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信州高遠美術館開館15周年記念展開始
伊那市の信州高遠美術館は6月17日まで、開館15周年記念「画業70年の軌跡 田中春弥展」を開いている。それに伴ない19日、オープニングセレモニーが同館であり、自身の作品について語る田中さんのギャラリートークなどが来場者を楽しませた=写真。
田中さんは福岡県出身。東京美術学校卒業後、一水会、日展などで入選し、1993年には白馬村のジャンプ台を描いた「信州白馬ジャンプ競技場」で日展文部大臣賞を受賞。また、同年からは大町市にアトリエを移して制作活動を続けており、旧高遠町の時から続く全国公募絵画展「信州高遠の四季展」の審査員も務めている。
今回は各展覧会に出展した田中さんの代表作24点を展示。その一つ「阿云九十二」は、92歳までの自身の自画像を描いた一枚となっており、少年期から満州へ出兵した当時、現代までの自画像を自身の軌跡として描く一方、90年間の時代の変遷をも写している。
また、メキシコの先住民族を描いた「パツクロアロ広場の親子」娘の文化祭を訪れた時の様子を描いた「小さい秋みつけた」などさまざまな作品が並んでいる。
午前9時縲恁゚後5時(入館は午後4時半まで)。入館料は一般500円、小中学生150円。 -
プロドライバー事故防止コンクール
交通安全や事故防止などに向けた事業所の取り組みを審査した「第29回プロドライバー事故防止コンクール」(県交通安全協会など主催)の伝達表彰が17日、伊那署であった。優秀賞などを受賞した同署管内の5事業所の関係者が小嶋惣逸署長から表彰状を受け取った。
受賞した事業所は、優秀賞の「伊那タクシー」(伊那市)、「白川タクシー」(同)の2事業所と、優良賞の「丸登運送伊那営業所」(南箕輪村)、「日英タクシー」(箕輪町)、「高遠観光タクシー」(伊那市高遠町)3事業所。
プロドライバーが模範となり一般ドライバーの安全意識の高揚を促すためのコンクール。タクシー、バス、トラック部門に県下から653事業所が参加し、各事業所が取り組む交通安全に関する研修会やドライバー指導などの内容を評価し、最優秀賞33事業所、優秀賞40事業所、優良賞67事業所を選んだ。
優秀賞受賞の白川タクシーでは、交通安全の研修会を年間4回開いたり、毎日の点呼でドライバーの健康状態を把握したりして従業員の事故防止を目指してきた。白川吉朗社長は「一人ひとりが事故防止を心がけてきた結果が出て嬉しい」と話した。
5月8日、長野市で表彰式があり、同署管内の伊那バス(伊那市)が最優秀賞を受賞。また、同事業所の牧内裕子さんの標語「心技体すべてが模範のプロドライバー」が同コンクールの最優秀標語として選ばれている。 -
高遠町婦人会総会
伊那市高遠町婦人会(会員110人)は13日、07年度総会を高遠町福祉センターで開いた。本年度の事業計画と予算案を承認したほか、丸田南枝会長をはじめとした本年度の役員体制を紹介した。
本年度同会では、高遠っ子みまもり隊への参加やプールの草取りなどといったボランティア活動などに重点を置きながら公民館学級、盆踊り大会などといった活動に参加し、地域づくりの主体として、さまざまな取り組みを進めていく。
丸田会長は、行政に頼ることなく、金銭的メリットもないが、地域のために活動するのが本来の婦人会ではないかという過去に聞いた話を紹介し「会員の減少、高齢化、若い人が入ってくれないなど、悩みは尽きないが、自然体で楽しみながら高遠町婦人会としてやっていけたらと思う」と語った。
本年度の役員は次のみなさん。
◇会長=丸田南枝(番匠)
◇副会長=福沢初子(常盤)
◇総務=春日日出子(小原)
◇会計=安部幸子(五番)
◇監事=黒河内文江(本町)春日悦子(新町) -
第16回信州伊那井月俳句大会
漂泊の俳人、井上井月をしのんで毎年開催している「第16回信州伊那井月俳句大会」が13日、伊那市高遠町の高遠閣であった。一般1865句、小中学生9478句の中から選ばれた入賞者を表彰したほか、当日句吟行などもあり、参加者は歴史のある高遠城址を歩きながらそれぞれの思いを作品につづった。
井月没後120年に当たる今年は、昨年の合併で新伊那市となり、歴史的な出来事とのゆかりが深い高遠町での開催を企画。今回は一般、小中学生の部ともに投句者数が前回を上回り、一般の部に380人、小中学生の部に3529人からの応募があった。特に小中学生の応募は過去最多。地域別では県内の他地域からの応募が多く247人。県外からの応募もあった。
