-
伊那交通安全協会 総会
伊那交通安全協会は23日、伊那市役所1階の多目的ホールで、第47回定期総会を開いた。交通事故防止の活動に長年携わった功労者、事業所、団体などの伝達表彰のほか、本年度事業計画などを決めた。
表彰は山崎喜美夫さん(72)=南箕輪村=に関東管区警察局長・関東交通安全協会連合会長連名表彰を贈ったほか、県警察本部長・県交通安全協会長連名表彰などを伝達した。
本年度の事業計画によると、活動の重点推進事項は▽高齢者の交通事故防止対策の推進▽後部席を含むシートベルト・チャイルドシート着用の徹底▽飲酒運転の根絶・夜間の交通事故防止対策の推進竏窒ネどとした。
受賞者は次の皆さん。
▽関東管区警察局長・関東交通安全協会連合会長連名表彰=山崎喜美夫(南箕輪村)
▽関東交通安全協会連合会長表彰=山崎雅子(南箕輪村)
▽県警察本部長・県交通安全協会長連名表彰=イトウ電産(伊那市)笠原シルバークラブ(同)沢保育園交通安全クラブ(箕輪町)大明化学工業(南箕輪村)
▽伊那警察署長・伊那交通安全協会長連名表彰=御園老人クラブ(伊那市)大萱保育園(同)上古田長寿クラブ(箕輪町)ジェルモ(南箕輪村)
関東管区警察局長などの表彰を受け取る山崎さん -
伊那防火管理協会定期総会
伊那消防組合管内の事業所や危険物製造所などで組織する伊那防火管理協会の定期総会は23日、伊那市狐島のJA上伊那本所フラワーホールであった。会員約50人が出席し、役員改選案などを承認した。
任期(2年)満了に伴う役員改選は会長に唐沢可昭氏(伊那中央石油)を新任。副会長2人は小口宏氏(中部電力伊那営業所)、今福光雄氏(石川島汎用機械)を再任した。
同会は防火管理の向上と会員相互の親ぼくを図り、火災予防に努める目的で組織。本年度も危険物取扱者を対象とした保安義務講習会や会員による消化通報コンクールなどの事業を計画している。
総会では表彰もあった。
各表彰を受賞したのは次の皆さん。
【関東甲信越地区危険物安全協会連合会長表彰】
▽事業所=オリンパスイメージング辰野事業場
【県危険物安全協会長表彰】
▽事業所=キッツ伊那工場▽優良取扱者=赤坂昭典(扇屋石油)、丸田茂(伊那燃料)、伊藤秀次(ENEOSフロンティア長野Dr・Drive辰野店)、竹入修二(北山ラベス箕輪生産場)、山本和市(同)
【伊那防火管理協会長表彰】
▽優良者=征矢直人(上伊那農業協同組合)、春日保(同)、宮下修一(伊那市観光仙流荘)、伊藤政子(いたや伊藤燃料店)、河西良明(オリンパスイメージング辰野事業場)、熊谷暢宏(北山ラベス箕輪生産場) -
高遠、長谷中で不審者対応訓練
伊那市の高遠中学校(唐沢正吉校長、182人)と長谷中学校(西巻健史校長、50人)は16日、不審者侵入を想定した対応訓練を開いた。伊那署の協力を得て訓練を実施。生徒や教員らは対処方法などを確認し、緊急時に備えた。
高遠中では、授業中、2階の教室に同署職員が扮(ふん)する不審者が侵入した想定で実施。摸造の刃物を振りかざした不審者を担任の男性教諭が椅子などで動きを止めている間、生徒らは避難した。その後、3階へ逃げた不審者は、連絡を受けて駆け付けた他の男性職員らによって取り押さえられた。その間に全校生徒は体育館に避難した。
反省会で高遠町交番の岩井智昭交番所長は「不審者はどこから侵入してくるか分からないので臨機応変な対応をして。不審者の行動には決まりがない」と注意。唐沢校長は「自分の命は自分で守るための方法を普段の生活の中で、いつでも対応できるように意識し、考えることが必要」と話した。
本年の4月末現在、同署管内で発生した児童・生徒が被害を受けた犯罪の認知件数は7件(前年比同)で、そのうち声掛け事案は3件(同2件減)、わいせつ行為は4件(同2件増)。校内への侵入事件は発生していない。
##(写真)
不審者をサスマタなどを使って取り押さえる職員ら(長谷中学校) -
こだわりみそパッケージ・ツアーを企画
伊那市長谷の気の里入野谷郷の宿「入野谷」は6月、1泊2日の「こだわりみそパッケージ・ツアー」を初めて企画した。「長谷の良いとこ」を詰めたツアーで、長谷ファンを作る。定員25人で、31日まで参加者を募集している。
地元の食材を使い、加工品などを製造・販売する「気の里工房」とタイアップ。地元のみそ造り体験を柱に、長谷の伝統文化や自然を満喫し、心身をいやせるようなメニューとした。
ツアーは6月9縲・0日。昔ながらのみそ玉づくりをはじめ、長谷の民話「孝行猿」(切り絵紙芝居)、太鼓グループ「創龍会」の演奏などを組んでいる。鹿嶺高原で南・中央アルプスの眺望も楽しむ。食事には、気の里工房で作ったこんにゃく、天菜漬け、地元の玄米や野菜を使った料理を用意する。
参加費は1万5千円。宿泊は入野谷で3食付き。
