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JA上伊那地産地消地域支援事業で給食を一緒に食べる
南箕輪村小学校を3日、上伊那農業協同組合(JA上伊那)の征矢福二組合長などが訪れ、同JAが提供した上伊那産農産物を使った給食を児童らと一緒に味わった。
JA上伊那は本年度、農業や地元農産物への理解・関心を深めてもらおう竏窒ニ地産地消支援事業に取り組んでいる。小中学校への農産物の提供もその一環。今回は希望のあった管内50の小中学校に、シメジ、ネギ、卵など、上伊那として力を入れている地元農産物を提供。酪農地帯の箕輪町には、駒ヶ根高原の「すずらん牛乳」も提供する。
各学校には、JA上伊那の理事者や農業者が訪れ、給食を一緒に食べる。それにより、農産物がどのように使われているか知る意味もあるという。
この日は、シメジを使った和え物が出され、児童らは「おいしい」と味わっていた。 -
減農薬・減化学肥料水稲栽培試験結果報告会
南箕輪村内の有志でつくる減農薬・減化学肥料水稲栽培の研究グループは1日、05年産米の試験結果検討会を村役場で開いた。結果や食味を検討し、安心・安全を絶対条件に栽培に前向きに取り組む方向を決めた。
2年前から、特殊有機鶏ふんを使った試験栽培に取り組み、村のブランド米としての栽培も検討している。
栽培試験は、特殊有機鶏ふんの現地適応性を検証する目的で、村内の農家2人が、特殊有機鶏ふん使用の試験区、全農指定の発酵鶏ふん使用の対照区、慣行区で水稲を栽培。伊那米総合試験地運営委員会の報告では、3区とも品質的に問題はない、土壌分析はほぼ同等-などだった。
食味検討は、参加者27人が試験区、対照区、慣行区の3種類の米を試食し評価。慣行区を基準に試験区が0・59点、対照区が0・56点で「おいしい」との結果になった。
会では、「安心・安全を確認しながら試験も含めて今年も取り組みたい」とし、村内の各集落に役員1人ずつを置く組織づくりにも合意した。 -
パートナーシップ南みのわ料理講習
南箕輪村の「パートナーシップ南みのわ」は28日、冬を元気に乗り越えよう-と、「正月後のカラダにやさしい料理講習」を村公民館で開いた。そばを中心にした献立で、会員皆でそば打ちに挑戦し、楽しく調理して味わった。
昨年度、会員同士の交流を兼ねた料理講習が好評で、第2弾として今年も計画した。
そば打ち講師に、この道10年という村議の清水松雄さんを迎え、3班に分かれて二八そばを打った。参加者には経験者が少なく、水回し、こねる、伸ばすなど教わり、皆で少しずつ交代しながら打った。
料理は村の栄養士、太田篤子さんが指導。おやつ感覚で味わう「そばだんご」、野菜を食べるようにユズ風味の「野菜のさっぱり漬け」を作った。 -
登下校の安全へ
南箕輪村と村内3小中学校、同PTAは、子どもたちの登下校時の安全を見守る巡視用ベストを導入した。南箕輪小では26日夜、PTA理事・校外指導部の合同会で披露し、今後もパトロールに力をいれていくことを確認した。
合同会は昨年12月にに引き続き、2回目の開催。PTA役員や宮原貞雄校長ら約40人が出席し、各地区から上げられた通学路上の問題点などを見直し、対策を話し合った。
各地区の報告では通学路上の狭い道や、冬期間のバス利用登下校、児童が一人になってしまう通学路を確認竏窒ネどの声が上がった。集団下校については「安全を守ることに加えて、児童同士の交流にもつながるのでよい」と話す親もいた。
交通安全の面から横断歩道の設置を求める地区について学校側は、「安協から警察、公安委員会へと、地域から強い要望を呼びかけ続けることが有効」とした。
学校側は、不審者の声掛け防止策として2月から、児童の校舎内以外での名札の着用を禁止することも報告した。
パトロール用のベストは、南箕輪小に60枚、南部小に30枚、南箕輪中に40枚の計130枚を配布した。 -
権兵衛トンネル開通をPR
南箕輪村の大芝荘と大芝の湯のロビーに、2月4日の権兵衛トンネル開通をPRする横幕を取り付けた。しばらくの間、飾っておく。
横幕は縦50センチ、横3メートルで、ビニール製。「祝権兵衛トンネル開通 平成18年2月4日」の文字が入る。
これまで観光客から「木曽に寄っていきたい」と聞かれることがあったそうで「開通後は農道を右折し、権兵衛トンネルを抜けるルートが紹介できる」と話す。
