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JA上伊那のあぐりスクールが修了式
上伊那農業協同組合(JA上伊那)が上伊那の小学生を対象として実施してきた「あぐりスクール」の修了式が16日、狐島の本所であり、小学2縲・年の69人が修了証書を受け取った=写真。
実体験を通じた食農教育として、JA上伊那が今年の4月から初めた取り組んだ試み。児童らは、年間を通して農業体験をしながら、農家の苦労や農産物の育つ過程を学習してきたほか、自分たちで育ててきた野菜を使った料理づくりや、対面販売にも挑戦してきた。参加者のほとんどが非農家。72人中69人が修了式を迎え、19人は皆勤だった。
瀬戸喜成校長代理は「『いただきます』という言葉には、命をあるのもへの感謝、生産者への感謝が込められている。勉強してきたことは今すぐ表れなくても、長い期間を通して生きてくる」と修了生や保護者に呼びかけた。
修了生の一人飯島小学校6年の浦上さやかさんは「オリジナルリンゴは初めてできちんと絵柄が付くか分からなかったが、きちんと付いて良かった」と振り返った。 -
07年度の市町村別生産数量目標が示される
県や市町村、農業団体などでつくる上伊那水田農業推進協議会が14日、県伊那合同庁舎であり、07年度の市町村別生産数量目標が示された。
県が示す07年当初数量目標は本年より2・1ポイント多い3万58トンとなっているが、同地区では米作りを中心とした産地作りをしていくため、今年の生産実績3万1723トンを当初数量目標とする。過剰分となる1723トンは地域間調整や転作扱いとなる加工用米の栽培で対応しながら、稲作地帯を維持していく。
しかし、全国的に見て米の消費が下降し続けている現状を見据え、収益性の高い園芸作物を栽培するなど、地域の特色に合った転作作物の導入も進めていく。
市町村別07年度の当初数量目標(加工米を除く)は、伊那市1万2749トン、駒ヶ根市5180トン、辰野町1752トン、箕輪町2542トン、飯島町3137トン、南箕輪村1698トン、中川村1515トン、宮田村1485トンとなっており、これに基づき上伊那農業協同組合などが需給調整をする。 -
松くい虫被害、伐倒処理木270本に
松くい虫被害を今年初めて確認した宮田村で、被害は当初よりも大幅に拡大し、270本を伐倒処理をしたことが村のまとめで分かった。開会中の12月村議会定例会には、処理費用として355万円余りを本年度予算に追加する補正予算案を提出。1年間全体で被害対策に約580万円を費やしたことになるが、他にもマツ枯れがみられ、来年度予算に計上していく見通しだ。
被害は天竜川、太田切川沿いの中越区、大久保区、大田切区に集中。
松くい虫は生息域の上限が標高800メートル付近といわれ、広域農道西側では確認されていないが、標高700メートルほどの新田区などでも新たに被害が出ている。
村は13日の村議会産業建設委員会で現状を報告。被害にあっていない木については、所有者に「樹幹注入」などの対策を求めるほか、被害木は伐倒処理し、樹種転換も図っていくと考えを示した。
被害木の処理は県補助などで村の負担は1割程度だが、村産業建設課は「新たに枯れて来ている所もある」と説明。被害発覚前の本年度当初予算では40万円だった対策費が、1年間で大きく膨らむ格好となった。 -
羽広いちご生産組合が設立10周年記念式典
伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームでイチゴ狩りを通じた体験型観光農園を展開する羽広いちご生産組合(泉沢勝人組合長)が13日、設立10周年記念式典を羽広荘で開いた。関係者など約100人が集まり、10年の節目を祝った。
温泉の湧出をきっかけに、地域振興と農業を結びつけたイチゴ栽培の導入が決まり97年、羽広いちご生産組合は設立。翌年1月1日にいちご園がプレオープンした。
泉沢会長は「手探り状態からのスタートで、お客に怒られながら接客を学んできた。伊那市の観光拠点としてがんばっていきたい」とあいさつ=写真。
小坂市長は「いちご園は集客数も一番多い中核的施設。一致団結して地域とともにいちご園を伸ばしていってほしい」と激励した。
いちご園は期間合計入園者数は01年に8万人台を記録して以降、徐々に減少。1、2年は6万人台を切りそうな年もあった。しかし、今年は5年ぶりに7万人台に回復。権兵衛トンネル開通の影響を大きく受けている。 -
