-
伊那の文化と呼ばれるお菓子をつくりたい
御菓子処おかめ堂(伊那市) 西尾博彦さん(61)伊那市通り町3丁目。駅前再開発ビル「いなっせ」正面、道をはさんだ反対側に店を出す。1950(昭和25)年に父親二郎氏(88)が創業。当初は菓子の卸と小売の店だったが、1975年に自身30歳で菓子製造を手がけた2代目だ。
05年6月、新製品ブルーベリー生大福を発売した。厳選した野生種のブルーベリーと、乳脂肪47%の生クリームを餅で包んだやや小ぶりの大福。製造後冷凍し、食べる時には半解凍の状態で窶狽ニいう新趣向。甘酸っぱいブルーベリーの味と、冷たい生クリームが口いっぱいに広がる新感覚の和洋折衷大福だ。冷凍庫から出して20縲・0分ほど置き、半解凍になるまで待つのが最適だという。
「インターネットでお菓子のサイトを見ていて、お餅で生クリームを包む方法に興味を持った」ことが始まりだった。生クリームを餅で包み、半解凍状態で食すものは「おそらく上伊那地域では初めて」。今では評判を聞きつけ、10個、20個と買いに来る人が続いているという。
根っからの研究好き。生クリーム大福の前にはチーズ大福を発売した。こちらも、チーズをあんこと混ぜ合わせて餅に包んだ和洋折衷。チーズとあんこの組み合わせが斬新で、思わぬ美味しさと評判になった。
「ここのところ、あんこと、なにかまったく別の食材を組み合わせ、その組み合わせの妙を探るような方向が多かったですね」とふり返る。チーズの他にも、フキ味噌とあんこを混ぜたふきみそパイで、新しい味を提供。「ミスマッチというのかな?面白い味だとお客さんに喜んでもらえた。でもこれは季節限定です」。
この他にも、さんしょみそパイとかカレーパイとかも試みたが、「これは味の好みがバラバラでむずかしい挑戦だった」と笑う。
地元の高校を卒業後、家業を継ぐために名古屋のお菓子問屋へ。修業後、実家の店に入ったが、卸と小売の家業に限界を感じ、「これからは特長のあるお菓子を製造しなければ」と思い立つ。28歳で東京のお菓子専門学校に入り直した。
2年後、伊那で菓子製造を始めた時から、「伊那にはこんなお菓子があるのかと言われたい」「伊那の文化と呼ばれるお菓子がつくりたい」の思いが強く、いち早く、地元のカボチャを使った饅頭やパイを作り、豆乳をたっぷり使用したカステラでイチゴをはさんだ「苺豆腐」なども作った。
「いなっせ」のお菓子講座の講師も年6回務め、伊那公民館時代から数えて20年に及ぶという。そんな社会貢献も大切にする。
次なる目標は、自分の店で入れた特製コーヒーをゼリーにし、それを生かしたお菓子を作ること。ゼリー自体が好評で、お客さんの引き合いに答えられない状況だが、そこを克服して、「伊那ならではのコーヒー菓子を生み出したい」という。この道30年のベテランは、今日も新しい菓子づくりに熱中している。 -
05衆院選
伊那JC、OB・現役有志が宮下氏応援団を結成衆院選に長野5区から出馬を表明している自民党前職の宮下一郎氏(47)を応援しようと、伊那青年会議所(伊那JC)のOB・現役の有志が19日、「21峰明会」を結成した。宮下氏と同時期に伊那JCの活動を担ったメンバーが中心。約50人が集まり、会長には伊那市の司法書士・熊谷健さんが就任した。
規約によれば、会の目的は「宮下一郎君と共に、日本の未来を考え、市民の意見を国政の場に反映させ、21世紀の明るい伊那谷と日本を創造する」こと。
伊那JC関係には、宮下氏の父親である元厚生大臣宮下創平氏を支援する「21創明会」があったが、03年の創平氏の現役引退・一郎氏への「代替わり」に対応した組織再編は行わないまま「実質的な活動休止状況」(21創明会会長塚越英弘氏)だった。こうした中、解散・総選挙が決まる前からJC同期生の中から「語る会的組織」を求める声があり、結成に至った。峰明会結成により創明会は解散した。
