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矢沢たえ子さん(56)東伊那
群馬県の「日本絹の里全国まゆクラフトコンクール」に初めて「食育(いただきまーす)」で応募、いきなり最優秀を受賞した。「
普通なら捨ててしまうような、小さく形の悪い繭を見ていると、いろいろなアイデアが湧き、楽しく作った。コンクールのために作ったのではなく、たまたま、応募したら、最優秀になった」。
「食育」は祖父母、両親、子どもたちの家族6人がちゃぶ台を囲んだ食事風景と、市の職員がボードを使って食育について説明しているシーンを描いた。
献立はご飯、みそ汁、焼き魚、煮物など純和食を再現した。まゆ人形の着ている洋服も手作り、おじいさんは作務衣、お母さんは割烹着、子どもはTシャツと工夫した。
「『食育』という現代的テーマをまゆクラフトでアピールした。細かい所まで丁寧に作ってある」と評価されたという。
1950年東京生まれ。25年前、夫と2歳と3歳の息子2人と東伊那に移り住んだ。
まゆクラフトに関心を持ったのは6年前。東伊那のシルクミュージアム立ち上げに向け、まゆクラフト学習会の募集があった。「繭をまともに見たのも初めて。形がかわいい」とすっかり気に入り、動物や簡単な花づくりを体験し「自分に合っている」とのめりこんだ。和裁や洋裁、ぬいぐるみ作りなど、生来物作りが好きだったこともあって、まゆクラフトにはまった。
作品づくりを重ね、きれいなバラ、バラらしいバラが作れるようになり、大作のブーケにも挑戦した。
シルクミュージアムに地域のお年寄りからミニちゃんちゃんこが寄贈され、それに合う顔を作ったのが、人物づくりの始まり。「形の悪い繭、不ぞろいの繭を見ていると、それぞれの繭の表情が想像力をかき立てアイデアが生まれてきた」。
「食育は昨年調理師免許を取るために食育について勉強したことから、関心があった」。
これからは「一流の人に使ってもらえるような、最高のブーケを作りたい」。 -
県議選 佐々木祥二氏 一夜明けて
勝因について「大衆草の根的な運動と景気対策優先の主張が多くの世代の理解を得られたこと」と分析。スローガンに掲げた・ス豊かで住みよい元気な駒ケ根市づくり・スが女性や若年層にも理解され、浸透した手応えがあったという。
「この4年間、就職口がないとか、リストラにあったとか、給料が下がったとか、いろいろな声を聞いてきた。景気を良くするには多くの県内企業が赤字という状況を何とかしなければならない。口先だけで福祉といっても無理だ。まず地場産業を活性化する施策を実行しなければその財源が確保できないのだから竏秩v
「遊説カーで市内を回っている時にも、子ども連れの母親や若い人たちが手を振ってくれるんだよ。これまでそういった反応はまったくなかったからうれしかったし、主張に賛同してもらえているんだなと思えて自信になった」と笑顔で振り返る。
これまでといったい何が変わったのか。
「前回選で落選後、図らずも務めることになった地元区長の時の経験が発想を変えた。区は最初の政府といわれるが、区が良くなれば市が良くなり、ひいては県も国も良くなる竏窒ニいうことに思い至った。村井知事の『市町村の自治ができれば県がやることはない』という考えとも共通する発想だ。同時に当時の区役員の皆さんとの人脈が今回の選挙戦で生きた」と、この4年間が無駄ではなかったことを強調する。
一方で村井知事の景気拡大政策は支持するが、だからといってすべてをよしとするのではない竏窒ニ話す。
「議会の重要な役割は県政のチェック機能。知事にも言うべきことは言うし、おかしいと思うことはそう指摘する。市民の代弁者としてしっかりやっていきたい」 -
県議選 駒ケ根市区 佐々木氏の勝因は
県議選駒ケ根市区(定数1)は元職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=が現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=を2277票差の意外な大差で破って返り咲きを果たした。わずか255票差で涙をのんだ前回選から4年竏秩Bもたらされた当選確実の報に佐々木陣営は会心の大勝利で雪辱を果たした喜びを爆発させたが、市民が佐々木氏に託す今後の県政への期待はこれまでになく重い。
強固な組織票を持つ佐々木陣営のリードで始まった選挙戦は中盤以降林氏の猛烈な追い上げにより大接戦の声も聞かれていたが、いざふたを開けてみれば多くの関係者も予想していなかったほどの大差がついた。
勝因を一言でいえば佐々木氏が「同じ考え」とする村井知事の景気拡大政策を多くの有権者が支持したことだろう。長引く景気低迷は庶民の暮らしに重くのしかかっている。回復基調にあると聞かされても地方都市の市民にその実感はなく、先行きの見えない不安感に覆われている現状の中で、佐々木氏の訴える政策にかすかな明るさと希望を見出したものと思われる。庶民感覚からすれば福祉の向上はもちろんだが、目に見える形での生活向上=所得増に結び付くと考えられる政策の方に林氏の訴えよりも魅力を感じたのではないか。
対する林氏は福祉、教育などの暮らし優先施策を前面に打ち出して訴えてきたが、その理念は「土建屋政治許さんぞ」の一言に集約されていた。「大型ダム建設に代表される・ス無駄な・ス公共事業反対」をアピールする意図が、有権者には誤って公共事業すべてを許さない姿勢であるかのような印象を与えた可能性もある。