小中学生の応募作品は、子どもの感性で見つめた発想豊かな作品が主に入選作に選ばれ、春日愚良子信州井月会会長は「子どもの場合、言葉の中に大人のあかがついていないことが大切。周りにこだわらず、子どもの発想で自由に詠んだものほど読む人に新鮮な印象を与える」と講評。また、一般では伊那市の河野ふさ子さんの作品「井月の墓に立ち寄る雪婆」が大賞を受賞したほか、岡谷市の宮下白泉さんの「泳ぎゐて海と一緒に祓はるる」が伊那毎日新聞社賞を受賞している。 -
高遠高校同窓会代議委員会が校名検討を承認
高遠高校同窓会代議員会(井口公雄会長)は12日、総会を開き、08年度から導入する新カリキュラムに合わせ、校名検討を進めたいとする学校側の提案を承認した。
高校改革プランに伴う高校の再編整備が進む中、同校では今後の生き残りをかけて新カリキュラムの導入を検討してきた。校名についても、検討を求める声が挙がっており、今年2月の「将来の高遠高校を考える会」で校名検討を提案。しかし、一部から「なぜ変える必要があるのか」といった声が挙がったため、進行をストップし、同窓会の役員会など話し合いを行いながら校名検討実施に向けた調整を図ってきた。
学校は「校名検討は何が何でも変更しようとするものではない」と強調。今後、25日に開く高遠高校振興会理事会と将来の高遠高校を考える会で再び校名検討の是非を問い、承認が得られれば一般から広く校名を募集していく。しかし、現状のままが良い場合には現在の名前をそのまま書いて応募することもできる。 -
伊那市の同報無線がデジタル方式で一元化に
伊那市は3市町村合併に伴い、旧市町村で個別に整備していたアナログ同報無線を統合接続し、新市庁舎から市内全体に防災情報を伝達するデジタル方式によるシステムを構築した。10日、市役所で総務省信越総合通信局より無線局免許状が小坂樫男市長へ手渡され、同システムの運用が同日から始まった。
市消防防災課によると、合併特例法期限内に合併した市町村内ではデジタル方式の同報無線システムを構築したのは同信越総合通信局管内(長野県、新潟県)で初めて。「(合併特例法期間内で)1番最後に合併し、最初にデジタル方式を取り入れた」(関係者)ことになるという。
今後、計画される各アナログ同報無線のデジタル化更新へのスムーズな移行を目指すため、デジタル方式による通信方法を採用。旧市町村役場の既設アナログ親局を運用しながら新庁舎のデジタル親局を用いて各アナログ親局間を接続した。
これまでは、各旧市町村の親局からそれぞれの地区の屋外スピーカー(伊那地区147本、高遠町地区12本、長谷地区15本)へ防災情報などを流す方法のみのため新庁舎から情報を伝える場合は電話やFAXで高遠町、長谷地区の旧役場へ情報内容を連絡していた。通信方法を一元化しことにより、電話で内容を伝えるなどの手間が省けたため迅速な情報の共有が可能となった。
システムの構築は06年事業で、総額約6千400万円(うち95パーセントは合併特例債を使用)。事業費には、接続工事費のほか、既存のアナログ親局がデジタル波を受けるための装置や、デジタル親局の遠隔制御装置(伊那消防署と防災対策本部へ設置)の費用などが含まれている。
新庁舎に設置したデジタル親局の使用方法を確認する職員 -
城下・灯ろう祭りを一本化
伊那市観光協会高遠支部は主催イベントを見直し、城下まつりと灯ろう祭を一本化することを決めた。7日夜、高遠町地域協議会の第2回会議で報告した。
見直しは行政改革の一環。だるま市、さくら祭り、秋まつり、灯ろう祭の4大イベントとし、ほたるまつりなどは廃止する。
7月末に開く城下まつりと、9月中旬の灯ろう祭を一本化し、8月初旬の伊那まつりや農繁期と重ならないように日程をずらした。「高遠ご城下灯ろう祭り」(仮称)として、9月1日に開く予定。
内容案は郷土芸能発表、みこし、長持ちや騎馬行列など地域の出し物など。
5月中に実行委員会を組織し、内容を検討する。
委員から「文化活動を行革の対象とするのはおかしい」「一本化によって、まつりの良さが消えないか心配する」と疑問もあったが、検討経過を踏まえ、理解を求めた。また、住民のかかわり方の重要性や、ほおずきちょうちんが灯った雰囲気を多くの人が楽しめる夜イベントの企画など意見が挙がった。
