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穴山産廃施設操業禁止原告団が喜びの勝利報告会
建築物解体業大成産業(酒井睦夫社長)の産業廃棄物処理施設の操業差し止めを求めた5年余の法廷闘争で、完全勝利が確定した駒ケ根市中沢の穴山産廃施設操業禁止裁判原告団(宮下久団長、174人)は15日夜、中沢公民館で勝利報告会をした。10年以上操業していた産廃施設の差し止めの確定は全国初。
91年操業の産廃処理施設に対し、地元住民が排煙で健康被害を受けているとして00年、飯田地裁に提訴、03年1審の飯田地裁は住民の主張を認め、操業差し止めを認容する判決を出した。2審の東京高裁でも今年4月、1審を支持、業者の控訴を棄却した。最高裁でも受理から、わずか2カ月という異例の早さで業者の上告を棄却し、東京高裁の勝訴判決が確定した。
報告会には百人が出席、宮下団長は「一糸乱れぬ固い結束と反骨精神で、地区全体のバックアップの中、再三の和解提示をも一蹴し、初志の信念を貫き、勝利を手にした。今後、判決内容が着実に実施されるように看視していこう」とあいさつ。
経過報告と今後の課題の中で、竹村寿彦副団長は、焼却炉の撤去時期について「業者の自主撤去であり、県は撤去の時期を約束させるべきだ。撤去後の跡地利用についても看視する必要がある」と話した。
最後に、原告団は名称を変更し、組織を存続させることを確認した。 -
新たな企業進出へ
駒ケ根市赤穂北の原工業団地の龍水社跡地など延べ1万2千坪の土地に愛知県の家具・机製造業のトヨセット(本社安城市)が進出することがほぼ確定的になった。16日に開いた市議会全員協議会で中原正純市長らが議員らに説明し、土地の用途変更などについて理解を求めた。
同地については05年7月に市に問い合わせがあり、8月までに交渉はほぼまとまっていたが、同社は進出の条件として敷地1万2千坪の確保を希望。これを受けて市は龍水社の跡地約9千坪に加え、北側の民有地のほか、市と伊南行政組合が管理する伊南聖苑の一部の土地取得に乗り出し、地権者や他町村など関係者に理解を求めてきたが、大筋で理解が得られたとして今後、年内の用地契約締結に向けて詰めの協議に入りたい考え。順調に交渉が進めば06年5月に造成工事を始め、07年9月ごろに操業開始の見込み。市は進出により、従業員の現地採用や市内の企業への下請け注文が増えることなどを期待している。
トヨセットはストーブの製造・販売などで知られるトヨトミの子会社。1964年に設立し、TOYOSTEELのブランド名でオフィス家具や鋼製事務机などの製造・販売を手がけている。04年度売上は67億円。従業員数は約200人。 -
中沢小で炭出し
駒ケ根市の中沢小学校で同校PTAらがこの夏から製作に取り組み、10月に完成した新・炭焼き窯での第1回の炭焼きが無事に終わり16日、児童らが焼き上がった炭を窯から取り出した。
狭い窯口から1人ずつ中に入った児童らは真っ黒に焼き上がった炭を一つ一つ丁寧につかんでは箕(み)に入れ、いっぱいになるとうれしそうに持ち出していた=写真。焼き上がった炭はその場で早速ダンボール箱に詰められ、PTAや市民らに販売される。新しい窯の製作の指導に当たった宮下秀春さん(71)は「窯の癖がつかめない1回目としてはかなり良い炭だ」と上々の出来に満足そうな表情を見せていた。
新しい窯は内部の奥行き2メートル、最大幅1・6メートル、高さ1・5メートル。周囲は土と耐火レンガで固め、外壁にはヒノキの丸太を使うなど、小学校には珍しい本格的な造り。同校の炭焼きは総合的な学習の時間などを利用して児童らが毎年行なっている。炭を売った収益金は卒業記念品や図書「炭焼き文庫」の購入などに充てられる。 -
