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伊那市の伊那インター駐車場 7月から有料化
伊那市は7月から、伊那インター駐車場の利用を無料から有料に切り替える。6月1日から拡幅・舗装などの工事に入るため、1カ月間、閉鎖する。
駐車場は96年、中央道高速バス利用者用に伊那インター西側に設けた。しかし、高速バスを利用しない人が自動車を止め、利用者が使えなかったり、自動車が放置されたりする状況があり、有料化にして利用者の利便や健全な利用を図ることにした。事業費は1200万円。
駐車場は現駐車場の敷地面積1300平方メートルに、隣の私有地1500平方メートルを借り受けて拡張。普通車100台ほどの駐車スペースを確保する。
7月からの利用料金は1日500円で、24時間以降1日単位で300円が加算される。管理運営は駐車場運営会社に移管する予定。
工事期間中、駐車場の利用はできず、市は南箕輪村の駐車場や、駅前再開発ビル「いなっせ」駐車場などの活用を促している。 -
地域おこしなどをねらったアマランサス生産事業開始
栄養価が高く、観賞用としても注目を集める植物・アマランサスの生産・商品化を通して地域おこしをしよう竏窒ニ、伊那商工会議所のビジネスプラン創業塾で「起業チャンピオン賞」を受賞した伊那市の山岸深雪さんと、共に事業に取り組む2人が30日、伊那市東春近の畑約20アールにアマランサスの種をまき付けた=写真。今後は、アマランサスを使った食品などを商品化する検討をしていく予定で、花の盛りとなる8月下旬縲・月上旬には、見学イベントをしたいとしている。
地域おこしと、障害者が生きがい持って働くことができる職場を確保することを目的とした事業。1年の準備期間を経て、今年本格始動となった。生産にかかわる作業は、知的障害者や認知症のお年寄りなどが主体的に取り組み、製品の加工・販売によって得た収入は、作業に参加した日数に応じて参加者それぞれに支払っていく。
種まきは、市内の共同作業所の利用者が参加。アマランサスの種が埋め込まれた紐(ひも)を、等間隔で畑の中に埋め込んだ。紐は水に融けて自然に還元する材質で、信州大学などでも今年度導入しているという。
ほかにも、近くの畑10アールに野菜を育てており、こちらは生産者自らが対面販売していくことも考えている。
現在は作業に参加してくれる人やボランティアを募集中。山岸さんは「関心のある人はぜひ参加してほしい」と呼びかけている。 -
アンサンブルで中原健太郎さんの作品展
知的障害者が働きながら生活する伊那市西箕輪の通所授産施設「アンサンブル伊那」のカフェで6月1日から、木曽養護学校2年の中原健太郎さん(16)が作品展を開く。ち密なラインと豊かな色彩で描く独創的な風景画は、障害者のための芸術作品展「第7回エイブルアートアワード」で最優秀賞を受賞するなど、注目を集めている。作品展は、ドイツ、ベニスなど、欧州の風景を中心とした18点。新作3点も並ぶ。
風景写真を独自の構図でとらえ、作品に起こす中原さんは、油性マーカーと水彩絵の具で独自の風景画を描き上げる。絵に重ねる色は、母・津々子さんが作っている。
2歳ころから描くことには親しんでいるが、風景画に関心を持つようになったのは小学校4年生ころ。現在は津々子さんが選んだ写真の中から、気に入ったものを自身で選び、作品に起こしている。青色やオレンジ色を基調とした建物などが並ぶ欧州の風景が多いという。
津々子さんは「線と色の持ち味を見て、その国へ行ったように感覚で見てもらえれば」と話していた。
入場無料。午前10時縲恁゚後9時。30日まで(日、月曜日は定休)。 -
大萱保育園園児サツマイモ苗植え
伊那市西箕輪の大萱保育園(伊藤正子園長)の年長児と年中児60人が30日、近くの畑でサツマイモの苗植えを体験した。
食事の片寄りが全国的に問題視されていることを受け、幼少のころから食べることの意義を知る機会とするとともに、収穫や食べる喜びを体感する狙い。これまでは園内の花壇で作業していたが、近くの樹木によって日光がさえぎられたことなどから不作だったため、今年は年中児に孫がいる農家から畑の一部を借りた。
園児たちは職員から「苗は横に寝かせて」などと教わりながら、友達と協力して作業。手で土を掘って「大きなイモになってね」と願いながら50本の苗を植えた。
収穫は天候などにもよるが、11月初旬ころを予定し、焼きいもやさつま汁にして食べるという。 -
伊那市坂下区・大規模災害に備え、備蓄倉庫新設