主催者は「四季折々のすばらしさを見ていただき、長谷を好きになってもらいたい」と話し、施設の利用者増加にも期待する。
問い合わせは、入野谷(TEL98・1030)へ。 -
南ア林道沿いでシナノコザクラ見ごろ
伊那市長谷の南アルプス林道沿いで、紅紫色のシナノコザクラが見ごろを迎えた。開花は例年より1週間遅く、25日ごろまで楽しめる。
シナノコザクラは、南ア林道バスの「歌宿」から5キロほど下った唐沢トンネル付近(標高約1400メートル)で、1キロ余にわたって見られる。石灰岩の岩地に点々と株があり、直径1・5センチほどの花が咲く。
南ア林道バス営業所によると、大型連休から、開花情報の問い合わせが来ているそうで、県外や近隣市町村から写真を撮りに訪れる人が目立つ。
林道沿いでは、ピンク色のホテイランがひっそりと咲き始めたほか、ムシトリスミレやヤマシャクヤクも続く。 -
こだわりみそパッケージ・ツアーを企画
伊那市長谷の気の里入野谷郷の宿「入野谷」は6月、1泊2日の「こだわりみそパッケージ・ツアー」を初めて企画した。「長谷の良いとこ」を詰めたツアー。定員25人で、31日まで参加者を募集している。
地元のみそ造り体験を柱に、長谷の文化や自然を満喫し、心身をいやせるようなメニューとした。地元の食材を使い、加工品などを製造・販売する「気の里工房」とタイアップ。ツアーの取り組みによって、施設の利用者増加にも期待する。
ツアーは6月9縲・0日。昔ながらのみそ玉づくりをはじめ、長谷の民話「孝行猿」(切り絵紙芝居)、太鼓グループ「創龍会」の演奏などを組んでいる。鹿嶺高原で南・中央アルプスの眺望も楽しむ。食事には、気の里工房で作ったこんにゃく、天菜漬け、地元の玄米や野菜を使った料理を用意する。
参加費は1万5千円。入野谷に宿泊し、3食つく。
問い合わせは、入野谷(TEL98・1030)へ。 -
南アルプス鹿公園廃止を検討
伊那市長谷にある南アルプス鹿公園の継続が厳しい状況になっている。維持管理に経費がかかり、採算が取れないことから、市は07年度の廃止を検討している。
長谷地域協議会で10日夜、市の考えを示し、委員の意見を聞いた。今後も引き続き、継続できる方策を探ることにした。
鹿公園は85年、長谷村民からシカ2頭が贈られ、鹿牧場として始まった。89年、シカが村獣指定され、名称を鹿牧場から南アルプス鹿公園に変更。現在、広さ2ヘクタールで約60頭が飼育されている。シカは人に懐きやすく、休日には子どもたちが訪れている。
年間15縲・0頭の子ジカが生まれ、頭数が増える一方。希望者に出荷しているが、有料のため、引き取り手がほとんどいない。管理委託や飼料など年間230万円がかかる。
委員から「当時は人気があったが、今ではシカの有害鳥獣被害で困っている人がいる。おしまいにしても差し支えない」との意見も出たが、規模縮小や「食肉としての活用を検討してからでも廃止は遅くない」など継続に向けた取り組みを求める声が目立った。
今後、産業や観光面から、シカの肉や皮、角の活用法などを検討していく。
市は新年度予算の有害鳥獣対策として、シカなどを食材として有効活用するため、流通・加工などの調査研究を盛り込んでいる。 -
伊那市の同報無線がデジタル方式で一元化に
伊那市は3市町村合併に伴い、旧市町村で個別に整備していたアナログ同報無線を統合接続し、新市庁舎から市内全体に防災情報を伝達するデジタル方式によるシステムを構築した。10日、市役所で総務省信越総合通信局より無線局免許状が小坂樫男市長へ手渡され、同システムの運用が同日から始まった。
市消防防災課によると、合併特例法期限内に合併した市町村内ではデジタル方式の同報無線システムを構築したのは同信越総合通信局管内(長野県、新潟県)で初めて。「(合併特例法期間内で)1番最後に合併し、最初にデジタル方式を取り入れた」(関係者)ことになるという。
今後、計画される各アナログ同報無線のデジタル化更新へのスムーズな移行を目指すため、デジタル方式による通信方法を採用。旧市町村役場の既設アナログ親局を運用しながら新庁舎のデジタル親局を用いて各アナログ親局間を接続した。
これまでは、各旧市町村の親局からそれぞれの地区の屋外スピーカー(伊那地区147本、高遠町地区12本、長谷地区15本)へ防災情報などを流す方法のみのため新庁舎から情報を伝える場合は電話やFAXで高遠町、長谷地区の旧役場へ情報内容を連絡していた。通信方法を一元化しことにより、電話で内容を伝えるなどの手間が省けたため迅速な情報の共有が可能となった。
システムの構築は06年事業で、総額約6千400万円(うち95パーセントは合併特例債を使用)。事業費には、接続工事費のほか、既存のアナログ親局がデジタル波を受けるための装置や、デジタル親局の遠隔制御装置(伊那消防署と防災対策本部へ設置)の費用などが含まれている。
新庁舎に設置したデジタル親局の使用方法を確認する職員 -
