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どんパンの会が麦まき
中川村の手作りパングループ「どんパンの会(荒井登志子会長)」は10日、片桐のほ場約10アールで麦蒔(ま)き作業をした。品種は東山3号、食味も風味もよく、伊那谷で栽培できる、パンづくりに適した小麦。収穫は今年並の500キロを見込む。
会員ら6人が参加、トラクターで耕起し、小型トラックターで畝立て、手で筋蒔きし、草かきで軽く覆土した。
麦が生えそろい、伸び始めた12月20日前後に、村内2園の年長園児による麦踏みを予定する。
県内には手作りパンのグループは多々あるが、原料の小麦から生産するのは同会のみ。 旬の野菜や果物を使ったパン、地粉百%のパン、米粉パン、パン用小麦粉の販売のほか、保育園のパン給食や、村内3小中学校の給食に米粉パンを提供している。
荒井会長は「2年毎に田んぼを変え、病気が出ないように工夫している。どんパンのパンは30%ジャガイモが入るので、腹持ちがいい」と話す。 -
地元の山を守ろう
松くい虫被害のまん延を深刻に考える伊那市の富県地区(布袋昭区長会長)は10日、自分たちの山は自分たちの手で守ろう竏窒ニ、有志約20人が伐倒くん蒸処理習得のため、市が開いた処理見学会に参加した。市は住民委託について、区の受け入れ体制が整った後、検討していきたいとしている。
富県は本年度、松くい虫被害の勉強会(富県グリーンツーリズム主催)で、伐倒くん蒸処理がまん延を防ぐ即効性があると学び、市に作業委託を働き掛けてきた。布袋区長会長会長は「処理をスピード化しなければ手遅れになる。富県の豊かな自然を自分たちで守っていきたい」と話している。
しかし、住民の気負いを受ける市だが、処理を委託する体制は万全とはいえない。
現在、市内で発生した松くい虫被害の処理は、上伊那森林組合に委託しているが、単独予算だけでははかどっていないのが現状。
県へ補助金の申請はしているが本年、来年度の見通しは立っていないという。
森林組合は民間委託について「現在は発注されたものは計画的に取り組めているが、一度に大量の発注があると、通常の仕事にも負担が出る。組合だけでは対応は難しい」とも話している。 -
丹精こめて大豊作、宮田小5年2組の大豆栽培
宮田村の宮田小学校5年2組は10日、村農業委員会などの協力を得て春から栽培に挑戦した大豆の収獲作業を行った。定期的に草刈りするなど、丹精こめて育てた甲斐あって予想以上の・ス大豊作・ス。育てる大変さを振り返りながら、天の恵みに感謝した。今後は味噌や豆腐づくりなど加工にもチャレンジする。
畑一面に広がる大豆。35人の児童は中腰になって、手作業で茎(くき)を1本、1本を土から引き抜いた。
大地に根を張っているため悪戦苦闘。慣れない姿勢に「腰が痛くなった」「手が疲れた」と少々弱音も。
しかし、元気な子どもたち。友人と励まし合いながら、競いあうように作業を続けた。
この日は、児童の家族も参加。祖父母の姿もあり「昔はよく大豆を収獲したものだが、こんな風に作業するのは40年ぶり。子どもと一緒にやれるのがまた楽しい」と話した。
農業委員の一部も加わる学校給食を育てる会が、手作り味噌を学校給食に提供したいと考えたことから始まった、5年2組の挑戦。
栽培し、様々な学習を深めていくうちに「豆腐や納豆もつくりたい」「販売したい」など夢は広がっている。
「栽培を通じて農業の大変さ、食べ物の大切さを肌で感じてもらえたはず。今後も楽しみ」と、農業委員会振興部会の田中一男部会長。
収獲した大豆は2週間、ハザにかけて乾燥。脱穀して次の段階を迎える。 -
南箕輪村集落営農組織「まっくんファーム」20日設立へ
南箕輪村集落営農組織「まっくんファーム」は20日、村役場で設立総会を開く。設立委員会は8日、役場で開き、組織への加入状況を報告し、設立に向けた事前説明会や設立総会の日程、規約や事業計画などの最終確認をした。
「まっくんファーム」は、加入者503人、加入面積272ヘクタール。村内の農業経営者は987人で、加入率は51%。