信大で研究報告講演会
信州大学OBや地元企業などでつくる信州農林科学振興会(高嶋好文会長)の研究助成金を受けた研究者によるの研究報告会が12日、南箕輪村の信大農学部であった。在校生やOBなど約40人が集まり、各研究の成果に耳を傾けた=写真。
研究発表をしたのは本年度の助成を受けた学生、教授、同校卒業生の3人。
食料生産科学科の土井元章教授は、風を使って花きの日持ち性を向上させる栽培について発表。従来の栽培では、湿度への配慮はあまりされていないが、湿度が高いと水ストレスがかかり、植物の日持ちが悪くなることを示す一方、植物に風を当てることで低湿度環境の代替が実現できることを示した。
総合工学系研究科博士課程2年の山本耕裕さんは、抗体や医薬品などに使う有用物質を卵白の中に産出させる新しい育種の開発が進む鳥類の特徴的な生殖細胞の移動動態を、ひと・むし・たんぼの会の小川文昭代表は、農業者自身が水田の多面的機能を認識する手段の一つとして位置付ける「水田生物の調査」の結果について発表した。
在学中の研究者、学生などの支援を目的として91年に発足した同財団は、優れた研究などに対して研究助成金のほか、留学生に対する助成金を支給などをしている。 -
宮田高原、来季の営業再開は困難
7月の豪雨災害で通じる林道が3カ所で大きく損傷し、本格的な復旧工事が雪融けを待って来春以降になる宮田村の宮田高原について12日、来季の営業再開が困難であることが明らかになった。放牧牛の減少などで牧場運営など見直しも迫られており、村は来年度1年間かけて活用法を検討していく。12日の村議会一般質問で清水靖夫村長が説明した。
豪雨による林道の決壊で、今季も最盛期の7月末に同高原は閉鎖。放牧牛は林道の仮復旧で9月に下山した。
同高原はかつて周辺地域唯一のスキー場があるなど、村の観光拠点でもあった。
戦前から続く牧場とキャンプ場は今も夏季に開設するが、放牧牛はピーク時に比べ3割ほどに落ち込み、今年は10頭をきった。
管理費は年間120万円ほどになるが「3分の2は村からの持ち出しとなる」(村産業建設課)状況が近年は続いている。
キャンプ場利用者も年間1500人前後で、横ばいから減少傾向で推移している。
清水村長は答弁で現状のままの継続は難しいことも示唆。「多くの人の意見を参考にして、2008年度以降の活用法を打ち出していきたい」と話した。 -
箕輪町で野生鳥獣害対策集落リーダー育成研修会
耕作地の周辺整備や防護柵(さく)の設置など、野生鳥獣害被害を防ぐための積極的措置に取り組んでもらうことを目的とする野生鳥獣害対策集落リーダー育成研修会が12日、箕輪町であった。町内の各集落を代表する農家など約40人が参加。信州大学農学部の竹田謙一氏を講師に迎え、現地を視察しながらシカやイノシシなどの効果的な対策方法を学んだ。
上伊那地方事務所の主催。各地区で行っている研修会で3年目。
参加者はまず、シカやイノシシの被害が深刻となっている南小河内地区と福与地区の農地を訪れ、鳥獣害対策に取り組んでいながらも山際の集落で被害が拡大している実態を視察した。
竹田氏は「多くの農家が対策をしているにもかかわらず、被害に遭っているのは、適切な対策がとられていないため」と指摘。防護さくを設ける時は、動物が入り込めるようなすき間がないようにし、中の農作物が見えないよう、下の部分をとたんで隠すなどといった対処方法を伝授した。
また、畑の周辺が荒れていれば必然的に動物が畑まで出てきやすくなることや、畑に残した農作物の残さやB級品が、こうした動物の餌になり、知らない間に餌付けしている実情に触れ、基本的な部分で動物が入り込まない環境を整えるとともに、畑へ出てくることのデメリットを教える「嫌悪学習」を粘り強く続ける段階的な対応策を示した。 -
いちご園で贈答用・直売所用いちごの出荷始まる
12月に入り伊那市西箕輪のみはらしいちご園では、イチゴの出荷が始まった。ハウスの中で大きく実ったイチゴから順に色付きはじめ、出荷の時期を待ちわびている=写真。
出荷がしているのは「章姫」と「紅ほっぺ」。贈答用が中心で、県外からの問い合わせもあるという。みはらしファーム内にある直売所「とれたて市場」にも一部出荷している。
今年は昨年より定植時期を1週間ほど遅らせたため、出だしは若干遅めだが、クリスマスに向けて出荷量が増加していく。ここ数日は天気の悪い日が続いたため、色付きが進まなかったが、茎、葉ともしっかりとしており、いちご園では品質の良いイチゴになると期待している。
