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先進農家実習はじまる
上伊那農業改良普及センターは4日、高校生の「先進農家体験実習」の受入式を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。高校教育における現場実習の一環で、農業経営や農家生活を通じて、農業者となるための自覚と農業に対する意欲の高揚を図る。
上伊那農業、下伊那農業、南安曇農業、須坂園芸の4校から28人が参加する。果樹、畜産、花きなど9農家で1週間、生活する。
この日は15人の生徒の受入式。石原貞治所長は「現在、農村・農業が注目されているとき。体験実習を通して、地域の農業の果たす役割を認識するとともに農業経営を考える機会としてもらいたい」と期待した。
高校生は自己紹介を兼ね、「兼業農家の専門的なことを学びたい」「進路に役立てたい」「農業の楽しさ、厳しさを体感したい」とそれぞれ抱負を述べた。 -
全国公募絵画展「信州高遠の四季展」始まる
伊那市高遠町の風景などを題材とした全国公募展、第3回「信州高遠の四季展」(伊那市、実行委員会など主催)が5日始まり、信州高遠美術館をはじめ町内の公共施設や商店など32カ所に入賞・入選作品350点が並び・ス街中美術館・スとなった。9月24日まで。
四季展は00年に始まり、3年に1度開催している。全国の画家や愛好家から高遠の自然や風景、行事を題材とした作品を募り、街中に飾ることで、高遠の良さを伝え、観光の誘致にもつなげている。
高遠城址公園の桜や、残雪の南アルプスを背景とした風景画などを中心に四季折々の高遠の魅力が描かれ、見応えのある作品が並ぶ。今回は404人から522点(日本画80点、洋画442点)の応募のうち、入賞76点(日本画15点、洋画61点)を含む入選作品350点(日本画56点、洋画294点)が飾られている。
オープニングセレモニーには関係者100人余が出席。実行委員会名誉会長の小坂樫男市長、会長の伊東義人高遠町地域自治区長がそれぞれあいさつし、四季展を通じた新市の芸術文化の向上に期待した。
入賞作品は同美術館、そのほかは公共施設や商店などに分散して展示。また、過去2回の入賞者の作品や、高遠中学校と高遠高校の生徒の作品も展示している。
信州高遠美術館は会期中無休。午前9時縲恁゚後5時。入館料は高校生以上500円、小中学生150円。問い合わせは、同美術館(TEL94・3666)へ。 -
みはらしファーム、ラベンダーの摘み取り自由
伊那市西箕輪の農業公園「みはらしファーム」は、公園内のラベンダーを無料配布している。
例年は、日帰り温泉「みはらしの湯」に提供したり、各地の観光PRイベントなどに持参する花束にしていたが、今年は十分な量が確保できたため、残りを来園者に無料配布することを決めた。
ラベンダーが残っているのは園内の道沿いで、希望者が自分でほしい分だけ摘み取れる。
また、大雨の被害にあった人たちの支援を目的とした「豪雨災害復興支援募金箱」もラベンダー横に設置した。
早速ラベンダーを摘み取った飯田市の女性は「今年はラベンダー狩りに行ったが、花がなくなっていて体験できなかったので調度よかった」と話していた。 -
飯島町の新AETが着任あいさつ
飯島町の小・中学校の新しいAET(アシスタント・イングリッシュ・ティーチャー)のライマー ジョナサン チャールズさん(22、ペンシルべニア州)は3日、飯島中学校の西村幸教諭らと役場に訪れ、高坂町長に着任あいさつした=写真。任期は7月31日から1年間、3年間まで延長できる。
ジョナサンさんは「大学で日本人の友人ができ、能や歌舞伎など日本の伝統芸能に興味を持った」と動機に触れ「子どもたちの英語力アップに努力したい」とあいさつした。
高坂町長は「飯島町の子どもは良い子ばかり、すぐになれて親しくなるよ」と歓迎した。
上背があり、がっしりした体躯のジョナサンさんに、高坂町長は「何かスポーツをしていますか」と質問。
ジョナサンさんは「空手やチアリーダーをしていた。日本でも空手ができれば」と答えた。