特定農業団体「農用地利用改善組合」の立ち上げを目指してきたが、現段階では同意者が要件に達していないため、特定農業団体と同等との位置付けで、集落営農組織「まっくんファーム」を設立する。
主な事業は、組合員が供した農用地での稲作、麦作、大豆、ソバ作などの農業。11支部を構成し、組合員はこれまでと同様に自分の農地は自分で経営する。経理は一元化する。出資は1人当たり千円。
事業計画では、本年度は組合の体制作りに取り組む。事業面積は小麦栽培は22ヘクタール(06年度は種)。そのほかは07年見込みで大豆21ヘクタール、ソバ13ヘクタール、水稲208ヘクタール、畑8ヘクタール。
今後の日程は、設立総会事前説明会を13、14日の午後7時から各地区公民館で開催。設立総会は20日午後6時30分から役場2階講堂で開く。 -
壮年連盟と村理事者が懇談、農業はじめ村の課題を意見交換
宮田村農業の担い手でつくる「壮年連盟」(小林正信委員長)は8日、村理事者との懇談会を開いた。急激に変化している農業問題から、村政、子どもの安全問題などまで、幅広く意見を交換した。
担い手対策、品目横断的経営対策、保有合理化など、さし迫っている農業の課題について村側に質問した
また、地産地消に積極的な村の学校給食についても意見。将来にむけた教育委員会の考え方を聞いた。
農業関係以外にも、村の行く末を考えて多彩な意見も。
「村井知事に変わり、村の合併議論が再燃するのか」との質問に、清水靖夫村長は「住民の7割が合併すべきでないと答えた。我々が主導権をもって、合併先などを模索することは現状では考えていない」と答えた。 -
伊那市富県の橋爪庄一さんのコシヒカリが、原産地呼称制度の認定米に
本年度の原産地呼称米を認定する審査会が7日、県庁であり、選出された14品種の一つに、伊那市富県の橋爪庄一さん(76)が生産した「上納米」も選ばれた=写真。橋爪さんは「一生懸命やったかいがあった」と喜びの声を寄せた。
農産物のブランド化推進を目的として生産や栽培にこだわった農産物を認定する原産地呼称管理制度が、米に導入されるようになったのは3年前。上伊那では、一昨年に橋爪さんも所属する「上伊那有機栽培研究会」が申請した米が認定を受けたが、昨年の該当はなく、今年は橋爪さんが唯一選ばれた。
体にも自然にも良い農産物を生産者の責任で作っていこう竏窒ニ、8年前から化学肥料をやめ、有機肥料のみで栽培してきた橋爪さん。魚体の水溶液や海草などで作られた有機肥料と有効菌を使い、良質な土壌づくりに努めてきた。
有機肥料で栽培した米は甘味と粘りがあり、1年経っても味が変わらないという。主に都市圏の消費者に販売しており、今年もすでに予約でいっぱいの状態。
今後は、有機肥料米の良さを多くの人に知ってもらい、生産者サイドの同志を増やしたいとしている。また、現在は1度だけ除草剤を使用しているが、来年は除草剤もまったく使わない栽培に挑戦したいと意欲を燃やしている。 -
JA上伊那のフォトコンテストで、駒ヶ根市の井口眞吾さんが最優秀賞
上伊那農業協同組合による「JA上伊那フォトコンテスト06」の審査会が7日、伊那市狐島の本所であり、駒ヶ根市の井口眞吾さん(67)の作品「伝承」を最優秀賞に選んだ=写真。
昨年に引き続き「みつめよう、上伊那の“農”」をテーマに、上伊那を象徴するような農村風景や人々の四季の営みをとらえた作品などを募集した今年は、上伊那各地から75点の応募があった。審査にはJA職員など約15人が参加。審査委員長には宮田村出身のプロカメラマン・唐木孝治さんを迎えた。
応募作品には、田植えや稲刈り、美しい山並みなどを写した叙情的な作品だけでなく、裸足で田植えをする女性が忙しげに田んぼのあぜを走っている作品など、ユニークな作品もあったが、ほぞ掛けを作る祖父の姿を熱心に見つめる少年をとらえた井口さんの作品「伝承」が、多くの審査員の心をとらえた。
唐木さんは「感じた思いや自分たちが農業に対して持っている思いが伝わる写真が最終選考まで残った。『伝承』は技術的にもテーマ的にも、最優秀賞にふさわしい作品」と話していた。
応募作品は11、12日のJA上伊那まつりで展示する。