ひまわりの里づくり 園児が種まき
伊那市長谷総合支所と国土交通省などが取り組む「ひまわりの里」づくりが8日、長谷杉島の三峰川沿いにある休耕田であった。長谷保育園の園児や関係者約40人が集まり、ひまわりの種をまき、大きく育つことを願った。
「水源地花いっぱい運動」の一環として、上下流域の交流と水源地の大切さをアピールすることが目的。美和ダム、戸草ダム周辺を花でいっぱいにしよう竏窒ニ1992年から取り組みは始まった。
地域住民が所有する約500平方メートルの休耕田を借りて実施した。園児たちは種をバケツに入れ、職員らとともに用意した2千粒の種を約30センチ間隔で2粒ずつまいていった。
年中の河手愛香ちゃん(4つ)は「大きなヒマワリが咲くのが楽しみ」と胸を膨らませながら作業を楽しんだ。園児たちは種に優しく土を被せると、念入りに水をまいて、種が成長するのを期待した。
ヒマワリの種は上下伊那の小中学校、高校、各市町村庁舎などに配布し、栽培を呼びかけ、「水源地花いっぱい運動コンクール」で大きさや高さ、見栄えなどを審査する。
関係者によると、8月中旬には花が咲きそろう予定。
コンクールについての問い合わせは、伊那市長谷総合支所建設水道課(TEL98・3120)へ。 -
中尾歌舞伎の春季公演
伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会(西村篝会長、30人)の春季定期公演が29日、文化伝承施設「中尾座」であった。県内外から約300人が詰めかけ、会員の熱演に見入った。
演目は、4年ぶりとなる「御所桜堀川夜討弁慶上使の段」。弁慶が自分の娘を刺し殺し、主君である源義経に忠誠心を見せる話。
浄瑠璃と三味線に合わせ、弁慶が娘を身代わりにしたことを悔やんで男泣きしたり、偽者と疑われないために源義経の正室「卿(きょう)の君」の守役・侍従太郎が切腹したりと迫真の演技を見せた。
見物人から、盛んにかけ声やおひねりが飛んだ。
旧長谷村出身者でつくる「東京長谷人会」のメンバー18人も鑑賞。
大羽繁会長(74)は「延々と築いてきた文化に触れ、感動した。さらにふるさととのきずなを深めていきたい」と話した。
中尾歌舞伎は市無形文化財指定。江戸時代からの歴史があり、一時、戦争で自然消滅したが、86年に復活。例年、春と秋に定期公演を開いている。 -
長谷非持山地区の基盤整備完了で記念碑除幕
伊那市長谷の非持山地区基盤整備事業が完了し、28日、現地で記念碑の除幕式があった。地権者、市関係者ら約100人が集まった。
非持山地区は、農業後継者不足などの問題を抱える。荒廃や放棄地の拡大を防止しようと地域の農業振興整備計画の検討を重ね、99縲・6年度、基盤整備事業に取り組んだ。
地権者は86人で、ほ場面積は30ヘクタール。農業機械の通行が円滑になるなど安全で効率的な農作業環境が整った。事業費は5億4600万円(国県補助77%)。
除幕式で、基盤整備委員会の北原幸彦委員長は「農耕地の基盤整備が整い、責務の大きさを痛感している。地域住民が結束し、悠久農地であることを願う」と述べた。
記念碑には「潤豊穣」と記され、北原委員長らが除幕。台座を含めた高さは3メートルで、安山岩などを使用した。
式後、地元の集会所に場所を移し、しゅん工式を開いて事業完了を喜んだ。 -
山本勘助の名が記された下知状を公開
武田信玄の家臣・山本勘助が実在したことを証明する下知(げち)状が、伊那市の長谷公民館内収蔵庫に保管されている。NHK大河ドラマ「風林火山」が放映中で、地域住民らの関心を集めそうだ。
下知状(1556年)は、武田が長谷の名家黒河内八郎右衛門にあてたもの。神野峯城(現飯田市)を攻めるため、山本勘助を大将に、浪人を集めて戦う用意をしろという内容。山本勘助の案内役も務めるように添えられ、文面から山本勘助の名がはっきり読み取ることができる。赤い判が押されていることから、朱印状とも呼ばれる。
伊那古文書研究会長の久保村覚人さん=伊那市荒井=が解読し、27日夜にあった第1回入野谷講座(長谷公民館主催)で複写した下知状を公開した。
久保村さんは「高遠城にも『勘助曲輪(ぐるわ)』が残っている。山本勘助が実在したという貴重な古文書である」と話した。 -
美和ダム洪水調節施設完成記念
伊那市長谷の美和ダム洪水調節施設完成に伴い、27日、分派堰(せき)北側の国道152号線沿いで記念植樹があった。美和ダム周辺の環境整備として、高さ3メートルほどのイロハモミジ29本を植えた。
工事に携わった業者31社が旧長谷村の木であるモミジを寄贈。市・三峰川総合開発工事事務所関係者、施工業者ら30人余が作業に当たった。
小坂市長は「日本風景街道に手を挙げている。植樹は有意義な事業で、楽しみながら歩けるようにしたい」とあいさつ。
