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北信越ソフトボール協会審判員・記録員・指導者伝達講習
北信越ソフトボール協会の「審判員・記録員・指導者伝達講習会」が17、18日、伊那市高遠町の高遠さくらホテルであった。5県の各協会から100人余が参加し、講義や実技を通して資質向上を図った。
審判員、記録員、指導者たちは、県協会の要請を受けて各大会などに派遣されるため、正しい知識を身につけるとともに、各県に戻って会員に指導する。
開会あいさつで、理事長の小牧文敏・長野県協会理事長は「審判員、記録員、指導者がしっかりしてもらわないとスムースに大会が行われない」と、それぞれの活躍に期待。日本ソフトボール協会副会長の藤森友義・富山県協会副会長は「各県で全国大会や日本リーグが行われるが、参加チームに好印象を与えるよう頑張ってもらいたい」と激励した。
参加者たちは2日間、分科会でそれぞれの委員長を講師に、講義や実技研修に励んだ。
県内で来年度ある主な大会は、伊那市で全日本エルデスト大会(10月12縲・4日)が、飯田市で全日本女子一部リーグ(10月20、21日)が開かれる。 -
天竜川水系・渓流釣り解禁
上伊那の天竜川水系で16日、渓流釣りが一斉に解禁となった。県内外から釣り人が入渓し、今シーズンの初・スアタリ・スの感触をたん能した。
天竜川漁業組合や釣り人らによると、昨年7月の豪雨災害の影響などで魚の数が少ないものの、暖冬のため水温が高く、人では多かったという。
伊那市西町区の小黒川に入った今井和雄さん(64)=同市西春近=は、正午から数時間で25センチ以上のイワナ2匹を釣り上げた。「まずまずの型。幸先はよいが、魚の数が少なく感じる」と話した。
同漁協は、3、4月などにイワナ、アマゴなど各1千キロほどを放流する予定。
一般の遊漁料は、一日券1千円、現場券1600円。年間券は、一般魚6千円、アユのみ8千円。問い合わせは、漁協(TEL72・2445)へ。 -
確定申告始まる
所得税と個人事業者の消費税、地方消費税の確定申告がはじまった16日、伊那税務署が設置した伊那市駅前ビルいなっせ内の申告相談会場に申告者らが訪れた=写真。署員から助言をもらいながら申告者らは、申告書を作成するなどして提出した。
昨年度は年金課税の見直しにより、年金控除額が引き下げられ対象者が増えるなどの理由で例年より多い約3万6千人が申し込んだ。関係者は、本年度の申し込み数を前年と同規模の人数だと見込んでいる。
申告相談会場内は、申告書を自分で作成する「自書申告」のサポート体制も充実している。本年からは、申告者が声を掛けやすいよう、職員が目立つ色のジャンバーを着用するなどして助言している。また、「e‐Tax(国税電子申告・納税システム)」のサポートコーナーや体験コーナーなども設置している。
毎年多い日で一日約200人が訪れる。3月10日以降はピークとなるため、2月下旬縲・月上旬の提出を伊那税務署は呼びかけている。
確定申告期間は次の通り。
▽所得税=3月15日▽個人事業者の消費税及び地方消費税=4月2日▽贈与税=3月15日 -
第4回上伊那ファーマーズの集い
地域農業を支える農業者らが一堂に会する「第4回明日に翔け!上伊那ファーマーズの集い」が16日、伊那市の県伊那文化会館であった。農業功績者表彰や地域の特色ある事例発表などがあり、上伊那の農業発展に向けた意欲を高めた。上伊那地方事務所など主催。
地域農業の振興を目指す取り組み。今回は、各方面で活躍する地域農業者4人の事例発表に加え、特産品や加工食品などの開発・販売に取り組む「キースタッフ」(本社・東京都)の代表・鳥巣研二氏による講演を企画。
事例発表に臨んだ飯島町の農事組合法人「いつわ」の林英彦さんは、農事組合法人の取り組みを紹介しながら、「自立できる地域づくり」について講演。担い手に関しては、Iターン者の受け入れも各地で進んでいるが、「地域づくりを担っていくことをしっかり認識してもらうことこそが大切」と指摘。「今こそ地域づくり、担い手づくりをともにがんばっていこう」と呼びかけた。
また、南箕輪村の行者ニンニク栽培の事例や新規就農でリンゴ栽培を始めた若手農業者の発表、地粉を使ったパン作りに取り組む女性グループの発表もあり、さまざまな取り組みへの理解を深めた。
表彰は次のみなさん。
◇農業功績者表彰▼個人=白鳥廣明(伊那市)伊藤一好(伊那市)塩沢紀雄(駒ヶ根市)倉田久造(駒ヶ根市)林英彦(飯島町)小林春人(南箕輪村)▼団体=上平出営農組合(辰野町)美里ソバの会(中川村)農事組合法人ひかり(宮田村)
◇農業功績者感謝状贈呈=小池政一(伊那市)有賀肇(伊那市)柴正人(箕輪町)上久保健一(中川村)
◇農業名人▼軍鶏(しゃも)名人=林儀太郎(辰野町)▼行者ニンニク名人=小林幸雄(南箕輪村) -
上伊那建設労働組合が健康教室
上伊那建設労働組合の主婦の会・青年部が共催する健康教室「頑張っている人のがんばらない体操」が14日、伊那公民館であった。組合員45人が集まり、タオルやボールを使った体操で体をほぐした。
健康教室は組合員の健康維持が目的で、25回目。
講師に、身体機能改善トレーニング公認A級指導士の山岸洋子さんを迎え、参加者は両手に持ったタオルをまたいだり、体をV字にしたりと楽しみながら冬場の運動不足を解消した。
