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第16回伊那市用地選定委員会
建設コスト、環境影響、分けて点数化上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設場所を検討している伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が7日、伊那市であった。用地を選ぶ評価基準の中に市民から募集した意見をどう汲み上げるのか、点数評価する項目の評価手順をどうするかなどを決めるため、3グループに分かれて検討。各グループとも「環境影響と建設コストは分けて評価すべき」という意見でまとまり、環境影響を評価する16項目と建設コストを評価する14項目は別々に評価し、第一段階として、どちらか一つでも合計点が低い評価点が付いた数カ所を候補地から除外すること決定した。候補地の絞り込み方法は次回、具体化する。また、各候補地の点数は24日に明らかにし、ある程度まで候補地を絞り込んでから再度、現地調査を行う。
グループ検討の結果「最終候補地を決定するまでにある程度候補地を絞り込みしていく必要がある」として候補地を絞り込みを行うことを決定。最終候補地をどのように決定するかは依然、決定していないが、候補地を絞り込みを行うにはこれまで検討してきた点数評価項目に基づき行うため、各候補地の点数が明らかになる。
最終候補地1カ所が決まるまで、住民感情を刺激したくない思惑のある事務局側は当初、最終候補地の決定を予定している30日までは各候補地の点数を明らかにできないとしたが、委員から「今度の現地調査は点数評価した結果が妥当かどうかを確認するために行うもの。候補地の絞り込みをしてから確認したい」「段階的に絞り込んだ手順を市民に公開することにも意義がある」との声が挙がり、現地調査を行う前に各候補地の点数を公表し、候補地の絞り込みを行うこととなった。
用地選定に関する市民意見の活用についてはすでにこれまでの評価項目に組み込まれているとの見解から「後々の参考意見として生かしていきたい」としたほか、候補地の賛否に関する意見について伊藤委員長は「最終候補地を絞り込む時、委員それぞれが考慮する形で反映していくことになると思う」と語った。 -
日本聴導犬協会ノウハウ凝縮、愛犬ハッピー手帳発刊
日本聴導犬協会(宮田村)の育犬ノウハウを凝縮した「愛犬ハッピー手帳」がすばる舎から発刊し、全国の書店で発売している。「親になったつもりで犬を育てて」をコンセプトに、本の大きさも母子手帳サイズ。愛犬との接し方を分かりやすく解説しており、有馬もと会長は「犬も人間も一緒。思い込みで接するのではなく、関係を見つめ直すきっかけにしてもらえれば」と話す。
犬との接し方を対話形式で描いた「ハッピーアドバイス」に、獣医学的な見地も盛り込んだ「健康手帳」、犬との日々の暮らしをつづれる「育児日記」の3冊1セット。
これから飼おうと考えている人から、日常的な接し方に悩んでいる人まで幅広く対応し、犬と良好な生活を営むためのアドバイスを各種事例に沿って盛り込んだ。
「犬はしこむものと考えている飼い主の方も多いが、気持ちを理解することが本当に大切。飼い主ではなく、お父さん、お母さんになってほしい」と有馬さん。
定価は1900円(税別)で、問い合わせは同協会85・4615まで。 -
県公衆衛生専門学校入学式
伊那市の県公衆衛生専門学校伊那校(山崎宗広校長)で7日、08年度の入学式があった。歯科衛生士を目指す19人が入学許可を受けた=写真。
入学生代表の山田夏美さんは「多くの知識、技術を学ぶだけでなく、思いやりを忘れないようにしたい。歯科衛生士への道のりは容易ではないが、仲間と励ましあって努力していきたい」と誓いの言葉を述べた。
山崎校長は、式辞で「歯科衛生士は生涯にわたって活躍できる魅力ある仕事。初心を忘れず、主体的、積極的に学んで、自ら判断する力を養ってほしい」と激励した。
2年生を代表して本村真由美さんは「厚い教科書や初めて見る機器に驚くことだろうが、だんだんに楽しさややりがいが感じられるようになるはず。19人の仲間と助け合って成長してほしい」と歓迎の言葉を述べた。 -
西春近公民館コヒガンザクラ満開
地元で早咲きと知られる、伊那市の西春近公民館南児童公園のコヒガンザクラが満開となり、見ごろを迎えている。高さ10メートル以上、樹齢約80年の古木2本など計8本が公園を囲んでおり、夜は地元有志が設置したぼんぼりの光が幻想的に映し出している=写真。
今年の咲き始めは例年とほぼ同じ時期で、ここ数日の間に満開となった。花の色は淡いピンク色で、枝は木の下に立った人を包み込むように垂れており見事。近所に住む子ども連れの家族やお年寄りたちが連日、枝下でお花見している。
