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ブランドづくりネットワーク信州が箕輪町の赤そばブランド化へ視察
長野県内のブランドづくりを支援する長野県デザイン振興協会のブランドづくりネットワーク信州(鈴木進委員長)が、支援モデルの第1弾に箕輪町の赤ソバを取り上げ、11日に上古田金原地区の赤そばの里や留美庵などを視察した。今後、ブランド化に向け検討し、07年1月ころに町へプログラムの提案を予定している。
ブランドづくりネットワーク信州は、05年に県内の産・学・官の代表機関が集まり策定した「信州ブランド戦略」に沿って、商品や販促のデザイン、宣伝・広告など専門性の支援を担う。長野県デザイン振興協会を母体に本年5月に設立した。
ブランドづくりのテーマ募集に箕輪町が赤ソバを申し込み、9月28日の検討会で第1弾テーマに選ばれた。
メンバー8人が箕輪町を訪れ、赤そばの里や広域農道沿いなどに咲く赤ソバを視察。留美庵で「赤そば十割そば」も試食した。五味英紀副委員長は、「赤ソバといういいものがある。作って、伝えて、売る仕組みを作りたい」と話した。
町は、農業や観光を通じて町全体のPRを図るなかで、町独自のブランド作りの一つとして赤ソバをネットワーク信州に依頼した。プログラム提案を受けた後は、予算化も含め検討し、実施する場合には継続的にサポートを受けることができる。町産業振興課は、「今回のプロジェクトを足がかりに、さらなるブランド化の参考にしたい」としている。 -
駒ケ根商工まつり
産業や技術、物産などをアピールする第50回駒ケ根商工まつり(駒ケ根市、駒ケ根商工会議所主催)が7、8日の2日間駒ケ根商工会館、三和森広場などで開かれている。企業や商店の製品や商品の展示のほか、体験、試食、販売コーナーなどさまざまなブースが会場いっぱいに設けられ、訪れた家族連れなどでにぎわっている。
商工会議所建設業部会が三和森公園で開いている親子木工教室では、小学生と保護者が本棚やいすなどを製作。市内の大工や建具職人の指導を受けながら真剣な表情でかなづちやのこぎりを振るった=写真。
駒ケ根工業高校は電子おもちゃ製作教室を商工会館で開催。「音の出る電子占い器」を作ろうと集まった小学生に、同校の生徒がはんだ付けや配線などを丁寧に指導していた。 -
コーヒーかすがペレット燃料に
ペレットストーブなどを製造する近藤鉄工(近藤満社長、宮田村つつじが丘工業団地)は、コーヒーを煎れた後に残る粉(コーヒーかす)を固形化し、ペレット燃料にする技術を開発している。村の財産として技術を有効に活用したいと、村内の企業とも連携。「ごみとして捨てられていた“かす”をリサイクルする有効な手段になる」として研究、構想をふくらませている。
飲料メーカーなどから、大量のコーヒーかすが産業廃棄物として排出されている点に着目。年間数十万トンにも及ぶと知り、3年前から研究を進めてきた。
開発したコーヒーかすのペレット燃料は、市販されている木質ペレット用のストーブで燃焼可能。研究段階で火力は木質よりも高かったという。
また、使用済みの粉を乾燥、圧縮してペレットにするため、木質などとは違って粉にするまでの加工が不要。コストの低減化、省力化も図れると見込む。
運搬、量産など事業化には課題も多いが、「自立して厳しい村の活性化の一助になればと願う。何とか宮田ブランドとして発信ができれば」と近藤社長は期待を寄せる。 -
工場敷地内に日本庭園
宮田村新田区の製造業ユーエスアイ(旧社名浦野紙器)は新工場に日本庭園を併設し、地域にも開放している。散策できるほか、地下53メートルから湧き出る良質な天然水も自由に飲むことができ、従業員のほか近所の人が持ち帰る光景もみられる。
庭園は浦野勇社長の発案で造成。池やせせらぎ、植栽が見事だが、石や立派なマツなど地域の寄付も得ながら完成した。
周囲に壁などは一切なく、誰でも自由に立ち寄れる空間に。「地域の協力があってこそ。気軽に利用してもらえれば」と担当者は話す。
工場用に新たに採掘した井戸水は良質で、抜群のミネラルウォーターに。「延命水」と名付けて園内にも引水し、自由に試飲することも可能だ。 -
箕輪町商工会で人材活用セミナー
箕輪町商工会はこのほど、上伊那地区の企業を対象に人材活用セミナーを町文化センターで開いた。リクルート松本支社長の金内康人さんが、「企業変革の担い手となる“若手人材”の採用」をテーマに話した=写真。
箕輪町内の企業を中心に社長や総務担当者17人が参加した。
能力・適性の高い人材を厳選して採用することが、結果的に早期に期待されるパフォーマンス・成果に到達する-との考え方に基づき、即戦力となる優秀な人材の採用のため、採用時のコストに戦力化にかかる時間と教育コストを加えた「戦力化コスト」を投資と考え、厳選採用することをアドバイスした。