キンボールリーグ戦開幕
キンボール愛好者ら約120人が集う駒ケ根市初のリーグ戦「第1回にっこりキャッチでキンボール大会」が開幕した。8日に行われた開会式に続いて15日夜には予選リーグAブロックの第1戦が赤穂中学校体育館でスタート。開幕戦に臨んだチームの出場者らは緊張した様子もなく、笑顔で楽しそうにプレーしていた=写真。
大会に出場するのは13チーム。1月末まで予選リーグを戦い、2月から3月にかけて決勝リーグを行うことにしている。 -
いきいきフォーラム
「第10回あなたとわたしのいきいきフォーラム」が15日夜、駒ケ根市文化会館で開かれた。駒ケ根商工会議所、男女共同参画社会を目指す市民の会、女性団体連絡会などの会員らでつくる実行委員会の主催。約90人が参加し、働く母親を支援する会社マザーネット代表の上田理恵子さんによる講演「女性のニーズで新しいサービスを創造窶博qどもと歩む起業への道」のほか「主体的に動く」をテーマとしたパネルディスカッションを聞いた。
上田さんは出産後、子どもを育てながら働くことの大変さを身にしみて経験したことから、働く母親たちの助けになりたいと01年に会社を設立した経緯などについて「病気の子どもを人に預けてまで働くことに罪悪感を感じたこともある。でも社会の役に立つために仕事を続けようと思った。この点で迷わないことが大切では」と語り掛けた=写真。
パネルディスカッションのパネリストはハローワーク伊那の百瀬晃さん、百笑塾塾長の小平寛子さん、婦人服店「ミス・バニー」代表の木下真由美さん、宅幼老所「わが家」の代表大石ひとみさん。4人は社会保険労務士上野美穂さんのコーディネートで、女性の生き方などについてそれぞれの立場から意見を述べ合った。 -
赤穂中美術館で授業
15日、駒ケ根市の赤穂中学校3年生16人が美術の選択授業を同市の高原美術館で行った。生徒らは学芸員の解説で館内の展示作品の鑑賞をした後、それぞれ「秋」をテーマに抽象画作品の制作に取り組み、描き上げた作品を互いに発表して副館長の松井君子さんの講評を受けた=写真。
生徒らは画用紙に向かってしばらく考え込んで構想を固めると、思い思いの秋のイメージを色と形で表現しようと懸命に絵筆を動かした。30分で仕上げなければならないとあって忙しい制作となったが、時間内に全員が作品を仕上げた。
描き上げたばかりの絵を手にした生徒らは自らの作品について「落ち葉をイメージしました」「夏が終わった寂しさや落ち着きを表現しました」などと説明。松井副館長はそれぞれの作品について「デリケートな秋のイメージが良く表現されている」「音楽を感じさせるとても良くできた作品」などと丁寧に講評を加えた。 -
蘇れ!世界の名スピーカー
駒ヶ根の実業家らが起業世界中から1940縲・0年代に製造された名スピーカーを集め、再生して販売する事業が駒ヶ根市で始まった。マニアには垂涎のドイツの「クラング・フィルム」社製や、アメリカの「ウェスタン・エレクトリック」社製など、主に映画館の音響設備や館内放送用に使用されていたスピーカーが中心。
インターネットなどを通じて、世界中からスピーカー本体を集め、整備・調整した上で、駒ヶ根市のエーワ木工で作る特注のボックスにセットして販売する。1950年代はトーキー映画全盛期で、映画館用のスピーカーは技術者が手間とコストと情熱をかけて作った逸品が多いという。
