日ごろの取り組みを生かしつつ、専門家のアドバイスを受けながら楽しいストーリーを組み立てたい竏窒ニいう。
本年度の上演対象は同会議所管内の市内17園・園児約1600人。事務局は「紙芝居を見た子どもたちが家でその内容を話題にすることにより、保護者たちにも環境への取り組み意識が高まる効果が期待できる」としている。1年だけで終わらせるのではなく、今後継続的に実施していく計画であることから、傷みやすい紙にはしっかりした材質を採用したいという。
総事業費は65万円。県の08年度地域発元気づくり支援金事業に採択され、約60万円の支援が決まっている。 -
ボランティアで水銀灯清掃
伊那市内の電気工事業者らでつくる伊那市電設業協会と電気工事協力会は3日、市内の3公園の水銀灯の清掃作業をした。地元への感謝の気持ちを込めた奉仕作業の一環として、8年前から年1度ボランティアで行っている。
加盟14事業所から21人が参加し、春日公園、伊那公園、高遠ほりでいパークの3カ所の公園内や駐車場などに設置されている水銀灯計110基の汚れを落とした。数人ずつの班に分かれた参加者はそれぞれ高所作業車や脚立、はしごなどを使い、カバーの内外の汚れや虫の死がいなどをブラシで取り除いたり、電球を布で丁寧に磨いたりした。
伊那市電設業協会の田中和俊代表(伊那エンジニアリング)は「市民のために少しでも役に立ちたいと考えて始めた。公園の管理の一助になればうれしい」と話した。市建設部の浦野晃夫監理課長は「水銀灯は高い所にあるため、なかなか清掃ができない。市民の憩いの場である公園をこうしてきれいにしてもらうのは大変ありがたい」としている。 -
【ラーメン屋「咲来軒」店長 桜井純一】
「やっぱり、自分で店をやるというのは責任が必要。大変だけどお客様が満足そうに、ごちそうさまと言ってくれる、小さな子どもが、おいしかったと言ってくれる、その言葉にいつも元気づけられる」と笑顔で話す。
伊那市の上牧、県道・伊那辰野停車場線(通称・竜東線)沿いに「咲来(さくらい)軒」を開店して1年と2カ月が過ぎた。
子どものころから料理が好きだったこともあり高校卒業後、松本市の松本調理師専門学校へ進学。卒業後、岡谷市の「来々軒」で修行を始めた。
「父が店長と知り合いで、小さいころからよく食べに行った。昔から来々軒の味が好きだったから」と理由を話す。
来々軒は1949年から続いている老舗のラーメン屋。「見て覚える」を基本に、店の味を修得するため8年間修行。「家族のように接してくれて、今も公私にわたってお世話になっている」と感謝する。修行の後半にはスープやギョーザを任された。
来々軒からのれん分けしてもらったが、伊那市にすでに同名の店があることから、来々軒の店長が桜井の・スサク・スと来々軒の・ス来・スの字を取り「咲来軒」と名前をつけた。
「自分が好きな来々軒の味を、伊那で広めていきたい」そんな思いを抱き、昨年4月に開店。
「今、一番の目標は来々軒みたいに自家製のめんで作ること」と意気込みを語る。
現在メニューはラーメン(650円)、パーコーメン(880円)、豚バラーメン(900円)、チャーシューメン(千円)やギョーザ(400円)、カツ丼(900円)など。
今年は夏のメニューに力を入れていきたいとのことで「冷やし中華」「冷やしラーメン」「ジャージャーメン」「冷やしタンタンメン」「冷やしマーボーラーメン」などを企画している。
伊那市上牧出身。趣味は野球で現在伊那市の早起き野球チームに所属している。実家で両親と祖母、妹と4人で暮らす。 -
花ろまん41
梅雨の花、アジサイ。咲き始めは緑を帯びた白、後に淡紅色、淡青色、やがて濃青紫色に変わり、「七変化」の別名を持つ。青い花が集まり手まり状に咲く風情から「集真藍(あづさあい)」から転じたとも。大伴家持が「言問わぬ木すら味狭藍(あじさい)」と詠んだ万葉の花。白楽天の詩から「紫陽花」と名付けられ、日本固有の植物でドイツ医師、シーボルトがヨーロッパに移入し、改良され、「西洋アジサイ(ハンドランジア」として逆輸入された花。雨に濡れて古刹に咲く日本アジサイには格別の風情がある。今回は「あじさいまつり」でにぎわう伊那市西春近の深妙寺(重盛快典住職)と、アジサイの小道に数百株が競って咲く駒ケ根高原の光前寺(吉沢道人住職)を取材したほか、近年、人気の山アジサイ(日本アジサイ)を紹介する(大口国江)