2月には、木曽から訪れる日帰り利用客の予約が入り、トンネル開通に伴う利用客の増加に期待している。 -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(3)
権兵衛トンネル工事が始まった直後の2000年、伊那市は、県道与地竏鋳C野線とは別に、西箕輪に市が開設した体験型農業観光施設みはらしファームに抜ける道路開設を計画していた。権兵衛トンネルを利用する観光客を、市が観光の目玉とする施設に誘うことが目的だった。
だが、この計画は経ヶ岳周辺の自然環境・生活環境の保全を主張する地元住民の反対に合い、棚に上がった。・ス幻の道・スとなったのだ。
地元住民に説明しないまま、林道「みはらし線」などと名称までつけて県に要請、長野県地域森林計画に盛り込ませるなどしたことが、住民の反発に油を注いだ。経ヶ岳山ろくには絶滅危惧種のオオタカが営巣し、ハチクマやクマタカなど貴重な猛きん類の姿も確認され、「観光客誘致よりも豊かな自然を守ろう」との気運が高まった。
この住民の動きは、その後も権兵衛開通にともなう乱開発に歯止めをかけるための、西箕輪地区の景観保護条例の締結や、自己用広告物ガイドライン制定へと引き継がれた。
では、みはらしファームへの誘客方法・誘導ルート計画は、その後どのように見直しが掛けられてきたのか?そもそもトンネル開通による観光客の増加をあてこんで西箕輪の地に作られた施設。トンネルと結ぶ道路計画を変更した以上、その位置付けにまで戻って再考するべきとの声も上がったが、そうした議論はどこまで煮詰まったのだろうか?
伊那市は06年1月の臨時議会で、県道与地辰野線以東の権兵衛道路沿いに、8億円以上をかけた「伊那市の出入り口にふさわしい地域情報発信交流施設」を建設するのが適当とする、コンサルタント会社に依頼した調査結果を報告した。そこには「観光情報の発信」という視点から「既存観光地」との関係が触れられているが、車でわずか5分の地に立つみはらしファームとの共存の方法などには言及されていない。
権兵衛開通にともなう地域振興と、自然・生活環境の保全のあり方は、今後もますます重要な意味を持つだろう。・ス幻の道・スをめぐる2000年当時の市と住民との議論は、その先駆的な位置を占めるものとなろうが、その議論の道筋は、まだ定かではない。
=毛賀沢明宏= -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(2)
権兵衛トンネル開通後の通過台数について、国土交通省飯田国道事務所は上り下り合わせて1日6000台と予測している。これは姥神トンネルから木曽町福島に抜ける道路が完全に整備された約20年後を想定したものだ。
一方、県伊那建設事務所は、05年春の時点で「開通直後は合計約2500台ぐらいでは?」との数字も示していた(加藤光彦管理計画課長=当時=)。国の予測よりもかなり少なかったのは、当時、開通後の交通量増加に危惧を表明する市町村関係者が県の整備の遅れを指摘していたことも背景にあると見られた。実際には、「空いて見なければ分からない」というのが実状だろう。
では、現状で、伊那側出口付近の交通量はどれくらいか?
04年7月に行った一斉調査(午前7時縲恁゚後7時)では、インターアクセスと広域農道が交わる大萱交差点の総通過数1万6362台。同じくアクセスと春日街道が交わる駒美で1万9091台。国道361号と春日街道への分岐になる伊那市川北の交差点で1万3576台。
道路ごとに見ると、広域農道が約8900台。春日街道が約9500台。アクセス道路が約8300台。川北交差点縲怦ノ那市街が7800台だった。
これに最大予測の6000台が増加すれば、かなりの混雑になるのは明らかだ。トンネルと北方を結ぶ通過車輌ルート(前号参照)はもちろん、伊那市街から東につながるルート整備も急務となる。
特に、伊那市駅前のスクランブル交差点は、現状でも朝夕は、信号1回で待機車輌が通過できない「渋滞」状況にあり、東につなげる迂回ルートに誘導しなければ混雑増加は必死。
伊那建は沢尻バイパスから北に向かわせ、アクセスを東に誘導しようとしているが、アクセス道路を御園から国道153号まで延ばす環状北線「御園橋」は07年度内供用開始予定で、間に合わない。07年度内にこれが開通しても、竜東に抜けるには市街地に入るしかなく、今度は国道153号の山寺、入舟の交差点で混雑は激しくなると予測される。
生活・通学道路の安全確保、道路網の整備を求める声は高まっているが、一方で、懸案の国道153号伊那バイパスを含め、「道路整備を急ぐと高遠・伊那は単なる通過点になる」と指摘する声もあり、交通網の整備が地域のあり方を左右する、重要な局面を迎えそうだ。(続く)=毛賀沢明宏= -