今選挙は4年前の再戦だったと同時に「村井」対「田中」の代理戦争でもあった。林氏はアピールの柱の一つとして「田中氏の改革路線を後戻りさせてはならない」と訴えたが、多くの有権者の気持ちがすでに田中氏を過去の人と見ていることをつかみ切れなかったことによる意識のずれもあったのではないかと考えられる。
佐々木陣営は前回選でのムード戦略が結果的に失敗に終わった反省を生かそうと当初から強力な組織固めに力を入れて選挙戦を進めてきたが、その戦術への批判もあった。組織戦には付き物の「後援会への入会を無理強いされた」とする声や「相手は共産党だ。たった一つの議席を任せていいのか」とするネガティブ・キャンペーンなどだ。その戦い方に対する反発は徐々に広がっていた感があるが、これらの批判を得票に結びつけることができなかったことも林氏の敗戦の一因といえるかもしれない。
破れた林氏は佐々木氏を支援してきた中原市政への批判も度々口にしていることから、支持者らの間では新たな目標として来年1月の任期満了に伴う市長選への出馬を考えるべきだとする声も上がっている。 -
駒ケ根市と市議会が超大型店進出に反対声明
駒ケ根市福岡で現在工事中の伊南バイパス沿線に食品や衣料などを扱うスーパー「ベイシア」とホームセンター「カインズホーム」が合計店舗面積1万平方メートルに及ぶ新店舗を出店する計画があるとする情報を得た駒ケ根市の要請を受けて市議会は9日、全員協議会を開いた。中原正純市長と市担当者の説明を受けた上で、同店の進出に断固反対する竏窒ニする旨の市長声明について了解し、市議会としても反対声明に名を連ねるほか、今後進出阻止に向けて行動を起こしていくことで全員の意見が一致した。上伊那農協と駒ケ根商工会議所から3月30日付で出店に反対する要請が議長宛てに提出されている。
市議会は99年と02年の2回「大型店に頼らないまちづくりを期待する」、「超大型店は市のまちづくりの理念にそぐわない」などとして出店に反対する決議を可決している。
市によると同店の進出に当たってこれまで市への説明などは一切なく、地権者への接触から今回の計画が分かったという。
ベイシア(本部・群馬県)は1997年3月設立の総合流通グループ企業。関東を中心に11県下93店を展開する。売上高2700億円(08年2月計画)、従業員数990人。カインズは同社のグループ企業。 -
【記者室】県議選こぼれ話
県議選こぼれ話。筆者が車を運転中のこと、交差点でよそに気を取られて一時停止と安全確認を怠った車にぶつけられた。事故の相手方が気を取られた先というのが候補者の遊説カーだった竏窒ニいうおそまつ▼「『○○をよろしくお願いします』と近づいてくるのに注目していてあなたの車には全然気がつかなかった」という。遊説カーが来なけりゃ事故にはならなかったのに竏窒ニの恨み何としても絶ち難く○○の対立候補に投票した、というのは冗談だが…▼考えてみれば世の中すべからくこんな偶然の積み重ねで成り立っている。今度の県議選にしてもほんの小さな偶然の要素が当落を分けているような気もするのだ。だから落選した候補の皆さん、次にまた頑張って。(白鳥文男)
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如月会生け花展
生け花の7流派が集う如月会(保科百子会長、101人)は第50回生け花展を駒ケ根駅前ビル・アルパで8日まで開いている。会員が心をこめて生けた大作3点、中作2点を含む85点の作品が並び、華やかな色と香りで会場を包んでいる。保科会長は「季節を感じられる作品を心掛けた。伝統文化の素晴らしさを感じてもらえたらうれしい」と話している。展覧会に合わせて咲かせたサクラなどをあしらったかれんな作品の数々に、訪れた人たちは「きれいだね」「素敵だね」などと話しながらじっくりと見入っている=写真。
入場無料。8日の開場時間は午前10時縲恁゚後4時30分。 -
青年海外協力隊入所式
JICA(国際協力機構)駒ケ根青年海外協力隊訓練所(山形茂生所長)は4日、07年度第1次隊の派遣前訓練入所式を開いた。全国から応募して試験に合格した212人が出席し、正式隊員を目指して訓練を開始した。山形所長はあいさつで「先輩たちは創意と工夫を凝らして自然環境、文化、言葉の違いを克服してきた。派遣先での厳しい環境の中での活動は容易ではないと思うが、その困難に立ち向かうために今日からの65日間、精いっぱい訓練に励むことを期待する」と激励した。候補生を代表し、マーシャル派遣予定の渡邉太一さん(大分県)は「初心を忘れず訓練に取り組み、晴れて任国に旅立てるよう精進することを誓う」と宣誓した=写真。
派遣前訓練はこれまで年3回行われ、期間はそれぞれ70日間だったが、今年度からは年4回、期間は各65日間となるほか、3次、4次では今年度初めてシニアボランティアとの合同訓練を行う。 -
県議選 駒ケ根市区 今日投開票
駒ケ根市区(定数1)は午前7時縲恁゚後8時に市内22カ所の会場で投票が行われる。開票は午後9時から市役所で行われ、大勢判明は10時すぎごろと見られる。市選挙管理委員会は午後10時から20分ごとに開票速報を発表する予定。選挙人名簿登録者数は29日現在2万7535(男1万3360、女1万4175)人。
