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【「グリーンオックス」オーナーシェフ宮下学さん】
駒ケ根市の中心商店街の一角に店を構える高級ステーキ店「グリーンオックス」。1984年の開店以来、客の目の前でステーキを焼く対面スタイルにこだわり続けている。
「お客さまがじいっと見ていらっしゃるわけですから、素材も調理の腕も、すべてにおいてごまかしがきかない。緊張しますよ」
生家は中沢で長く続いた食料品店。魚や肉などをはじめ、あらゆる食品を扱っていたが、創業からちょうど100年目に閉店した。
「長男だったが、店を継ごうという気はなかった。食品に囲まれて育ったためか、料理には関心が高かったですね。高校を卒業する時には、料理の道に進むと決めていました」
東京の調理師専門学校を修了し、都内のレストランに就職。その後帰郷し、伊那市のフランス料理レストランで働いていたところ「新しいスタイルのステーキ店を開店するからぜひ来てくれないか」とスカウトされて「グリーンオックス」に。23歳だった。
対面式の店はほとんどなかったため、開店に当たり、同様のスタイルをとる上田市のステーキ専門店に修業に出た。
「それまで料理人は作っているだけでいい竏窒ニ思っていたが、接客やお客さまへの気遣いなど、大切なことを教えられました。これは今でも大きな財産になっています」
オープンの日。新しい店での初仕事は「緊張でひざから下はガクガク」だった。
高級感と対面式が評判を呼び、店は毎日大勢の客でにぎわった。目の回るような忙しさが相変わらず続いていたある日のこと。
「お客さまに追加注文を受けたんです。『かしこまりました』とついお答えはしたものの、忙しくて忙しくてとても手が回らない。しばらくしてから『申し訳ありません。やはりお受けできないのですが…』と申し上げたところ、お客さまが激怒されました。『できないんなら最初からそう言え!』と。まったくその通りで、初めにはっきりと申し上げるべきだったんです。お客さまに対する心構えを考え直す上でとても貴重な経験になりました」
順調だった店も閉店の危機に直面したことがある。一名狂牛病ともいわれたBSE(牛海綿状脳症)問題の時期だ。
「客足がぱったり途絶えてしまって『これでもうおしまいだ』と思いました。それでも何とかしようと、ステーキ以外の新メニューの開発に取り組んだんです。魚料理にね。思えば開店最初は魚もやっていたんです。その意味では原点に帰ったともいえるのかな。あの時期を乗り越えられたからこそ今があると思います」
店はグリーンホテルの直営店として営業してきたが、3年前に独立。44歳でオーナーシェフとなった。
「自分の店になったというのは新鮮な気持ちでしたね。人間の心、気持ちのあり方というのは一晩でこんなにも変わるものかと自分でも驚いたくらいで本当に全然違う。この初心をずっと持ち続けたいと思います」
グリーンオックスのほか、同じ建物に展開する居酒屋「味鍔亭」(みつばてい)、フレンチ食堂「びすとろミーシャ」の3店舗も経営する。
「お客さまに楽しんで帰ってもらうことだけを考えています。有名店やフランスなどで学んでいない私は地元の人たちに育てていただいたと思っています。おかげで25年間も続けてこられた。昔揺りかごでいらっしゃったお客さまが今、成人しても来てくださる。年代、世代を超えたリピーターが多いのは本当にありがたくてうれしいことです」
(白鳥文男) -
確定申告始まる
所得税の確定申告の受け付けが18日、始まった。3月17日まで。伊那税務署では伊那市駅前ビル「いなっせ」に会場を設け、申告相談を行っている。受け付け午前9時縲恁゚後4時(土日祝日は除く)。なお期間中は伊那税務署での申告相談は行わない。
初日の18日は、受け付け開始時刻前から約20人もの申告者たちが来場。伊那税務署員に案内を受けながら手続きを進めていた。
伊那税務署は「期日の終了間際になると混み合うので、早めの申告を」と呼びかけている。
また国税庁はインターネットによる国税電子申告・納税システム『e‐Tax』(http://www.e-tax.nta.go.jp)の利用促進を図っており、本人の電子署名および電子証明書を付して所得税の確定申告をe‐Taxで行うと、最高5千円が控除される(07年度分、または08年度分、どちらか一度に限る)。登録には住基カードなどの電子証明書が必要(電子納税のみ利用の場合は不用)。
同申告相談会場でもe‐Taxサポートコーナーや初回来署型電子申告コーナー(電子証明書は不用だが、同システム使用による控除もされない)を設け、e‐Taxの利用促進を図っている。 -
観光開発研究会が商工会と懇談
住民参加で中央アルプスのすそ野に広がる地元の豊かな自然環境を観光に活かそうと検討している宮田村の「西山山麓観光開発研究会」は19日夜、村商工会と懇談した。連携するための仕組みや情報発信、拠点づくり、経済効果などさまざまな視点で意見交換した。
商工会からは役員10人余りが出席。研究会が取り組み状況を説明した後、それぞれ考えを自由に出し合った。
「宮田高原で高嶺ルビー(赤そば)を栽培して観光資源にすることは可能か」など具体的な質問も。
一方で「何をやるにしてもストーリー展開が必要。ばらばらにやるのではなく、点になっている村の観光要素をどうつなげ、夢を描いていくかが大切」といった声もあがった。
長期的な経済効果も考えながら取り組まないと難しいとの指摘もあったが、「やらなければ何もはじまらない」といった意見も。