また「ふるさとペンシルべニアは田舎で、牛がいたり、小麦を栽培していたが、飯島町に似ている」と話すと、高坂町長は「飯島町の米はおいしい。落ち着いたら、アメリカ産の牛肉で焼肉パーティーをしよう」と誘うなど、しばらく、日本食などの話題で談笑した。 -
保育料据え置きを了承
宮田村の保育園運営懇談会(野々村利治会長)は、本年度の保育料据え置きを了承。2004年7月に平均3・9%引き上げて以来、据え置きは2年目となる。
保育料は保護者の所得によって金額が違うが、懇談会では高所得者層と低中所得者層の料金差が小さいのではと指摘も。
村住民福祉課は国の基準に沿って料金設定をしてきた経緯にふれたが「保育料のバランスについて再度見直していきたい」と説明した。
また、「近隣でも子育て支援として保育料を引き下げる自治体が出てきているが、宮田村の現在の水準は」と質問も挙がった。
同課は郡内平均よりも高い状況にあると話したが、所得の関係などが影響していると説明した。
席上、保育園長、宮田小学校教頭が園児、児童の日常生活について説明する場面もあり、親としての自覚も含め、子どもの成長を幅広い視点で検討した。 -
駒ケ根高原美術館で中学生美術ワークショップ
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館は4日、中学生を対象にしたワークショップ「WORKS竏駐ュく動作は美しい」を開いた。駒ケ根市の赤穂中、東中、伊那市の伊那中から美術クラブ員ら45人が参加し「働く」をテーマにした絵画作品の制作などを行った。参加者は与えられた40分の時間内に作品を仕上げようと真剣な表情で絵筆を動かしていた=写真。
制作に先立って参加者は駒ケ根市の養命酒駒ケ根工場を見学。その後、東京都府中市美術館館長で多摩美大教授の本江邦夫さんの講義「働く人の美しさ」を聞いて作品制作のイメージを高めた。
ワークショップの2日目は9日に開かれ、山梨県の山梨県立美術館を訪ねてミレーなどの作品を鑑賞した後、作品の印象をテーマにした作品制作などに取り組む。 -
伊那税務署 中学3年生夏休み租税教室
伊那税務署で3日、中学3年生を対象とした「夏休み租税教室」があり、伊那市内4校から合計45人が参加し、租税教育用ビデオの鑑賞、署内見学などを通じて税金に理解を深めた。同税務署、市税務課の共催。
本年で17回目となる恒例の教室。次世代を担う生徒らに、税の意識と役割に関心を持ってもらい、身近なものとして捉えてもらうことを目的としている。
税務署、同税務課の関係者による講話では、税金に関するクイズを解いた。問題は、05年度の国民一人当たりの平均国税は竏窒ネど10問。「公立中学に通学する生徒一人当たり年間約93万円の税金が使われている」と、生徒たちは知り、金額の大きさに驚きの様子だった。
三浦元幸署長は冒頭で「税金は皆の生活を良くし、よりより環境を造っていくための会費のようなもの。少しでも税金について関心を持ってもらえれば」とあいさつした。 -
伊那文化会館で伊那弥生ヶ丘高校の学生が就業体験
伊那市の伊那弥生ヶ丘高校の生徒が3日、県伊那文化会館を訪れ、学芸員の仕事を体験した。
夏休みを利用した就業学習体験の一環。県伊那文化会館では、昨年から学生を受け入れている。
今年は、美術館関係の職業に関心のある2年生2人、3年生2人が訪問。会館の林誠学芸員から作品の扱い方や展示方法の指示を受けながら、5日に始まる「信州高遠美術館所蔵品展」の展示準備を手伝った。
就業体験に参加した3年生の野溝由衣さんは「細かいところまで細心の注意を払っていて勉強になった。楽しかった」と話していた。 -
宮田村内のプールは安全を確認
埼玉県のプールで女児が吸水口に吸いこまれて死亡する事故が発生したが、宮田村教育委員会は宮田小、中学校両校のプールに問題はなく、安全と確認。2日までに県教委に報告した。
また、村住民福祉課は、村内3つの保育園についても安全であるとした。 -
07年度県立高校入学者選抜日程
長野県教育委員会は3日、07年度県立高校入学者選抜要綱を発表した。前期・後期選抜の日程は次の通り。