そのあと、参加者は8メートル間隔で植えられたイロハモミジに、スコップで土をかけた。
全市を桜の里にするため、美和湖側にも桜を植えていく。
美和ダムは、洪水調節や電力発電、農業用水の配水などの目的を持つ。予想以上に土砂が流入したため、再開発事業として分派堰、貯砂ダム、洪水バイパストンネルの洪水調節施設を整備、05年5月に完成した。 -
山岳観光シーズンへ
中央アルプスの開山式が25日、県内山岳観光地のトップを切って駒ケ岳千畳敷の駒ケ岳神社であった。
千畳敷一帯は朝からあいにくの雨だったが、観光関係者など約20人が出席。祭壇に向かって拝礼し、玉ぐしをささげるなどして入山者らの安全を祈願したほか、山で亡くなった遭難者らに黙とうをささげた。
アトラクションとしてスイスの民族衣装に身を包んだ「アルプホルン駒ケ根」の8人が『やまびこ』など数曲の演奏を披露。のどかな音色を千畳敷カールに響かせた=写真。
開山式に合わせて訪れた約100人の観光客は「宝剣岳も何にも見えないね」と話し合い、みぞれ混じりの小雨が舞う霧の空を恨めしそうに見上げながらもアルプホルンの演奏を楽しんでいた。
神社前の積雪は約2メートルで、拝殿の屋根と鳥居の頂部がわずかに頭をのぞかせている状態。 -
中尾歌舞伎 29日に春季公演
伊那市長谷の中尾座で29日午後1時から、中尾歌舞伎保存会(西村篝会長、30人)の春季定期公演がある。演目は「御所桜堀川夜討(ごじょざくらほりかわようち)弁慶上使(じょうし)の段」で、4年ぶり。本番に向け、けいこは最終段階に入っている。
あらすじは、源義経の正室・卿(きょう)の君が平家一族、平時忠の娘であるため「卿の君の首をはねて渡せ」と頼朝が弁慶を卿の君の守役・侍従太郎の館へ向かわせる。弁慶は卿の君の身代わりを立てるが、それが自分の娘だと知る。父親と名乗りたい気持ちを抑え、殺してしまう。弁慶が忠誠心を見せる場面が見どころ。上演時間は70分。
会員は2月中旬から、けいこを開始。週2回集まって台本の読み合わせ、立ちげいこ、ステージ上での通しげいこをこなし、完成度を高めている。
平日の夜は2時間程度、役者らがそろい、浄瑠璃と三味線に合わせ、本番さながらの演技を見せる。
合併を機に、ゲスト出演する市職員細谷誌帆さん(28)は、伝統文化に触れる機会を喜びつつ「せりふが独特の節回しで、まねするのも難しい」と苦戦。「舞台を壊さないように、できる限りのことをしたい」と初舞台に臨む。
公演は入場無料。 -
みらい塾の庭がリニューアルオープン
伊那市長谷黒河内の農家民宿「みらい塾」はこのほど、母屋裏側にある庭を整備し、オープンガーデンとした。40種以上の春の花々と赤茶色の遊歩道のある愛らしい庭が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
同民宿はこれまでも、母屋正面にある遊歩道スペースを一般開放しており、バラを中心とする季節の花々が訪れた人たちを楽しませていたが、母屋の裏側は、家庭用の庭となっており、一般には開放していなかった。
今回はその部分を整備。庭造りや古民家再生などを手掛けてきた山村活性化事業コンサルの玉田隆さんが中心となりながら遊歩道を整備して花の苗を定植。もともと生えていた花木は生かしつつ、周囲の農村風景や里山と調和のとれた庭づくりを目指した。
現在はスイセン、タイム、ビオラなどが見ごろ。今後も各季節の草花の定植を進めていくため、四季折々で違った顔が楽しめるようになる。
特に女性客に好評で「絵に描いたような庭だね」「かわいらしいね」などと話しながら庭を見学していた。
庭はオープンガーデンとしているため、一般にも開放している。 問い合わせはみらい塾(TEL98・2168)へ。 -
伊那消防組合に初の女性職員
伊那消防署で2日、消防職員の辞令交付式があり、伊那消防組合初となる女性職員が誕生した。消防士になったのは野牧加代さん(21)=同市長谷=。ほかの男性新入職員3人と共に緊張した面持ちで、伊那消防組合消防本部の早川正行消防長から人事通知書を受け取った。
関係者によると、06年4月1日現在、県内の女性職員は17人で、南信地方には諏訪、伊南の2消防組合に一人ずついる。これまで同署にも女性から応募があったものの採用試験に合格するまでには至らなかったという。
野牧さんは、救急救命士を志望し東洋医療専門学校(大阪府)を昨年度卒業。地元の長谷で消防防災ヘリコプターに乗った救命士が救助者を救急搬送している姿を見て憧れたという。
野牧さんは「女性ならではの優しさ、柔らかさが生かせればと思う。男性と比べて体力が劣っていることは自覚しているが頑張りたい」と意気込み。早川消防長は「職場の活性化につながれば」と期待している。
野牧さんは、4月中旬、県消防学校の初任科へ入校し半年間、消防士としての訓練に入る。その後、警防課に所属し、男性職員とともに24時間勤務にも当たるという。
