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有償福祉運送にかかる使用車両拡大特区に認定
伊那市はこのほど、国土交通省に対して申請していた「伊那市における福祉有償運送使用車両拡大特区」として認定された。
特区の内容は06年4月からNPOなどの非営利団体が心身障害者などへ提供する有償福祉運送に伴うもの。原則的に、4月以降の有償運送サービスには、福祉車両を利用することが規定されているが、今回の認定で、一部の団体が、セダン型車両を利用することが可能となった。
伊那市は、外出が困難な障害者・高齢者の増加に伴い、希望する時間に送迎できるボランティアの必要性を認めている。また、歩行は困難でも、福祉車両の機能を必要としない対象者もいるため「こうした対象者の運送にはセダン型車両が望まれる」として特区申請をしていた。
電車やバスでの外出が困難な障害者には、福祉タクシー券や高齢者バス・タクシー券の交付しているが、金額に上限があり、すべての外出需要が満たされているわけではない。
セダン型車両が利用できる条件については、福祉有償運送のため設置している協議会の検討に基づき今後決定する。 -
鎌倉国光さん石仏写真展・心和ませ
宮田村大田切のアマチュアカメラマン・鎌倉国光さん(54)の石仏写真展「海岸寺・貞治仏の世界」は11日、伊那市荒井の市立図書館広域情報コーナーで開いている=写真。入場無料。
鎌倉さんは1951年、高知県生まれ。30年ほど前に宮田村へ転勤し、85年ころから集中的に中央アスプス北部や、江戸時代の高遠町の石仏師・守屋貞治の石仏を撮り始める。同図書館では、2年前から毎年、中央アルプスの写真を展示している。
写真は、海岸寺(山梨県)にある守屋貞治が手がけた石仏をモチーフに、10年ほど前から撮りためた全紙、半切、4切りサイズ計31点を出品。細目で笑う菩薩などは、見る人の心を和ませている。
作品「十一面千手観世音菩薩」は、長年の野ざらしで、石仏の肩口から足元にかけてビードロのように苔むす。現在は日差しが設置され苔が無くなっているため、「当時の貴重な写真」として飾られている。
鎌倉さんは「ありのままに、感ずるままに見てほしい」と話している。
午前10時縲恁゚後7時。10、11日は鎌倉さんが会場を訪問する。 -
伊那ロータリーアクトクラブ、聴導犬を知るためのイベントを開催
一般の人に聴導犬のことをもっとよく知ってもらおう竏窒ニ、伊那ロータリーアクトクラブは3日、伊那市民会館で「聴導犬を知ろう!」をテーマとした体感キャンペーンを開いた。宮田村の日本聴導犬協会から有馬もと会長と聴導犬、介助犬、3頭を迎え、実演を通して聴導犬の役割や必要性を学んだ。
奉仕活動を通して会員相互の交流を深める同クラブは、聴導犬募金の活動支援もしており、今回のこのイベントを企画した。
有馬さんは、警報音などが聞こえない聴覚障害者は災害時に取り残されてしまう危険が大きいことを説明し、「音を知らせることでユーザーの命を守ることが聴導犬の使命」と話した。
また、目覚し時計、来客のチャイムなどを実際どのようにユーザーに伝えるか実演。聴導犬や介助犬がユーザーの生活に及ぼす影響の大きさを示した。 -
上伊那高校生の声を届ける会
高校生の声を高校改革プランに反映させてほしい竏窒ニ上伊那高校生の声を届ける会が4日、伊那市民会館で集会を開き、約70人の参加者が、どのようにプランと向き合っていけばよいのかなどを話し合った。統廃合の対象となっているかなっていないかにかかわらず、関心の低い人にも関心を持ってもらうことの必要性を認識。まずは自分たちの周囲やこれから高校生になる中学生に、プランを知ってもらうための活動を進める。
会は10月にあった高校改革プランについて考える高校生集会に続くもので、上伊那で具体的な行動へと移ることを目的として県立高校の生徒会役員などが立ち上げた。
高校改革プランについては、知らない人も多いというのが実情で「高校生全員で考えていくことが大切」という考えから、プリント配布などを通して多くの高校生や中学生へと問題を伝えることを決めた。また、高校生が現在の高校をどう感じているか竏窒ネどをアンケート調査し、推進委員会や県教育委員会などに伝えていく。 -
【記者室】「早めに」