「優秀な人材」は、企業が「求める人物像」によって異なり、「求める人物像」は職種やポジション、ミッションによって変わる、企業変革の中核となる人材採用では資質、志向、価値観、行動特性が重要になることなどを説明した。 -
商工会旅行事業部・ス旅サロン・ス開業
旅行業に参入、観光による地域振興に一役旅行代理業の県認可を受けた宮田村商工会は2日、旅行事業部(愛称・旅サロン)を開業した。商工会の旅行業参入は「全国でも初めて」(同事業部)とみられ、将来的には村への誘客、観光活性も目指す。開業記念として企画した日帰りツアーが発売開始直後に完売。競争激しい旅行業界だが、地元と密着、連携しながら観光資源を掘り起こそうと、新たな業態に寄せる関係者の期待は大きい。
全国展開の旅行会社トップツアーと代理店契約を結び、旅行の企画、販売、手配など各種旅行代理業務を取り扱う。
開業記念として格安料金で企画した新潟・寺泊への鮮魚買い物ツアーは、受付開始5分で定員40人分が完売。パスポート付きの東京ディズニーリゾート日帰りツアーも破格の8800円(大人)で提供し、申し込みが相次いでいる。
いずれも採算面を度外視した「記念の特別料金」(同事業部)による企画。今後は業界の激しい競争と向き合うことにもなるが、それ以上に村の観光活性につなげたいという関係者の想いは強い。
開業式典で前林善一商工会長は「宮田へ誘客しようと立ち上げた事業。みんなで一緒になり売り出していきたい」とあいさつした。
宮田村は駒ケ岳や高原などの観光資源を抱えるが、施設なども限られ、観光客にとって通過点になりがち。
トップツアー伊那支店の松澤秀人支店長は「松川町や飯田市では都会の子どもたちの体験教育旅行も盛ん。簡単にはいかないが、宮田への誘客にもお手伝いできれば」と話す。
営業時間は午前10時から午後7時(土曜日は午後5時終了)で日、祝祭日休業。問い合わせは旅サロン85・2299まで。 -
甲乙つけ難し、みやだの・ス名物丼・ス
食べくらべに長蛇の列、至極の一杯あなたの味覚で宮田村商工祭は1日開き、村商工会青年部が村民からアイデアやレシピを募って開発に取り組む「名物丼」の食べくらべ試食会があった。食後のアンケート投票を基に村の新たな名物が年末には決まるとあって、会場には長蛇の列。村ならではの丼誕生に期待を高め、吟味した。
整理券配布開始40分ほど前から熱心な人たちが列をつくり始め、200人ほどが丼を食べてみたいと並んだ。
先着100人までのため、惜しくも涙を飲む人も。残念がる姿もあったが、青年部員扮するどんぶりレンジャーが登場し、会場全体を盛り上げた。
試食したのは公募作品169点の中から厳選した2品。鶏モモ肉にしみこむ山ぶどうワインが絶妙の「鶏の山ぶどう酒煮丼」と、シメジやゴボウと豚肉が味わい深くマッチした「地ビール丼」で、いずれも村の名酒を使っているのが特徴だ。
一番乗りした村内南割区の川手敏子さん(48)は「私たちの意見も反映されると聞いて、絶対に食べたいと思って来た。両方とも美味しくて迷ってしまう。決まったら応援します」と話した。
試食した人たちは味や見た目などアンケートに答え、好みの一品に投票。青年部は結果を基に12月の歳末慈善パーティーで・ス至極・スの名物丼を発表する。
公募段階から予想を上回る反響が続いたが、前林裕一部長は「ぜひとも期待に添える丼にしたい」と話した。 -
10日は「ソースかつ丼の日」
伊那市の「伊那ソースかつどん会」(平沢保夫会長、18人)は10日縲・1月30日、「ソースかつ丼(どん)の日」に合わせ、加盟店を食べ歩く「ジグソーシールラリー」を展開する。
「ジュー(10)ジュー(10)」揚げた豚かつにちなみ、10月10日を「ソースかつ丼の日」に設定。5月に会を立ち上げたばかりで、ソースかつ丼ファンの底辺拡大をねらい、PRイベントを組んだ。
イベントでは、キャラクター「かつ丸君」を20分割した台紙を用意。加盟店でソースかつ丼1杯を食べると、1枚のシールが渡される。18コマを集めると、「かつ丸君」の絵が完成し、そのまま千円分の食事券として使うことができる。
できるだけ多くの店舗のソースかつ丼を味わってほしいと、1コマごとに3店舗を指定している。
主催者は「楽しみながら、絵が完成するように工夫した。家族などで参加して」と呼びかけている。
完成した台紙はしばらくの間、使える予定。詳しくは加盟店へ。 -
第3回ワークショップ経営セミナー
県経営者協会上伊那支部情報委員会など5団体が主催する経営改善研究会「ワークショップ経営セミナー」の第3回が29日、飯田市の飯伊地域地場産業振興センターであった。上・下伊那の製造業6社、約20人が出席した。
ショップ経営は、方針や目標の管理を小単位の「ショップ」に任せる自主管理の手段で、生産性の向上や採算性の改善などを図り、企業の体質強化につなげるもの。