また、仰向けに寝た人を起こすとき、憎しみがある場合とやさしさを持った場合とでは腕の節々にかかる負担が違うことを体感。山岸さんは、心と体とつながりに触れ「人間関係は、まず自分との信頼関係。健康を保つために視点を変える気づきを持ってほしい」と促した。 -
高校前期選抜合格者数発表
県教育委員会は14日、07年度公立高校前期選抜合格者数を発表した。8校17学科で前期選抜を実施した上伊那では865人が受験し、511人が合格したが、募集人員合計である536を25人下回る結果となった。
学校別に見ると、定員割れとなった箕輪工業高校普通科の合格者数が募集人員より12人少ない28人となったほか、50人の募集に対し87人が受験した赤穂高校普通科でも、定員を13人下回る37人のみの合格となった。
そのほかの高校では募集定員どおりの合格者数となっている。
後期選抜試験の受付期間は21日縲・3日正午、志願変更受付は26日縲・月1日正午となっている。 -
駒ケ根市ソフトバレー大会
駒ケ根市バレーボール協会(六波羅武志会長)は11日、駒ケ根市ソフトバレー大会を同市の市民体育館と社会体育館で開いた。駒ケ根市のほか伊那市などの近隣市町村から55チームが出場。ヤング、シルバー、ブロンズ、ゴールドの各部ごとに優勝を目指して熱戦を展開した=写真。
上位は次のチーム。
▼ヤングの部(1)梅の里A(宮田村)(2)O・G・S(宮田村)(3)Beeキラー(伊那市)▼ブロンズの部(1)サンクラブI(長野市)(2)大穴A(飯島町)(3)てんとうむしA(辰野町)▼シルバーの部(1)こまちゃんA(駒ケ根市)(2)梅の里A(宮田村)(3)こまちゃんB(駒ケ根市)▼ゴールドの部(1)伊那ドリーム(伊那市)(2)勘太郎(駒ケ根市)(3)似たかB(辰野町) -
民主党長野県第5区総支部が新春交歓会
民主党長野県第5区総支部(加藤学代表)は11日、07年民主伊那谷新春交歓会を箕輪町の松島コミュニティーセンターで開いた。関係者など約70人が集まる中、羽田雄一郎参院議員を迎え、春の県議選、夏の参院選に向けて結束を深めた。
加藤代表は07年を「政治決戦の年」として参院選における羽田氏の再選、県議選における独自候補の擁立など、打倒安倍政権に向けた取り組みを着々と進めている現状を示し「政策で堂々と戦える県議選としていきたい。共通の敵に向けてがんばっていこう」と呼びかけた。
また、羽田雄一郎氏は、戦後の日本が独自に築いてきたセーフティーネットを小泉・安倍政権が崩壊させた結果、格差問題があらゆる場面で生じている現状を指摘。「地域が良くならなければ日本は良くならないという思いを貫いてやっていきたい」と語り、夏の参院選を勝利し、民主主導の議会運営を目指す意志を示した。 -
上伊那地区スケート競技会
第26回上伊那地区スケート競技会が11日夜、岡谷市内山の「やまびこ国際スケートセンター」であった。園児から一般までの30人が出場し、100、300、500などの距離で、それぞれ日ごろの練習の成果を披露した。上伊那スポーツ振興協議会など主催。
少年男子500メートルで武井博史(上伊那農業高校)が、昨年、自分でつくった記録を破る39秒04の大会新記録を達成。抜群のコーナーワークでスピードに乗った走りを見せた。1月末、栃木県であったインターハイの1500メートルで優勝した武井の走りに観客らも注目して見守った。
結果は次の通り。
☆男子
◆園児▼100メートル (1)おのたつや42秒06(2)はしずめはやと(3)やひこざわゆうき(4)おおつきりく
◆小学生4年以下▼300メートル (1)橋爪凱(富県2)42秒42(2)田中大雅(宮田1)(3)小池諒(南箕輪1)▼500メートル (1)小泉俊貴(箕輪中部4)57秒02(2)宮原浩二郎(南箕輪4)(3)橋爪凱(4)田中大雅(5)伊藤迅(南箕輪4)(6)小野優太(両小野1)(7)小口貴也(同)(8)小池諒▼千メートル (1)小泉俊貴1分58秒87(2)小野優太(3)伊藤迅(4)宮原浩二郎(5)小口貴也
◆中学生▼500メートル (1)唐沢昌平(箕輪1)48秒14(2)唐沢俊樹(同3)▼1500メートル (1)唐沢俊樹2分14秒80(2)唐沢昌平
◆高校生▼500メートル (1)武井博史(上伊那農業2)39秒04=大会新(2)小林成光(同)▼1500メートル (1)武井博史2分01秒70(2)小林成光
◆成年2部▼500メートル (1)新谷逸也(宮田村)44秒11▼1500メートル (1)新谷逸也2分15秒70
☆女子
◆小学校4年以下▼300メートル (1)田中欄(伊那1)1分27秒52▼500メートル (1)田中翔子(宮田4)56秒31(2)小野和希(両小野3)(3)竹松秋美(南箕輪4)(4)小池明日香(同)(5)矢彦沢夏希(両小野3)(6)唐木祐理恵(南箕輪4)(7)小沢誠世(両小野3)(8)田中理士(伊那4)▼千メートル (1)小野和希2分08秒09(2)田中翔子(3)小池明日香(4)竹松秋美(5)矢彦沢夏希(6)小沢誠世(7)唐木祐理恵
◆小学校6年▼300メートル (1)田中礼(伊那)1分00秒53▼500メートル (1)小泉玲菜(箕輪中部)53秒02(2)北原麗愛(同)(3)田中礼▼千メートル (1)小泉玲菜1分51秒88(2)北原麗愛
◆高校生▼500メートル (1)中島綾佳(東海大三3)46秒81(2)新谷千布美(伊那北1)▼千メートル (1)中島綾佳1分33秒18(2)新谷千布美
◆成年1部▼500メートル (1)金沢なつみ(箕輪町)45秒33▼千メートル (1)金沢なつみ1分33秒46 -
