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権兵衛トンネル開削で出た石を販売
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通に合わせ、伊那市のきたっせ活性化委員会・伊那北地域活性化推進委員会は4日、トンネル中心部の粘板岩を「メモリアルストーン」として販売する。限定100個。
粘板岩は、トンネル開削で外に運び出されたもの。自営業小松宏さん(73)=御園=が市内の運搬業者から「記念に」と譲り受け、地域の活性化につながればと主催者側の依頼にこたえる形で、その一部を売ることにした。
平均の大きさは長さ15センチ、高さ7縲・センチで、加工は一切していない。粘土質の土を洗い流し、1個ずつに「権兵衛トンネル開通記念」のシールをはった。価格は1個500円から。
粘板岩は4日午前10時、伊那北地域活性化センター「きたっせ」で開く開通記念イベントで販売する。 -
きょう 権兵衛トンネル開通
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが4日午後2時、開通する。開通に先立ち、現地でセレモニーを開き、着工から7年の歳月をかけた工事の完成を祝う。
国道361号は、岐阜県高山市を起点に、高遠町に至る延長152キロで、伊那竏猪リ曽間の権兵衛峠(伊那市与地竏忠鱒K市奈良井)と姥神峠(木曽町日義竏忠鱒K市奈良井)は冬期通行できなかった。95年度、国土交通省は地域高規格道路「伊那木曽連絡道路」として整備区間に指定し、工事に着手。事業費は約605億円。交通不能区間の解消で、伊那と木曽を一つの生活圏と結びつけ、地域文化の交流や経済発展に大きな効果をもたらすと期待する。
権兵衛トンネルは延長4・4キロ、幅員9・5メートル。伊那竏猪リ曽間の所要時間は自動車で1時間半かかったが、45分に短縮される。
開通セレモニーは午前10時から、権兵衛トンネル内の伊那側抗口から木曽側に向かって2・1キロ地点で開く。地権者、国・県・市町村関係者、施工業者ら約410人が出席する予定。
地元の太鼓演奏、テープカット、くす玉割などに続き、伊那側、木曽側からそれぞれパレードする。
開通式典は伊那市民体育館に場所を移し、正午から開く。
開通に合わせ、国道361号権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進規制同盟会は、通行証明証を発行する。伊那側・木曽側で先着20人ずつ。
伊那側では、木曽からトンネルを抜けて1縲・・5キロ地点のチェーン脱着所で、通行ナンバー入りの通行証明証と記念品(イーナちゃんグッズ)を手渡す。 -
【権兵衛開通日特集1】伊那・木曽ひとつに
江戸時代、古畑権兵衛が切り開いた伊那谷と木曽谷を結ぶ権兵衛峠が、300年余の時を経て、4日、生まれ変わる。中央アルプスに隔てられた伊那と木曽の時間、距離は大幅に短縮。生活や文化、産業で、新たな交流が生まれようとしている。
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【権兵衛開通日特集2】おらが谷の宝物
雄大な山容 霊峰・御岳山「木曽のナァー なかのりさん 木曽のおんたけ ナンチャラホーイ 夏でも寒い ヨイヨイヨイ」
民謡木曽節にも歌われる木曽の象徴、御岳山(3067メートル)。岐阜県境にすそ野を広げ、その姿は雄大にして威厳を感じさせる。
霊峰と呼ばれ、山岳信仰御嶽教の「おやま」として、古くから信者たちの畏敬(いけい)を集めてきた。室町時代、精進・潔斎した修験者たちは、修行の場として山に登った。江戸時代には、覚明、普寛行者が登山道を開き、一般にも親しまれる山となった。
山頂直下の湖沼群は神秘的。二ノ池は、国内では最も高い標高2905メートルにある湖。深いブルーの水をたたえる三ノ池の水深は、13・3メートルにもなる。
ふもとは薬草、薬木の宝庫。「木曽の百草」は全国に広まり愛用者は多い。
周辺には、数多くの温泉や宿泊施設、スキー場などが点在し、四季を通してさまざまな表情を見せながら、旅人を迎えている。
キャプション
開田高原末川より望む御岳山=「霊峰木曽御嶽の夜明け」小野行彦写団・渓森木曽会長撮影 -
【権兵衛開通日特集3】自然と景観を守るために
中央アルプスを突き抜ける権兵衛トンネル道路の開通は、生活の利便性と経済活動の活性化をもたらすだろう。だが同時に、交通量の増加にともなう自然環境への影響や、道路沿線への企業・店舗の進出による生活環境・景観への影響を指摘する声も多い。
開発と環境保護竏柱サ代文明が抱えてきた根深い問題が、この地でもまた問われている。
大パノラマが広がる西箕輪地区 -
4日に権兵衛トンネル開通イベント
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが4日午後2時、開通する。現地でのセレモニーのほか、伊那市内では開通記念イベントが繰り広げられる。