伊那市の坂下区(黒田強区長)は26日、坂下公会堂近くにある災害時の避難場所に指定している広場に、防災備蓄倉庫を設置した。同公会堂地下にテントやスコップなどの防災器具を保管していたが耐震強度がないため、別の場所に倉庫を作った。
設置した倉庫は縦約2・2メートル、横約5・8メートル、高さ約2・3メートル、床面積12・90平方メートル。総工費約60万円。
倉庫内には既存の防災器具を移し、今年度は優先的に投光機、発電機を購入して備える。地元に食料店などがあるため、水などの非常食は毎年、少しずつ買いそろえていく予定だ。
坂下区では今年度中に、区所有の2つの貯水槽(それぞれの容量は60トン)のうち、水漏れのため使用されないでいた、坂下公会堂東側の一つを改修工事する。同区は住宅の密集地で周りには川が多いため、大規模地震が発生した時は、火災が発生し、橋が落ちれば日なん場所の確保が困難になるので火災予防への設備に力を入れている。
黒田区長は「大規模災害に対して、防災設備を確立し、自主防災ができるように取り組みたい」と話している。 -
三峰総 美和ダム堆積土を混ぜた水田で試験栽培
三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は30日、伊那市長谷溝口にある、美和ダムの堆積(たいせき)土を耕土に混ぜた水田で田植えをした。三峰川の土砂が流れ出たほ場で収穫できる「川下り米」の味覚を検証するため、本年度初めて、試験栽培をはじめた。
ダム底にたまった土砂をかき出し、機能を回復させる「堆砂掘削」事業は、02年度までに2百万立方メートルを取り除き概略終了。その後堆積土は、長谷の市野瀬、黒川のほ場整備に使用したり、ミネラルが多く、土壌伝染病菌が少ないとして、家畜飼料、育苗土への活用研究が進められるなど、注目が集まっている。
田植えには、同事務所や長谷総合支所の職員ら約10人が参加。水稲耕土に対して堆積土を0、20、30パーセントずつ混ぜて作った3つの水田(それぞれ約160平方メートル)へ、コシヒカリの苗を植えていった。
9月下旬の収穫の際に、それぞれの米の味を比較したり、成分分析して検証する。堆積土栽培で効果が認められれば、これから掘削する土を有効活用につなげていきたいという。 -
伊那署が災害警備訓練 梅雨期に備え水難者救助も
伊那警察署は30日、恒例の災害警備訓練をした。朝7時30分ころ、震度5強以上の地震が発生し、署員らがそれぞれの職場や自宅で感知したとの想定で、75人が同署に自主参集。その後、災害で使う投光器などの機材点検や、梅雨時に備えた舟艇訓練などをして、防災意識を高めた。
早朝の訓練では、衛星携帯電話や発電発動機、チェーンソーなどの機能点検や操作方法を確認。チェーンソーは、実際に署員が木の丸太を切ったりして操作を学び、有事に備えた。
南箕輪村の大泉ダム湖では舟艇訓練のほか、救命胴衣の着用方法や救命索発射機の操作を学習。組み立てたゴムボートで、水難者役の署員を救助した。
小嶋惣逸署長は「装備機材についての基本的な知識を身に付け、いかに有効に使うかが必要となる。普段から有事に備えてほしい」と署員の志気を高めた。 -
華麗なテクニックを披露
第20回「スーパートライアル・エンデューロ・イン天竜」が28日、伊那市役所西側の天竜川中州広場特設会場であり、オフロードバイクの技と持久力を競った。市、JA上伊那、地元の愛好者団体などでつくる実行委員会主催。
巨石などを組み合わせた障害物を足を着けずに走破する「トライアル」と、1周2・5キロのコースを2時間で何周回れるかを競う耐久レースの「エンデューロ」の2種目。東京、千葉、埼玉などの関東圏や愛知、岐阜、三重の東海方面を中心に全国各地から約270人が出場し、華麗なテクニックを披露した。
このうちトライアルでは、巨石が並ぶ8つの難コースに果敢に挑んだ。ライダーたちは、バイクを巧みに操り、バランスを取りながら前輪を跳ね上げてクリアするなど自慢の腕前を十分に発揮。会場に集まった観衆を魅了した。 -
新山のトンボの楽園でハッチョウトンボ発生
今年3月、トンボを保護するための木道整備を完了した伊那市富県上新山の湿地帯「トンボの楽園」で29日、世界最小ともいわれるハッチョウトンボの羽化が観測された=写真。
羽化は例年より半月ほど遅めで、天候不順などが影響したと考えられる。
トンボの全長は約2センチ。羽化して間もないため、薄茶色をしているが、時間の経過と共にオスは赤色、メスはしま模様となる。また、縄張りを守るために余り飛び回らないという性質も持つ。
湿地の保護に取り組む新山山野草等保護委員会の北原重利会長は「木道の上からルールを守って見てほしい」と話す。