森の勉強会 県産材利用促進に向けて
総合建設業のフォレストコーポレーション(本社・伊那市西春近、小沢仁社長)は12日、南箕輪村の村民センターで、「森の勉強会」(伊那毎日新聞社など後援)を開いた。一般住民ら約400人が集まり、県産材利用の重要性や利用を促進できない課題について考えた。
「信州の木で信州の家をつくろう」と題してパネルディスカッションがあり、小沢社長と県林務部信州の木活用課長の河合博さん、「山造り舎」を主宰する川島潤一さん、都築木材副社長の都築寛明さん、菅沼木材専務の菅沼久さんが意見を交わした=写真。
同社は川島さん、都築さん、菅沼さんら製材や建築などの地元業者らで「信州の家は信州の木で『工房信州の家』づくり」を結成。同グループの県産材を利用した住宅建設の取り組み、県産材の循環流通システム構築のための仮題を話し合った。
県によると、第2次大戦後の大規模な植栽で成熟を迎えた木があるのも関わらず、人の手が入っていない状況が多い。山の整備作業に携わる川島さんは「自分の山の境界線を把握している人は少なく、地主の意識は低い」とし、山を持っていても木材の価値に無関心で、市場のメカニズムと孤立したところで山を持っている人がいることが分かった。
菅沼さんは「個人が持ち込む木は、仕分けがされていないため市場で買ったほうがリスクが少ない」。都築さんは「安定した供給がある外材を使ってきた経過があり、内地材を積極的に取り扱ってこれなかった現状がある」と地産地消の状況が止まっている現状を解説した。
河合さんは「国産材が未成熟だった時に外材でまかなってきたが、今や国産材も成熟してきた。問題は買い手がいても売り手がいないこと。今後は売り手をコーディネートするための制度づくりに力を」と話した。
小沢社長は「地元の人たちと理念を持って仕事に取り組んでいきたい。これからは山地主さんともネットワークを構築し、夢のある仕事を広げていきたい」と訴えた。
勉強会の前半では、森の再生活動や文筆活動で有名なC・W・ニコルさんとフリーパーソナリティーの武田徹さんが、信州の森について語り合った。 -
県下建設業売上ランキング上位30社にヤマウラと窪田建設
東京商工リサーチは13日、06年県内建設企業の売上高ランキング上位30社を発表した。上伊那では、昨年6位だったヤマウラ(本社・駒ヶ根市、沢田英明社長)が5位、窪田建設(本社・駒ヶ根市、窪田重雄社長)が19位にランクした。
ヤマウラの06年総売上高224億9千万円。増収率20・3%と好調な伸びを見せ、経常利益も前年を28・3%上回る5億7千万円の黒字となった。
また、窪田建設の総売上高は77億7千万円。増収率は0・8%となったが、経常利益では前年伸び率で73・1%マイナスの3400万円となった。
全体で見ると、30社の売上合計は9・4%増で2年連続の増加。うち23社が増収となっている。
公共投資は回復しない一方、民間投資は回復基調にあり、マンションを主とする住宅着工戸数が増加しているほか、ここ数年のリストラ効果もあり、上位企業の業績は下げ止まり感が強まっていると分析している。 -
上伊那アンサンブル交歓会
上伊那の小中学生が合唱や合奏などの響きを競う第9回上伊那アンサンブル交歓会(上伊那音楽教育研究会主催)が10日、駒ケ根市の市文化会館で開かれた。学校ごと2縲・4人で編成された84グループが代わる代わるステージに登場し、日ごろの練習の成果を存分に発揮して美しいハーモニーをホールいっぱいに響かせた=写真。
審査の結果、小学校では新山、東春近、赤穂、中沢、辰野東、高遠、宮田、赤穂南、飯島の13グループが、中学校では伊那、赤穂の6グループが金賞を受賞した。 -
上伊那農業協同組合(JA上伊那)が08年度中に37の支所を12の総合支所に統合
上伊那農業協同組合(JA上伊那)は08年度、事業見直しの一環として現在管内にある37支所を12の総合支所に統合する。
現在JA上伊那では、各地区を統括する基幹支所を辰野、箕輪、駒ヶ根、東部、伊那(本所が基幹支所機能を兼ねている)の5カ所、それより小規模な支所を29カ所、支所出張所を4カ所に設置しており、各業務は縦割り運営している。
しかし、より効率的な運営を図る目的で各支所に権限を委譲し、支所内の横のつながりを強化した新体制へ移行することを決断。08年4月実施を目指し、実施計画を打ち出した。それに伴い、08年度は支所体制を再編。管内12カ所に設置する総合支所は、各機能を充実させるために一定の規模を持たせるほか、総合支所から離れてしまう12地区には、窓口的な役割を担う拠点支所を各総合支所の下部組織として設置する。そのほかにも各支所の渉外担当職員を増員し、定期的な巡回をすることで遠隔地の住民のサービス充実にも努めていく。
支所体制の見直しについては、2縲・月に各地区の組合員を対象とした説明会を開き、5月の総代会で提案する。 -
きさらぎ友好杯剣道大会 少年剣士ら技術磨く
第14回きさらぎ友好杯剣道大会(伊那剣心館主催)は11日、伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館で開いた。上伊那地域と岡谷市の少年剣道クラブやスポーツ少年団など計10団体が集まり、約200人の少年、少女剣士らが各部門で熱戦を繰り広げた。
互いの剣道技術を磨き、交流を深める目的。今大会は、伊那中央ロータリークラブ(矢島宏会長)の創立20周年記念事業の一環で青少年育成のために助成金の寄付があり、例年より倍の参加人数となる大会が開けることになった。
