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清水富美さん 「染付のうつわ展」
軽井沢町の陶芸家清水富美さん(32)の個展「染付のうつわ展」は27日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている。コーヒーカップや茶碗などの日常使いの磁器、半磁器を展示販売している=写真。
同ホールでは2年ぶり3回目。唐草文や梅花文などの伝統的な絵柄のほか、「旅行」をテーマとした飛行機やヘリコプター、トランクなどのオリジナル絵柄がある。白地の磁器に青色の絵柄が鮮やかな作品が来場者の目を引いている。
清水さんは東京の短大で陶芸を学び96年、地元・軽井沢町に築窯。現在は、県内を中心に個展を開く。「染付けのジャンルの中でもち密な絵から肩の力を抜けるような絵までと、幅が広いところを見てほしい」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
小田切さん井月の木像奉納 ゆかりの清水庵に
漂泊の俳人井上井月の木像を制作した伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さん(59)が24日、井月のゆかりの場所である同市手良の清水庵(小池隆禅庵主)に像を奉納した。呼びかけ人となった地元の「井月を偲ぶ会」や「清水庵保存会」の有志ら15人が集まり、奉納式を開いた。
小田切さんが作った像は、高さ65センチで楠(クスノキ)の丸太から彫り出した。風呂敷包を乗せた竹行李を担ぎ、杖をついて前屈みに歩く井月の姿は、俳人で医者の下島空谷の絵「井月の面影」を基に作ったという。
3年前、知人から「井月を彫って見ないか」と空谷の絵を渡され昨年12月から制作してきた。完成品は井月が詠んだ句額がある同庵にぜひ奉納したいとし、庵を保存する地元住民らに思いを伝え、安置してもらうことが決まった。
奉納式で小田切さんは「これからも井月さんがみなさんの中で大切にされることを期待する」とあいさつ。式に出席した俳人で信州井月会代表の春日愚良子さん(79)=同市美篶=は「没年120年目にして、やっと漂泊の俳人も安住する庵を見つけることができた」と話していた。
清水庵で奉納式を開いた関係者たち -
伊那有機栽培研究会が県の原産地呼称制度の認定米に認定
伊那市内の農業者ら8人でつくる伊那有機栽培研究会(鳥原実会長)が減農薬無化学肥料で栽培したコシヒカリ「上納米」が、県の原産地呼称制度の認定米に認定された。鳥原会長は「3年ばかり認定にならないできたので、今年こそはと頑張ってきた。今後は地元の人たちにも食べてもらえるよう、販売ルートを作っていきたい」と喜びを語る。
同制度は、より品質の高い農産物や農産品を提供する中で消費者にその生産情報を開示し、信頼を得ながら地域振興を図ることを目的とする。米の場合▽農薬使用の制限▽化学肥料の制限▽玄米での農産物検査が1等であること竏窒ネどの基準が設けられている。その基準に適合すると認定された米のみ、販売時に「長野県原産地呼称管理委員会認定」と記すラベルを張ることができる。
有機栽培を目指すメンバーでつくる研究会は、除草のための農薬は1回に制限、カキの殻や大豆かす、魚かすなどを配合した有機物肥料による栽培に取り組む。こうして栽培した米は、甘味が強く、適度な粘りもあるため、歯ごたえが良い米になるという。
過去に制度の認定を受けたことはあったが、ここ数年は認定を受けていなかった。
今回は中央アルプスを水系とする西春近地区の水田で生産した宮下文勝さん(64)の米が認定を受けた。
現在は関東、関西方面に約3千キロを出荷している。今後は地域に販売していくことを模索していく。
問い合わせは伊那有機栽培研究会(TEL78・0560)鳥原さんへ。 -
みはらしファームで野沢菜まつり開催
伊那市西箕輪の農業公園「みはらしファーム」で24、25日、「野沢菜まつり」が開かれている。訪れた人たちは野沢菜や羽広かぶなどの収穫を、思い思いに楽しんでいる=写真。
消費者に直接畑で野沢菜や羽広かぶを収穫してもらおう竏窒ニいう取り組み。漬物を自宅でつくる地元住民などを中心に毎年多くの人でにぎわっている。
今年は野沢菜、羽広かぶをらしファーム近くの畑で育ててきた(各5アール)。施設スタッフによると、今年はかなり質が良いという。