ほかにも、腹部がやや扁平なヨツボシトンボ、鮮やかな青、赤色をしたさまざまなイトトンボもおり、夏の到来を告げている。 -
風力発電をやめさせる会が入笠山周辺で勉強会
2つの風力発電事業が計画されている入笠山周辺で27日、現地勉強会「風車建設予定地を知ろう・歩こう」があった。地域住民ら100人以上が集まり、建設計画の概要など解説を受けた。
伊那谷や諏訪地域の山岳愛好団体や野鳥の会など15団体でつくる「入笠山周辺の風力発電をやめさせる会」(伊藤精晤会長)が、風車建設を知ってもらおうと一般にも呼びかけた。
伊藤会長は「自然に恵まれた環境で、開発が起こると思わなかった」と戸惑いと心配の思いを語り、計画を阻止する会結成に至った経過を交えながら「現場を確かめ、住民自身が判断する活動になれば」とあいさつした。
やめさせる会メンバーらが風力発電事業計画概要のほか、地質の複雑さや猛きん類の生態などをそれぞれ説明。
現地は霧に包まれ、風車が立つ尾根は見られなかったが、風況調査の場所や風車土台の大きさをメジャーで測って確認した。
また、高座岩を見学する歴史遺産など3グループでの分散会もあった。
伊那山仲間の女性(52)=箕輪町=は「自然エネルギーでいいと思っていたが、自然が破壊され、風車を建設してもそのあとに残るものがある。一度壊したものは、容易に元へ戻すことはできない」と話した。
風力発電事業は、入笠山縲恷ュ嶺高原の尾根上と入笠山縲恷ナ平峠縲恚熨サの尾根上に計画されている。 -
市民バザール06開催
地域でさまざまな活動に取り組む人が一同に会する「市民交流バザール06」が28日まで、伊那市駅前ビル・いなっせで開かれている。子育てや国際交流、環境、健康などさまざまな分野で活動する34団体の特色あるブースが並び、訪れた人を楽しませている。
市民同士の交流や情報交換を目的とした取り組みで3年目。今年は、総合学習で通り町の活性化について考えてきた伊那小学校の剛組も参加した。児童らは6班に分かれ、通り町にかんするクイズを出題するブースや、牛乳パックなどで作った商品が並ぶブースなどを出店し、会場をにぎわせた。
里山の園舎で野外活動を中心とした保育に取り組む「はらぺこ保育園」のブースには、子どもと母親らが作ったせんべいや木のおもちゃなどが並んだ。
1日目の夕方には、今年初めて企画した行政関係者との交流会を開催。交流を深めながら協働の方向性を共に考えた。
午前10時縲恁゚後4時。 -
藩主末裔ら集い全国藩校サミット開催
全国藩校サミットが27日、幕末の高遠藩校・進徳館のあった伊那市高遠町で開かれた。藩校のあった東北から九州まで24藩の藩主の末裔や藩校関係者をはじめ、地域住民ら総勢400人が参加。「進徳館精神を今、そして未来に」をテーマに、パネルディスカッションや講演などを通して、藩校教育の歴史と伝統を今後の教育や地域づくりに生かす方策を探った。
「文武両道」といった藩校精神に基づく教育の推進を行っているなど、現在、各藩校の伝統を継承し、活動している学校や団体の代表者11人がパネリストとなり、実践内容や今後の展望を発表。「先代の残した心の財産をもう一度見つめ直し、いかなる時代にも人間の本質を問い直すことが大切」と強調し、「地域づくり、人づくりの核となるような活動を進めたい」などの意見があった。
実学を重視した進徳館教育を実践する地元の高遠中学校の生徒と高遠高校の教諭が総合学習の活動内容を報告したほか、信州大学の笹本正治教授や二松学舎大学顧問の石川忠久さんがそれぞれ講演した。
このうち笹本教授は進徳館の心を現代に継承している高遠地域の活動を紹介。現代教育について「過去を軽く見すぎて、歴史の積み重ねの上に立っていることを忘れている」と指摘。「遠い未来を見つめながら遠い過去を振り返らなければいけない。先人たちの思いを受け継ぎ、難しいことをやる前に、まずは足元を固めることが大事だ」と主張した。 -
陶芸家・岡重利さんの個展 ベル伊那30日まで
金沢市で作陶活動をする陶芸家・岡重利さんの県内初の個展は30日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
花器、酒器、茶器のほか、マグカップや皿などの生活食器など計約80点を展示販売。青瓷、米色瓷を中心に、水差しにガラス蓋を調和させた作品など、清涼感あふれる展示会になっている。
1300度の高温で焼き出した作品は、冷やした時の上薬のひび割れが、独特の味わいを演出している。また、赤色を出すための上薬は金を使用し、やわらかく、上品な色で表現されている。