研究会のメンバーには商工会員も複数含まれているが、前林善一商工会長は「何とか実行できるように一歩踏み出してほしい」とエールをおくった。 -
登喜和冷凍が熟成豆腐チーズ「醍醐丸」を発売
高野豆腐の製造販売を主力とする伊那市の登喜和冷凍食品(登内英雄社長)は13日、熟成豆腐チーズ「芳醇(ほうじゅん)醍醐(だいご)丸」を発売した。伊那谷産大豆を使った豆腐をみりん粕に漬け込み、熟成させた商品で、同社がこだわりの珍味として発酵食品を扱ったのは初めて。
豆腐の原料となる大豆は中・南信で栽培される「ナカセンナリ」を使用。輸入大豆に比べて糖質が25縲・5%と高く、甘みがある。
固めに作った豆腐を乾燥させ、みりん粕をしぼったもろみに漬け込み、1カ月縲・カ月半、温度をかけて熟成させる。同社の高野豆腐製造技術と養命酒が持つみりん粕の発酵熟成技術を組み合わせ、2年がかりで開発した。なめらかな食感で、みりん粕の風味の中に、アミノ酸のうまみが口の中に広がる。更年期障害の緩和や骨粗しょう症予防に効果があるとされるイソフラボンなどを多く含む。
月間生産量は1瓶150グラム入りを千本。当面は手作りで、いずれ量産に切り替える。
登内社長(56)は「地域に親しまれ、伊那の名産品として情報発信できれば」と話す。08年度は調味料として使えるように研究を進め、商品化したいという。
「醍醐丸」は、発酵した状態を示す「醍醐」と、食べたあとにうまみが残るだいご味があることから命名。1瓶800円。
すでに駒ケ根市の養命酒駒ケ根工場健康の森記念館で売り出し、近くニシザワグループや井田屋酒店にも並ぶ。随時、販路を拡大していく。
食べ方は▽そのままで、酒のつまみに▽ポン酢などに合わせてドレッシングやつけだれに▽パスタや肉料理のソースに竏窒ネど幅広い。 -
宮田村特産の山ぶどうワイン5年連続で県の原産地呼称認定
宮田村の特産品山ぶどう交配種のヤマソービニオンで醸造した2007年産赤ワイン「紫輝」と「駒ケ原」が、高品質の県内産品であることを証明する県の「原産地呼称管理制度」に認定された。長野市で開かれた審査会で決定し、5年連続の認定。生産関係者は高い評価に「今後もさらに良いワインを消費者に届けたい」と心新たにしている。
昨年末に発売開始した「紫輝」は、フルーティーな飲み口。寝かす期間の長い「駒ケ原」は、しっかりとした本格的な味わいが特徴で06年産から更新する5月ころに店頭に並ぶ予定。
醸造販売する新田区の本坊酒造信州工場によると、07年産の「紫輝」は消費者や小売店から例年以上の反響が寄せられているという。
藤野公宏工場長は「地元栽培農家の皆さんとともに、さらに品質を高めていきたい」と、5年連続の認定に喜びをにじませた。
ワインに関する問い合わせは本坊酒造信州工場85・4633、村役場産業建設課85・5864へ。 -
駒ケ根市経営講座第4回
駒ケ根市、駒ケ根商工会議所、テクノネット駒ケ根が地元企業の経営者、管理者らを対象に開く駒ケ根経営講座の07年度第4回講座が8日、駒ケ根市の駅前ビル・アルパで開かれた。会員約40人が集まり、内閣府大臣官房の経済財政分析担当審議官湯元健治さんによる講演「日本経済の現状と課題 成長力強化への戦略」を聴いた=写真。
湯元さんは日本経済の現状について「各種の指標を見ると、一部に弱さが見られるが景気回復はまだ続くと思われる」と話した上で、今後の状況について「個人的には、景気の下降と物価の上昇が同時に起こるスタグフレーションに近い動きがあると見ている」として、景気の先行きに不安があるとする考えを示した。
日本経済の動向は各企業の業績にも直接影響するとあって、参加者は真剣な表情で話に聴き入っていた。
講座は3月に第5回が開かれる。 -
だるま市 人形飾りコンクールに5点
伊那市商工会は8日、高遠町の風物詩、だるま市(11日)に合わせて展示する人形飾りコンクールの審査会をした。応募作品5点の中から、金賞に市役所の「おしりかじり虫とポケモンの仲間たち」が決まった。
コンクールは、だるま市に来た人に楽しんでもらおうと始まった恒例イベント。
今回は、地元の小学生がカヌー体験をもとにしたり、高遠町出身で東京音楽校(現東京芸術大学)初代校長を務めた伊沢修二、プロゴルファー石川遼にちなんだ作品がそろった。
審査には商工会や市、各種団体の代表者16人が当たり、制作者からテーマ設定や人形に込めた思いなどを聞き、作った努力、アイデア、人形、背景など6項目を評価した。
市役所は、おしりかじり虫やポケモンのキャラクターが集まり、楽しさが伝わってくる作品で、総合的に高い評価を受けた。
人形飾りは11日まで、商店街のある国道361号線沿いなどに展示。道行く人の目を楽しませる。
金賞以外の賞は次の通り。
▽銀賞=霜町「ゲゲゲの鬼太郎妖怪大戦争」▽銅賞=本町・高遠小学校5年生「カヌーで遊んで大きく育つ、われら三峰川探検隊」▽努力賞=仲町「近代音楽の先駆者伊沢修二先生」▽敢闘賞=金融機関「ハニカミだるま」 -
長野県観光振興リレー講演会開催
県の主催する「観光振興リレー講演会」が7日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科の山根宏文教授が、「これからの観光で大切なこと」をテーマに講演。観光産業関係者や一般など約80人が集まり、同地域にある観光資源の生かした方や観光に向けたまちづくりについて考えた=写真。
県が観光振興への取り組み強化を目的として県内10地方事務所ごとに開催している講演会で、「観光資源の活かし方」をテーマとした第1部では、景観や文化財などといった地域の観光資源をどのように観光に生かしていくことができるかを全国各地の事例を紹介しながら説明。