イチゴ狩りが最盛期となる3月に、園内のイチゴが最盛期を迎えるよう調整。また、いちご園が10周年を迎える来年は、さまざまな記念イベントも企画している。
イチゴ狩りの開始は07年1月1日の午前0時(元旦は要予約先着300人)。
問い合わせ・申し込みはみはらしいちご園(TEL74・7430)へ。 -
花ロマン(6)シクラメン
冬の窓辺を飾る代表的な鉢花シクラメン。ポピュラーな鉢花でありながら、驚くほど多彩。上伊那でシクラメン栽培が始まったのは1970年頃から。当時は種まきから出荷まで15カ月も掛かり、冬の高級鉢花として、1鉢を大切に飾っていた。その後、底面給水など省力化が進み、生産量が爆発的に増加したため、価格低迷は現在まで続いている。上伊那のシクラメン農家は約20軒、ほとんどが30年選手。サクラソウ科の植物で、原種は地中海沿岸の森林地帯に自生する。花びらの先端がかがり火をつけたように、後方に大きく反転し、和名カガリビバナという、この古くて、日々進化する花に魅せられ、こだわりの花づくりをする3人にスポットを当てた。「世界一小さい花を」と、限界に挑戦する伊那市東春近のきのくにや花園の飯島光豊さん、高品質の花で定評がある駒ケ根市南割の信州ナーセリーの塩沢崇さん、「究極の赤」を求める宮崎健治さん(宮崎園芸)、3人三様のこだわりのシクラメンがロマンをかき立てる(大口国江)
超ミニ、限界の5センチを確立(きのくにや花園の飯島さん)
初めて見た人はまず、目を丸くして「これでもシクラメン」と驚く。造花と間違えて、水をやらなかった人のいたほど。
シクラメン栽培歴35年の飯島さんがミニ系に着目したのは15年前。「大鉢の値段が低迷する中、ミニ系を大量生産した方が採算が取れるのでは:」と、超ミニの種を輸入し、肥料や水、土、鉢など試行錯誤を重ね、7年前に6センチ鉢の超ミニを完成。「もっと小さく」と肥培管理に心血を注ぎ、02年にようやく5センチ鉢を完成させ、「世界1小さい花」と、衝撃のデビューを果たした。現在は5センチ鉢のみ5万鉢栽培する。「3センチ鉢で成功したという話は聞いたが、葉の数だけつぼみが次々と出て、春まで咲かせるには5センチが限界」と話す。
「シクラメンは本当にきれいな花、毎日見ていても飽きない」(信州ナーセリーの塩沢さん)
1965年、農業研修生としてアメリカに渡り、そこでシクラメンと出会い、帰国後、新鉄砲ユリから転向、上伊那のシクラメン栽培の草分け的存在である。現在は丈夫で手間がかからないミニ(ガーデン)を5万5千鉢と贈答用の大鉢3千鉢を生産する。最近まで主流だったミディータイプは全く作っていない。「ホームセンターに安い花が出回り、手を掛けても、採算が取れないから」とか。
新品種は色っぽいネーミングの「ランジェリーピンク」、オレンジ系でフリンジが華やかな「アランチーニドレス」、羽根つきの羽根のような「プルマージョ」などを作る。
「シクラメンは難しい花、何10年作っても1年生、だから作り続ける」と話す。
「色々と新しい花は追い求めたが、最後は赤」
(宮崎園芸の宮崎さん)
6センチの超ミニから、ガーデンシクラメン、贈答用の大鉢まで7万鉢を栽培する。昨年まで、ビクトリアのがく花や八重、葉がギザギザなもの、花色がベージュ、グリーンと珍花、稀少花を栽培していた宮崎園芸だが、今年は赤やピンク、紫とオーソドックスの花に切り替えた。「珍花や稀少花は市場性が低い。いろいろと作ってみたが、結局、一般的な赤、ピンク、紫に落ちついた。赤は暖かく、パワーがあると人気があり、何種類か栽培しているが、なかなか気にいった花はない」と「究極の赤」を求め、その対極にある「白」も「シクラメンは絶対に白」という顧客もいて外せないとか。このほか、ガクが発達し、花が2重のように見える「冬桜シリーズ」は「日本的で、シクラメンらしくない形がいい」とお気に入り。
作る人も買う人もこだわりのある花、それがシクラメンのようだ。
(1)飯島光豊さんと超ミ(2)超ミニがン万鉢
(3)超ミニと大鉢「どち
らもしっかり咲きます」または、
(5)甘い雰囲気のランジェリーピンク
(8)日本的な冬桜シリーズ
(9)がくが花のように見える冬桜のアップ -
農業委員会が建議
飯島町農業委員会(森岡一雄会長)は6日、役場で、高坂町長に、農政対策や米政策改革推進対策への取り組みなど7項目を盛り込んだ農業振興に関する建議を行ない、新年度予算への反映を要望した=写真。