伊那消防署では、今回の採用に合わせて女性用の仮眠室やトイレの改修をした。
伊那消防組合初の女性職員誕生。人事通知書を持ち、意気込みを語る野牧さん -
伊那市商工会 始動
伊那市の高遠町商工会、長谷村商工会、西春近商工会が合併して誕生した「伊那市商工会」は3日、前高遠町商工会で開所式を開いた。1市町村に1商工団体を原則とする県の方針に伴い、市内にある3商工会は商工会議所との一本化を視野に入れ、1日に合併した。
09年度までに一本化しなければ補助金の確保ができないため、前段として合併。長谷村、西春近を解散し、高遠町を存続する定款変更合併で、経営改善事業を一本化し、地域振興事業はそれぞれの商工会が支部として取り組んでいくという。
合併により、新商工会への県の補助金は、前年度の3商工会の合計金額の90%額を確保し、同額の補助は09年度まで続くという。県はこの期間を商工団体一本化までの準備期間としている。
同商工会は、広域化、多様化する小規模事業者の指導ニーズへの対応、商工事業の効率で効果的な取り組みを図る。開所式で森本光洋会長(前高遠町商工会長)は「事業のさらなる充実に務め、地域に根ざして頑張っていきたい」と語った。
5月17日には総会があり、役員を決めるという。 -
配食ボランティアグループ
伊那市長谷
あつもり旧長谷村が一人暮らしのお年寄りを対象として97年から提供してきた配食サービス「やすらぎ弁当」の調理ボランティアをしてきた。配食サービスは月2回。それを地区内の女性17人が2グループに分かれて、月に1回ずつ調理する。
「作ったことのないメニューなんかもあったから、ここで覚えたのをうちに帰って作ってみたりもしてね」「自分たちの勉強にもなったね」と口々に語る。
メンバーが作った弁当には手紙ボランティアの人たちが書いた手紙が添えられ、配達ボランティアグループ「みつばち」によってお年寄りの家に届けられる。
◇ ◇
「家でも(食事を)作っているし、何かできないかねえ」と、子育てを終えた仲間数人で始めた活動だったが、年を重ねるごとに1人、2人と増え、宅配も月2回行えるようになった。
毎回栄養士の作成した献立に従い、さまざまなメニューを調理する。最初は作り方が分からないものもあったが、それぞれが家でやっている方法を参考にしながらアレンジ。「こういう風にすりゃあいいかねえ」「そうだね」そんなやりとりをしながら調理するのは楽しかった。
お年寄りに食べてもらうものだから竏窒ニ、味付けも濃くなり過ぎないように配慮。「量が多い」という声があれば、それを参考にして調節した。そんな女性たちの愛情が弁当の隠し味となっていた。
だからこそ、栄養バランスに不安を感じている一人暮らしのお年寄りにも好評で、「おいしかった」とアンケートに書いてくれることも多かった。
調理の後に残りものをつまみながら世間話をするのも楽しみの一つ。
「作っている間は話せないけど、がんばって作った後にお茶を飲みながら話すのが楽しくてね」と笑う。
◇ ◇
この4月から市内統一の「あじさい弁当」に移行するため、10年に及ぶ活動にピリオドを打つが、一抹の寂しさを感じずにはいられない。
「協力し合って楽しみながら作ってくることができた。せっかくいい仲間ができたのだから、これからも何かの形でグループを残していきたいね」 -
伊那市観光協会を設立
伊那市観光協会が28日、設立した。合併に伴い、伊那、高遠町、長谷の各観光協会を統合。観光資源を広く宣伝し、観光客の誘致を図る。
事務所は伊那市役所に置き、3地域に各支部を置く。
07年度事業は▽市観光基本計画策定の参加と提言▽高遠城址公園さくら祭りや米の道権兵衛峠を歩こうなどの運営参画▽ホームページの立ち上げ▽保科正之公の大河ドラマ化に向けた運動▽南アルプス世界遺産登録運動への協力竏窒ネどで、各地域の事業をもとにした。合併を機に、新たにフォトコンテストを開き、伊那市の魅力を外部に紹介する。
会長に決まった小坂市長は「民の力も入れ、伊那市の新しい観光を作っていきたい」とあいさつ。
委員から「事業計画が守りの姿勢に感じる。攻めることも大事。事業の活性化のため、専門部会を設けてほしい」と意見があった。
会費は08年度に統一する。 -
市営住宅がしゅん工
伊那市高遠町の塩供市営住宅、ハイツ小原南G棟、長谷の高齢者専用住宅のしゅん工式が28日、それぞれ現地であった。いずれも4月1日から入居する。
市は4月の組織機構改革で、建設部監理課内に住宅政策係を新設。過疎地域の定住対策など含めて住宅施策を進めたいとしている。
塩供市営住宅は人口定住対策の一環。U・I・Jターン者を優先し、高遠北小学校の児童や第二保育園の園児数の確保などを図る。過疎地域自立促進計画に盛り込み、01年度から継続的に建設している。