山根さんは地域にある素晴らしい景観などに付加価値をつけ、観光振興を図っている地域の事例や、そこにしかない地域の味、雰囲気を大切にした食堂を営む85歳の女性の取り組みを紹介し「地域にある日常の生活をありのままに体験してもらうことが、旅行者に感動を与える」と指摘。また、ただ単に体験してもらうより、その苦労なども一緒に経験してもらうような“本物の体験”が求められていることを示し「大事なのは感動のポイントを旅行者に伝えること。それをどうしたら生かせるかを考えると、必ずどの資源にも良いポイントがある。そこを生かしていくことが大切」と語った。
また、観光まちづくりをテーマとした第2部では、観光が地域に大きな経済効果を生むとともに、地域に住む人たち自身に、地域への愛着が生まれることを説明し、従来の観光とこれからの観光の違いなどを示した。 -
宮田とうふ工房の「こだわりのもめん」が県品評会で審査長賞
宮田村の精密業マスダ(増田清社長)が経営する宮田とうふ工房の「こだわりのもめん」とうふが、第11回県豆腐品評会(県、県豆腐商工業協同組合主催)で上位3席の審査長賞を受けた。同工房の製品は2002年の品評会から7年連続で入賞を果たしたことになり、地元産大豆にこだわる豆腐づくりが改めて高い評価を受けた。
品評会には県内35工場から、もめん豆腐の部に42点、きぬごし豆腐の部に24点、その他の特殊豆腐の部に28点の計94点の応募があり、21点が入賞した。
05年にはきぬごし豆腐で県知事賞に輝いている同工房だが、今回の審査長賞で、きぬ、もめんの主力製品がいずれも県内トップ級の品質、味わいと評価されたことになる。
ほぼ宮田村内産の大豆「ナカセンナイ」をを用い、徹底して地元の原料にこだわる同工房。現在は宮田村や駒ケ根市の学校給食にも使われるほか、「安全安心の地元産」として愛好者も多い。
マスダの増田忠直相談役は「量や質にばらつきもある地元産大豆を使う難しさもあるが、日ごとの微妙な調整で品質も着実に向上している。心新たに消費者の皆さんに美味しい豆腐を届けていきたい」と話した。 -
中川村産大豆使用のこだわりの豆腐、3月から定期的に販売
中川村役場で5日、中川村産大豆使用の豆腐、販売検討会議があった=写真。村営農センターが呼び掛け、大豆(ギンレイ)生産者、製造のすいれい豆腐、販売店、JAら9人が集まり、3月から来年2月まで、月1回村産大豆を使ったこだわり豆腐の製造、販売することを決めた。
村産大豆960キロを使用し、充填方式で絹ごし豆腐を製造、1丁(300グラム)を税込み105円で、村内4店舗で販売する。製造・出荷は原則、毎月第1金曜日とし、土・日曜日を中心に販売する。 製造量は3月、12月縲・月は大豆60キロで500丁を、4月縲・1月は90キロの大豆で750丁を製造、販売する計画。賞味期限は10日間。
初回は3月7日に製造、8日販売を予定する。
販売店はたじまファーム、マルトシ食品館、Aコープ南向店、玉屋商店 -
高嶺ルビー新そば試食会
宮田村のタカノは5日、中川村田島の望岳荘で「高嶺ルビー新そば試食会」を開いた。 中川村の曽我村長、宮田村の清水村長をはじめ、両村関係者や中川赤そばまつり実行委員長ら約80人が招待され、昨年収穫した新そばを石臼挽き、手打ちで味わった。
高嶺ルビーはまつり会場になった田島の転作田2・5ヘクタールで栽培、初めて約230キロを収穫した。
試食に先立ち、同社企画室の臼井俊行室長は「昨年の赤そばまつりには1万8千人が来場し、赤いソバの花を楽しんで頂いた。今日はその畑で獲れた新そばをたん能し、そば談義に花を咲かせて」とあいさつ。
来賓の曽我村長は「赤そばまつりは村の観光イベントの目玉として大きく育ってきた。次回の祭りは一層盛大にやろう」と呼び掛けた。
この日のメニューはゆで立ての赤そば、赤そば粉を入れたそば豆腐、たれに高嶺ルビーはちみつを用いた五平もちなど。
瞬く間に1枚平らげて、元県議の小原勇さんは「腰が強く、しっかりした味わい。従来の赤そばとは食感が違う」と満足そう。前原村議会議長は「少し固めで、のどごしにもうひと工夫ほしい」と辛目の批評を。
そば談義の中で、富永朝和さん(中川赤そば花まつり実行委員長)は「4月から、望岳荘内『いろり』で赤そばの手打ちそばをメニューに加える。現在、そば打ちの研修に派遣している」などの報告もあり、高嶺ルビーにかける関係者の夢は一層膨れ上がった。
なお、中川村の赤そばの販売は、タカノが通信販売で取り扱っている。 -
初の外国籍町民共生推進会議
飯島町役場で4日夜、外国籍町民共生推進会議があった。外国籍町民が人口の7%756人(2月1日現在)人口比率では県下で2番目に多いことから、町は外国籍町民と互いに意志疎通を図り、気持ちよくまちづくりを進めようと、初めて開いた。町側は総務課・住民福祉課関係、飯島町国際協力会、人材派遣会社3社の合わせて15人が出席し、率直に意見交換した=写真。
はじめに町側から、地震等の災害時の対応、ごみの分別、国保税の徴収、転入、転出手続きについて説明し、留意点について要望した。
これを受けた懇談では、人材派遣会社から「日曜日の昼間、大人を対象にした日本語教室の開催を」。国際協力会からは「防災やごみ収集など生活全般について、外国人向けの総合案内冊子を作ってほしい」「町のEメール、ホームページの多言語化を」などの要望が出された。
今後、年1回程度、継続的に推進会議を開く予定。 -
節分豆まき大会
宮田村のAコープ宮田店は3日、節分恒例の豆まき大会を開いた。豪華商品や半額券などが当る福豆がまかれ、家族づれなど多くの人たちでにぎわった。