事業をはじめたのは、駒ヶ根市の建設会社専務久保田満さんとコンピューターシステム会社社長小林正信さん、神奈川県横浜市のネット通販会社社長の佐々木猛さんの3人でつくる「クラング・クンスト」=独語で「音響芸術」の意味=。オーディオマニアの小林さんが「世界中で、素晴らしい音の出る古いスピーカーが捨てられている。再生して利用する道を開くことが重要」と話を持ちかけ、久保田さんと佐々木さんは、実際に古いスピーカーの音を聞いて感動、事業化に踏み切った。
既に、全部組み立てれば500万円するといわれる大型スピーカーをはじめ、さまざまなサイズのものが集まってきている。再生・販売の中心は、直径8インチ程度の小型のスピーカーだが、特製ボックスに「ホーン」と呼ばれる音響装置を取り付けてあるため、臨場感溢れる音を楽しむことができるという。値段は8インチのもの2台1セットで16万8千円前後。
駒ヶ根インター東に展示場がある。詳しくは久保田さん(TEL090窶・148窶・918)まで。 -
才能教育研究会バイオリン指導者
青木千枝子さんスズキ・メソードで知られる故鈴木鎮一さん(世界的バイオリン奏者・指導者)の教えをどうしても受けたくて高校卒業後、松本市内に下宿して師事。幼いころからの念願をかなえた。
「鈴木先生は大声を出したり、厳しくしかるようなことは決してなかった。温かく見守りながら上達を待っているような、思っていた通りの優しい人でした」
3年間、研究生として直接鈴木さんの教えを受けた後、各地で指導者として活躍。現在自宅と伊那市で保育園児から高校生まで約20人を指導している。
「先生に教わったのは、ただ音楽を教えるだけでなく、愛情を育てる窶狽ニいうことでした。音楽を通じて慈愛に満ちた深い人間性を養うことが大切なんです」
◇ ◇
駒ケ根市福岡に教会が運営する保育園があった。ここに入園したことがその後の人生を決めることになる。園ではスズキ・メソードの理念に感銘を受けた牧師夫妻がわざわざ講師を呼び寄せ、園児らにバイオリンを教えていた。
「バイオリンは10丁くらいあったかな。園児が交代で練習し、施設などに慰問に行って弾いたりしていました。園では子どもたちの弾くバイオリンの音が聞こえ、昼寝の時間にも静かなクラシック音楽が流れていた窶煤B温かくて夢のような素晴らしい保育園でした」
卒園後も両親に頼んでバイオリンを弾き続けたが、一時バイオリンをやめようと思ったこともある。中学生の時、バスケットボール部に入部し、家に帰って来てもくたくたに疲れ切っていてバイオリンの練習ができない状態が続いたことから「両方は無理だと思い、先生に『やめさせてください』と言ったんです。でも1カ月後に『やっぱり続けたい』窶煤Bバイオリンのない生活はもう考えられなくなっていたんですね」。バスケットもやめることなくずっと続けた。
◇ ◇
「バイオリンは簡単な楽器ではありません。それだけに、毎日練習することで忍耐力や集中力、計画性が養われるんです。生徒が家で練習してきたかどうか、曲を弾かなくても調弦の段階で分かりますよ。毎日弾かないと楽器は鳴ってくれませんからね」
「物心ついたころから大好きだった音楽の道を歩くことができて本当に恵まれていると思います。でもそれ以上に、音楽を通じて子どもたちの教育にかかわっていられることに本当に幸せを感じているんです」
(白鳥文男) -
アエラトーロコンサート「月の雫花の影」
伊那を中心に活動する音楽グループ、アエラトーロは11日夜、駒ケ根高原美術館で、アコースティックコンサート「月の雫(しずく) 花の影」を開いた。約130人の聴衆は、ソプラノのソロ、二重唱、ピアノとフルートの二重奏、2台ピアノと変化に富んだ演奏、ユーモアたっぷりの案内人、曲目ごとに衣装を替えるなど、サービス精神おう盛なコンサートを聴いて、見て楽しんだ。