木造平屋建ての2棟(2世帯分)。3DKの広さ93平方メートル。駐車場2台分を確保し、家庭菜園などもある。工事費3900万円。
※ ※
ハイツ小原南G棟は、核家族化による住宅不足の解消や若者を中心とした人口の定着を図るために建設。小原南地籍で5棟目となる。
鉄筋コンクリート造り3階建てで、9世帯分。2LDKの広さ62平方メートル。工事費9500万円。
2世帯分の空きがある。家賃は4万5千円。問い合わせは、高遠町総合支所建設課(TEL94・2551)へ。
※ ※
長谷地域で初めてとなる高齢者専用住宅は「ケアビレッジ長谷」として医療・保健・福祉の施設を一体的にした。
高齢化率が38%を超え、高齢者の独り世帯や高齢者のみの世帯が増えていることから、介護や援助を必要とする高齢者が在宅で生活できる基盤を整備した。
1棟8戸(1人世帯5戸、2人世帯3戸)の集合住宅。木造平屋建てで、延べ床面積は1人世帯が39平方メートル、2人世帯が53平方メートル。高齢者が安全に生活できるよう段差をなくし、オール電化にした。家庭菜園もつく。また、各戸に緊急通報装置を取り付け、何かあった場合、長谷健康増進センター内ショートステイやすらぎにつながる。事業費は1億2千万円で、過疎債などを活用した。
場所は特別養護老人ホーム栃の木荘の跡地で、近くに美和診療所、デイサービスセンターやすらぎなどがある。
5世帯に空きがある。入居条件は、市内に住む65歳以上の虚弱高齢者。家賃は収入によって4段階に分かれる。問い合わせは、長谷総合支所保健福祉課(TEL98・1144)へ。 -
高遠伊那東ライオンズクラブ 河川清掃活動
伊那市の(古田順子会長)は22日、高遠町の三峰川の河川清掃をした。高遠城址(じょうし)公園の桜の開花を前に取り組む恒例行事。観桜期に集まる観光客のためを思い、それぞれが清掃奉仕活動に取り組んだ。
県下のライオンズクラブが取り組む河川清掃の一環。同クラブでは約8年前から始まり、毎年、この時期に三峰川左岸沿いの道路や河川敷のごみ拾いをしている。
この日は、クラブ員約10人が三峰川橋付近に集まり、上流約2キロまでを歩いて清掃。2時間ほどで市が指定するごみ袋、15袋分のごみを回収した。年々量は減っているものの、依然として空き缶、ペットボトル、たばこの吸いがらが目立った。
古田会長は「観光客の人たちに気持ちよく来てもらいたい。そのためには、ごみのない環境整備に協力ができればと思う」と話していた。
三峰川橋付近の河川清掃をするクラブ員ら -
雑穀で地域づくりを考える
伊那市は11日、長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で雑穀フォーラム「雑穀で地域づくり」を開いた。雑穀に関心を持つ市民、市・県外者ら約200人が集まり、雑穀での地域活性化策を探った。
郷土食の掘り起こしを目指す「雑穀プロジェクト2007in伊那」の第3弾。
フォーラムでは、信州大学農学部教授井上直人さんが「雑穀文化は健康をはぐくむ」、岩手県で雑穀栽培の普及などに取り組むプロ農夢花巻専務取締役伊藤正男さんが「雑穀栽培で農家も地域もいきいき」と題し、それぞれ講演した。
伊藤さんは「雑穀市場は伸びているが、国産は10%。体に入る食物で、責任を持ったものを提供したい」と話し、作物を作るだけでなく、保育園や老人クラブなどに出向いて食育にも関わっていることなどを紹介。また、雑穀の栽培地として伊那は「やる気を出したら、生産量が取れる場所」とし、活動にエールを送った。
雑穀料理の試食もあり、長谷ふるさと食文化研究会など3団体がきびもち入りのおにぎりや菊芋の酢の物などを用意。参加者は、食感や味などを確かめ、栽培や調理方法などを熱心に尋ねた。
プロジェクトは、雑穀を普及させ、地域食材として食育につなげて、中山間地の農業振興などを図るねらい。
市内で雑穀アマランサスなどを栽培、商品化する活動が展開されている。
市は07年度、信大との連携による雑穀栽培振興の予算を盛っている。 -
長谷中で球技クラスマッチ
伊那市の長谷中学校(西牧健史校長、55人)で8日、バスケットボールのクラスマッチがあった。全校生徒と職員が参加する小規模校ならではの球技大会。チーム一丸となって優勝を目指し、本年度最後のスポーツ行事を楽しんだ。
男女別のリーグで総当たり戦を展開。チームは、各学年(1学年1クラス)、職員ごとで構成のそれぞれ5チームが出場した。男子リーグについては、学年の力の差を補うために最大6点のハンデキャップを設けて対戦した。
ボールを手にすると一気にゴールへ向かって走り得点を重ねるなど攻守の入れ替わりの早い試合を繰り広げた。大会は、優勝のほか、クラスの応援の勢いを評価する賞もあり、各スラスが応援旗を会場に取り付け、「ナイスシュート」「気にするな」などと友人の名前を呼びながら声援を送った。