突然の雪に、あせった。といっても、天気予報で雪が降ると言っていたから、予報通りなのだが…。自宅周辺は雪から雨へと変わり、積もることはなかったが、上伊那の北のほうでは軽く雪かきをしたと話す人もいた▼これはまずいと思い、タイヤ交換のため、ガソリンスタンドへ。車がずらりと並び、置く場所もないほど。聞けば、4時間待ちという。「まだ大丈夫」は甘かった▼各地域で年賀状作りの講習会があったり、門松を飾りつけたりと新年準備が着々と進んでいる。12月は何かと慌しく、やらなければならないことが山積み。気ばかりあせるものの、なかなか手につかない。何ごとも「早めに」にこしたことはない。そう自分自身に言い聞かせる。(湯沢記者)
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伊那谷で山仕事を始めて8年目
島・ス山林塾企業組合代表 中村豊さん(41)=伊那市西箕輪=「そこの山も名目上は間伐したことになっています。自分たちがやったのではないが、あんな斬り方では森林は育たないと思うんですよ」
伊那市西箕輪、経ヶ岳の山付きにある自宅で話す。ある程度成長した針葉樹林の間伐では、森の中から空が見え、陽射しが地面に届くようにしなければ意味がない。
「立木の30%を間伐するとかと決められ、その本数を斬ったら終わり。山仕事の現状は厳しいので、収益性の観点からそういう仕事でも良しとされてしまうことがあるんです。寂しいことですよね」
細面。静かに語る。腕には、山仕事用の手甲が巻かれている。
◇
97年まで、兵庫県の県職員だった。パソコン通信で知ったKOA森林塾(製造業のKOAが94年から始めた山仕事の通年講座)で山仕事のイロハを学び、98年に伊那にIターン。講師の島・ス洋路元信大教授に教わりながら一緒に山仕事を始めた。現在8年目。同じように山仕事を始めた仲間9人で作る企業組合の代表を務める。全員が県外出身者だ。
仕事は平日週5日。朝8時に現場に集合し、午後4時までが基本。伊那市・箕輪町・辰野町を中心にして、間伐や素材生産、下草刈りなどの仕事を請け負う。
仕事の多くは、財産区や区などが所有する団体有林。個人の山。それに県の保安林などでの公共事業。間伐や下草刈りなどの作業は、県が森林育成の観点から進める補助事業の対象になっており、所有者と相談しながらどのような作業をどの程度行うかを決め、補助金申請の書類整理なども含めて請け負うのだという。
「個人の山は、現状ではほとんどお金にならないので、山仕事を頼む人は皆無に近い」と苦笑する。斬り出した木が高く売れれば良いが、輸入外材が主流の現在ではほとんど需要がない。放置しておくのが、山持ちには一番負担が少ない。「そういう人に、山の手入れを説得するのは大変。もっと実力をつけなくちゃ」と笑う。
◇
「ツルが絡まって足の踏み入れようもない山」が個人の山には多い。「間伐されずモヤシのような木ばかりになった山」が植林後40縲・0年経った山には多い。人の手が入れられずに泣いている山ばかりだという。
そうした中でも、持ち山の木を斬り出して家を作り、さらにその山に木を育てようと希望する人もいる。そういう仕事を請負ってやり遂げることが一番楽しいそうだ。
「伊那谷でも林業と聞いてもどういう仕事かイメージが沸かない人が大半になってしまった。森林のとても危機的な現状を知り、山仕事に関心を持って欲しい」
伊那谷の山に新しい生き方を求めて根づいた人は語った。 -
笑顔で伸び伸びと
伊那市を中心に活動する新体操クラブ「伊那ポーラ☆スター」(橋爪みすず代表)の第14回発表会が4日、伊那市の県伊那勤労者福祉センターであった。「宇宙(そら)縲恂ウ限の可能性縲怐vをテーマに、幼児から高校生まで約100人のメンバーが華麗な演技を次々と披露し、詰めかけた観衆を魅了した。
「瞳の中の宇宙」「宇宙の果てに輝きを重ねる時」「スターを夢見て」など、小テーマごとの演技と競技種目を織り交ぜた5部構成。1部「星の誕生」は、幼児から小学6年生までが学年ごとに発表した。フープやステッキ、クラブなどの手具を音楽に合わせて自在に操り、堂々と熱演。ギャラリーからも大きな拍手がわき起こった。
橋爪代表は「全員仕上がりがよく、笑顔で伸び伸びと最高の演技を見せてくれた」と講評していた。
塩尻市の「塩尻ポーラ☆スター」、安曇野市の「SWANあづみ野RG」など4団体も賛助出演し、舞台に華をそえた。 -
とれたて大根いかがですか