高遠支部おまつりプロジェクト委員会の松井教一委員長は「大勢の人が楽しめる祭りにしたい」と述べた。 -
高遠北小3年生が商店街で聞き取り調査
伊那市の高遠北小学校3年生(池上あやか教諭、11人)は8日、高遠町の商店街で聞き取り調査をした。
2年生のときから、地域学習として社会科の授業を兼ね、豆腐作りや製造業の作業現場などを見てきた。
今回、商店街を取り上げた。児童たちは2班に分かれ、衣料品店や飲食店、酒店、菓子店、旅館などを回った。「おばあちゃんとよく買い物に来る」「このお菓子は、ほかより1円安い」など店内を見て歩き、店主らに売れ筋やお勧め商品、営業時間、仕入れ先などを尋ねた。「売れるために、何をしていますか」と厳しい質問も飛び出し、飲食店の社長は「賞味期限があるから、新鮮なものを置くように気をつけている」と答えた。
調査の結果は、児童たちが撮った写真を使い、絵地図や壁新聞にまとめたいとしている。
今後、市役所、警察署なども見学する予定。 -
満光寺で花祭り
伊那市高遠町の満光寺で7日、釈迦(しゃか)の誕生を祝う月遅れの花祭り法要があった。高遠町、長谷の寺院26でつくる東部仏教会・総代会に加え、地元の保育園児約50人も参列した。
釈迦の誕生日は4月8日だが、花見時期で混雑するなどから1カ月遅らせ、高遠町と長谷の寺院が合同でしている。
高遠第一、第四、長谷の3保育園年長児は交代しながらひしゃくを持ち、本堂に設けた花御堂に立つ釈迦像へ甘茶をかけた。
そのあと、甘茶を飲んだり、釈迦の一生を解説した映像を見たりした。
花祭りと合わせ、総代会総会や町内の郷土史研究家矢沢章一さんの「風林火山・武田の女性たち」と題する講演会もあった。 -
茶用の八重桜 摘み取り始まる
伊那市商工会女性部高遠支部(守屋恵子部長)は3日から、花漬け「桜志津久(しずく)」用の八重桜の摘み取りを始めた。今シーズンは約100縲・50キロ分を作る計画で、3縲・回に分けて花を摘む。
花漬けは、20年以上続く取り組み。例年200キロを作り、好評を得ているが、会員の減少などで負担が大きく、量を減らした。
初日、高遠町文化体育館横での摘み取り作業には部員10人が参加。
手が届かないところは脚立を使い、8分咲きした八重桜を手際よく一輪ずつ摘んだ。
花は、その日のうちに、がくを取るなどせん別し、水洗いして塩で仮漬けした。
後日、仮漬けした花を干し、本漬けする。
例年、高遠城址公園の「さくら祭り」で手作りのさくら茶をサービスし、花見客に喜ばれている。 -
街頭犯罪抑止呼びかける
伊那署は、地元の防犯ボランティアの協力を得て、「街頭犯罪等抑止総合対策強化月間」の初日の1日、管内の大型店4カ所で街頭啓発をした。
アピタ伊那店、ジャスコ箕輪店、ケーヨーホームセンターニシザワ南箕輪店などで実施。伊那少年友の会、伊那エンジェルス隊など約80人が参加し、啓発チラシなど1600枚を買い物客らに配った。
アピタ伊那店には、伊那市防犯協会女性部員らボランティア約30人が参加。自転車の盗難や車上狙い防止などを訴える狙いのチラシを配布し、市民に犯罪抑止を呼びかけた。
同署によると管内で発生した07年の1縲・月までの刑法犯罪は222件で前年同期と比べて42件の増加(22・3%増)。小嶋惣逸署長は「この時期に抑えることで1年間の犯罪抑止につなげたい」と話した。 -
保科正之生誕記念講演会
伊那市観光協会がNHKの大河ドラマ化を目指して署名活動を進めている保科正之公の生誕396年記念講演会が29日、伊那市高遠城址の高遠閣であった。伊那市のふるさと大使で直木賞作家の中村彰彦さんが「名君 保科正之と武士道の精神」を演題に講演=写真。約250人が集まり、保科正之が目指した当時の政治と武士道について学んだ。
中村さんは「保科正之が磐石な重みを持って慕われる理由は素晴らしい政治をしたから」と語り、徳川3代将軍・家光の弟でありながらおごる所がなかった人柄や高遠3万石の藩主として民のための政治に取り組んだことを解説。家光の死後は11歳という若さで将軍になった家綱の補佐役として、取り潰しの緩和や殉死の禁止、大名証人制度の廃止などに取り組み、社会の不安定要素や理人情な制度是正に努めたほか、会津藩主としては収穫した米の一部を貯めておき、飢饉の時に貸し出す「社倉法」という飢饉対策を打ち出したことを紹介。