会長の熊谷さんは「JCの同期生として一緒に活動した仲間として、共に語り、学び、一郎君を育てるために結成した。選挙の応援もするが、従来の後援会組織とは違う、日本と地域のあり方を共に考える会にしたい」と話した。 -
あるしん伊那東支店に鈴虫
伊那市中央区のアルプス中央信用金庫伊那東支店(池上隆史支店長)で、今年も「リーンリーン」と鈴虫の羽の音が利用者を楽しませている。飼育容器に入れて窓口に置いている鈴虫は、毎年、近くに住む理容師の黒河内桝男さん(78)が、育てて同支店に譲っている。
15年ほど前から鈴虫を飼育している黒河内さんは、毎年、希望者に無料で配布している。今年は春先の寒さが影響し、例年より15日遅く、千匹少ない1500匹がふ化。「熱心に飼ってもらえるとうれしい。鈴虫の鳴き声を聞いて楽しんでもらえれば」と話している。
飼育容器は持参。問い合わせは、黒河内理容所(TEL78・2207)へ。 -
三峰川榛原河川公園のトイレや遊具などに悪質な落書き
伊那市東春近の三峰川榛原河川公園のトイレ、遊具、看板など6カ所に悪質な落書きが見つかり、市は18日、伊那署に被害届を提出した。
落書きは16日午前8時ころ、公園を管理する市振興公社職員が発見。青や赤色のスプレーで「伊那」「2005」などと書かれていて、前日の午後5時30分から発見時間までの間に、犯行があったと思われる。
これまでに、目立たない落書きは何度かあったものの「トイレに落書きをするのはやりがちだが、子供たちが遊ぶ遊具に書かれるのは初めて」と市職員は、利用者のモラルの低さに驚いている。
今回の落書き除去に掛かる被害額は約15万円。市は伊那署に頼み、夜間のパトロールを強化した。 -
仲仙寺の仁王像 県宝指定・答申あす
県庁で22日にある県文化財保護審議会で、伊那市西箕輪羽広の仲仙寺の木造仁王立像2体について、答申を予定する。その結果が注目されている。市教育委員会によると、県宝指定の文化財は市内にはまだない。
2体は仁王門に安置され、室町時代の1501(文亀元)年に作られた。仏工は、雲慶法印の10代目の弟子になる康忠法眼。ともに高さ255センチ。肉体は朱色に塗られ、玉眼を使っている。
市では1972年に市有形文化財(彫刻)に指定。「全体の調和、均衡が取れ、堂々としている。伊那地方の優秀で貴重な彫刻」と、00年に県宝指定を申請していた。
今回の審議会では、県宝に仲仙寺仁王像を含む5件、県無形民俗文化財1件、県天然記念物3件の指定の答申をある。 -
伊那東小5年・袖山尚紘君と平澤菜菜さんが全国選手権へ
全日本少年少女けん玉道選手権大会(28日・東京都)に伊那市の伊那東小学校5年・袖山尚紘君、平澤菜菜さんが出場する。19日夕、2人は市役所を訪れ、小坂樫男市長に健闘を誓った。
袖山君は4年生、平澤さんは2年生の時から、三澤稔教諭の指導で練習を積み重ね、同校体育館で6月26日にあった甲信越北陸ブロック大会で男子、女子の部でともに優勝し、全国切符を獲得した。
2人は腕前を披露。難易度の高い10種類の技を難なくこなし、小坂市長を驚かせた。
全国大会初出場の袖山君は「まずは1回戦を突破し、緊張しても技を成功させて優勝を」。2年連続出場で前回1回戦敗退だった、平澤さんは「自分の練習した力を出して、全国1位を狙いたい」と目標を掲げた。
三澤教諭は「自分から練習する2人なので力は十分に持っている。あとは、本番でいつもの力が出せれば」と話す。
全国大会は、男女ともにブロック代表12人がトーナメントで優勝を競う。 -
地元の青年会にあてた出征兵士のはがきを紹介へ
伊那市手良の中坪区は、出征兵士が地元の青年会にあてたはがきや手紙を区内の郷蔵(倉庫)に保管している。中坪の歩み研究委員会(山岸久男会長、9人)は、戦後60年に合わせ、全戸配布している情報紙「中坪の歩み」で紹介したいとしている。
はがきや手紙は約250通で、1936年から43年までのもの。傷みは少ない。