伊那市の伊那東小学校2年蘭組(下田智美教諭、32人)は1日、自分たちで栽培した秋ダイコンを校内で販売した。参観日で訪れた保護者が大勢集まり、あっという間に売れていく様子を児童たちは喜んだ。
生活科の授業で野菜作りに取り組む蘭組は、「ダイコンをおでんにして食べたい」と、9月から栽培。夏にはジャガイモ、ニンジン、トマトなども育て、カレーライスやコロッケに調理して収穫を祝っている。
販売したダイコンは京野菜の「聖護院」40本と、通常の形をしたアキヅマリ100本で、早朝、収穫したばかりの取れ立て。聖護院は直径20センチほどで円形、苦味や辛味がなく、ほんのりと甘いのが特徴。軟らかいのに煮崩れしにくく、ふろふき大根やおでんなどの煮物や漬け物に適しているという。
小出可純ちゃんは「固かったり、柔らかかったり、途中で折れたり、いろいろだったけど、大きなダイコンが獲れてよかった」と喜んでいた。
売り上げ金は、おでんの調理実習費などに役立てる予定だ。 -
きょうまで 市民芸術文化祭
第2回伊那市民芸術文化祭(伊那芸術文化協会主催)が3日、伊那市生涯学習センターで始まった。伊那市に活動拠点を置く団体や個人が作品展示、舞台発表で日ごろの活動成果を披露した。4日まで。
文化祭はプロ・アマを問わず、総合的な芸術文化の祭典で、美術展と舞台発表の2部門を設けた。
美術展(200区画)には、来年のえとである犬を描いたトールペインティング、南福地の御柱や田で遊ぶカルガモのつがいなどを題材にした写真、パッチワーク、書道、絵画、押し花など力作が並んだ。来場者は作品に顔を近づけながら、見入っていた。
舞台発表は10団体が出演。朗読劇やダンス、邦楽、舞踊などを繰り広げ、会場から拍手を集めた。
主催者は「レベルの高い作品がそろった。作品のジャンル、出品者の年齢層が幅広く、楽しめる。参加者同士の刺激にもなる」と話した。
4日は美術展(2・5階)が午前9時縲恁゚後4時、舞台発表(6階)が午前10時縲恁゚後3時半。茶席や飲食コーナーもある。 -
ベル伊那で日本画家・高崎昇平さん展示即売会 6日まで
東京都大田区在住の日本画家・高崎昇平さん(37)の展示即売会「静かな時の流れ」は6日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
高崎さんは1968年、東京生まれ。1995年に東京芸術大学大学院を卒業後、00年の「第1回信州高遠の四季展」で大賞を受賞するなど、伊那谷とゆかりのある若手実力画家。同店での展示会は3回目となる。
近作を中心に、0竏・00号サイズの25点を出品。題材は風景画が多く、高遠町のコヒガンザクラ、勝間のしだれ桜のほか、母親の実家がある岩手県の北上川などを描いている。
自然の中で流れる時間に身を置き感じた思いを絵にしている竏窒ニいう作品は、自然の移り変わりを優しいタッチで表わし、見る人に安らぎを与えている。
また、手ごろな値段でミニ色紙も販売している。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
みはらしいちご園でイチゴの出荷始まる
クリスマスに向けて3日、伊那市西箕輪のみはらしいちご園で、イチゴの出荷が本格的に始まった。
出荷時期を迎えているのは「章姫」と「紅ほっぺ」。紅ほっぺはここ数年で特に人気が上がり、酸味と甘味のバランスがよく、贈答用にも向いている。1日の出荷量は約20ケースで、日々増加していく。最盛期は年明け。
羽広いちご生産組合の有賀正喜組合長は「今年は天候が良く、糖度の高いものができた。イチゴ狩りも期待してもらっていい」と話していた。
現在は農業公園みはらしファームの直売所、日帰り温泉施設「みはらしの湯」で販売し、今後は南箕輪村のファーマーズあじーなでも販売する。
イチゴ狩りの開始は例年通り06年1月1日の午前0時から。元旦は要予約先着300人。 -
伊那市社会福祉大会
第44回伊那市社会福祉大会が3日、伊那市の県伊那文化会館であった。大会要望事項を採択し、地域福祉向上に貢献してきた個人や団体を表彰。助け合い活動の拡大、地域ぐるみでの子育て支援などを掲げた大会宣言を、約500人の参加者が承認した。市社会福祉協議会が主催。
要望事項は▽男性ボランティアの人材バンク創設▽地区循環バスの範囲拡大と停留所の増設竏窒ネど。