公民館内で働く女性職員は「窓口を訪れた人も見事な咲き具合に見とれている。桜が満開となり、職場も華やかになっている」。花の見ごろは今週いっぱいで、ライトアップは午後6時縲恣ッ9時半。 -
萱野高原に桜の苗木植樹
箕輪町の三日町区や福与区の生産森林組合役員や区長などでつくる萱野高原活性化委員会(13人)は5日、同町からの依頼で萱野高原に80本のオオヤマザクラの苗木を植えた。
萱野高原へのオオヤマザクラの植樹は05年に町発足50周年記念「さくらの萱野高原づくり」事業として始まり、「萱野高原を見上げたとき、高原がピンク色に見えるような桜の山にしたい」という方針のもと、萱野高原活性化委員、町議、一般町民らでつくる「萱野高原の桜を育てる会」などが作業にあたり今までに500本を植えている。
かやの山荘前に集合した萱野高原活性化委員会メンバーは、まず空席となっていた委員長を選出。福与生産森林組合長の中村善男さんを決めた。
その後、2、3人が一組となり同高原の樽尾沢林道やみはらし線周辺などに高さ3・5メートルほどの苗木をくわやシャベルを使いそれぞれ植えていった。
町では今後、地元の生産森林組合と協力しながら植樹できる場所を調査し、毎年50本をめどに植樹を進めていく方針。 -
高遠城址公園開き
「天下第一の桜」と称される伊那市の高遠城址公園で5日、公園開きがあった。タカトオコヒガンザクラ1500本は、まだつぼみの状態。伊那市観光協会によると、開花予想は平年並みの11日ごろで、昨年に比べて6日ほど遅い。
公園開きには市観光協会員、商工関係者、区長ら約100人が出席。
小坂市長は「全国の夜桜ベスト10にも入る高遠城址公園。多くの皆さんに来て、まちを知っていただきたい」とあいさつし、期間中の安全を祈った。
琴の演奏や地元の保育園年長児約50人が元気な歌声を響かせたあと、小坂市長や保育園児が手をつなぎ、桜雲橋を渡った。
さくら祭りは5月5日まで。初日、穏やかな陽気に誘われてか、県内外から多くの家族連れなどが訪れ、公園内を散策した。
期間中は、高遠ばやしの巡行やさくら茶のサービスなどがある。
入園者数は年間30縲・0万人で、1983(昭和58)年の有料化以来、700万人に達する見込み。
入場料は一般500円、小中学生250円。
高遠の桜情報は、テレフォンサービス(TEL0265・94・3939)で確認できる。 -
神子柴水道組合 地元業者と災害時協定
南箕輪村の神子柴水道組合(原光治組合長、98人)は4日夕、神子柴公民館で災害などにおける応急復旧工事に関する協定を地元の建設機械販売業者ら2業者、1個人と結んだ。同水道を利用する住民の災害時における安心を確保する目的。有事の際は重機などを優先的に貸し出し、応急復旧に協力する。
同組合は2006年7月の豪雨災害、全国各地の大震災を教訓に、地元業者らと災害時協定を締結。今回、協定を結んだのは、建設機械販売レンタル業のフジヤ機工(花岡昇社長)、水道設備業の高木設備(高木篤社長)と、バックホーン3台などを所有する会社員登内明二さん(65)の2事業所、1個人。
調印式には組合理事13人が出席。フジヤ機工の花岡朗会長(74)が代表で「地元のみなさんを応援できるよう、できる限りの対応はしていきた。災害が起きては困るが、いざというときは全面的に支援していきたい」とあいさつした。
神子柴水道組合は1924(大正13)年、地元の簡易水道組合として発足した。83年間の歴史と伝統を受け継ぎ現在、個人と事業所の計245戸に水道水を供給。原組合長は「これからも自分たちの水道を守りながら住民の安心を確保していきたい」と話している。
災害時協定を結んだ(左から)登内さん、原組合長、花岡会長、高木社長 -
伊那公園桜五分咲き
伊那市の伊那公園で4日、公園内に飾られたボンボリの点灯式があった。同公園にはコヒガンザクラやソメイヨシノなど280本13品種が植えられ、公園内ではコヒガンザクラが五分咲き、ソメイヨシノも赤くなり始めている。
伊那公園桜愛護会によると13日にはソメイヨシノも見ごろを迎えそうとのこと。
同会は13日、伊那公園芝生広場で「健康歩道を歩き・太鼓演奏を聴き・カラオケを楽しみながら食事をする会」を開く。太鼓演奏午前11縲恁゚後1時、カラオケを楽しむ会午後1時縲恁゚後4時、足湯につかり健康歩道を歩く会午前11時縲恁゚後2時。 -
箕輪町観光協会写真コンテスト手筒賞最優秀賞受賞
箕輪町
杉井道明さん07年夏、箕輪町の「みのわ祭り」イベントの一つ、みのわ手筒会による手筒花火を撮影に出かけた。打ち揚げはすでに始まっており、愛用のフィルムカメラでシャッターを切ったのはわずか3回。現像が出来上がった写真に「これはいける!」と思った。
