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島崎さん「みどりの文化賞」受賞
伊那市坂下在住で元信州大学教授の島崎洋路さんが、公益社団法人国土緑化推進機構より「第23回みどりの文化賞」を受賞しました。
23日は、島崎さんが伊那市の白鳥孝市長に受賞の報告をしました。
みどりの文化賞は、緑や森林に関して功績のあった人や団体に1年に1回送られるもので、長野県での受賞者は島崎さんが初めてです。
今月の11日に東京都で開かれたみどりの感謝祭の式典で、受賞しました。
島崎さんは、昭和26年から信州大学で森林の管理や研究に携わり、退官後は横山の「島崎森林塾」を拠点として山仕事に携わる人を育ててきました。
その数は、10代から80代までのおよそ600人で、日本各地で活躍しているとのことです。
島崎さんは、今後も人材育成を続けて、林業従事者が自立して林業に取り組めるような指導をしていきたいとしています。 -
信州大学農学部と中部森林管理局が協定締結
信州大学農学部と中部森林管理局は技術開発などに関する協定を21日締結しました。
21日は信州大学農学部で、中村宗一郎学部長と中部森林管理局の鈴木信哉局長が協定書を取り交わしました。
信大農学部と中部森林管理局は平成22年に協定を結んでいて、共同でニホンジカの行動調査や捕獲などを行ってきました。
今回の協定ではより広い分野で協力していこうと、新たに林業の技術開発や実証などを行います。
県内初の取り組みとして、伐採と造林を一貫して行う作業システムを開発し、造林のコスト軽減の効果を調査します。
両者は、今回の協定を通じ、森林資源の有効活用や林業の再生、地域産業の活性化を目指していくとしています。 -
試験田に10種類の苗を植える
上伊那地域に適した米の品種を調べるため、10品種の苗が15日伊那市美篶の試験田に植えられました。
15日はJA上伊那や上伊那農業改良普及センターなどでつくる伊那米総合試験地運営委員会の委員25人ほどが広さ11アールの試験田に10品種の苗を植えました。
上伊那地域での推奨品種の選定のため、同じ条件の田んぼの中で収量や品質を調査するものです。
植えられた苗は、うるち米7種類、酒米2種類、もち米が1種類です。
委員は、11平方メートルの区画の中に苗を植えていました。
植えられた苗は生育状況を調査し、9月に収穫。
品質や食味なども調べ、今後の栽培に役立てるということです。 -
雑穀ロゴマークお披露目
雑穀を地域ブランドにしようとい縲怩ネ雑穀ネットワークが2月に公募したロゴマークが完成し、17日イベント用ののぼり旗がお披露目されました。
最優秀賞の原画に採用されたのは、上伊那農業高校2年で伊那市山寺の守屋琴音さんの作品です。
原画をデザイン化し17日発表しました。
中学生や高校生を中心に37作品の中からい縲怩ネ雑穀ネットワークが決めました。
17日は、ロゴマーク入りのイベント用のぼり旗がお披露目されました。
のぼり旗は、大を5本、小を30本作りました。
守屋さんは、「家でも食べている雑穀ごはんをイメージしてデザインした。」と話しています。
い縲怩ネ雑穀ネットワークの吉田洋介さんは、「素朴さが雑穀につながるデザイン。PRにつなげていきたい」と期待しています。
ロゴマークは、シールにもして、伊那の雑穀のピーアールに一役買うことになっています。 -
東京都新宿区の中学生 高遠町で田植え体験
伊那市と友好提携を結ぶ東京都新宿区の中学生が、16日、高遠町小原の田んぼで田植えを体験しました。
伊那市を訪れたのは、新宿区立西早稲田中学校の1年生137人です。
西早稲田中では、高遠町の農事組合法人らいふが生産している野菜や米を給食の食材として購入している事が縁で、毎年農業体験に訪れています。
一昨年まで、夏休みを利用して希望する生徒のみが来ていましたが、より多くの生徒に農業体験をしてもらおうと、去年から1年生全員で訪れることになりました。
指導は、らいふの組合員や地元の農家が行い、コシヒカリの苗を約40aの田んぼに植えました。
生徒らは、裸足で田んぼの中に入り、15センチ間隔で、2、3本ずつ苗を植えていました。