当時、神社などで出征兵士を見送ったり、慰問品を送ったりした青年会への礼状がほとんど。中国、上海、満州などから送られ「元気でいます」などの言葉も添えられる。軍事郵便のためか、検閲済みのスタンプが押されている。
事務局の高橋忠さんによると、礼状を送った出征兵士のうち、7人が地元で生存。「本人に、はがきが残っていることを伝え、生の声を聞ければ」と話している。
伊那市手良の中坪区
出征兵士のはがき250通を保管
伊那市手良の中坪区は、出征兵士が地元の青年会にあてたはがきや手紙を区内の郷蔵(倉庫)に保管している。中坪の歩み研究委員会(山岸久男会長、9人)は、戦後60年に合わせ、全戸配布している情報紙「中坪の歩み」で紹介したいとしている。
はがきや手紙は約250通で、1936年から43年までのもの。傷みは少ない。
当時、神社などで出征兵士を見送ったり、慰問品を送ったりした青年会への礼状がほとんど。中国、上海、満州などから送られ「元気でいます」などの言葉も添えられる。軍事郵便のためか、検閲済みのスタンプが押されている。
事務局の高橋忠さんによると、礼状を送った出征兵士のうち、7人が地元で生存。「本人に、はがきが残っていることを伝え、生の声を聞ければ」と話している。 -
子どもに良いおもちゃのお話会
乳幼児の母親などに、お勧めおもちゃを知ってもらおう窶狽ニ19日、伊那市の北原こどもクリニックの北原文徳院長の"話会"があった。
北原さんの話会は、子育て支援グループ「子どもネットいな」が主催し、伊那市駅前ビル「いなっせ」で定期的に開く。
約30人の母親が参加。北原さんは「親と触れ合いながら、おもちゃを楽しむことが大切」と話し、安全で親子で楽しみめるおもちゃを紹介。
また"子どものためのおもちゃ"にこだわり、販売・製造をしている伊那市の福祉事業所「どうぞのいす」マネージャーの古畑愛さんも、欧州の優れたおもちゃを紹介。遊び方がマニュアル化されたテレビゲームなどが多い日本に比べ欧州は、自分から働きかけて遊び込む手動的な木のおもちゃや積み木などが多く、遊びの中で想像を膨らませることができると言う。同事業所が製造する地域材を使った積み木の遊び方なども披露した。
母親と一緒に訪れた子どもたちも、普段と一風違うおもちゃを手に取り楽しんでいた。 -
伊那西ザウルスの修復
小学生の時に、流木を使って作った恐竜の骨組み模型を修復しよう窶狽ニ20日、伊那市の伊那西小学校に、01年度卒業生と当時の担任野口輝雄教諭(54)が集まった。土手を覆う草を取り払うと、見覚えのある模型が姿を現した。
小黒川や小沢川で採取した流木で作られた恐竜の骨組み模型は全長約5メートル。イナニシザウルスと命名され、重さや食べ物まで詳細に決まっているという。 1人の生徒が切り株部分の流木を見て「この流木、恐竜の頭みたいだね」と言ったのをきっかけに、現在高校1年生の卒業生15人が、小学3年生の時に製作。1年間校内に展示した後、一度ばらばらにした骨組みを、化石の発掘現場に似せて土の上に固定した。
卒業時には"イナニシザウルスの会"をつくり、年に1度、修復作業をすることを決め、毎年8月に同級会も兼ねて集まり、草取りや老朽化した流木の取り換えや並べ直しをしている。
現在高校に通うため丸子町に下宿する幹事の小池和貴さん(16)は「残っている限り、修復作業は続けていきたい」と話していた。 -
ガンで亡くなった娘の追悼集出版
本に残せば、ずっと家族一緒にいられると思って窶蝿ノ那市の丸山健三さんはこのほど、今年1月に32歳で亡くなった次女、かおりさんへの思いをつづった追悼集「流れ星のごとく」を出版した。
前向きで正義感が強く、男女問わず多くの友人から慕われていた。葬儀には100人以上の友人・知人が参列し、半年を過ぎた今でも、うわさを聞き、線香をあげにくる人もいる。「『中学生のころ、かおりさんにあこがれていたんです』なんて人までいるんです」と健三さんは話す。