豊作の場合は2割の利息を付けて返済するようになっているが、不況だった場合は返さなくてよい制度となっており、こうした取り組みの結果として会津人口は増加し、国力の増強につながったことなどを説明した。 -
上伊那圏域障害者総合支援センターのピアカウンセラー
伊那市高遠町
堀川さゆみさん(26)ピアカウンセリングとは障害を持つカウンセラーが同じく障害を持つ相談者の悩みを聞くもの。相談者に近い立場から悩みや不安を聞きながらコンプレックスなどをプラスの方向に変え、その人らしく生きていくためのアドバイスをする。
「ピアカウンセラーは障害を持った人に寄り添って一緒に歩んでいく仕事。でも、やっぱり自分と利用者さんは別の人格を持った人間だし、一人ひとり考え方も生活も違う。客観的にみて、時には厳しいアドバイスをせざるを得ないこともあるのでそれは辛いです。それでも『何となく分かった』って言ってもらえると嬉しい」
◇ ◇
生まれつき軽度な脳性まひがあったが、周囲の人たちに支えられながら障害のない子どもたちと同じ学校で学び、大学にも進学。「みんなと同じ」という価値観の中で育てられた。しかし、その一方でほかの人が当たり前にしていることを自分は当たり前にできない現実も知る。「普通でいいんだよ」。周囲の人たちは優しく自分を励ましてくれたが、そんな優しさがかえって心苦しい時もあった。
「今思い返してみると、あの頃は『普通』ということにこだわりすぎて、結構無理をしていた。自分には難しいことも『ほら、できたでしょ』ってやっていた気がします。そんな自分にも心のどこかで心苦しさを感じていたんだと思います」
◇ ◇
ピアカウンセリングと出合ったのは大学3年生の時。たまたま参加した講演会の講師として、ピアカウンセラーが招かれていた。
重度の障害を持ったその人は、普段の生活は施設で過ごし、仕事の時だけはタイムケアを受けながらカウンセリングを行っているという。「障害を持って生まれてこなければ今の仕事には就いていなかった。障害は今の自分にとって誇り」。そう語る姿が強く印象に残り、ピアカウンセラーに興味を抱いた。
その後、1年ほどは障害をオープンにすることについて悩んでいたが、卒業を控え、記念の意味を込めて軽い気持ちでピアカウンセラーの講習会に参加することを決めた。
「その講習が衝撃的だったんです。それまでの自分は、どちらかというと障害を否定する時間が多かった。でも、その講習は何が何でも肯定しようというもの。例えば、手が震えて水が飲めない人は、自分で水を飲むことはできなくても、美人な人に水を飲ませてくださいって言うチャンスがあるっていう風に。冗談みたいな話だけど、そうやって自分の中の価値観を変えていかないと、自分自身も変わっていかないんだって分かったんです」
その後も各地の研修会に参加。人の本当の部分を聞くためには、何よりも信頼関係を築くことが大切であることも実感した。
「利用者さんの悩みを聞いていると、自分の悩みとリンクする部分も多いので、それを一緒に解消していくことを通じて知らないうちに自分の悩みが解放されていることも多いんです。自分の経験を大切にしながらも、客観性は保っていきたいと思っています。頼られるというより、親しみ易いピアカウンセラーになれたら」
ピアカウンセリングに関する問い合わせは上伊那圏域障害者総合支援センター(TEL74・5627)へ。 -
薬師堂のシダレザクラ満開
樹齢140年を超える伊那市高遠町勝間にある薬師堂のシダレザクラが見ごろを迎えている。高さ20メートルほどの大木で、県内外から来たアマチュアカメラマンらを圧倒している。
シダレザクラは1854縲・0年ごろ、勝間の里人が植樹したといわれる。「枝が幾重にも重なり、天から流れ落ちる滝のよう。薬師堂とともに、一幅の絵になる」と表現される。
訪れた人は桜を見上げ、撮影ポイントを選びながら、さまざまな角度でシャッターを切った。
愛知県から来た夫婦連れは、高遠城址公園の桜を見たあと、薬師堂に立ち寄った。「ちょうど満開で見事」と話し、しばらく見入っていた。 -
信州高遠生活学校が開始
学級、学年単位で伊那市高遠町の国立信州高遠青少年自然の家に泊り込み、普段とは違う環境の中で勉強から日常生活までを友人らとともにする「信州高遠生活学校」が16日、始まった。16日は伊那市の西春近北小学校6年生37人が同施設を訪れ、自然学習や野外炊飯などに挑戦した。
同施設が学校との連絡協力推進事業として取り組んでいるもので4年目。同施設で共同生活しながら、基本的な生活習慣や自主性などを身に付けてもらい、助け合いの精神や豊かな人間性を培うことを目的としている。