◇前期選抜▽志願受付期間=07年1月29日縲・1日正午▽面接等の検査期日=07年2月5日▽合格者の発表期日=07年2月14日▽入学確約書の提出期限=07年2月20日▽入学予定者数の発表期日=07年2月20日
◇後期選抜▽募集人員の発表期日=07年2月20日▽志願受付期間=07年2月21日縲・3日正午▽志願変更受付期間=07年2月26日縲・月1日正午▽学力検査等の実施期日=07年3月7日▽入学予定者の発表期日=07年3月19日 -
きょうまで 高校生バンドフェスティバル
上伊那の高校生によるバンドフェスティバルが3日、伊那市生涯学習センターであった。高校生活最後のステージになるバンドもあり、若さが思い切りはじけた=写真。4日午後3時からもある。
NPO法人クラシックワールドなどが青少年音楽事業として企画。当初、1日のみの開催だったが、申し込みが多く、2日間に分けて応募した13組がすべて出演する。1グループの持ち時間は30分。
初日は6組がステージに立った。洋楽バンドのコピーが中心だが、それぞれ個性あふれるステージを展開。スポットライトを浴びながら歌い、高校生ら観客もリズムに乗って盛り上がった。
上伊那農業高校3年の土屋綾子実行委員長(17)は「各校からバンドが集結し、お互いの音楽を高め合うことができる」と話していた。
4日は7組のほか、一般バンド1組がゲスト出演する。
ホール内で飲食はできない。入場無料。 -
シルクミュージアム第12回特別展
駒ケ根市東伊那の駒ケ根シルクミュージアムは第12回特別展「描かれた蚕織の世界」を3日から9月10日まで開く。下伊那郡鼎(現飯田市)出身の洋画家須山計一さんが戦後間もない1946(昭和21)年に県農業会の依頼で描いた絵本『信濃のかいこ』の原画9点と複製画3点のほか、飯田市中央農協の依頼で同市出身の画家肥後耕寿さんが描いた絵本『おかいこさま竏註フの蚕飼いのはなし』の原画10点を展示している。江戸時代の蚕糸技術書など貴重な書物の数々や養蚕浮世絵なども併せて展示。近世から現代に通じる蚕織の様子を親しみやすい絵画約100点でじっくりと見ることができる。
学芸員の宮崎久美さんは「今回の展示は絵画が中心で誰にでも分かりやすい。今も昔もほとんど変わらない養蚕の様子を小中学生にもぜひ見てほしい」と話している。
午前9時縲恁゚後5時。水曜休館(16・30日は開館)。入館料は一般300円、小・中学生100円。問い合わせは同館(TEL82・8381)へ。 -
下島育子さん(54)
「光を通して浮び上がり、あふれるような色彩で見る人を魅了するステンドグラス。ステンドグラスではないが、ステンドグラスの雰囲気を楽しむことができる」-。
駒ケ根市北割生まれ。会社員を経て、「理容しもじま」を営む下島善三さんに嫁ぎ、家業を手伝うため、家事、育児の傍ら、通信教育で学び、理容師の免許を取得した。以来、25年間、夫と二人三脚で理容店を切り盛りした。「お客様とのコミュケーションが楽しい。ここでは本音でしゃべってくれる」。
2年前、東京で理容師の修業していた長男の和善さんが帰郷。家業を手伝ってくれるようになり、趣味の世界に没頭できるようになった。
もともと、ものづくりが好きで、仕事の傍ら、趣味で押し花やパッチワークを習っていたという。ヴォーグ社のパッチワークの本に掲載されていたグラスアートの記事に目が止まった。「5カ月でインストラクターの資格が取れる」というグラスアート甲府教室の生徒募集に「前からやりたかったステンドグラスに似ている。誰もやっていない新しいアート。しかも、短期間で資格が取れる」と飛び付いた。
1昨年10月から甲府教室に通い、5カ月後に長野県で初めての日本グラスアート協会公認のインストラクターになり、教室「手作り工房りんごの木」を開いた。
グラスアートは1枚のガラスに接着剤つきのリード線を貼って、デザインを描き、裏から日焼けしにくい特殊フイルムを貼って彩色し、フイルムの端をリード線でとめて作品を作る。ステンドグラスに比べると、手軽に短時間でき、安全に作ることができるのが特徴。
「リード線をしっかり圧着させ、フイルムに空気やゴミを入れないように貼るのがコツ。リード線でカーブを作ったり、色の調和が難しい」とか。