31日から始まった期日前投票では6日現在、有権者の約6%に当たる1676人が投票を済ませている。 -
県議選 駒ケ根市区 終盤情勢
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が一騎打ち。両陣営とも朝から市内全域を遊説カーで巡るほか、各地で街頭演説やミニ集会を開き、文字通り声をからして支持者獲得に全力を挙げている。投票日が近づくにつれ、相手候補を強く批判したり攻撃したりする言葉も飛び出すなど互いの舌戦は過熱竏秩B激しい選挙戦を繰り広げている。
「相手よりただ1票多ければいいんです。ぜひもう一度知人に声をかけてください」と・スお願い・スにも悲壮感が漂ってきた。
当初は強力な支援組織を持つ佐々木氏が有利と見る向きが多かったが、終盤にきて林氏が激しく追い上げているとの見方もじわじわと増しつつある。・ス豊かで住みよい元気な駒ケ根市・スを掲げ、村井知事の景気拡大政策を支持する佐々木氏が組織票からの上積みを図っているのに対し、超党派の市民らの支援を受け、福祉、教育などの・ス暮らし優先・ス政策を訴える林氏は幅広い層の支持を拡大している模様。
激しい選挙戦を横目に、両候補の支持者以外の市民は戦いの行方をどう見ているのか竏秩B
「この狭い地域だけでなく、広く県のためになる人に入れたい」「とにかくまず市の発展に尽くしてほしい」「どっちでも結局変わらないんじゃない?」竏窒ネどと反応はさまざまだが、若い有権者を中心とした無関心層の興味も徐々に高まってきているようだ。
結果を大きく左右すると考えられる投票率は両陣営とも70%前後を予測しているが、低ければ佐々木氏有利、高いほど林氏有利との見方が有力。
さて、最後に笑うのはどちらの陣営か竏秩B大勢判明は8日午後10時すぎと見られる。 -
駒ケ根市スポ少発会式
駒ケ根市スポーツ少年団(小出庄一本部長)は2日夜、07年度の発会式を市民体育館で開いた。団員、指導者ら約600人が出席。各団の代表者らが団旗を掲げて本部長の下に集合し「ルールを守り、他人に迷惑をかけない立派な人間になります」「スポーツのよろこびを学び、友情と協力を大切にします」竏窒ネどと団員綱領を朗読して1年間の健闘を誓い合った=写真。
小出本部長はあいさつで「今年も多くの新入団員が入団してくれた。スポーツを通して強い体と心を育んでほしい。試合に勝つことも大切だが、多くの仲間をつくり、楽しむことも団の目的。最後までやめずに頑張り通してください」と呼び掛けた。
全12団の参加者は698人で、ほぼ昨年度並み。 -
【スピードスケート選手 加治木彩さん】
第62回国体冬季大会のスピードスケート競技(1月、群馬県)成年女子500メートルで自身初の優勝を果たした。「どちらかといえば千メートルの方が得意だけど今回はたまたま500が良かった。2番手をキープして最後で抜く作戦だったんですが、思った通りのレースができました」
◇ ◇
小学2年生の時、3歳年上で現在も活躍中のスケート選手新谷志保美(宮田村出身)の父が担任だったことから、新谷がコーチを務める宮田クラブへの参加を勧められ、本格的にスケートを始めた。
「練習は厳しかったけれどつらくはなかった。強制されたわけではなく、自分でやりたいと思ったことだし、スピードに乗って風を切るのが楽しかった」
中学では全国大会1500メートルで2位となるなど、長距離を中心に徐々に頭角を現しつつあった。
ところが進学した東海大三高で大きな転機が訪れる。「お前は今日から短距離だ」とコーチの命令が下ったのだ。
体型や滑りが短距離向きだ竏窒ニいう理由だったが、それまで馴染んできた長距離からの転向は気が重かった。
「えー、今更そんなことできるのかな」と戸惑いを覚えたが反論もできず、渋々従うほかなかった。
「やっぱり最初はすごく抵抗があった。体のつくり方も練習方法も全然違うので苦労しましたが、まだ体ができ上がっていない年ごろだったので思ったよりも早く適応できました。でも、今思えば良いタイミングだったのかな竏秩Bそのまま長距離をやっていたら駄目だったかもしれない。途中で挫折してしまってここまでは来られなかったような気もする。だから今ではすごく感謝しています」
2年の時に出場したインターハイでその答えが出る。千メートルでそれまでの自己ベストを一気に2秒短縮して初優勝を飾ったのだ。
「周りの誰からも期待されてなかったし、自分でも8位に入賞できれば万歳だ竏窒ニ思っていたのに突然の優勝で本当にびっくり。会心のレースでした。滑っていてすごく楽しかったことを今でも覚えています」
転向を命じられて以来手探りだった短距離の滑り方をつかんだ気がした。
信州大教育学部在学中は全日本学生選手権で3回優勝したほか、オーストリア・インスブルックで開催されたユニバーシアード冬季大会(05年)では銅メダルに輝いた。卒業後は善光寺名物の七味唐辛子で知られる八幡屋礒五郎に所属。浅間選抜優勝、全日本大会2位、真駒内選抜優勝などの成績を挙げ、国内トップクラスにまで上り詰めた。
◇ ◇
性格は「小心で内気」竏秩B
「特にスタート直前は緊張感で押しつぶされそうになるんです。競技は人を押しのけてでも前に出る精神力が求められるのに…。これからはそんな強さを身につけたいと思います」
「悔しいのは毎年5、6番手の成績で、ギリギリでワールドカップに行けないこと。あと一歩頑張って来シーズンこそ世界大会に行きたい。目標はやっぱりオリンピックです」