毎年地元小学校の高学年クラスへの参加呼びかけを行ってきたが、今年は例年よりも多い7校8組が参加を申し出た。
6年生は4泊5日の日程で同施設での生活に臨む西春近北小の6年生は、今回初めて同事業に参加。総合的学習の中で自然探索や暗闇体験、星の観察会など、ここでしかできない体験を多く盛り込んだ。
野外炊飯では、なたを使ってまき作りから挑戦=写真。初めて触れるなたに戸惑いつつも、けがをしないよう、仲間と協力し合いまき作りに励んでいた。 参加した学校関係者からは「普段と違う環境の中で学習に取り組むことで児童らの集中力が挙がった」「生徒一人ひとりの違う一面が見えてくるようになった」などといった声が聞かれるという。 -
桜の下 高遠ばやし巡行
タカトオコヒガンザクラが見ごろを迎えた高遠城址公園で12日夜、高遠ばやしの巡行があった。ライトアップされた公園内に、三味線や横笛、鼓などの音色が響き渡った。
高遠ばやし保存会員18人は高張ちょうちんを先頭に、高遠閣を出発、公園内を回った。行きはテンポの緩い本ばやし「松ばやし」「南蛮ばやし」、帰りはテンポの早い帰りばやし「御琴ばやし」「せのおばやし」を演奏。
桜を引き立てるように、会員もピンク色の法被に、花笠をかぶり、華やか。花見客が写真に収めていた。
観桜期に合わせた演奏は5年目。小松友衛会長は「満開の桜を見ながらの巡行は初めて。高遠ばやしはまつりのはやしだから、自分たちも楽しんでいる」と話した。
高遠ばやしは8つの町内に残り、それぞれが独自の曲を持つ。
16日も午後7時から、巡行がある。雨天中止。 -
さくら功労者 伊那市役所訪問
桜の保護、植栽などの活動に対し全国表彰する、日本さくらの会の「さくら功労者」に選ばれた伊那市内3団体の代表者が11日、市役所を訪れ、小坂樫男市長に受賞を報告した。昨年より1団体多い3団体の受賞に、小坂市長も「伊那市からこれほど選ばれるのはすごい」と喜び、それぞれの活動を称えた。
受賞したのは、自分たちの学校や美和湖周辺などの木の治療に2年半の間従事した「伊那小学校6年勇組」と高遠の花の丘公園で約15年間、桜の保護育成活動に取り組む「高遠地区区会」「JA上伊那東部支所」の計3団体。4日、東京都であった第42回さくら祭り中央大会に参加し、表彰状や桜の絵柄の入った湯のみのを受け取ってきた。
勇組の34人は、本年度中学校へ進学したが自分たちで育て、三峰川沿いに植樹した桜の苗を管理するためサークルを結成した。この日は、サークル正副長や元担任教師4人が訪問。サークル長の宮島優哉君(12)は「これまでの活動が評価されたのでこれからも活動を続けたい」と感想を述べた。
高遠地区区長会の飯島明会長は「先輩たちのやってきた功績が認められてうれしい」。JA上伊那東部支所の伊藤昭人支所長は「今まで以上に活動に取り組みたい」と話した。
「さくら功労者」を受賞した3団体の皆さん -
タカトオコヒガンザクラが満開
「天下第一の桜」と称され、県の天然記念物に指定される高遠城址公園のタカトオコヒガンザクラが12日、満開となった。県内外から花見客が訪れ、連日、にぎわいを見せている。
公園内には、樹齢130年を超える古木を含めて1500本以上がある。木が高く伸び、薄紅色のやや小ぶりな花が咲くのが特徴。
桜守・稲辺謙次郎さんによると、雨が降らなければ1週間ほど花持ちする。花びらの色の濃さの違いをそれぞれ見て歩く楽しみ方もある。
穏やかな天候で、家族連れなどが桜を見ながら飲食を楽しんだり、人気のカメラスポットの一つ、桜雲橋付近で盛んにシャッターを切る花見客が目立つ。
入園料は一般500円、小中学生250円。 -
英語で観光ガイドクラブが高遠城址公園でお花見研修会
上伊那在住の有志でつくる英語で観光ガイドクラブ(会員20人、倉田嘉明代表)は10日夜、高遠城址公園で現場研修を開いた。高遠町のボランティアガイドに取り組む「高遠ふきのとうの会」の北村勝彦会長を迎え、タカトオコヒガンザクラのゆえんや高遠城址の歴史について学んだ。
同会は外国人旅行者などに地元の名所や歴史を英語で案内できる人材を育てる目的で今年1月に発足。自分たちが知らない地元の歴史を学んだり観光案内用の英文翻訳などに取り組みながら英語で観光案内するノウハウを学んでいる。