◇寺の雰囲気に合い、花の色の変化が魅力な日本的な花
伊那市西春近の深妙寺
「あじさい寺」の異名を持つ伊那市西春近の深妙寺(重盛快典住職)では200種2000株余のアジサイが咲いている。白から淡青色、紅、青紫色と色とりどりの花色が、訪れた人々の目を楽しませている。
同寺は25年ほど前、重盛住職の母、故・登美子さんが挿し木で増やし、境内に植えたのがきっかけ。その後、重盛住職も引き続き、珍しい苗木を購入したり、挿し木で増やし、広い境内を花で埋め尽した。
花の種類は額アジサイや山アジサイなど日本アジサイを中心に、花が大きく豪華な西洋アジサイ(ハイドランジア)、柏葉アジサイ、ノリウツギなど多彩。
祭り期間中(縲・月10日)は無料の茶菓の接待、くずもち(有料)もある。4縲・日は午後7時から9時まで夜間照明もする。
重盛住職は「アジサイの雨に濡れたしっとりとした風情が寺のたたずまいに合い、心が和む。花の色の変化も魅力」と話す。
◇重盛住職のワンポイントアドバイス「挿し木と管理」
アジサイの繁殖方法は梅雨時の緑枝挿しが一般的だが、冬の凍み上がりでだめになってしまう。3月頃の休眠挿しの方が成功率が高い。
花後は花の下から2節目で切ると、来年も開花する。
花の色はアルカリ性土壌では赤く、酸性土壌では青くなると言われるが、遺伝子が異なり、肥料で赤花を青に、青花を赤くすることは難しい。
##(写真)
(1)「(2)(3)青色のガクアジサイが数10本咲く園内
◇花の少ない梅雨の季節に咲く日本情緒豊かな花
光前寺吉沢道人住職
駒ケ根市の古刹光前寺では約20種類、400株のアジサイが境内を彩っている。
山アジサイ系(ガクアジサイ)が中心で、がく(装飾花)が白からピンクに変わる「紅がく」「清澄沢」。真紅になる「紅」。がくが濃紫の「黒姫」など多彩。
日当たりのよい駐車場前に植えられた「紅がく」は今が見ごろ、辺りをピンクに染めている。
また、鐘楼の周辺には数百株のアジサイを植え、あじさいの小道を作っている。
吉沢道人住職は「アジサイは桜の木の下でもよく咲いてくれる。寺の雰囲気に合うガクアジサイを中心に集め、挿し木で増やしている」と話す。 -
【写真家 木彫家 牧田博江さん】
1924(大正13)年に父が興した「マキタ写真館」を、東京での修行を経て20歳で受け継いだ。父とともに好きな仕事に励んだが10年後、父が亡くなってしまう。父と一緒に植えた思い出のイチイの木も、時を同じくして枯れてしまった。
「枯れた木を見ていたら、飛騨高山の一刀彫りが頭に浮かんできてね。木彫はやったことがなかったが、なぜか大黒様を彫ろうと思った。あれが原点だ」
その後しばらくは我流で彫っていたが、伊那を訪れた指導者に教えを受ける機会があった。
「一番勉強になったのは木の選び方。材料の木は硬かろうが軟らかかろうが太ければ何でもいいと思って使っていたが、その時に北海道産は木目が細かいとか、イチイはつやがあるとか、多くの知識を学ぶことができた」
もともと絵やデザインが好きだったこともあって木彫の奥深さにとりつかれ、仏像、道祖神、だるま、風景、人物など、さまざまな作品の制作に熱心に取り組んだ。
ある時、龍光寺(伊那市狐島)に水子地蔵を贈ったところ大変に喜ばれたことから、それ以降、苦労して彫り上げた作品を図書館などの市の施設や神社、寺などに惜しげもなく寄贈してきた。
請われて伊那公民館の木彫講座の講師を務める一方、伊那木彫クラブを設立し、木彫の魅力を広める活動に取り組んだ。
「木彫は簡単にできるもんじゃないから、それだけ出来上がった時の喜びは大きい。数限りなく作品を作ってきたが、望まれれば差し上げる。飾って喜んでくれるのがうれしいからね」