昨年7月、伊那市のかんてんパパで、初めて、教室の作品展を開き、3日間で千人が来場。写真立てや宝石箱、壁掛け、テッシュケースなどの小物やランプシェード、衝立などの大作を鑑賞し、グラスアートの世界に親しんだ。
しかし、グラスアートの認知度は低い。伊那市のペアーレや飯島中央公民館の講座で教えるなど、多くの人がグラスアートを手軽に楽しめるように活動の輪を広げている。
「ステンドグラスのイメージが強すぎて、とっつき難い面もあるが、体験してみると、うそみたいに簡単にできる。子供でも高齢者でも楽しめる。時には苦労して、大作を完成させた時の喜びは格別」。5人家族。
教室の申し込みは「手作り工房りんごの木(TEL83・1353)」大口国江 -
アマチュアミュージシャンライブ
飯島町の与田切公園で30日、アマチュアミュージシャンのライブ「夏のライブVol・2 in与田切公園」が開かれた。飯田市のポピュラーミュージックスクール「キューブ・ミュージック・スタジオ」(中島裕喜代表)主催。野外ステージには伊那市のブルースバンド「PAN竏谷AN」のほか、飯田市や東京の9グループが次々に登場してそれぞれ得意の演奏を披露した=写真。中には現役のプロ・ドラマー今泉正義さんが特別に加わったバンドも出演し、ファンの喝采を浴びていた。集まった観客は芝生にのんびりと座り、手拍子を打ったり体をゆすったりしてリズムを取りながら、広場に響くさまざまなジャンルの演奏を存分に楽しんでいた。
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食欲モリモリ、子どもたちが流しソーメン
夏休み中の宮田村の子どもたち約30人が1日、村の福祉交流施設なごみ家で流しソーメンやスイカ割りを楽しんだ。
長かった梅雨も明け、夏空広がる屋外に子どもたちが集合。流しソーメンは約2・5キロ用意したが、全員ぺロリとたいらげた。
「もっと流して」「まだまだ食べられる」と歓声も。
急きょ、買い足しに走る事態に。暑さにも負けない子どもたちの食欲に、大人たちは驚いていた。
スイカ割りも楽しみ、やっと到来した本格的な夏を心ゆくまで味わっていた。 -
大正琴上伊那交歓会
上伊那地区大正琴指導者会「虹彩」は30日、第26回上伊那地区交歓会を飯島町の町分化館で開いた。約60グループが出演し、それぞれ得意の演奏を披露し合った=写真。
20年継続者と80歳以上の生徒に表彰状が贈られた。
表彰されたのは次の皆さん。
▽門下生20年継続者=小原のぶえ(福澤幸子教室)伊藤のり子、北原小春(秋山志げ子教室)原喜久子(田中千代子教室)上山きよ子(那須野みさ子教室)▽門下生80歳以上=有賀多嘉子、伊藤恒子、伊藤いく江、池上しず子、春日千枝、田辺久枝(以上長井幸子教室) -
飯島小6年生がブルーベリー狩りを楽しむ
飯島町の飯島小学校6年生40人は27日、上の原のブルーベリー農園「ベリーヒル(市村茂園主)」に招かれ、ブルーベリー狩りを楽しんだ。
町の農業を調べたり、収穫体験で自然に触れようと来園した。
学校から約20分歩いて同園に到着した児童らを前に、市村さんは「裏まで真っ黒に完熟したものが甘い。いろいろな種類が植えてあるので、食べ比べて」と呼び掛けた。
児童らはデキシーやエイトブルなど中晩生種が熟す農園に散らばり、「甘い!」「大きくて、おいしい」と真っ黒に色づいた実を次々と口に運んでいた。
また、家へのお土産ももらい、笑顔で持ち帰った。 -
飯島町発足50周年記念お陣屋まつり開幕
飯島町に代官の陣屋が置かれていたことに由来する町民総参加の祭り「第25回お陣屋まつり」は29日、広小路をメーン会場ににぎやかに行なわれた。
町発足50周年記念、最終となる祭りは、駿府、飯島を往来した当時の行列を再現した代官行列が「えいほ、えいほ」の掛け声も勇ましく本郷公民館を出立し開幕。竹やぶの道をしずしずと進み、本郷神社へ。境内では本郷地区の歴史に基き、現代風刺を効かせた歴史劇「養山塚の秘話」を上演。町内唯1の回り舞台もギシギシ鳴って、観客の拍手喝采を浴びた。