この日植えた苗は、らいふが管理し9月に収穫した後、西稲田中学校の給食で提供されることになっています。 -
観光だけでない桜の利用 進む
桜を観光だけでなく商品開発の研究素材として活用し、農家の収入アップや遊休農地の解消につなげていこうという取り組みが、伊那市高遠町で行われています。
14日は、高遠町山室の北原昭男さんの庭に植えられたヤエザクラ「関山」の花の摘み取り作業が行われました。
この取り組みは、ヤエザクラの花を利用して和菓子などの食品や化粧品を開発しようと、愛知県の企業や大学などが行っているものです。
この企業は、日本一の桜の里づくりを進めている伊那市に計画を持ちかけ、平成23年度から栽培の講習会を開くなど準備を進めてきました。
伊那市やJA上伊那東部支所などでつくる東部地区農業振興センターが窓口となって農家から希望を募り、去年3月に40戸の農家に桜の苗木1,200本を配りました。
摘み取った花は東部支所に持ち帰り、冷蔵保存したほか一部を塩漬けにしていました。
高遠町地区には、市全体の6割にあたるおよそ230ヘクタールの遊休農地があることから、センターでは遊休農地の解消などに期待を寄せています。
花は、事業を進めている愛知県の企業に1キロ900円で買い取られることになっています。
葉の出荷は、来年以降本格的に行われる計画です。 -
新規就農者支援協定 調印
茨城県の農業専門学校と、伊那市、JA上伊那は、新規就農者を支援する協定を9日締結しました。
就農に焦点をあてた、県下初、の珍しい取り組みです。
9日は、伊那市役所で調印式が行われました。
協定を結んだのは、茨城県水戸市にある「鯉淵学園農業栄養専門学校」と、伊那市、JA上伊那です。
農家の高齢化などにより農業の担い手が少なくなる中で、就農を希望する学生に、情報提供や実習の受け入れなどの支援を行い、地域の農業振興・担い手確保などを目的とするものです。
白鳥孝市長は、「農業を希望する若い人に、技術、資金、住む場所など、JAと協力して支援していきたい」
鯉淵学園の近藤博彦学園長は、「やる気のある学生が生計を立てられるようなバックアップ体制のある場所に学生を送り込みたい」
JA上伊那の御子柴茂樹代表理事組合長は「伊那市は、花・きのこ・酪農など特色ある農業を営む若い人がたくさんいる。3者そろって、全国発信したい」と挨拶しました。
9日は、鯉淵学園の研修生2人も調印式に参加しました。
そのうちの一人、学園研修生の丸山健太さん(21)は、6月から1ヶ月間、伊那市での農業研修を予定しています。丸山さんは、「顔の見える関係を築くことができありがたい。長野県への就農を希望している」と話していました。
今後は、3者で相互交流を行い、伊那市で就農する魅力を発信し、新規就農に結び付けたい考えです。 -
上伊那農作物霜被害 1億円
4月下旬からの霜による農作物の被害金額は、上伊那全体で、およそ1億円となる見込みです。
果樹の被害が大きく、ナシは6,000万円、リンゴは3,900万円となっています。
8日は、伊那市手良の梨畑でJA上伊那の職員が霜被害にあった畑の管理方法について指導していました。
JAの職員は、「今は受粉し実が着くどうかは判らない状況なので、通常どおり管理してほしい。
実が着かない畑であっても、病気の影響がでないよう消毒を欠かさないでほしい」と話していました。
4月下旬からの冷え込みは、ナシやリンゴの花の開花時期とも重なったこともあり、めしべ等が枯れてしまい、実を着けなくなるという事です。
伊那市や県、JAの調査によりますと、上伊那全体での農産物の被害は、およそ1億万円となる見込みです。
このうち、伊那市内の果樹被害は収穫量で147トン減収、被害金額は、2,500万円です。
JAでは、今後、農家に対し、聞き取り調査を行い、資金面など必要な援助について、検討していくという事です。 -
TPP参加反対学習決起集会
TPPに対する理解を深めようと、JA上伊那本所で30日TPP参加反対学習決起集会が開かれました。
集会には、農家など450人が参加しました。