福豆はヒーターや敷き毛布をはじめ豪華商品を300本用意した。
降雪のため、店舗内で行った豆まきに約150人が集まり、農協理事らが「鬼は外」「福はうち」の掛け声もろとも、福豆をばらまいた。
子どもも大人も夢中になって、福豆を拾い集めた。 -
【駒ケ根ソースかつ丼会会長 「中華料理きよし」店主 下平勇さん】
大衆食堂を営んでいた父の仕事ぶりを物心ついたころから見て育った。
「長男だし、いずれは店を継ぐつもりでいた。一時期、ほかの道を考えないでもなかったが、最終的には何の迷いもありませんでした」
高校を出てすぐに料理を学ぶため、松本の中華料理店に修業に入った。
「中華は伸びるんじゃないかと思ったし、自分でも好きでしたから」
3年半で修業を終えて帰郷。大衆食堂を中華料理店に衣替えし、父とともに仕事を始めた。景気が良い時代で店は繁盛。人手が足りなくて困ったくらいだった。だが8年後、父が突然の脳こうそくで倒れた。
「ひょっとしてこのまま1日、2日で駄目か竏窒ニも思ったが、何とか命は取り留めることができた。ただ半身に麻痺が残り、もう仕事はできなくなった。これからは自分一人で店を守っていかなければならないと思うと、その不安と責任感で押しつぶされそうになりました」
その後、苦労しながらもさまざまな困難を乗り越え、受け継いだのれんを背負って店を発展させてきた。
◇ ◇
3年前から駒ケ根ソースかつ丼会の会長を務める。駒ケ根の名物を全国に発信しようと昨年6月、静岡県富士宮市で開かれたB級ご当地グルメの祭典「B1グランプリ」への出場を果たした。
「前年に第1回大会が開催されたことを知り、いいアピールの場になるのではないかと考えて出場を会員らに相談してみたが、反応はあまり良くなかった」
現地に赴くスタッフは約10人必要だが、会員はそれぞれが店を持っているため、2日間の大会中店を閉めなければならない人に無理強いはできなかった。しかし、どうしても挑戦したいと強い熱意を示し、何とか皆の賛同を得て出場決定にこぎつけた。
だが、未経験のイベントで本当に売れるのか。もしも大量に売れ残った場合には、赤字を会長以下3役で負担する悲壮な覚悟で大会に臨んだ。
「うちも結局4日間休業しました。その間は売上がないわけだからそれは厳しい。いろいろな不安を抱えての出場でしたが、当日は予想をはるかに上回る盛況で、一時は作るのが間に合わなくなるほど。2日間で2800食を売り上げ、出場21団体中8位を獲得することができました」
◇ ◇
「最近、ソースかつ丼の本家論争が伊那市との間で起きましたが、うちとしてはどちらが先でもいいじゃないか竏窒ニいうスタンスです。そんなことよりもまずお客さんが喜んでくれることが第一です。お客さんはおいしいものでないとすぐに離れていってしまうので、味にさらに磨きをかけていくことを考えたい。この仕事をしていて一番うれしいのは、食べ終わって帰るお客さんが『おいしかったよ』と言ってくれた時ですからね」
(白鳥文男) -
マルマサ
住宅情報館もちつき大会マルマサ(小松保夫社長、本社・伊那市高遠町)は3日、境南のマルマサ住宅情報館で恒例のもちつき大会を開いた。雪の降るあいにくの天気だったが、同社の顧客や地元住民らが訪れ、もちつきや太鼓演奏、抽選会などを楽しんだ。
感謝デーとして顧客を対象に始めたイベントが、日ごろお世話になっている地域住民にも輪が広がり、今年で7回目。同社の大工棟りょうが筆頭弟子であることから御諏訪太鼓演奏も加わり、協力業者の協賛を得て豪華なビンゴ大会も開いている。
会場では、きねとうすで2回のもちつき大会があり、子どもたちは風船を手に、「よいしょ、よいしょ」と威勢のいいもちつきの様子を見物。家族連れら来場者は、振舞われたつきたてのもちや焼いも、甘酒などを味わっていた。 -
宮島酒店で新春朝搾り
伊那市元町の造り酒屋・宮島酒店で4日、毎年恒例の「立春朝搾り」があった。酒販店関係者などが早朝に集まり、出荷作業をした。
春の訪れを搾りたての新酒で祝ってもらおうと、立春の朝に搾り上げた新酒を瓶詰めし、その日のうちに消費者に届けるという、蔵元や酒販店などでつくる「日本名門酒会」の加盟店で一斉にするイベント。今年は全国で37社が参加した。
宮島酒店では約3500本を県内外の店舗に出荷するため、前日から搾り始めた「信濃錦」の新酒を4日の早朝に瓶詰め。出荷作業は酒販店関係者らも協力し、安全祈願や五穀豊穣(ほうじょう)などの願いを込めたラベルを張りつけた。 -
観光事業関係者を対象とした観光講演会開催
伊那市のふるさと大使で旅行案内書「ブルーガイド」の編集などに長年携わってきた森田芳夫氏=写真=を迎えた「観光講演会」が29日、伊那市内であった。市町村、観光協会の担当者など約40人が参加。森田氏の話を聞きながら、上伊那地域の観光振興について考えた。
上伊那広域連合、上伊那観光連合が企画した講演会で、森田氏は観光パンフレットの編集、公共の宿泊施設のあり方の2点について各地の事例を参考にしながら提言。現在上伊那広域連合が作成している観光パンフレット「上伊那」については、「上伊那というマイナーな地名を用いていては、全国でどう響くかが問題」とし、より、知名度の高い“伊那路”“伊那谷”などといった言葉に置き換えることなどを提案した。また「パンフレットの主たる役割はいかにして人を誘うかだと思う」とし、見る人にインパクトを与え、行ってみたいと思わせるような表紙とするには、よりシンプルな素材で、「上伊那」という地域を出していくことが重要であることを指摘した。