夢の実現のため、かおりさんが留学していたオーストラリアから、一時帰国のつもりで日本に戻ったのは04年7月。2年8カ月ぶりだった。「調子が悪い」というので診察を勧めたところ、末期の悪性乳がんが見つかり、即入院となった。
「かおりは絶対治すつもりでいた。『友達に会うのは病気が治ってから』と決め、帰国したことも病気のことも友達に知らせていなかった」
帰国から約半年の05年1月26日、かおりさんは亡くなった。死の10日前、かおりさんは「自分の遺影は自分で決めるよ」「親孝行できなくてごめんね」とやりきれない思いを両親に告げた。過酷な闘病生活が、気丈なかおりさんをそこまで追いつめていた。追悼集には、こうした闘病の様子が、克明に記録されている。
また、友人の寄稿も多く載せられている。しかし、病気を知らされていなかった人も多く、衝撃や悲しみの大きさを、それぞれがつづっている。
健三さんは「友人に支えられながら、本の中でかおりは生きている。本を見るごとに、かおりを思い出してくれれば」と語る。
追悼集は、親族やかおりさんの友人に配るためのもので、販売はしていない。 -
「中坪の歩み研究委員会」会長 山岸久男さん(78)
伊那市手良中坪区の情報紙「中坪の歩み」が6月、100号に達した。96年7月の発刊から数えて9年。中坪の歴史を掘り起こし、後世に残す役割を担う。
その「中坪の歩み」=B4判、片面刷り=のテーマ設定から、原稿集め、取材、編集、印刷などに当たっているのが、研究委員会。手良区誌を作る話が持ち上がり「ふるさとを見直そう」「地域の歴史を勉強しよう」と気運が高まり、発足した。委員は9つある常会から1人ずつ選出。「仕事を持ちながら」また「郷土史に詳しいわけでもない」委員が手探り状態の中、1号ずつ積み重ねてきた。
資料がほとんどなく、聞き取り調査が主。締め切りに追われながら、手分けをして原稿をまとめた。当初は4カ月に1回ほどのペースだったが、97年9月から月刊に切り替えた。
内容は地域の言い伝え、区政の動き、「なかつぼ再発見・人物伝」、常会の紹介、誕生月のお年寄り(80歳以上)に半生を聞く「歩いてきた道の思い出」、石碑など多岐にわたる。「金一千両、漆十貫」が埋まっているという「埋蔵金伝説」など興味深い。
100号達成記念に縮刷版を作り、全戸へ配った。「文化遺産になれば、うれしいね」と活用を促す。
100号を区切りに、発足当初から務めてきた会長の任を離れる。「もう年だし、後進に道を譲る」。「軌道に乗るまで、原稿が集まらないなど苦労もあったが、区民の理解で大勢の人に登場してもらった」と振り返る。「読んでるよ」と励ましの言葉に支えられ「委員にカバーしてもらった」。
印象に残っているのは、地域に伝わる出来事を後世に残そうと取り組んだ紙芝居の製作。江戸時代後期に活躍した力士雷電為右衛門の若宮八幡宮での興行、農作業の様子などを題材に、4作品を手がけた。プロに任せるのではなく、自分たちで作ることを決め、何度も話し合いの場を持った。脚本を考え、一般からボランティアを募って紙芝居の絵を描いてもらい、作り上げた。
演芸大会や高齢者学級など区内外で公演している。
地域には、まだまだ埋もれている話がある。過去の歴史を現在につなげ、生かしていく。「地域を作っていくのは私たち地域住民」。
(湯沢康江) -
中学生海外研修 市長に帰国報告
夏休み中の13日間、カナダへ海外研修に参加した伊那市の中学2年生15人(男子5人、女子10人)が18日、市役所で小坂樫男市長に帰国のあいさつをした。
小坂市長は「出発前より肌の色が黒くなって帰ってきた。人生にとって良い体験ができたのかな」と出迎えた。
生徒は「ホストファミリーがやさしかった」「カナダの人が飲む水の多さに驚いた」「日本食が1番おいしいと思った」などの感想を話し、それぞれ研修を満喫した様子で、「英語を勉強してから、もう一度訪れたい」という声が多かった。