伊那中学校生徒による福祉体験発表もあり「障害は“かわいそう”と思われがちだが、生きていくうえで不便なことが増えるだけだと思った」「ありがとうと言ってもらえた時のうれしさや胸の高まりはたくさんの人からもらったプレゼント」と施設での活動から学んだことを話した。
受賞者は次のみなさん。
◇長年にわたる在宅介護者=田畑由美子、吉田里美、平澤道央、伊澤昭子、伊藤昭代、上島一二三、登内悦子、荒井美佐子、阿部たつ子、池上君子、吉原清子、池上龍子、六波羅美代、竹澤あい子、埋橋あや子、春日安江、林末子、伊藤千歳、橋爪保寿、白鳥千明、北沢忠雄
◇地域社協役員経験者=岡山容子、橋爪久男、前澤やえ子、羽場峯夫
◇ボランティア(個人)=竹内荘一、春日明正、小澤つね子
◇ボランティア団体=すこやか会、新山もえぎ会、あいの会、上原獅子舞クラブ、アッシー友の会、くちなしの会
◇10年以上にわたり、または多額の金品を寄付=伊藤正子、東條やす子子供一同 -
障害者自立支援法説明会開催
県はこのほど、来年4月1日から施行される障害者自立支援法の周知を目的とした説明会を県伊那合同庁舎で開いた。
障害者の自立と共生に重点を置く新法は、障害種別だったサービスを一元化し、安定的な財源を確保するために国の費用負担責任を一部で義務化。一方で低所得者への軽減措置を設けつつ、サービス利用に対して定率1割負担を求めていく。また、施設での食費も自己負担となる。自立支援に向けては、就労支援事業などを創設していく。
定率負担は上限額を設定し、低所得者には更なる配慮をしているが、低所得でない利用者の費用負担の増額は大きく、場合によっては現在よりも3万円近く負担が重くなる例も示された。また、施設利用が多い重度障害者の負担が大きくなる問題もある。
県も利用者負担の重さが与える影響の大きさを懸念し、国に対して改善要望を出している。
障害者の自立・共生を掲げる一方、負担増により、一層社会から遠ざかってしまうのでは竏窒ニ懸念する参加者もいた。 -
みはらしの湯でチェーンソーアートの実演
丸太をチェーンソーで切り出してさまざまな彫刻をつくるチェーンソーアートの実演が3日、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」であり、入浴客らの目を楽しませた。
実演したのはますみヶ丘のチェーンソーカーバー・小野沢武生さん。小野沢さんはますみヶ丘平地林の間伐材を使った彫刻作品を製作し、全国各地で実演会もしているが、伊那市では初めて。
今月、施設のロビーには、小野沢さんがますみヶ丘平地林やそこに住む小動物のイメージした作品を展示。来年度以降、本格的に遊歩道整備が進む平地林に、関心を持ってもらおう竏窒ニ企画した。
小野沢さんは、来年度のえと・戌(いぬ)をテーマに、40分程度で1作品を鮮やかに仕上げた。
実演は4日も正午からと午後2時からの2回ある。 -
かんてんぱぱでニットソーイングの作品展
自分だけの一着が作れる“ニットソーイング”を学ぶ「ホームクラブ御子柴教室」の生徒約30人が2日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで「お気に入りの一着展」を開いている。ニット地で作ったさまざまなおしゃれ着約50点が、訪れた人を楽しませている。
南箕輪村、伊那市、駒ケ根市の教室で学ぶ生徒たちの作品展。伸縮性のあるニット地を型抜きし、ロックミシンで縫い合せるニットソーイングは、初めての人でも約2時間ほどあれば1着完成させることができるほど手軽。一方、既製服にはできないフィット感があり「一度体験すると既製服が着れなくなる」などと話す生徒もいるという。
教室のインストラクター・御子柴直美さん(42)は「ニットソーイングは手作りの楽しみ、満足感が実感できる。それを味わってほしい」と話していた。 -
かんてんぱぱで手描ぼかし染展
和幸手描染色研究会の生徒や指導者、22人による「手描ぼかし染展」が6日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。「ぼかし」を使った絶妙な色のグラデーションが、約70点の額装や着物などを彩り、訪れた人を楽しませている。
「手描ぼかし染」は友禅を基本とする独自の染色技術で、筆で描くように染色できる。それを追求するため、同会は約20年前に発足。現在は県内10カ所に教室がある。
伊那、駒ケ根教室の生徒と、指導者の作品を展示。手描ぼかし染をより多くの人に知ってもらい、生徒のスキルアップにつなげることが目的。