また、公共の宿泊施設の役割については、長年宿泊施設についての編集に携わってきた仲間の意見を参考に「宿のマネージャーや従業員が現地のことを熟知し、訪れた人に積極的に地域の情報提供をしたり、丁寧な対応をしている宿ほど、客は好感を感じている」と説明。一方、電話やフロント対応の悪さなど、ちょっとした対応の悪さからほとんどのクレームが発生している事実も紹介し、「設備の不備などでクレームが始まる訳ではなく、対応がしっかりしていればクレームは避けられる」とした。 -
輝く!経営者~新たな挑戦~ 日本創健 舘内修一社長
株式会社日本創健
◆本社/駒ケ根市赤穂8754
◆創業/1990年
◆資本金/1000万円
◆従業員/10人
◆TEL/0265・82・3600 FAX/0265・82・5177
《組織の若返り》
肌トラブルなどを改善する馬油(ばあゆ)商品と・ス中国に伝わる長寿の神果・ス羅漢果(らかんか)から作る健康飲料水を製造販売する日本創健を本紙・ス輝く経営者・スシリーズで紹介したのが05年2月。その後、組織は大きく変わった。
創業者として異彩を放った舘内宗雄氏は07年7月に会長になり、長男で専務兼製造部長だった修一氏(38)が社長に就任。その8カ月前の06年11月には、宗雄氏の長女で日本創健企画部長の希美子氏(40)を社長とする新会社エヌエス・プランニングが立ち上がった。若返った日本創健と、ペット向け馬油商品を製造販売するエヌエス・プランニングの新たな挑戦が始まっている。
《馬油の需要は冬がピーク》
古くから家庭常備薬としても愛用されてきた馬油。アトピー性皮膚炎などの肌トラブルを改善することで知られる。日本創健の人気商品「ナチュラル馬油」の原料は放牧馬のたてがみ下部(こうね)の脂肪だけを使う。1頭からわずかしか取れない。この馬油には皮下組織の血行を促進し、新陳代謝を活発にする「α竏茶潟mレン酸」が豊富に含まれる。
冬季は肌トラブルが増え、馬油の需要も増加。この時期の売上が年間の業績に大きく影響する。社員の動きもきびきびしたものになり、新社長自ら午前5時に製造現場に立つ時もある。
新社長は製造と並行して新商品の研究・実験もする。「温度調整をちゃんとしないと違う商品になってしまう。気候の影響も受けるので、実験中は目が離せない。とにかく時間の勝負」
馬油のほか、馬油を加工したローション・クリーム・せっけんや、馬油関連商品など、アイテムは確実に増え続けている。同社製品の利用者は固定客がほとんど。それら多くの愛用者の意見を聞きながら「こういうのを作ろうか」と研究する。
自社ブランドのほか、PB(プライベート・ブランド=流通業者が企画した製品を外部の製造業者に生産させるブランド)商品の製造も行う。依頼主の仕様書に沿って改良実験を繰り返し、1縲・年かけてようやく完成するものもある。だが、依頼主がそれを気に入って商品化してくれるとは限らない、厳しい世界だ。
《社長の重責を担って》
社長の重責を引き受けたが、「何が変わったということは、特にない。肩書きは代わったが、やっていることは同じ」と、淡々と語る新社長は、原料管理のため、できるだけ現地視察に行くことを心掛けている。昨年6月にはハーブ仕入れ先のオーストラリアを訪れ、11月末にも、馬油と並んで同社の主力商品になっている「羅漢果」の栽培地・中国桂林を視察。「自分の目で確かめて仕入れたい」と強調する。
「会社をそんなに大きくするつもりはない。能力もないし、目も届かなくなってしまう。大量生産はしないし、出来ない。身の丈の経営をしていく」
「企業の信用は今の売上ではない、何年続いているかだ竏窒ニ、ある人に教えてもらい納得した。長く続けられる会社にしたい」
父親の宗雄氏と共通した経営の姿勢が言葉の随所にうかがえる。
一方で「商品あっての日本創健。あまり合理性は求めず、商品の良さを追求していく。会長が作り上げた良いものは壊さず、時代のニーズに合った形でそれを発展させたい」との思いも強い。「やりたいことはいっぱいある。今後・ス共同・スの方向も考えている」 -
気軽に利用できるギャラリーを商店街に、村内有志が空き店舗を活用
宮田村南割区の木工業三浦敏夫さんら村内の有志が3月初旬をめどに、中心商店街の町2区仲町の空き店舗を使って、誰もが気軽に作品を展示したり販売ができるギャラリーを開設しようと準備を進めている。「商店街にはシャッターが閉まっている店もあり寂しい。さまざまな人が交流できるスペースにして、活気を出すきっかけにもなれば」と賛同者を幅広く募っている。
店舗は約30平方メートルで、1平方メートルほどの区画にして出展希望者に貸し出す計画。木工や陶芸、絵画など多彩な手づくり作品を主に考えている。
気軽に利用できるよう、1区画あたりの月額使用料は千円ほどを予定。
「作品などを発表したくても機会や場所に恵まれない人も多い。村内にも色々な才能を持っている人も多く、発表の場になれば」と三浦さんは話す。
さらに中心商店街という立地条件を活かして、さまざまな情報が発信できるギャラリーにしていきたい考え。
遊具を置いたり、畳みを敷いたくつろぎげる場所も設け、子どもから大人まで自由に立ち寄れるスペースにしたいと夢はふくらむ。
現在は、三浦さんらが店舗を改装中。床と壁にはヒノキを敷きつめ、あたたかみのある空間になりそうだ。
出展などに関する問い合わせは三浦さん090・3142・3691まで。 -
南信労政事務所が07年労働組合基礎調査結果上伊那概況を公表
南信労政事務所はこのほど、07年労働組合基礎調査結果上伊那概況を公表した。
同調査は労働組合数、組合員数、加盟組織系統などの状況を明らかにすることを目的とするもの。上伊那地区の全労働組合を対象に昨年6月30日に調査を実施した。