各商店街や実業団の役員でつくる商店街活性化イベント実行委員会は、商店街の活性化に結びつけようと「まちじゅう福豆・宝投げ大会」を企画。駅前再開発ビル「いなっせ」、伊那北地域活性化センター「きたっせ」を中心に開く。
福豆・宝投げ大会には福豆1500個、お宝券2108枚を用意。宝の中身は小売、飲食など175店舗から提供されたもので、18万円相当の人形をはじめ、パソコン講座の受講料割引、ラーメン無料券、1千・2千・3千円の商品券などが入っている。
木曽側からもスキー場リフト券などが寄せられる。
また、SBCラジオ「ラジオの王様」(午後零時8分縲・時49分)の中継があり、トンネル開通やみはらしファームのイベントなどを紹介する。
主な内容は次の通り。
【みはらしファーム】▽午前11時=豚汁・甘酒無料サービス、野菜・おからドーナツ・太巻き販売▽午後2時=福豆まき
【いなっせ】▽1時20分=豚汁無料サービス(先着200食)伊那中学校吹奏楽部コンサート▽2時10分=シャトレのローメンまん無料サービス(先着100人)▽3時=福豆・宝投げ大会
【きたっせ】▽午前10時=八幡町市(伊那と木曽の地酒の利き酒、豚汁無料サービス、和洋菓子・花・野菜などの販売)▽11時=子どももちつき大会▽午後1時15分=福豆・宝投げ大会▽1時半=なつかしシネマ上映会「銀座の恋の物語」 -
【特集 権兵衛開通】広域観光発展の道は?駒ヶ根
「アルプスがふたつ映えるまち」をキャッチフレーズに掲げる駒ケ根市は豊かな自然と歴史を核とした観光文化都市を目指している。しかし観光目的で市を訪れる利用客の数は1992年の170万人をピークに年々緩やかな減少傾向にあり、近年は約130万縲・40万人前後で推移する頭打ちの状態が続いている。そんな状況の打開を目指す観光関係者が権兵衛トンネルにかける期待は大きい。
市が擁する観光資源には中央アルプス駒ケ岳とロープウェイ、家族旅行村、光前寺、早太郎温泉などのほか、キャンプ場、スキー場やゴルフ場などがあり、いずれもそこそこの集客力を持ってはいるが関東や中京など大都市圏での知名度はさほど高いとはいえない。
市観光協会の宇佐美宗夫情報企画部長はトンネル開通の効果についてこう語る。「東京や名古屋などでは伊那谷も木曽谷もなく、この辺りを一つのエリアとしてしか見ていない。そこにトンネルが開通すれば、木曽から伊那、駒ケ根まで1泊2日の旅程が提案できるんだ。ところが木曽側は旅館やホテルが少ないから、宿泊客が増えてもみんな駒ケ根高原に取られるんじないかと非常に心配している。だが、これからは狭い地域で客の取り合いをしている時代じゃない。10年、20年先を見通して考えなければ。トンネルの効果を生かすも殺すも、いかに連帯感を持って広域的な取り組みができるかにかかっているね」
年間を通じて大きな集客力を持つ駒ケ岳ロープウェイを運行する中央アルプス観光の中村博政社長は「開通は歓迎。これを大きなチャンスととらえ、大都市圏での営業を積極的に進めてきている。ロープウェイは気候などの要因もあって効果がはっきりと見出しにくいが、家族旅行村のキャビンやオートキャンプなどの宿泊客増には期待したい」と話す。
◇ ◇
土・日曜日でもシャッターが閉じたままの店が目立つなど、高原・中アの観光開発を生かし切れない感もある駒ケ根駅前の商店街では「どうせこっちには関係ないよ。客が増えるにしてもインターから上(西)の方の話だ」とさめた見方をする店主がいる一方で「期待している。商店街としてもこれをきっかけに何らかの活性化策に取り組みたい」と前向きな姿勢を示す人も一部にはみられるが…。
トンネル開通を一過性の話題だけに終わらせることのないよう、長期的な展望に基づいた滞在型のプランや魅力的な特産品などの開発に期待がかかる。 -
権兵衛トンネル開通を記念
伊那市坂下の大十呉服店は2月4日、権兵衛トンネル開通を記念し、「結」の漢字をデザインしたのれんと手ぬぐいを発売する。
権兵衛トンネル開通に合わせ、伊那観光協会で何か作ろうと話があり、会員である池上直樹社長は自分の商売でできることはないかと考えた。権兵衛トンネルによって伊那と木曽が結ばれることから、デザインは「結」の漢字の口を使って「道路を結ぶ」「祝いの水引」をイメージ。仙丈ケ岳と木曽御岳山も描いた。
のれん=縦45センチ、横88センチ=は紺地に白字、手ぬぐい=縦35センチ、横110センチ=は白地に紺字。
同じデザインでふろしきの活用も考えている。
池上社長は「各店が開通をきっかけにアイデアを出すことで、まちが元気になるのではないか」と話している。
販売は当面、同店のみだが、2月4日、みはらしファームで開く開通イベントで物産ブースに並ぶ。これから販路を広げるが、木曽でも販売したいとしている。
価格はのれんが1200円、手ぬぐいが500円。 -
【特集 権兵衛開通】広域観光発展の道は?(1)交通