ハンカチなどの小物から着物、額装まで、細やかで幻想的な絵柄が表現できるため、カンバスに描かれた絵画かと思わせるような作品も多い。
会長の大橋幸子さんの作品展も同時開催。知事賞を受賞した100号の額装や、製作に多くの時間を費やしたという鮮やかな打掛も飾る。
代表の大橋寿朗さんは「一点一点時間をかけて仕上げた作品の数々は見ごたえがある。ぜひ多くの人に見に来てほしい」と話していた。
入場無料。 -
年末特別警戒で街頭啓発
伊那警察署は1日、年末特別警戒(31日まで)の開始にあたり、伊那市防犯協会女性部、伊那エンジェルス隊など60人以上の協力を得て、市内の旧中央病院跡地横の国道153号線上で街頭啓発をした。
参加者たちは、自転車盗、侵入盗、振り込め詐欺などへの警戒を呼びかけるチラシや携帯用カイロ800セットを配布。通過するドライバーに「今日から年末特別警戒です。気をつけてください」と声を掛けた。
伊那署によると、10月末現在の管内の刑法犯認知件数は1111件(前年同期日234件減)。全体的に発生件数は減ってきているものの、依然として車上狙い、自動販売機狙い、オートバイ盗などの街頭犯罪が多発しているという。
櫻井誠副署長は「街頭啓発は抑止対策として効果的な活動。年末警戒初日にインパクトのあるアピールをして、地域の一人ひとりの意識を高めてほしい」と話している。 -
今年度米白毛もちの販売開始
上伊那農民組合産直センターは11月から、今年収穫した古代米を使った「白毛餅」の販売を開始した。
商品化して8年目となる今年は、約750俵のもち米を20人の生産者が収穫。消費者からは「白毛もちを食べたらほかの餅は食べられなくなった」「小さいころ食べた懐かしい味がする」などの反響があるという。
戦前・戦後のこの辺りの農家は、普通に白毛餅を自家用栽培していたが、収量の少なさや作りづらさから栽培農家が激減し、一時絶滅の危機にも瀕(ひん)した。しかし同組合の努力もあり、その味が現在へと引き継がれている。こくのある旨み、強い粘りと伸び、香りの良さが特徴で、原種に近い白毛餅だからこそ実現できる味だという。
上伊那農民組合産直センターの竹上一彦代表は「上伊那の名物は多々あるが、白毛餅は昔から受け継がれてきた地元の味。地元の特産をぜひ味わってほしい」と話している。
白毛餅・白毛もち米を購入できる販売店は、ニシザワ各店、キラヤ各店、JA上伊那Aコープ各店、グリーンファーム、みはらしファームとれたて市場、駒ケ根高原直売所、駒ケ根ファーム、中央道小黒SAイーナちゃんプラザ、大原農園、伴野商店、かんてんぱぱガーデン
問い合わせ・注文は上伊那農民組合産直センター(TEL73・0785)へ。 -
師走の風物誌
ザザ虫漁始まる伊那谷の冬の風物詩ザザ虫漁が1日、天竜川水系で始まった。
伊那市東春近の春近大橋上流の河原では、市内中央区の中村和美さん(78)が早朝から今シーズン初めてのザザ虫取り。鉄製カンジキをつけた足で川底の石をていねいに裏返すと、手で繰った四つ手網に面白いようにザザ虫が集まった。
25年間ザザ虫漁を続ける中村さんによれば、05年は、台風で川が荒れた04年に比して、まあまあの状況。それでも豊漁の年に比べれば、50%位の収穫量だろうと予測する。
トビゲラ、カワゲラ、ヘビトンボの幼虫が主な対象だが、天竜川ではバブル経済期あたりからトビゲラが主流になっているという。
シーズンは2月末まで。冷たい天竜の河原にザザ虫を追う人の姿を見るようになると、伊那谷は間もなく長い冬に包まれる。 -
伊那市大坊
新そば食べる会、楽しく伊那市西町の大坊でこのほど「新そばを食べる会」があり、地区の高齢者13人が、伊那市そば打ち名人会の小林史麿さんの手打ちそばに舌づつみを打った。
西町区の敬老会に大坊地区からの参加者が一人もいなかったことから、「大坊のお年寄りにも敬老の心を伝えよう」と、民生委員の斧研つね子さん・保健委員の池上恵さん・ヘルパーの木島仁美さんが3人で企画。新そばを食べるだけでなく、そばのうんちく、大坊の歴史などに話が及ぶと、高齢者は「わが意を得たり」とばかりに体験談を披露した。
木島さんの「介護を受ける者・する者の物の見方・考え方」と題した講話には、高齢者一人ひとりが自分の考え方を発言して盛り上がった。「こうしてしゃべれることが幸せ」との声もあった。