箕輪町観光協会主催の07年度写真コンテストで今回初めて設けた手筒賞。応募した作品「勇敢みのわ手筒花火」が見事、最優秀賞を受賞した。
「イメージ通りに撮れた。手筒花火は、いかに熱い中で我慢しているかという表情がなければ意味がない」
写真を撮るときは、前もってタイトルを決めて出かける。今回のタイトルは「勇敢」。(1)火花が打ち揚げ者のヘルメットや腕、肩に当たって砕けている(2)火花が雨あられではなく滝のようにザーッと降っている(3)はっぴの「みのわ」の文字がはっきり見える-の3点にこだわった。
「これ以上のものを次に撮れと言われても、ちょっとわからないね」。滝のように降る火の迫力を出すため横写真にし、人物の大きさ、立ち位置などすべてを計算して撮った1枚だった。
カメラを手にしたのは10年前。書や水墨画に親しんでいた妻に刺激を受け、定年後に始めた。
本を開き独学で撮影。さまざまな写真クラブから誘いがあったが、「相手がいると気兼ねする。フリーがいい」と、一人で写真を撮り続けている。
99%は風景写真。山梨の忍野八海、富士五湖、田貫湖、世界遺産の白川郷、県内では屋島湿原、高ボッチ高原など各地に出かける。
「田貫湖は4月20日ころ、富士山からの日の出と湖に映る太陽の両方が撮れる。皆、場所取り合戦ですごいね。鍋釜積んで、車に泊り込んで。それが結構楽しい。知らない人同士がだんだん仲良くなって皆でわいわいやってね」。各地に写真仲間も増えた。
コンテストへの応募は、「自分で満足するだけでなく、人様に恥ずかしくない写真かどうか、世間の人に評価してもらったら」という妻の言葉がきっかけ。町観光協会の写真コンテストは、05年度に萱野高原を撮影した「高原の輝き」で特選、06年度も赤ソバの写真で入選している。
1年数カ月前に妻が他界し、今は母親の介護をしながらの生活。「たまに写真を撮るときだけ羽が伸ばせる。写真の趣味があってよかったと思うよ」。これから撮りたいものは、「あるある!」。人が感動する“表情”のある写真にこだわり、相棒のカメラとともに出かける日を心待ちにしている。(村上裕子) -
南箕輪わくわくクラブオープニングセレモニー
NPO法人南箕輪わくわくクラブ(有賀直実理事長)の08年オープニングセレモニーが5日、南箕輪村民体育館であった。6年目の始動で、約70人が参加して各スクールの活動内容などの説明を聞いた。
本年度のスクールは屋外スポーツ8、屋内スポーツ14、カルチャー6。新スクールのフェンシングは、小学1年生から中学3年生までの男女を対象に5月14日から毎週水曜日に開く。
イベントは5月スポーツデイ、8月べとリンピック、11月体育館開放デー、1月新春イベント、2月ニュースポーツ大会の5つ。今年は5イベント全て参加して人に粗品をプレゼントする。年4回のマレットゴルフ大会、年2回の硬式テニスカップもある。
式で原副理事長は、「これからますます盛んになるため、皆さんのご協力で大きくなっていかないといけない。“いつでも、どこでも、だれとでも”というクラブ。一つのスクールではなく幅広く参加できるので、楽しくスクールに励んでほしい」とあいさつした。 -
【記者室】"押し掛け"で勝ち取った入社
新卒社員を採用する予定がなかった会社に・ス押し掛け・ス入社を果たした猛者がいる。といっても、この春高校を卒業したばかりという小柄なかわいらしい女性だ。「どうしてもここで仕事がしたいんです」「入れてくれるまで動きません」と言って座り込んだとか。
なまはんかな根性ではまねのできない見上げた行動力だ。その迫力に会社もとうとう折れ、特別に採用を決めたという。もちろん企業であるからには、ただ熱意があるというだけで採用するはずもない。その覚悟に見合うだけの実力があると認めたからこそだろう。
人生を自力で切り開いた彼女に比べ、挑戦もしないうちにあきらめてしまう人の何と多いことか(筆者を含む)。この勇気を見習いたいものだ。(白鳥文男) -
伊那市交通指導員委嘱式 交通事故のない市へ
交通安全指導などの啓発活動に取り組む、伊那市交通指導員の委嘱式が4日、市役所1階多目的ホールで行われた。指導員22人のうち16人が新人。それぞれ、小坂樫男市長から委嘱状を受け取った。
小坂市長は「交通事故は加害者、被害者ともに心に傷を負ってしまう。交通指導員の活動はこのような悲惨な事故をなくすための重要な活動。伊那市の交通事故が減少するため、協力してほしい」とあいさつした。
7期13年目となる、市交通指導員会の内山寿会長(76)=同市山寺区=は「交通事故は尊い命を奪い、家庭や社会に多大な影響を及ぼす。期待に応えられるよう、市民の交通安全意識の高揚、推進に努力していきたい」と決意表明した。
交通指導員は、交通安全運動への参加や地域啓発活動などで、市民へ交通事故防止を呼びかける。任期2年。