夫婦で収穫に訪れた伊那市の春日美智子さん(60)は「毎年野沢菜を漬けてるが、今年は野沢菜まつりがあることを知ったので、初めて来た。こんなに素晴らしい菜は初めて。来年も来たい」と話していた。
25日は午前9時縲恁゚後3時。雨天決行。野沢菜は1キロ50円、羽広かぶは1キロ100円。収穫用の包丁、ひも、新聞紙などを持参する。会場では汁や漬物のサービスもしている。
また、25日午後1時からはみはらしファーム「漬物加工場」で野沢菜漬け講習会も開く。受講料300円。漬け込むたる、塩、野沢菜を持参する。受講希望者は事前に問い合わせる。
問い合わせはみはらしファーム公園事務所(TEL74・1807)へ。 -
伊那青年会議所が三峰川堤防にタカトオコヒガンザクラ7本を植樹
権兵衛トンネルから高遠までを桜でつなごう竏窒ニ、伊那青年会議所(斉藤明理事長)は24日、伊那市高遠町の三峰川大橋上流の左岸約60メートルに、タカトオコヒガンザクラの苗木7本を植樹した=写真。市、市民団体の関係者や、一般なども含め約30人が参加。桜がまちを彩る時に思いをはせながら、木の根元に土をかけた。
植樹は40周年記念事業の一環。昨年開催した市民参加で開いたワークショップ「つぶやきを形に」で、権兵衛トンネルから高遠城址までを桜でつなぐ「桜街道」の提案があった。その実現すべく今回、そのルートの一部に当たる三峰川左岸にタカトオコヒガンザクラの植樹を計画。植樹する苗木は市から提供を受けた。
斉藤理事長は「桜街道の一歩として、高遠、伊那市が発展することを願いたい」と語った。
このほかにも、先月は7月豪雨で被害を受けた箕輪町北島の天竜右岸にコヒガンザクラ6本を植樹。40周年記念事業はこれですべて完了とる。 -
桜のある風景修景事業で勝間のしだれ桜横ガードレールを木製ガードレールに
美しい桜のある風景を取り戻そう竏窒ニ「日本一の桜の里づくり」事業に取り組む伊那市は本年度、高遠町の勝間薬師堂にある「勝間のしだれ桜」前に設置されている鉄製の白いガードレールを、木製ガードレールに取り替える。取り組みは「桜のある風景」修景事業の一環で、この地に合った桜の風景を形成していこうという試み。今年度中に木製ガードレールへの取り替えを完了し、来年の桜の時期には間に合わせたいとしている。
高遠城址公園の高遠コヒガンザクラから1週間ほど遅れて見ごろを迎える勝間のしだれ桜は、山際の高台にある。桜の時期には、樹齢300年以上と言われる大ぶりな枝が見事な花を咲かせることから注目を集めており、近年は訪れる観光客、アマチュアカメラマンなども多い。
桜は北東の国道152号から望むこともできるが、手前に設置された鉄製の白いガードレールが風景の中に入り込み、写真を撮影する時にも邪魔になるため「どうにかならないか」などという声が出ていた。
そこで今回、周辺の景観に合った木製ガードレールへの取り替えを計画。県の地域発元気づくり支援金の採択を受けた。
取り替えるガードレールは国道152号から見える約120メートル。すでに地元住民の合意は得ており、現在この地に合った木製ガードレールの形態を検討している。
また「桜のある風景」修景事業は5カ年計画で、今後も市内各地で修景作業を行っていく。
現在勝間のしだれ桜前に設置されている白いガードレール -
伊那接客業者防犯協会 飲酒運転防止チラシ制作
伊那市の伊那接客業者防犯協会(鈴木一比古会長)はこのほど、本年9月から新たに施行された道路交通法に伴い、飲酒運転の防止を呼びかけるチラシを制作した。加盟する飲食店や旅館など約600店に配布し、店内に張ってもらう考えだ。
改正道路交通法により、飲酒運転及びこれを助長する行為に対する罰則が強化された。チラシは飲酒運転をする恐れのある人に酒類を与えない竏窒ニの内容で、社会貢献を目的とした「満月の会」の漫画家、橋爪まんぷさん=同市境南=が描いた。
酒類提供による飲酒運転ほう助行為の罰則は、酒酔い運転の場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となる。同協会事務局は「まだまだ認識していない店主も多い」とし、「忘年会シーズンを前に、飲酒運転根絶の意識を高めていきたい」と話している。
飲酒運転根絶を呼びかける鈴木会長 -
ベルシャイン伊那店など AED設置