池上さんの体操の指導では、85歳の人が寝転んだ後に手を使わずに起き上がり、参加者を驚かす場面も。
参加者の「来年もお願いしますよ」「また来たいよ」の声に、企画した3人はうれしそうだった。 -
【南大東島再訪記】離島産業振興の苦難〈下〉
豊かな自然環境を活かして「春になれば、ホテイアオイの花が咲き乱れるサ。何もしたくなくなったら、またここに来れば良いサ」
島のほぼ中央に位置する池をカヌーで進みながら、島の濱里保之産業課長は話した。
南大東島は火山の上にサンゴ礁が発達してできた島。盆地状の中央部には日本最大のカルスト湖沼群が広がる。沖縄県には1ヘクタール以上の天然湖沼は14しかないが、そのすべてが南大東島に集中している。
この湖沼群はすべて水路でつながっており、カヌーで漕ぎ出せばさまざまな水鳥が群れる手付かずの自然に触れることができる。これをそのまま観光資源にしようと、村でカヌーを購入、水辺の公園整備にも乗り出した。
カルスト湖沼群だけではない。深さ2000メートルの太平洋の底から一挙に突き出した断崖絶壁の島は、大陸に一度もつながったことがなく、首の回りが金色で愛くるしい顔をしたダイトウオオコウモリをはじめ島固有の動植物が多数存在する。流行のエコツーリズムの題材には事欠かない。
岸壁から目と鼻の先には透明度60メートルと言われる紺碧の海が広がり、島そのものがダイビングスポット。クルージングや釣り、運がよければ岸壁からホエールウオッチングまでできる。これもまた重要な観光資源だ。
もちろん島も、観光客誘致に力を入れており、近年、島の自然や歴史などを写真やパネルで紹介する島まるごと館(館長はダイトウオオコウモリ)を設置した。副館長の東和明さんによれば、島の環境保全とエコツーリズムの振興のために近くNPOも立ち上げるという。
観光業の振興が、島の発展の大きな柱であることは間違いない。だがそれと同時に、新たな地場産業育成も重要。青パパイアやサトウキビなどの農業生産物はもちろん、日本最大の漁場であるといわれるソデイカや、サワラ・マグロなどの海産物もその1つ。
新しい港の完成を控えて活気付く漁業組合を訪ねると「南大東の魚をサ、信州の山の中で食べてくれる人はいないかな」と、剥き身で全長70センチにも及ぶ大きなソデイカをまるごとプレゼントされた。
台風の通り道で、島に張り付くようにして着実に農地を増やし、荒波の中に小さな漁船を漕ぎ出して生きてきた人々。その「大きな夢」を感じた。
(毛賀沢明宏)
※本号で「離島産業振興の苦難」は終わり。次回より「文化・芸能の交流拡大へ」。 -
- 元気印 - の企業経営学ぶ
長野銀行の伊那支店など3支店の取り引き先でつくる「ながぎんひまわり会」の研修講演会がこのほど、伊那市美篶の信州INAセミナーハウスであった。経営ジャーナリストの疋田文明さんが「元気な会社の元気な経営縲恟汨g、負け組の分岐点はどこにあるのか縲怐vと題した講話に、会員約70人が耳を傾けた=写真。
疋田さんは1950年、奈良県生まれ。中小企業経営、小売業経営などをテーマに、経営指導、講演、執筆などの活動を展開。中小企業の経営者と自らの自己研さんを目的に「元気塾」を開設し、元気印の企業が増えることを願い取り組む。
疋田さんは、中小企業が地域で事業を成功した実例を分析しながら説明。商品を生み出す「提案力」や、大型店に客の流出を止める「接客力」などに力を入れる企業の売り上げは伸びているとし、「業種、業態に問わず、中小企業が中身で大型企業に勝てる時代になっている」と訴えた。
また、「地方だから、中小企業だからだめと思わず、面白い仕事ができると思って取り組んでほしい」と、集まった経営者らにエールを送った。 -
地元の移り変わり…児童も興味深々
開校107周年記念日の1日、伊那市の美篶小学校資料館などで特別企画展があった。資料館の管理・運営をする専門委員が1876年製作の旧美篶村の絵地図など、同資料館に保存されている10点以上の資料を展示し、地元の歴史的変遷を伝えた。
資料館には児童や住民が押し寄せて盛況。60年以上前の学校職員が製作した村図や1943竏・5年の戦時中に六道原が飛行場であったことが分かる航空写真のほか、手押しポンプ、桶の風呂、モロコシの粒をもぐ道具などの実演展示もあり、専門委員がそれぞれの展示物を説明した。