関係者は「今後、注目が集まる陶芸家なので、ぜひこの機会に足を運んで見にきてください」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時) -
独特の伊那節を広めよう
伊那市の富県公民館(伊藤恒良館長)主催の今年度初の教室「富県正調伊那節踊り教室」が26日夜、同公民館で始まった。区民や高遠町、美篶のほか、箕輪町、南箕輪村などから32人が受講。富県独自の伊那節を広めようとの企画に、各地からの注目が集まっている。
区内の南福地、北福地に伝わり、それぞれで保存している「富県正調伊那節(踊り)」。地元小学校では運動会で児童たちが踊るのが習慣になっているが、両地区以外の大人には馴染みがないため、周知しようと企画した。
この日は、出だしの振付けなどが異なる両地区の踊りや歌い方を、それぞれの保存会員らが実践披露。受講生は、それらの微妙な違いをメモに取ったり、歌をテープカセットに録音したりと熱心に学んだ。
伊那公民館事業で地元民謡を学んでいる小林わかなさん(48)=伊那市上新田=は「2種類の踊りがあることは聞いていたが、1、2回では違いが分からない。富県の伊那節を学ぶ機会は今までなかったので、しっかりと覚えたい」とメモを走らせていた。
講座は毎月第4金曜日の午後7時縲・時で、来年3月までの全11回。次回からは本格的に歌と踊りを学習。8月ころから、希望者によって、同伊那節の三味線や太鼓の演奏方法を学ぶ。
受講希望などの問い合わせは、富県公民館(TEL72・2318)へ。 -
奥村憲さんが個展 伊那谷の自然の素晴らしさ描く
伊那市中央区の洋画家・奥村憲さん(64)の個展は6月5日まで、同市の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている。7回目を迎える恒例の展示会。油彩、水彩、パステル、鉛筆、クレヨン画の23点を飾っている。
伊那市から望む中央、南アルプスを各種技法で写実的に描いた絵と、ここ5年間ほどで取材した北海道、神奈川県、奈良県などの日本各地の風景を対比して展示。「経ヶ岳とコヒガンサクラ」「南アルプス風景」などの作品が並ぶ会場は、伊那谷の自然の素晴らしさが実感できる。
愛知県岡崎市生まれで、退職後の00年に横浜市から伊那市へ転居。画歴は41年で、伊那谷の四季折々の風景を中心に油絵で描いている。奥村さんは今後「アルプスの連山の雄大さを表現できる油絵の100号サイズの大作をシリーズで製作したい」と意気込んでいる。
土・日曜、祝祭日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。入場無料。 -
カヌーってすばらしいヨ!
伊那小学校6年智組(北澤夏樹教諭)でつくる「美和湖探検隊」と、NPO法人「美和湖倶楽部」は6月19縲・4日、同小学校集会室である、カヌー製作セミナーの参加者を一般募集している。19日まで。
総合学習で木製カヌーを作り、美和湖(伊那市長谷)で遊び、水質検査などの活動を展開する智組は、完成品の機能の高さを感じ、大勢の人にカヌーの良さを広めようと企画した。
講師は児童と同NPO法人理事のカヌービルダー・簔口健二さん。参加人数に合わせて2縲・艇を、一日3時間を目安に6日間で製作し、完成品は希望者に売却する。
北澤教諭は「カヌー製作については特別な技術は必要ありません。やる気だけお持ちください」と呼びかけている。
午後6時縲・時。参加費千円。持ち物、身支度は軍手と汚れていもよい服装。問い合わせは伊那小学校6年智組担任の北澤夏樹教諭(TEL0265・72・5205)へ。
製作するカヌーの詳細は、NPO法人「美和湖倶楽部」ホームページ http://www1.inacatv.ne.jp/~miwa/ -
美容室「OGGi」店長 小田切拓磨さん(28)
伊那市西春近の県道南箕輪沢渡線沿いに4月7日、美容室「OGGi(オッジ)」がオープンした。駒ヶ根市の本店「A2」(有賀雅貴オーナー)の2号店として伊那市に進出。青色を基調とした外装、白色の内装はシンプルで、落ち着く空間を演出している。
本店で7年ほど積んだ経験もあり、店を任された。もともと自分の店を構えたいとの思いもあり、今までとは異なる完全予約制で、利用客に一対一で対応する。
「一人のお客さんを丁寧に接客したい。ゴミゴミとせず、ゆっくりとくつろいでほしい」と理想の店づくりに励んでいる。
パーマやカラーの待ち時間は利用客にとってみれば退屈な時間。そんな時は、自分の恥をさらけ出した話題で談笑する。「話上手ではないのですが…」。
◇ ◇