小坂市長から委嘱状を受け取る指導員ら -
不法投棄監視連絡員の委嘱式
廃棄物不法投棄の早期発見と未然防止を図ることを目的とした活動を展開する不法投棄監視連絡員の委嘱式が4日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、上伊那では市町村などの推薦があった11人に宮坂正巳上伊那地方事務所長が委嘱状が手渡した=写真。
不法投棄監視連絡員は県が不法投棄防止対策の一環として04年度から取り組んでいるもので、連絡員は自身が住む市町村内で不法投棄の多い場所などをパトロールし、不法投棄を発見した場合は市町村や地方事務所などに通報する役割を担う。本年度は伊那市3人、駒ヶ根市2人、そのほかの町村は各1人が委嘱を受けた。
宮坂所長は「07年度の2月までの不法投棄件数は75件。前年同期と比較して、ほぼ横ばいとなっており、これもみなさまの活動実績が上がっているということだと思う。今後も、みなさまからの情報を活用して、市町村と連携しながら確実に不法投棄対策を進めていきたい」と語った。
不法投棄監視連絡員による不法投棄の発見状況は、07年度、2月までで75件。すべて一般廃棄物だった。パトロールは上伊那全域で476日、時間にして964時間実施されている。 -
斎場「虹のホール竜西」のしゅん工祝賀会
上伊那農業協同組合(JA上伊那)の出資会社で、斎場を運営するグレースは4日、南箕輪村のJA上伊那ライスセンター南側に新設した斎場「虹のホール竜西」のしゅん工祝賀会を現地で開いた。JA上伊那、工事関係者ら約70人が集まり、落慶法要をした=写真。
「虹のホール竜西」は斎場として、伊那市東春近、同高遠町、駒ヶ根市に続く4カ所目。敷地面積約3500平方メートル、建物は鉄骨造り平屋建てで、床面積約770平方メートル。総事業費1億4千万円。設計監理はJA全農長野一級建築士事務所(長野市)、開発造成監理は理財(伊那市)、建築工事は西武建工(同)、設備工事はエビヤ鉄工設備(同)、電気工事は東陽興業伊那支店(同)が行った。
宮下勝義組合長は祝賀会で、「地域の要望に応え、2年前から検討してきた。今後、北部と南部に建設を計画している計6施設で葬祭事業を行っていきたい。この施設は人生に安らかに別れを告げる場、法要の場として、利用していただきたい」とあいさつした。
同斎場は4日にオープン。5日午前10時縲恁゚後5時、6日午前10時縲恁゚後3時、内覧会がある。問い合わせは、虹のホール竜西(TEL0265・77・1109)へ。 -
西部ふれあいサロン・西部診療所開所式
箕輪町が上古田に新築した西部ふれあいサロン・西部診療所が3日、開所した。町理事者、町議会議員、診療所医師、地元西部4地区の区長が出席して開所式があった。
町直営西部診療所の老朽化に伴い診療所と、高齢者のサロン機能を充実させ世代間交流のできる場としてサロンを併設した。
延床面積は133・32平方メートル(ふれあいサロン101平方メートル、診療所32平方メートル)。木造平屋建で診療室、処置室、カーペット敷きの「ふれあい広場」、畳で掘りごたつがある「ふれあいサロン」、事務室、トイレ、ミニキッチンなどがある。
地域介護・福祉空間等整備事業で総事業費は約2813万円(国の補助金2040万円)。診療所部分は町一般財源で改築した。
平沢豊満町長は、「お茶飲みをし運動し、また診療を受けるという複合施設。西部地区の健康作りの核施設として十分ご利用いただきたい」とし、診療を受け持っている福島病院の福島雅夫医師に「西部の皆さんが本当に頼りにしているこの地区の医療の一端を担っていただく。お願いします」とあいさつ。福島医師は、「微力だがこの地域の健康の維持増進に努めたい」と話した。
施設を管理する上古田区の唐沢千洋区長は、「高齢化率の高い地区なので施設に医療とサロンが併設された心強さは地元にとってはありがたい。地域でこの施設を支えていきたい」とあいさつした。
診療日は月・木曜日。工事期間中は上古田公民館内に仮診療所を設けていたが、同日から新施設で診療を始めた。 -
市駅前交番相談員 伊那小児童の登下校を見守り
伊那署の伊那市駅前交番に所属する交番相談員2人が4月1日付で、児童の登下校を見守る任務に就いた。パトロールするのは、近くにある伊那小学校の校門前。犯罪や交通事故などから子どもたちを守るため、相談員2人が交代で役割を果たしている。
見守り活動は、交番相談員2人体制を取る県下の交番で本年度から一斉開始した。伊那署管内は3交番あるうち、2人体制の市駅前交番のみで活動。相談員は空き交番対策で配置されているため、同交番では2人が同日出勤する月約10日間、任務に就いている。
伊那小学校の入学式・始業式があった4日から活動を開始。交番相談員は、児童たちに声を掛けながら登下校の安全を見守った。相談員の一人、宮下秀俊さん(64)は「子どもたちの安全のため、少しでも役に立てれば」と話している。