出演はソプラノの浦野純子さん(伊那市)、ソプラノ・ピアノの日下部かおりさん(岐阜県)、フルートの松浦美恵子さん(伊那市)、ピアノの畔上恭子さん(山の内町)。案内人は個性派俳優の扇谷敏さん。
真紅の打ち掛け姿で登場した浦野さんが「ある晴れた日に」とオペラ「蝶々夫人」を歌ってオープニング。日下部さんと浦野さんが二重唱を響かせたプッチーニの「ラ・ポエーム」と続いた。
透明で涼しやかな松浦さんのフルートの音色、寄りそう畔上さんのピアノ、二重奏の魅力を伝えた「プレリュードとスケルツォ」。 出演者全員によるアソドレギュニオソの「明日」で、余韻を残して、コンサートの幕は下りた。 -
飲み歩きオリエンテーリング
1人3千円で駒ケ根市内の飲食店5軒の飲み歩きができるという「第1回駒ケ根夜の街めぐり逢いオリエンテーリング」が12日夜行われた。上伊那民主商工会(有賀泰幸会長)主催。駒ケ根駅前広場に集合した約220人の参加者らは午後7時の合図とともに一斉に夜の街に繰り出し、早速ビールや焼酎などで乾杯した=写真。参加者は指定された飲食店5軒を2時間で回らなければならないため「ちょっと忙しいかな。でも安く飲めるんだからよしとしよう」「1軒目はいいが5軒目に行くころにはフラフラじゃないかな」などと飲みながら楽しそうに話し合っていた。
イベントには駒ケ根駅前など中心商店街の飲食店35店が参加した。ある商店主は「街の活性化のために今後もどんどんやってほしい」と話している。
同商工会は3月に伊那市で同様のイベントを行って好評だったことから駒ケ根市でも行うことにし、実行委員会が中心となって準備を進めてきた。 -
町四区市政懇談会
駒ケ根市は11日夜、町四区の住民を対象にした市政懇談会を東町の市老人福祉センターやまびこ荘で開いた。住民約40人が参加し、出席した中原正純市長はじめ市の職員らに教育や交通安全、ごみ処理の問題や市町村合併、指定管理者制度の導入など、日ごろ感じている疑問や意見をぶつけた=写真。
新中学校の建設計画と赤穂・東中の生徒数格差の問題について小林晃一教育次長は「合併が白紙に戻ったことで計画は大幅に遅れることになったが、必ずやる。建設地や周辺の道路整備などいろいろ課題はあるが竜東・竜西地区の人口推移なども検討しながら進める。(生徒数格差は)来年度入学者から希望者には指定学校変更を受け付けることで当面対応したい」と述べた。
「東小学校の通学路の拡幅を」「アパートなどの一部住民のごみの出し方が悪く、回収されずに困っている。市の対応は」との要望や質問に対し中原市長、中城正昭民生部長らは「地権者と再度交渉したい」「アパートの管理者への指導・説明を徹底していきたい」などと回答した。 -
明日歌定期演奏会
混声合唱団「明日歌」(新井克太郎団長)は12日夜、第22回定期演奏会を駒ケ根市文化会館で開いた。ライトを浴びてステージに立った約30人の団員らは常任指揮者の唐沢史比古さん作詞・作曲による組曲『御柱祭の情景』のほか、ミュージカル『ライオンキング』やポップスの数々など、十数曲を披露した=写真。
満員の聴衆はホールに響く豊かで迫力ある歌声に酔いしれ、1曲ごとに大きな拍手を送っていた。
明日歌は05年全日本合唱コンクール県大会で金賞、中部支部大会で銀賞を受賞している。 -
証明書自動交付機新設
上伊那で5台目となる住民票などの証明書自動交付機が駒ケ根市役所1階市民ホールに新たに設置された。14日、中原正純市長ら関係者約10人が出席して稼動開始式が行われ、設置を祝った。中原市長は「住民サービスの向上や人件費の節減などにもつながる。多くの市民に利用してほしい」とあいさつし、早速自ら機械を操作して戸籍証明書の交付を受けた=写真。