「近くて遠かった木曽路」。2月4日の伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通を控え、伊那バス=本社伊那市=に「路線バスはいつから運行するのか」と問い合わせの電話が入る。
伊那竏猪リ曽間の路線バス運行について、昨年夏から伊那バス、おんたけ交通、JRバス関東が検討したが、木曽の人口などを考え、採算が合わないと判断した。
伊那バスは「これまで伊那竏猪リ曽間の交流がなく、利用者がどれくらいいるのかわからない。バス会社だけで運行し、赤字で会社がつぶれてしまうようでは困る」としながら「地域住民のトンネル開通への期待感は大きい」と地元のバス会社として責任も感じている。
昨年12月、伊那市に対し、行政が補助してくれるなら運行したいと意向を伝えた。
市は、伊那・木曽の8市町村や観光協会、交通機関などで構成する権兵衛街道活性化協議会に議題として上げ、地域の実情などを踏まえて路線バスの方向性を探る。「伊那側に興味を持つ高校生などがいると聞く。通学や通勤だけでないメリットもある」と話すが「市単独では無理。他地域にもかかわることで、全体で考えたい」。
伊那バスは、市からの回答を待って再度検討する。
木曽町のおんたけ交通にも路線バス運行の問い合わせがあるものの「開通後すぐの運行は無理。行政の補助があれば検討したい」と答えている。
伊那バスは2月の土・日曜日、日帰りの「サンキュー木曽路ツアー竏猪リ曽馬の里縲恁茆ヤ明神温泉」を企画したところ、予想以上の反響があった。「観光バスや自家用車などかなり入り込むが、開通1年後くらいには落ち着くのではないか」と話す。
伊那バス観光も3月、木曽路の奈良井宿やくらしの工芸館などを回る日帰りのツアーを企画。「開通後は関心が高いと思うが、いつまで続くか。反響をみていきたい」と話しつつ、行楽候補地の一つになりうる題材とみる。
また「これまで地元というと伊那谷だったが、開通で木曽も入り、売り込みも考えられる」と視野に入れる。
高速バスの利用者について、伊那バスは木曽から伊那に流れてくると予想。東京行きの場合、木曽からは1日2便。伊那は16便で、およそ1時間に1本のペースで運行されている。そのため、伊那で乗車する木曽の利用者の増加が考えられる。
一方、伊那市の白川タクシーは「開通してみないと分からないが、自家用車の行き来で、タクシーにそれほど影響がないのでは」とみている。
木曽から伊那の飲み屋街に来るための乗り合い運行は「飲みに来るのに、片道5千円も6千円も払ってくるのか」と期待度は低い。 -
焼肉「木曽の権兵衛」が特別セール
権兵衛トンネルの開通を心の底から喜んでいるのは伊那市日影の焼肉店「木曽の権兵衛」。開通に合わせて焼肉注文の客に限り、ドリンクすべて半額の記念特別セールをする。2月3縲・0日。
経営者の岩原集さんは、店名の通り木曽の出身(木祖村)。伊那市のほか箕輪町にも店を持つが、実弟が同じ名前で木曽側権兵衛トンネルアクセス近くの国道19号沿いで店を開く。
木曽の店が元祖で、新店舗を開く際、店の名前が知られていない経済圏の違うところに出そうと、あえて伊那を選んだ。
「トンネルが開くと事情が一変。一つの経済圏になりますからね。時代の変化を実感します。ふるさとが近くなってうれしい」と話す。
伊那店内には62インチと120インチの大型画面を設置し、客が自由にビデオ・DVD・パソコンをつないで利用できる。「木曽に行った人がビデオとか流して楽しんでくれないかな」と楽しみにしている。 -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(3)
権兵衛トンネル工事が始まった直後の2000年、伊那市は、県道与地竏鋳C野線とは別に、西箕輪に市が開設した体験型農業観光施設みはらしファームに抜ける道路開設を計画していた。権兵衛トンネルを利用する観光客を、市が観光の目玉とする施設に誘うことが目的だった。
だが、この計画は経ヶ岳周辺の自然環境・生活環境の保全を主張する地元住民の反対に合い、棚に上がった。・ス幻の道・スとなったのだ。
地元住民に説明しないまま、林道「みはらし線」などと名称までつけて県に要請、長野県地域森林計画に盛り込ませるなどしたことが、住民の反発に油を注いだ。経ヶ岳山ろくには絶滅危惧種のオオタカが営巣し、ハチクマやクマタカなど貴重な猛きん類の姿も確認され、「観光客誘致よりも豊かな自然を守ろう」との気運が高まった。
この住民の動きは、その後も権兵衛開通にともなう乱開発に歯止めをかけるための、西箕輪地区の景観保護条例の締結や、自己用広告物ガイドライン制定へと引き継がれた。
では、みはらしファームへの誘客方法・誘導ルート計画は、その後どのように見直しが掛けられてきたのか?そもそもトンネル開通による観光客の増加をあてこんで西箕輪の地に作られた施設。トンネルと結ぶ道路計画を変更した以上、その位置付けにまで戻って再考するべきとの声も上がったが、そうした議論はどこまで煮詰まったのだろうか?