児童たちの登下校を見守る伊那市駅前交番の交番相談員 -
南箕輪村消防団・赤十字奉仕団08年度任命式
南箕輪村消防団・村赤十字奉仕団の08年度任命式が1日、村民センターであった。学生を含む新入団員17人と幹部を任命し、消防団と奉仕団、それぞれの任務遂行を誓った。
唐木一直村長は、「新入団員、奉仕団幹部の皆さんは、1日も早く立派な団員になることを期待する。幹部は卓越した技術、優れた指導力で災害時には的確な判断をされ活躍されることを期待したい」と式辞を述べた。
新団長の松沢武夫さんは、「村民の生命、財産を守る大きな使命を授かり、これからの団活動に力を注いでほしい」。奉仕団の倉田和子委員長は、「人道、博愛の精神のもと災害時の団の役割は極めて重要。地域の全ての人と手を取り合って身近な奉仕の和を広げていこう」と訓示した。 -
29人が新加入、宮田村消防団辞令交付
宮田村消防団(平澤成己団長)の辞令交付式は1日夜、29人の新入団員を迎えて中央グランドで開いた。地域の安全安心を守るため一致団結して任務にあたることを確認。さっそく訓練も行った。【新年度幹部名簿は3月11日付で既報】
幹部、新入団員あわせて74人が参加。新入団員も辞令を受け取り、代表して小椋厚さん(本部)が「規律を守り、良心に従って消防業務を遂行する」と宣誓した。
平澤団長は「責任感を持ち先輩から技術と行動を学んでほしい」と新入団員を激励。「地域住民の付託に応えられるよう、一致団結しよう」と訓示した。
新入団員は次の皆さん。
小椋厚(本部)下平隆雄、武居信司、浦野賢(以上1‐1)上柳徹、伊藤正樹、伊澤元吾、冨永隼人(以上1‐2)平沢基樹、平沢直樹(以上1‐3)長谷川浩宣、折橋龍生、浦野良信、木下涼(以上2‐1)天野早人、川手健司、谷口雄紀(以上2‐2)小松浩二、清水大輔、小田切浩樹(以上2‐3)松下竜司(2‐4)細田隆聡(3‐1)佐竹勇輝(3‐2)小島太一、野近勇希、田中杏平(以上3‐3)小島真人、橋爪政和(以上3‐4)小田切裕也(3‐5) -
箕輪町消防団幹部・新入団員任命式
箕輪町消防団の08年度の幹部・新入団員の任命式が1日、箕輪町役場であり、団の幹部と新入団員39人に辞令が交付された。
新入団員たちは「規律を順守し、良心に従って忠実に消防の義務を遂行する」と声を合わせて宣誓した。
平沢豊満町長は「ぜひ町民の安全と財産をみなさんの力で守っていただきたい」と訓示。
平沢久一団長からは「今、消防団の一番の悩みは団員の確保。住民の安心安全を確保する上で消防団員としての本来の技能を十二分に果たすとともに、消防団員の確保のために、新たなる魅力ある消防団づくりにも取り組みながら、一年間精一杯活動したい」との訓示があった。
任命式のあとは小松孝寿副団長から幹部や団員の心得についての講話があり、消防団PRビデオも上映された。
##写真(たてよこ) -
伊藤三千人さん油絵展「信濃路の四季」
伊那市高遠町勝間出身で、一水会会員の洋画家伊藤三千人さん(75)=神奈川県相模原市=の油絵展「信濃路の四季」は8日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている。生まれ育った同市の風景を中心とした作品45点を展示販売している=写真。
同ギャラリーで2年ぶりとなる個展には、明るい色彩と躍動感あふれる個性的なタッチで描いた、2号縲・0号サイズの新作を出品。50号の大作「高遠の春」は、国道361号・高遠町入口から正面に雄大な仙丈ケ岳を望み、桜の開花でにぎわう町並みを表現した。
伊藤さんは高遠高校で中川紀元氏に油絵の指導を受け、一水会創立運営委員の木下義謙氏の知遇を得て、高校卒業後上京。木下氏に師事する一方で、文化学院美術科で絵画を学ぶ。現在は神奈川県の自宅にアトリエを構え、伊那市などで個展活動を展開している。
伊藤さんは「古里の風景を一番美しく感じる。南、中央アルプスを眺めて育った少年期から、この山々の美しさを追求したいと描き続けてきた。ここ2年間描き続けてきた成果を一堂に並べたので、ぜひ見てほしい」と来場を呼び掛けている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
小町屋区敬老会
駒ケ根市の小町屋区(中村正人区長)は30日、敬老会を同区の公民館で開いた。招待された75歳以上のお年寄り237人のうち約90人が出席し、長寿と健康を笑顔で喜び合った。喜寿を迎えた人たちには中村区長から記念品が渡された=写真。
演芸会では区民の有志らが次々にステージに登場して歌や踊り、神楽などを披露。お年寄りたちは和やかに笑いながら楽しいひとときを過ごした。