メーン会場では、高坂町長が代官に扮した代官行列、古来伝承のしし舞が奉納され、特設ステージには、龍真、鼓楽、鼓遊の3グループが次々と登場し、特徴ある響きを披露した。
お陣屋音頭に合わせ、地区や団体の踊り連が広小路に繰り出し、工夫を凝らした子どもみこしも出陣し、祭りを盛り上げた。
夕闇が迫ると、火を点した提灯みこしも広小路に練り込み、競い、煙火の打ち上げも始まり、祭のにぎわいは最高潮に達した。 -
伊那谷最大の馬宿、宮田村大田切に存在
江戸から明治にかけ伊那街道で発達した民間輸送の仲馬(ちゅうま)。研究する都筑方治さん=飯島町出身、群馬県在住=の調査で、馬15頭が一度に泊まれる伊那谷最大の馬宿(うまやど)が宮田村大田切にあったことが分かった。馬を引き連れる馬方(うまかた)の宿泊施設でもあり、太田切川を渡る物流に重要な役割を果たしたとみられる。
29日に同村公民館が開いたふるさと発見講座で発表した。
今までの研究では、辰野町小野と駒ケ根市小町屋の間で馬宿の存在が未確認。空白区間だったが、都筑さんは仲馬の移動距離などから宮田村周辺にもあるはずと調査していた。
箕輪町で見つかった古文書から、大田切の馬宿が文政6(1823)年の正月2日に、宿泊した今村、横川(ともに現辰野町)の馬方の失火により焼失したという記述を発見。
現地調査で、馬宿があったとされる家人から「正月に火事を出して財産をなくした」という言い伝えがあることを聞き、古文書に記される物的証拠が現在も同家に残っていることから確証を得た。
今までは9頭が泊まれる飯島町七久保の馬宿が伊那谷最大とされたが「川が増水すれば、仲馬は足止めを食らう。大田切周辺には他にも馬が泊まる小屋があったのではないか」と都筑さんはみる。
宿場ごとに荷物を中継する幕府公認の伝馬制度に対して、仲馬は送り主からあて先まで中継せずに責任持って引き渡す。一度に3縲・頭の馬で物資を運ぶが、長距離輸送のため馬宿は欠かせない存在だった。
宅配便をはじめ現代の流通の原点でもある仲馬だが、都筑さんは「伊那街道は中山道の脇街道で、宿場に常備していた馬が少なかったことも、仲馬の隆盛につながったのでは」と話していた。 -
吹奏楽コンクール中学生の部 上伊那9校・県大会へ
第46回県吹奏楽コンクール中学生の部南信A地区大会が29日、伊那市西町の県伊那文化会館大ホールで開かれ、県大会出場校が決まった=写真。県、県教育委員会などの主催。
コンクールはA編成(50人以内、課題曲・自由曲)、B編成(30人以内、自由曲)の2部門に、諏訪、上伊那地域から計27校が出場。高校、中学校教諭ら5人が、演奏技術や表現力などを審査した。
生徒らは歌劇やバレエ音楽などを自由曲の題材に、日ごろの練習成果を発揮し、息のあった演奏を披露。ほぼ満員となった観客席では、保護者らが澄んだ響きに耳を傾けた。
県大会にはA編成から上位10校、B編成から上位3校が出場。8月8竏・0日、長野県民文化会館(長野市)で大会がある。
出場校は次の通り(上伊那関係分)。
▽A編成=箕輪(金賞)伊那(金賞)春富(金賞)赤穂(金賞)飯島(金賞)辰野(銀賞)宮田(銀賞)中川(銀賞)
▽B編成=高遠(金賞) -
はなまる地域探検隊・木曽を訪問
伊那市の小中学生を対象に体験活動の場を提供する事業「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)は29日、学習の場を木曽へ移して活動展開した。権兵衛トンネルを抜け、木曽町ある天体観測所や考古資料館などを見学。隊員たちは他地域で経験する初めての体験に胸を踊らせた。
児童、生徒計80人が夏休みを利用して集まり、マイクロバスで木曽へ向かった。探検隊は3年前、工事中のトンネルを見ているため、子どもたちは今回の木曽訪問に格別の思いで参加した。
東京大学木曽観測所では、口径105センチシュミット望遠鏡を見た。観測所関係者が望遠鏡について説明、星を追うデモンストレーションを披露。子どもたちは目を輝かせ、メモを取りながら、熱心に話を聞いた。
関係者によると同望遠鏡は、広い視野でボケの無い像が撮影可能、世界でも4番目の大きさの口径。小沢昌弘君(伊那東小4年)は「落ちてきそう」と、そのサイズに驚いた様子だった。