◇ ◇
写真家としても、10年に1度ずつ、主に伊那谷の景観をテーマとした個展「ふるさとの四季」を開いてきた。毎年元旦には西箕輪与地に出掛けて行き、仙丈岳の頂部から昇る日の出を撮影する。
「かれこれ30年にもなるかな。ポイントを決めて撮るんだが、10メートル違っても作品は変わってくる。ある年など、考えたイメージと違うことに日が昇り始めてから気が付いて、慌てて三脚を持って移動したこともある。まあ何しろ魅力的だね、仙丈岳は。伊那の一番の象徴だ」
個展は今年で4回目の開催。終了後、前回に続いて作品すべてを市に寄贈した。
「今の伊那図書館ができる時に建設委員会の事務局を務めたのだが、文化振興のためにもぜひ館内にギャラリーをつくってほしいと掛け合った。それが認められて今の広域情報コーナーができたんだ。いつかここで作品展を開きたいと思っていたが、古希の節目に当たる今回、ようやく希望がかなったよ」
(白鳥文男) -
旧井沢家住宅で古田人形芝居公演
伊那市西町の旧井沢家住宅で29日、県選択無形文化財に指定される箕輪町の古田人形芝居公演があった。地域住民ら約60人が集まり、親子の情愛を描いた「傾城(けいせい)阿波の鳴門竏衷∠迚フの段」を楽しんだ。
公演は3回目で、伊那部宿を考える会・旧井沢家住宅管理部が事業の一つとして旧井沢家で伝統芸能を見てもらおうと企画。
「傾城竏秩vは、阿波の国徳島の城主・玉木家のお家騒動にからみ、離れ離れに暮らす親子の話で、父母恋しさに巡礼する娘と再会した母親は名乗ることができず、娘に国へ帰るよう諭す。しかし、今、別れたらいつ会えるか分からないと娘の後を追いかけるあらすじ。
旧井沢家住宅のうまやに舞台を設け、観客は浄瑠璃、三味線に合わせて保存会員がしなやかに人形を操る芝居に見入った。
公演に先立ち、保存会員が人形のからくりや操り方などを解説した。 -
西駒山荘にヘリで荷揚げ
伊那市は1日、中央アルプスの市営山小屋「西駒山荘」と避難所「大樽小屋」へ、ヘリコプターを使って食料などの物資を輸送し、12日の西駒山荘営業開始に備えた。
物資は、西駒山荘用の野菜や米、飲料水といった食料品などのほかに、桂小場登山ルートの登山口から山荘との中ほどに位置する大樽小屋のトイレの老朽化に伴う修理のための資材も輸送。
物資の重量は合計約2トン。ヘリコプターは1往復約10分、伊那市の鳩吹公園駐車場から3回に分け輸送した。
西駒山荘は10月13日まで営業。40人収容可能。
問い合わせは伊那市役所観光課観光施設係(TEL78・4111)へ。 -
小学生が地震義援金
伊那市の伊那小学校児童会リサイクル委員会は1日、岩手・宮城内陸地震による被災者への義援金として、アルミ缶回収で得た現金1万2610円を伊那市に託した。委員長の北原哲也君(11)と副委員長の御子柴杏奈さん(11)が市役所を訪れ、市保健福祉部の伊藤健部長に手渡した。北原君は「地震で困っている人たちのために少しでも協力したかった」としている。
同委員会は中国・四川省大地震(5月12日)の被災地に義援金を送ろうと、全校児童にチラシを配布するなどして各家庭のアルミ缶を学校に持参してもらうよう呼び掛け、6月16日から21日の6日間の回収で計約100キロの空き缶が集まった。6月14日に岩手・宮城内陸地震が起きたため、国内を優先させようと送り先を変更することにした。
義援金は日本赤十字社を通じて被災地に送られる。 -
中電ギャラリー閉鎖
長年にわたって市民のギャラリーとして親しまれてきた伊那市中央の中部電力伊那営業所「ふれあいギャラリー」は4日を最後に閉鎖する。
同営業所によると閉鎖の理由は、中部電力の組織改編により6月30日で廃止された駒ケ根サービスステーションの機能を伊那営業所に統合することから、業務スペースの拡張が必要になったためという。
95年4月のオープン以来、13年間にわたって延べ230回の展示会を開いてきたが、同社の社内事情により、惜しまれながら姿を消すことになる。