それによると、昨年6月30日現在の上伊那の労働組合数は前年より1組合少ない122組合。組合員数も前年より57人少ない1万5779人で、いずれも減少傾向が続いている。推定組織率は前年差0・7ポイント減の20・3%。県全体の21・6ポイントを下回っている。
適用法規別組合数では、労組法74組合(1万824人)、特労法3組合(373人)、地公労法1組合(4人)、国公法6組合(123人)、地公法38組合(4455人)。県全体と比べると、労組法適用の組合員の構成比が若干低く、地公法適用の組合員の構成比が若干高い。
上部団体への加盟状況を見ると、日本労働組合総連合会長野県連合会(連合長野)への加盟率が68・9%と最も高く、84組合、1万1064人が加盟している。継いで長野県労働組合連合会(県労連)が8・2%で10組合、638人が加盟。23%は無加盟かその他となっている。
市郡別、組合・組合員数では、伊那市で前年比3組合210人増の62組合、7819人となったほか、駒ヶ根市で前年と同数の18組合となったが、町村では前年比4組合282人減の42組合5713人となっている。 -
アルプス中央信用金庫アンケート、08年経営見通し
アルプス中央信用金庫はこのほど、上伊那の中小企業を中心に今年の経営見通しについてのアンケートを取った。
「08年の貴社の業況(景気)をどのように見通しているか」という問いには、「やや悪い」との回答が41%(小数点以下四捨五入以下同じ)で最も多かった。
業種別では製造業や卸売業で「普通」「やや良い」が6割近くととなったが、ほかの業種は「やや悪い」「悪い」「非常に悪い」の回答が半数を上回った。
「08年の貴社の売上高の伸び率は、07年に比べどのくらいになると見通しているか」との問では、「変わらない」が最も多く、次いで「10%未満の減少」、「10%未満の増加」の順となった。
業種別では増加の見通しを立てているのは製造業(42%)が最も多く、20%以上の増加を見通しているのも製造業のみとなった。減少の回答はサービス業が半数を上回り、小売業は4割に達した。
「自社の業況が上向く転換点をいつごろになると見通しているか」との問では、「業況改善の見通しは立たない」(34%)との回答が最も多かった。対して「すでに上向いている」との回答は16%となった。
業種別では製造業は「すでに上向き」19%、「見通し立たない」16%。改善の見通しを立てている企業の中では(すでに上向き・見通しが立たないと回答した企業を除いた企業)、「1年後」の回答が最も多い。
建設業は「すでに上向き」22%、「見通し立たない」36%。改善の見通しは、「6カ月以内」と「2年後」がともに11%で多い。
卸売業は「すでに上向き」8%、「見通し立たない」42%。改善の見通しは、「1年後」と「2年後」がともに17%で多い。
小売業は「すでに上向き」が4%。「見通し立たない」は6割近くを占めている。改善の見通しは「1年後」が最も多い。
サービス業は「すでに上向き」が15%。「見通し立たない」は6割を占めている。改善の見通しは「3年超」が最も多い。
不動産業は「すでに上向き」17%、「見通し立たない」が33%。改善の見通しは「2年後」までに業況が上向きになると見ている。
「構造改革の政策により、どのような変化が生じると思うか」の問では、ほとんどの企業が企業規模や業種、地域間での格差が拡大したと回答している。 -
テクノネット講演会
連携して互いの体質強化を図る地域の企業でつくるテクノネット駒ケ根の固有技術別研究会、技能士会は28日、講演会を駒ケ根市の駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。企業の経営者など約80人が参加し、元トヨタ自動車電子生技部部長の松原秀之さんの講演「製造現場の品質改善 縲恁ツ人のマインドが品質を変える」を聴いた=写真。
松原さんは長く生産現場に携わった経験から得た結論として「品質はいくら検査しても良くならない。技術者が良い製品の作り方を研究し、現場ではそのルールをしっかり守ることが原則だ」と話した。
品質確保はどの企業にとっても将来を左右する重要な問題だけに、参加者は一様に真剣な表情で話に聴き入っていた。 -
住まいづくりシンポジウム
伊那市で26日、「あったか住まいづくりシンポジウム竏衷Zむこと、あたためること」があった。定員70人を上回る約150人が集まり、住まいや燃料として使われる木材を暮らしに生かす視点から森林とのかかわり方を考えた。伊那谷流域林業活性化上伊那地区協議会、上伊那山林協会主催。
岩手県の薪(まき)割りクラブ世話人・深沢光さんの講演「薪のある暮らし方」に続き、伊那市内外の建築士や林業士ら4人が地域材を活用した家造りなどについて意見を交わした。
深沢さんは「建築用材だけでなく、燃料として木材を使うことを忘れたために森が荒れた」と指摘。
林業士の原薫さんらは「全国各地で地域材を使おうと呼びかけても広がらない。実際に、木の良さを肌で感じてもらうことが大事。家造りを通して山が整備され、地域の地場産業も元気になる。上伊那は、そういった循環できる可能性を秘めている」と話した。
伊那市のますみケ丘平地林利活用実施計画策定委員長を務めた作家・浜田久美子さんは「上伊那は、地域材で家を建てやすい状況にある。全国でも薪ストーブ導入率が高い」としながら、山に行ったことのない親世代が多い現状に「市民の森林(もり)」として整備を進める平地林での活動を紹介した。
会場の一角には、地域材を積極的に活用する建設業の展示ブースが設けられた。 -