伊那市は06年1月の臨時議会で、県道与地辰野線以東の権兵衛道路沿いに、8億円以上をかけた「伊那市の出入り口にふさわしい地域情報発信交流施設」を建設するのが適当とする、コンサルタント会社に依頼した調査結果を報告した。そこには「観光情報の発信」という視点から「既存観光地」との関係が触れられているが、車でわずか5分の地に立つみはらしファームとの共存の方法などには言及されていない。
権兵衛開通にともなう地域振興と、自然・生活環境の保全のあり方は、今後もますます重要な意味を持つだろう。・ス幻の道・スをめぐる2000年当時の市と住民との議論は、その先駆的な位置を占めるものとなろうが、その議論の道筋は、まだ定かではない。
=毛賀沢明宏= -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(2)
権兵衛トンネル開通後の通過台数について、国土交通省飯田国道事務所は上り下り合わせて1日6000台と予測している。これは姥神トンネルから木曽町福島に抜ける道路が完全に整備された約20年後を想定したものだ。
一方、県伊那建設事務所は、05年春の時点で「開通直後は合計約2500台ぐらいでは?」との数字も示していた(加藤光彦管理計画課長=当時=)。国の予測よりもかなり少なかったのは、当時、開通後の交通量増加に危惧を表明する市町村関係者が県の整備の遅れを指摘していたことも背景にあると見られた。実際には、「空いて見なければ分からない」というのが実状だろう。
では、現状で、伊那側出口付近の交通量はどれくらいか?
04年7月に行った一斉調査(午前7時縲恁゚後7時)では、インターアクセスと広域農道が交わる大萱交差点の総通過数1万6362台。同じくアクセスと春日街道が交わる駒美で1万9091台。国道361号と春日街道への分岐になる伊那市川北の交差点で1万3576台。
道路ごとに見ると、広域農道が約8900台。春日街道が約9500台。アクセス道路が約8300台。川北交差点縲怦ノ那市街が7800台だった。
これに最大予測の6000台が増加すれば、かなりの混雑になるのは明らかだ。トンネルと北方を結ぶ通過車輌ルート(前号参照)はもちろん、伊那市街から東につながるルート整備も急務となる。
特に、伊那市駅前のスクランブル交差点は、現状でも朝夕は、信号1回で待機車輌が通過できない「渋滞」状況にあり、東につなげる迂回ルートに誘導しなければ混雑増加は必死。
伊那建は沢尻バイパスから北に向かわせ、アクセスを東に誘導しようとしているが、アクセス道路を御園から国道153号まで延ばす環状北線「御園橋」は07年度内供用開始予定で、間に合わない。07年度内にこれが開通しても、竜東に抜けるには市街地に入るしかなく、今度は国道153号の山寺、入舟の交差点で混雑は激しくなると予測される。
生活・通学道路の安全確保、道路網の整備を求める声は高まっているが、一方で、懸案の国道153号伊那バイパスを含め、「道路整備を急ぐと高遠・伊那は単なる通過点になる」と指摘する声もあり、交通網の整備が地域のあり方を左右する、重要な局面を迎えそうだ。(続く)=毛賀沢明宏= -
権兵衛トンネル合同防災訓練
2月4日の開通を目前に控えた一般国道361号伊那木曽連絡道路・権兵衛トンネルで27日、伊那側・木曽側の消防や警察、国や県など関係8機関による合同防災訓練があった。相互連携を通じた迅速な対応を確認した。
訓練は、木曽側坑口近くのトンネル内で衝突事故が起き、車両火災、重複事故に発展したことを想定。
非常用通報ボタンから通報を受けた木曽消防署は、伊那消防署へと情報を伝達。その後、車内に閉じ込められた人命の救助や、車両の消火活動などに協力して取り組み、全7項目の訓練をした。
武居木曽広域消防本部長は「連携による合同災害訓練には一抹の不安もあったが、今回は成果があった。しかし、反省点・課題はある。十分検証して今後に生かしてほしい」とした。
三浦木曽警察署長は「関係機関の連携による迅速な対処ができた。しかし、市街地から遠隔地にあるトンネル内での初期活動は、戸惑うことも考えられるため、訓練を続ける必要がある」と有事への備えを訴えた。 -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(1)
伊那市沢尻地区で、国道361号から火葬場下交差点に抜ける沢尻バイパスの建設が急ピッチで進んでいる。権兵衛トンネル開通にともなう木曽からの流入車輌に対応したものだ。だが、当初は05年度末と言われていた権兵衛道路開通が2ヵ月余り早まったため、バイパス工事の方が遅れている。
管轄する伊那建設事務所が、このバイパスを重視して来たのは、開通にともない、木曽の国道19号を通過する大型車輌が伊那に流入するとの予測のもとに、トンネルから北に向かうルートを整備するためだ。