森岡会長は「担い手法人の育成や、1000ヘクタール自然共生農場づくりの実践により、競争力のある産地づくりと農村づくりを進めなくてはならない。07年度予算編成に当り、農業の持続的発展のために施策に反映させて」と述べ、建議書を手渡した。高坂町長は「農業や農村を取り巻く環境は厳しいが、町農業の振興は協働のまちづくりの根幹をなすもの、予算編成にできるだけ反映させたい」と答えた。
建議書には▽認定農業者と地区営農組合担い手法人の育成、支援▽経営所得安定対策の体制整備、支援▽農地・水・環境保全向上対策▽優良農地の保全と中山間地域の対策▽安全安心の農産物生産▽有害鳥獣被害の対策-などを盛り込んだ。
また、5月に、町長から諮問があった農業委員会委員定数については「委員定数の削減は2人が限度。女性農業委員の複数化を考慮すると、推薦委員は4人が適当」と答申した。
現在、農業委員定数は18人、うち一般選挙で選出される委員15人、推薦委員3人(うち1人女性)の合わせて18人。定数2減となると、一般選挙12、推薦4(うち女性2人)となる。施行は次回選挙(08年3月)の予定。
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西保育園でもちつき
宮田村西保育園は5日、年末恒例もちつき会を開いた。年長園児が杵と臼を使って、昔ながらに「ペッタンペッタン」。きな粉とあんこにまぶし、全園児で美味しく食べた。
年少、年中園児が見守る前で、年長がもちつきに挑戦。まわりのかけ声にあわせて、杵を振り下ろした。
33人みんなで協力して、モッチモチのお餅が立派に完成。さらにきな粉をつけて、年下の園児に振る舞った。
弾力ある歯ごたえに全員笑顔。餅のように粘り強く、風邪にも負けず元気に新年を迎えようと、モリモリ食べた。 -
白毛餅の販売始まる
上伊那農民組合産直センターはこのほど、まぼろしのもち「白毛餅(もち)」の今年の販売を始めた。竹上一彦代表は「今年もおいしいもちが出来ました。伊那谷の宝とも言える味をぜひ食べてみてほしい」と呼びかける=写真。
今年は18人の生産者が9ヘクタールから42トンを収穫。7月の長雨の影響で収量は減少したが、品種本来の性質として寒い環境の方が生育に適していることもあり、品質は例年よりも良かった。地元だけでなく、口コミで評判を聞きつけた県外消費者も多く、昨年は販売早々に完売した。
収量の少なさや作りづらさから一時は、ほとんどの農家が生産しなくなっていた白毛もちを復活させ、販売をするようになって9年目。消費者からの支持を受け、計画上では販売数も年々増やしており、今後は生産者を増やすことも検討している。強い粘りとこくのある味に定評があり、「昔懐かしい味がする」と多くの反響が寄せられている。
正月に合わせて年末に購入数が増え、一時的な品薄状態になることもあるため、12月中旬ころまでに購入することを勧めている。
販売所はニシザワ各店、キラヤ各店やJA上伊那Aコープ各店、グリーンファーム、みはらしファームとれたて市場など。
問い合わせ・注文は上伊那農民組合産直センター(TEL73・0785)へ。 -
村井知事が高性能林業機械を使った間伐作業を視察
村井知事は30日、県林務部(加藤英郎部長)の案内で、飯島町寺平の寺平町有林に訪れ、高性能林業機械を使った間伐、搬出作業を視察した。
現地では高坂町長や町議、上伊那森林組合(井沢通治組合長)など関係者約20人が出迎えた。
一行はまず、2残1伐の列状間伐された34年生のヒノキ林を観察。作業道を歩いて、上伊那森林組合が作業する間伐材の搬出場所に移動。高性能林業機械(スイングヤーダ、タワーヤーダ)とジグザク滑車を組み合わせた、信州型搬出作業(多列ハイリード式)を熱心に見学した。
加藤部長は「傾斜地に適した効率的な方法で、全国的に他に類を見ない信州オリジナル。この方法はコスト削減や労働の安全性の向上、残存木を痛めないなどの利点がある」と説明した。
また、林内でも動く車両「プロセッサ」を使った搬出作業も視察した。
村井知事は「林業は機械化が遅れている分野という認識があったが、実際に見て、作業道は整備され、想像以上に機械化されており、心強い。森林県である長野県は、林業振興に真剣に取り組まなければ」と感想を述べていた。 -
栽培から調理まで・ス一貫・ス手作りコンニャク
宮田村の農村女性グループ・野ひばりの会(田中みち子会長)は、新しい味覚の開発に手作りコンニャクを研究。30日に丹精込めて育てたコンニャクイモを調理した。12月3日に村内で開かれる山ぶどうワイン祭りに出店。おでんの具材として来場者に振る舞うが、おふくろの味として定着させたいと期待を寄せている。