「さくらびと」の松沢広さん(30)中川村片桐横前
「花の魅力は自己表現できること。花を通して、地域の皆さんに何か伝えることができれば」-。昨秋、愛知県からUターンし、11月23日、中川村横前にギフトフラワーショップ「さくらびと」をオープンさせた。2カ月が経過し「自分のやること、なすこと全てが店の評判になる。責任を感じている」。
中川村片桐に生れ、高校卒業後、在学中、アルバイトしていた飯島町の花屋に就職。1年後「基本をしっかりと勉強しよう」と、東京都品川区の専門学校「日本フラワーカレッジ」で1年間、花の育て方から管理、デザイン(ブーケ、アレンジフラワー)、花店の経営、生花の草月流など、花全般について学んだ。
「花を使った仕事をしたい」と東京の生花店に就職。この店はブライダルブーケに力を入れており、カラー、チューリップ、バラなど様々なブーケを手掛けた。
また、「母の日」には行列ができるほどの人気店で、ここにお客様で来たのが奥さんの真凡(まなみ)さんだったとか。ブライダル・花屋全般を学ぶ中で「お客様は商品よりも人につく。花を売ることは自分を売ること、花はひとつの媒体かもしれない」と感じたとか。また、葛西でフラワーアレンジの講師も務めた。
その後、移った愛知県の生花店では葬儀関係を勉強し、30歳を機に「故郷で、花屋をやろう」とUターンした。
店名は、桜の花をめでる人を意味する「sakuRabito」「花の力でここまでこれた。花のつながりが広がっていけば」と思いを込めた。
「あなたらしく、美しいブーケをあなたのために」と、同店が特にこだわるのが、オリジナルのブライダルブーケ。注文を受けると、カタログを見ながら、好きな花、色、2人の思い出の場所などを聞く。次にドレスの色や形を考慮し、スケッチを描き、イメージを膨らませる。スケッチのブーケを会場の雰囲気や、テーブルクロスの色との調和を図り、最終的なデザインを決定する。挙式前日までに、松本市や愛知の市場で花を仕入れ、生き生きとした花でブーケを制作するという。「1つのブーケを作るのに、打ち合わせを3、4回させていただき、ブーケに込める花嫁の想いをブーケに表現したい」と話す。
また、ギフトについて「希望を聞きながら、相手の年代、性別、好みなどのほか、贈る人の好みに合わせて花束を作る」とし、例えば10代縲・0代の女性には、パステル系の色のグラディーションでかわいらしい、優しい雰囲気に。30代縲・0代はワインレッドなどを使いシックにまとめる。高齢者に贈る場合は原色に近いはっきりした色の花が好まれる。男性には単色系で、クールでスタイリッシュなデザインを心掛けているという。
このほか、同店では毎週月・木曜日午後6時30分から、アレンジ教室を開いている。フラワーアレンジメントのほか、花の管理、水あげなど基本をしっかり指導したいという。
なお、ブーケは2週間前までに要予約、教室は少人数制のため前日までに要予約。営業時間午前10時縲恁゚後6時。定休・木曜日。(TEL88・3825) -
「上伊那地域産業活性化計画」が国から同意を受ける
県と上伊那8市町村が連名で申請していた「上伊那地域産業活性化計画」がこのほど、国の同意を受け、2月1日に甘利経済産業大臣から村井知事に同意書が交付されることになった。
同計画は企業立地の促進等による地域の産業集積形成及び活性化に関する法律(企業立地促進法)に基づき、今月22日付けで申請を行ったもので、計画には上伊那8市町村と県、産業支援関連機関などが一体となって、同地域における産業活性化を図ることや、具体的ビジョンを明確化している。
計画では、トップクラスの精密機械関連、電気・電子機械関連などの産業の更なる集積を実現する「高度加工技術産業」と、食品、飲料品、医療品、大学・各種研究機関などとの「農工連携」「医工連携」の推進による「健康長寿関連産業」の地域ブランド化を目指す「健康長寿関連産業」を同地域の産業活性化と持続的かつ自律的な発展を可能とする基盤形成をするための基軸とし、この2つの産業に関する既存企業の高度化や新たな企業の誘致などを集積区域内において5年間にわたり積極的に進める。
集積区域は伊那市、駒ケ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村の上伊那8市町村。
5年後の成果目標としては▽粗付加価値額増加額300億円▽製造品出荷増加額700億円▽新規立地件数50件▽製造業従事者数増加数千人竏秩B
目標達成に向け、工場用地の整備、人材の育成と確保、技術支援、推進体制の強化などといった事業環境整備を行う。 -
「い~なちゃんカード」「つれてってカード」がシステム利用提携
伊那市コミュニティーカード協同組合(中村紘司理事長)と駒ケ根市・飯島町・中川村のつれてってカード協同組合(矢沢哲也理事長)のカードシステム利用提携調印式が24日、伊那市内であった。2月1日から、商店街で使うカードのポイント機能の運用を開始。エリア拡大で、商店街の活性化に結びつける。
両組合は96年から、それぞれカードを発行し、事業を展開してきたが、老朽化に伴うシステム更新で同じシステムを採用。そのため、提携が可能となった。行政の枠を超え、カード利用できるのは全国に例がないという。プリペイド機能の共同利用も準備中で、5月を目途に始める予定。
カードは買い物や飲食した際、100円につき1ポイントがつく。どちらかのカードを持っていれば、両組合の加盟店で利用できる。
式で、中村理事長は「消費圏の拡大で、商店街の活性化に役立てたい」、矢沢理事長は「希望と夢を持ち、伊那谷の基軸となる商店街のカードにしたい」と期待を込めた。