ニシザワ(本社・伊那市、荒木康雄社長)は22日、同市日影のベルシャイン伊那店に自動体外式除細動器(AED)を設置し、同駒ヶ根店、伊北店、諏訪インター店の4店舗への整備を終えた。同社は「一人でも多くの人の救命に役立てば」としている。
AEDは、心室細動の正常化のため電気的除細動を施すための機器で1階サービスカウンターに設置、併せて売り場社員約20人が取り扱い方法を学習。「迅速な対応が救命率につながる」など参加者たちはメモを取るなどしながら、設置業者や講習用ビデオの説明を注意深く聴いた。
同社では来月、消防署員による救急救命講習を受講する予定だ。
AEDの取り扱い方法を説明する設置業者 -
AG「ミヤマ」で天野惣平さん個展
伊那市高遠町芝平の造形作家、天野惣平さん(54)の作品展は27日まで、同市旭町のアートギャラリー「ミヤマ」で開いている。銅版画を使った大型オブジェなど新作7点を出品。同ギャラリーでは前回に続き13回目の個展となる。入場無料。
メーン作品は、紙に印刷した銅版画を張りつけた、細長い発砲スチロール60メートル分をらせん状にして飾った。大きさは長さ2メートル20センチ、幅32センチ、高さ22センチ。さまざまな角度から異なる表情を見せる立体作品が来場者を楽しませている。
「頭の中で考えていることが実際、どんな形になるかを見たくて作った」と天野さん。作品には名前をつけず、来場者が自由な視点で、新鮮な気持ちで受けとってもらえるよう心がけているという。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後5時)。
メーンの立体作品 -
中坪の歩み研究会が地元、六道原の歴史についてまとめた紙芝居「六道原物語」が完成
伊那市手良中坪の地域住民らでつくるの「中坪歩み研究会」(山岸久男会長)はこのほど、手良地区、美篶地区の境にある六道原の歴史についてまとめた紙芝居「六道原物語」を完成した。六道原、中坪原、二つの呼ばれ方をする同地域のゆえんや、江戸時代は徳川の天下領だった手良地区の昔について語っており、山岸会長は「今は年をとった人でも昔の歴史は知らないことが多い。紙芝居を通して地域の人たちに伝えていければ」と完成の喜びを語る。
同委員会は、地域の歴史や情報を地域住民に伝えることを目的に10年ほど前から活動しており、その一環として地域の情報を掲載した広報紙『中坪の歩み』を月1回ずつ発行するなどといったことに取り組んでいる。
過去には同地区にある清水庵を取り上げた紙芝居「清水庵物語」を製作したこともあったが、しばらく紙芝居制作は途絶えていた。そんな中、2年ほど前から今回紙芝居制作を開始。これまで広報紙の中で取り上げてきた六道原の歴史などを踏まえながらストーリーを構成し、5年ぶりの復活となった。
紙芝居は全12場面で構成。孫の太郎が以前から疑問に思っていた六道原についておじいさんに尋ねる会話を通じて、六道原の歴史を振り返る物語で、現在美篶区に属する六道原はもともと畑地だったこと、それが46年ほど前に水田に基盤整備され、手良地区がその一部を買い取ったことで「中坪原」と呼ばれるようになったこと、各地に大きな被害を与えた三六災害が、その新たな水田を潤したことなどを紹介しており、最後「こんなに美しい手良を大切にしていってほしい」とおじいさんが太郎に語り、幕を閉じる。
絵は同委員会の委員で現在箕輪工業高校の美術教師である向山恵一さんが担当。登場人物の声は委員やボランティアが練習を重ね、23日には同地区で開かれた集落営農祭でその紙芝居を初披露。
大人も子どもも真剣に見入り、これまで身近でありながら知らなかった地域の歴史に関心していた。 -
手良中坪地区で集落営農祭り開催
今年採れたばかりの農産物で作った料理が並ぶ「集落営農祭り」が伊那市手良区の中坪公民館であった。地域住民ら約120人が集まり、新そばや新米で作った五平もち、収穫したばかりの農産物でつくったちゃんこ鍋を楽しんだ。
同イベントは収穫したばかり農産物を使った料理を地元の人たちに楽しんでもらおう竏窒ニ、中坪地区の集落営農実践委員会が毎年開催しているもので、例年手良地区全体から住民が集まる。
今年もテーブルの上には地元農産物で作った料理がずらりと並んだほか、この地域で昔から食べられてきた郷土料理「ちゃんこ鍋」も振る舞われ、訪れた地域住民を楽ませた。
また、今年は中坪の歩み研究会(山岸久男会長)による紙芝居「六道原物語」の披露もあり、訪れた人たちを楽しませていた。 -