【特集 権兵衛開通】木曽高速は山を越えるか?(1)
伊那市沢尻地区で、国道361号から火葬場下交差点に抜ける沢尻バイパスの建設が急ピッチで進んでいる。権兵衛トンネル開通にともなう木曽からの流入車輌に対応したものだ。だが、当初は05年度末と言われていた権兵衛道路開通が2ヵ月余り早まったため、バイパス工事の方が遅れている。
管轄する伊那建設事務所が、このバイパスを重視して来たのは、開通にともない、木曽の国道19号を通過する大型車輌が伊那に流入するとの予測のもとに、トンネルから北に向かうルートを整備するためだ。
国道19号は「木曽高速」と呼ばれ、中央道塩尻インターと中京方面に行き交う車。さらに関東北部から佐久平・和田峠を経由して木曽を通り抜ける車など特に大型の通過車輌が多い。このうち東京方面に行き交う車が、伊那インターから中央道を利用したり、さらには辰野町の平出から有賀峠を利用することになるのではないかと想定している。
伊那建が考える誘導コースは、トンネル出口から農道・中の原交差点を直進、現在工事中の沢尻バイパスを経て、火葬場下から春日街道に流すルートだ。春日街道の西には広域農道があり、これを経由した方が短距離だが、農道は県ではなく市町村の管轄で、構造的にも多量の大型車輌の通過による影響が大きいと言われており、県としては、県道である春日街道に誘導することをメインに考えてきた。
だが、地元南箕輪村などのからは「実際は農道通過が最も多くなるのでは」との懸念の声も上がっている。この声を受けて一定個所の拡幅や歩道の整備も進められてきたが、現在でも交通量の多い広域農道がどこまで、流車輌を受け入れ可能かは未知数だ。
トンネルと北方向をつなぐルートには、さらに、春日街道・広域農道が国道153号と合流する伊北インター付近の混雑、辰野町内の狭い幅員、竜東への車の誘導方法など、解決するべき課題は多い。
権兵衛トンネルの開通は、伊那と木曽に新しい時代をもたらすだろう。だが、それは同時に、木曽の住民が何10年にもわたって直面してきた大型通過車輌の交通問題を、伊那側でも共有することを求めている。(続く)
=毛賀沢明宏= -
上農で社会人講師による授業
現場の生きた知識を取り入れよう竏窒ニ、南箕輪村の上伊那農業高校で26日、生産環境科の3年生42人が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム社長で伊那市そば打ち名人の会の会長、小林史麿さんから、地産地消型の農産物流通と地域食材「そば」を通じた地域おこしを学んだ。
社会人講師による授業は「個性ある高校づくり推進事業」の一環。今回は、産直市場を通じた現代の農産物流通と、県内の農産物生産量第2位の「そば」に精通した小林さんに講師を依頼した。
生産者と直接つながりを持つ産直市場は、一般的な流通より安心で新鮮な野菜を提供できる魅力があり、消費者のニーズも高まっている。小林さんは「現代はインターネットなど人を介さない流通が進んでいるが、そう長くは続かないと思う。むしろ今後は、昔の物々交換に近い人と人とのつながりを重視した流通へと変化していく」と語った。
そばについては、実は伊那地域が信州そばの発祥の地である竏窒ニする説を唱え、地域おこしへの活用も積極的に進んでいることを示した。そば打ちの実演もあり、生徒らも、水加減や延し方などのコツを習いながらそば打ちに挑戦した。普段の授業にはない貴重な知識を深めた様子だった。 -
上農インドネシア研修参加者結団式
インドネシアの林業事情を学ぶため、2月4日から1週間、現地研修をする上伊那農業高校緑地工学科の生徒が26日、出発に向けた結団式をした。
研修は国土緑化推進機構が林業専攻の高校生を対象とした毎年のもので、国際的視野に立った林業の担い手を育成することを目的としている。今年は希望した1年生2人、2年生3人が参加。これまで同校からは、約20人が研修に参加している。
2年生の伊東勝美君は「インドネシアは日本が大量の木材を輸入している国で、熱帯雨林も減少している。現場の実態を見てきたい。植樹などを通して現地との交流を深めたい」と抱負を語った。
生徒たちは、マングローブの伐採跡地につくられたエビの養殖場や、森林復活プロジェクトの現場を見学する予定で、さまざまな角度から現地の森林事情についてふれる。 -
第20回南箕輪村農業フォーラム