今回は、各社の小単位分けの進ちょく状況の発表、部門損益指標の考え方などの研修があった。
産業クラスターマネージャー松島信雄さんはショップ経営の推進について▽決算の結果がショップごとに出て、経営参画意識が高まる、改善点が見えてくるなど従業員のやりがいにつながる▽業務をやりやすくする竏窒ネど経験を交えながら利点を話した。
各社の進ちょく状況では「体制の見直しで、効率よくするために、どう分けるのかネックになって具体的に進んでいない」「2部門が入り乱れている。営業経費がわかる仕組みにしたい」など発表。コーディネーター明石安弘さんは「品質管理できることを考えてグループ分けするといい」など1社ごとにアドバイスした。 -
中川観光開発定期株主総会
望岳荘を運営する中川観光開発(社長・曽我村長)は28日、望岳荘で第36期定期株主総会を開いた。約30人が出席し、第36期(05年7月1日-06年6月30日)営業報告、決算報告を承認、第37期(06年7月1日-07年6月31日)営業計画を決めた=写真。
第36期は不況の影響で、売上高1億8500万円で対前年比94・2%、1100万円の減で8期連続前年割れとなったが、下期(3、4、5月)は前年を上回り、底を打ちつつある。経常利益は経費削減により210万円(対前年費158・4%)の黒字となった。
第37期は料理や接客サービス、営業、施設などあらゆる業務において「お客様満足度の向上」を目指す。目標売上額は宿泊6400万円(前期実績6834万円)宴会6600万円(同5883万円)その他3820万円(同3772万円)。売上総利益3060万円(同2845万円)。当期利益100万円(同213万円) -
エコアクション21箕輪町自治体イニシャティブ・プログラム
第1回全体研修会環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証取得を地域内の企業が一斉に取り組む箕輪町自治体イニシャティブ・プログラムの第1回全体研修会が27日、町商工会館であった。町内11事業所がそれぞれ環境経営システムを構築、運用し、07年6月の認証取得を目指す。
エコアクション21は、国際標準化機構のISO14001規格をベースに、中小事業者でも取り組みやすい環境経営システム。
自治体イニシャティブ・プログラムは、自治体主導で地域内の多くの事業者が一斉に取り組むことで、地域全体の二酸化炭素、廃棄物などの排出削減、エネルギーコストなどの削減を実現し、併せて「環境経営」の証が得られる。専門家の無料派遣があり、事業所の費用負担の軽減や、事業所間の情報交換でよりよい取り組みができるなどの利点がある。
箕輪町が本年3月に県内の自治体として初めてエコアクション21を取得したこともあり、町と町商工会が連携してプログラム参加事業所を募集。エコアクション21中央事務局に申請し、本年度は長野県内では箕輪町のみが採択された。
認証取得に向け▽環境への付加、取組のチェック▽環境方針作成▽環境目標及び環境活動計画の策定▽計画実施▽取り組み状態の確認・評価▽全体評価と見直し▽環境活動レポート作成と公表-などが必要となる。
プログラムでは、エコアクション21審査人を講師に全体研修会が4回あり、毎回課題が与えられる。年内に環境方針と活動計画を策定し、07年1月から3カ月間で実施した活動を基にレポートを作成し、5月に認証取得の審査申請をする予定。
第1回全体研修会ではプログラム説明、課題の環境負荷と環境取組チェックなどの説明、事例発表があった。
エコアクション21は箕輪町内で5社が取得済み、4社が取り組み中。全国で1022、県内55、上伊那地域で11の事業所が取得している。 -
浦野紙器からユーエスアイへ
社名変更、環境配慮の新工場も完成ダンボール製造や金属加工の浦野紙器(宮田村新田区、浦野勇社長)は10月1日、社名をユーエスアイに変更する。建設を進めていた環境配慮型の新工場も完成。26日から精密切削の金属加工部門が操業を開始した。新エネルギーの太陽光発電に、水や断熱など省エネ対策を組み合わせたシステムで消費電力、燃料・水道使用などの軽減を図る。
太陽光発電は840枚のパネルを工場屋根に備えつけ、県下最大規模。新しく掘った井戸水で用水をまかない、工場建物には断熱効果の工夫を各所に施した。
社名変更は、事業の実態にあわせて変更するもの。紙器で創業したが、現在は精密金属加工の出荷シェアが6割にのぼっている。
1962年の創業以来使ってきた会社名、取り扱う紙器、精密金属部品、そして愛される企業を目指した理念のそれぞれの頭文字を取って、新社名にした。
「金属部門の仕事が増えたが、紙で始めた会社。両業種を組み合わせた名前で、今後も成長していきたい」と、同社担当者は話す。 -
[地ビール丼」「鶏の山ぶどう酒煮丼」みやだの・ス名物丼・スさあどっち?