地元の高校を卒業すると、測量会社に就職。進路を決める時、親や担任教師に「美容師になりたい」と打ち明けるが「本気でやりたいと思わなければ無理だ」と、見透かされたように反対された。
実際、安易な考えだったことは自分でも分かっていた。だが、華やかな世界にあこがれを持っていた訳ではない。美容師は職人で、簡単な仕事ではないことは感じていた。
「このまま続けていても40、50歳になった時の自分が見えない」。楽しい職場ではあったが、本当に就きたい職のために、迷いもなく1年で仕事を辞める。美容師を目指し、美容室で働きながら通信教育で学び、国家資格を取得した。
◇ ◇
人を喜ばせることができる美容師という仕事にやりがいを感じている。「気持ちよかったよ」とシャンプーを初めてほめられた時の感動は、今でも忘れていない。美容師という分野は、少なからず利用者の人生を変えてしまう影響力があると自負がある。
「例えば髪型を変えたことで、その人自身に良い事があるかもしれない。失敗した時のリスクは大きいが、これまでに辞めたいと思ったことは一度もない」
◇ ◇
基本的に店の経営は自分の責任となる。しかし、忍耐強く成長するための機会と考えている。一人立ちする好機を与えてくれたオーナーに感謝している。
オープンしてから約2カ月。まだどんな人たちが来店してもらえるか分からないが、子どもからお年寄りまで、男女にかかわらず幅広いニーズに対応していこうとしている。
今後は時代に合ったヘアスタイルを提供するだけでなく、室内のインテリアを季節に合わせて模様替えし、利用客に視覚でも楽しんでもらいたいと考えている。 -
かんてんぱぱで粘土&デコラティブペイント作品展
鮮やかな粘土クラフトやトール(デコラティブ)ペイント作品が並ぶ「くらふとハウスMa夢20周年記念作品展」が28日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。作者の個性が表現された人形や花など約千点が、訪れた人を楽しませている=写真。
出品者は上伊那を中心とする30代から70代の主婦50人。全国創作粘土協会作品展などでグランプリを獲得した伊那市の篠原誠子さんの生徒や孫弟子による合同展で、毎年1回開いてきた。
紙粘土、樹脂粘土でつくる粘土クラフトは、一つの塊から好きなものを自在に表現できる魅力があり、西洋人形、日本人形風のかわいらしい作品から、独特な色付けで銅製品の質感をリアルに表現したものなどが並ぶ。
トールペイントでは、子どもが昔習っていたバイオリンなど、思い入れの強い品物に描いた作品もあり、新たな楽しみ方を提供している。 -
アンサンブルでウサギ生まれる
知的障害者通所授産施設と重症心身障害者通所授産施設を併設する伊那市西箕輪の「アンサンブル」(小椋年男代表)でこのほど、ネザーランドドワーフウサギ3羽が生まれた=写真。昨年5月の開所以来初めてのこと。飼育してきた利用者やスタッフは、子ウサギの誕生を喜んでいる。
知的障害者が働きながら地域の中で生活していく場として開所した同施設には現在、23人が通所しており、クッキーづくりやカフェレストランでの接客、野菜づくりなどに励んでいる。
ウサギの飼育は3人が担当で、ネザーランドドワーフを含む3種類9羽を育ててきた。最初は手をかまれることもあったが、今ではだいぶ慣れ、トリミングも上達してきた。
一緒に飼育をしてきたスタッフは「初めてのことで緊張したが、きちんと育って良かった」と話す。
生まれたウサギは今後、1万円前後で譲り渡す予定で、ほかの種類についても徐々に繁殖を試みたいとしている。
ウサギの譲渡希望者はアンサンブル(TEL71・8622)へ。 -
ファミリー・サポート・センター 順調な滑り出し
伊那市は4月、地域で子育ての助け合いをする組織「ファミリー・サポート・センター」を立ち上げた。利用は25日現在で、延べ77件と順調な滑り出しとなった。
サポート・センターは、子どもの一時預かりや送り迎えなどのサービスを有償で提供することで、安心して子育てができる環境を整えるもの。市役所内にセンター事務局を設け、子どもを預ける依頼会員から申し込みを受け、協力会員に依頼するしくみ。
登録は、子どもを預かる協力会員が15人、子どもを預けたい依頼会員が23人。
これまで依頼会員のうち3分の1が保育園の送り迎え、PTA活動への参加、母親らの病院での受診などの際に利用するものがほとんどだった。件数は4月が41件、5月が36件。
依頼会員から「子どもが慣れるか心配だったが『大丈夫』と言ってもらい、安心して預けることができた」「子どもも楽しく遊んでいる」と感謝の言葉が寄せられているという。