入賞者は次のみなさん。
◇最優秀賞=井口眞吾(駒ヶ根市)
◇優秀賞=酒井芳郎(箕輪町)向山世男(伊那市)
◇佳作=片桐久司(飯島町)小林紀一(飯島町)鈴木修(伊那市)
◇入選=伊藤好幸(伊那市)林平一郎(伊那市)両角巻男(伊那市)石田明(辰野町)小澤義彦(伊那市) -
駒ケ根市農業委員会が建議
駒ケ根市農業委員会(清水千博会長)は6日、市役所を訪れ、中原正純市長に「農林業施策に関する建議」を手渡した=写真。清水会長は「07年度予算編成に当たり、足腰の強い農林業の構築に向けて建議の内容を市の施策に反映させてほしい」と訴えた。中原市長は「前向きに受け止め来年度予算に反映するよう最善の努力をしたい」と述べたほか、07年度から導入される品目横断的経営安定対策については「市としても新たな支援措置を検討している」として、人件費や事務費などを支援する考えを示した。
建議は(1)農業施策(2)農業環境施策(3)担い手の確保・育成(4)中山間地域における農業施策(5)林業施策竏窒フほか、国・県に対する要望などを盛り込んでいる。主な項目は▽地産地消の要望に応えられる販路拡大のための総合施設の設置▽特産品の開発・導入▽集落営農組織への助成▽幹線水路の抜本的対策▽農村女性の活動支援竏窒ネど。 -
キツツキの巣箱作り
宮田村少林寺拳法教室は5日、キツツキの巣箱作りを通じて松くい虫の予防を考える体験学習を駒ケ根市の高烏谷神社近くの山林で行った。教室の指導者や生徒、保護者など約30人が参加し、楽しく自然に親しみながら森林の大切さについて考えた。
高さ約40センチ、縦横約10センチの巣箱はキツツキの習性を考えた特別なもの。子どもたちは金づちを振るって巣箱を組み立てると、早速近くの木に登って約3メートルの高さに巣箱を吊るした=写真。
子どもたちは「早くキツツキが入ってくれるといいな」と話していた。
キツツキは松くい虫被害の原因マツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの幼虫にとっての天敵とされている。 -
信州牛乳キャンペーンで消費拡大ねらう
上伊那地域酪農協議会(桃沢明会長)は5日、伊那市のみはらしファーム「とれたて市場」前で「信州牛乳ふれあいキャンペーン」を展開した。初めての試みで、地元の「すずらん牛乳」を試飲する場を設けた。
上伊那の酪農家は約100戸。学校給食で飲まれ、他地域より牛乳の消費量は多いものの、年々減少傾向にあるという。そのため、寒くなる冬場を前に、消費拡大をねらってキャンペーンを組んだ。
「すずらん牛乳」(JA上伊那)は低温殺菌で日持ちは短いが、風味やこくがあるのが特徴。
キャンペーンでは、牛乳(200ミリリットル)300本の配布や骨密度検診などが無料で、地元住民や観光客が集まった。
酪農家は▽牛乳はカルシウム含有量が多く、吸収率がいい▽高血圧の予防になる竏窒ネどもPRし「健康のために、牛乳を飲んで」と呼びかけた。
毎月3(み)・6(る)・9(く)日は「信州ミルクの日」に設定されている。 -
ワインもイイけど、ジュースもいかが
山ぶどうジュース9日発売今秋収獲した宮田村の山ぶどう(ヤマソービニオン)を原料にした果汁100%ジュースが9日、数量限定で同村の本坊酒造信州工場から発売される。
味、香りをそのまま生かしたストレートタイプ。12月発売予定の新酒ワイン「紫輝」に先駆けて、濃厚で豊かな味わいが気軽に楽しめる。
500ミリリットル入りで1000円。上伊那各地の酒販店、同工場売店でも取り扱うが、数量限定のため「春までには、全てが売り切れてしまう」人気商品だ。
問い合わせは同工場85・4633まで。 -
第1回南箕輪村「まっくん収穫まつり」
第1回南箕輪村「まっくん収穫まつり」は29日、大芝公園屋内運動場西の駐車場で開いた。村営農センターと地区営農組合主催の初企画。好天に恵まれ、農産物や加工農産物の販売は大盛況だった。
「健康・安全・安心」な農産物生産、販売を促進し、南箕輪ブランドとなりうる特産品の開発を目指すため、村内農業者が中心となり消費者ニーズの把握、的確な情報発信、消費者との心の通った交流、安心安全で顔の見える農業の確立を目的にまつりを計画した。