同会は地元農産物を使って、スープや梅おこわなど料理を開発。村内の各種イベントで提供し好評だ。
コンニャクは以前に会員のひとりが試験的に販売したところ人気で、今年から会として本格的に取り組むことに。種イモを購入し、各会員が育てた。
この日は約20人の会員が村文化会館調理室に集まり、育ったイモを持ち寄って調理。
ミキサーで砕き、弱火の鍋でじっくりと煮立てる。根気よくかき混ぜ、消石灰を投入。栽培から調理まで一貫した手作りコンニャクが完成した。
「種イモをコンニャクにするまでに成長させるには2、3年が必要。冬場の保存など課題もあるが、今後も手作りしてイベントなどで提供していければ」と田中会長。
山ぶどうの新酒「紫輝」の解禁を祝い3日午前11時から新田区の本坊酒造信州工場で開かれるワイン祭りでは、梅おこわやスープとともに、コンニャク入りのあつあつおでんを用意する。 -
シンビジューム
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飯島町岩間は冬を華麗に彩る洋蘭、シンビジュームの栽培が盛んだ。小林洋蘭園(小林千晃園主)と伊藤洋蘭園(伊藤長一郎園主)の2園で3万5千鉢を関西、関東方面に出荷している。ピークは11月末から12月中旬ころで、毎週、合わせて5千鉢が送られ、贈答や都会人の心の慰めになっている。
夏涼しく、冬好天が多い飯島町は花き栽培の適地で、かつて岩間地区は「岩間のユリ」として、一世を風びした新鉄砲ユリの一大産地だったが、35年前、両園の先代がユリから洋蘭に転向、現在は2代目が継ぎ、品種を増やし、生産を拡大している(大口国江)。
##中見だし
花色が冴え、市場評価は上々
小林洋蘭園はピンクの直立系を中心に数10種類、開花株は1万7000鉢、その3倍の苗を生育させている。現在、花が咲いているのは、ピンク系中輪の「エレガントピンク」「ハレルヤ」、大輪の白花「シークレットラブ」など10数種類。新品種は「エレガントピンク」「ピンクペチュエル」など桜色が中心。花付きのいいキャスケード系、コンパクトで飾りやすいテーブルシンビジューム、豪華なアーチタイプも作る。
小林さんは「飯島町は寒暖の差が大きく、花色が冴え、葉は短く厚い、しっかりした株になる。市場でも評判は上々」と話す。
##中見だし
オリジナル品種花の里など50品種を栽培
伊藤洋蘭園では、開花株1万8千鉢を栽培。ほとんどが中、大輪系で、ピンク系が8割、黄色が1割、緑、白、赤が合わせて1割程度、直立系が9割以上。人気があるのは2年前から発売している「愛子さま」。ロングランの銘花「あんみつ姫」「プリンセスまさこ」いずれも日本人好みの桜色。彩りに真紅の「福の神」、緑色の「デザートルック」などのほか、同園オリジナル品種「花の里」もある「花はオレンジがかったつやのある黄色。実生の中から選び登録した」
種苗会社から約10センチほどのメリクロン苗を仕入れ、3回鉢替えし、出荷できるまでに3年掛かる。苗の特性や消費の動向を見ながら、膨大なサンプルの中から苗を注文する「品種の選択が1番難しい。3年後を見越して、慎重に選んでいる」。
伊藤さんは「シンビジュームは丈夫で豪華、冬の窓辺を飾ったり、贈答にも最適」と話す。 -
ますます上質、山ぶどうワイン新酒「紫輝」
12月3日のワイン祭りで解禁宮田村特産の山ぶどうワイン新酒「紫輝」のビン詰め作業が29日、新田区の本坊酒造信州工場であった。収獲から2カ月で仕込んだヌーボータイプ。「糖度も酸度も絶妙で、しっかりとした味」と関係者は期待を寄せる。無料試飲ができる12月3日のワイン祭り(会場・同工場)で解禁し、上伊那を中心に720ミリリットル入りビン約6千本を出荷する。
村内農家14戸が育てた山ぶどう交配種・ヤマソービニオンが原料。今年は史上最高の約32トンの収獲で、樽熟成や甘口など数種類のワイン生産を予定する。
最も発売が早い「紫輝」は、1999年の醸造開始当初からある定番商品。近年は県の原産地呼称制度に認められるなど、上質ワインとして人気が高い。
この日は、ろ過したばかりのワインをビン詰め。フレッシュな味わいと香りをビンの中に封じ込めた。
「山ぶどう独特の香りと色、さらに交配するカベルネの渋みが上手に調和した」と藤野公宏工場長は話す。