第20回南箕輪村農業フォーラムは27日、「品目横断的経営安定対策」に対応する地域農業「担い手」育成対策などを考えようと、「地域でつくろう担い手」をテーマに村民センターで開いた。農業関係者ら90人が、講演や事例研究などで学び合った。村営農センター、地域「担い手」育成総合支援協議会の主催。
伊那市東春近の農事組合法人「田原」経理・広報担当理事の酒井弘道さんが記念講演。04年10月の設立までの経過や仕組みなどを話した。
「加入は原則として設立時のみ」とする申し合わせ事項を説明し、「スタート時に加入の問題は南箕輪でもあると思う。皆が様子をみたら始まらない。ある程度、どこかで線引きが必要かと思う」とアドバイス。「今までと同じ考え方の中で同じようにやっていこうと考えるのはやめたほうがいい」と話した。
地産地消事業の一環で「リンゴ(ふじ)」の消費拡大コーナーを設け、「南箕輪村輪の会」によるリンゴ料理の試食や、リンゴジュースの試飲、リンゴのプレゼントもあった。 -
南箕輪村で人事評価制度研修
南箕輪村は26日、06年度4月1日から導入する人事評価制度の職員研修を始めた。27日までの2日間で、職員145人が研修を受ける。
人事評価制度は、職員の勤務成績を評価し、その結果を職員の能力開発・活用に役立て、給与や勤勉手当など処遇に反映させることで、公正な人事管理をする。
村は昨年の夏から、コンサルタントとともに検討し制度を作った。
評価区分は▽成果▽習熟能力▽習得能力▽意欲・態度-。評価時期は前期、後期に分け年2回。職員一人ひとりが目標を設定し、それに対して評価する。
加藤久樹助役は、「人が人を評価するのは難しく大変なことだが、制度を取り入れていかないといけない」とし、公正な目で正しく評価すること、評価する側とされる側が同レベルの認識を持つ必要性を話した。 -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(3)
水抜き坑着工から2年10カ月が経た03年1月。貫通まで残り数百メートルになった所で、再び中央アルプスから大量の水が噴き出した。
被害が大きかったのは木曽側。木曽側坑口から約1キロは登り勾配だが、貫通地点までの残り約470メートルは下り勾配の工事だった。噴出した大量の泥水は、流れずに溜まり、切り羽を水没させた。
「地質も大変だったが、水の量も並大抵のものではなかった」
飯田国道事務所の石原幸宏建設監督官は振り返る。
噴出する水の量は、伊那側が毎分3・6立方メートル。200リットル入りのドラム缶18本分だ。木曽側はその3倍以上の毎分11・6立法メートル。同じドラム缶58本分。
通常、このような出水量の多いトンネル工事では「拝み勾配」といって、両方の坑口から登り勾配ばかりで掘り進み、一番高いところで双方が交わるのが最適といわれる。登りばかりで掘れば、出てくる水は自然に坑口に向かって流れていくからだ。
しかし、権兵衛トンネルでは、双方の坑口の標高差と工期の関係からそうはいかず、木曽側工区では下り勾配の工事もあったのだった。これが貫通直前の切り羽の水没をもたらした。ポンプで汲み出して、現状に戻すまでに2ヵ月を要した。
崩れやすい地質と大量の出水。4度にわたる切り羽の崩落。このため工事の進捗速度は伊那側で1日平均2・1メートル、木曽側では同じく1・2メートルだった。
権兵衛トンネルの全長は4・5キロ。施工中のものを含めて、全国で23番目の長さだ。この長さのトンネルは通常3年間で貫通できるといわれ、それに5年間が費やされたことじたいに工事の難しさが示される。のべ15万7千人が汗を流し、300年前に木曽の農民権兵衛が切り拓いた峠道を、高規格道路に生まれ変らせたのだ。
03年5月31日、水抜き坑が貫通した。最後に残された岩盤を取り除いた時、伊那谷から木曽谷に向けて、風がサーっと吹き抜けたという。(終わり)=毛賀沢明宏= -
南箕輪村議会臨時会
一般会計補正予算を可決南箕輪村議会臨時会は25日開き、05年度一般会計補正予算案を可決した。
補正予算は、歳入歳出に各1094万6千円を追加し、予算総額を46億3397万7千円とする。歳入は国庫負担金、県負担金など。
歳出の主なものは、強い農業づくり交付金72万5千円。原油価格の高騰対策で、施設園芸に交付金を活用。清花園のハウス13棟に循環扇30基を取りつける。