交流は、小学1・2年、小学3・4年、小学5・6年、中学の部の計4部門で、ぞれぞれ男女別の予選リーグ、決勝トーナメントを展開(小学1・2年は男女一緒)。小さな剣士たちは、大きな掛け声とともに、日ごろの練習で培った技術を披露し合った。
伊那剣心館の熊谷進会長は「この大会は、大会の少ない如月のこの時期に子供たちに剣道の試合経験を積ませてあげたいとの保護者の思いで始まった。子供たちには、少しでも多くの試合を体験し、日ごろのけい古の成果を発揮してもらいた」と話していた。 -
南信中学生ロボットコンテスト・過去最多50チーム
第4回南信中学生ロボットコンテストが10日、伊那市の伊那中学校であった。上伊那の9校と下伊那の1校から過去最多の50チーム、250人が参加。生徒らは、アイデアを凝らしたロボットを操って、得点を競い合った=写真。上伊那技術・家庭科教育研究会の主催。
独自のロボットで紙製の輪を運び、筒に掛けたり、相手の陣地へ押し出したりできた数で競った。出場ロボットは、リングを押し込むタイプが中心で、中には2本の腕で一度に5つの輪を挟み、筒にかけるタイプもあり、それぞれのチームのアイデアが光った。
大会は、4ブロックで予選トーナメントを開き、各ブロックの上位2チームと審査員が推薦した2チームの計16チームで決勝トーナメントを展開。リングを押し込む、はめ込むなど3つの機能を持つタイプで出場した伊那東部中(伊那市)の「The天竜」チームが、決勝戦で同校対決に勝ち、優勝した。
ロボットを操作した2年・伊藤貴樹君(14)は「去年は焦ってしまい失敗してしまったが、冷静に望んだのがよかった。初めての優勝できてびっくりしてる」と、アシスタントの1年・山口昌太君(13)らと喜びを分かち合っていた。 -
上伊那地区生徒会交流会
上伊那地区の高校生徒会役員らによる交流会が10日、伊那市の伊那北高校であった。上伊那8校の生徒会役員約100人が集まり、取り組み発表を通して今後の生徒会運営について考えた。
生徒会活動の情報交換、意見交換を通して他校生徒と交流を深めるとともに、生徒会活動を活性化することを目的とする取り組み。3年生から生徒会活動を引き継いだ2年生が、さまざまな活動を参考にしながら新しい1年の生徒会運営を考える場にもなっている。
それぞれの高校は、全体会の中で1年間の取り組みを紹介。辰野高校は、PTA代表者、教職員、生徒代表で学校のあり方を話し合う「三者協議会」の取り組みについて触れ、話し合いを通じて制服の扱いなどを決めてきた経緯を示した。
また分科会では、携帯サイト、服装、ごみ問題など、高校生の生活に密接なテーマ6つを取り上げ、グループごと討論=写真。他校の取り組みを学びながら、自分たちの高校のあり方を考えていた。 -
県消防職員意見発表会 伊那市で開催
第28回県消防職員意見発表会は8日、伊那市の市駅前ビルいなっせであった。県下14消防本部から選抜の14人が出場し、職務を通じて体験したことを題材に決意や抱負、提案などの意見を発表した。県消防長会主催。
上伊那からは、伊那消防組合消防本部(箕輪消防署)の荻原大輔消防士、伊南行政組合消防本部(北消防署)の齋藤潔消防副士長が出場。荻原消防士の発表が最高賞の次に名誉となる優秀賞を獲得した。
荻原消防士は「OVER THE BORDER縲恪窓ォを越えて縲怐vと題し、消防の広域化を図り、管轄を越えた活動ができれば竏窒ニ発表。齋藤副士長は「生死を分ける3分間の住民連携」とし、傷病者の生死を分ける最初の3分間に適切で素早い対応が取れるように、住民と消防の連携を」と呼び掛けた。
全国大会へ出場する最優秀賞には「夜に輝く安心の箱」と出して発表した長野市消防局の成沢泰則消防士が受賞。県代表者は昨年、一昨年の大会で2年連続で最優秀賞を受賞している。
優秀賞の賞状を受け取る荻原消防士 -
県環境保全研究所 公開セミナー
県環境保全研究所は3日、伊那市の県伊那合同庁舎で、同所員の研究成果を地域住民に紹介するための公開セミナーを開いた。上伊那を中心とした約80人が参加し、報告者6人が県内の外来生物の現状や対策などについて発表した=写真。
毎年恒例のセミナーで、本年は「信州の自然に今起きていること」と題し、伊那市と大町市の2会場で実施。各会場の地域の特色にあった研究課題をテーマに、所員らがそれぞれ報告している。
伊那会場では、県内で指定された外来生物である鳥類のソウシチョウや、中央アルプスに繁殖する希少植物のコマウスユキソウなどの現状をテーマに語った。
同研究所自然環境部の須賀丈さんは、トマトなどの施設栽培作物の送粉者として輸入してきた外来昆虫のセイヨウオオマルハナバチが及ぼす生態系への影響について発表。「競争力が強く、一部の地域で在来のマルハナバチを衰退さることもある」などとスライドを使って説明した。
「信州は日本では北海道とならぶマルハナバチの生息適地。ほかにも北方系の在来種が希少種として遺存していて、こういった貴重な生態系を守るための対策が必要」と訴えた。 -
昨年7月豪雨災害検証、防災にシンポジウム
昨年7月の豪雨災害を検証し、今後の防災について考えるシンポジウム「平成18年7月豪雨と上伊那の土砂災害竏猪「来への提言竏秩vが7日、辰野町の町民会館であり、関係者や一般参加者ら800人以上が詰め掛けた。