岡崎朋美や清水宏保など、一流の選手の生活や態度を間近で見られることも励みになるという。
「レース前の雰囲気はほかの人たちと違って強いオーラが伝わってくるよう。周りへの接し方もすごく勉強になる。学ぶことがたくさんあります」
今季のレースは終わったが、来季こそ飛躍を竏窒フ思いを胸に、黙々と日々のトレーニングに励む。
(白鳥文男) -
駒ケ根市内小中学校入学式
駒ケ根市内の全小中学校で5日、入学式が一斉に行われた。5小学校は午前に、2中学校は午後にそれぞれ式を行い、初々しい新入生を迎えて希望に満ちた新学期をスタートさせた。
赤穂中学校(杉田純治校長)では真新しい制服に身を包んだ295人の新入生が在校生や保護者らの拍手で迎えられた=写真。入学者を代表して桑原華さんは「今から始まる中学校生活への大きな希望で胸を膨らませている。運動会、白鈴祭、合唱コンクールなどの行事や部活、生徒会活動などに一生懸命取り組みたい。何も分からず不安も多いが、明るい笑顔で、大きな声であいさつすることはできる。一日一日を大切にし、充実した中学校生活を送りたい」と述べた。
杉田校長は式辞で「中学の3年間は人生を決める大きな成長の時期。スタートに当たって緊張と不安を覚えているだろうが、そんな自分に勇気を与える方法を教えよう。それは『おはようございます』などのあいさつの言葉だ。あいさつを体から発することで自分自身をはっきりと決められるし、人の和をつくれる。毎日元気に学校に来てほしい」と呼び掛けた。
入学者数は小学校が赤穂150、赤穂東88、赤穂南86、中沢29、東伊那14。中学校は赤穂295、東57。 -
交通安全活動推進委員委嘱式
交通事故の防止のため県公安委員会が委嘱する地域交通安全活動推進委員の委嘱式が3日、駒ケ根署で行われた。委嘱を受けた7人のうち6人が出席し、山本修作署長から一人一人委嘱状の伝達を受けた=写真。委員の一人赤羽根徳彦さん(71)=駒ケ根市福岡=は「光栄に思う。安協の仕事と兼ねながら委員皆で力を合わせ、交通事故が1件でも減るよう活動していきたい」と述べた。山本署長は「地域の交通事故防止のため、教育や指導をぜひよろしくお願いしたい」と激励した。
委員のうち6人は再任。新任は1人。任期2年。
委員は次の皆さん。
赤羽根徳彦(駒ケ根市)唐沢利明(同)中島明美(同)橋爪利夫(宮田村)冨永松雄(中川村)筒井功(南箕輪村)小林博明(飯島町) -
スイセン
紺碧の空に屹立する残雪を抱いた中央アルプス主峰宝剣岳を仰ぐ、光前寺参道に「衝撃的に早い」という名を持つ「ラインベルト アーリー センセーション」が咲き始め、駒ケ根市のスイセンの季節到来を告げる。以後、大杯や小杯、房咲きと様々なスイセンが5月連休ころまで、町を彩り、格好のカメラスポットとして、全国に発信される。1球が翌年には3球に、3年目は6球に増え、やがて土手いっぱいに増えて、スイセンの町になるという夢のような話が12年の歳月と、団結し継続した活動で正夢になろうとしている。すべては1球1球、みんなで植え付けたことから始まった。今回は約1ヘクタールで800種類百万球を栽培し、スイセンのまちづくりを支える、園芸農家、北村信之さん(中割)と、スイセン街道実現に向けた北割2区営農組合の10年余の活動の歴史を仕掛人の1人塩沢淳一さんにお聞きした(大口国江)
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##(中見出し)
スイセンは繁殖力おう盛、植え放しでも咲く北村信之さん
ヒガンバナ科スイセン属、園芸品種は1万品種以上、ラッパや大カップ、小カップ、八重咲き、房咲き、バタフライ咲き、ペチコート咲きなど13区分に分類される。北村さんはその代表的な品種800種類をそろえ、ハウス周辺の畑や休耕田で繁殖させている。今年は光前寺参道脇の休耕田35アールに100種類、20万球を植え付け、見本園を作った。「ラインベルトアーリーセンセーション」や密植に強い「アイスホーリー」などが咲き始めた。この後、黄色とオレンジのフリルがかわいい「ベルリン」、赤と黄色のコントラストが目を引く「ダブルファッション」、カップが長い「エイリアン」など様々な種類が咲き出す。
「スイセンは病気に強く、植え放しでもどんどん増えて、花を咲かせる。品種も多く飽きない」と魅力を。
##(中見出し)
スイセン街道の仕掛人の1人、塩沢淳一さん
94年3月、退職を機に「何か、地元に役立つことをしたい」とスイセンの名所を視察するなど研究してきた。「スイセンは管理が楽、雑草に先んじて花が咲き、夏は休眠期に入る。草刈りの邪魔にならない」と、水田の土手に1万球を植えたのが始まり。北村信之さんから球根を購入し、スコップで穴を開け、1球1球植え付けた。
翌年、北割2区営農組合は花の咲いた塩沢さんの土手を見て「花畑のようだ」と、農事部長の提案でみんなで2000球を植え付けた。「土手の草刈は球根の肥大に影響する5月いっぱいは行なわないこと」で地権者の合意もできた。球根は市から現物支給され、以後毎年1、2万球を現在まで植え続けている。01年は8千球を北割2区のふれあい花壇に植え付けた。「毎年きれいに咲き、中央アルプスをバックに、格好のカメラスポットになっている」。
植え付けは営農組合員ばかりでなく、区、分館役員、PTA、子ども会、高齢者クラブ、光前寺檀家と今では区を挙げての取り組みに拡大した。