自主防災組織支援事業補助金23万4千円。資機材整備の費用で1区に20万円と1戸当たり300円の助成。村内全12区の自主防災組織のうち、本年度は4地区が整備。購入品は、伝達・避難誘導・初期消火・救出救護・資機材の目的別に各組織の実情に応じてトランシーバー、ヘルメット、医療セット、コンロ、発電機などそろえている。 -
南箕輪村と城南物産の解決金裁判
村の勝訴城南物産(本社・南箕輪村神子柴、埋橋常人社長)及び埋橋常人氏と村が05年7月13日に和解した井戸水汚濁の損害賠償請求控訴事件の解決金について、村が強制執行差し止めに係る請求異議を提訴していた問題で、長野地方裁判所伊那支部で23日、「強制執行は許さない」とする判決があり村が勝訴した。埋橋氏は判決を不服とし「東京高等裁判所に控訴する」としている。
村は、村議会で450万円の解決金支払いを議決し、村税債権(被告側の村税滞納分)を差し押さえ、8月15日に残金を支払った。埋橋氏は差し押さえ手続きを無効と主張し解決金支払いの強制執行も辞さない旨を通知。村は強制執行に対する異議申立てと強制執行不許可の内容で提訴していた。
埋橋氏は「差し押えは許されない。相殺禁止規定に反する」と主張したが、判決は「相殺禁止規定の適用を受けず、(中略)差し押えは禁止されない」とした。
唐木一直村長は「村の主張が受け入れられ大変ありがたく思う。当然の内容と理解している」としている。 -
大学入試センター試験
志望校合格を目指す多くの受験生の最初の関門、06年度大学入試センター試験が21日、全国で一斉にあった。上伊那会場の南箕輪村の信州大学農学部と駒ヶ根市の県看護大学でも、大勢が臨んだ。
降雪の影響も心配されたが、幸い交通の妨げとなるような天候とはならなかった。信大農学部には、試験開始の約1時間前から、バスや車などで、上伊那や下伊那の受験生が駆けつけた。
会場の外にある案内板を緊張した面持ちで確認していた受験生も、友人や知り合いの顔を見ると緊張が緩み、励まし合いながら試験に臨んだ。
志願者は信大農学部会場898人、看護大会場が385人。看護大の志願者が昨年より若干上回り、両校の合計も18人上回った。全県の志願者数は1万2人で、昨年より80人減少した。
本年度は英語で初めてリスニングが導入され、受験者は「ICプレーヤー」を使用する。約180人が英語を受験した伊那弥生ヶ丘高校は、受験者が手にとって実物を扱えるよう、サンプルを置くなどして試験に備えた。 -
南箕輪ブランドの商品化へ向けて始動
「南箕輪ブランド」の商品化に向け、南箕輪村のむらづくり委員会産業交流部会(今井純部会長、9人)が動き出した。3月末までに大まかな方向性を出し、9月までに具体案を詰める。
「南箕輪ブランド創造プロジェクト」として、地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」を柱に、農林業・商工業・観光を連携させ、地域産業の振興に結びつける。部会では1点に絞らず、いくつかの具体案を提案し、推奨品のシールをはって売り込みたいとしている。
20日夜、酒を飲みながら本音で話す機会にしようと村公民館で部会を開催。
メンバーが持ち寄ったハクサイやゴボウ、ネギ、ミズナなどの野菜を入れたシシなべを囲み、南箕輪ブランドを考えた。
「南箕輪」をなべに例え、人材、農産物、自然などブランドになりうる題材(なべに入れる材料)を出し合った。
メンバーは酒をくみ交わしているせいもあってか「ブランドは食べ物に限らず、幅広くとらえよう」「農産物は売り込むのに期間が限られる。加工する必要もある」など盛り上がり、商品を売り込む手段と合わせて地域振興につながる方向を探った。
今後、さらにアイデアを出し、推奨品としての基準を設け、ブランドを創(つく)り、評価などをへて売り出しにこぎつける。 -
防火コンクール審査会 ポスター・書道の最優秀賞などが決まる
伊那市の伊那公民館で18日、小学生を対象とした防火コンクールの審査会があった=写真。ポスター、書道の部の各最優秀賞1点づつと優秀賞を決めた。伊那防火管理協会、伊那消防組合消防本部の主催。
防火意識を高めるための恒例事業で、ポスター、作文、書道の部に、同消防組合管内の小学4竏・年生から約300点の応募。ポスターは建物、山林、車両などの火災予防を表現している作品が多い。
ポスターと書道の部の優秀賞以上の入選作品は、「春の火災予防運動」(3月1日竏・日)の期間、管内各市町村の役場や大型店などで展示。作文の部は後日、審査があり、入選作品は有線放送で発表する。 -
交通栄誉章「緑十字金章」に平沢久志さん