伊藤菜穂さん(西箕輪中)は「不安な顔をしていたら、向こうの人が『笑った顔のほうがよい』と元気づけてくれてうれしかった。これからは、いつも笑顔でいようと思う」と話した。
海外研修は伊那市など6市町村による共同事業で、計44人が参加した。 -
二千絵会が作品展
県老人大学を卒業した和紙ちぎり絵愛好者でつくる「二千絵(にちえ)会」(講師・中村早恵子さん)の作品展は22日まで、伊那市西町区伊那部の旧井澤家住宅で開いている。同住宅では初めてとなる和紙ちぎり絵展に関心が集まっている。入場無料。
講師を含めたメンバー12人が一人2、3点計25点を出品。風景、人物、花など題材はバラエティーに富み、和紙の温もり、毛羽の味わいに加え、染めの色合いがやさしい表情をつくりだしている。
旧井澤家住宅の運営委員で、同会メンバーの矢澤秋子さん(67)が「展示をきっかけに足を運んでもらいたい」と、仲間に出品協力を依頼し、展示会を企画した。
矢澤さんは「古い建物と合った、和紙のやさしい表情を見てもらいたい」と来場を呼びかけている。
午前9時から午後5時(最終日は午後3時)まで。 -
染布&アンティークトンボ玉展
200年以上前のトンボ玉で作ったアクセサリーと、天然で染め上げた洋服などの展示会「染布&アンティークトンボ玉展」が、19日から伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれ、来場者の目を楽しませている。
伊那市のアトリエ「もの」で作品制作を続けつつ、全国で年間20回近く展示会を開く中村清人さん(50)・訓子さん(50)夫妻が、市内で展示会をするのは約2年ぶり。
夫婦共に染色に携わってきたが、訓子さんが好きだったことや、天然鉱石とガラスで作るアンティークトンボ玉の質感などに魅了され、清人さんは8年ほど前からトンボ玉のアクセサリーも手がけている。
少なくとも200年以上前に作られたトンボ玉を使用しており、ローマの遺跡からでた2、3千年前の玉を使った作品もある。
訓子さんは「"心の安らぎ"をコンセプトとした楽しい展示。ぜひ見にきてほしい」と話していた。
入場無料。23日まで。 -
みはらしの湯、信州の温泉表示認定制度の認定を受ける
利用温泉のことを知ってもらった上で、選んでもらおう窶狽ニ、県が進めてきた「安心、安全、正直」な信州の温泉表示認定制度。県は12日、その制度に基づき、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」を新たに認定した。上伊那で認定を受けた施設は2件目となる。
今年3月には羽広荘が、上伊那で初めて認定を受けた制度で、有効期間は5年。みはらしの湯は、5月下旬から申請を準備。成分や湯量など、規定の13項目を調べて申請していた。今回は、県下23施設が新たに認定され、県下34施設が認定施設となった。 単純温泉で神経痛や関節痛などに効能があるとされる同温泉は、露店風呂から望む仙丈ケ岳などの雄大な景色が、県外から訪れる観光客に人気だという。 -
オートパル上伊那伊那展で日本画の展示
ユリやシャクナゲなどを優美に描いた日本画19点が、伊那市上牧のオートパル上伊那伊那店のショールームで、20日から展示されている。
作品は全て辰野町の野沢繁子さん(56)のもの。それぞれの作品は、鮮やかでありながら落ち着きがあり、細部まで描き込まれた30号以上の大作は、迫力がある。
町の講座を通して日本画と出会った野沢さん。日本画家の三堀舜董氏に学ぶなどして、25年以上製作活動を続けており、昨年は個展も開いた。仕事や家事の合間に描くため、半年ほどかかる作品もあるという。
野沢さんは「日本画は見ても描いていても落ち着く」と、その魅力を話す。
同店は「文化的なつながりを大切にしたい」と、地域で芸術活動をする個人などの作品を展示している。唐澤順一店長は「気軽に足を運び、作品を楽しんでほしい」と話している。
9月17日まで。 -
クールビズ効果あり?