「昨年10月は育成会の子どもたちがたくさん参加し、冷たい雨の中、頑張ってくれた」と振り返る。
「みんながスイセンを植えることで、景観も心も美しくなる。スイセンは団結と継続の花」と話す。
##(中見出し)
球根の現物支給で、活動を支援、駒ケ根市
スイセンの花の黄色や白のじゅうたんは、光前寺参道から発し、広域農道沿い、さらに、南割の琴ケ沢線にまで伸びている。
「美しい景観のまちづくり条例」を制定する同市は、うるおいのまち事業として、95年度から北割2区営農組合に、1万球前後の球根を現物支給し、01年からは琴ケ沢沿線住民協定にも5千球前後を支給している。スイセンの植え付けは中山間地域直接支払事業の一環としての位置付けでもある。
市の担当者は「スイセンは市が球根を提供し、住民が協力し合って植え付け、管理する、まさに協働のまちづくりのモデル。今年度からは農地・水・環境保全対策事業としての取り組みも考えられるのでは」と話している。
◇◇こぼれ話
「水仙」は花の姿と芳香が、水の中の仙人のようだと、中国の古典から命名された。学名の「ナルシサス」はギリシャ神話の泉に映った自分の姿に恋し、花なった美少年の名前。それ故、花言葉は自己愛、うぬぼれとか。 -
県看護大入学式
駒ケ根市の県看護大学(深山智代学長)は4日、07年度入学式を行った。難関を突破した学部生90人、大学院生15人が深山学長から入学許可を受け、晴れてあこがれの学生生活のスタートを切った=写真。深山学長は「意義のある学生生活にするため、個人の可能性を最大限に開花させること、個性尊重、視点の多様性を学ぶことなどの本学の理念を心に留め、折りに触れて思い起こしてほしい」と歓迎の言葉を述べた。新入生を代表して学部生の栗林綾香さんは「看護師にあこがれてこの大学に入学した。患者に思いやりを持ち、心を癒すことができる看護師になれるよう、知識や技術だけでなく、優しい感性を磨きたい」、大学院生の頭川典子さんは「この素晴らしい環境の中で、看護の現場で役立つ人材となれるよう日々努力していきたい」とそれぞれ決意を述べた。
式後、新入生らはガイダンスや昼食会、記念写真撮影などの日程を次々とこなし、あわただしい中にも自由で楽しい学生生活の第一歩を踏み出した。 -
県議選 駒ケ根市区 参謀に聞く
設問(1)選挙の特徴、争点(2)予想投票率(3)その根拠(4)その影響(5)当落ライン(6)激戦地(7)地盤(8)最もアピールする点(9)有権者の反応(10)ひとこと
佐々木祥二候補
福沢喜美選対委員長
(1)林候補は無所属というが実体は共産党。この点を市民の皆さんによく知ってもらい、適切な判断をしてもらいたい(2)70縲・2%(3)06年の県知事選駒ケ根市区(70・2%)(4)あまりないだろう(5)1万縲・万1千。駒ケ根市区の選挙は僅差の勝負になることが多い。今回もそうかもしれない(6)林候補の地元南割周辺の地区(7)市内全域。地元の町部と中沢が堅調だし、手応えは全体的に高まっている(8)福祉も教育もただではできない。まず安定した財政基盤をつくることが前提だ。そうすることが将来の夢や展望が開ける県政の実現につながる(9)決して悪くない。前回選よりもかなり良い(10)たった1つの議席が共産党では情けない。とにかくこの現状を変えたい。何がなんでも勝つ。
林奉文候補
村井喜美雄選対委員長
(1)暮らし優先か土建重視復活か。田中県政の後退を何とか食い止めなければならない。村井知事は県政を私物化している(2)70縲・5%(3)06年の県知事選駒ケ根市区(70・2%)(4)投票率が上がれば相手の組織票以外の得票が見込めることからこちらに有利と考える(5)1万縲・万1千。僅差だろう(6)あえて言えば全部(7)特にない。市内の全体で良い感触を得ている(8)一番大事なのは福祉、教育。子どもを大切にし、お年寄りをいたわる政策を実現する(9)非常に良い。訴えたいこと、主張が浸透してきている(10)行動力、政策能力、政治姿勢、人柄と、どれを取っても素晴らしい。県議会活性化のためのみならず、市のためにも県議として最もふさわしい人物だという自信がある。 -
駒ケ根市議選立候補届出書類事前審査
3日、任期満了(4月29日)に伴う駒ケ根市議選(4月15日告示、22日投開票)の立候補届出書類の事前審査が駒ケ根市役所で行われた。定数15に対し、これまでに立候補を表明している16派が出席。選挙管理委員会の担当者が記入漏れなど書類の不備の有無を慎重にチェックした=写真。
現職のベテラン2人が引退した東伊那区でさらに立候補する動きもあるが、告示まで10日余りとなり、出馬は微妙な情勢となっている。 -
県議選 駒ケ根市区 まちの声から
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が立候補している。最大の争点として市民が注目するのが、両候補の村井県政への姿勢だ。佐々木氏は「財政基盤の確立が喫緊の課題という点で私も同じ考え方。田中氏と違ってバランスがとれている」として明確な支持を表明しているのに対し林氏は「今の政策は大型公共事業優先の土建重視復活だ。田中前知事の改革を後戻りさせてはならない」と強く批判している。