第46回交通安全国民運動中央大会(18日・東京都)で交通栄誉章表彰の最高章となる「緑十字金章」など、伊那署管内から2人1団体が表彰された。20日、受章者2人が同署を訪れ、中山均署長に喜びを報告した。
表彰を受けたのは、「緑十字金章」に伊那交通安全協会箕輪町交通安全協会相談役の平沢久志さん(76)=箕輪町沢=、同章「緑十字銀章」に同交通安全協会長の田中邦一さん(76)=同市富県=。優良団体等表彰の「交通安全優良学校」に富県小学校(同市)が称えられた。
平沢さんは1960年から45年間、地域の交通安全活動の先頭に立ち交通安全指導・教育に従事。今後の交通安全予防については「いよいよ権兵衛トンネルが開通するが、交通の流れが多くなることが懸念されるので、注意していかなければ」と語っていた。
田中さんは県警察官を退職後、県駒ヶ根自動車学校長を11年歴任し、運転者教育に貢献。2002年、伊那安協会長に就任してからは、安協会員をまとめ、事故防止対策に取り組んでいる。
富県小は交通安全教育の課外活動として「自転車クラブ」を10年以上継続してきた功績が認められた。昨年夏には、その活動が認められ、伊那署から感謝状を受け取っている。 -
優しく、温かく、患者和ませて
南箕輪村の上伊那農業高校のクラブ「国際研究班」(池上あゆみ部長、4人)が作ったアメリカンキルトが1月末まで、伊那市の中央病院4階ラウンジに飾られている=写真。ラウンジに集まる利用者たちは、優しくて温かみのある作品を見て和んでいる。
昨年8月、新しく着任した米国出身のAETの先生と交流を図るため、秋の文化祭に向けてアメリカンキルトを製作。より多くの人に見てもらおう竏窒ニ今回、生徒たちが同病院に申し入れた。
作品は、縦120センチ、横90センチ。購入した布や各自が自宅から持ちよった古布で作った。クラブ活動や放課後の時間など、2カ月の製作日数が注ぎ込まれている。
出産を控えた箕輪町の30代女性は「とってもじょうず。毎日、ラウンジを利用して和んでいます」と笑みを見せていた。 -
俳人
南箕輪村
酒井昌好さん南箕輪村大芝高原の大芝荘ロビーで、「身近な花々の写真と俳句縲恊l々の心をいやすひととき縲怐vと題し、自らが撮影した花の写真とその花を詠んだ俳句を展示している。
全国俳句誌「河」「みすゞ」「欅」の各同人。元上伊那俳壇会長でもある。
「俳句は優しいようですが、鑑賞するときに難しく感ずるときがある。初心者もどのような俳句作りがいいのか考えるもの」。そこで始めたのが、花の写真と俳句を一緒に飾る展覧会。一つの句に二つの事柄を詠む手法に似て、一つの作品に俳句と写真という二つのものを並べる。
「俳句と写真は本質は違うようだが、二つを並べると、イメージが多彩にふくらみ、見る人、読む人に深い印象を残す。俳句は花鳥風詠という。展示を参考にし、花と俳句に親しみを持っていただきたい」という。
俳句を始めたのは、今から50年前にさかのぼる。20歳のころ、「みすゞ」の初代主宰、中村六花さんに街角で偶然に出会った。伊那北高校時代に教えを受けた化学の先生でもある中村さんに、「俳句をやってみないか」と誘われ、「みすゞ」に入った。「あの時、先生に会わなければ、俳句はやっていなかったと思う」。
家業を手伝った後、石川島播磨重工業の関連会社に就職し、定年まで勤めた。社内報の編集長を10数年務め、自分の俳句を名前を隠して掲載したこともある。
中央で開く、大手企業の社内報編集長の会議で、社内報を作る意義について意見を交わしたときのこと。たどり着いた答えは「やっぱり“愛”。愛を感じ、愛を育てよう」。“愛”は、俳句の世界にも共通する。「俳句から、人間生活に必要な優しさ、いたわりの心をなるべく感じてもらいたい」と願う。
俳人の中村六花さんと森澄雄さんを尊敬し、俳句を作る。会誌に出す句は毎月25首ほど。そのために50首を作り、発想段階も含めると100首近くになる。歩きながら自然に浮かぶこともあるが、「集中力が大事。役者が芝居を演じるときと同じで意識を高めることが大切。そうすることで感覚が鋭くなる」。作ろう-という気持ちが大きな要素になる。
“世界を見る目”も重視する。在職中は、仕事でパリやロンドンを毎年訪れた。「とにかく世界を見なければ日本は語れない」。“世界を見る目”は、俳句で自然や花を見つめる目にもつながるという。
「森羅万象、あらゆるものが俳句になる」。それゆえに、いろいろなことを知ったうえで、俳句を作らなければいけないと考える。