カーブス伊那がチャリティ・イベント「フードドライブ」のレトルト食品などを募集
国内で毎日の食事などに困っている人たちに家の中で余っている食料品を届けよう竏窒ニ、伊那市室町の女性専用フィットネスクラブ「カーブス伊那」(中村和之代表)は、今月末まで、チャリティ・イベント「フードドライブ」を展開し、会員や一般から常温で保存可能なレトルト食品やインスタント食品などを募っている。
「フードドライブ」は、毎日の食事などに困っている人たちに向け、家庭内で余っている食料品を届ける取り組み。米国では9年ほど前から取り組まれきたが、日本国内でも、生活保護世帯の増加など、日々の食事に困っている人たちがいる反面、食料の3分の1が廃棄されている現状があることから、全国展開する同クラブでは
「自分たちにできることを考えよう」と、今年初めて「フードドライブ」を実施することになった。
今年3月にオープンしたカーブス伊那でも、現在会員や一般に呼びかけて家庭内で余っている食料品を募っており、集まった食料品は地元の児童養護施設などに寄贈することを予定している。
対象食品は常温で保存可能なレトルト、インスタント食品、乾物、調味料、米竏窒ネどで賞味期限が2008年2月1日以降のもの。
同クラブでは会員の関心も高く、すでに続々と食料品が集まっているという。
中村代表は「もともと同クラブは地域の女性たちの健康に貢献したいと取り組んでいる。フードドライブへの取り組みも地域貢献の一環。一般の方にも、家に余っている食料を提供していただければありがたい」と話していた。
受付時間は午前10時縲恁゚後1時、午後3時縲恁゚後8時(日曜、祝日を除く)。なお、一般の場合は持ち込む前に同クラブへ一度、問い合わせることを求めている。
問い合わせはカーブス伊那(TEL98・7230)。 -
伊那市用地選定委、候補地の適正を評価する44の詳細項目を決定 - 次回までに一部委員でつくるワーキン ググループが評価項目の優劣、点数化の素案検討 -
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設候補地を検討する伊那市の用地選定委員会が21日、市役所であり、施設規模、周辺環境への影響、建設コストなどの面から建設地としての適しているかを具体的に判断する44の詳細項目を決定した。今後、一部の委員でつくるワーキンググループが、今回決定した評価項目の優先順位を決め、候補地を絞り込みに必要となる各評価を点数化していく方法を検討。素案を作成し、次回委員会で示す。また、当初同委員会では市への最終報告を12月末としてきたが、同委員会と並行して新施設の規模などを検討している上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会の進行が遅れていることなどから、最終報告を来年2月に先送りすることになった。
詳細項目は、以前に広域連合が用地選定を行った時に用いた評価基準をベースとし、さらに必要と考えられる項目を加えた事務局案をもとに検討。
用地面積は、従来から広域連合が必要と説明してきた2万5千平方メートル以上を確保できるかどうかという点を評価項目に盛り込んだほか、生活環境の保全という点からは、最も近い住宅群までの距離、施設の建設に伴い交通量増加が見込まれる道路と、通園、通学路との位置関係などを評価項目とした。防災面では、地盤の強弱、活断層の有無などに加え、増水時に周辺河川が氾濫する危険性がないかも評価項目にした。
近隣住民の受け入れに対する理解度については、評価のしかたが難しく、どのように点数化していくかという課題もあるが「何らかの形で考慮していく必要がある」との理由から、評価項目の一つとなったほか、地元住民しか知らない情報なども、評価の参考にしていくことになった。 -
原因は機械の誤動作か 西春近北小で暖房機爆発
伊那市の西春近北小学校で9日、温風暖房機が爆発した事故に関し、原因を調査した製造メーカーは、燃料の噴射や点火を制御するマイコン基板の不具合が原因と発表。21日、原因について製造元などから市教育委員会に報告があった。
温風暖房機を製造したIHI回転機械(東京都)が市教委に説明した内容によると、爆発は「マイコン基板内の電磁弁制御部の誤動作が直接の原因」。未燃油が暖房着火動作時の点火スパークに引火したという。