主催は、上伊那8市町村、県治水砂防協会上伊那支部、伊那建設事務所でつくる実行委員会。基調講演や事例発表、パネルディスカッションを通して、災害の悲惨さを後世に語り継ぐとともに、災害から命を守るための情報発信の場とした。
事例紹介では、被災地域、消防や警察、自治体などから7人が発表。人家への土砂流入を防ぐことや区民の避難誘導などにあたった箕輪町北小河内区長の丸山全二さんは「想像を絶する凄まじいものだった」と当時を振り返り「自主防災組織が有効に機能できるようにしていく必要がある」などと今後の備えについて語った。
パネルディスカッションのテーマは「不測の土砂災害にいかに備えるか」。信州大学の平松晋也教授の進行で、伊那市、箕輪町、辰野町の首長、伊那建設事務所長、県砂防課長5人が討論した。
土砂災害による被害について原義文県砂防課長は「土砂災害がよく発生する降雨のピークが過ぎると安心してか、遅れて発生する土砂災害に対応できていないことがよくある」と指摘した。
土砂災害防止への今後の取り組みで、箕輪町の平沢豊満町長は「情報の発信と収集の体制を重点的に考えていきたい」と述べた。 -
アルプスバラ会が冬の剪定
伊那市通り町の25鉢上伊那のバラ愛好者でつくるアルプスバラ会は6日、伊那市の中心商店街・通り町一丁目に同会が設置した鉢バラの手入れをした。
会員7人が、大小25鉢に植えられたバラを次々と剪定しながら、丈の長いツルバラはオベリスク(四本支柱)に巧みに巻き付けて形を整えた。
「地域に花と緑を」をテーマとする同会が通り町に鉢バラを設置したのは04年の春。全て異なった種類が植えられた25鉢が咲き誇るため、商店街があたかも「バラ園」のようになる竏窒ニ話題になっている。会によると、商店街にバラをこれだけ揃えている例は県内でもあまりないようだ。
同商店街に置かれたバラはいずれも四季咲きだが、5月にきれいな一番花を鑑賞するためには、この時期の剪定や誘引(ツルバラの枝を形良く整える)は欠かせない作業。暖かい冬の影響ですでに芽吹いているバラもあり、会員らは新芽を傷つけないように、慎重にはさみを動かしていた。
アルプスバラ会は、元高校教諭が上伊那各地で開いている「バラ教室」の生徒らが、教室の連携で栽培技術向上と親睦を図ろうと04年に結成。話題の「アンネのバラ」を増殖して普及させるなど、ユニークな活動を展開している。会員約100人。 -
ガールスカウトのワールドシンキングデイ
世界中のガールスカウトが想い、行動する日とされている「ワールドシンキングデイ」のイベントが4日、箕輪町の松島コミュニティーセンターであり、南信地区のスカウトら約150人が、さまざまな国に住む仲間のスカウトらに思いをはせた。
ガールスカウトの創始者・ベーデン・ポウエル氏の誕生日に合わせて毎年行っているもので、国際的な活動を支援する献金をしたり、世界の実情を学ぶ機会としている。今年は、飯田、駒ヶ根、伊那、箕輪地区にある5団が合同でイベントを開催した。
「ファンド」では、みんなで輪を作り、真ん中に置いたかごの中に一人ひとりが献金=写真。その後、モンゴルから高森町に嫁いだ佐々木ハスグレルさんによるお話と楽器演奏があり、世界のさまざまな国について考えた。
スカウトらの献金は、生活に苦労している国の会員などへ送られる。 -
ニシザワが本を寄贈
ニシザワ(本社・伊那市、荒木康雄社長)は、上伊那の38小学校の図書館に絵本などの本を寄贈している。創業80周年を迎えた3年前から続く事業。初日の6日は、箕輪町の箕輪中部小学校(小野正行校長、694人)へ本を届けた=写真。
ニシザワは、1924(大正)年、伊那市通り町に「西澤書店」として創業。これまでの感謝を伝えるため、創業原点である図書の寄贈を始めた。今年は、38校に希望の図書をリストアップしてもらい、82万円分(600冊以上)の図書を購入した。
箕輪中部小を訪れた荒木社長は「地域の未来を支える担い手である子どもたちの健全な育成に役立てば」と本を同校図書委員3人に手渡した。図書委員長の田中まみちゃん(12)は「卒業するまでの期間に寄贈していただいた本を全部読みたい」と話した。
今後、ニシザワのスパーなど各店舗の店長が各小学校へ本を寄贈する予定となっている。 -
美篶小学校で上伊那産のシメジを使った地産地消給食
上伊那の農畜産物を知ってもらおう竏窒ニ6日、伊那市の美篶小学校で上伊那農業協同組合(JA上伊那)が提供した上伊那産「やまびこしめじ」を使った給食が出され、児童と生産者が給食交流をした。
取り組みは地産地消を目的とする「農と食の給食事業」の一環で、上伊那農政対策委員会が共催している。
今年は管内にある52の小中学校(養護学校を含む)に食材を提供。各校のメニューに合わせ、やまびこしめじ280キロ、ネギ270キロ、卵10800個、約50万円相当を16日までの間に無償提供する予定で、酪農家が多い箕輪町地区ではJA上伊那が製造販売している「すずらん牛乳」も提供する。
また、期間中は生産者やJA上伊那の関係者などが各校を訪問。ともに給食を食べながら生産現場の声を伝えることで、地元農業への理解を深めてもらおうと考えている。
この日提供したやまびこしめじは、すまし汁となって登場。児童らは「もっとキノコちょうだい」「おいしい」などと話しながらその味を楽しんでいた。
07年度、JA上伊那は各支所単位で近くの小中学校と連携し、上伊那産の農産物を学校給食に供給していく。 -
多彩な花色、咲き方で「はまる」面白さ
うつむき加減に咲く花はバラ(ローズ)というには余りにつつましく、そそと咲く風情はシャクヤク(和名寒シャクヤク)にも似ず、可れん。