「俳句は日本の昔からのもので、大切にしないといけない。国際的にも認められ、俳句の根本にある詩の心が理解されて、『はいく』が国際語になっている。世界を見ながら国際的な俳句の広がりを見守り、豊かさを求めていきたい」
伊那市西箕輪羽広の仲仙寺に96年、「みすゞ」の初代、2代、3代の句碑が並ぶ後ろに、句碑が立った。「伊那部宿を考える会」の会員でもあり、集会所に自詠の句が飾られている。 -
南箕輪村輪の会がリンゴの調理実習
農業フォーラムでリンゴ料理紹介農業や食に関心を持つ南箕輪村内の女性でつくる「南箕輪村輪の会」は、第20回南箕輪村農業フォーラム(27日、村民センター)で、リンゴの消費拡大のためリンゴ料理を紹介する。17日、会員ら10人が村公民館で調理実習をし、フォーラム参加者に試食してもらうリンゴ料理を決めた。
フォーラムでは、地産地消事業の一環として村内で生産量の多い「リンゴ(ふじ)」の消費拡大コーナーを設け、リンゴジュースの試飲やリンゴをプレゼントする。リンゴ料理も紹介しようと、主催の営農センターが「輪の会」に協力を依頼した。
「輪の会」は、家庭や地域の伝統料理のレシピ集作りを主な活動とし、信州大学農学部の学生とも交流している。今回のフォーラム参加のような対外的な活動は初。
調理実習には会員、上伊那農業高校教員、信大農学部の学生らが参加。リンゴ40個を使い、リンゴ農家に教わったり、ホームページなどで調べたレシピで「リンゴの天ぷら」「リンゴおこわ」など9品を作った。
「リンゴは甘いのでおかずのような使い方ができるという意識がなかったが、違和感なく食べられる」「いろいろなメニューができることがわかった」と会員も新たな発見があり、試食の結果、食べやすさや珍しさなどから、試食用に「りんごの簡単パイ」「りんごじるこ」の2品を選んだ。
当日は約100人分用意する。「ちょっと変わった卵焼き」「りんごが入った人参ゼリー」も展示紹介する。 -
南箕輪わくわくクラブ
新春もちつき大会南箕輪わくわくクラブ主催の新春イベントもちつき大会が15日、村民体育館であった。小学生を中心に会員ら約150人が集まり、元気にもちをついて、つきたてのもちを満喫した。
もち米40キロを用意。皆で交代に杵を握り、「よいしょ、よいしょ」と声を出して威勢良くもちをついた。
つきたてのもちは、ごま、きなこ、お汁粉の3通りの味に仕上げ、子どもも大人もよく伸びるもちを喜んで味わった。
テニスとフライングディスクをしている南箕輪中学校1年の伊東拓真君は、小学3年生ころまで自宅で杵とうすでもちつきをしていたため、なかなかの腕前。「久しぶりで楽しい」と、2うす分のもちを大人と二人で交互にリズムよくついていた。 -
南箕輪村公民館「ぐにゃぐにゃだこ作り」
南箕輪村公民館は14日、新年恒例のたこ作り教室を開いた。保育園児から小学生までが、「ぐにゃぐにゃだこ」作りに熱中した。
材料はビニールの買物袋、竹ひご、糸。ビニール袋を変六角形に切り、竹ひご2本をはりつけ、糸を通してでき上がる。子どもたちはビニール袋に折り目をつけ、慎重にはさみで切ったり、丁寧にセロハンテープで竹ひごをつけるなど、楽しみながら作り上げた。
お正月にたこ上げをしたという南箕輪小学校2年の有賀奈美佳さんと弟の俊太君(1年)は、たこ作り初挑戦。奈美佳さんは「難しいけど、出来たら2歳の弟にも見せてあげる」、俊太君は「たこ上げをしたい」と話し、夢中になっていた。
あいにくの雨で手作りたこを上げることはできなかったが、子どもたちは大事そうに持ちかえった。 -
箕輪消防署の宮川崇さんが最優秀賞に
第20回伊那消防組合職員意見発表会が12日、伊那市役所であった。同組合管内の4消防署員7人が、日ごろの消防・救助活動などで感じたことなどを発表した。伊那消防組合消防本部の主催。
箕輪消防署の宮川崇さん(29)が「大規模災害時の情報収集と指揮」と題して話し、最優秀賞に決定。優秀賞は、伊那消防署の加藤史明さん(28)と、宮島国臣さん(30)が選ばれた。
入署して11年目、後輩たちから目標とされる好青年竏窒フ宮川さんは、県緊急消防援助隊員として新潟中越地震で活動した実体験を披露。情報の収集や伝達が重要となる災害現場で、思うような活動ができなかったことに対して、「情報収集や伝達・指揮方法について実践的な訓練をして、対応できるように」と呼びかけた。
宮川さんは「実際は待機している時間が長く、現地にいるのに何が起こっているか把握できない状態」と振り返り、「災害地の状況は想像以上に悲惨。助けを求める被災者のために効率良く活動できるよう、訓練で補っていきたい」と訴えた。