食べくらべで最終決着へ村民からアイデアを得てオリジナルの名物丼開発に取り組む宮田村商工会青年部(前林裕一部長)は26日までに、数回の選考を経て公募作品169点の中から「地ビール丼」と「鶏の山ぶどう酒煮丼」の2点に絞り込んだ。10月1日の村商工祭(会場・新田区のふれあい広場)で先着100人に食べくらべてもらい、得票の多い作品が宮田の・ス丼・スになる。
最後の選考に臨む2点は、いずれも村を代表する名産品の酒類を材料に使用。オリジナル性が高く、アピール度も兼ね備えている。
鶏もも肉にしみ込む山ぶどうワインの風味が絶妙な酒煮丼。奇抜ながら牛肉とのマッチングで味わい深い地ビール丼か、甲乙つけがたい対決だ。
商工祭当日は、食べくらべのために試食用のミニ丼を100セット用意。当日午前10時から整理券を広場入口芝生付近で配布し、10時半に試食を開始する。
食して好みの丼に投票してもらい、その結果で選考。12月に開く青年部主催の歳末慈善パーティーで、・ス至極・スの名物丼1点を披露する。
「ぜひ、実際に食べて、皆さんの手で宮田の名物丼を決めてほしい」と同青年部は、来場を呼びかけている。 -
箕輪ブライトプロジェクト第1回製品試作会
自然エネルギー活用で廉価な照明開発へ天竜川護岸の夜間照明などに使う自然エネルギー活用の廉価な照明装置を開発しようと、箕輪町の事業者有志が立ち上げた「箕輪ブライトプロジェクト」(小池茂治会長)が25日夜、第1回製品試作会を町産業会館で開いた。開発は太陽光、小水力、風力など各部会に分けて研究していく方針で、今後さらに業種にこだわらず仲間を募る。
町には、天竜川堤防道路を親水護岸の道に整備しようと取り組む住民有志の会「天竜せせらぎロードプロジェクト」があり、国土交通省に提出した実施計画案に、夜間照明の設置を盛り込んでいる。
計画案の照明装置は将来的に企業協賛を想定していることもあり、町内事業者らがそれぞれの技術などを持ち寄って自ら開発しようと8月、ブライトプロジェクトが発足した。
廉価で耐久性があり、地元でメンテナンスできる照明装置の開発が目的。自然エネルギー利用で価格は10万円以下を想定。試作製品を天竜川護岸道路のモデル区間(町田橋縲恂・輪橋)に設置し性能を検証する。製品の一般家庭などへの普及も研究し、町内全体のエコロジーの取り組みにする。同事業は町の中小企業融合化促進助成事業の補助金(30万円)も受けている。
試作会は、ソーラーパネルやランプなどを会員が持ち寄り実験をしながら協議。早期に試験機を作り、町商工会館近くの場所に設置することを決めた。
今後、現在の会員7人を発起人として趣意書を作り、小水力発電に取り組む箕輪ニュービジネス研究会など自然エネルギー利用をテーマに活動する町内の団体なども含め広く仲間を募り、本年度中のモデル機設置を目標にそれぞれが蓄積したノウハウを基に研究開発を進める。 -
狐崎ゆうこさん(40)飯島町本郷
いすやテーブル、箱、小物などをいろいろな材料で作って、初めての個展を開いた。「たくさんの友人が来場し、祝福してくれた。とてもうれしかったが、知人以外の人も多いともっとうれしい」-。
1965年京都市生まれ。国家公務員の父の転勤で高校卒業まで秋田市で過ごした。奈良市の大学に進み、文学部史学科を専攻。卒業後は京都市内の高校で、3年間社会科を教えた。「教師の仕事は3年務めても迷いが多い。ほかの仕事をしてみたいと思っていた」。そんな時、たまたま目にした松本技術専門校のパンフレットで、木工科を知った。「木は身近な材料、工作しやすい。私にもできるかも」と、教師を辞めて、伊那技術専門校木工科の生徒に180度転換した。「教師という現状に満足している人から見れば、勇気ある行動と写るかも知れないが、切羽詰っていた私にとって、教師を辞めることは大したことではなかった」と振り返る。
92年、入学し、1年間で食器棚やドレッサー、共同でダイニングセットも製作した。翌春、卒業したものの就職先がなく「自分でなんとかしなくてはならなかった。やる気があれば、技術は後からついてくる」と、技専の恩師の飯島町の三宅芳美教諭の工房の一角を借り、いきなり独立した。
茶たんす、ダイニングセット、机、桐たんすなども次々と手掛けた。座いす、スタンド型いす、スツールとさまざまいすづくりにも挑戦する。「いすは面白い。肘掛や背もたれは座る人のサイズや姿勢に、カーブを合わせる。難易度が高い分、奥が深い。これからも作っていきたい」。