協力会員が市街地にかたよっていることから、市はできるだけ広い範囲で集めたいとし、登録を受け付けている。
協力会員は、原則として自宅で保育できる心身健康な20歳以上。特別な資格は必要ないが、市が開く事前講習会を受講することが条件。講習会は6月22日縲・月19日の6日間で、子どもの発達と遊び、交通安全、救急法、食事などを学ぶ。いずれも午後6時から。
子どもの対象は、市内に在住する生後3カ月縲・2歳。利用料金は月縲恣y曜日午前7時縲恁゚後7時が700円、それ以外の時間帯・日曜日・祝日・年末年始が800円。きょうだいの場合、2人目から半額となる。宿泊はしない。
問い合わせは、子育て支援課子育て支援係内の事務局(TEL78・4111内線2322)へ。受け付けは月縲恚燉j日午前8時半縲恁゚後5時15分。 -
高遠藩主鳥居忠春の知られざる功績
古文書解読の久保村覚人氏が末裔と対面へ
きょう全国藩校サミット会場で・ス悪政・スのイメージが強い高遠藩主鳥居忠春公(在城1636竏・662年)が、実は新田開拓や井筋開削に深い理解を示していたことを古文書から読み取り・ス善政・スの事実を広く世に伝えようとしている伊那市文化財審議委員で伊那古文書研究会長の久保村覚人さん(78)=伊那市荒井区=と、鳥居家16代当主の鳥居明さん=鎌倉市在住=が27日、伊那市内で初めて顔を合わせる。鳥居さんは伊那市高遠町で27、28日に開く「全国藩校サミット」に参加するため来伊。「悪政の面だけが伝わっていて気の毒」とする久保村さんと感激の対面となる。
鳥居氏は、保科正之公と交代する形で山形から高遠へ。減封された石高を回復させるため幕府の御用に励むあまり、領民には過酷な年貢を課すなどの悪政を施したとする史書が多い。
久保村さんが解読した鳥居氏・ス善政・スに関係する主な古文書は台帳2冊。いずれも十数年前に荒井区の旧家で見つかった。
一冊には、当時の西伊那部村(現伊那市荒井区・西町区・小沢区など)の荒地を「家中新田(かちゅう・しんでん)」の技法を使って農地に変えた功績が、もう一冊には伊那市の小沢川水系の最大井筋「原田井」を開削した経緯が記されている。
久保村さんによると、「家中新田」は当時の信濃国内では初めて導入された開発技法で、家老らに荒地の開発を一任し、新たな農地から得られた収益の一部を藩に納めさせる仕組み。「努力しただけ自分たちの報酬になるところは、今の地方分権の構造に似ている」と久保村さんは説明する。
そのほか、高遠領と飯田領の境界をめぐって70年続いた紛争を鳥居氏が解決したことを示す古文書や絵地図(いずれも写し)も久保村さんが保管している。
久保村さんはこれらの資料を基に鳥居公の功績を郷土誌などに発表してきたが、郷土史家の矢島太郎さん(79)=伊那市美篶=の仲介で一昨年、高遠藩筆頭家老として鳥居公に尽くした高須源兵衛の子孫で、いまだに鳥居家とは家族同然の付き合いをしている高須信昌さん(85)=佐久市在住=との文書での交流が始まった。
久保村さんは「地元では鳥居忠春公のイメージは良くないが、古文書資料でそれが変わればありがたい。悪政の判断資料の一つに挙げられている『徳川実記』の関係記述部分を疑問視する説もある」としている。
8月には鳥居、高須両家が再び伊那を訪れ、忠春公が開削した原田井を久保村さんの案内で視察する。 -
美和ダム洪水バイパス施設 建設工事が技術賞
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(伊那市)の事業「美和ダム洪水バイパス施設建設工事」が、ダム工学会賞の技術賞を受けた。同事務所としては初の受賞。設計、施工に当たった共同企業体と3社の共同受賞となった。
技術賞はダムの設計、施工、維持管理でダム技術の発展に貢献した団体に贈られる。05年に完成した全国の工事の中で、9事業が選ばれた。
同工事は本格的にダムに採用された全国で初の事業で、ダム湖に土砂が堆積(たいせき)しないよう、分派堰(ぜき)とトンネルで洪水時の濁流をダム下流へ流す仕組み。トンネル内の底盤工事の工期短縮や工事の環境、安全確保のための工法も評価された。
18日、東京であった「第16回ダム工学会通常総会」で賞状を受け取った。関係者は「美和ダムが恒久的に安心、安全に使われるよう建設した事業が評価されてうれしい」と喜んでいる。 -
県地震対策強化地域連絡協議会が総会
県地震対策強化地域連絡協議会の06年度総会が25日、伊那市役所多目的ホールであった=写真。本年度の事業計画や予算などの3議案を原案通り可決、承認した。
東海地震にかかわる地震防災対策強化地域に指定された県内の25市町村で組織する協議会。市町村相互の連携を図り、地域防災対策の強化を推進することを目的としている。