レンゲをすき込んで栽培したレンゲ米の試食販売、リンゴと梨の詰め放題、味工房の新商品「黒大豆味噌」の販売、ブドウやキュウリなど農産物の販売、カーネーションとシンビジュームの販売、信大生が栽培した農産物販売など多彩なブースが並んだ。
訪れた人は試食しながら農産物を買い求め、カーネーションのアレンジメントに挑戦したり、子ども達は無料で配られたポン菓子を食べて楽しんでいた。 -
養魚場周辺でクマの出没あとを絶たず、村は漁協に電気柵設置を要請
宮田村新田区の天竜川漁協が運営するマス養魚場周辺で、クマの出没が相次いでいる。27日には前日仕掛けたばかりの罠で、体重43・5キロの若いオスを捕獲。村などは養魚場が絶好の・スエサ場・スになっているとみて、クマが近づけないように養魚場に電気柵の設置を要請した。周辺には遊歩道やマレットゴルフ場、公園などもあり「いつ誰が襲われてもおかしくない」と事情に詳しい関係者は警鐘を鳴らしている。
同養魚場では2つの池の周囲に電気柵を設置しているが、それ以外に柵はないためか頻繁に出没。先日も同職員がクマと出合い頭に遭遇し、格闘する事例も発生した。
村は周辺の安全性に支障があるとして、他の池など施設全体を電気柵で囲うように要請している。
本紙の取材に対し、同養魚場は「我々の施設だけの問題ではない。地域として安全面に取り組んでもらわないと」と話した。
27日に捕獲したクマを調べた、NPO法人信州ツキノワグマ研究会の林秀剛代表は「養魚場があるから、これだけクマが出没する。電気柵をきちんと整備するなど、対策を施せば来なくなる」と説明する。
一方で、現場周辺をを含め伊那谷各地で長年クマの生態を現地調査する写真家の宮崎学さん=駒ケ根市=は「山にはエサが豊富で自然界全体に変化が起きており、ココに限った問題ではない」と指摘。
山を利用したり、その近くに住む一人ひとりが安全に対する意識を高く持つことが必要と訴える。
村は遊歩道に看板を設置して通行に注意するよう呼びかけているが、「何よりも安全性を最優先して対応を図りたい」と話した。 -
ボクたち、ワタシたちの野菜いかが
宮田小3年2組、対面販売に挑戦農産物を栽培するだけでなく、消費者にどう届けるか自ら汗を流して学習している宮田村宮田小学校3年2組は、初めての対面販売に挑戦している。今までは育てた野菜などをスーパーに出荷するだけだったが、接客して直接手渡すことで、人の想いや温もりを肌で感じている。
学校近くのスーパーこいちの協力で、同店頭で販売。数人の班ごと約1時間ほど店先に立ち、客の呼びこみや接客、品物の受け渡しなどを行った。
23日には試験的に小菊を販売。好評のうちに売り切れたが、さっそく反省会を開き、言葉遣いや、どうやったら喜ばれるかなどを全員で話し合った。
26日は前回の経験を踏まえて、大根とサツマイモを販売。次々と訪れる客に笑顔で応対し、「ありがとうございました」と元気な声も響き渡った。
自分たちでつくった農産物を販売し、社会貢献したいと始まった学習だが、多くの人の協力や善意も受けて目の輝きを増す子どもたち。
27日も午前10時から午後3時まで同店頭で販売を予定している。 -
チューリップの観光農園目指し球根植え
遊休荒廃農地を無くし地域を活性化させようと活動する箕輪町上古田の住民組織「これからの農業林業を考えるEグループ」(唐沢光範グループ長)は25日、休耕田にチューリップの球根5千個を植えた。上古田長寿クラブ、西部花街道の会上古田支部、有志らも協力し35人が、来年6月ころの開花を楽しみに作業に精を出した。
球根の植栽は、箕輪町まちづくり住民提案事業の補助金とEグループの会費でまかなう。チューリップ農園は、上古田公民館から東へ100メートルほど下った道路沿いの休耕田。15アールの広さがある。
チューリップは「素朴なものにしよう」と本来のシンプルな形の品種ゴージャスとレインボーの2種類を選び、黄、紫、桃、赤、白の各5色。農園を10ブロックに区画し、1ブロックに500球ずつ植え、開花時に自由に散策してもらえるように各ブロックの間に遊歩道も確保した。