「マイコン基板の部分経年劣化、または、外的要因(ノイズの影響など)により不具合が生じた可能性が高い」とメーカー側。マイコン基板の誤動作による事故は今回が初めてだとしている。
市教委によると、メーカー側は機械の誤動作を認めていて、「取り替え工事には、誠意を見せて協力させてもらいたい」とのこと。現在、暖房機は故障中のため、同メーカーと話し合いながら早急に新しい暖房機を学校に入れる予定だ。 -
おいしいお米がやってくる場所
伊那谷は、実りの秋から冬支度の季節を迎えようとしている。田畑での収穫のほかにも、山に入ればきのこなど、さまざまな恵みを感じることができる季節でもある。古くから、こうした恵みに感謝して、収穫祭などがおこなわれ、次の恵みへの祈りを捧げてきた。豊かな大地があるからこその恵みを体感することができる暮らしがあった。
今回の朝の学舎のテーマは「実り」。伊那市美篶小学校5年生が、米を収穫し、味わう体験を追った。 -
伊那市ママさんバレー 「マザーズ」3年ぶり優勝
伊那市ママさんバレーボール協議会(平沢恵里会長)の第27回リーグ戦順位決定戦は17日夜、伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館であった。決勝戦は「マザーズ」がセットカウント2竏・で「コスモス」を破り、3年ぶりの優勝を飾った。3位は「めぐみ」。
昨年より1チーム少ない9チームが参加し、それぞれ6試合ずつ戦う変則リーグを5月末から展開し、リーグ戦の上位4チームが決勝と3位決定戦を行った。決勝は昨年と同じ組み合わせ。若手戦力を補強したマザーズが前年の雪辱を晴らした。
マザーズの酒井美季主将(31)=西春近=は「昨年のリーグ戦の負けが悔しく、この日をどうしても勝ちたかった。今年を最後にチームを去るメンバーのために勝利をささげることもできた。来年は連覇を狙いたい」と話した。
閉会式で平沢会長は「本年も盛大にリーグ戦を終えられたのもバレーボールの仲間の協力があったおかげ。バックアップしてくれた家族にも感謝してほしい」と本年のリーグ戦を締めくくった。
順位は次の通り。
(1)マザーズ(2)コスモス(3)めぐみ(4)荒井(5)たんぽぽ(6)トパーズ(7)ウィング(8)東春近(9)みなみ
リーグ連覇を果したマザーズのメンバー -
新山小で人権福祉講演会
伊那市の新山小学校は14日、同校体育館で児童と保護者を対象とした人権福祉講演会を開いた。約100人が集まり、脳性小児まひで両手の自由を失った冨永房枝さん(44)=長野市=の講演を聴講し、相手を思いやる気持ちを育んだ。
冨永さんは生後半年のとき、風邪の高熱が原因で体の障害を持った。両手が動かないことや呼吸がしにくいこと、うまく言葉をしゃべることができないことなど、ありのままの紹介を子どもたちは静かに聞き入った。
講演では、「好きだから続けてこれた」という、幼いころから始めた足によるキーボード演奏を披露。「両手は動かなくなっちゃったけど、逆に足でいろんなことができる」と冨永さんは、携帯電話や筆を器用に足で扱って見せたりした。
冨永さんは「障害が嫌で死んじゃおうかと思ったが世界でたった一人しかいない自分のことを好きになれたから、もう一度、生きようと思った。自分を好きになれば周りの人も好きになれるはず」と話していた。
足の指でキーボードを演奏する冨永さん -
伊那消防組合議会 通信指令システム更新を可決
伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村でつくる伊那消防組合(組合長・小坂樫男伊那市長)の組合議会臨時会が19日、市役所議場であった。物品の取得として、伊那消防署の通信指令システムの更新購入に関する1議案を原案通り可決した。
1991年から導入した通信指令システムが老朽化したため更新する。新システムは、災害情報を入力すると同時に音声合成装置で地図情報を記載した出動指令書で出動隊に指令を出すことが可能。指令するまでの時間短縮が期待できる。
富士通ゼネラル情報通信ネットワーク営業部(神奈川県川崎市)から7千297万5千円で取得。来年3月21日の納入を予定する。 -
ホームズ彗星満月大に 天文ボラ野口さん確認
伊那天文ボランティアサークル代表の野口輝雄さん=伊那市西箕輪=が、国立天文台の予想通り、大増光したホームズ彗星が満月大まで大きくなっているのを望遠鏡などを使って確認した。