デザインを決め、実寸大図を書く、それでもイメージがまとまらない時は、模型を作ってみる、大変な作業だ。
材もいろいろ使うが「桜は柔らかく肌目が細かく、細工しやすい。クルミもいい、脂分があって、使い込むほどにツルツルしてくる」と、クルミと桜を好んで使っている。
いすの座には籐やイグサも編んで使う「クッションが効いて座りやすく、軽いのがいい」と、自然素材にもこだわる。
◇◇
毎年6月に、駒ケ根高原で行なわれる「くらふてぃあ杜の市」には初回から出品し、松本市のくらふてぃあ松本にも、家具や小物類を出品「最初は売れなかったが、お客様との直接対話ができ、楽しかった」。
使う人の身になった、女性らしいきめ細やかな気配りが随所に光る家具は注目され「最近になって、小物から家具まで売れるようになった」と笑顔。 -
手応えあり、名物丼! 味に納得、最終選考は住民参加の投票で
名物丼の開発に取り組む宮田村商工会青年部は20日夜、村民公募のアイデア169点から厳選した4点のどんぶり候補を改めて試作。気に入った丼に投票し、最終選考の2点に絞りこんだ。プロの料理人が販売をみすえて改良を加えた完成型で、試食した約50人の部員は「美味しい。いける」と手応えも。10月1日の村商工祭で一般対象の試食会とアンケート投票を行い、年末には宮田の・ス丼・スが誕生する。
8月末には応募レシピ通りに試作。その結果をふまえて、青年部所属の3人の料理人が若干のアレンジを加え、さらに美味しい丼へと進化させた。
試作した4点は、宮田村特産の山ぶどうワインを使った「鶏の山ぶどう酒煮丼」、村内の地ビールで肉などを煮た「地ビール丼」。
とんかつに山かけを施して、村内の名峰にみたてた「駒ケ岳丼」、村のシンボル梅を使った「梅勝(カツ)丼」と、見た目も鮮やかだ。
試食したある部員は「村の名産を上手に活かし、味もいい。食べてみたい、と思わせる仕上り」と満足げ。
試作した料理人のひとりは「味、そしてコスト的にも十分商品として販売していける」と話した。
この日は、青年部例会として、丼を売り込むための販売戦略も学習。アピールの方法やどのような客層を対象にするかなど、丼を名物にするための秘けつを討論方式で考えた。 -
天竜川唯一のやな漁、今年も
中川村天の中川橋上流の天竜川で、秋の風物詩、やな漁が行なわれている。
天竜川漁協第5支部の組合員有志でつくる「天竜川リゾートサービス」が8月下旬に水路を堀り、やな場を設け、本流から水を引き込んだ。
7日から数10匹単位で落ち始め、雨降りとなった13日夜は1130匹が竹のすのこに銀鱗を踊らせた。その後も夜から早朝に掛けて、50、60匹が水揚げされている。
会員によると「今年は大雨の影響で、不漁ではと思っていたが、予想以上に取れる」とか。
落ちアユは丸々と太り、雌は卵を持っている。捕まえたアユは料理店などに販売しているとか。 -
開発と農地保全、複雑に課題入り組む土地活用問題
宮田村土地開発公社は本年度、東保育園隣接の農地を転用して23区画分の宅地造成を計画したが、農業振興地域(農振)からの除外が認められず、・ス棚上げ・スになっていることが分かった。優良農地を守る観点から村の審議会が「保留」にしたもの。長期的な自主財源確保のため、村は企業誘致や人口増加のための土地開発が必要との認識だが、農地保全の間で揺れている。
19日の村議会一般質問では、複数の議員が農地保全にからめて土地利用に対する村の考え方を質した。
清水靖夫村長は、むやみに農地をつぶす考えがないと弁明。一方で「農地への開発ニーズが高まり、優良農地の差別化が必要」として、ある程度の線引きを行う考えも示した。
村内では人口1万人構想を掲げるが、人口の伸びは近年鈍くなっている。企業誘致も課題だが、新たに宅地や工場用地として造成できる里山などは、ほぼ皆無だ。
ある関係者は「言い換えれば、俗に言う優良農地しか残されていないのが実状」と話す。
後継者難や米価格の低迷などで農業経営の不透明感は強く、農地を手放しても良いと考える農家の潜在的需要は高いとみられる。
一方で、農地や宅地、工業用地が混在する・ス虫食い・ス状態への懸念も強い。
村産業建設課は「守らなければならない地域を洗い直し、コンセンサスを取る」と説明するが、問題は複雑だ。 -