唐沢グループ長は、「遊休荒廃農地が少なくなるように頑張っているが、こうして皆が作業に集まることだけでも地域の活性化になる」と話し、チューリップの観光農園に期待を寄せている。
Eグループは春から柴桜、青いアサガオなどの植栽にも取り組み、アサガオは多くの人が訪れた。チューリップと平行して上古田区民や区外の人から提供されたスイセンの球根も、チューリップ農園近くのほ場に順次植えている。 -
山ぶどう収獲量、過去最高に
糖度、酸味も目標以上、良質なワインに期待主にワインの原料となる宮田村の特産品・山ぶどう(ヤマソービニオン)の今季収獲量が31・6トンに達し、過去最高となったことが農協宮田支所のまとめで分かった。天候不良などで、上伊那地域では果樹全般的に作柄を落とす中での・ス豊作・ス。糖度や酸味も目標数値を上回っており、同支所は「栽培技術の安定化などが大きな要因」と説明する。
生産関係者らが集まる山ぶどうの里づくり推進会議幹事会で報告。同支所は前年度を7トンも上回り、当初目標にしていた30トンも上回ったとした。
収獲した山ぶどうをワインに醸造している本坊酒造信州工場(同村新田区)は、全ほ場で糖度が目標値の20度を超えたと説明。「飲みやすいワインが期待できる」と、品質にも自信をみせた。
今年の山ぶどうは例年よりも成育が遅れ、今月3日に収穫を開始。当初は品質や収量への影響も懸念されたが、17日までに全てのほ場で無事に収獲を終了した。
農協の担当者は「他の果樹が収量を落とすなかで、目標以上の収獲。軸枯れなどの問題も抑えられ、実も房も例年以上の大きさ」と指摘し、14戸の栽培農家が努力して取り組んできた栽培技術を評価した。
現在醸造中で、新酒の「紫輝」は12月に発売を開始する。 -
信大農学部で落葉松祭
南箕輪村の信州大学農学部で21日、「落葉松祭」があった。学生らが取り組んでいる研究成果報告会があったほか、さまざまな食べ物屋台や多彩なステージ発表が、訪れた人たちを楽しませた。
ロータリーでは、学生や地元農家がつくった地元農産物を販売。シロネギなど、この時期旬を迎えている新鮮な農産物がを安く購入できるとあって、地域客を中心とする多くの人でにぎわった。
また、ロータリー前の特設ステージでは、学生らがジャズ演奏などを披露。伊那スキーリゾートの平日休日宿泊券や、ダチョウに関する景品などが当たる大抽選会もあり、会場をわかせた。
祭りは22日も一般公開され、ステージでは、地元の子どもらが参加する催しもある。また、もちつき大会や、伊那市のイメージキャラクター「い縲怩ネちゃん」と、南箕輪村のイメージキャラクター「まっくん」と触れ合えるイベント「い縲怩ネちゃん、まっくんと遊ぼう」なども行う予定。 -
伊那谷うまいもん市を開催
伊那谷一帯にあるさまざまな地域農産物加工品を知ってもらおう竏窒ニ21、22日、「伊那谷うまいもん市」が伊那市のアピタ伊那店で開かれている。上・下伊那でで活動する17団体が、地元農産物を使った郷土料理や特色あるさまざまな農産物加工品を販売し、訪れた人たちを楽しませている。
上伊那の「のうさん味ネット上伊那」と、下伊那の「南信州特産加工開発連絡会」が合同企画した初イベントで、農産物加工品の販売と、消費者との交流を目的としている。今回は上伊那14団体、下伊那3団体が出店した。
喬木村からは、テレビ番組で注目されたトマトケチャップを加工する「小池てづくり農産加工所」や、地元の農村女性が摘んだヨモギを使った餅やまんじゅうを加工する下條村の「下條ふるさとうまい会」など出店。上伊那の団体も、おからドーナツや特産品である「シメジ」を使ったおやきなどを販売し、訪れた人たちを楽しませていた。
22日は午前10時縲恁゚後6時に開催する。 -
「えごま学校」3年目の収穫
エゴマ栽培に取り組む上伊那の「えごま学校」は20日、伊那市西箕輪のほ場7アールでエゴマを収穫した。
2年前から、県農業開発公社上伊那支所が保有する土地の有効活用や、食材の再発見などをねらいにエゴマを栽培。昨年からオーナー制に切り替え、本年は南箕輪村、伊那市などから24人が申し込んだ。栽培面積は20アール。