ホームズ彗星は10月23日(世界時)、約17等の明るさで観測されたが24日午後10時12分(日本時)には約3・5等に増光。何らかの原因で、一時的に通常よりも大量のガスやちりを吹き出して光を増した。
同彗星は、放出された物質が拡散され、太陽光の反射で輝く様子が日に日に大きく見えている。野口さんは3日から彗星の写真撮影を続けていて、17日の彗星と、同じカメラ、望遠鏡を使い(拡大率同じ)撮影した18日の月の大きさを比較して見て、分かったという。
彗星は現在、北東のペルセウス座のα星のそばに位置。今後はだんだんと暗くなり、遠ざかって見えなくなっていくという。野口さんは「彗星が一気に明るくなるなんて、今まで見たことがない。貴重な体験となった」と話している。
満月大まで大きくなったホームズ彗星(17日・(右))と上弦の月(18日・(左))=野口さん撮影 -
はらぺこ保育園で焼き魚
伊那市富県の自由保育園「はらぺこ保育園」は20日、秋の味覚を味わうための調理会を開いた。
メニューは飯ごうで炊いた米と焼き魚、サツマイモとキノコと大根の味噌汁。同園では給食がなく(おにぎりなど持参)、園児たちは普段から味噌汁作りなど調理に積極的に参加している。食材を扱うのも手慣れたもの。野菜を切ったり、大根おろしを作ったり、園児たちは生き生きと料理に取り組んだ。
小林成親保育士は「簡単なことでも体験することが重要だと思う」と食育について語った。
同園では近々、ピザ作りや、餅つきを予定している。 -
竹内徹油絵展
信州高遠美術館の館長で一水会会員・日展会友の画家竹内徹さんの油絵展が20日、同市西春近かんてんぱぱホールで始まった。25日まで。
若いころに師匠とともに全国を写生しながら旅して回ったという竹内さん。信州に帰ってきてあらためて信州の美しさに心打たれたとのこと。それから信州の四季を20年間以上描き続けている。今回展示してある作品も、全て信州の風景を描いている。一水会展や日展入選作など近作60点(3縲・00号)。
「特にアルプスの残雪がすばらしい」と竹内さん。
五竜岳や西駒ケ岳の残雪を描いた作品や、高遠の桜を描いたものなど、訪れた人たちの目を楽しませていた。
午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後5時まで)。入場無料。 -
伊那市民149人が市土地開発公社の入札に関して監査請求
伊那市土地開発公社の測量、設計、許認可業務に関する発注、請負契約の不当性と、同公社のこうした不当な契約を認め続けている伊那市の違法性を問い20日、「公正な入札を実現する伊那市民の会」(若林敏明代表)の149人が、同市監査委員に対し住民監査請求を提出した=写真。
今回提出したのは市土地開発公社に対する請求と、伊那市に対する請求の2件。
市土地開発公社では現在、測量、設計、許認可業務に関する発注、請負契約において、「見積り入札」と称する地方自治法で認められた以外の方法を用いている。同会の調査によると、この方法では、入札者の立会いのもと行われる一般競争入札、指名競争入札と異なり、特定の業者から集めた見積書を職員だけで開札するなどといったことが行われている。市土地開発公社が提供した資料によると、見積り入札のもと、03年を除く01年から06年までの間、契約金額500万円以上となる入札4件を特定の業者1社が落札。また05年度に発注した6件、総額約3千万円の業務をすべて1社が受注。予定価格が1千万円以上となった2件も、同業者が予定価格の97・9パーセントで落札している。
同団体では、市土地開発公社という組織は市が全額出資する地方自治体順ずる組織でありながら、不透明な入札制度のもと、実際には特定の業者との随意契約を続けている同公社の違法性を指摘。また、こうした不当な契約を続ける同公社に全額出資する市の責任についても追求。必要な措置を求めている。
若林代表は「市民には『見積り入札』が一体何なのか分からない。実態を明らかにしてもらい、行政にはこれをきっかけに積極的な入札改革をしてもらいたい」と語った。
地方自治法では、市が資本金などの4分の1以上出資している組織に対する監査を認めているが、住民監査請求の提出は異例。
同市監査委員は今後、受け付けの翌日から60日以内に受理するかを含めて審査し、監査結果を通知する。 -