7月豪雨の影響、2千万円に
宮田観光開発、トップシーズンに痛手7月豪雨の影響で、ホテルや駒ケ岳で山小屋を経営する宮田村の第三セクター宮田観光開発の売り上げが、例年の同時期と比較して約2千万円の減収になっていることが分かった。19日の村議会一般質問で、同社長を務める清水靖夫村長が明らかにしたもの。
キャンセルや利用者減で、宮田観光ホテルと隣接する温泉施設・こまゆき荘であわせて1千万円の減収。
駒ケ岳ロープウェーの休止などで影響の大きかった山小屋関係も、延期された学校集団登山などが実施され回復の兆しはあるが、1千万円ほどの減収となった。
同社は長期債務を抱え、経営改革の真っ最中。前期の売り上げは3億6300万円。豪雨は痛手となったが清水村長は「一層の営業努力をしていきたい」と答えた。 -
ふるさとCM、どんぶりレンジャーいざ出動
どんぶりレンジャー、いざ出動‐。新たな名物丼の開発で地域活性に取り組む宮田村商工会青年部は、県内各市町村が地域の魅力をPRする「ふるさとCM大賞」(長野朝日放送主催)に出品するため、コマーシャル製作に励んでいる。地域の助っ人として誕生した、ニューヒーロー「どんぶりレンジャー」も出演。撮影は快調だ。
部員たちが村内各所で撮影を敢行。今年7月に部員扮する4人の隊員で発隊したどんぶりレンジャーも出演し、ユーモラスな仕上りが期待できそう。
画面の中で大活躍しているかは完成後のお楽しみ。住民公募で始まった名物丼の開発も佳境を迎えており、部員たちも期待を高めている。 -
創業塾が開講
伊那商工会館で16日、創業希望者を対象にした「創業塾」が開講した。伊那市を中心に、南信から21人の申し込みがあり、それぞれサービス業や製造業などの創業を目指す。
小規模事業者を取り巻く経営環境は厳しく、開業率よりも廃業率が上回る状況で、創業を実現できるように支援し、新規開業の促進、地域雇用の創出などを図る。
初回、講師に経営コンサルタント星井あき子さん=飯田市=を迎え、成功する創業の心構え、ビジネスヒントとアイデアの発想方法などを聞いた。
星井さんは「創業は決して楽ではないが、楽しいこと。『やる』ことを決断することが大切」と前置きし「自分はどういう価値があるのか。だれかにとって貢献できるビジネスである心構えを持ってほしい」と事例を交えながら話した。
創業塾は10月上旬まで5回の日程で、マーケティング戦略や資金繰りの考え方、事業計画書の作成などを学ぶ。終了後、個別に作成した事業計画を発表するプレゼンテーションがあり、優秀なビジネスプランに「起業チャンピオン賞」を贈る。
創業塾は3年目の取り組みで、これまで旅行業、飲食業、製造業などを創業した受講者がいる。昨年は3件だった。 -
宮田村で初、キョーシン精工がエコアクション21認証取得
プラスチック製品、成形型製造のキョーシン精工(保科直良社長、宮田村新田区)は、環境省策定のガイドラインに基づく環境経営システム「エコアクション21」の認証、登録を受けた。宮田村内では初めて。業界全体が環境問題に厳しくなっている側面はあるが、同社は「環境対策は企業として当然の社会的責務。品質改善、会社の経営改善にもつながる」と話す。
取引きの大半が環境問題に厳しい自動車関連という同社は、昨年末から認証のための準備に着手。
廃プラスチックを材料として再生するリサイクル計画も盛り込んだ廃棄物対策、電力、水の使用量削減、紙の再利用について、本年度は前年度比5%の削減目標を立てた。
3年後には各10%の削減を掲げシステムを立案。厳しい審査を経て認証された。
同社の長崎紀夫専務は「環境は生産活動全般に関わる問題。無駄なものを省くことは当然で、取り組みを始めて社内の雰囲気も確実に変わった」と話す。
エコアクション21は、国際規格のISO14001をベースに、中小事業者でも取り組みやいように設定。
今年3月には全国の自治体として初めて箕輪町が認証を受けて話題になったが、上伊那では11事業者が登録を済ませている。 -
フロンティアが伊那インター工業団地へ進出
伊那市西箕輪の精密加工業フロンティア(菊池睦昭社長)が、伊那インター工業団地に進出する。25日、市土地開発公社と事業用地の売買契約を結ぶ。
工場が手狭になったことや、本社付近の道路が狭いことなどから、移転新築する。調印式後、10月上旬に着工、来年2月の完成、稼働を目指す。