集会では、東京大学大学院の鈴木宣弘教授が「TPPをめぐる情勢と今後の対応策」と題して講演しました。
この中で鈴木教授は、「TPPはアメリカの1%の大企業の利益のため残りの99%を犠牲にするもの。世界の将来を守る防波堤に日本がなれるかどうか」と話していました。
意見表明の中で新日本婦人の会伊那支部の荒恵子さんと渡辺佐智子さんは長さ7メートルのTPP参加反対を描いた絵手紙を披露しました。
JA上伊那の御子柴茂樹代表理事組合長は、「上伊那からTPP参加反対運動の輪を広げていきたい」とあいさつしました。
集会では、総力を挙げてTPP交渉参加断固反対運動を展開していくことを決議しました。 -
JA上伊那「生活部会」女性組合員の加入促進に成果
JA上伊那の女性組織、「生活部会」は、女性組合員の加入促進に成果があったとして、JA長野県女性協議会から表彰されました。
25日、女性部会の前年度の会長、湯澤順さんと、今年度の会長、矢島美枝子さんがJA上伊那本所を訪れ、御子柴茂樹代表理事組合長に受賞の報告をしました。
JA長野県女性協議会では組織運営に対する女性の参画を進めようと、組合への加入促進による組織強化を図っています。
JA上伊那の女性組織、生活部会は、組合員、非組合員合わせて、部員数は5,072人です。
女性対象のフレッシュミズ大学の開催や、個別の声掛けなどによる加入促進を行い、23年度に1,056人だった女性組合員を24年度には、116人増やして1,172人にしました。
御子柴組合長は「女性が元気だと地域も元気になる。みなさんの声を組織運営に反映していきたいので、積極的に活動してください」と話していました。 -
箕輪ダムにジャンボマスを放流
天竜川漁業協同組合は上伊那の3か所のダムでジャンボマス300キロを27日放流しました。
このうち箕輪ダムでは50センチほどのジャンボマス100キロが放流されました。
ジャンボマスの放流は天竜川漁協がゴールデンウィークに釣りを楽しんでもらおうと毎年行っているものです。
放流が終わると町内外から訪れた人たちが早速釣りを楽しみました。
ある男性は、「毎年楽しみにきています。今年は大きい魚を釣りたいです」と話していました。 -
伊那市手良で早くも田植え
上伊那地域のトップをきって26日伊那市手良野口の水田で田植えが行われました。
田植えをしたのは、伊那市手良にある株式会社中坪ノーサンです。
26日は、午前から予定していましたが強風のため午後にずれ込みました。
田植え機を操るのは、登内美穂さん。10年以上田植えをまかされています。
中坪ノーサンでは、手良中坪を中心に野口など合わせて29ヘクタールの水田で米を栽培しています。
毎年4月下旬から田植えを始めていて、今年は去年より1日早まりました。
苗も7棟のハウスで育てていて、今シーズンは、温度管理に気を使ったということです。
栽培しているのは、コシヒカリが9割以上で、減農薬で育てる特別栽培米も1/3を占めます。
8割が安曇野の業者へ、残りの2割がJA上伊那に出荷されています。
ねばりと甘み、風味があり評価も高く、飯田市の老人ホームからは、毎年感謝の手紙も届いているということです。
中坪ノーサンの田植えは、請け負っている面積が多いため5月いっぱいかけて行われます。
JA上伊那によりますと、今年の田植えのピークは、平年並みの5月中旬頃ということです。 -
上伊那森林組合決算 800万円黒字
上伊那森林組合の昨年度の決算は、およそ800万円の黒字で、6年連続の黒字となりました。
これは26日に開かれた上伊那森林組合総代会で報告されたものです。
昨年度の純利益はおよそ330万円で、前年度の繰越金を合わせた最終的な黒字額はおよそ800万円となり、6年連続の黒字となりました。
上伊那森林組合は昨年度、バイオマス事業で日本ペレット協会から全国で初めての優良認証を受けました。
それにより、販売量が増加したことなどが黒字の主な要因とみています。
井澤通治組合長は「行政や企業と連携を取りながら、森林整備・バイオマス事業・木材加工事業の3つを柱に取り組んでいきたい」と話していました。 -
あぐりスクール開講