耐寒性に優れた常緑宿根草で和風の庭にも洋風庭園にも合う。花の少ない冬から早春に咲き、5月まで楽しめる。
キンポウゲ科の多年草で、原産地はヨーロッパ、特にバルカン地方に多くの原種が見られる。
数種の原種同士の人為的交配により、オリエンタリス系が登場。以後、自然交雑や交配により、花色は白、桃、紅、黄色、緑から黒までと、無数の中間色がある。咲き方も一重から八重、セミダブル(アネモネ咲き)。花の模様も無地から、スポットのあるもの、固まってあるもの、編模様、覆輪と多彩。花色と花の模様、咲き方の組み合わせで花の種類は無限。1度栽培したら「はまる」面白さ。清楚な美しさに引かれ、5千鉢を育てる宮沢繁夫さん(飯島町鳥居原)、洋風庭園で百株余を咲かせる中城澄子さん(駒ケ根市北割1区)、地元産からメリクロンの最新品種までそろえるグリーンファーム(伊那市ますみケ原)で取材させていただいた(大口国江)
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鑑賞期間が長く、自然交配で色々な花が出るのが魅力、宮沢繁夫さん
「花弁に見えるのは実はがくで、花弁は退化し、密腺となっている。がくは数カ月も散らないため、長く楽しめる」。
飯島町鳥居原の宮沢繁夫さんの140坪のハウスでは、純白から濃赤までオリエンタリス系のクリスマスローズ約5千鉢余が咲き始め、3、4個開いた鉢から、枯れ葉を取り、雑草を抜くなど、出荷作業に追われている。
宮沢さんは昨年末に出荷が終わるシクラメンの後作にと、10年前にオリエンタリス系を導入した。
11月初旬に自家採取の種を箱まき。翌年4月本葉2、3枚で9センチポットに移植。翌々年1月15センチの鉢に植え出荷する。3年がかりの時間の掛かる花だが「年末までは戸外で、シクラメンの出荷が終わった後、ハウスに取りこむ。燃料費も手間も余り掛からない」。耐寒性はあるが、夏の暑さに弱いとか。
「自然交配でいろいろな花が咲き、派手ではないが、魅力的な花。庭があれば、落葉樹の根元に植えておくと、大株になり、管理も楽」と話す。
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オリエンタリス系や有茎種など百株余を育てる中城澄子さん
駒ケ根市北割の五十鈴神社近くで手づくりガーデン喫茶「プチ」を営む中城さんもクリスマスローズにはまっている1人。「高齢になって、手が掛かるバラが作れなくなったら、庭一面にクリスマスローズを植えたい」。
10数年前、庭を手作りした時に数株植えたた。繁殖力が旺盛で、日陰でもよく育ち、花弁が丸く、白から赤、緑、神秘的な黒まで色彩豊かなオリエンタリス系が早春から次々と咲く。
また、太い茎が50センチ以上伸び、緑色の小さな花が葉の上で群がって咲く有茎種(木立性)の「ファヌチス」も数株あり、雪の中でも元気、不思議な景色を作っている。
「ほかの花の邪魔にならず、ほっといても頑張っている。種が落ちてどんどん増える。花のない冬期間ずっと咲き続けている」とすっかり気に入っている。
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花色豊富、咲き方も多彩、最新花も並ぶ、グリーンファーム
伊那市ますみケ丘の産直市場、グリーンファームでは、地元の農家が出荷したオリエンタリス系の多彩な花が並んでいる。白からピンク、濃い赤、グリーン系など様々な色、咲き方も一重やセミダブル、八重と多彩。
また、市場仕入れのメリクロンの最新花、真紅の「ペギーパラード」、オレンジ系の「テリックスミティーII」など大輪で鮮やかな花色の種類や、灰緑色の葉がシックな有茎種「アーグチフェリス」など珍しい種類も並び、目を楽しませてくれる。
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こぼれ話
クリスマスローズの名の由来はクリスマスの頃咲くバラのような花の意味、ノイガー(ニゲル)のように名前の通り、12月末ころ咲く原種もある。
古代ギリシャ時代には根は狂気を治す霊薬の1つと信じられ、花言葉は「私の不安を救いたまえ」。
また、「幼子イエスを祝福する花」とも呼ばれる。これは貧しい羊飼いの少女が、天使の助けで、雪の中に咲く、この花を摘み、神の子イエスに贈ったという伝説から。 -
『伊那路』50年・600号記念、公開歴史講演会
上伊那郷土研究会は3日、『伊那路』50年・600号発刊記念の公開歴史講演会を伊那市の生涯学習センターで開いた。国学院大学
の倉石忠彦教授を講師に迎え、『伊那路』の創刊に尽力し、日本民俗学会の最高栄誉である柳田国男賞などを受賞した故・向山雅重氏の民俗学について学んだ=写真。県立歴史館共催。
倉石さんは、共に携わった長野県史の編さんを通して学んだ向山氏の民俗学について講演。「有形文化だけでなく、そこにある生活にまで目を向け、それを一つの資料として地域の生活実態を体系的に把握しようと努めていた。会話を通して、話し相手が気付いていなかった事実まで話させてしまうような独特な調査だったと思う」と当時を振り返り、民俗学は、現在の生活を見つめ、その中からよりよい生活を見出す役割も担っていることを指摘した。
また、前上伊那郷土研究会長・竹入弘元さんなどによる講演もあり、箕輪町出身の放浪の石工・藤森吉弥の生涯について語られた。 -
高校生ファッションショー開催