刈り取り作業には、オーナー14人が参加。5月に種まきしたエゴマの草丈は1メートルを超え、コンバインで刈り取り、軽トラックでハウスまで運んだ。
世話人の唐沢俊男さん=南箕輪村=は「まずまずの出来。乾燥させ、11月中旬ごろからえごま油を販売できるのでは」と話した。
エゴマ1キロから油300グラムができるといい、オーナーに分配したり、JA上伊那の生産物直売所「あじ縲怩ネ」で販売する。
エゴマは生活習慣病の予防に効果があるといわれ、オーナーの女性は「ゴマに比べてくせのある味だが、エゴマをいってふりかけにしたり、ヨーグルトにかけて食べている」と利用法を紹介した。 -
牧草収集機械研修会
上伊那畜産振興協議会は18日、牧草収集機械の研修会を南箕輪村の採草地で開いた=写真。県内の畜産家や酪農関係団体、信州大学農学部の学生など約30人が参加し、実演を交えながら機械の作業性について話し合った。
国際競争の中、畜産分野でも低コストで労力負荷の少ない生産が必要となっており、大規模畜産農家経営においては、自給飼料の生産の効率化が重要な課題。そんな中上伊那では03年から、牧草の収穫作業を効率的にできる新しい機械の導入が進んでおり、現在県内にある9台全てが上伊那で使用されている。今後は、県内全域でこれらの導入が進むと考えられ、メリットや使い方を知ってもらいながら、導入の参考にしてもらおう竏窒ニ、研修会を企画した。
この日紹介した3台は、従来、別々の機械で行わなければならなかった牧草をロール状にする作業と、ロールをラップする作業を行うことができる。労働力の軽減を実現した農家も多く、実際に使用している畜産農家のアンケートで「牧草の耕作面積を増やした」という意見もあった。 -
浦国有林で国有林視察ツアー
伊那市長谷の浦国有林で16日、三峰川流域国有林視察ツアーがあった。一般や伊那市の行政関係者など約30人が参加。ここにしか自生しない貴重な植物や独特の地形について学んだり、現在治水工事の行われている荒川流域などを訪れた。南信森林管理署主催。
旧長谷村には、県内国有林の約30%が存在しているが、旧伊那市や旧高遠町の住民にはなじみが薄い。そこで、視察を通して地域住民に地域の森林への理解を促し、今後の活動や市政に役立ててもらおう竏窒ニ、林内が色付く季節に合わせて今回の視察ツアーを初企画した。
参加者は、美しく色付いた紅葉に目を奪われながら森林内を散策。この地に落ち延びた平家と関係した巫女(みこ)が身を投げたとされる「巫女淵」を見たり、八ヶ岳や南アルプスの一部にしか見られない絶滅危惧種・ヒメバラモミや、固有種・トダイハハコなどについて学んだ。
参加者の中には、昔この地に住んでいたという人もおり、「昔はこの辺にふちがあった」などと話しながら、散策を楽しんでいた。 -
東伊那きのこ祭
駒ケ根市のJA上伊那東伊那支所は14、15日、恒例のきのこ祭を開いている。毎年好評の「きのこ宴会」では1人5千円でマツタケをふんだんに使ったすき焼きや吸い物、きのこおにぎりなどが食べられるとあって、争って予約を申し込んだ人たちが宴会場を訪れ、ぐつぐつと煮える鍋を囲んで秋の味覚に舌鼓を打った=写真。
不作だった昨年から一転してキノコの当たり年となった今年は、マツタケをはじめたくさんのキノコが特売コーナーにお目見え。キノコのほか、野菜や果物、漬物などが特価で販売されたほか、毒キノコの見分け方などを教える鑑定コーナーや、きのこ汁やきのこうどんなどを販売する軽食コーナーが出店し、訪れた人たちでにぎわった。 -
めいきん生協ワインクラブ、山ぶどう収獲体験
名古屋勤労市民生協(めいきん生協)の組合員でつくる「ワインクラブ」の6人が14日、宮田村の畑で山ぶどう(ヤマソービニオン)の収獲を体験した。「ワインの原料を自分たちの手でもぎ取れるなんて幸せ」と作業を満喫。同生協は年末に解禁される山ぶどうワインの新酒から、組合員への本格的な販売も予定しており、宮田と中京圏を結ぶつながりの深まりに関係者も期待を寄せている。