小学生が農業体験をするJA上伊那のあぐりスクールが20日開講しました。
20日は、伊那市東春近榛原の畑でトウモロコシやニンジンの種をまきました。
あぐりスクールは、農作業を通じて楽しく農業や食について学んでもらおうと8年前から開かれているもので、12月まで水稲や野菜の栽培などを行います。
今期は辰野町から駒ヶ根市までの小学生60人が入校しました。
子どもたちはJAの職員などに教わりながら種をまいていました。
20日はJA上伊那本所で開講式も行われ、あぐりスクール校長の御子柴茂樹代表理事組合長は「体験を通じて農業の大切さや楽しさを学ぶとともに、たくさん友達を作って人間関係の輪を広げてほしい」と話していました。 -
農業用水路を小水力発電に活用研究へ
農業用水路を小水力発電に活用するための研究会が22日、発足しました。
研究会では売電収入により農業施設の維持管理を安定的継続的に行っていける仕組みづくりなどについて検討していく計画です。
22日は、伊那合同庁舎で上伊那地域農業生産基盤再生可能エネルギー活用研究会の発足式が行われました。
上伊那地方事務所の呼びかけにより伊那市春富土地改良区、上伊那美和土地改良区、上伊那地域自然エネルギー普及協議会など9つの団体と自治体が参加しました。
研究会では土地改良区が維持管理している農業用水路のうち急峻な地形を流れ落ちる水が小水力発電として活用できる可能性があるとしてそれを活用する方策を検討します。
活動内容として小水力発電所の建設に向けて支障となる課題を解消するための研究を進めるほか先進地の視察も実施します。
22日は水利権についてや費用にみあった効果などについて説明がありました。
研究会では現地調査や意見交換など6回会合を計画していて、来年1月に市町村や土地改良区を対象に研究成果の報告を行うことにしています。 -
大泉田園景観保全会が発足
南箕輪村大泉区は、農地・水を保全管理する組織、大泉田園景観保全会を発足させました。
17日は、大泉の西部地区館で設立総会が開かれ、区の役員や農業団体、PTAなどおよそ20団体が出席しました。
国の「農地・水保全管理支払交付金」に申請し、補助を受け水路や農道などの保全管理などを行うものです。
設立総会では、会の名称や規約などが示され、承認されました。
会長には、大泉営農組合の原 孝壽さんが選ばれました。
会では、6月下旬までに事業計画案などをまとめ、村と協定を締結する予定です。
なお、南箕輪村では、交付金を活用する同様の組織が、昨年度、神子柴で発足し活動しています。
今年度に入り、大泉のほかにも田畑で発足しているほか、久保でも同様の組織が設立される予定です。 -
アスパラ出荷最盛期
上伊那が県内1の出荷量を誇るアスパラガスの出荷が、現在最盛期を迎えています。
伊那市西箕輪の清水芳利さんのビニールハウスでは、早朝から出荷作業に追われていました。
アスパラは、春と秋の年2回収穫が行われていて、春に出荷されるものは特に甘味が増すということです。
JA上伊那によりますと、上伊那地域でアスパラを生産している農家はおよそ330戸、面積はおよそ65ヘクタールだということです。
清水さん宅には、広さ30アールの畑に11棟のビニールハウスがあります。
今朝は、出荷することができる28センチ以上のものを1つひとつ手作業で収穫していました。
南箕輪村のJA上伊那広域選果場です。
ここでは、出荷されたアスパラの品質チェックと箱詰め作業が行われていました。
1番太い3Lから1番細いSまで、サイズごとに分けて箱詰めしていました。
この時期のアスパラは、1日で10センチほど成長するため柔らかくなるということで、太いものの人気が高いということです。
現在は、1日におよそ4万束のアスパラが出荷されています。
出荷は5月中旬まで行われるということです。 -
天竜川漁協 イワナの成魚放流
天竜川漁業協同組合は、イワナの成魚を、18日伊那市長谷の黒川などに放流しました。
18日は、天竜川漁業協同組合のメンバーが、イワナの成魚、500キロを、天竜川の支流に放流しました。
イワナは、豊科で養殖された体長10センチから22センチほどの成魚です。