そのほか、観測所の近くにある名古屋大学の太陽風を観測する電波望遠鏡や、開田高原でのびのびと木曽馬が暮す「木曽馬の里」なども見学し、見聞を広げた。 -
箕輪バイパス片側通行止め解除
箕輪町松島の国道153号箕輪バイパスJR飯田線跨線橋の片側通行止めは28日午後5時、解除になった。
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高校生が一日看護体験
駒ケ根市の昭和伊南総合病院は28日、上伊那の高校生を対象にした一日看護体験学習を行った。男子3、女子13の計16人が参加し、病棟での看護などを体験した。
白衣を着た高校生は数人ずつに分かれて各病棟で入院患者の身の回りの世話に当たった。内科病棟を訪れたグループは患者の手足をせっけんで洗う作業を体験=写真。医療用手袋をつけ、恐る恐る患者の手を洗い始めるとそばで見ていた担当の看護師が「もっと強く」「指の奥までしっかり洗って」などとアドバイス。高校生らは慣れない手つきながらゆっくりと慎重に作業をこなした。患者が「気持ち良かった」と言うと初めて緊張が緩み、うれしそうな笑顔を見せた。高校生らは患者の汚物処理などの作業も行い、看護師らの仕事の大変さに改めて驚いていた。
参加した伊那弥生ケ丘高2年の水田亮君(17)は「将来は医療関係の職業に就きたいと思って参加した。実際に患者さんと接するのはすごく緊張するが、いい経験になった」と話した。 -
駒ケ根市教職員夏期研修会
駒ケ根市教育委員会は28日、市内の小中学校教職員を対象にした夏期研修会を駒ケ根市文化会館で開いた。教職員約200人が参加し、飯田教育事務所教育支援主事の伊藤潤さんの講義「特殊教育から特別支援教育へ」、信州大医学部付属病院精神神経科子どものこころ診療部の酒井文子さんの講演「軽度発達障害について竏窒サの理解と対応」を聞いたほか、7つの分散会に分かれてそれぞれ討論を行い、特別支援教育について理解を深めた。
伊藤さんはLD(学習障害)やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)児童への具体的な対応方法について「特別視しないが配慮する竏窒ニいう姿勢が大事だ。必要な支援を必要な分だけ行うと同時に、保護者への支援が大きなポイントになる」と話した=写真。 -
【筝、三味線演奏家 大庫こずえさん】
91年から駒ケ根市で教室を開く傍ら、3年前から昼神温泉の舞台で月5回の定期演奏をこなす。一方で筝、三味線、尺八から成るユニット「まいまい」のメンバーとして各地で演奏活動を行うほか、中学、高校で邦楽器の実技指導も行っている。
4月、霊犬早太郎伝説700年を記念する独演会を光前寺で開いた。同じ演目で7月には京都芸術センターでも公演を開催。演奏家としての方向性を模索し、追求し続けながらもつかめずにいたこれまでの自身とは一線を画す演奏に、新境地への確かな手応えを感じている。
「聴いて楽しんでもらうことはうれしいのだけれど、自分が音楽に求めているものはただそれだけではなくてもっと本質的な何か。筝でなければできないこと、自分だけにしかできないこと竏秩Bそれが今回の試みで少し見えてきた気がします」
◇ ◇
東京都豊島区生まれ。邦楽とは特に縁のないごく普通の家庭に育った。中学3年生の時「思い当たるきっかけもないのに、なぜか筝を弾いてみたいという思いが強くわき上がってきて」進学した高校で筝のクラブに入った。初めて弾いてみた筝は「すごく楽しかった」。指導に当たっていたのがたまたま山田流筝曲の師匠で、クラブと並行して、浅草にあるその師匠の教室にも通い始めた。
「1人だけでなく、ほかの先生の教えをもっと受けてみたい」と東京芸術大邦楽科の別科筝曲に入学。「素晴らしい先生に出会えて」2年間の課程を修了したが…。
その後結婚して夫の仕事の都合で駒ケ根市に転居。子育てに没頭する生活が10年近く続いた。
「子育ては楽しかった。筝や三味線は思い出したように年に1回ぐらい触れてみる程度で、特に弾きたいとも思いませんでした」