新規雇用は当面、3縲・人を考えている。
敷地面積は6600平方メートルで、現在地の6・6倍。一部2階建ての鉄骨造りで、延べ床面積は1650平方メートル。作業場、事務所などを設ける。工場の中央には、緑の空間を設け、工場にいながらリラックスできるスペースにする。天井から光が差し込むようになっており「小さい企業でも、自分たちの技術で世界にはばたく」思いを形にする。
移転に伴い、現本社は定年退職して独立したいという人に、場所の提供ができればとしている。
同社は、金型部品や専用機部品の単品受注生産を中心とし、顧客の要望に応じている。 -
宮田村商工会が旅行業に本格参入
将来的な村の観光活性目指し宮田村商工会(前林善一会長)は、旅行業登録の県認可を受け、旅行の企画、販売、チケット手配など一連の旅行業務取り扱いが可能になった。全国展開する旅行業者の代理業者となり、10月上旬に開業。商工会が本格的に旅行業に参入する例は全国的にも珍しいが、地域振興を目的として将来的には村への誘客、観光活性につなげたい考えだ。
同商工会は旅行業の本格参入を目指して、2002年には旅行業者5社と提携して旅行紹介事業に着手。
ただ、自前で旅行を企画したり、チケットの手配などはできず、客への利便性も図るために県に旅行業者としての登録を申請した。
今年4月には商工会内に旅行事業部門を設置。旅行業務に精通している人材を職員に迎え、常勤2人の体制で準備を進めてきた。
トップツアー(前身は東急観光)と契約を結び、代理業者として開業。
「全国的な旅行会社としての組織も活用し、村に人を呼びこむノウハウも蓄積したい。村の観光活性にも結び付けたい」と同商工会事務局は説明する。
当面の売り上げ目標は年間8千万円。村内に旅行を取り扱う業者はなく、村民の需要掘り起しで、消費の拡大にもつながると期待を寄せる。 -
馬肉を使った新メニューで試食会
昨年デビューした飯島町の名物丼「さくら丼」をパワーアップし、町起しにつなげようと「さくらを咲かす会(小林馨会長」は14日、農村環境改善センターで、高級感のあるコース料理や定食、テイクアウトなど各店が工夫した新メニューを持ち寄り、町議や町職員らを招き、試食会をした。
会場には馬ローメンや餃子、野菜たっぷりの春巻き、ドライカレー、寿司のミニセット、中華定食、ミニ丼とそばのセット、ひずめ形の「馬ンバーク」。名前がユニーク「馬ロッケ(コロッケ)」「す馬タ(すぶた)」。テイクアウト用にと「桜もつ」「桜バーガー」を開発するなど7店が、和洋中華織り交ぜ約30品がずらり。参加者は取り皿を持ち、1品1品慎重に味見をした。
昨年4月、ふるさとCM大賞を獲ったことを機に、12店の賛同を得て誕生した「さくら丼」。1年を経過し、今後の方向を考える中で、国交省の地域振興アドバイザー事業を導入、アドバイザーを交え、ワークショップやレシピ研究会、視察研修、各店のさくら丼のカロリー計算などをした。
アドバイザーの本田節さんは「馬肉は牛肉と比べ、カロリーが低く、鉄分が多い。美容と健康にいい。馬肉を飯島ブランドに」とアドバイスした。
参加者は「くせのない味で何にも合う」「そばとミニ丼の組み合せがいい」「ハンバークもコロッケも味がいい」と好評だった。
今後、さらに味と献立を研究し、各店で提供するほか、テイクアウトメニューはイベントなどで販売する計画## -
06年度上伊那地域振興懇談会
県商工会連合会上伊那支部広域連合会(小林紀玄会長)は8日、06年度上伊那地域振興懇談会を箕輪町の伊那プリンスホテルで開いた。関係者約60人が参加。地元県議会議員らを迎え、県の方針に基づき09年度の合併を予定する商工会と商工会議所の並存実現を求めた。
「1市町村1商工団体」という県の方針は、厳しい財政状況の中(1)補助金の見直し(2)組織の見直し竏窒レ的として浮上。しかし、09年4月までの統合が確実な場合は統合前の各商工団体が受けている補助金の80%を、09年までの統合が確実な場合は75%を補助するが、そうでない場合は小規模事業者数に応じた額を上回る額を県に返還させる方針を示したため、県内各地で商工団体の合併が進んだ。
しかし同連合会は、会員の9割が小規模事業者である商工会と、中小企業を含む総合的支援をする商工会議所の役割は歴史的背景を見ても異なる竏窒ニして、並存の実現を主張。13日の県会を前に、参加県議たちに特別な配慮を求めた。