市民の声も賛否両論で「借金を減らすことも大切だが、まず産業を活性化させてくれないと始まらない。ダムでも道路でもいいからもっと公共事業を増やして景気を良くしてほしい」(下平、自営業、47歳男性)「村井県政は発足して間がないが、田中前知事よりは各段に良く、支持している。地味だが着実な行政運営を評価している」(福岡、64歳、無職男性)「脱ダム宣言に代表されるように田中さんのやり方は素人にも分かりやすくて良かった。吉村県政までのような旧態依然とした体質にはなってほしくない」(小町屋、無職、70歳男性)と賛否が分かれる。
投票する候補はすでに決まっているかを尋ねたところ約半数が「まだ」と回答したが、佐々木氏に投票すると答えた人はその理由として「村井知事の政策を支持しているから」(北割二、無職、48歳女性)「人柄が信用できそうだから」(町一、無職、69歳女性)「県議を2期務めた実績があるから」(上穂町、自営業、56歳男性)などが挙がった。林氏に投票すると答えた人は「活躍している現職だから」(東伊那、主婦、72歳女性)「頭が良いから」(小町屋、無職、70歳男性)「田中前知事の改革路線支持だから。村井氏は役人くさくて嫌い」(福岡、団体職員、57歳男性)などを理由として挙げた。
投票の理由に候補者の人柄や実績などを挙げる声も多く、村井知事の支持率が今選挙の結果に直結するとは限らないが、今回市民の声を聞いた限りでは村井知事支持者で林氏に投票すると答えた人はなく、その逆もなかった。今選挙の結果を予測する有力な根拠となり得ることが分かる。しかし昨年8月の知事選での得票数は駒ケ根市区でも村井知事が上回ったものの、その差はわずか391票だった。「どちらが勝ってもおかしくない」と両陣営が互いに危機感を抱くゆえんだ。
一方で「政治には興味がない」(中沢、農業、76歳女性)「知事が誰で、何をやっても庶民の暮らしは結局変わらない」(町二、商店経営、56歳男性)などとするあきらめとも無関心とも思える見方も多い。村井知事支持についても「どちらともいえない」と答えた市民が特に女性に多かった。こうした政治全般に無関心な有権者の動向が選挙の結果を左右する鍵となる可能性も大きい。両陣営ともこれは十分承知で、いかにこの層を取り込むかに力を注ぎながら、連日激しい選挙戦を繰り広げている。 -
【記者室】「白票」の意味
県議選の投票日が近い。投票率はおおむね60縲・0%といったところか。年々低下する傾向の投票率だが、せっかく与えられたこの権利を行使しないのはいかにももったいない▼投票しない理由を尋ねると「投票したい候補がいない」という答えが圧倒的だ。確かにそうかもしれないし分からなくはないが、現状の中で最善と思う候補を選んで投票するのが本筋だろう。どうしても竏窒ニいうのであればその意思を示す方法の一つに何も書かない「白票」がある▼もちろん当落に直接影響はしない。だが白票が異常に多ければ「この選挙区には投票したい候補がいない」という大きなメッセージとなり得る。念のために言えば白票を勧めているわけではないので誤解のないよう。(白鳥文男)
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県議選 駒ケ根市区 中盤戦
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が立候補。4年前と同じ顔ぶれの2人による一騎打ちとなった選挙戦は、日を追うごとに激しさを増している。両陣営とも目標得票数を1万2千程度として、市内全域を回る遊説や街頭演説を行うなど支持者獲得に必死だ。
前回選では新人だった林氏がわずか255票差で佐々木氏をかわして初当選を果たした。県議として田中知事に不信任を突きつけた佐々木氏と、知事を支持する姿勢を鮮明に打ち出した林氏との明暗がくっきりと分かれた選挙だった。あれから4年が過ぎ、県知事は村井氏に、2人の立場は県議と一市民にそれぞれ変わったが、両候補の考え方は基本的に変わりがないという構図だ。村井知事の政策を支持する佐々木氏が「風は変わった」として攻勢を強めているのに対し「田中氏の改革路線を後戻りさせてはならない」と訴える林氏。争点が鮮明であるだけに、真っ向から対立する互いの主張を有権者がどう判断するのか注目される。
昨年8月の知事選での駒ケ根市区の得票数は村井氏9597、田中氏9206でその差はわずか391票。今選挙を「村井県政の信任投票」と位置付ける向きもあるが、この票差を見てもかなり僅差の勝負となることが予想される。一方、投票率は70・2%だったが、今選挙ではそこまでは達しないだろうとの見方が有力。投票率が低迷した場合、組織票を抱える陣営に有利な結果となるのが一般的だが、その意味で投票率とともに浮動票がどう流れるのかが勝敗を大きく左右すると見てよさそうだ。
佐々木氏は強力な後援会組織をフルに活用し、地区ごとに連日連夜の演説会を開催している。林氏は車で遊説しながら毎日20カ所以上で随時街頭演説を行っているほか、4日夜に駅前ビル・アルパで個人演説会を開く。 -
駒ケ根市消防団任命式
駒ケ根市消防団(小平佳司団長)は1日、07年度の辞令交付式を市民体育館で行った。新副団長、新分団長2人をはじめ昇格の団員と新入団員らが団長から辞令の交付を受けた。小平団長は52人の新入団員に対し「入団したきっかけはいろいろだろうが、入団したからには地域の安全・安心のために持てる力を十二分に発揮してほしい」とした上で全員に「いよいよ新年度がスタートする。一致団結して団の伝統をしっかりと継承していってほしい」と激励した。
辞令を受けたのは次の皆さん(丸数字は分団)。