国道19号は「木曽高速」と呼ばれ、中央道塩尻インターと中京方面に行き交う車。さらに関東北部から佐久平・和田峠を経由して木曽を通り抜ける車など特に大型の通過車輌が多い。このうち東京方面に行き交う車が、伊那インターから中央道を利用したり、さらには辰野町の平出から有賀峠を利用することになるのではないかと想定している。
伊那建が考える誘導コースは、トンネル出口から農道・中の原交差点を直進、現在工事中の沢尻バイパスを経て、火葬場下から春日街道に流すルートだ。春日街道の西には広域農道があり、これを経由した方が短距離だが、農道は県ではなく市町村の管轄で、構造的にも多量の大型車輌の通過による影響が大きいと言われており、県としては、県道である春日街道に誘導することをメインに考えてきた。
だが、地元南箕輪村などのからは「実際は農道通過が最も多くなるのでは」との懸念の声も上がっている。この声を受けて一定個所の拡幅や歩道の整備も進められてきたが、現在でも交通量の多い広域農道がどこまで、流車輌を受け入れ可能かは未知数だ。
トンネルと北方向をつなぐルートには、さらに、春日街道・広域農道が国道153号と合流する伊北インター付近の混雑、辰野町内の狭い幅員、竜東への車の誘導方法など、解決するべき課題は多い。
権兵衛トンネルの開通は、伊那と木曽に新しい時代をもたらすだろう。だが、それは同時に、木曽の住民が何10年にもわたって直面してきた大型通過車輌の交通問題を、伊那側でも共有することを求めている。(続く)
=毛賀沢明宏= -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(3)
水抜き坑着工から2年10カ月が経た03年1月。貫通まで残り数百メートルになった所で、再び中央アルプスから大量の水が噴き出した。
被害が大きかったのは木曽側。木曽側坑口から約1キロは登り勾配だが、貫通地点までの残り約470メートルは下り勾配の工事だった。噴出した大量の泥水は、流れずに溜まり、切り羽を水没させた。
「地質も大変だったが、水の量も並大抵のものではなかった」
飯田国道事務所の石原幸宏建設監督官は振り返る。
噴出する水の量は、伊那側が毎分3・6立方メートル。200リットル入りのドラム缶18本分だ。木曽側はその3倍以上の毎分11・6立法メートル。同じドラム缶58本分。
通常、このような出水量の多いトンネル工事では「拝み勾配」といって、両方の坑口から登り勾配ばかりで掘り進み、一番高いところで双方が交わるのが最適といわれる。登りばかりで掘れば、出てくる水は自然に坑口に向かって流れていくからだ。
しかし、権兵衛トンネルでは、双方の坑口の標高差と工期の関係からそうはいかず、木曽側工区では下り勾配の工事もあったのだった。これが貫通直前の切り羽の水没をもたらした。ポンプで汲み出して、現状に戻すまでに2ヵ月を要した。
崩れやすい地質と大量の出水。4度にわたる切り羽の崩落。このため工事の進捗速度は伊那側で1日平均2・1メートル、木曽側では同じく1・2メートルだった。
権兵衛トンネルの全長は4・5キロ。施工中のものを含めて、全国で23番目の長さだ。この長さのトンネルは通常3年間で貫通できるといわれ、それに5年間が費やされたことじたいに工事の難しさが示される。のべ15万7千人が汗を流し、300年前に木曽の農民権兵衛が切り拓いた峠道を、高規格道路に生まれ変らせたのだ。
03年5月31日、水抜き坑が貫通した。最後に残された岩盤を取り除いた時、伊那谷から木曽谷に向けて、風がサーっと吹き抜けたという。(終わり)=毛賀沢明宏= -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(2)
98年10月着工した伊那側からの工事は、1年後の99年10月、トンネル掘削の最先端である切り羽の大崩落に見舞われた。砕けた粘板岩が水とともに噴出した。幸い人身事故にはならなかったが、2カ月半の間、工事停止に追い込まれた。
「坑口からわずか310メートルの所。全長4・5キロのトンネルは普通3年位で掘れる。1年間でこれしか進めなかったことが工事の難しさを示している」と石原幸宏飯田国道事務所建設監督官は語る。
事態は深刻だった。粘板岩の硬い地層で地下水も多くないという予測の下に、トンネル本坑を直接掘り進む工事を始めたが、これでは手も足も出ないことが厳然と突きつけられたのだ。
急きょ、トンネル施工法検討委員会が設立され、水抜き坑掘削を先導させる方式に、工事計画自体を変えた。異例の事態だった。
水抜き坑とは、本坑に並行して、常に少し前を掘り進める径の小さな水抜き用トンネルのこと。先に水抜き坑を掘れば、出水地帯では水の流れが変り、本坑が掘りやすくなるという。
本坑の掘削方法自体も変えた。本坑は、掘削機ジャンボドリルで掘り進めたら、1メートル間隔でH鋼をはめ込み、その間に金網をかぶせてコンクリートを吹き付けるナトム工法で掘り進められていた。
だが、掘削工事の最先端部分の壁面が崩れやすいことから、フォアパイという支えになるような特殊の資材を、掘り進む岩盤の前方上部に先に埋め込んでいく補助工法も取り入れた。