03年度から2年間を任期とし、下伊那、上伊那、諏訪の順番で会長を交代。会長の小坂樫男同市長は「いつくるか分からない東海地震に備え、常日ごろから地震に対する対策のための研修、予行演習が必要」とあいさつした。
本年度事業計画は、地震防災対策の強化と推進、関係市町村の相互連絡と情報交換、関係各機関との相互連絡調整、地震災害にかかわる研修会等の実施竏窒ニした。
総会後は、神戸市都市計画総局区画整理部の中山久憲部長を講師に招き、「阪神・淡路大震災竏註k災被災地最前線の半年間」とした講演を聞いた。
中山さんは地震の怖さを、同時多発した大規模火災の消火状況、木造建物の全壊率、死亡者の死因別割合などの資料を交えて説明。「災害は忘れたころにやってくる。日ごろからの備えを忘れないで」と、同地震から学んだことを語った。 -
園児の安全を守る活動推進
伊那市立保育園の各保護者会代表と園長でつくる市保育園保護者連合会(牛山健一会長)の本年度理事・代議員会は24日夜、市役所で開き、06年度事業計画案などを承認した。
牛山会長はあいさつで「保護者が一つになれば保育問題の解決の糸口を見つけることができると思う。連合会は各保育園の発展につなげる役割があり、園児のためになることをやっていきたい」と述べた。
本年度は、園児の安全と生命を守る運動を中心とした保育事業の推進を図る。チャイルドシートの着用率が低いことから、保護者の交通安全に対する意識の高揚を図るため、着用率アップ運動を展開する。各保護者会と園で具体的な内容を検討して進めていく。
旧市内各地区の交通安全協会が昨年7月、各保育園前で抜き打ちでしたチャイルドシートなどの着用調査の結果、各園の着用率は10%台縲・0%台と大きな開きがあった。
市の補助金の見直しにより本年度、連合会への補助金が無くなったことで、計画している研修や意見交換会、機関誌「いな保育」の発行、講演会などの事業内容を見直して対応していく。
市立保育園は本年度、新市発足に伴い高遠と長谷の4園が加わって計28園となり、名称も「保育所」から「保育園」に統一。連合会も新生として気持ちを新たに「乳幼児の幸福をはかる」ために積極的に活動していくことを確認し合った。 -
県伊那合同庁舎職員が恒例清掃活動
5月30日の「ごみゼロ運動の日」に合わせて、伊那市の県伊那合同庁舎の職員らが24日、庁舎周辺で清掃活動をした。
例年より作業範囲を拡大。約50人の職員が4班に分かれ、約1時間かけて道端に落ちているごみを拾った。たばこの吸い殻や紙くずといった可燃ごみが目立ち、ダンボールや飲料水の瓶も多かった。
清掃活動には、作業姿を市民に見てもらい、環境問題や美化活動への意識を高めてもらう狙いもある。職員らは、昨年度から週1回、早朝ごみ拾いとして庁舎周辺の清掃活動にも取り組み、環境美化に努めている。 -
レモンガスグループの「レモンクラブ」とJA上伊那が田植え交流
上伊那農業協同組合(JA上伊那)と米の出荷のかんする新たな提携を結んだ「レモンクラブ」の約20人が27日、伊那市美篶の水田などを視察に訪れた。
レモンクラブは、レモンガスグループ(本社・東京都、赤津一二社長)が、顧客などから募集して結成したグループ。サービスを顧客に還元する取り組みの一つとして、良質な水や、自然とふれあえる機会を提供しており、今回は新たな取り組みとして良質な米を会員に販売すること企画。伊那市美篶地区の米だけに限定して提携を結ぶことなった。
また「消費するだけでなく、田植え、稲刈りなどの自然とふれあう機会も提供しよう」と、今回の視察を依頼した。この日は東京都や神奈川県の会員20人が参加。秋に出荷される予定の米について説明を受け、稲の一部を植えた=写真。
今回の提携で米を購入する会員は150縲・00人。事前に試食を提供したが、反応は好評だったという。 -
シカゴでインディペンデント映画制作に取り組む
伊那市美篶出身
梶野純子さん(32)映画には、多くの人の心を動かしたり、何かを訴えたりすることができると信じているんです竏秩B
米国シカゴで、大手映画会社に依存しないで制作・配給する“インディペンデント映画”を撮影している。ハリウッド映画などと異なり、監督の感性や個性がそのまま表れた作品が多く、最近は注目を集めている。
現在は、沖縄の米軍基地問題を扱った作品の制作準備をしている。日本では常に関心を集める深刻なテーマだが、米国では問題の存在すら知らない人も多い。深刻なテーマを形にするまではかなり時間がかかった。現地、沖縄では「そんな映画作らないほうがいいんじゃないか」と言う声もあったが、「作ってほしい」という強い要望もあった。そんな人たちの思いが制作を後押しした。