◆副団長=北原義康◆分団長=(2)田中良英(3)松崎宗孝◆救護長=中嶋健作◆副分団長=(1)北原義伸(2)北沢隆(3)原浩則(5)藤井茂◆副救護長=下島裕一◆バイク隊長=倉田義裕◆部長=(1)石沢正志、小原正隆(2)林健司、北沢文彦(3)平沢勝也、下島篤(4)北原伸一(5)滝沢博文、宮沢剛◆班長=本部・水野毅(1)春日浩幸、小林昌誠、石原政伸、唐沢庄二、小池満、酒井健一、宮崎越百(2)下島良司、中城雅志、清水義和、宮沢郁夫、宮沢伸浩、吉瀬哲郎、土屋浩之、林芳正(3)松本寛明、飯島和彦、気賀沢治典、久保田公明、森田徹也、奥村真治、横山大樹、大前勉(4)岡庭篤、木下昌俊、下島重一、宮沢武史、田村真、北原祐二、竹村俊文、小林建蔵(5)春上聡、福沢勝明、下平直樹、市村実◆団員=本部・武藤かんな、堺沢多賀也、小町谷真奈、中村萌、大槻友基、林彩(1)水上智志、渋谷浩輔、宮島洋一、宇佐美誠、谷口昭一、細田政夫、榎本太朗、倉田拡(2)西沢昌志、北原太將、平沢友浩、中山雅人、二ツ木弘幸、井上純一朗、久保田英司、村上将太、松崎比揮、村上智(3)樋野正樹、守屋直樹、唐木俊彦、五味孝仁、川上晃、竹内輝雄、佐々木宗一、石田裕樹、塚越真巨人、下村洸一、中坪智幸、松崎将和(4)木下潤一、菅沼剛、滝沢裕二、菅沼雄也、木下善則、湯沢伸一、宮下直輝、小林厚志、伊藤浩、竹村正俊、北原聡、小林太一(5)落合仁、市村俊晴、片桐浩志、大沼哲憲 -
駒ケ根市で空家火災
1日午後8時ごろ、駒ケ根市上赤須にある原昭さん(65)=埼玉県=方の空家から出火。木造平屋建てトタンぶきの住宅1棟(約150平方メートル)と物置小屋(約10平方メートル)を全焼し、隣接の土蔵の壁の一部(約40平方メートル)を焼いて午後10時34分に鎮火した。駒ケ根署の調べによると、住宅は約10年前から空家となっているが電気は通じているため、漏電が原因とも考えられるとして調べを進めている。
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駒ケ根市辞令交付式
駒ケ根市は2日、07年度辞令交付式を市役所南庁舎で行った。異動職員約60人のほか、新規採用職員3人が中原正純市長から辞令を受け取って新年度をスタートさせた=写真。中原市長は約130人の職員を前に訓示し「今年度の人事異動は極めて小規模だが、若い感性にあふれる3人を新たに迎えた。大変頼もしく、これからの活躍を期待したい」とした上で「佐藤収入役が任期を1年残して退任したその気持ちを受け止め、佐藤さんの分まで頑張らなければならない。ほかにも副市長、会計管理者の導入、女性課長の登用などの機構改革を行った。自力・再生・向上型予算の目指すべき方向を職員一人一人が理解し、将来に向かって明るい展望の開ける市になるよう、創造性を忘れずに努力してほしい」とげきを飛ばした。
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駒ケ根写真コンテスト表彰式
駒ケ根市観光協会(山浦義人会長)は31日「06年度駒ケ根観光写真コンテスト」の表彰式を駒ケ根高原美術館で開いた。入賞者12人のうち7人が出席し、市観光協会の宮沢清高情報企画部長から表彰状を受け取った。作品を審査した駒ケ根市出身の山岳写真家津野祐次さんは講評で「一瞬のチャンスを絶妙のタイミングでとらえている」「ほのぼのとした動きがある」「遠近感と色彩が見事」などとそれぞれの作品を絶賛した=写真。応募数は昨年度の105点を大きく上回る164点に上った。
入選作品は同館2階で4月15まで展示される。
入選者は次の皆さん。
▽最優秀賞=波木井芳雄(静岡県)▽優秀賞=下宮伸一(駒ケ根市市場割)前田真理子(愛知県)▽特別賞=松村茂雄(駒ケ根市梨の木)平沢善博(宮田村南割)太田秀男(駒ケ根市下平)▽入選=海野順子(松本市)向山世男(伊那市錦町)久保村由人(伊那市西春近)吉岡修(富山県)藤沢雪生(駒ケ根市赤須東)磯貝文男(愛知県) -
太田切川で変死体
31日午前6時35分ごろ、駒ケ根市と宮田村堺に架かる太田切橋下の太田切川右岸堤防上に人が倒れていると110番通報があり、駒ケ根署員が急行したところ、すでに死亡していた。遺体は家族の確認により、新潟県糸魚川市の会社員男性(34)と分かった。
同署の調べによると死因は頭蓋骨骨折と見られる。橋の欄干に足跡があるなど、周囲の状況などから飛び降り自殺の疑いが強いと見て捜査している。 -
駒ケ根市退職者送別式
30日、駒ケ根市は31日付で退職する佐藤伊左男収入役(63)の退任式を市役所南庁舎で開いた。市職員ら約100人が出席し、長年の労苦を拍手でねぎらった。31日付で退職する市職員8人の送別式も続いて行われた。
佐藤収入役は1962年に市職員となって以来の時代の変化を懐かしく振り返った上で「自分なりに一生懸命やってきたが、信頼される役所づくりのためにはまず自分自身を改革する必要がある。より良いものに変えていく、新たなものをつくりだす意識で仕事に取り組んでほしい。市のますますの発展を祈る」と別れの言葉を述べた。
佐藤収入役は04年3月、総務部長を最後に市職員を退職後、収入役に就任。地方自治法改正に伴って任期を約1年残して退任する。
退職者は次の皆さん。