一般にトンネル工事では、鏡ボルトという崩落防止用資材を先に埋め込んで、それごと岩盤を掘削する工法が用いられている。掘り進んだらH鋼をはめ込み、そのH鋼から放射状にロックボルトという岩盤強化のための資材が埋め込まれる。だが、あまりに崩れやすい地質だったがゆえに、さらにフォアパイ工法を付加したというわけだ。
だが、中央アルプスは、人々の前になお立ちはだかった。(続く)=毛賀沢明宏= -
権兵衛トンネル通行証明書を発行
国道361号権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進規制同盟会は2月4日、木曽と伊那を結ぶ権兵衛トンネルの開通に合わせ、通行証明書を発行する。木曽側・伊那側で各20人で、配布方法は調整中。
証明書はB5サイズ。「伊那地域と木曽地域の新たな夜明けとなる権兵衛トンネルを通行したことを証します」と記される。通行した順に1縲・0の番号がふられ、それぞれトンネル出入り口の写真を載せた。
伊那側は、記念品として市のイメージキャラクター「イーナちゃん」グッズも渡す。 -
権兵衛開通 救急医療体制一覧を作成
権兵衛開通後の救急医療体制を確認する調整会議の2回目が24日、県木曽合同庁舎であり、伊那・木曽両圏域の広域消防本部・病院などの関係者が集まった。前回議論を踏まえ、伊那中央・昭和伊南・県立木曽の各病院で実施可能な処置・検査項目、救急時の連絡体制などをまとめた一覧を作成し、開通に備えた。
木曽地域の救急医療機関はこれまで木曽病院しかなく、患者の症状によって他の病院への救急搬送が必要でも、約60キロ離れた松本の信大病院か相澤病院に1時間かけて運ぶしかなかった。
トンネル開通後は伊那中央病院までが32キロで38分、昭和伊南病院までが47キロで49分で搬送が可能になることから、懸案だった木曽地域の救急医療体制の整備が進むことになる。
トンネル内の防災設備などについても、改めて確認された。 -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(1)
2月4日、権兵衛トンネル道路が開通する。着工以来7年半の歳月と、のべ15万7千人の労力を費やして、中央アルプスを穿(うが)つ高規格道路が完成する。
特集第1弾は、困難を極めたトンネル工事の苦労を聞いた。
◇ ◇ ◇
「着工時には難工事とは思っていませんでした。しかし、掘り出したとたんに、想定していた地質とはまったく違うことが判明したんです」
権兵衛トンネル工事の現場責任者を務める国土交通省飯田国道事務所の建設監督官石原幸宏さんは振り返った。
98年秋のトンネル工事着工まで、地質調査は何度も行われた。当初は粘板岩主体の硬い岩盤で、比較的掘りやすい地質と想定されていた。
だが、実際に掘り出してみると、粘板岩が細かく割れた破砕帯がいたるところにあり、断層や地下水系が複雑に入り組んだメランジュ層(「混沌とした」の仏語)であることが分かった。
だが、なぜ、それほど想定が違ったのか?
「調査地点の岩盤が偶然硬かったのかも知れませんが、ボーリング調査の限界だったとも言えます」
ボーリング調査は88ミリの直径のサンプルを掘り出す形で行われた。調査する位置にもよるが、この直径では、地質に入った割れは見つけにくい。地圧で岩盤が押し付けられている状況で採取するからなおさらだという。
ところが、実際にトンネル本坑を掘るとなると、穴の断面の面積は約80平方メートル。しかも、片面は何の圧力もかからない開放した断面になるため、地中の圧力を受けて調査時には予想しなかった崩壊が始まる。「掘ったとたんにザザーと、あるいはゴロゴロっと崩れてくる。時には直径1縲・メートルの岩が圧力で飛び出してくる、そういう地層だったのです」。
断層も想定以上だった。トンネル工事現場は、奈良井川に沿って境峠断層が走っている。大きな断層の近くには、ちょうど魚の骨のように大きな断層に交わって縦に走る断層が存在するが、その規模と量が、通常をはるかに超える地質だったそうだ。
「断層と地下水、それに崩れた粘板岩が混沌として最初から最後まで続いたトンネル工事だったのです」
石原さんは前任地の安房トンネルと比べて「規模はかなり小さいが、労苦はほぼ同じ程の難工事」だったと評する。(続く)
=毛賀沢明宏= -
権兵衛トンネル開通・新市誕生記念しタペストリー飾る
2月4日の権兵衛トンネル開通と、3月末の新「伊那市」誕生を記念したタペストリーが23日、中心市街地通りなどで一斉に飾られた。
市民の気運を高めるため、伊那商工会議所と市が協力して1300枚を作成。商店街関係に600枚、小中学校など市関係公共施設に200枚を配布し、市庁舎内にも掲示している。
関係者は「木曽から来る人たちに対しても歓迎の気持ちを伝えたい」と、商圏拡大も期待している。
風になびく記念タペストリー(いなっせ前) -
権兵衛トンネル開通記念 2月に木曽路ツアー