交付機で交付できるのは▽住民票▽印鑑登録証明▽所得・課税証明▽納税証明▽資産証明▽戸籍証明(謄本・抄本)窶煤B利用時間は午前7時縲恁゚後8時。土・日曜日を含め、365日利用可能。交付に必要な住民基本台帳カードは市民生活課窓口で発行している。駒ケ根市の住基カードの発行は11日現在でわずか106枚だが、今回の交付機設置によりカードの発行枚数が今後増えるものと市の担当者は期待をかけている。
戸籍証明書の自動交付は一部の市を除く広域自治体では上伊那広域連合が全国初。 -
歌謡曲友の会が西駒郷慰問
宮田歌謡曲友の会(藤田宜久会長)は12日、駒ケ根市の知的障害者総合援護施設・長野県西駒郷を慰問に訪れ、会員らが自慢ののどを披露して利用者らを楽しませた=写真。
ステージでは千昌夫、五木ひろし、神野美伽らの数々のヒット曲のほか、賛助出演の恵扇会やドリームワークスによる日本舞踊やエアロビクスなどが次々に披露された。集まった約50人の利用者らは大きな声で一緒に歌ったりステージに上がって踊ったりして楽しいひとときを過ごした。
同会による慰問は、藤田会長が西駒郷のカラオケクラブの指導をしている縁などにより、8年前から毎年この時期に行われている。 -
防火・危険物漏洩防止パレード
秋の全国火災予防運動期間中の11日、伊南防火管理協会(堀内茂彦会長)と石油商業協同組合上伊那支部南部ブロック(武井二郎ブロック長)は火災予防と危険物漏洩防止を訴えるパレードを行った。のぼり旗や横幕を付けたタンクローリーなど4台が消防署の車に先導され、伊南行政組合消防本部北消防署から伊南4市町村の市街や住宅地などに向けて出発=写真。「ストーブへの給油には十分注意して」「灯油などの漏洩事故に気をつけましょう」などとスピーカーで放送しながら住民に火災・事故防止をアピールした。
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町一区子ども会30周年祝賀会
独自の活動で知られる駒ケ根市の町一区子ども会(須田秀枝会長)は11日、創立30周年の記念祝賀会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。歴代の会長や区長ら約50人が出席。創立以来の活動を振り返って関係者の努力に感謝し、今後の発展を祈って乾杯した=写真。出席者には記念誌『町一区子ども会のあゆみ』が配布された。
須田会長は「子育ての大切な基盤としての活動を今後も続け『子育てをするなら町一区で』と言われるようになることを期待したい」とあいさつした。
創立に中心的にかかわった世話役の高橋英二さんは「この会は子どもたちに良い本を読まてやろうという思いで、子ども文庫をつくることから始まった。子どもたちは自分たちの地域で育てようと、その年その年の保護者らが苦労してやってきたことがだんだんに認められ、全国紙やテレビの全国放送にも活動が紹介された」と30年の歴史を振り返った。 -
女性部が防犯啓発活動
伊南防犯女性部(片桐明子部長)は11日夕、振り込め詐欺などに注意するよう呼び掛ける啓発活動を駒ケ根市のJA上伊那Aコープ駒ケ根店前で行った。
女性部員3人は訪れた買い物客らに「架空請求などの詐欺事件が増えているので十分気をつけてくださいね」などと呼び掛けながらチラシを手渡し、巧妙化する犯罪者らの手口に引っかからないよう訴えた=写真。 -
【記者室】三方一両損?