環境省が温室効果ガス削減のために提唱したノーネクタイ・ノー上着ファッション「クールビズ」。ベルシャイン伊那店では、前年に比べ、カジュアルシャツの売り上げが伸びた。
人気だったのは、ネクタイを外したときに襟元がすっきり見えるボタンダウンや襟が高めのYシャツ。色はブルーのストライプやチェック。価格は1900円がよく売れたが、通気性のある生地で、Yシャツの襟しんに吸熱・冷却メッシュを使用した4千円のものも動いた。
7、8月のカジュアルシャツの売れ行きは前年対比110%。ポロシャツは特に変動はなかった。
本年から、Vネックなどのアンダーウエアを取り扱ったところ、まずまずの売れ行き。
また、ジャケットを脱ぐことでベルトに気を配る人も目立ち、皮ベルトでなく、おしゃれな柄入りベルトが売れた。
一方で、スーツやネクタイは前年に比べてダウンした。
「売り場では景気の明るさが見えたとはいえないが、ものがよければ高くても売れる」と担当者。「クールビズは役所や営業などに限られる。ビジネス関係商品が落ち込む中、前年並みは健闘したのでは」という。
値下げの時期をねらって商品を買い求める人もいるようで、夏物最終処分の商戦が繰り広げられている。 -
まほら伊那地球元気村
家族を対象としたイベント「まほら伊那地球元気村」(実行委員会主催)が27窶・8日、伊那市の鳩吹公園で開かれる。定員に満たない講座の参加者を追加募集している。
地球元気村は野外活動を通して新しい自然観を養うもので、講師に村長の冒険ライダー風間深志さん、マルチアウトドアマン白井糺さんらを迎える。
野外教室のメニューは、石がまによるピザづくり、カヌー、流しそうめんなど18。
追加募集しているのは、すがれ追い、野外生活技術習得講座「たき火術」「野外料理術」、野外絵本ライブ、木工教室、マウンテンバイクなど。
当日参加も受け付けるが、保険の申し込みに間に合うのは23日まで。実行委員会では早めの申し込みを呼びかけている。
また、27日午後7時半からのナイトイベントには俳優根津甚八さんが初登場する。
入村料は大人3千円、小学生以下1500円、3歳以下無料。地球元気村民は500円引き。ナイトイベントのみは500円。
申し込み・問い合わせは、市役所商工観光課内の実行委員会(TEL78・4111内線332・335)へ。 -
伊那ロータリークラブ
45周年記念誌を発行伊那ロータリークラブ(鵜飼昭二会長)はこのほど、創立45周年記念誌「45年のあゆみ」を発行した。
同クラブは05年2月18日に創立45周年を迎え、記念式典を開催した(会長は第45代鈴木実氏)。記念誌は式典の様子と45年間の活動記録などを収録している。
45周年記念事業として一般から公募して決めたボランティア顕彰者の紹介もあり、同クラブがどのような視点からボランティア活動に注目しているかがうかがわれて興味深い。
同クラブでは「この節目を新たな契機として初心に返り、遥かなるロータリーのロマンを求めて更なる奉仕活動を展開する」と述べている。 -
アユの友釣りにぎわう
天竜川水系は、アユの友釣りを楽しむ人でにぎわいを見せている。
全国的にも大物が多いことで知られる同水系。毎年友釣りを楽しみとするファンが多く「尺アユをねらう」という人も多い。
17日も伊那市の天竜川漁業協同組合前の駐車場には、関東方面や中京方面からの車が留まり、漁協前の川は、朝から至る所で釣り人の姿が見られた。
今年は雨が少なく、釣果も好調。北信方面の天候不順なども影響し、土・日曜日などを利用して普段よりも多くの釣り人が訪れているという。
28センチ台のアユも出始め、今後さらに大きなアユが期待される。
夏休みを使って釣りに来たという八王子市の男性は「天竜川は東京からの交通の便も良く、いい川。もう少しきれいだともっと良いのだが」と話していた。 -
第5回高校改革プラン推進委員会
第3通学区の高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)の第5回が18日、伊那市生涯学習センターであった。県教育委員会のたたき台で対象外だった諏訪地域の統廃合も今後視野に入れ、議論していくことなどを確認した。