ワイン祭りは生産者や村でつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」が主催。午前11時から試飲を用意して一般来場者に振る舞うほか、軽食販売もある。
村役場を午前10時半に出発し、JR宮田駅前や農道を経由する2路線の会場送迎バスも用意している。
発売は祭りにあわせて開始し、上伊那各地の酒販店で取り扱う。1本1900円(税込み)。問い合わせは役場産業建設課(85・5864)へ。 -
育てた農産物、おいしく「いただきます」
かかし隊、収獲祭にぎやかに農作物の栽培を通じて、季節の行事にもふれる宮田村公民館の親子学級「われら、かかし隊」は27日、収獲祭を村民会館で開いた。丹精込めて育てた農産物を調理。おはぎや汁物にして会食し、大地に根を生やした1年間の活動を振り返った。
春に発隊して、町3区の田畑で農産物の栽培に挑戦。収獲祭のメインディシュは、豊作だったもち米を使っておはぎにした。
青バタ大豆を煎って、きな粉づくりからチャレンジ。小豆やゴマなど全て自分たちで育てた農産物を調理し、美味しいおはぎが完成した。
いもっこ汁の里芋も、みんなで育てた野菜のひとつ。この日は活動に協力してくれた地域の人たちも招待し、みんなで天の恵みに感謝した。
好評だったかかし隊の今年の活動は終了。同公民館は来年も親子体験を継続していこうと計画している。 -
農業委員会が村長に建議書
宮田村農業委員会(小田切信樹会長)は、活力ある農村の確立に向けて15項目の施策要望をまとめ、27日に清水靖夫村長に建議書を提出した。来年度から大きく変わる米の需給調整制度や後継者問題など、未来に展望を持って対応できる施策を求め、開発に対する優良農地の保護明確化も要望に盛り込んだ。
水田協議会や農業関係者組織の強化整備、農協との連携による実態に即した地域密着の農業施策を強く要望。
若い世代や定年退職者への農業に対する意識を高め、新たな組織体制や育成支援などによる後継者、担い手対策も求めた。
村内では若手後継者が参加する「壮年連盟(壮連)」があるが、若者の農業離れなどで組織維持など難しい問題も抱えている。
委員会役員3人から建議を受けた清水靖夫村長は、後継者、担い手問題に関心を示し、行政としても改めて協力していく考えを示した。 -
権兵衛トンネルを活用した農産物交流
木曽の特産品「赤カブ」を伊那の人にも知ってもらおう竏窒ニ23日、「木曽の赤かぶフェアin伊那」が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場であった。訪れた人たちは、木曽地域でしか生産されていない4種類の赤カブと漬物などの味を確かめた=写真。
フェアを開催したのは木曽の赤かぶの種の継承と特産品の開発を目的として発足した「木曽赤かぶネット」のメンバー。同グループは、。権兵衛トンネルの開通に伴い、伊那側から働きかけがあり、初めて伊那地域でイベントを開くことを決めた。
この日は、ダムに沈んだ旧三岳村黒瀬地区で栽培されていた幻の赤カブ「三岳黒瀬かぶ」をはじめ、王滝かぶ、開田かぶ、細島かぶが登場。各地区で引き継がれてきた4種類は、形だけでなく辛味、肉質も違っている。45年前にダムで途絶えた黒瀬地区の赤カブだが、1軒の農家が種を引き継いでいたため、県や地元女性グループが協力して、復活にこぎ着けた。春先になっても辛味が抜けないことに定評がある。
木曽赤かぶネットの西尾礼子さん(66)は「多くのお客さんがカブは1種類だと思っていたみたいで、これだけの種類を見ると驚く。互いの地域にない農産物や特産品を通して交流も進んでいけば」と話していた。
トンネルの開通後は、伊那側からも木曽で作っていない農産物を販売するため、木曽の道の駅を訪れる生産者が出てきているという。 -
南箕輪村大泉営農組合
野沢菜と大根の収穫体験南箕輪村の大泉営農組合による恒例「野沢菜と大根の収穫体験」が25日、村道5号線のあずまや近くの畑で始まった。村内外から訪れた夫婦や親子が、青々と育った野沢菜を収穫した。
野沢菜は8・4アールの畑に、鶏ふん「森の大地」のみの無農薬で栽培した。出来はいいという。
伊那市と箕輪町から訪れた親子は、「良心的でいい。新鮮さが違う」と、収穫体験は3年目になる。今年は例年より少なめだが50キロ漬ける予定といい、カブを切り落とし、野沢菜の長さを切りそろえるなど手際よく作業していた。
体験日は26日、12月2、3日もある。いずれも午前9時縲恁゚後4時。野沢菜は1束(5キロ)200円。大根は予約制で1本50円。 -
南部営農組合収穫感謝祭