赤穂東小学校隣接地の開発問題が暗礁に乗り上げている。昨年土地売却が決まり、3階建てマンション2棟の建設工事が始まる寸前、児童の安全や景観の面で問題があると考えた駒ケ根市が急きょ、学校用地だった正門前の道路を市道にして開発にブレーキをかけた▼別の建設業者が、2階建て分譲住宅地にする窶狽ニいう代替開発案を提案したが、これを見て「市はこの業者と癒着があるのでは」と考える住民も出てくるなど事態は袋小路に入っている▼土地を売らなければ生活が立ち行かない地主、学校前に建物が建ってほしくない地域住民、板挟みになっている市窶煤Bそれぞれ動きの取れない状態だが、大岡裁きよろしく「三方一両損で一件落着」とはいかないものか。(白鳥記者)
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駒ケ岳神社例大祭
中央アルプス駒ケ岳の千畳敷にある信州駒ケ岳神社の例大祭が11日、標高2610メートルの現地で行われた。観光関係者ら約30人が参列して玉ぐしを奉てんするなどの神事を行い、入山者の安全を祈願した=写真。
気温は2度。所々に数センチの雪が積もり、薄曇りの空から時折冷たい強風が吹き付ける神社前で参列者らはかじかんだ手をこすり合わせながら神妙に頭を垂れていた。 -
教育懇談会
県教職員組合上伊那支部が主催する05年度上伊那地区教育懇談会が9日、駒ケ根市の東伊那小学校を会場に開かれた。同市竜東地区の小中学校PTAや教職員など約40人が参加し、学校や家庭での教育のあり方や問題点などについて意見を交わした。
今年度のテーマは「子どもの健やかな成長を願って」。全体会では問題提起として伊那養護学校の教諭らが問題点を報告したほか、上伊那教育白書で取り上た子どもや親に対するアンケートの結果や「子育て10カ条」を策定しようと発足した地域子ども100人の会からの活動の報告などが行われた=写真。
3分科会に分かれての討論で参加者らは「家庭の中での親の言葉遣いがまず大切。子どもの心を傷つけるようなことを言うべきではない」「今の子どもたちは両親ばかりでなく友達にもどう思われているか気にしてばかりいる。誰かに認められることが少ないせいでは」「子どもの成長は両親の育て方次第。まず大人がきちんとしなければ子どもがうまく育つはずはない」などと真剣な表情で意見を出し合っていた。
懇談会は30日まで上伊那各地の15会場で開かれる。 -
一日女性消防体験
秋の全国火災予防運動(9日縲・5日)初日の9日「一日女性消防体験」が駒ケ根市の伊南行政組合消防本部北消防署で行われた。伊南防火管理協会と同本部主催。同本部管内の女性18人が参加し、てんぷら油火災の実験などを通じて火の恐ろしさを再認識したほか、消火器の操作方法の実習や救命処置の講習などを受けた=写真。
駐車場で行われた消火器の操作訓練では、参加者らが署員の説明を受けながら訓練用の水の入った消火器を1本ずつ持って放水した。消火器の操作は初めて窶狽ニいう参加者もあり「いざという時のためによい経験ができた」と話していた。
てんぷら油の発火実験では署員が「コンロの火が油に燃え移るものと勘違いしている人が多いが、実は油が一定の温度になると発火する。つまり火を使わない調理器具でも火災は起きる」と説明すると参加者らは「知らなかった」と驚いていた。
普通救命講習も併せて行われ、人工呼吸や心臓マッサージなどの実技を終えた参加者全員に修了証が手渡された。 -
高齢者クラブ視察交流会
03年4月に2町1村が合併してできた岐阜県山県市の老人クラブ連合会員ら約80人が8日、駒ケ根市を訪れ、駅前ビル・アルパで駒ケ根市高齢者クラブ連合会員らと交流した。山県市老人クラブ連合会の平井克己会長が「当市は合併3年目の新しい市。老人クラブの活動もまだ手探りの状態だ。駒ケ根市のクラブは健康づくりなどに積極的に取り組んでいて先進的だと紹介を受けてやって来た。ぜひ教えを請いたい」とあいさつ。駒ケ根市高齢者クラブ連合会の池上重雄会長は「当クラブの活動はすべてが健康づくりにつながっている」として活動の内容を資料やビデオなどで詳しく説明した=写真。山県市のクラブ会員らは時折感心したようにうなずいたり、メモを取ったりしながら熱心に話に聞き入っていた。