現場研修は今回が初めて。高遠城址は日本有数のサクラの名所として知られる地元観光名所の一つだが、歴史などについては会員たち自身が知らないことも多いため、改めて歴史的背景などを学ぶ研修を企画した。
北村さんは、公園内に約1500本近いサクラが植樹されていることや、エドヒガンザクラの交配種で、この地の固有の種類であることから「タカトオコヒガンザクラ」と名付けられたことを説明。
参加者から「伝説でタカトオコヒガンザクラの色が赤いのは血を吸った色だと言われるが」といった質問がでると、「ここは織田勢と仁科五郎盛信の激戦となった場所で、たくさんの人が自沈している。そういう血がサクラの色になっていると小さい時から聞かされた」と応えていた。
同クラブは現在会員を募集している。
申し込み・問い合わせは伊那国際交流協会(TEL72・7706)へ。 -
高遠城址公園でさくら茶いかが
高遠城址公園で10縲・2日、伊那市商工会女性部高遠支部(守屋恵子部長)が花見客にさくら茶をサービスしている。
公園内のタカトオコヒガンザクラは5分咲きで、花見客が多く、サービスコーナーもにぎわった。
さくら茶は部員の手作りで、地元産の八重桜を1年間、塩づけにした「桜志津久(さくらしずく)」を使用。湯の中で桜の花びらが広がり、初日から花見客に喜ばれた。
このサービスは「1杯のお茶で、来てくれた人をもてなしたい」と20年ほど続いているもの。昨年まで1日間のみだったが、3日間に増やした。
サービスは午前10時から。高遠名物の高遠まんじゅうの試食も合わせ、1日2千人分を用意している。 -
高遠城址公園 有料入園者650万人を達成
「天下第一の桜」を宣言する伊那市の高遠城址公園の有料入園者数が10日正午すぎ、650万人を達成した。市などは650万人目と前後2人ずつに記念品を贈った。
650万人目は、松本市の主婦青木簾子さん(70)。「ずっと来たいと思っていた」と長女と一緒に、初めて訪れた。「話には聞いていたけど、花の色が濃くてすばらしい。機会があれば、また来たい」と喜んだ。
前後の各2人は、愛知県や東京都から来た家族連れなどだった。
記念品としてタカトオコヒガンザクラの苗木をはじめ、高遠まんじゅう、気の里の水、みはらしいちご園の入園券などをそれぞれ贈った。
公園内のタカトオコヒガンザクラ約1500本(10日現在)は5分咲き。11日には8分咲きになるとみられる。
有料化になったのは1983(昭和58)年で、年間30万人弱が入園。今シーズンは35万人以上を見込む。 -
高遠城址公園 タカトオコヒガンザクラ開花宣言
伊那市は5日、桜の名所として知られる高遠城址公園のタカトオコヒガンザクラの開花宣言を出した。昨年に比べて8日早く、見ごろは12日前後。
桜は、公園内南口付近で咲き始めた。
混雑はないものの、県内外から花見客が訪れ、桜を見ながら弁当を食べたり、花びらをカメラに収めたりしてゆっくりと散策。
東京都から来たある夫妻は「これだけ本数があると、満開はきれいでしょうね。機会があれば、上空から見てみたい」と話していた。
公園内には、タカトオコヒガンザクラ1500本がある。花は濃い紅色で、雲のようにもくもくと咲くのが特徴。60年、県天然記念物の指定を受けている。
高遠の桜情報は、テレフォンサービス(TEL94・3939)で受け付けている。
入園料は一般500円、小中学生250円。 -
子育て支援センター充実 伊那市
伊那市は3日、旧富県北部保育園と高遠町図書館2階・視聴覚室の計2個所へ、新たに「子育て支援センター」を開所した。富県は老朽化の進む東春近の施設からの移転で、高遠町は新設。この日、高遠町のセンターでは、早くも子ども連れの親子約10組が訪れ、遊具などで楽しんだ。
子育て支援センターは、小学校入学前の子どもと、その親を対象とした親子の触れ合いの場として約10年前に開設。高遠町地区からのニーズに答えてセンターを増所したことにより、現在市内に4個所ある。
各施設には特徴があり、今回開所した富県は、旧保育園の施設利用により園庭の砂場やプールが利用できる。高遠は図書館がある施設へ開設したため、親子の読み聞かせを楽しむことができるという。
市子育て支援課によると、センターの利用状況は年々増加の傾向。06年度の2月までの累計利用者延べ人数は、前年度比2172人増の2万1040人だった。
各センターでは、月一回の子育て講座で、保育士や栄養士などによる運動遊びや絵本の読み聞かせなども実施している。
各センターの開設時間は次の通り。