地域校に関する議論もあり、諏訪、上伊那、下伊那を代表する委員それぞれの、認識の相違も明確になった。池上委員長は「交通面や経済的理由から、都市部高校への通学が困難な高校生が、地域高には多数進学しており、存続意義を感じる」と主張。一方で、電車の路線が整い、世帯あたりの車保有率も高い地域的事情から「もはや交通面での問題はなく、魅力ある高校なら生徒はどこからでも通ってくる」と言う諏訪地区の委員もおり、認識の統一はできなかった。
入学者数の減少率が少ない窶狽ニの理由で、たたき台で統廃合対象地域から外れていた諏訪地区の扱いについては、地域的特色を考慮せず、減少幅のみで判断した県教委の案を疑問視する声もあり、伊那市の小坂市長は「いずれ生徒数が減少するのは諏訪地区も同じ。将来的な合理化のため、対象とすべき」と主張した。
委員会としては、全地区での統廃合を考慮して、今後進行していくことを決めた。 -
伊那まつりポスター原画コンクール全作品展
8月6、7日盛大にあった「第33回伊那まつり」のポスター原画コンクール全作品展が29日まで、市役所市民ホールで開かれている。関係職員は「全作品を見る機会は最後。もう一度、祭りの余韻に浸ってみては」と来庁を呼びかけている。
市内の4中学校から応募があった191点を展示。以前から掲示していた入賞作品30点に、市民踊り区間の商店街に飾られていた作品すべてを加えた。
市のイメージキャラクター「イーナちゃん」、竜、花火などをモチーフに、色合いも鮮やかな作品が多い。
すべてラミネート加工がほどこされていて、展示の後は作者に返す。 -
西箕輪小中学校で始業式
伊那市の西箕輪小・中学校で18日、2学期の始業式があった。運動会や文化祭などの行事が多く忙しい学期に向け、それぞれが決意を新たにした。
西箕輪小(御子柴俊治校長、343人)は、連日の暑さで真っ黒に日焼けした児童たちが、夏休みの宿題帳や作品などを抱えて登校し、教室などを清掃してから式に臨んだ。
式では学年の代表者2人が目標を発表した。3年生の田中萌さんは「運動会のリレーの選手になりたいので足を鍛えたい」。5年生の城取奈那さんは「勉強では算数と国語を頑張りたいので、授業中は先生の話をよく聞きたい」とした。
御子柴校長は「暑い夏から寒い冬までの長い2学期を、楽しい学校生活にしましょう」とし、登下校のときに事故にあわない、あいさつをしっかりする、勉強を一生懸命する窶狽フ3つの約束を児童たちと交わした。
市内小中学校の始業式の日程は次の通り。
▽19日=伊那北小、富県小、手良小、西春近北小、伊那中▽22日=伊那小、伊那東小、伊那西小、新山小、美篶小、東春近小、西春近南小、東部中▽23日=春富中 -
自主学習をサポート
伊那市は、市内4中学校で「学力向上支援事業」に取り組む。公募した信州大学農学部や教員志望の学生、元教員などの協力を得て、2学期から中学生の自主的な学習をサポートする。
事業(04窶・5年度)は文部科学省の委嘱事業。放課後の1時間半ほどを使い、登録した生徒が自主的に学習し、必要に応じて支援員の指導を受けるもの。学習に関する相談も受ける。支援員は東部中が6人で、そのほかは調整中。
17日には、東部中で支援員を委嘱。
北原明教育長は、委嘱書を一人ひとりに渡し、生徒に基礎学力がつくことに期待を寄せた。
三輪憲昭校長も支援員の応募に感謝し「学校と地域の連携の歩みになれば」と述べた。
東部中の「こころの教室」相談員を務め、教員を志望する支援員の一人、細田慎司さん(27)=飯島町=は「生徒とのかかわりができる。役に立てればと思う」と話した。
東部中は2学期のみ(月窶萩燉j日)の開設。全学年から希望者を募り、9月6日にスタート。教科は数学と英語で、副教材のドリルを用いる。1日に支援員1窶・人が来校し、生徒の学習を支援する。 -
情報紙「中坪の歩み」100号達成
伊那市手良の中坪区・中坪の歩み研究委員会は、月刊「中坪の歩み」の縮刷版を230部作った。6月の100号達成を記念し、全戸へ無料配布した。
「中坪の歩み」は中坪区の情報紙で、96年7月に発刊。9常会から1人ずつ選出された研究委員が取材や編集に当たり、地域の言い伝え、区の動き、お年寄り(80歳以上)の半生を聞く「歩いてきた道の思い出」、「なかつぼ再発見・人物伝」、石碑などをB4判の片面刷りにまとめて、月1回発行している。