西牧校長は「小規模校なので、学年の枠を越えて皆で和気あいあいと楽しむことができる。私たちも単なるお楽しみでなく真剣にプレーしている」と試合に参加していた。
全校クラス対抗のクラスマッチで熱戦を繰り広げる -
秋葉街道発掘調査隊長 高坂英雄さん(60)伊那市
伊那市長谷に昨年2月、地域に眠る観光資源を活用しようと「秋葉街道発掘調査隊」が発足。公募や元文化財専門委員ら約30人で構成される。
秋葉街道は静岡県浜松市に続く古道で、秋葉神社参拝に使われた。江戸時代の絵図をもとに、地元の公民館や県立図書館などに残る資料と照らし合わせながら、1年かけて道筋を確認した。
長谷の非持縲恪a口は湖底に水没しているため、代替ルートを確保。散策マップを作成し、観光ルートとして活用する。
「知らんことばっかりで、調べていくうちにどんどん興味がわいてきた。絵図と今、残っている集落の位置が合っていて、おもしろい」。また、歩くことで四季折々の景色の良さに改めて気づいた。
車社会で利便性、経済性が優先され、信仰の道として親しまれた秋葉街道の関心が薄れていく中で、子どもたちに伝え、地域おこしへつなげていこうという思いを強くした。
2月下旬、長谷黒河内縲恷sノ瀬の約2キロ区間で、秋葉街道を整備した。隊員は弁当と水筒を持参し、下草刈りや歩行者の安全を確保するためのロープ張り、岩入沢への仮橋設置などに取り組んだ。
斜面がきつく、足場が悪い個所もあったが、隊員はつるはしやなたなどを使い、人が歩けるように黙々と作業をこなした。
「疲れたけど、楽しかったね」「静岡県の秋葉神社へ参拝に行こうよ」と口々に話す。
隊員は年齢も、立場も違う。「一銭の徳にもならない作業だが、一緒にやろうと協力してくれる仲間がいることはうれしい」。
秋葉街道を軸に、熱田神社、中央構造線、守屋貞治の石仏などの名所を結びつけ、さらに、ハナモモなども植え、桜、ツツジ、モミジと季節ごとに変わる風景を歩いて楽しめる「花街道」ができたらと構想を練る。
痛ましい事件が起こる世の中。「自分さえよければ良い」という傾向がある。
今後も整備は必要になる。作業を通じて、思いやりの心、助け合いの精神をはぐくんでもらえたらと願う。
村づくりは、豊かにしようという思いの繰り返し。「魅力があって、生活が成り立てば、住みたい人はいる。ただ待っていても、何も良くならない。だれかがやるだろうと思っていても進まない。ここに住む以上、住んでいて良かったと思える地域にしたい」
澄み切った青い空、木々の緑、地域に広がる花…。地域住民も、観光客も引きつける、そんな地域を夢見ている。
(湯沢康江) -
伊那署が感謝状 業務に長年協力の4人へ
伊那署は27日、警察業務に長年協力のある、中畑クリニックの医師中畑英樹さん(50)=伊那市日影=、長衛荘管理人の小松喜代男さん(69)、志さ美さん(63)夫婦=箕輪町=、南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会隊員の中村徳彦さん(47)=同市長谷=の4人へ感謝状を送った。
中畑さんは、同署管内で発生した事件・事故などの検死などに長く携わる。表彰を受け「亡くなった人に早く引導を渡してあげたいと取り組んできた」と感想を述べた。
小松さん夫婦は、管理人として8年間従事し、南ア登山者の宿泊場所の提供、登山道の整備などに携わる。中村さんは、隊員として28年間務め、山岳遭難救助活動に取り組んできた。
小松さん夫婦は「山の天候を甘く見ないでほしいと、登山者へ伝えていきたい」。中村さんは「一歩間違えれば自分たちの命も危険になる状況もあるが、今後も気を引き締めて取り組んでいきたい」と話していた。
感謝状を受け取った皆さん。(左から)中畑さん、小松さん夫婦、中村さん -
秋葉街道を整備
伊那市長谷を南北に貫く古道、秋葉街道の復活を目指す「秋葉街道発掘調査隊」(高坂英雄隊長、30人)は25日、秋葉街道の整備を開始した。隊員約20人が参加し、黒河内縲恷sノ瀬の約2キロ区間の道筋を整えた。
作業は、下草刈りや歩行者の安全を確保するためのロープ張り、岩入沢への仮橋設置など。
斜面がきつく、足場が悪い個所もあったが、隊員はつるはしやなたなどを使い、人が歩けるようにした。
高坂隊長(60)は「車社会で利便性、経済性が求められ、地域住民でも信仰の道と親しまれた街道への関心が薄れてきている。街道を軸に、名所を回り、楽しめるような形にしたい。作業を通じ、地域を良くしようというきっかけになれば」と話した。
3月には分杭峠付近を整備。07年度は市の新規事業として、看板設置など再生工事に取り組む。整備完了後は街道を活用したイベントを考え、観光資源に生かす。