2月4日の権兵衛トンネル開通を記念し、伊那バスは2月、日帰りの「サンキュー木曽路ツアー竏猪リ曽馬の里縲恁茆ヤ明神温泉」を企画した。予約を始めたばかりだが「近くて遠かった木曽路」への関心は高い。希望者に早めの申し込みを呼びかけている。
旅行日は2月5、11、12、18、19、25、26日で、下旬が埋まりつつある。費用は一人3900円。開通に合わせ、格安な料金を設定したという。
上伊那各地を午前7時半ごろ出発し、権兵衛トンネルを抜けて、福島宿散策(関所跡など)竏猪リ曽馬の里見学竏窒サば処(昼食)竏柱茆ヤ明神温泉「やまゆり荘」(入浴)竏駐゙良井宿散策竏窒ネどを回るコース。
募集人員は1台につき40人で、日によって30人を超えたところもある。予約は伊那市をはじめとする上伊那が中心で、夫婦、友だちなどで参加するケースが多いようだ。申し込みは初旬がねらいめ。
希望者は、申込金1千円を添えて申し込む。残金は出発14日前までに支払う。
問い合わせは、伊那バス貸切課(TEL72・0002)へ。 -
みはらしの湯で伊那・木曽ガイドマップをロビーに展示
権兵衛トンネルの開通を控え伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」は、伊那・木曽地域の名所を記した特大サイズのガイドマップを1階ロビーに展示した。
縦115センチ、横110センチのドライブマップには、高遠町の桜、開田村の開田高原など、全国的にも知られている名所に加え、みはらしの湯や南箕輪村の大芝高原など、特に地元の人に親しまれている施設・公園なども書き込まれれている。
みはらしの湯利用者で、トンネル開通に高い関心を寄せる人が多いため、伊那・木曽両地域の様子が分かる特大マップを展示することにしたという。
開通当日はみはらしの湯の休憩室にサテライトスタジオを設置。みはらしファームから、SBCラジオ「ラジオの王様」を生中継する。スタジオは自由に見学できる(入浴は有料)。
中継が午後12時8分縲恁゚後3時50分。 -
みはらしファームで権兵衛トンネル開通イベント
伊那と木曽を30分でつなぐ権兵衛トンネルが開通する2月4日、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームは「みはらしファーム権兵衛トンネル開通記念イベント」としてさまざまなイベントをする。
節分の恒例、福豆まきでは「台風」「ウソ(耐震偽装、農産物産地偽装など)」に加え、権兵衛トンネルの安全祈願として「交通事故」を、福豆で打ち払う。
みはらしファームの美味しいもの紹介では、「麦の家」から羽広かぶの入った2種類のパンが新発売されるほか、みはらしファーム特産の「みはらしいちご」やおからドーナツを販売。冬野菜の特化販売、ナガイモの体験販売もある。
豆まきは午後2時から。
また、みはらしファーム各施設は、開通当日から2月28日まで、記念キャンペーンとしてさまざまな特典を準備している。 -
みはらしファームで羽広かぶ入りパンを発売
権兵衛峠通路「トンネル」の開通を記念して、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームは2月4日から、地元の特産品「羽広かぶ」を生地に練りこんだパンを発売する。
トンネルを通して木曽が身近になるため「みはらしファームとして何か独自の商品ができないか」と検討。みはらしファーム「麦の家」が、地元ならではの食材「羽広かぶ」を使ったパンの開発を進めてきた。
パンは2種類。米の粉の生地に細かく刻んだカブを入れた「かぶンパ!」(130円)と、フランスパンの生地を使った「かぶdeフランス」(120円)。ほかにも、サンドイッチの間にかぶを挟んだ「羽広菜かぶサンド」(100円)も発売する。
米粉の方はもちもちした食感、フランスパンの方は新しい風味が楽しめ、カブの塩気と生地の甘味が「意外にもおいしい」という。
みはらしファームのとれたて市場や麦の家などで販売する予定。 -
菊香堂が「権兵衛米の道」を発売
2月4日の権兵衛トンネル開通に合わせ、伊那市坂下区の和菓子店「菊香堂」(赤羽政治社長)は17日、新作「権兵衛米の道」を発売した。
「米の道」は米俵の形をしたもなか。栗入りのこしあんと白あんの2種類で、伊那と木曽を表した。「あんに栗を入れたことで、甘味を抑え、食べやすくした」という。栗の収穫時期には、地元産を使いたいとしている。重さは30グラムほどで、一、二口サイズ。1個95円。箱入りもある。パッケージは、祝いの意味を込めて紅白の2色にした。
数年前から、権兵衛峠にちなんだ和菓子を作りたいと思い、蒸しまんじゅうなども考えた。「権兵衛峠は米の道で、米俵のイメージがあった。なかなかイメージ通りにいかなかった。栗の風味とあんのバランスが難しかった」と10点前後の試作品を重ね、完成させた。
新作発表で、赤羽社長は開通に期待を寄せ「伊那に足を踏み込む人が増える。みやげ品の一つにしたい」と話した。 -