4月4日にも、上伊那の主要な渓流で放流していて、全部で1トンのイワナが川に放たれました。
3月までには、アマゴ1.2トンも放流されています。
原油価格の高騰などにより、今シーズンから1日券が1,000円から1,100円になるなど遊漁料が値上がりしました。
それに伴い渓流魚の放流量も1割程度、増やしたということです。
天竜川漁協では、ゴールデンウィークにむけ、4月27日にも、高遠ダム・箕輪ダム・横川ダムそれぞれに100キロのジャンボマスを放流する予定です。 -
「南みのわ農業委員会だより」が全国のコンクールで特別賞
南箕輪村農業委員会が発行する広報誌「南みのわ農業委員会だより」が全国のコンクールで第3位にあたる特別賞を受賞しました。
11日、南箕輪村農業委員会の宮下勝美会長ら委員4人が村役場を訪れ、唐木一直村長に、受賞の報告をしました。
「南みのわ農業委員会だより」は、去年1月に第1号を初めて発行しました。
年2回5,300部を全戸配布していて、農業委員会の仕事や地域の担当者の紹介、お知らせなどを掲載しています。
コンクールは、全国農業会議所などが行ったもので、全国から42の応募がありました。委員会の施策や活動が的確に紹介されているか、タイムリーな情報提供が行われているかなどが審査され、「南みのわ農業委員会だより」は、全国で6点が選ばれた特別賞を受賞しました。
唐木村長は、「農業に対する理解を深めてもらえる良いきっかけになる。これからも発行し続けてほしい」と話していました。 -
耕作放棄地 大規模再生
伊那市東春近田原上段の耕作放棄地再生事業がこのほど完了し30日、竣工式が行われました。
この日は現地で記念碑の除幕式が行われ、関係者が竣工を祝いました。
田原上段の耕作放棄地は、養蚕が盛んだった頃、主に桑畑として活用されていました。
養蚕の衰退とともに桑の需要がなくなり、30年以上もの間荒れた状態のまま放置されていました。
農事組合法人田原では、地域の農業振興の課題となっていたこの土地の再生事業に、平成22年度から取り組み、2年間かけておよそ16ヘクタールの土地を畑として再生しました。
総事業費はおよそ6千900万円、そのうち3千500万円は国の耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を使いました。
また、土地の造成や樹木の伐採、下草刈りなどのほとんどの作業を田原区民が行ってきました。
農地70区画を造成したほか、住宅地となっている下段への土砂流出を防ぐため、沈砂地と呼ばれる池も造られています。
伊東由和委員長は「耕作放棄地の再生が完了し感無量。後世にも残していける素晴らしい農地になった」と話していました。
伊那市内にはおよそ300ヘクタールの耕作放棄地があり、伊那市では、田原の取り組みをモデルとして再生事業を進めていきたいとしています。
伊那市の塚元重光農林部長は「この取り組みを見本に、地域でも耕作放棄地を再生していけるということを知ってもらい、伊那市の耕作放棄地をなくしていけたら」と話していました。
田原上段の農地では今後、白ネギを主力として、ブロッコリーやトウモロコシ、小麦の生産を行っていくということです。 -
大泉まんどの会が麦踏・土入れ作業
お盆の伝統「振りまんど」を残していこうと、大麦を栽培している南箕輪村の大泉まんどの会が、地域の畑で麦踏などの作業を20日行いました。
20日は大泉まんどの会の会員や、地域の子どもなど15人ほどが参加し、麦踏や土入れの作業をしました。
大泉では去年、麦ワラが手に入りにくいことなどから、お盆の伝統行事「振りまんど」の実施を見送りました。
伝統行事を後世に残していこうと、大泉まんどの会では去年10月から遊休農地で大麦を育て始めました。
麦踏には根を丈夫にする効果が、土入れには寒さや乾燥を防ぐ効果があるということです。
子どもたちも会員から教わりながら作業に挑戦していました。
唐澤俊男会長は、「昔ながらの農作業を子供たちとできてよかった」と話していました。
育てた大麦は6月に収穫し、8月の振りまんどで使うことにしています。 -
箕輪町グリーンツーリズム好調 参加者大幅増加に