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磐田市とゲートボールで交流
8日、駒ケ根市と友好都市協定を結ぶ静岡県磐田市のゲートボール協会(大島敏男会長)会員ら約30人が駒ケ根市を訪れ、県ゲートボール連盟駒ケ根支部(小原淳一支部長)の会員らと親善大会を通じて交流を深めた=写真。同市のアルプス球場で開かれた開会式では互いに土産を交換したり「久しぶりですね」「お元気でしたか」などとあいさつが飛び交うなど、あちこちで和やかな笑顔がこぼれた。小雨の降るあいにくの天候となったが、参加者らはそれぞれのコートで試合を楽しんだ。
親善試合は年1回、両市で交互に開かれていて今年で十数回目になるという。 -
農業委員会が建議
駒ケ根市農業委員会(清水千博会長)は10日、市役所を訪れ、中原正純市長に「農林業施策に関する建議」を手渡した=写真。清水会長は「06年度予算編成に当たり、足腰の強い農林業の構築に向けてこの建議の内容を市の施策に反映させてほしい」と訴えた。中原市長は「前向きに受け止め、施策に反映するよう精いっぱい努力したい」と述べた。
建議は(1)農業施策(2)農業環境施策(3)担い手の確保・育成(4)中山間地域における農業施策(5)林業施策窶狽フほか、国・県に対する要望などを盛り込んでいる。主な項目は▽地産地消の要望に応えられる販路拡大のための総合施設の設置▽特産品の開発・導入▽制度資金借り入れに対する利子補給交付金の拡充▽集落営農組織への助成▽幹線水路の抜本的対策▽農村女性の活動支援窶狽ネど。 -
中沢小マラソン大会
駒ケ根市の中沢小学校(北原三千生校長)は9日、全校マラソン大会を行った。グラウンドを元気にスタートした児童らは色づいた紅葉が舞い散る秋の道を白い息をはきながら懸命に駆け抜けた。
原則として1・2年生は1・5キロ、3・4年生は2キロ、5・6年生は2・4キロのコースを走るが、希望者は1クラス長い距離に挑戦することもできるほか、3・1キロのコースも用意されている。スタートラインについた児童らは体をほぐしたり靴のひもを結び直したりして準備を整えながら号砲を待った。1・2年生が一列に並んで最初にスタート=写真。5縲・0分おきに距離別にスタートした児童らは元気いっぱいで起伏の激しい公道に出て行った。
沿道では保護者や近くの住民らが「頑張れ」「もう少しだよ」などと大きな声援を送っていた。 -
赤穂東小隣接地開発住民説明会
駒ケ根市の赤穂東小学校に隣接する約4500平方メートルの土地の売却と開発問題に地元住民が揺れている。8日夜、同校で地元住民らに対する説明会が行われ、開発の是非について激論が交わされた=写真。「3階建てのマンションが正門前に建っては子どもたちの通学環境として好ましくない」「マンションよりは一般住宅のほうがまだましだ」「市が土地を買うか借り上げてはどうか」などの意見が出たが結論は出ないまま。日を改めて再度説明会が行われることになった。
赤穂東小学校の正門前の土地は04年1月、地主の意向により売却されることになり、開発を請け負った伊那市の建設業者が3階建てのマンション2棟を建てる計画で同年3月に着工するばかりとなっていた。マンションにはどんな人が入居するのか分からないことや、高さ10メートルもの壁面が道路際ぎりぎりにまで迫ることなど、児童の安全や景観の面で問題があると考えた市は通常の住宅用地としての開発も視野に入れ、急きょ、学校用地だった正門前の道路を市道にする案を地主の承認を得た上で3月市議会に提出し、承認された。