絵地図は廃藩置県に伴い各町村の地誌を集めて製作した「長野縣町村誌」に付随する絵地図の草稿と思われる重要な資料。青島地区の家の向きや、同小学校近くには人家がないことなどが見て取れ、児童たちは故郷の移り変わりに関心を持ちながら説明を受けた。
専門委員の諸田秀会長(75)=美篶笠原=は「子どもたちは村の移り変わりを感銘して見ている。これから入学してくる児童たちにも見てもらい、村の変遷を伝えていきたい。今後も資料は村の宝として残したい」と話している。 -
不法投棄防止巡回パトロールと防止対策に関する協議
上伊那地方事務所や管内市町村などでつくる上伊那地区不法投棄防止対策協議会は24日、不法投棄常習個所を巡視パトロールし、防止対策を協議した。
各市町村が把握する不法投棄常習個所は増加傾向にあり、約95%が家庭ごみなどの一般廃棄物。道路脇を含む道路への投棄が一番多く、山林、河川と続く。上伊那は車が入り込める河川敷が少ないことなどが影響し、山林への投棄が若干多いという。
ごみステーションに放置される未分別ごみに対しては、各市町村が対策に苦慮しており、生活基盤の安定しない外国人や派遣社員、一人暮しなどが投棄するケースが多い。
それぞれの対策方法について意見交換した参加者からは「不法投棄された理由まで分析する必要がある」などの意見もあった。 -
姉歯事務所計算のホテル2棟
耐震強度、基準の半分姉歯建築設計事務所が構造計算書を偽造したとされる伊那市の「ホテルセンピア」と、駒ヶ根市の「プレモントホテル」について県は30日、長野県建築設計事務所に依頼していた耐震強度の調査結果を発表した。現在の両建物の耐震強度(保有水平耐力を通常基準になる必要保有耐力で割った数値)は、センピアが0・54(桁行方向0・54、梁間方向0・67)、プレモントが0・52(同じく0・64、0・52)だった。正当に構造計算された場合には、数値は1以上になる。
この数値ではおよそ震度5強位の地震までしか堪えられないだろうという専門家もいる。
構造計算書の偽造は、(1)耐震壁の剛性低下率の変更、(2)1階の階高を低く変更、(3)これらの偽造により正式な計算ルートで検討されないよう剛性率を基準値内に収め、必要な計算を省略した窶狽ネどの点だという。
県は、この結果と補強手法を施設管理者に伝える。また県は30日に、両施設への立入調査も行い、柱や壁の状況、クラックの発生状態などを調べた。 -
旧美篶村絵地図など公開 住民に地元の歴史伝える
伊那市の美篶小学校資料館で12月1日、104周年開校記念日に合わせた特別企画展がある。1876(明治9)年に製作された旧美篶村の絵地図や、60年以上前に学校職員が製作した村図など約10点を展示し、児童や地域住民に故郷の歴史的変遷を伝える。
絵地図はこのほど、住民でつくる資料整理委員が美篶支所で発見した。小学校の教育活動に役立てるため、小学校資料館に寄贈。6千分の1の縮尺で、大きさは縦63センチ、横113センチ。
廃藩置県に伴い各町村の地誌を集めて製作した「長野縣町村誌」に付随する絵地図の草稿と思われ、「当時の資料が紛失しないでいるだけでも価値がある」と関係者の間でも注目が集まっている。
絵地図からは、現在は存在しない三峰川に架かる橋、高遠線の有無などが見て取れる。
資料館を運営・管理する専門委員会の諸田秀委員長(75)=美篶笠原=は「自分たちが住んでいる場所の移り変わりを、児童たちに学びとってもらえれば」と話している。
開場は午前8時30分縲恁゚後4時ころ。 -
伊那東保育所で平沢さんピアノコンサート
子どもたちに生の演奏を竏窒ニ1日、伊那市出身のピアニスト・平澤真希さんと、ポーランドのチェリスト・パベウ・ロックさんが、伊那東保育所の園児86人にミニコンサートをプレゼントした。園児らは、ピアノとチェロの奏でる豊かなメロディーを楽しんだ。
平澤さんは霧島国際音楽祭でグランプリを獲得した後、ポーランドへ渡り、現在は欧州を中心に活躍している。日本でも年に数回演奏会をしている。今回もリサイタルに合わせ帰郷した。出身保育所の近く通りかかり「何かできることがあれば」と、保育所に提案し、ミニコンサートが実現した。
リサイタルで共演しているパベウさんもサンタクロースにふんしてで共演。日本の代表曲「春の海」を含む4曲を披露。最後は「メリーさんの羊」を演奏。楽しい演奏と共に元気のいい園児たちの歌声が園舎に響き渡った。
平澤さんは「子どもたちの感受性はすごい。こっちもパワーをもらえる感じで楽しかった」と話していた。