▽富県・竜南=月曜日縲恚燉j日、午前9時縲恁゚後4時▽上の原=毎日、午前9時縲恁゚後4時(土・日曜日、祝日は午後3時まで)▽高遠=毎週火・金曜日、午前9時30分縲恁゚後12時30分
表札を掲げる小坂樫男市長と利用者ら(高遠町図書館) -
伊那市商工会 始動
伊那市の高遠町商工会、長谷村商工会、西春近商工会が合併して誕生した「伊那市商工会」は3日、前高遠町商工会で開所式を開いた。1市町村に1商工団体を原則とする県の方針に伴い、市内にある3商工会は商工会議所との一本化を視野に入れ、1日に合併した。
09年度までに一本化しなければ補助金の確保ができないため、前段として合併。長谷村、西春近を解散し、高遠町を存続する定款変更合併で、経営改善事業を一本化し、地域振興事業はそれぞれの商工会が支部として取り組んでいくという。
合併により、新商工会への県の補助金は、前年度の3商工会の合計金額の90%額を確保し、同額の補助は09年度まで続くという。県はこの期間を商工団体一本化までの準備期間としている。
同商工会は、広域化、多様化する小規模事業者の指導ニーズへの対応、商工事業の効率で効果的な取り組みを図る。開所式で森本光洋会長(前高遠町商工会長)は「事業のさらなる充実に務め、地域に根ざして頑張っていきたい」と語った。
5月17日には総会があり、役員を決めるという。 -
高遠城址公園開き
タカトオコヒガンザクラ1500本が咲き誇る伊那市の高遠城址公園で1日、公園開きがあった。平年より開花が1週間ほど早く、公園開きもこれまでで最も早かった。つぼみは大きく膨らみ、赤みを帯びており、開花宣言は5日ごろを予想している。
公園開きには、伊那市観光協会メンバー、地元区長ら約80人が出席。
小坂市長は、桜を守り育てた桜守や地元住民らの尽力に感謝し「まつりが盛大に、多くの人に来ていただけるように」とあいさつし、期間中の無事故を祈った。
そのあと、小坂市長や保育園児が手をつなぎ、桜雲橋を渡って開門。
公園内には、東京芸術大学卒業生2人によるバイオリンとチェロの弦楽演奏や、地元の保育園児の元気な歌声も響いた。
市観光協会は、今シーズンの入場者数を35万人以上と見込み、絵島を主人公にした映画「大奥」やNHK大河ドラマ「風林火山」、権兵衛トンネル開通の影響に期待する。
さくら祭り(1日縲・月5日)の初日、開花はまだだったが、市内外から多くの人が訪れ、公園内を散策。期間中は、さくら茶のサービスや高遠ばやしの巡行などがある。入場料は一般500円、小中学生250円。
問い合わせは、高遠町総合支所産業振興課商工観光係(TEL94・2556)へ。 -
伊那市観光協会を設立
伊那市観光協会が28日、設立した。合併に伴い、伊那、高遠町、長谷の各観光協会を統合。観光資源を広く宣伝し、観光客の誘致を図る。
事務所は伊那市役所に置き、3地域に各支部を置く。
07年度事業は▽市観光基本計画策定の参加と提言▽高遠城址公園さくら祭りや米の道権兵衛峠を歩こうなどの運営参画▽ホームページの立ち上げ▽保科正之公の大河ドラマ化に向けた運動▽南アルプス世界遺産登録運動への協力竏窒ネどで、各地域の事業をもとにした。合併を機に、新たにフォトコンテストを開き、伊那市の魅力を外部に紹介する。
会長に決まった小坂市長は「民の力も入れ、伊那市の新しい観光を作っていきたい」とあいさつ。
委員から「事業計画が守りの姿勢に感じる。攻めることも大事。事業の活性化のため、専門部会を設けてほしい」と意見があった。
会費は08年度に統一する。 -
市営住宅がしゅん工
伊那市高遠町の塩供市営住宅、ハイツ小原南G棟、長谷の高齢者専用住宅のしゅん工式が28日、それぞれ現地であった。いずれも4月1日から入居する。
市は4月の組織機構改革で、建設部監理課内に住宅政策係を新設。過疎地域の定住対策など含めて住宅施策を進めたいとしている。
塩供市営住宅は人口定住対策の一環。U・I・Jターン者を優先し、高遠北小学校の児童や第二保育園の園児数の確保などを図る。過疎地域自立促進計画に盛り込み、01年度から継続的に建設している。
木造平屋建ての2棟(2世帯分)。3DKの広さ93平方メートル。駐車場2台分を確保し、家庭菜園などもある。工事費3900万円。
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ハイツ小原南G棟は、核家族化による住宅不足の解消や若者を中心とした人口の定着を図るために建設。小原南地籍で5棟目となる。