内容は▽マムシにかまれても必ず治す人がいた▽水田に水を引くための横穴が郷之坪上垣外地籍に残る▽八幡宮横の祝殿にはクロスの彫り物がある。先祖が隠れキリシタンだったのか窶狽ネど興味深い。中でも「埋蔵金伝説」は「金1千両、漆十貫」が埋まっている話。掘り当てたという話は聞かないが、夢をかきたてられると記される。
事務局の高橋忠さんは「地区に残るさまざまな言い伝えや区の動きを知ってもらい、残していきたい。地域を離れた人にも見ていただければ」と、地域の活性化につながることを期待した。
縮刷版発刊祝賀会は9月17日午後7時から、中坪公民館で開く。
縮刷版はA4判、104ページ。希望者には1部500円で販売する。
問い合わせは、高橋さん(TEL78・0943)へ。 -
アユの投網漁解禁
天竜川水系で17日、アユの投網漁が解禁となった。
例年投網漁は、盆ころ解禁していたが、同水系には友釣り愛好者も多く「できるだけ長い期間友釣りを楽しんでもらおう」と、今年は解禁日を遅らせた。
午後6時に解禁。9月10日までは、午後6時から翌朝までが、解禁時間。この日早速投網漁に訪れた愛好者は「多い日は200匹ほど捕れる」と話していた。
10日以降は全日解禁する。 -
西箕輪大萱で百八灯
伊那市西箕輪の大萱公園で16日夜、盆行事「百八灯(ひゃくはってい)」があった。布玉約130個が炎を上げて燃え、幻想的な雰囲気に包まれた。
「百八灯」は、ぼろ布を直径15センチに丸めた玉を針金で巻き、灯油をしみ込ませて燃やすもの。精霊を送り出す火祭りで、江戸時代に始まったのではないかとされる。
午後8時半ごろ、地元の消防団員が公園西・南側のワイヤー延長100メートルに取り付けた布玉に点火。30分ほど布玉がめらめらと燃え、訪れた家族連れなどが様子を見守った。
布玉数は108個だが、大萱は戸数が多いため、当番に当たった組の各戸で準備。中学生が各戸を回って集め、当日も布玉の取り付け作業を手伝っている。 -
伊那市坂下区で灯ろう流し
伊那市坂下区の天竜川で16日夜、第52回精霊流しがあった。新盆を迎えた家族ら約300人が集まり、故人のめい福を祈った。仏教会主催、坂下商工会主管。
灯ろうは、坂下区を中心に、市内、近隣市町村などから150基の申し込みがあった。
天竜川右岸にある坂下駐車場での大法要に続き、地域住民らは戒名を書き入れた灯ろうにロウソクをともし、天竜川にかかる大橋上流から流した。静かに手を合わせ、川の流れに沿って、ゆらゆらと進む灯ろうを見守った。
精霊流しでは、戦争や、交通事故などの災害犠牲者の供養と、世界平和も祈願した。 -
東京肖像アートフォーラム展
写実画家、三浦輝峰さんや二科展や日展入選者などが所属する東京肖像研究会の作家18人による「東京肖像アートフォーラム展」が、12日から伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。風景画を中心とした約60点が、人々の目を楽しませている。
同会は、東京近郊の作家が、それぞれの個性や感性を高めつつ、写実性を追求する場として発足して20年ほど前に発足した。現在会員は約100人。画歴60年のベテランから、2、3年の若い作家までいる。今回の出展者の中には、国会議事堂掲額作家もいる。
東京を中心に展示会をしてきたが、今回初めて長野県することになったため、作家それぞれが信州を思いながら準備してきた。
現在は佐久市で活動する伊那市出身の三浦さんは、上伊那から見た雄大な仙丈や高遠町の桜などを描いており、故郷への思いがうかがえる。
入場無料。21日まで。 -
伊那西小の新成人がタイムカプセルを掘り出す
伊那市で成人式があった15日、伊那西小学校を卒業した新成人15人と当時担任だった湯澤滋教諭(48)が、卒業時に埋めたタイムカプセルを掘り出した。小学生だった自分から「結婚している?」「まだゲームやってる?」などのメッセージを受け取った新成人たちは「はずかしい」と少し照れながら昔を懐かしんだ。
埋めた場所を全員があいまいにしか覚えていなかったため、作業は悪戦苦闘。2時間半後、やっとの思いでカプセルが見つかった時には、感動の声があがった。
箱には、当時の写真、運動会や修学旅行のビデオテープ、それぞれが当時大切にしていたもの、二十歳の自分に宛てた手紙などが入っていた。音楽会で初めて伴奏を任された時の楽譜を埋めた女性は「難しくて弾くのに苦労したんです。全然忘れていたけど思い出した。昔の私、粋なころしますよね」と当時を振り返っていた。