都市と農村の交流、農業振興を目指す箕輪町グリーンツーリズム。今年度の健康ツアーと農業体験ツアーの参加者は、およそ1,280人と、前年度の950人から、330人の増加となりました。
27日は、箕輪町役場で推進協議会の会議が開かれ、今年度の事業報告などが行われました。
報告によりますと、田植えやリンゴの収穫などの農業体験ツアーには、今年度1088人が参加し、前の年度と比べ229人増加しました。
農業体験と健康プログラムを組み合わせた健康ツアーの参加者は、188人と前年度と比べ88人増加しました。
箕輪町では、平成22年度から、都市との交流や農業振興を目的にグリーンツーリズム事業を実施しています。
会議で平澤豊満町長は、「今後も工夫をし交流人口を増やし、町の活性化につなげていきたい」と話していました。
協議会では、これまで都市農村交流、農産物加工・健康メニュー開発、健康推進の3つの組織でグリーンツーリズムを推進してきましたが、来年度から新たに、観光農業ビジネスに取り組む、みらい農(の)ビジネス推進チームを新設することが了承されました。
このチームは、観光農業ビジネスのあり方について研究し、ほか3つのチームと連携を図りながら事業に取り組むという事です -
TPP交渉参加反対 緊急集会
15日にも、安倍総理大臣がTPP交渉参加を表明すると見られる情勢を受けて、JA上伊那は、TPP交渉参加断固阻止の緊急集会を、14日、開きました。
14日は、伊那市のJA南信会館に、農家など150人が集まりました。
JAグループは、TPP交渉は、「聖域なき関税撤廃を前提とする」ものであり、米、麦、牛肉、乳製品、甘味資源など、日本の農業の重要品目が除外されないとして、交渉参加に反対しています。
集会では、伊那市消費者の会や、上伊那農民組合など5人が、決意表明を行いました。
御子柴 茂樹代表理事組合長は、「農家が自然も含めて国土の70%を、守り管理している。その農業を無視して、TPP交渉参加の方向に動くのはいかがなものか」と話しました。
集会では、今後も総力を挙げて、徹底して参加反対運動を行うことを決議しました。 -
上伊那の松くい虫の被害減少
上伊那地方松くい虫防除対策協議会が12日、伊那合同庁舎で開かれ、上伊那の被害は昨年度より、およそ1,300立方メートル減少したことなどが報告されました。
県や市町村の担当者が集まり今年度の被害状況報告や来年度の対策を話し合いました。
上伊那の今年度、12月末現在の被害は3,800立方メートルで前年度の5,100立方メートルより1,300立方メートル減少しました。
市町村別では、伊那市が昨年度より500立方メートル減少しましたが、箕輪町で昨年度より91立方メートル増加し92立方メートル、南箕輪村で20立方メートル増加し119立方メートルでした。
今年度の被害状況として、伊那市高遠町で被害区域が東へ、箕輪町、南箕輪村で被害区域が北上していることが報告されました。
来年度も引き続き、市町村が連携して、松くい虫被害の拡大防止に務めていきたいとしています。 -
生産者と利用者をつなげ消費拡大図る
生産者と利用者をつなげ地元産の農畜産物の消費拡大を図る「上伊那早春メニュー提案フェスティバル」が5日、伊那市のJA上伊那本所で開かれました。
信州サーモンを使ったカルパッチョ、鯉と地元産の野菜を揚げた甘味噌かけ、みはらし豆腐を使ったしめじの餡かけ。
これら13品目の料理は、上伊那の特徴を活かした新たなメニューを提案し農畜産物の利用促進を図ろうと、JA上伊那や県などでつくる「上伊那!食べたい 提案隊」が企画したものです。
会場には、上伊那の12の宿泊施設の関係者や、生産者など60人が集まり、料理の感想について話したり、情報交換などを行っていました。
提案隊の隊長でJA上伊那の御子柴茂樹代表理事組合長は「生産者と消費者が直結した仕組みづくりが重要となってくる。農畜産物の消費拡大に向けた企画の提案を積極的に行っていきたい」と話していました。 -
グリーンファームで蘭展
伊那市ますみヶ丘の産直市場グリーンファームで第10回蘭展が2日から始まりました。