喜寿を迎えたのは次の皆さん。
大野勇、酒井利夫、鈴木今朝夫、田中勇、樋屋かおる、渡辺清子(以上上市場)伊藤てる子、北村忠夫、北村和子、宮脇正光(以上下市場)小林忠人、清水かずゑ、清水武夫、中村泰江、福島益實(以上南部)赤須美津恵、池上實、唐沢善通、菊池作成、北沢かつ子、城取康夫、松田茂、米山博之(以上北部) -
西箕輪マレットゴルフ場 東屋しゅん工
伊那市の西箕輪マレットゴルフ場で1日、東屋のしゅん工式があった。同マレットゴルフ場を管理する区長会関係者や地元の愛好者ら約40人が出席。しゅん工を記念したマレットゴルフ大会などで完成を祝った。
利用者たちから、雨や風除けのための施設がほしい竏窒ニの要望を受け、同マレットゴルフ場管理委員会が東屋を建てることを計画。市の補助金と区民から集めた工事費計約65万円で建てた。サイズは2・7メートル四方で高さ3メートルのスギ、ヒノキ製。
伊藤幸明同マレットゴルフ場管理委員長は「利用者の健康増進のため、このマレットゴルフ場が栄えることを祈念する」とあいさつ。集まった愛好者たちからは「東屋が出来てありがたい」「これで気持ちよくマレットが楽しめる」などの声が聞かれた。
しゅん工記念マレットゴルフ大会の結果は次の通り。
▽男性 (1)佐藤一男85(2)白鳥久、白鳥秋雄87(3)清水利夫88(4)尾崎和夫(5)重盛利男、鈴木律雄(6)宮島英雄
▽女性 (1)青木民子91(2)浦野富美子93(3)小坂君子98(4)原清子、伊藤俊子(5)桐野ハル子(6)今井久代
▽ホールインワン 清水利夫、小坂利安
東屋のしゅん工を祝う関係者たち -
ながた自然公園開き
箕輪町のながた自然公園が1日、今シーズンの営業を始めた。公園開きの神事で無事故を願い、マレットゴルフの打ち始めをした。
式は、みのわ振興公社、町議会、地元調整委員会など関係者が出席。振興公社社長の平沢豊満町長が、「グリーンツーリズムも含めこの施設を利用してもらい、資源を最大限に生かす活動をしたい。町内外の皆さんの憩いの場になり、事故もなく、心のふるさととして機能するよう頑張っていきたい」とあいさつした。
ながた自然公園の07年度の利用状況は、施設利用者2万7654人、料金合計868万7千円だった。
利用期間は11月30日まで。予約を受け付けている。ゴールデンウィークとお盆のキャビン、ツリーハウスの利用は、日によってまだ申し込み可能。予約は管理棟(TEL79・0600)へ。時間は午前8時半縲恁゚後5時半。 -
絵手紙展で伊那谷をPR 出品作品を募集中
日本絵手紙協会公認講師らでつくる「伊那谷絵手紙の会」(倉科照子会長)は5月23日、伊那市が進める東京・中野ブロードウェイ商店街共同企画誘客事業に関係し、同ブロードウェイギャラリーで伊那谷をPRする絵手紙展を開く。30日まで、出品する絵手紙を一般募集している。
同事業は、中野ブロードウェイ管理組合理事長を務める、ふるさと大使の久保村昭衛さんとのつながりをきっかけに、現地で物販などのキャンペーンを展開し、同市への誘客を図る新事業。これに合わせ同会は、絵手紙を通じて、伊那谷をPRするための絵手紙展を計画した。
倉科会長が指導する伊那公民館の絵手紙サークル「アカシア」(林和子会長、16人)は2日、出品する絵手紙作りに参加。五平もちや桜の花、アルプスの自然など伊那谷をテーマに、それぞれが味わいのある作品を制作した。
倉科会長は「できるだけ多くの人から作品を集めたい。絵手紙をやったことのない人でもよいので、郷土を宣伝してほしい。見てくれた人が伊那谷に来てくれることが、私たちの活動にとって一番うれしいこと」と話している。
絵手紙の送り先は、〒396‐0021
伊那市春日町4884
「伊那谷絵手紙の会」まで。問い合わせは、倉科会長(TEL090・4462・6810)へ。
絵手紙展に出品する作品を制作したアカシアのみなさん -
全国を見て郷里の良さを改めて実感 板山総代 伊東基博さん(63)
やっぱり、川の流れのように自分の生まれ育った集落の流れも絶やしたくない。そう思うんです?。
板山は高遠町の山あいにある40戸ほどの小さな集落。中山間地で問題となっている過疎化、高齢化、野生動物による農作物被害などは、この集落でも例外なく深刻化している。
その集落を守るため、地域一丸でさまざまな取り組みを展開している。
先日は桜の季節を前に、集落内にある約80本のタカトオコヒガンザクラをテングス病から守るため、病巣を持つ枝の切り落とし作業を実施。また、現在は有害鳥獣被害対策のため、住民結束のもと、集落全体を囲う電気防護さくの設置を進めている。