南信地区の高校生や服飾専門学校生によるファッションショー「colorful snow(カラフル・スノー)」が4日、伊那市の生涯学習センターであった。高校生など多くの観客が駆けつけ、若い感性でデザインされたファッションの数々を楽しんだ=写真。
3年目となるファッションショーには今年、赤穂高校、上伊那農業高校、諏訪実業高校の高校生や、専門学校生の9人がデザイナーとして参加。作品発表に臨んだ。
モデルはそれぞれの友人、知人などで、ヘアメイクまですべてを自分たちで手掛けている。
テーマである「colorful snow(カラフル・スノー)」をイメージした個性豊かな作品をまとったモデルが続々と登場。仕切りにシャッターを切る観客の姿も見られた。
また、2着が変化していく「展開Show」は、新感覚で観客の目を楽しませていた。 -
県文が信州農村歌舞伎祭を開催
伊那谷の農村歌舞伎を一堂に集めた「信州農村歌舞伎祭」が4日、伊那市の県伊那文化会館であった。約千人の観客が訪れ、さまざまに受け継がれてきた伝統芸能を楽しんだ。
それぞれの地域の歴史ある伝統芸能を紹介するとともに文化交流の促進・発展を目的として文化会館が企画した今年初めての試み。
伊那市長谷中尾の「中尾歌舞伎」をはじめ、約300年の歴史がある下条村の「下條歌舞伎」、96年に国選択無形民俗文化財に指定され、国内外での活動を続けている大鹿村の「大鹿歌舞伎」の各保存会が、それぞれの演目を披露した。
中尾歌舞伎保存会は、江戸の下町に暮らす男とその家族をめぐる人情劇「人情噺(はなし)文七元結(もっとい)」を公演した。情感あふれる演技で会場をわかせた。
また、幕間に弁当などを食べた昔の歌舞伎小屋の臨場感を味わってもらおう竏窒ニ、特製弁当を予約販売。この日に限って特別に館内での飲食を許可したほか、玄関ロビーでは各村の特産品販売も行った。 -
伊那ファーターズの全国リトルシニア春の全国選抜大会に出場が決定
上伊那地区の中学生でつくる硬式野球チーム・伊那ファイターズ(登内英夫代表)がこのほど、全国リトルシニア第13回全国選抜大会(大阪ドーム、3月27日縲・月2日)に出場することが正式決定した。全国大会への出場は94年の夏の神宮ブロック以来の13年ぶり。春季大会としては初出場となる。キャプテンの山口俊君(14)は「一致団結してみんなで信じ合える仲間になり、全国制覇目指してやっていきたい」と意気込みを語った。
春季大会は、日本リトルシニア野球協会(シニアリーグ)に所属する7連盟を代表する上位チーム48チームにより競われるもの。信越連盟に所属する伊那ファイターズは昨年10月、信越地区の38チームによる新人戦を見事勝ち抜き、出場4枠の1つを獲得。3日に開かれた理事会で、ブロック代表として正式に選ばれた。
現在1、2年生16人が所属する伊那ファイターズは左右二人の本格派投手が引っぱる守備力のあるチーム。
三沢良男監督は「まずは初戦突破が目標。一つ勝って全国の力を知りたい」と語る。
同チームでは現在、新入団選手を募集している。
問い合わせは事務局(TEL0266・43・1802)丸山さん、(TEL090・4624・6602)浦野コーチへ。 -
権兵衛トンネル開通後1年~文化交流~
伊那市のみはらしファームであった権兵衛トンネル開通1周年記念イベント。「木曽のなァ、中乗さん…」と伊那に木曽節が響いた。
権兵衛トンネル開通をきっかけに、合唱、民謡、食文化、スポーツなどさまざまな分野で地域住民同士の交流が目立つようになった。「せっかく始まった交流。これからも続けたい」と交流を通した地域発展への期待も込める。
伊那で木曽節を披露する機会が多くなった木曽踊保存会の田沢博会長=木曽町=は「トンネルが開き、みはらしファームや伊那中央病院などに来る会員がいる。生活道路になりつつある」と話す。
新年度事業で、木曽町の旧市町村単位にある民謡を集めて交歓会を開く計画で「伊那節の皆さんにも声をかけたい」と考えている。
「木曽町の福島関所まつりなどで伊那節も披露されている。双方のイベントなど機会をとらえて交流し、衰退していくまちの発展につなげたい」と楽しみにしながら伊那へ来る。
伊那、木曽の両地域で、それぞれ開かれる音楽祭には、相互に合唱グループや小学生らが出演。無理せず、継続できるような形が定着しつつある。
伊那のスプリングコンサートや「い縲怩ネ音楽祭」に参加した木曽の小学校関係者は「伊那の子どもたちのレベルは高く、参考になる」と話した。コンサートを企画するNPO法人クラシックワールド事務局長北沢理光さんは「お互いに刺激を受ける」という。
昨年6月の権兵衛トンネル開通記念の「手づくりの第九演奏会」には、伊那、木曽の両地域から一般公募した団員約300人がステージに立った。
開通前は別々に練習していたが、開通後は一堂に集まり、完成度を高めた。
団員は合唱に限らず、ソースかつどんやそばを食べに出かけたり、木曽から伊那に来て忘年会をしたりと地域の情報を交換する場にもなったようだ。
また、昨年2月、高遠町で伊那谷・木曽谷そば打ち交流会があり、両地域のそばグループから約30人が集まった。
地元産そば粉を使い、辛味大根を添えた高遠そば、具を煮たなべでひと口ほどのそばをゆでる投汁(とうじ)そば、つゆにすんき漬けを入れたすんきそばを用意。高遠そばを試食した木曽の参加者は「後から辛味がきて、おいしい」、木曽のそばに、地元住民は「すんきそばはすっぱいと思ったけど、さっぱりしている」と互いのそばを食べ比べた。