宮田村では同生協とのリンゴオーナー制度で多くの組合員を毎年迎えているが、ワインクラブも宮田村の山ぶどうワインが生産を始めた8年前に発足。
理念に賛同したオーナーの組合員15人ほどで構成し、収獲や仕込などの作業を体験し、年末の新酒発表会にも参加している。
この日は6人が訪れ、山ぶどう栽培組合長の春日伊平さんの畑で収獲体験。
初めて山ぶどうを収獲したという春日井市の女性は「こんなに味が濃くて甘いとは思わなかった。ワインを飲む楽しみが、またひとつ増えた」と話した。
同生協は法改正で昨年から酒類を取り扱うようになり、注文書に山ぶどうワインも掲載し組合員に販売する。 リンゴオーナーとワインクラブの事務局を務める同生協の川瀬春雄さんは「農業や食育など理解を深める面からも、産地と消費地がつながりを深めることは良いこと」と話した。 -
信州花の里いいじまコスモスまつり賑わう
伊那谷最大規模、200万本が咲く飯島町上の原のコスモス畑で14、15日、信州花の里いいじまコスモス祭りが開かれ、ミニコンサートや花の摘み取り、テント村などでにぎわっている。町・観光協会などでつくる実行委員会主催。
秋咲き大輪系を中心に、黄花、クリーム系、オレンジ系など多彩な花が咲く4ヘクタールのほ場では、来場者は5本、10本と好みの花を摘み取ったり、駐車場特設ステージで繰り広げられる駒ケ根アルプホルンや飯島小学校合唱部、フルートアンサンブルなどの演奏に耳を傾け、餅つきを楽しみ、花の中でのどかな時を過ごしていた。
また、リンゴやナシ、野菜、花など農産物、五平もち、おやき、おこわなどの農産加工品が並ぶテント村では、1点2点と飯島町の特産品を買い求めていた。
15日は午前10時30分からマーケット開店、駒ケ根アルプホルン演奏、午前11時30分、餅つき、引き続き、セントラル愛知交響楽団、飯島中学校吹奏楽部などが演奏する。 -
大芝高原で上伊那郡市育樹祭開催
上伊那郡市育樹祭が13日、南箕輪村の大芝高原みんなの森であり、関係者や地元小学生ら総勢330人が除伐作業などを体験した。上伊那地方事務所、南箕輪村、上伊那山林協会、上伊那森林組合主催。
「育樹月間」(10月)に併せた恒例事業。森林づくりの大切さなどを学んでもらう目的で、上伊那各市町村を巡って開催している。今年は市町村や林業団体などの関係者、南箕輪と南部の両小学校6年生、一般が参加した。
式典で竹松政博地方事務所長は「森林の良さを見つめ直してもらい、多くの人の力で整備が推進され、より良い状態にしていければ」とあいさつ。
児童を代表して南箕輪小の清水泰志君と南部小の福沢咲さんが「豊かな緑を守り育て、大切な宝物として次の世代に引き継ぎたい」と宣誓。記念品として、南箕輪小に農業用フォークと草かき、南部小に樹木ラベル一式が贈られた。
参加者たちはアカマツ林1・8ヘクタールで、ナラやカエデ、リョウブなどの広葉樹を間伐。児童たちも指導を受けながらナタやのこぎりを使って作業した。ほかに、13年前に植えられたヒノキの枝払いなど、約1時間作業に汗を流した。 -
秋の風物詩「わらにお」作り
駒ケ根市東伊那の白川泰章さん(70)方で12日「わらにお」作りが始まった。白川さんは稲刈りの終わった田に3本の長い木で支柱を組み、形がゆがまないよう気を使いながら丁寧にわらを積み上げた=写真。「昔はどこの家でも作っていたもんだがこのところ全然見ない。この辺では今じゃうちだけだよ」と白川さん。1つ作るのに約1時間かかる重労働だが、白川さん方では毎年10個ほど作っているという。
「わらにお」は稲わらを良い状態で保存するために高さ約2メートル、直径約1・5メートルの円柱状に積んだ物。農業の機械化により家畜を飼わなくなったことなどからわらの需要がなくなり、最近ではほとんど見られなくなった。 -
農事組合法人
名称「みのわ営農」に決まる箕輪町の農事組合法人みのわ営農(仮称)設立発起人会は11日夜、第3回会議を町役場で開き、設立趣意書案を承認し、法人名を「農事組合法人みのわ営農」に決定した。