「映画を通して、多くの人がこの問題を知ることができる。認知されなければ、問題はずっと起こってしまうと思うんです」 -
伊那市出身の女性がシカゴでインディペンデント映画の撮影に取り組む
米国シカゴでインディペンデント映画の制作をしている伊那市出身の梶野純子さん(32)が、米軍の基地問題をテーマとした新作の撮影を沖縄で進めている。企画立案から撮影までを手掛ける作品は2作目。米軍の暴行によって傷ついた少女が10年後、事件の当事者だった兵士の子どもを誘拐する竏窒ニいう同作品は、最初は復讐のために子どもを誘拐した主人公が、誘拐した子どもとのかかわりを通じて徐々に自己回復していく物語。さまざまな思いが交錯するこのテーマを形にするまでには、6カ月を要したという。
やりたいことを見つけるために日本の大学を中退して渡米した梶野さんは、現地で出会ったインディペンデント映画に魅了され、インディペンデント映画を撮影している監督に頼み込んで弟子入り。大学でも映画学科へと編入し、撮影のノウハウを学んだ。卒業後は他人の脚本に基づく作品を撮影していたが「自分の思いを精一杯伝えたい」と脚本から自身で手掛けた作品を制作することを決意した。
「アメリカ映画だけど日本人を主人公にしたかった」という第1作は、ブルースを歌うために単身でシカゴに渡った日本の女の子を主人公としたコメディータッチのミュージカル「Homesick Blues(ホームシックブルース)」。ろくに言葉も通じない中、厳しい現実に直面する彼女だが、持ち前のバイタリティーとさまざまな人との出会いを通して成長していく。
同作品の短編版はシカゴ国際映画祭、ハワイ国際映画祭など、さまざまな映画祭で入選し、話がまとまり次第、長編版の制作を進めていく。
新作については「映画を通して改めてこの問題を提起するだけでなく“消耗品”という感覚でとらえられている米軍兵士の社会的背景まで踏み込みたい」と熱意を語る。
現在梶野さんは、両作品への支援を求めており、「出身地である上伊那からぜひ協力してもらえれば」と話している。また、完成作の地元上映にも意欲を見せている。
問い合わせは、junkokajinojp@yahoo.ne.jpまで。
【インディペンデント映画】大手の制作会社や配給会社に依存せずに制作・配給される映画。 -
伊水会書展
上伊那を中心とした書道家46人による第27回伊水会書展が26日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。漢文などをテーマとした古典的な書から、現代的な前衛作品まで約140点が、訪れた人を楽しませている=写真。28日まで。
額装や軸装などが中心で、うちわに思い思いの言葉を書きとめた作品もある。現代の人にも楽しんでもらえる展示会にしたい竏窒ニ、文字数の少ないものや、日々の日常を綴(つづ)った朗らかな作品なども、多く並べた。
また、「十七帆を書く」をテーマに、東信の時代の書家・王義之の叢書を写した臨書も展示する。
文字の形を崩すことで、その言葉の意味を表現する前衛作品には、抽象芸術を思わせる面白い作品が多い。
伊水会の主宰・千葉耕風さんは「墨の濃淡まで楽しめる展示会。作品を通して作者の思いを感じてほしい」と話していた。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時半(最終日は午後3時半まで)。 -
高遠町共同作業所・売店にコーヒーショップ開所
伊那市高遠町の高遠城址公園にある高遠閣で売店「にこにこショップひだまり」を運営している町共同作業所が店内の一部に喫茶コーナーを設け24日、開所式をした。
売店は精神障害者の社会復帰を目指して、04年4月にオープン。県の補助を受け約400万円で店内の一部(20平方メートル)を喫茶コーナーに改装した。
メニューはコーヒー(300円)とクッキーで、リンゴジュースも加える予定。これまでに専門家からコーヒーの入れ方などの指導を受けてきた通所者たちが交替で職員と一緒に業務にあたる。
式には関係者約50人が出席し、テープカットなどをして祝った。高遠町社会福祉協議会の伊東義人会長は「通所者と観桜客のふれあいを通じて、早く社会復帰できるように願う」とあいさつ。
通所者を代表して丸山しずえさんが「衛生面に気をつけ、お客さんにおいしいコーヒーを飲んでもらえるように一生懸命頑張りたい」と決意を述べた。
営業は11月末までの予定で、時間は午前9時30分縲恁゚後3時(日、月曜日、祝日は休業)。