箕輪町南部営農組合(柴正人組合長)の収穫感謝祭が25日、木下公民館であった。地元農産物販売、新そばの試食やとん汁のサービスに地域住民が訪れ、にぎわった。
地元農産物販売コーナーは長いも、ゴボウ、白菜、無農薬栽培のキャベツ、リンゴなどを販売した。JA上伊那グリーンセンターみのわによると、今年は白菜やキャベツの出来がよく、リンゴも味がいい。ソバの収量も多かったという。
今年は、水稲育苗ハウス有効利用のため、黒大豆を第1段階は枝豆として収穫、残りは黒豆として販売する栽培体系を確立しようと初めて試験栽培した黒豆も販売。人気を集めた。
箕輪営農組合(藤沢邦彦組合長)の収穫感謝祭は26日、JA上伊那の三日町支所で正午から午後3時まで。 -
道の駅「花の里いいじま」で利用感謝祭
飯島町七久保の道の駅「花の里いいじま」は日ごろの利用に感謝し「利用感謝祭」を25、26日、にぎやかに開いている。
初日は大釜を駐車場に据え、豚汁600人分を用意、野菜やキノコがいっぱい入った実だくさんの豚汁が来場者に振舞われた。
この日は今季1番の冷えこみとあって、来場者は熱々の豚汁に「体の芯から温まる」と大喜びしていた。
また、テントでは飯島町認定農業者の農産物、リンゴやブドウ、キノコ、野菜などが並び、1品、2品と買い求めていた。
26日は午前11時、正午、午後2時、4時の4回もちつきを行ない、来場者に振る舞う。 -
宮田小5年が収獲祭
宮田村の宮田小学校5年生は25日、自分たちが丹精込めて育てたコメで餅つきし、味わう「収獲祭」を開いた。水田管理などで世話になった地域住民や家族を招待。一粒の米の・ス重み・スに感謝し、豊作を祝った。
学校近くの水田で春から稲作体験。地域の協力も得て約250キロのもち米を収穫した。
収獲祭では、杵と臼を使って餅つき。ペッタン、ペッタンと昔ながらに手作業で心地良い汗を流した。
あんこ、きなこ、ゴマ、大根にそれぞれまぶして会食。味わいながら1年の苦労を振り返り、米一粒でも無駄にできないことを改めて感じていた。 -
宮田のリンゴを紅茶とミックス
日福大学生が製品化目指して研究着手日本福祉大学(愛知県美浜町)福祉経営学部4年の米山将太さん(21)が、宮田村のリンゴをドライフルーツに加工し、紅茶と組み合わせた新製品を開発しようと研究を始めた。同大学や彼がバイトで勤務する名古屋市の紅茶専門店も協力。同大学と同村は友好協力宣言を結ぶ間柄だが、関係者は「新たな産学連携のきっかけに」と期待を寄せている。
米山さんは名古屋市千種区で紅茶の輸入、卸販売、専門店などを手がける「えいこく屋」に勤務。バイトの身だが、今年5月に開店したパーラーでは、ドライフルーツと紅茶を組み合わす製品の担当を任されている。
欧州などから輸入したドライフルーツを使い、紅茶とブレンドするなどして客に好評。
ドライフルーツを細かく粉砕して紅茶と調合したり、ジュースにして茶葉に浸けたりと研究の幅も広い。
現在は大学がある知多半島のブドウを使うなど、産地にこだわった製品開発も進める。
宮田村特産のリンゴにも着目。23日に同村を訪れ、村内農家から300キロを購入した。
害虫や気象状況で影響があった今年の作柄も聞き「農家の人の苦労を無駄にしないよう、しっかりとした製品にしたい」と抱負。
リンゴを提供した樋屋喜代美さん=大田切区=は「このような取り組みを契機に、地元産物をもっと外へ発信していけたら。農家の励みにもなり、お手伝いしたい」と話した。
指導、支援する原田忠直同学部助教授は「都市部では顔や名前の見える特産物に人気がある。地元と一緒に開発など研究できたら面白い」と語った。 -
まるこま市場祭り
駒ケ根市赤穂上穂南にある駒ケ根市公設地方卸売市場「まるこま市場」で23日「第2回まるこま市場祭り」が開かれた。地元産の野菜や果物、花などが格安で販売され、せりの実演なども行われて、訪れた家族連れなどでにぎわった=写真。
会場の一角には給食についてのパネル展示や、果物が当たる食育クイズコーナーなどが設けられたほか、来場者には熱い豚汁が無料で振る舞われた。
イベントを主催した同市場生産者組合(小林弘志組合長)と仲買人組合(今村誠組合長)は「ここに市場があることすらあまり知られていないので、一般の人に存在をアピールしようと昨年に続いて祭りを企画した。できれば来年以降も続けていきたい」と話している。 -
日福大の留学生、リンゴオーナー収獲祭に参加