特設会場では100種類以上、およそ2千鉢の蘭の展示販売が行われています。
蘭展は、この時期に毎年開かれているもので、中には珍しいといわれる品種もあります。
グリーンファームでは、「これだけの蘭が集まる機会はなかなかない。ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛けています。
第10回蘭展は10日日曜日まで、グリーンファームで開かれています。 -
南信の米 初の『特A』
日本穀物検定協会がまとめた平成24年産米の食味ランキングで南信のコシヒカリが初の特Aを獲得しました。
米の食味ランキングは良質の米作りの推進と消費拡大を目的に昭和46年から毎年行われています。
全国128か所の米について食味試験を実施し結果をまとめたもので専門の評価員20人が味や香り
粘りなど6項目を評価しました。
ランクは5段階で最高評価の特Aが29銘柄。
味が良好なAが62銘柄。標準的なAダッシュが37銘柄でした。
JA上伊那によりますと、南信の米生産の中心地となる上伊那地域では安心安全で高品質の米を作るため籾の消毒をこれまでの薬品から高温の湯に切り替えたほか、食味の向上を図るため肥料の改良にも力を入れてきたということです。
南信の米が特Aを獲得するのは今回が初めてで農業関係者は、ブランド力の向上につながるものと期待しています。 -
農業名人に御子柴さん・丸山さん認定
上伊那地方事務所などは、農業の現状や課題について考えるファーマーズの集いを27日、伊那市のJA上伊那本所で開きました。
会場には、市町村の担当者や農業関係者などおよそ200人が出席しました。
集いでは、長年に渡り農業に従事し功績のあった7人と3団体に農業功績者表彰が贈られた他、農業委員会活動に協力してきた1人に感謝状が贈られました。
後世に残すべき技術を持つ農業名人には、今回新たに1人が認定されました。
伊那市の御子柴鋭之進さんは、湧水が減少する中で、わさびの栽培に貢献しました。
箕輪町の丸山平治さんは、代々受け継がれてきた風習を季節毎の農業体験を通じ、若者や子供たちに伝えています。 -
南箕輪村 来年度のニホンジカ駆除目標51頭
南箕輪村は、ニホンジカの駆除について来年度から目標頭数を定めて実施していきます。
来年度の捕獲目標は51頭となっています。
これは、昨日南箕輪村役場で開かれた有害鳥獣対策協議会で示されたものです。
南箕輪村ではここ数年西山山ろくなどでニホンジカによる林業被害が見られるようになりました。
これまでは被害報告をうけてから捕獲を行ってきましたが、来年度からは未然に被害を防ごうとあらかじめ目標頭数を定め、駆除を行います。
捕獲数は、県が示した計画に基づくもので、伊那市は3,449頭、箕輪町は329頭となっています。
捕獲はくくり罠や猟友会による銃器での一斉捕獲を計画しています。
また、9月をめどに駆除にあたる捕獲隊を結成する考えです。 -
今年のさくら祭り 開花宣言基準木南ゲートへ
伊那市は、去年の高遠城址公園さくら祭り期間中の有料入場者数が過去6番目に少なかったことを受け、今年のさくら祭りでは、花が早く咲く南ゲート付近の木を開花宣言の基準木とすることを決めました。
20日、伊那市高遠町の総合福祉センターやますそで開かれた高遠城址公園さくら祭り対策打ち合わせ会議で伊那市が示し、了承されました。
これまでは公園開きから散り終わりまでが有料入園期間でしたが、去年は基準木が咲いた翌日から散り終わりまでを有料入園期間としました。
そのため去年の有料入園者数は有料化以来6番目に少ない17万4,729人でした。
会議では、基準木を公園内で最も早く咲く南ゲート付近とすることを決めました。
また、今年は初めてJR東海の飯田線の駅をめぐるイベントとタイアップし、JR飯田駅から城址公園、市内の観光施設などをめぐるツアーバスを運行します。
信州そば発祥の地のPRイベントとして、会津若松市と協力して高遠そばの提供も企画しています。
なお、高遠町下山田のシャトルバス乗り場は廃止となります。
今年の高遠城址公園さくら祭りは公園開きが4月1日で、期間は30日までの一か月間です。