最優秀賞者の宮川さんは2月16日、木曽郡上松町で開かれる県消防職員意見発表会に出場。「2度目の県発表会なので、今回こそは最優秀賞を取りたい」と意気込みを述べている。 -
南箕輪小5年4組と伊那養護学校小学部高学年がうどん作りで交流
南箕輪小学校5年4組(31人)と伊那養護学校小学部高学年(15人)が12日、うどん作りで交流した。
居住地交流で、1学期に伊那養護学校の児童3人が南箕輪小を訪問。5年4組の児童とゲームをして遊び、給食やそうじを一緒にした。
今回は本年度2回目の交流で、南箕輪小が伊那養護学校を訪問。皆が一緒に活動できるように-と、うどん作りに挑戦した。
児童は6班に分かれ、ビニル袋に入れた生地を10分間かかとで踏んで練った。製麺(めん)機を使ったことがある小学部の児童が教諭と一緒に手本を見せ、続いて南箕輪小の児童が順番に製麺機で生地を長く伸ばして切った。
南箕輪小の児童は、「伊那養護学校の友達と一緒に生地を踏んで作った。うどん作りは初めてで面白い」と話していた。
両校の児童は、ゲームや遊具遊びなどを楽しんだあと、自分たちで作ったうどんを一緒に味わった。 -
信大農学部で企業合同説明会
信州大学農学部で10日、06年度の就職予定者を対象とした企業合同説明会があった。3年生や大学院1年生ら約140人が参加。学生たちは、県内を中心とした19社の説明を熱心に聞き、進路選択の一歩を踏み出した。
同学部は県内出身の学生が全体の約1割で、県外出身者が圧倒的に多い傾向にあるが、ここ数年、県内就職者数が増加。昨年は3割弱が県内に就職した。また、同学部卒業生の就職を希望する企業の要望もあったため、双方のニーズを結び付ける合同説明会を企画した。
参加企業は同学部のOBがいる企業が中心で、伊那市の食品製造会社・伊那食品工業、駒ヶ根市の建設会社・ヤマウラなども参加した。
今年度の卒業生の就職内定率は12月末現在で6割程度だが、例年3月ころには9割以上になるという。 -
大芝荘レストラン「パル大芝」
冬季間限定の特別サービス南箕輪村の大芝荘レストラン「パル大芝」は、冬季限定の特別サービスをしている。
レストランで500円以上の利用1回につき印を1つカードに押し、印が3つ集まると大芝温泉入浴券として利用できる。スポーツ施設が閉じている冬季の誘客のための企画。昨年、初めて実施し効果があったことから、今年も計画した。
温泉入浴券は、大芝荘日帰り温泉、大芝の湯で利用できる。入浴施設利用のときに受付係員に提出する。現金との交換、おつりなどはできない。
サービス期間は3月31日まで。入浴券としての利用は4月30日まで。 -
みのりんぐ箕輪ねっと
地域通貨普及活動の一環
「生しぼり えごま油」販売へ箕輪町、南箕輪村、伊那市西箕輪で地域通貨を普及させ、地域経済の活性化を図る「みのりんぐ箕輪ねっと」(寺平秀行代表、20人)は、目に見える地域通貨流通の一手段として本年度取り組んだエゴマ栽培で商品化した「生しぼり えごま油」を13日から本格販売する。
「みのりんぐ-」は03年8月、住民有志で発足。地域通貨が流通しにくい現状を解消するため、労働力だけでなく生産性も考え食用油を作ろうとエゴマ栽培を計画。福島県田村市にある「日本エゴマの会」から種を購入し、箕輪町富田に借りた畑13アールで栽培。10月に92キロを収穫し、78キロを搾油。150ミリリットルビンで159本できた。
草取りや収穫など会員の労働時間を地域通貨「みのり」に換算。本年度は帳簿管理のみで紙幣は発行していないが、「みのり」に応じて会員13人に59本を分配した。
残り100本は一般に限定販売する。1本1980円。国産のエゴマ油は希少で、販売価格は市場より約2割ほど安い。売り上げ金は運営資金にあてる。
エゴマはシソ科植物で、生活習慣病や成人病などに有効といわれるα-リノレン酸を60%以上含む。エゴマ油はさらっとして、シソの香りがある。熱に弱いため、ドレッシングなど生食向きという。
取り扱い店は、箕輪町内かしわや、立石、金星、伊那市内エコショップワン、あびえんと、南箕輪村内ファーマーズマーケットあじーな。
「みのりんぐ-」は06年度、「一反帰農で身の丈農業」をテーマに▽エゴマの信州在来品種の発掘、信州みのわエゴマとしてのブランド化▽生産過程の機械化▽ドレッシングや料理など新商品開発▽遊休農地の有効活用▽地域通貨の本格普及-などに取り組む予定。
問い合わせは寺平代表(TEL70・5728)へ。 -
熊谷安雄(くまがい・やすお)氏