子どもが成長したのを機に再び演奏を始めると、長かった空白を埋めるようにさまざまな活動に挑戦した。ビートルズの曲、ピアノやギター、インドの楽器との共演竏秩B東京、名古屋などの大都市でも公演した。
「楽しんで演奏することは新鮮な経験でした。可能性を求めていろんなことを試してみたんですが…」何かが違う。やればやるほど伝統的な演奏に魅力を感じ「こういう演奏でいいのか」と疑問は募るばかりだった。
光前寺の公演の話が舞い込んだのはそんな時。心機一転を期して臨んだ演奏は重なった欲求不満を吹き飛ばすものだった。
「やっと気がついたんです。無理して新しいことをやらなくてもいい。自分自身が本当にやりたいことをやればいい。それがほかの人にはない、自分を100パーセント生かせる道だってことに竏秩v
◇ ◇
「この道に終わりはない。一生勉強です」
今も月1回東京に通い、師匠に教えを受けている。
「先生は『教えることはもうない』と言う。でも何かしら得るものは必ずあります。以前弾いた曲をまた弾いてみると、もっと深いものを感じることがある。感性が深まったというか竏秩Bそれが自分を成長させることでもあるんです」
演奏の依頼、教室の申し込みはTEL83・0863へ。
(白鳥文男) -
中学生カナダホームステイ&語学研修の旅
箕輪中学生を激励箕輪町は26日、カナダホームステイ&語学研修の旅に参加する箕輪中学校の生徒の壮行会を中学校で開いた。
研修は31日から8月12日までの13日間。カナダのレスブリッジに滞在し、ホームステイしながら語学研修や校外活動をする。カナディアンロッキー見学やバンフ市内観光もある。
箕輪中学校からは2年生6人が参加する。全員が初めての海外経験となる。
小林通昭教育長は、「日本を離れ全く知らない家でホームステイする。箕輪中の代表、町の代表として自覚を持ち、身振り手振りを交え、深い交流をしてほしい。文化の違いを学び、皆の生活に生かし、箕輪中の皆にも貴重な体験を報告して」。北原秀樹校長は「自分の持っているものをそのまま伝えてきてほしい。今でしか、ここでしかないことを存分に楽しんで、大きくなって帰ってきて」とそれぞれ激励した。
中学生は、「生活の違い、文化の違いを学びたい」「今の英語力を試したい」「ホームステイ先の家族と交流を深め、楽しく学びたい」と抱負を語った。
上伊那地区の参加は旧伊那市10人、旧高遠町・長谷村6人、宮田村1人、箕輪町6人、南箕輪村8人の計31人。 -
中学生レスキュー隊員がパソコン教室サポート
夏休み恒例、初心者対象の宮田村公民館パソコン教室が27日、開講した。宮田中学校の生徒有志でつくる「パソコンレスキュー隊」が講師補助として参加。質問に受け答えするなど、指導にあたった。
同中の堀川隆義教諭が講師で8月2日までの全4回。今年は幅広い年齢層の15人が受講し、簡単な文章や写真編集、暑中見舞いハガキの作成などに挑戦している。
レスキュー隊は昨年の教室に引き続き2回目の・ス出動・ス。
この日は3人の生徒が、困っている受講者のサポートにあたっていた。 -
「芝居の会」定期公演にむけてけいこ佳境
駒ケ根市近郊の演劇愛好者らでつくる劇団「芝居の会」(久保田恵美代表)は29・30日に宮田村の村民会館大ホールで開く第10回定期公演『絢爛(けんらん)とか爛漫(らんまん)とか』に向け、駒ケ根市文化会館別館で連日けいこに励んでいる。25日夜は出演者、スタッフら約10人が集まり、本番の舞台を想定しての通しけいこを行った=写真。4人の出演者をはじめ団員らは真剣な表情でそれぞれの役割に取り組んでいた。
『絢爛(けんらん)とか爛漫(らんまん)とか』は昭和初期の時代を背景に、個性あふれる4人の女性作家の人間模様をコメディを織り交ぜながら描いた作品。主演の斧研雅子さんは「幸せをつかもうとする女性たちそれぞれの感情を大事に演じてお客さんにきちんと伝えたい。ここにきて修正点がたくさん出てきたので本番に向けてしっかりけいこしたい」と話している。
開演は29日午後6時30分、30日午後1時30分。全席自由、前売り1千円、当日1200円。駒ケ根市、伊那市のプレイガイドで発売中。問い合わせは芝居の会(TEL090・8347・2154)へ。 -