その後、高遠町の山室そばの会メンバーらが木曽ふるさと体験館=木曽町=に出向き、投汁そばを味わった。
同会は「トンネル開通で、交流のきっかけができた。これからも続けたい」と食文化での地域の活性化をねらう。
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木曽に本部を置く「kanaバレエスタジオ」の国崎智絵さん=木曽町=は昨年7月から、伊那市生涯学習センターで教室を開いている。
「トンネルが開いて近くなった。一人でも多くの人に、バレエの基礎を学んでいただきたい」と始め、地元の小学生や一般の約10人に指導。
月4回のペースで、木曽から約45分かけて通う。「大雪の日は、電車を使って塩尻経由で来た。やっぱりトンネルを利用すると便利」と木曽竏宙ノ那間の近さを実感した。
4月、木曽で開くスタジオ発表会には、伊那の生徒も出演するそうで、木曽と伊那の生徒同士が交流する場を持つ。
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さまざまな催し物を企画する県伊那文化会館にも、木曽からの来館者が増えた。
トンネル開通を機に、木曽の学校や木曽文化公園などにポスターやチラシを持ち込み、イベントをPR。開通前、ほとんどいなかった木曽からの観客は、開通後、千人規模のイベント(昨年秋縲・月)で30人ほどが入り、宣伝効果は表れている。プラネタリウムにも、小学生がクラス単位で年間に何度か訪れた。
「トンネル出口から近いこともあり、音楽や演劇に興味がある人は来館する」と利便性を挙げる。
一方、伊那市生涯学習センターは、木曽からの観客がいるものの「思った以上に、集客に結びついていない」。
今後、木曽へのPR方法を検討し、人を呼び込み、地域に潤いをもたらすことができればと考えている。 -
【権兵衛開通1年~その後の地域~(農産物交流)】
伊那地域の人にも木曽の赤カブを知ってもらおう竏秩B昨年11月、木曽の赤かぶの継承と特産品の開発に取り組む「木曽赤かぶネット」のメンバーは、「木曽の赤かぶフェアin伊那」を伊那市内で開いた。トンネルの開通に合わせた初の試みだった。PR販売で伊那地域の消費者と触れ合った赤かぶネット代表の西尾礼子さん(66)は「互いの地域にない農産品や特産品が行き来するようになればいいですね」と期待を込めた。
実際、権兵衛トンネルを通じた農産物交流はすでに始まっている。
トンネル開通以降、木曽から足を運ぶ消費者が増えた伊那市ますみヶ丘の農畜産物直売所「グリーンファーム産直市場」には、農産物を持ち込む木曽地域の生産者も増えている。現在、直売所の利用者登録をしている生産者は3人。しかし、キノコや山菜の時期には飛び込みで持ってくる人も多いという。
小林史麿代表は「今は農産物がない時期だが、カブの時期には、生産者が毎週カブを持って来ていた。『こんなものが売れるかと思って持ってきた農産物がみんな売れてしまった』と話す生産者もいる。今年はこういう人がもっと増えると思う」と語る。
店頭には、木曽の特産品である赤かぶの漬物やすんき漬けも置いているが、売れ行きは上々だという。
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一方、上伊那の生産者にとっても、木曽地域は地元農産物をPRする新天地となり得る。
基本的に農地の少ない木曽地域では、一人当たりの耕作規模も小さく、出荷のために農産物を生産している農家が少ない。主要品目はハクサイ、スイートコーン、インゲンなどに限られているが、地場消費に充てる程度の農産物を生産する地元農家が多く、こうした生産者が農産物を販売する手段として直売所活動が活発化。ウメ、ブルーベリー、リンゴ、花きなど、さまざまな農産物が直売所を通じて販売されている。しかし、こうした農産物は絶対量が少ないのが実情。
木曽農林振興事務所の職員は「果樹関係については、一部で生産している人もいるがほとんどが贈答用。昨年は三岳の直売所が下伊那の果樹生産者と提携して果物を販売した経緯もある。こちらの地域で弱い果樹関係や、生産されていない品種の花などは、上伊那から持ってきても販売の余地があるのでは」と語る。
しかし、木曽町の「道の駅三岳」の農産物直売所を利用する生産者の一人、田上勘一さんは、木曽地域の直売所事情を踏まえて次のように話す。「農産物交流についてはぜひやってみたいという思いもある。しかし、その場合は流通コストに見合うような売上が必要。時期にはわざわざ名古屋方面などから足を運んでくれるお客さんもいるが、時期外れが問題」
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そんな中、上伊那農業協同組合(JA上伊那)は、今年から本格的に農産物出荷を始めようとしている。
トンネル開通以降、JA上伊那は果樹や花などを木曽福島町にある「Aコープきそ店」などで試験的に販売してきた。木曽農業協同組合(JA木曽)が企画した地元イベントでは、上伊那の特産品として売り出している「すずらんのむヨーグルト」の試飲会を実施。あっという間に売り切れて好評だったという。
JAでも互いの地域にない農産物に関してはニーズがあると見込んでおり、地域間連携で農畜産物をやりとりしていこうとしている。
現在、Aコープきそ店は、別の地域で生産しているヨーグルトを販売しているが、今後はJA上伊那のヨーグルトに切り替える予定だという。