ギャラリー創設について相談を受け、同会場でも個展を計16回開いてきた洋画家の須澤重雄さん(72)=伊那市中央=は「地域の文化振興に大きく貢献してきたのに、閉鎖とは非常に残念。場所も大きさも手ごろで、とても良い会場だった。展示会の開催を通じて地元の作家やたくさんのグループ、サークルの活動を盛んにしてきた功績も大きい。今は長年の活動に感謝したい」と話している。 -
向山和秋洋画展展
箕輪町の洋画家向山和秋さん(59)は第2回油彩画展「天女たちの競艶」を4日まで伊那市中央の中部電力伊那営業所ギャラリー「ふれあい」で開いている。女性や風景を大胆な筆致で描いた作品20点が展示されている。
フィギュアスケートの女性選手の姿を描いた『ビールマン・スピン』『飛天』など女性をテーマにした作品と、『天上の地平線』『師弟』など、山や海などの自然をテーマにした作品が並ぶ。いずれも力強い色彩と大胆な構図が特徴的で、迫力ある作品に仕上がっている。
50歳から油彩を学び、昨年は風景画展を開いた向山さんは「最近は風景画より女性の美しさを素直に表現できたらと心を凝らしている。自分の頭の思考とは別に、右腕が勝手に動き出す妙を自分で堪能している」という。
入場無料。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
農業生産法人「株式会社JA菜園」設立
上伊那農業協同組合が出資する農業生産法人「株式会社JA菜園」が30日、設立した。野菜に特化した法人であることが最大の特徴で、遊休農地の解消や担い手育成を図り、今後の畑作農業のモデル経営体を目指す。
伊那市のJA本所での設立会で、前段に開いた設立総会の内容を報告。資本金は2010万円でJA上伊那が2千万円、農作業に従事する取締役2人が残り10万円を出資。社長にJA上伊那常務理事の春日州一さん(63)が就任した。
西箕輪地区の吹上と羽広に6・2ヘクタールの農地を賃貸借し、アスパラを中心に白ネギ、ブロッコリー、トマト、ヤマゴボウなどを栽培。冬期はトマトハウスを有効利用し野菜苗を生産する。農業者やJAインターン生のほか、収穫期など状況に応じて地元住民が作業に従事する。農産物の販売先はJA上伊那。
計画では、08年度の売上高は2979万円。中心品目のアスパラの収穫が始まる10年度から黒字経営を目指し、売上高4509万円、当期純利益143万円を見込む。
JA上伊那の宮下勝義組合長は、「上伊那の農業の普及拡大が可能な組織モデルを目指す」とあいさつ。春日社長は、「アスパラの多収がポイントになる。単位面積あたりの収量を上げ、後継者育成もし、より強固な法人として全力を尽くす」と話した。 -
英伸三写真展
写真家英伸三(はなぶさ・しんぞう)さんの写真展「農村に何が起こったか竏注。振り返る昭和」が6日まで、伊那市の伊那市立伊那図書館広域情報コーナーで開かれている。1960年代に撮影に訪れた伊那市や駒ケ根市の農村部で、押し寄せた工業化の波と農業のはざまで翻ろうされながら生きる農民の姿をとらえた作品など26点を展示している。
初日の28日には英さんが同館を訪れて「語る会」を開き、展示作品を撮影した当時の時代背景や思いなどを語った。英さんは「農家の主婦らが、改造した畜舎や納屋で時代の最先端のエレクトロニクス部品を作っている『農村電子工業』の光景は興味を引かれるものだった。農業の片手間に始めたはずの仕事なのに、ノルマに追いかけられて本業の時間がなくなるなど、高度成長時代ならではの社会のひずみを感じた」などと話した。
入場無料。問い合わせは同館(TEL73・2222)へ。 -
西春近財産区が松くい虫被害拡大防止にヒノキ3千本を植栽
伊那市の西春近財産区(橋爪俊夫議長)は29日、松くい虫被害拡大防止のため、財産区有林の藤沢山大洞地籍モチクイ平1・5ヘクタールにヒノキの苗木3千本を植栽した。小出二区の住民ら92人が雨の降る中、作業に当たった。