秋葉街道は、静岡県の秋葉神社参拝に使われた道。昨年2月、地域に眠る観光資源を活用しようと調査隊を発足させ、江戸時代の絵図をもとに、1年かけて調査し、道筋を確認した。非持縲恪a口は湖底に水没しており、代替ルートを確保する。 -
小坂伊那市長が長谷地域協で風力発電反対説明
伊那市の小坂樫男市長は16日夜あった長谷地域協議会で、入笠山、鹿嶺高原周辺で民間企業が検討している大型風力発電計画について改めて「反対」の考えを説明し、理解を求めた。これまで計画推進が目立った同地域協の委員からは反発の声もあがった。
旧長谷村で風力発電を盛り込んだ地域新エネルギービジョンを策定した地元にとっては、循環型エネルギーや風車設置による地域・観光振興への期待があった。また、風車建設時の作業道(林道)の新設で森林整備が可能になるとした推進理由もあった。
小坂市長は「風力発電を否定するものではない」とした上で「高山地帯に高さ100メートルを超える構造物を作るのはいかがなものか」と批難。作業道(林道)の新設について触れ「山に林道を開けることは景観や自然破壊はもちろん、災害を誘発する」と指摘し、災害の危険性と景観への影響を主な反対理由に挙げた。
さらに、地元の期待も大きかった風力発電による地域活性化についても否定。一方で、「市として(活性化策が)求められていると考える」と述べ、具体案を来年度予算案で示す、とした。
また、木質バイオマス資源の利活用、太陽光発電や中小水力発電の導入を盛った地域新エネルギービジョンの概要も説明した。
計画をめぐっては、昨年の12月市議会定例会に賛否の陳情が出され、総務委員会は反対の陳情を採択、本会議で推進に覆ったものの、直後に小坂市長が反対を表明する二転三転した展開となった。小坂市長は同定例会の会期中、高遠町と長谷両地域協で出た慎重な検討や計画推進を求める意見を聞いた後の表明だった。
これに対し地域協委員からは、市と議会、地域協の関係やあり方を疑問視する意見もあった。 -
市書店組合「新伊那市かるた」初の大会
伊那市書店組合(小林史麿組合長)は10日、同市荒井の市立図書館で、新市誕生記念の一環として販売した「新伊那市かるた」を使った、かるた大会を初めて開いた。市内を中心に駒ヶ根市などから幼児縲恆蜷lの33人が集まり、年齢ごとの部門に分かれて楽しんだ=写真。
昨年春に販売し始めた同かるたは、高遠城址(し)公園のコヒガンザクラ、長谷の孝行猿、天竜川のザザ虫などを題材に、合併したふるさとを知ってもらおうと3千部を制作。現在は約2500部を売り、地元出身者などからの問い合わせもあるという。
読み手は、伊那朗読の会の会員の一人、柄山祐希さん(83)=同市中央区=が務め、かるたの題材になっている場所について解説しながら進行。参加者は、関心しながらも次第に札数が少なくなると、体勢を前のめりにして札を取り合う熱戦を展開した。
小学校3年生以下の「年少の部」で9枚獲得した、西春近北小3年の本間はるかちゃん(9つ)は、前半で稼いだリードを守りきって優勝。「端から端まで見渡して取った。勝ててうれしい」と喜んでいた。
小林組合長は「新しい伊那市の歴史や文化を理解してほしい」と、かるたの題材になっている場所を巡る企画を検討しているという。かるた大会も継続していく考えでいる。 -
おやきで家起し、木下利恵さん(50)
「おいしい物を食べたい一念で、おやきづくりをしている。『おやきで地域起し』なんて、大それたことは考えていない。まずは家起し。余って捨ててしまうような野菜や漬け物、なんでも頂いて、利用している」。
長谷村生まれ。結婚後「環境の良い場所で子育てをしたい」と夫と子ども3人でUターンした。シイタケ栽培もしたが、サルの食害に遭い、「なにか一生続けられ、自立できる仕事を」とおやきづくりを思い立った。
おやきづくりはまず、小麦粉をこねて、たたいて、伸ばして皮を作る。「これでもかというほど、しっかりこねる。ストレス解消にもなる」とか。中身はあんこと野沢菜、カボチャの3種類。長谷村産の小豆を使ったあんこは「素材の味を生かして、甘さは控えめ」。野沢菜入りは、みそを入れた母の味の野沢菜を塩出しし、ごまと彩りにニンジンを入れて味を調えた。カボチャは自家取りを使った。
2時間寝かせた皮に中身を包んで、年代物のほうろくに並べて、じっくり、こおばしく焼いた。
先日、伊那市西春近の友人宅で、試食会。市内外から集まった友だちは「昔食べたおばあちゃんの味がする」「皮の味はいい」など概ね好評。中には「小豆はもう少し甘い方がいい」「カボチャはみそ味で鉄火みそ風の方が、おやきに合う」などの指摘も。
「切り干し大根やリンゴ、ナスおやきなどいろいろ試したい。食べきれないで、捨ててしまう野菜や果物、漬け物などを使うことで、ごみも減らしたい」と抱負を。
今後、試行錯誤を重ね、「昔懐かしいおばあちゃんの味」をコンセプトにしたおやきを完成させ、将来的には注文生産、直販する考え。5人暮らし。(大口国江)