鉄筋コンクリート造り3階建てで、9世帯分。2LDKの広さ62平方メートル。工事費9500万円。
2世帯分の空きがある。家賃は4万5千円。問い合わせは、高遠町総合支所建設課(TEL94・2551)へ。
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長谷地域で初めてとなる高齢者専用住宅は「ケアビレッジ長谷」として医療・保健・福祉の施設を一体的にした。
高齢化率が38%を超え、高齢者の独り世帯や高齢者のみの世帯が増えていることから、介護や援助を必要とする高齢者が在宅で生活できる基盤を整備した。
1棟8戸(1人世帯5戸、2人世帯3戸)の集合住宅。木造平屋建てで、延べ床面積は1人世帯が39平方メートル、2人世帯が53平方メートル。高齢者が安全に生活できるよう段差をなくし、オール電化にした。家庭菜園もつく。また、各戸に緊急通報装置を取り付け、何かあった場合、長谷健康増進センター内ショートステイやすらぎにつながる。事業費は1億2千万円で、過疎債などを活用した。
場所は特別養護老人ホーム栃の木荘の跡地で、近くに美和診療所、デイサービスセンターやすらぎなどがある。
5世帯に空きがある。入居条件は、市内に住む65歳以上の虚弱高齢者。家賃は収入によって4段階に分かれる。問い合わせは、長谷総合支所保健福祉課(TEL98・1144)へ。 -
高遠そばの店「ますや」 きょうオープン
伊那市高遠町の守屋豊さんが経営する高遠そばの店「ますや」が28日、東高遠にオープンする。
高遠そばは辛み大根、焼きみそ、刻みネギを合わせたからつゆで食べる地域食。地元産ソバを使い、自らで粉をひいて打つ。ゆでたてを味わってもらえるよう1人前を2回に分けて出したり、焼きみそをする器を小さいすり鉢にしたりと工夫した。
そばのしんに近い粉だけを使い、のどごしがつるつるとした「玄」、玄そばをあらびきした粒々感の「抜き」を同時に食べ比べ、食感の違いを楽しむ「合盛り」(900円)がお勧め。
そのほか「山の雑キノコざる」「トマトおろしそば」など季節商品も考えている。
客席は20で、客の顔が見えるように配置。残雪の中央アルプスを眺めることができる。駐車場は普通自動車9台分。
昨年、創業者を対象にした「創業塾」(伊那商工会議所・上伊那地域チャレンジ起業相談室主催)の起業チャンピオン賞を受賞している守屋さん(54)。「みそ味の高遠そばを味わったお客さんの反応が楽しみ」と話している。
営業時間は午前11時縲恁゚後4時(そばが終わり次第終了)。火曜日休み(祝日の場合は翌日)だが、4月は休まず営業する。
問い合わせは、ますや(TEL94・5123)へ。 -
高遠城址公園「さくら祭り」へ ぼんぼり設置
4月1日開幕の伊那市の高遠城址(じょうし)公園の「さくら祭り」に向け、高遠町商工会は23日、協賛企業名が入ったぼんぼり145基を公園内の通路沿いに設置した。
ぼんぼりと支柱は、昨年3月の3市町村合併により新市誕生を祝い、全て新調し、10基増加した。これまでとは異なる、木枠の入ったぼんぼりを鉄製の支柱に取り付けて設置。この日は、関係者約40人が作業に取り組んだ。
さくら祭りは、83年の有料化以降25年目。昨年の有料入園者数は、33万2078人で、最盛期には1日、3万8025人が訪れた。高遠城址公園の桜の開花予想日は4月7日。
さくら祭りに向けてぼんぼりの設置をする関係者ら -
高遠伊那東ライオンズクラブ 河川清掃活動
伊那市の(古田順子会長)は22日、高遠町の三峰川の河川清掃をした。高遠城址(じょうし)公園の桜の開花を前に取り組む恒例行事。観桜期に集まる観光客のためを思い、それぞれが清掃奉仕活動に取り組んだ。
県下のライオンズクラブが取り組む河川清掃の一環。同クラブでは約8年前から始まり、毎年、この時期に三峰川左岸沿いの道路や河川敷のごみ拾いをしている。
この日は、クラブ員約10人が三峰川橋付近に集まり、上流約2キロまでを歩いて清掃。2時間ほどで市が指定するごみ袋、15袋分のごみを回収した。年々量は減っているものの、依然として空き缶、ペットボトル、たばこの吸いがらが目立った。
古田会長は「観光客の人たちに気持ちよく来てもらいたい。そのためには、ごみのない環境整備に協力ができればと思う」と話していた。
三峰川橋付近の河川清掃をするクラブ員ら