伊那市で人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会
北海道犬を活用した野生動物の追い払い事業を開始する伊那市は19日夜、「人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会」を市役所で開いた。一般など約110人が参加。元北海道大学助教授で市が同事業を委託する鈴木延夫氏が、北海道犬の特性やしつけ方、野生動物と共生実現に向けた取り組みについて講演した=写真。
同事業は農作物に対する有害鳥獣被害が増加する中、市が打開策として9月から開始しているもの。北海道犬が野生動物を追獣することで、農作物への被害を最小限に抑えようと考えている。現在は鈴木氏が市で購入した北海道犬数頭の訓練をしているが、今後、事業展開の中で一般市民の協力が必要となるため、同事業への理解を深めてもらおうと今回の講演会を企画した。
鈴木氏は、テリトリー意識の強い北海道犬は、その範囲に入ってくる侵入者を追い払おうとする性質があることを説明。一方、土佐犬などのように相手をかみ殺そうとする特性はないとした。また、主人に対する忠誠心が強く、主人以外には従わない性質もあるが、「それは訓練により解消できる」とした。
また、今回「追い払い」を選択したことに関しては、野生との共生が結果として人間のメリットになることを示し「野生に一歩譲り、野生が出すぎているところには一歩下がってもらう中で、共存の方程式を作っていってはどうか」と語った。
会場からは、猟友会との摩擦を危惧する質問などがあったが、鈴木氏は「そのことについてはプロジェクトが始まる段階で市に懇談するようお願いしている。早い時期にお互いの主張をかみ合わせられるよう、市の方で調整していただけると思っている」とした。 -
戸草ダム建設予定地視察 高遠町、長谷の対策協
伊那市三峰川総合開発事業対策協議会の高遠町、長谷の両地域対策協議会は21日、三峰川上流に設ける戸草ダム建設予定地などを現地視察した。協議会委員ら約50人が集まり、事業に取り組む国土交通省三峰川総合開発工事事務所(長谷)の説明で計画の概要などを確認した。
伊那市三峰川総合開発事業対策協議会の地域対策協議会として11月上旬に発足した高遠町地域対策協議会の企画。本格着手が遅れている戸草ダムに対し、委員の関心を高めるため長谷地域協議会と合同で現地視察した。
三峰川総合開発工事事務所は、工事が遅れている現状などを報告。03年度の事業評価監視委員会で戸草ダム建設は今後、「天竜川流域委員会」の審議結果を踏まえて対応することになっている竏窒ネどと説明した。
戸草ダム建設予定地を視察する委員ら -
伊那市富県で山林火災
17日午後4時21分ごろ、伊那市富県貝沼の高烏谷(たかずや)山の山腹2個所で煙が上がっていると住民から119番通報があった。伊那消防署は同地籍の林道沿いと尾根が燃えているのを確認し、18日午前8時10分までにすべてを消火。計約1700平方メートルを焼いた。いずれも現場近くに人家はなく、けが人はいない。伊那署などが出火原因を捜査中。 伊那消防署の調べだと、林道沿いの出火はプラスチック廃材や落ち葉など25平方メートルを焼き、17日午後5時51分に消し止めたが、尾根の消火活動は夜間となるため一時中断。翌朝、県防災ヘリコプターも出動、活動を再開した。松林の落ち葉など1650平方メートルを焼いた。
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山荘ミルクで「和み」
伊那市横山の「山荘ミルク」で17日、音楽や絵画、陶芸や紙芝居など様々な分野で活動する人たちが集い、発表するイベント「和み」が開かれた。老若男女およそ60人が参加して、週末の一夜を楽しんだ。
「文化祭のように、みんなで楽しめれば」とイベント「和み」の運営スタッフ代表原将太郎さん。もともと「和み」は、原さんが友人たちと組んだアコースティックバンドの名前。老人施設や病院を回って、ボランティア演奏をするなど福祉活動に取り組んできた。バンド活動を通じて知合った仲間や、その知人などとともにイベント「和み」を始めてからも、福祉へとり組む志は変わっておらず、入場料などは「和みbank」として貯金。目標金額に達したら車椅子の購入を考えている。