宮田村と友好宣言している日本福祉大学=愛知県美浜町=の留学生が23日、同村のリンゴオーナー収獲祭に参加。オーナーとしてリンゴのもぎ取りを体験するだけでなく、屋台も出店してイベントを盛り上げた。
中国からの留学生を主体に23人が来村。収獲祭会場の村農業者体育館前のテント村に屋台を設け、インドのお茶チャイを販売した。
あったかい飲み物に、訪れた人たちも大喜び。留学生代表で3年の林雪江さん(22)は「今年で宮田に来るのは3年目だけれど、色々な人と交流ができて本当に楽しい」と話した。
販売終了後は大学のオーナー木がある村内の園地に移動し、収獲を満喫。園主とのふれあいも深めた。 -
冬を彩るシクラメン、洋ランがずらり
飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで23日縲・6日、飯島産のシクラメン・洋ランなど冬の鉢花の展示販売会が開かれている。
シクラメンは町内5軒の農家が家庭用のミディーから贈答用の大鉢まで色とりどりの5百鉢を、2軒の洋ラン農家は話題の新品種やキャスケード系、アーチ型など、直立系シンビジュームを中心に2百鉢を並べた。
初日は開場と同時に多くの家族連れが入場し、「色々あって悩む」と話しながら、1鉢2鉢と買い求めていた。
ちなみに価格はシクラメンが千円縲・千円が中心、シンビジュームは4千円縲・千円で、産地ならではの豊富な品ぞろえ、価格で販売している。 -
農事組合法人みのわ営農設立発起人会最終会議
農事組合法人みのわ営農設立発起人会の最終会議が21日夜、箕輪町役場であった。定款と役員選任を承認し、設立総会の日程、議題を確認した。
協議で定款、役員選任をそれぞれ承認。発起人が署名捺印した。総会の議事は、組合の定款などの承認、加入者の承認、理事及び監事の選任、07年度事業計画・収支計画の承認など8議案と付帯決議。
みのわ営農は21日現在で組合加入者数582、出資口数は3万137口。出資金の1口額は100円(水田面積1アール)。07年度事業計画案の事業量計画は農作業受託が耕起・代掻き、田植え、収穫いずれも150ヘクタール。
設立総会は当初予定を変更し、12月17日に町文化センターで開く。記念講演会は午後1時30分から。設立総会は午後3時から。
記念講演の演題は「本当の食卓とは…次世代に伝えたい心豊かな暮らし」。講師は料理研究家の横山タカ子さん。自宅で料理教室主宰。長野県カルチャーセンター講師。 -
冬の鉢花の女王、シンビジューム出荷始まる
飯島町岩間で冬を華麗に彩る鉢花の女王、シンビジュームの出荷が本格的に始まった。
ピンクの直立系を中心に数10種類、1万7000鉢を生産する小林洋蘭園(小林千晃園主)では、現在、ピンク系中輪の「エレガントピンク」「ハレルヤ」、大輪の白花「シークレットラブ」など10種類が関東方面に送られている。ピークは11月末から12月中旬で、毎週1500鉢が出荷される。
今年の新品種は「エレガントピンク」「ピンクペチュエル」など桜色が中心。
近年、人気があるのは花付きのいいキャスレード系、コンパクトで飾りやすいテーブルシンビジューム、豪華
なアーチタイプとか。 小林さんは「シンビジュームは丈夫で長持ち。贈答にも最適」と話す。
23縲・6日まで七久保の道の駅花の里いいじまで飯島産のシクラメンや洋蘭の展示即売会があり、産地ならではの特別価格で販売される。
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ギンナンが豊作、いちょう祭りにぎやかに
イチョウ並木が色づき、ギンナンの収穫が終った中川村渡場の渡場会館で19日、30人余が出席し、にぎやかにいちょう祭りが開かれた。イチョウ並木を管理する渡場地区有志でつくるいこいの広場幹事会(小池宗夫代表幹事)が主催し、今年が5回目。
会場には収穫したギンナンを入れた「ぎんなんおこわ」、秋田名物「きりたんぽ」入りの鍋、各種燻製などごちそうや飲物が用意された。
開会で、小池代表幹事は「木の管理やギンナン拾いなど、多くのみなさんが協力していただき、ギンナンは今年500キロ収穫でき、販路も広がった」と感謝し「イチョウの管理を通じて、渡場の団結、仲間意識も深まった」とあいさつ。
この後、小池厚副総代の発声で乾杯、黄色に色づいたイチョウ並木を眺めながら、ギンナンの豊作を祝い、親ぼくを深めた。
イチョウは83年(昭和58年)、久寿と藤九郎の2種類25本植栽し、同幹事会が管理してきた。黄色のイチョウ並木は冠雪の南駒ケ岳や越百岳に映え、絶好のカメラスポットになっている。