加盟店は衣料品、飲食、理・美容など約310店。カード発行は「い縲怩ネちゃん」が6千枚、「つれてって」は1万4500枚(更新済み)。
各組合は2月1縲・日、提携記念イベントを企画。ポイント5倍セールや買い物券プレゼントなどの特典がある。
問い合わせは、各組合(い縲怩ネちゃんTEL72・7000、つれてってTEL81・7300)へ。 -
西山山麓観光開発研究会と村議会が懇談会
住民参加で中央アルプスのすそ野に広がる地元の豊かな自然環境を観光に活かそうと検討している宮田村の「西山山麓観光開発研究会」は22日夜、村議会との懇談会を開いた。約15人のメンバーと村議9人が出席し「村のために何とかしたい」という胸の内をざっくばらんに意見交換。「できる所から実際に取り組み、広げていければ」など前向きな声が寄せられた。
研究会の検討経過を説明した後、活性化への想いや誘客のアイデアなどを自由に語り合った。
修学旅行生へのアプローチをはじめ、農業を機軸とした体験型観光の導入も意見として挙がったほか、観光拠点でもある宮田観光ホテルの活かし方などについても言及。
案内看板をはじめ、客に対しての情報発信が不足していると現状指摘もあった。
拠点施設の課題も含め実践につながる仕組みづくりの難しさも指摘されたが「最初から大風呂敷を広げるのではなく、徐々に枝葉を広げていったら」「情熱を燃やしている人も多く、実行に移していくべき」などの声もあった。
同研究会は今後、商工会、農業関係者とも懇談を予定しており、産業連携も含めて実践につながる取り組みを模索していく考えだ。 -
宮田観光開発に外部サポーター会が提言
観光ホテルなどを経営する宮田村の第三セクター宮田観光開発(社長・清水靖夫村長)が、経営改革のひとつとして設けた外部モニター機関「サポーター会」は22日、2年間の評価を終えて清水社長に提言を行った。同社内で当初の改革の熱意が薄れていると指摘し、リーダーと人材育成が急務などと求めた。
評価に基づいて提言は6項目に及び、ホテル役員と村理事者が再建に向けて努力している実態を村民にアピールすべきとも要望。
料理や価格面などスタンスを持った統一性あるサービス提供も求め、社員一人ひとりがおもてなしの精神を刻むよう接客対応にもふれた。
コンサルタントを導入することで、入札制度などコスト意識が芽生え始めたことは評価。今後はホテルにおけるサービス、宣伝、集客に効果が持てるコンサルタントを活用すべきとも投げかけ、外部との対話で刺激にもなるサポーター会の継続も求めた。
同社は2007年3月期で4億6千万円の長期債務を抱え、4期連続の赤字を計上。
この日の提言は清水社長と小田切英夫副社長が同席。サポーター会が「何を売り物にするのか見えない」などと苦言を呈する中、清水社長は「村民の協力を何とか得たいのだが。まだ見えないのが本音」と変わらぬ現場の意識にクギも刺した。 -
飯沼棚田産美山錦を使った「今錦おたまじゃくし」が完成、おり酒、原酒の試飲会
中川村大草の米沢酒造(米沢博文社長)が、飯沼棚田の美山錦だけを使ったオリジナル新酒「おたまじゃくし・おり酒、原酒」が完成、22日の新発売を前に、19日夜、JA中川支所で試飲会があった。来賓の村、商工会、JAをはじめ、酒米を栽培した飯沼農業活性化研究会、米沢酒造、南部酒販組合ら関係者のほか、一般村民ら約70人が参加。しぼりたての原酒、おり酒を口に含み「フレッシュで、調和の取れた味わい」に、地域活性化への期待を膨らませ、完売を確信した。
米沢社長は「39俵を12月に仕込み、若手の蔵人が力強い麹を作り、今井杜氏以下4人が蔵に泊まり込んで世話をした」と経過に触れ「小さなオタマジャクシがカエルになって、地域の活性化になれば」とあいさつ。
この後、発酵中のおり酒を互いに注ぎあって、乾杯した。
中組の鈴木信さんは「甘くてまろやか、トロトロしている」。南部酒販組合の下平勝治さん(飯島町)は「フレッシュで甘口、口当りがいい」。池上明さん(飯島町)は「味のバランスがいい。かろやかで、飲み口すっきり」と話していた。
「今錦おたまじゃくし」は一升瓶換算で原酒で1400本生産。
値段はおり酒720ミリリットル1743円、生原酒720ミリ1712円、1・8リットル3413円、特別純米酒と「秋あがり特別純米酒」は720ミリリットル1386円、1・8リットル2730円。
おり酒・生原酒の販売は村内、飯島町内の酒販店で22日から、特別純米酒は4月中旬以降、秋あがり特別純米酒は9月以降を予定。 -
北川製菓のドーナツ、ふるさと小包全国人気2位に
北川製菓(本社駒ケ根市)が製造する「信州牧場(まきば)のドーナツ」が、全国の名産を直送する郵便局「ふるさと小包」の昨年1年間の販売実績総合ランキングで2位に入った。松阪牛など知名度の高い商品を上回る人気で、北川浩一社長は「家庭でつくるような手作り感が受けたのだと思う」と高い評価に喜んでいる。
菓子部門では1位を獲得。5年ほど前からふるさと小包に出品しているが、10位までのランキング上位に入るのは初めてという。
水を使わず卵と牛乳を用いる焼き菓子を同社は「信州牧場」と商標登録。20年余り生産する定番商品だが、ドーナツのふるさと小包による売上げは2007年に前年比で倍以上の伸びとなった。
大々的な宣伝をしているわけではないが、注文は北海道から沖縄まで全国各地から寄せられ「お母さんが子どもにつくるような家庭的な味が評価された。リピーターが増えた結果だと思う」と北川社長は分析する。
現在は宮田村新田区で昨年秋に稼動を始めた駒ケ岳工場で生産。近くホームページもリニューアルし、情報を発信していく考えだ。