働きかけに対し県議らは「意向を十分に吸い上げて審議を進めたい」として、要望に対する前向きな姿勢を示した。 -
旧高遠町・長谷村、西春近の商工会、10月24日に合併調印式
旧高遠町、旧長谷村、伊那市西春近の商工会は10月24日、合併調印式を行う。1市町村に1商工団体を原則とする県の方針に伴い、伊那市内にある3商工会と1商工会議所は09年度までに1本化しなければ補助金の確保ができない。その前段として3商工会の合併をし、商工会同士の連携を図るために協議を進めてきた。発足は来年4月1日の予定。
連携により、経営改善事業は一本化。地域振興事業はそれぞれが取り組む。名称は「伊那市商工会」とすることを大筋の方向としているが、「伊那商工会議所」と似通っていて紛らわしいなどの難点もあるため、今後の変更もありうる。
09年の商工会議所との統合を見据えた連携ではあるが、県商工会連合会上伊那支部広域協議会は、小規模事業者支援を中心とした地域密着型の事業を展開している商工会は、商工会議所と別の役割を担っているため、地域にとって必要竏窒ニの認識しており、同一市町村に商工会と商工会議所の並存の実現を求めている。 -
まちじゅう花いっぱいコンクール審査会
伊那商工会議所・商業連合協議会(田中忠会長)は8日、中心商店街で「まちじゅう花いっぱいコンクール」審査会を開いた。優勝は通り町1丁目商店街振興組合だった。
コンクールは、商店街ごとに花を飾り、お客さまが和める空間づくりや環境美化を進めようと昨年から始まったもの。
今回、応募があったのは6団体。各商店街に、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、菊、バラなど色とりどりに咲くプランターや鉢植えが並んだ。花丈の違う品種をバランスよく寄せ植えにしたり、鉢の配置を一カ所にまとめたりと工夫。
審査員は協議会正副会長、各商工会長ら10人が務め、各商店街を歩きながら、周辺環境への配慮、デザイン、管理状況など5項目を5段階で評価した。
通り町1丁目は、通り全体に花を飾ったことで、高得点を集めた。
田中会長は「コンクールの期間中(8月20日縲・月17日)だけでなく、華やかで明るい商店街づくりを習慣づけてほしい」と呼びかけた。 -
第2回経営講座
駒ケ根商工会議所、テクノネット駒ケ根、駒ケ根市は第2回経営講座を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。会員約40人が集まり、カリスマ中小企業経営者といわれる「武蔵野」社長の小山昇さんの講演「もうかる会社をつくりなさい」を聴いた。
小山さんは「世の中に良い会社、悪い会社はない。ただ良い社長、悪い社長があるだけだ」とした上で、会社経営成功の秘訣について「やり方ではなく、意思決定で決まる。とにかく早く決定することが大切。間違えたら直せばよいのだから」と甲高い声の調子で熱っぽく訴えた=写真。聴講者は小山さんの迫力に圧倒されながら、真剣に講義に聴き入っていた。
小山さんは社長業の傍ら、経営に関する数々のベストセラー著書を出版しているほか、経営セミナーを年間120回以上こなしている。 -
トヨセット契約調印竏酎セ田原にも土地取得
駒ケ根市赤穂町四区の北の原工業団地に進出するトヨセット(本社愛知県安城市、富岡靖明社長)は同市大田原工業団地のトーハツに隣接する土地2・4ヘクタールを新たに取得した。6日、富岡社長ら3人が市役所を訪れ、市土地開発公社との用地売買契約に調印した=写真。中原正純市長は「市の活性化に大いに貢献してくれることを期待する」、富岡社長は「地域住民と仲良くやっていきたい」とそれぞれあいさつした。同地には建築面積約9900平方メートルの倉庫と同1650平方メートルの組立工場(いずれも鉄骨平屋建て)が建設され、駒ケ根第2工場・物流センターとする予定。完成は07年3月を見込んでいる。同社は北の原工業団地に建設する第1工場と合わせて、今後新たに50人以上の社員を当地で採用したいとしている。
トヨセットはストーブの製造・販売などで知られるトヨトミの子会社。1964年に設立し、TOYOSTEELのブランド名でオフィス家具や鋼製事務机などの製造・販売を手がけている。04年度売上は67億円。従業員数は約200人。