バンド「和み」やその友人のバンドが演奏する間には、保育園や老人施設などでボランティア公演している紙芝居劇団「糸ぐるま」の久保田文子さんがきり絵の紙芝居を披露した。
「若い人たちに紙芝居を見てもらえてよかった」と久保田さん。会場にはきり絵も展示した。
久保田さんの作品のほかにも、絵画や陶芸などさまざまな作品が展示してあり、原さんの目指す「社会人の文化祭」という言葉通りのイベントだった。 -
箕輪町精神保健福祉講演会
箕輪町と伊那保健所は17日、「箕輪町精神保健福祉講演会」を同町保健センターで開いた。ボランティア関係者や、精神障害者就労支援センター利用者、地域住民などおよそ60人が参加した。
講師は愛知県の障害者地域生活支援センターなどの施設長を務める青木邦子さん。「助け合う心に地域づくり」をテーマにり、心の病気やそれに対する社会の理解などについて語った。
「生活をしていると心の中のコップにストレスがたまっていく。水があるふれる時に、自殺や心の病になる。環境を変えたり、うまくストレスを抜いて、いつも余裕を持たせておくこと」と自分の体験談を交えながら分かりやすく話す青木さんの言葉を、聴講者は真剣な表情で聞いていた。
青木さんは「体の健康と同じくらい、心の健康にも気を使って欲しい」と訴えた。 -
西箕輪南部保育園の園児らが秋の味覚、サンマの炭火焼きを味わう
秋の味覚を炭火で味わおう竏窒ニ伊那市の西箕輪南部保育園(塚本晶子園長)の園児らが19日、サンマの炭火焼きを味わった。
旬の食材を知り、骨のある魚のほぐし方、食べ方を身につけてもらうことを目的とした今回のイベントでは、炭火焼の様子や香りなどを実際に体験しよう竏窒ニ、園庭での炭火焼を企画。この日のために園児の保護者が用意したU字型の炭火焼き器を用い、園児らは網の上で焼かれていくサンマの様子を見学=写真。香ばしい香りが漂い始めると「ぱちぱち音がする」「いいにおいがする」と歓声を挙げた。
衛生面への配慮から、炭火で焼いたサンマは一口ずつしか食べられなかったが、給食には調理室で焼いたサンマが並び、はしで骨を取り除きながら旬の味を楽しんだ。
塚本園長は「旬の食材のおいしい食べ方を見て、ひと味ずつ味わう中で『おいしいね』と感じてもらえれば」と話していた。 -
東春近小学校4年生 大きく実ったリンゴ収穫
伊那市の東春近小学校4年生を対象とした恒例の「りんご体験学習」が20日、学校近くの伊藤一路(80)さん、豊子(77)さん夫婦=田原=の果樹園であった。4月末からリンゴの成長を見守ってきた児童62人(2クラス)がリンゴを収穫した。
農家について理解を深めるための学習で、同学年はこれまでに摘果など2回、果樹園の仕事を手伝っている。この日は待ちに待った収穫の日。児童たちは約60本の木から丸々と大きく成長したリンゴ(品種・ふじ)を丁寧に摘み、約2時間で作業を終わらせた。
三石涼君と小森翔矢君(いずれも10歳)は「最初から収穫まであっという間だった。リンゴが真っ赤に大きくなっていてびっくり。食べてみたらみつも大量に入っていて甘かった」と話していた。
4年生は来年2月、伊藤さん夫婦を学校に招き、学習発表会を開く予定。
大きく実ったリンゴを喜ぶ児童ら -
上伊那社会教育関係者懇談会
生涯学習などに携わる関係者による上伊那社会教育関係者懇談会が15日、伊那市の生涯学習センターであった。上伊那地区の公民館長や社会教育指導員、市町村教育委員など約100人が参加。講演会や懇談会を通して、地域における子育て支援の具体的な方策について話し合った。
講演会では、東京都日野市の「子どもの人権オンブズマン」として活動してきた平清太郎さんが、これまでの取り組みを振り返りながら「地域における子育て支援」について講演=写真。平さんは保育園での母親による児童虐待や教師の一言で学校に行けなくなった児童との関わりを語りながら、「地域で支えたり、支え合ったりする環境が豊かであれば、虐待までつながらないと思う。『大丈夫だよ』と言ってくれる親や大人がいれば、救われる子どもや母親がいる」と訴えた。
また、「生涯学習」に対する世間の注目が高まり、子どもを対象としたイベントも増えているが、本当の意味での「子育て支援」については、どこの地域でも希薄になっている実情を指摘。
「行政、民間など各関係者がきちんとした認識を持ち、どういう支援をしていくかが重要な課題」とした。
その後の分散会では、それぞれの立場でできる地域の子育て支援について話し合った。