「集落にある樹齢40年以上になるタカトオコヒガンザクラは見事。ここは高遠城址公園への通り道だから、その行き帰りに立ち寄ってくれる人もいるんです。小さな集落で、過疎化も進んでいるけど、春は美しいし、山では山菜やマツタケが採れる。人情も豊か。高齢化や過疎化も進む中、ますます隣同士の支え合いが重要になる。昔は“結い”といって、家族や親戚同士で助け合ってお田植をするのが普通だったけど、その“結い”に似ている」と語る。
◇ ◇
高校卒業後、国家公務員兼大学生となり上京、地元を離れた。仕事では出張することも多く、全国各地の実情を見て回ってきた。
板山より更に山奥深い地にある山村、瀬戸内海の離島、都市の中にある市街地?。
はたから見れば誰もがうらやむ素晴らしい環境のように思える都市も、過疎化や高齢化、商店街の空洞化など農山村地域と同様の問題を抱えている地域もあり、都会の雑踏の中で生活しているお年寄りの姿も切なく見えた。
「私たち山国の者には瀬戸内海の離島などは、素晴らしい場所のように思うけど、実際には若者が島を離れ、診療所や商店もないという厳しい現状。都市部の商店街はシャッター通りとなっていることも多かった。全国各地を見て回る中で、改めて自分の住んでいる村の良さを実感しました」と語る。
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御園分館20周年記念講演会・生涯学習発表会
伊那市御園区から御園分館が独立して20周年を迎え、30日、御園公民館で記念講演会・生涯学習発表会があった。区民100人余が集まり、20年の節目を祝った。
公民館事業は、区事業の一つとして予算づけしていたが、1988(昭和63)年7月、区から切り離し、専任の分館長を置いた。毎年、区民運動会をはじめ、マレットゴルフ大会、ゲートボール大会、区事業への協力などに取り組んでいる。
記念事業として、前信州高遠美術館長の堀井英雄さんの記念講演会「山本勘助・保科正之公と高遠の歴史」、公民館で活動する文化団体の発表会を企画。
発表会は初めての試みで、大正琴、踊り、リラックス体操、詩吟など7プログラムを組み「竜峡小唄」「早春賦」「見上げてごらん夜の星を」…とそれぞれが日ごろの練習成果を披露した。
区民も一緒に歌うなど、茶を飲みながら和やかな雰囲気の中で楽しんだ。
会場の一角には、分館報20年の歩みなどが展示された。
宮下公信分館長(69)は「先輩が築いてきた分館活動をつなげていきたい」と話した。 -
暫定税率期限切れ ガソリン値下げ
道路特定財源の揮発油税などの暫定税率が3月末で期限切れとなり、ガソリンは、1日から1リットル当たり25・1円分の上乗せ税率がなくなる。各スタンドが持つ在庫の関係で、一斉の値下げとはならないが、県石油商業組合(長野市)は「県内でも値下げに踏み切る店がかなりありそうだ」という。
ガソリン税は、製油所などからの出荷時に課税される「蔵出し税」により、1日以前に出荷した在庫には既に暫定税率分が含まれている。同組合によると、石油元売り大手のほとんどが、1日から卸価格を一斉に引き下げることを受け、消費者に混乱を及ぼさないため竏窒ニ、値下げを決めた店舗が多いという。
しかし、県内でも在庫の販売が終わるまで、値下げは難しいとするスタンドも目立つため、実際の値下がり時期は地域や店舗によって違うようだ。上伊那農協が経営するスタンド計25カ所は、しばらく価格を据え置く方向だ。
一般的にスタンドでは、一週間程度の在庫を持っている。競争の原理の下では、多くの店舗が、暫定税率分を含む在庫を値下げ販売せざるを得ない情勢。在庫の回転率が低い店舗は、「価格の高い、売れないガソリン」を背負い込むことになり、経営破たんにつながる可能性が強い。
消費者が安価のスタンドに押し掛ければ、品切れとなる恐れもあり、「混乱は避けられない状態」(スタンド関係者)。南信地区の多くは、松本市の油槽所からタンクローリーで各ガソリンスタンドに配送しているが、台数に限りがあるため、迅速な対応は困難となりそうだ。
政府・与党は4月末、衆院の再議決により価格を元に戻す方針を示しているが、消費者からは「今後、安心してガソリンを入れることができればよいが、また、値上げするなら意味がない。(販売側と消費者側が)ただ混乱するだに終わるなら、値下げしなくてもよい」などの声が聞かれる。 -
外国人日本語スピーチ大会
駒ケ根市近郊に住む外国人らによる初の日本語スピーチ大会が29日、駒ケ根市の駒ケ根駅前ビル・アルパで開かれた。外国人の支援と交流を目的に06年に設立された民間ボランティア団体「地球人ネットワークinこまがね」(清水敏晴代表)と駒ケ根市社会福祉協議会の共催。同会が週3回開く教室で日本語を学んでいる外国人約20人が参加。1人ずつ演壇の前に立ち、学習の成果を発揮して流ちょうな日本語スピーチを披露した=写真。