伊那市の松くい虫被害は06年に確認され、財産区は赤松からヒノキへ樹種転換することにした。本年1縲・月、県の信州森林づくり事業保全松林緊急保護整備事業で、上伊那森林組合に70縲・0年生の赤松800本の伐採を委託。材木を切り出すなど作業するための林道(延長1キロ)も整備した。
橋爪議長は「松くい虫被害で赤松が立ち枯れする前に、材木として利用できるうちに伐採した。ヒノキを植えることで、地域の山を守っていきたい」と話した。
参加者は2人1組で、目印の付いた場所に、とんがなどで穴を掘り、高さ50センチほどのヒノキの苗木(3年生)を次々と植えた。急斜面のところもあり、足場を固めながら黙々と作業をこなした。 -
「川シンポジウム」でアマゴ放流
伊那市と市民の連携で水と緑のまちづくりを目指す第21回「川シンポジウム」の実行委員会は29日、本年度の最初の事業として「魚の放流」を行った。雨の中、幼児、小中学生約100人を含む200人が参加し、市内4カ所の川にアマゴ約2400匹を放流した。
御園の「蛍が池」会場には近くの親子など約60人が参加し、思沢川の流れにアマゴ約600匹を放した。子どもたちは「大きくなってね」「元気でね」などと話し掛けながら、バケツに入れたアマゴを笑顔で川に放した。
実行委員会を代表してあいさつした丸山敞一郎区長会長は「魚を放流する体験を通して、自然を大事にする気持ちを育ててほしい」と呼び掛けた。
シンポジウムは本年度、川再発見せせらぎウォッチング、水質調査、ビオトープ探索、川を美しくする集い、環境子ども会議などを行っていく。 -
高遠断酒会記念大会
高遠断酒会は29日、創立30周年記念大会を伊那市高遠町の町総合福祉センター「やますそ」で開いた。アルコール依存症に悩む人たちやその家族など、全国各地から約250人が参加し、依存症経験者の悲惨な体験談を聞いて互いに断酒を誓い合った。
自身が依存症だった男性は酒びたりだった日々を振り返り「母親もアル中だった。そんな母親を嫌いだったのに、生活すべてが面白くなく、自分も酒びたりになった。酒を買って来いと言って妻をなぐったり引きずり回したり、ひどいことをした。こんな自分が生きていると周りに迷惑だと思い、命を絶とうとしたことも2回あった」と、つらい思いを涙ながらに語った。「断酒会に入って、依存症は病気だと知り、正直ほっとした。これからは酒に逃げず、家族のため正面を向いて生きていきたい」と話して大きな拍手を受けた。
香川県断酒会の初代会長岩崎広明さんの体験談と、香川県の三光病院長市川正浩さんの記念講話もあった。 -
天竜川整備計画懇談会
三峰川の将来を考える「三峰川みらい会議」(織井秀夫代表)は29日、国土交通省中部地方整備局が6月に示した「天竜川水系河川整備計画」の「たたき台(骨子)」について市民の意見を聞く懇談会を伊那市役所で開いた。区長、消防団、環境団体、市のほか、一般住民など計約40人が参加し、戸草ダムの計画見送りなどについて意見を交わした。
天竜川水系全体の整備計画について話し合う趣旨での開催だが、参加者からは戸草ダムについて意見が集中。「簡単に見送りというが、美和ダム上流の安全が欠落している。ダム建設はぜひ計画に盛り込んでほしい」「問題の先延ばしだ。いずれ造るなら今やるべき」「見送りは財政面の理由と思うが、必要であるなら計画を縮小してでもやってほしい」など、建設を強く要望する意見が多かった。「戸草ダムのことばかりでなく、ほかの川のことも含めて総合的に考える必要がある」などの意見もあった。
織井代表は「川は流域の人のもの、という原点を考えるよい機会になった」と話した。 -
行方不明の釣りの2人救助
29日未明から伊那市長谷の三峰川上流に釣りに出掛けたまま行方が分からなくなっていた伊那市伊那の会社員宮原正一さん(41)と箕輪町中箕輪の自営業小林勉さん(42)は、家族の届け出を受けて捜索していた警察や消防などにより30日午前9時50分ごろ、三峰川と荒川の合流点付近にいるところを発見され、同11時18分に救助された。けがはない。
伊那署によると、2人は川が大雨の影響で増水したために戻れなくなり、1晩ビバークして救助を待っていた。