「みのわ営農」は、町内を一円とする農事組合法人。設立の趣意は▽国の農政大転換に対応した受け皿づくり▽農業機械への過剰投資を抑え競争力のある米産地づくり▽荒廃農地の防止と担い手育成の基盤づくり▽地域農業者の協同組織としての農事組合法人づくり-。担い手組織要件をクリアし、税制度や経営面でメリット追求がより期待できる農事組合法人を選択した。
今後は、加入申込みに向け17日から19日まで町内15地区で集落懇談会を開き、31日までに第1次申込みを取りまとめる。設立総会は12月10日に伊那プリンスホテルで開く。 -
伊那市長谷のNPOと信大農学部が雑穀収穫
ミレット(雑穀)を復活・普及させ、中山間地の地域活性化を狙う伊那市長谷のNPO法人「南アルプス食と暮らしの研究舎」と信州大学農学部食料生産科学科の井上直人教授の研究室は11日、長谷の田んぼで栽培してきたキビやヒエ、アワなど6品目20種を収穫した。
雑穀の栽培は「ミレット復活事業」の一環で、同地に適当な品種を調査し、普及を目指す。来年度以降は栽培面積を除々に拡大していくとともに、研究舎では品種の特性に合った料理の開発、提供も考えている。
両者は昨年12月から取り組み、全国各地で栽培されているさまざまな品種を集めて、大学の苗場には種。6月に長谷の約5アールの田んぼに苗を移植し、手を加えたのは2度の草刈りのみで、無農薬で育てた。この日は、会員や学生ら約20人が作業にあたり、種類ごとに実の部分だけを刈った。
雑穀は栄養価が高いことから井上教授は「長寿社会の現在、健康面からニーズがあり、都会では白米より高値で取り引きされている」と話し「山村の農家が主体的に栽培していければ、地域振興にもつながる」と期待していた。 -
人気上昇ペレットストーブ
県補助、原油高も追い風に原油高や県の補助制度新設などで、木質ペレットストーブの人気が高まっている。製造販売する宮田村の近藤鉄工(近藤満社長)は、昨年の出荷台数の2倍にあたる300台の生産を見込んでおり、本格的な冬の到来を控えてフル操業の状態。県外からの問い合わせも多く、対応に追われている。
県は近藤鉄工やヨウホク(駒ケ根市)など3社のペレットストーブ3機種を「信州型」と認定。購入する個人や事業者に10万円を補助し、100件の枠に11日現在で45件の申し込みが来ている。
また、市町村への補助制度も設けたほか、県施設や県立高校に新たに100台の導入も予定している。
積極的な普及策の追い風になっているのが、最近の原油高。「割高だったペレットだが、灯油などの値上がりで価格差もなくなった。環境にやさしい面も受けている」と県の担当者は説明する。
近藤鉄工は3年前の初年度は35台の出荷だったが、順調に生産台数を伸ばしてきた。
同社のホームページはストーブを全面に取り扱い、遠くは広島、山口などからも問い合わせが寄せられる。
「コスト面が有利になってきたこともあるが、環境にやさしいことや火の見えるストーブの暖かみも人気が高まっている理由」と同社の・ス木重由総括担当。
全てが職人の手作りのため月産50台ほどだが、今月から来月にかけて生産の最盛期を迎える。 -
おいしい芋焼酎に
原料のサツマイモ収獲上伊那の酒販店などが地域の協力も得て企画する、地元産サツマイモを原料にした芋焼酎づくり。宮田村では9日に、イモの収獲作業を行った。春先から生産を手がけた農事グループ「駒原ファーム」のメンバーら約10人が、「おいしい焼酎になれば」と思いを馳せつつ額(ひたい)に汗した。
全8市町村でそれぞれ賛同者を募り取り組んでいるが、宮田村では「駒原ファーム」が町三区の休耕田28アールを使って栽培。
取り寄せた「黄金千金(こがねせんがん)」の種を苗におこし、5月に植えた。
この日は、ファームのメンバーに加え、住民の有志も参加。トラクターで畑をかき、大きく実ったイモを手作業で次々と掘り起こした。
焼酎用のイモ栽培は同ファームにとって初めての経験で、当初は試行錯誤の連続だったが、宮嶋正明代表は「1年やってみて様子も分かった。生産調整した休耕田の活用になり、地域おこしにも役立てれば」と期待を寄せた。
宮田村分の収獲量は約5トン。既に箕輪町などでも収獲を行っているが、飯田市の喜久水酒造で醸造し、12月には産地別など9種類の焼酎として販売される予定だ。