国籍は中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどのアジア各国や、ブラジル、ペルーなどの南米のほかニュージーランドなどさまざま。いずれも、慣れない日本で感じた戸惑いや苦労、喜びの体験などを明るい口調で話したり、表情豊かに母国の紹介をしたりした。ペルー人の男性は「日本に来たころは毎日『スミマセン』と『ワカリマセン』ばかり言っていた」と話し、共感の爆笑を誘っていた。
参加者がスピーチを終えるごとに、会場からは大きな温かい拍手が送られていた。 -
南箕輪村消防団第2分団第2部(南殿)機関誌作成
南箕輪村消防団第2分団第2部(南殿)が、07年度の活動をまとめた機関誌を作成した。消防団は各部ごとに工夫を凝らした活動報告書を作っているが、冊子にしているのは南殿のみ。写真やイラストを多く盛り込み、消防団の活動をより親しみのある文章で楽しく伝えている。
機関誌は、以前は用紙2、3枚で南殿地区に全戸配布していたが、3年前から冊子にして回覧している。
A4版で表紙を含め23ページ。分団長とラッパ長のあいさつに始まり、総員17人を紹介した任命式、春季・秋季演習、小型ポンプ操法の部で7連覇を達成した村操法大会、水防訓練、大芝まつり、地元区の祭り参加、中部保育園の防災訓練、夜警、出初式、団員募集など盛りだくさん。
機関誌作成は機関班の担当で、春から活動写真を撮りためてきた。執筆は班長の清水良業さん(30)が担当。「活動を区民に伝えたい。若い人にも見てもらえるように考えた」と言い、昨年10月ころから執筆を始め、漫画も自分で描き、春季演習の章では「5年サボりました」と正直な告白も。「ちょっと休憩」と題して、趣味のカブトムシとクワガタなどを紹介する欄も設けた。
「かなりいいものに仕上がった」と満足の出来で、特に「災害のいざ!というときに集合して災害に立ち向かう『村民の守人』」である消防団を紹介し仲間を募る「消防団員募集で縲怩「!」の章と、全員集合写真が気に入っているという。
すでに区内に回覧し、区民から反響もあったという。 -
【ペンション「憧風」オーナー 近藤賀之さん・淳子さん】
駒ケ根高原の一角、太田切川のほとりに建つペンションを経営するおしどり夫婦。
「憧風」は、この川沿いを優しく、さわやかに吹き抜ける風のイメージから、訪れる人にとって憧れの風が吹く場所でありたい竏窒ニの願いをこめて名付けた。
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2人が初めて出会ったのは27年前、旅好きの若者たちが集う小諸のユースホステルだった。バイクで日本中をツーリングして回った賀之さんが気に入って度々宿泊していた宿だ。半ば居候状態で仕事の手伝いをしていたある日、一人旅の淳子さんが宿泊した。
「ひげを生やした背の高い変な人」(淳子さん)「特に話もしなかった」(賀之さん)。初対面の印象は互いにあまりよくなかったというが…。
3年後、結婚を約束していた2人に「駒ケ根ユースホステルの管理人にならないか」との話が舞い込む。小諸では主人がいない時に丸一日仕事を任されるなどホステルの経験は十分あり、不安は特に感じなかった。話し合いの結果「これも流れだ。やってみようか」と意見が一致。2人一緒の仕事と新婚生活が同時にスタートした。管理人として、同世代の旅行者らと友達のように付き合いながらの楽しい暮らしが始まった。
だが、年月がたち、子どもにも恵まれると少しずつ考えが変わってきた。
「生活と仕事が一緒なのは子どもの将来を考えるとちょっとね。それに管理人といってもやっぱり雇われなので、提供できるサービスには限界がある。そういったもどかしさもあって、自分たちのペンションを建てようと決心したんです」
当時のペンションといえば、女性や若いカップルが対象というイメージ。一方、ホステルはもともと若者の利用を前提とした施設で、家族連れでは泊まりづらい雰囲気があった。そこで両方の利点を取り入れた、家族連れが気軽に泊まれる楽しい雰囲気のペンションにしようと考えた。
駒ケ根以外の場所も考えないではなかったが、暮らしやすくて気に入っていた駒ケ根で土地を探し92年、現在の地に念願のペンションをオープンした。
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「泊まってくれるのはなぜか良い人たちばかり。お客さんで苦労したことはないですね。この仕事が好きだし、お客さんに満足していただきたい竏窒ニそれだけを考えて営業しています。だからお帰りになる時や部屋に残されたメモ、後日届く手紙などで『楽しかった』『泊まってよかった』と言ってもらうと本当にうれしいですね」
(白鳥文男)
ペンション「憧風」
洋室4、和室2。全室バス・トイレ完備。24時間入浴可能な家族風呂もあり。定員23人。
TEL0265・83・5819