権兵衛トンネル開通 拠点施設から観光情報を発信
権兵衛峠道路開通に対応する観光戦略と拠点施設の検討結果がまとまり、伊那市は16日、市議会全員協議会で報告した。「伊那市の出入り口にふさわしい地域情報発信交流施設」が基本コンセプト。今後、地元説明会などで意見を集約し、06年度の用地取得・設計、07年度の着工を目指す。
内容はコンサルタントに依頼したもので、伊那市の観光分析、開通に伴う観光客の入り込み動向、滞在型観光への誘導戦略、拠点施設開設の基本方針などをまとめた。
拠点施設は、伊那市を知ってもらうため、情報発信の拠点と休憩施設を複合した機能を持たせ、情報棟、展望広場、星空デッキ、トイレ、足湯、物産館などを設ける。大型車10台以上、普通車100台程度の駐車スペースを確保する。
建設地は、県道与地辰野線との交差点から東側の国道北側が適当とし、敷地面積は約1万5千平方メートル。
道路開通に伴い、観光客は187万3千人と予測される。
観光戦略では「自然」「食」「健康」「歴史」「人」をキーワードに、広域での連携による魅力創出、体験型観光の取り組み強化、観光資源の発掘などを挙げた。
市では「早急に組織を立ち上げ、十分に論議する時間を取りたい」とした。 -
伊那商議所「ごんべえナビ」開設
伊那商工会議所は、権兵衛トンネル開通直前記念事業として、ホームページ(HP)に会員事業所紹介サイト「い縲怩ネ!ごんべえナビ」を設けた。47の会員事業所が申し込み、自社が持つ特産品や技術などを発信している。3月末まで。
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルの開通で、両地域の経済発展に大きな効果をもたらすことが期待される。2月4日の開通を控え、会員事業所の情報を提供し、市・県外からの誘客を図る。
「ごんべえナビ」はグルメ、暮らし&生活、技術、その他のお店の4つに分類し、業種別に掲載。内容は事業所の概要、商品・製品を紹介する「当店自慢のいっぴん!」、連絡先など統一した。その店ならではのこだわりやオリジナル品など、規定の様式に沿って各店が自らをPRしている。事業所によってHPへのアクセス、メールでの問い合わせができる。
HPのトップページにある「ごんべえナビ」をクリックして開く。
商議所は「開通への関心は高く、申し込みは意外と多い。自社をPRする意識を持ってもらう機会になれば」と話している。
申し込みは締め切ったが、随時受付中。問い合わせは、伊那商工会議所経営支援課(TEL72・7000)へ。 -
権兵衛トンネル開通イベントを企画
2月4日の伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通に合わせ、伊那市の駅前再開発ビル「いなっせ」と伊那北地域活性化センター「きたっせ」を中心に、記念イベント「まちじゅう福豆・宝投げ大会」を開く。
各商店街や実業団の役員15人でつくる商店街活性化イベント実行委員会が木曽の地域住民にも伊那の商店街を知ってもらい、商店街の活性化に結びつけようと企画した。
内容は、まちじゅう福豆宝投げ大会をはじめ、ローメンを具にした新製品「ローメンまん」の無料サービス(先着100人)、もちつき大会、なつかしシネマ上映会「銀座の恋の物語」など。宝投げ大会には、イベント参加店の共通券(1千縲・千円券)、各店の割引券などを用意。木曽側からもスキー場リフト券が提供される。
当日は市主催のSBCラジオの中継もあり、商店街のイベントなども紹介する。
実行委員会では「権兵衛トンネル開通」「新伊那市誕生」を祝うタペストリー1300枚を作り、今月下旬、商店街や観光施設に取り付ける。 -
伊那谷に木曽地域の看板急増
権兵衛トンネルの開通を前に、木曽地域の看板が伊那市周辺で目立ち始めた。特に中央高速バス新宿線の伊那バスターミナルは、看板の6割近くが木曽地域の看板で埋めつくされている。スキー場や宿泊施設のほか、観光協会の大きな看板もあり、一瞬木曽に来たかのような錯覚におちいるほど。
ターミナルを管理する伊那バスの関係者によれば、05年夏頃から木曽地域からの看板設置の申し入れが増加。貸切バスを利用した観光旅行の訪問先としての売込みも急増し、上下伊那地域の数をしのぐ勢いだという。
広域農道沿でも、電柱看板に木曽の宿泊施設の名前が目立つようになっており、同地域の権兵衛開通をにらんだ誘客の積極姿勢がうかがえる。 -
祝・伊那 - 木曽権兵衛峠道路2月開通
木曽側7市町村首長に聞く【上】06年2月、伊那と木曽を結ぶ権兵衛峠道路が開通する。地図の上では境界を接しながら、峻厳な中央アルプスに隔てられ、何か遠い地域のように感じてきた木曽。そこに住む人々が、本年からすぐに行き来のできる隣人になる。
いったい、どんな町や村があり、どんな人が住んでいるのか?木曽郡の6町村と、権兵衛トンネルの反対側出口がある塩尻市(旧楢川村)の首長、合計7人に聞いた。