▽一般行政=花木道治(技監)小林晃一(教育次長)佐野信子(会計課長)赤沢千穂(保健福祉課介護支援係長)黒河内とみ子(市民生活課国保医療係長)田村仁志(税務課主任)林史絵子(税務課主任)▽技能労務=佐野千恵子(竜東学校給食センター主査) -
国体スケート優勝報告
第62回国体のスピードスケート競技(1月、群馬県)成年女子500メートルで自身初の優勝を果たした駒ケ根市町四区出身のスケート選手加治木彩さん(24)が29日、駒ケ根市役所を訪れ、中原正純市長に優勝を報告した=写真。加治木さんは「どちらかといえば千メートルが得意だが今回は500が良かった。2番手で行って最後で抜く作戦だったが、思った通りのレースができた。絶対に優勝しようと思って臨んだ」と会心のレースを振り返った。中原市長は「市民にとっても大変うれしいこと。これからもぜひ活躍を」と激励した。
加治木さんは小学2年からスケートを始めた。進学した東海第三高で短距離に転向し、インターハイ千メートルで優勝するなど活躍。信州大教育学部在学中は全日本学生選手権で3回優勝したほか、オーストリア・インスブルックで開催されたユニバーシアード冬季大会(05年)では銅メダルに輝いた。現在八幡屋礒五郎所属。 -
「下在南部生産組合」設立
駒ケ根市赤穂小町屋区と市場割区の農業者83人でつくる集落営農組織「下在南部生産組合」の設立総会が28日夜、市場割研修センターで開かれた=写真。関係者約50人が出席し、規約、07年度事業計画・予算案、役員などを承認した。
同組織は5年後の12年をめどに法人化し、作付け面積を現在の46ヘクタールから67ヘクタールに、年間生産量も現在の米223トンから米315トン、大麦8トンに増加する計画。
市内で計画されていた10の集落営農組織はすべて設立された。
役員は次の皆さん。
▽組合長=村沢邦雄▽副組合長=気賀沢文孝、気賀沢洋夫▽理事=北沢祥平、金村悦男▽監事=中村正人、辰口巌 -
上穂開発協議会総会
駒ケ根市の北割一、同二、中割、南割、上穂町、福岡の竜西6区の正副区長、市議会議員、農業委員らでつくる上穂開発協議会は27日、07年度総会を市役所で開いた。委員ら約50人が出席し、07年度事業計画・予算案を承認し、道路整備などあらかじめ市に要望した事項の回答について担当者から説明を受けたほか、各区の正副区長らで組織する理事の互選によって選出された正副会長らの役員人事を了承した。07年度の事業として治山治水の促進や環境保全対策、交通安全対策、道路の改良と災害防止に関する活動などを行っていく。
役員は次の皆さん。
▽会長=小町谷紀幸(北割二区長)▽副会長=倉田隆之(中割区長)▽会計=大森実雄(南割区長)▽監事=竹内稔(福岡区農業委員)吉川守(上穂町区農業委員) -
【アマチュア劇団演出家・俳優 肥野隆さん】
伊那市のアマチュア劇団「南信協同」創設にかかわり、現在も中心メンバーとして演出に役者に活躍しているほか、駒ケ根市民と劇団昴の共同公演などにも多数出演。演劇歴は半世紀にも及ぶが、舞台に懸ける情熱はいまだ衰えを見せない。
「この年でやっているのは自分ぐらいになってしまった。でも芝居は奥が深いからやめようとは思いません。演劇の楽しさはね、根本的には自分でありながらほかの人物になれること。自分ではない人間をつくっていくのが魅力です。自分そのままを演じるのは一番楽だがそうではなく、個性を生かして自分なりの役をつくり上げる、その課程がね」
◇ ◇
演劇との出合いは1958(昭和33)年、19歳の時。戦後間もなく結成された「赤穂演劇研究会」の会員だった知人が、運転していたトラックの事故で大けがをした。
「見舞いに行ったら研究会の仲間が相談していた。人数が足りなくなる、どうしようって。そこで『お前、頼む』と言われて協力することになったんです」
その年はスタッフとしての参加だったが、翌年の13期定期公演『恩讐の彼方に』(菊池寛原作)には役者として出演した。
「旅の若い夫婦役でね。追いはぎをしていた主人公の市九郎に斬られる役。でも初めて踏んだ舞台はとても新鮮で楽しかった。あの感覚は一度経験するともう忘れられません。中毒のようなものですね」
以来、毎年の定期公演に欠かさず出演し、「何をやったか記憶がないほど」たくさんの芝居にかかわった。
だが、その後赤穂研究会は若い人が入らず、活動停止状態に。一方で自分の仕事も忙しく、転勤などで1カ所に定住できない生活が続いたため、演劇をやりたくてもできない状態が続いた。
93年、伊那文化会館で翌年に上演する『早春賦』の参加者を募集していることを知り、スタッフでもいいからと応募したところ、いや、ぜひ役者で竏窒ニ乞われて久々の出演を果たした。せっかくの機会を1回限りで終わらせるのは惜しいと、新しい劇団をつくることを決意。メンバーは思うようには集まらなかったがようやく15人ぐらいが集まり、11月に「南信協同」設立にこぎつけた。
◇ ◇
役者だけでなく、演出にも意欲的に取り組んできた。
「芝居をやる人は個性が強いから皆の気持ちを統一するのはなかなか大変でね。だからこそ演出家が毅然としたリーダーシップでまとめなくちゃ良い芝居はできない。もし出来が悪ければそれは役者のせいでなく、演出が悪いということ。絶対的な責任があるんです。だから意見は聞くが最終決定は演出がする。けいこでは大きな声を上げることもしょっちゅうですよ」
「演劇で一番大事なのはとにかくお客さんが見て楽しんでくれること、これに尽きる。お客さんに楽しんでもらえない芝居ならやる意味はありません」
(白鳥文男)