平澤さんは22日、伊那市駅前ビル「いなっせ」で「音楽を通した日本とポーランドの文化交流」をテーマに講演する。入場無料。午後7時から。 -
ハンセン病への正しい理解普及を目的とした講演会
伊那教育事務所は18日、ハンセン病への正しい知識を普及し、偏見をなくすための講演会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。群馬県のハンセン病療養施設「栗生楽泉園」で現在も生活する飯田市出身の丸山多嘉男さん(77)が訪れ、国の隔離政策の下、送ってきた人生を克明に語った。
22歳で強制収容されて以来、50年以上療養所での生活を続ける丸山さん。「帰っておいで」という家族の呼びかけもある。帰郷への思いも募るが、これまで受けた偏見・差別への「恐怖」が、その決断を思い留まらせる。
当初は病気を直して帰ろうと考えていたが、すぐに「もう帰れないんだ」と実感した。隔離の続く中、トイレ掃除、会計、送迎など、細々とした仕事で生計を立ててきた。しかし、どこにいっても、不況時に解雇される役は、真っ先に回ってきた。一方で、支えてくれた人の存在もあり、ありがたかった窶狽ニ当時を語り、「ハンセン病は薬で治るが、偏見・差別は薬では治らない。本当に病気のことを理解し、心の傷を癒してほしい」と訴えた。 -
権兵衛道路自己用広告物ガイドライン
12月作成へ伊那窶薄リ曽権兵衛道路(06年2月開通予定)の沿線、伊那側7キロの自己用広告物設置に関するガイドライン作成委員会(伊藤精晤委員長)の第3回会合が28日、南箕輪村の南原コミュニティーセンターであり、前回論議に踏まえて事務局がまとめた素案を検討した。
審議では、委員会の活動が主に自己用広告物のモデルデザイン作りに置かれてきたことから、「モデルデザインの説明をもっと前面に出すべき」との意見が出され、これに「統一デザインの前提として、自己用広告物を少なくしようなどの理念的なものがあるはず。そこまで含めなければガイドラインにならない」と反論が出るなど、活発に意見を交換。素案の構成を大幅に変更して、ガイドラインの位置付け・理念・内容を明確化すると同時に、それを踏まえてモデルデザインの説明をする窶狽ニいうような修正が加えられた。
「伊那側はガイドライン作成をしているが、木曽側の企業から当該地域に看板を出したいという打診が来た。県の屋外広告物禁止地域の指定が遅いし、その告知が遅れているのではないか」との地元からの指摘もあり、牛越徹上伊那地方事務所長が早急な対応を約束する場面もあった。
権兵衛トンネル伊那側出口から中央道東側までの7キロ区間は、県が景観保護のために、両側100メートルにわたって屋外広告物禁止地域に指定することを予定している。これにより大型店舗の屋外広告や、立て看板などは禁止されるが、地域内に店舗や事業所を構える民間企業が自社敷地内に立てる10平方メートル以内の自己用広告は適用除外となる。
この自己用広告も景観保護の観点から、統一的デザインのものにするよう、民間企業に考え方と一定の基準を示すのがガイドライン。県・伊那市・南箕輪村・地元住民・関係団体などから作成委員を選び、議論を進めてきた。モデルデザインは、公募の後、箕輪町の建築士・北澤宗則さん作の、間伐材と花を利用したものに決まっている。
ガイドラインは、今回の議論を事務局が最終案にまとめ、12月に最終的に策定される。 -
あわも工夫でおしゃれな料理
新山荘で雑穀料理講習伊那市の新山荘で27日、地元で採れたあわやアマランサスを使った調理・試食会=「楽食会」があった。伊那市・駒ヶ根市・長谷村などから7人の料理好きな主婦などが参加した。
長芋と蕪を具材に、もちあわのクリームソースをかけたグラタンづくりでは、あわをゆでて豆乳で延ばしただけなのに思いがけない粘りが出て、参加者一同驚いていた。アマランサスをたらこのように使ったパスタも作った。
新山荘の管理人伊藤和弥さんが、地元の野菜を、日頃使わない雑穀をアクセントにしておいしく食べようと企画。弟で、東京で雑穀料理などを学んだ雄治さんが講師役を務めた。
参加したいなし美篶の中沢さおりさんは「いままで雑穀は食べたことがなかったが、体に良いと聞き。子どもに食べさせてみようと思い参加した。以外にバリエーションがあるんですね」と話した。
12月には、もちきびを使って同様の催しを行う予定。