これを受けて以前地主から土地の利用方法について相談を受けた駒ケ根市の建設業者が2階建て住宅地としての代替案を提案し、学校と同校PTAに提示。PTAでは説明会、アンケートなどを行って意見を募ってきた。その結果「マンションよりは景観に配慮した住宅地としての開発の方が望ましい」とする意見が多かったという。
地元住民への説明会は日程などの都合で今回が初。一部住民からは、関係者に対する説明がないまま学校用地を市道にした窶狽ニして市に対する疑念を挙げる声などもあり、開発の行方は混沌としている。 -
警察協力者に感謝状
駒ケ根警察署は8日、警察活動に協力したとして全日警松本管制センター、八十二銀行駒ケ根支店に対し、同署でそれぞれ感謝状を贈った。
全日警松本管制センターは10月9日、同社が警備を請け負う駒ケ根市内の会社事務所に何者かが侵入したことを知らせる警報を感知し、警察への素早い通報を行ったことで容疑者を現行犯逮捕できた。
八十二銀行駒ケ根支店は10月27日、同支店を訪れた市内の男性(88)が「借金の残り193万円を今日中に振り込まなければ孫が連れて行かれるという電話があった」として現金を引き出そうとしていたため、この男性を説得して振り込め詐欺を未然に防いだ。 -
東伊那文化祭
駒ケ根市の東伊那公民館(細谷悦子館長)は5・6日、05年度東伊那文化祭を同館で開いた。会場では公民館の講座・教室の生徒や各種文化団体の会員らによる書道、絵画、手芸などの作品が多数展示されたほか、人形劇場や紙芝居などが催された。昼時には来場者に温かいすいとんが無料で振る舞われ、訪れた親子連れなどでにぎわった。
1階にはわらぞうりやわらじなどのわら細工、キルトやセーターなどの手芸作品や絵画、盆栽など、2階には保育園児や小中学生の絵や書道作品などが展示された。訪れた人たちは「大したもんだねえ」「うまいもんじゃんけ」などと感心しながら作品を見て回っていた=写真。 -
美術館裏方体験
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館は文化庁芸術拠点形成事業として5・6日、中学生を対象にした「鑑賞と創造窶粕・p館の裏方になってみよう」を同館で開いた。赤穂、東、宮田、春富の各中学校の男女生徒約30人が参加し、講師らの指導を受けながら作品の選定、や額装、展示などの作業に取り組んだ。
講師を務めるのは彫刻・絵画作家、学芸員など、いずれも美術の専門家今井由緒子さん、岩本拓郎さん、滝澤正幸さん、松井君子さんの4人。同館副館長の松井君子さんは「自分たちの力で自分たちの美術館を実現して」とあいさつした。参加した中学生らはまず館内に展示されている作品について講師らから解説を受け、美術への知識を深めた=写真。
選定する作品は同美術館が行なってきたワークショップに参加した小・中学生らが「春」「争い」「私の身近な人」などをテーマに描いたもの。参加者らは50点余りの力作を見比べながら展示する作品を苦労して選び出した。2日目には選定した作品を額装し、実際に館内に展示する傍ら、ポスターやチラシのデザインなど、展示全般にかかわる美術館の作業を体験した。
ワークショップの展示は1月15日まで同館内で一般公開される。 -
温暖化防止見学会
駒ケ根市の赤穂、中沢、東伊那の3公民館はふるさと講座「地球温暖化防止」の第3回講座として5日、市内と宮田村の施設や業者の取り組み事例などを視察する見学会を開いた。約20人が参加し、太陽光、水力・風力発電などの実際の仕組みを学んだ。
駒ケ根市赤穂のネクストエナジー・アンド・リソース社のショールームを訪れた一行は同社が設置して稼動している風力発電装置について伊藤敦社長から説明を受けた=写真。参加者らは最先端の技術を取り入れた発電設備を見ながら、装置の性能や今後の見通しなどについて熱心に質問していた。
このほか一行は北割幹線中央道ボックスの農業水路に設置されたマイクロ水力発電や、宮田村の宮田西保育園の太陽光発電の設備の様子などを見学した。