華道家元池坊教授・茶道表千家教授
南箕輪村
沖村直次さん華道と茶道の教授免許を持ち、自宅と南箕輪村公民館などで指導し、日本の伝統文化を伝えている。
「戦後で何もないころだった。家の中は、木も畳も紙もよしずも皆枯れているもの。その中に、たった1輪でも生きた花があれば…」。華道のけいこを始めたのは戦後の1947年だった。当時の国鉄に勤務し、家の農業もやりながら、けいこを続けた。52年ころから、近所の嫁入り前の娘さんに教えるようになり、54年に池坊の教授会に仲間入りした。
「花は一瞬のもの。生けた瞬間の美しさが魅力」。心の部分が90%を占め、迎える客のことを考えて花を生ける。
「華道をずっと続けているのは、自分が好きだったということでしょうかね。自分がその世界に入ってしまうと、いいなと思い込んでしまう。マインドコントロールなんでしょうね」
鉢植えは幾日経っても同じ顔をしているが、切花はせいぜい3日の命。4日目くらいからだめになり、1週間でけいこする。この繰り返し。野にあるものでない姿、例えば野では背の高いものを首だけ切って生けるように、構成する楽しさがある。花材は、中心となる花を選び、それを引き立てる脇役を選ぶ。生けてみて「よかった」「これはくどかった」などと研究しながら今日まで来たという。
茶道は、50年ころから4、5年勉強したがしばらく中断。65年に再開し、80年ころから教えるようになった。
「茶の湯は、必ず相対でやる。亭主がいて、客がいる。対話ができることが楽しみであり、魅力ですね」
花は、玄関などに生けた場合は訪れた客と会話できるが、展示会場では生けた本人を知っている来場者にしか分からない。そのため、対話ができる茶道はより面白みを感じる。
茶道もまた心の世界で、亭主は客に心を集中し、客も亭主に心を集中する。茶の心が込められているという言葉『和敬清寂』(和して敬い合い、清らかで、どんなことにも動じない)。「おけいこを続ける中で自然に感じるようになると心技共に-となってくる」のだという。
「日本の伝統文化をぜひ継承してほしい」と、文部科学省の外郭団体である伝統文化活性化国民協会の事業として、南箕輪村内で小学4年生から中学3年生までを対象に茶の湯、華道、舞踊の教室も開催。代表を務め4年になる。茶の湯と華道が月2回に加え、南箕輪わくわくクラブのスクール「茶道」が月1回。「今は自分が中心になっている。相手を第一に思う心を大事にしてほしい」と願い、指導している。
「敷居が高いと思われるのは実際あると思うが、だれでも気軽にやってみてほしい」。茶道も60代以上が中心で、20代から30代は数えるほどしかいない。上伊那地域は男性が少なく、指導者はわずか5人。「もっと男性も習ってくれるといいな」という思いもある。
相手に心を砕き、日々、立ち居振る舞いや言葉遣い、人との接し方などに気を付けるという暮らしぶり。長年、華道と茶道の世界に携わり、「西洋文化だけでなく、日本の伝統にも目覚めてほしい」と強く願っている。(村上裕子) -
桜田晴義展
駒ケ根市菅の台の駒ケ根高原美術館は「桜田晴義展竏虫糾oを超える表現」を8月31日まで開いている。スペイン・マドリッドと軽井沢に居を構え、独自の道を歩む桜田さんの油絵作品約70点を展示。
約40年前、武蔵野美術大を卒業した当時の桜田さんは「目先ばかりを追う日本画壇の風潮に愛想が尽き、絵をやめようと思ったこともあった」が、初心に戻るため絵の原点を求めてスペインに渡ったことが転機となり、再び意欲的な創作活動に入った。「骸骨や幽霊などインパクトの強いものを描いた時もあったし、こけおどし一切抜きの徹底したリアリズムを追及した時期もあった。自分自身の内面の変化によって作風も変遷してきたんだ。今は人生の集大成となるようなものを描きたいね」と話している=写真。
午前9時縲恁゚後5時30分。入館料は大人1千円、大・高校生800円、小・中学生500円(小・中学生は土曜日無料)。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。