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牧草収集機械研修会
上伊那畜産振興協議会は18日、牧草収集機械の研修会を南箕輪村の採草地で開いた=写真。県内の畜産家や酪農関係団体、信州大学農学部の学生など約30人が参加し、実演を交えながら機械の作業性について話し合った。
国際競争の中、畜産分野でも低コストで労力負荷の少ない生産が必要となっており、大規模畜産農家経営においては、自給飼料の生産の効率化が重要な課題。そんな中上伊那では03年から、牧草の収穫作業を効率的にできる新しい機械の導入が進んでおり、現在県内にある9台全てが上伊那で使用されている。今後は、県内全域でこれらの導入が進むと考えられ、メリットや使い方を知ってもらいながら、導入の参考にしてもらおう竏窒ニ、研修会を企画した。
この日紹介した3台は、従来、別々の機械で行わなければならなかった牧草をロール状にする作業と、ロールをラップする作業を行うことができる。労働力の軽減を実現した農家も多く、実際に使用している畜産農家のアンケートで「牧草の耕作面積を増やした」という意見もあった。 -
南アルプスの紅葉始まる
朝晩の寒さを感じるようになり、南アルプスなど、各地の山々が紅葉で色付き始めた=写真。
ミズナラやカエデなど、さまざまな広葉樹がある伊那市長谷の浦国有林では、白い岩肌が見える頂に生えた木から紅葉が始まっており、別名ミツバハナとも呼ばれるメグスリノキは、鮮やかな紅色に変化。 -
伊那消防組合集団災害救急救助訓練
伊那消防組合の合同集団災害救急救助訓練が17日、伊那市の旧中央病院跡であった。大規模火災を想定し、伊北4消防署、伊那中央病院関係者など総勢90人が参加。日ごろの経験に基づくさまざまな行動を展開しながら、今後の課題を考えた。
参加者にあらかじめ訓練の想定を明かさず、参加者が現場を判断しながら行動を展開していくロールプレイング方式での合同訓練は2年目。本部が思うように機能しなかった昨年の反省から、今年は指示系統を設け、命令がスムーズに通るようにした。
訓練は、伊那市内の5階建てのホテル1階の厨房より出火し、煙が充満する建物の上階へと20人以上の要救助者が逃げたことを想定。周辺消防署に協力を要請し、はしご車で逃げ遅れた人を救出したり、運び出した負傷者の応急処置に当たった。また、救助者の緊急度や重症度に応じて治療や病院搬送の優先順位を決めるトリアージも実施した。
早川消防本部消防長は「行方不明者の確認が遅れたことや、一気に集まった情報に、本部の情報処理が追いつかなかったことなどは今後の課題。それぞれ時間をかけて対応していきたい」と語った。 -
うみがめ放流体験発表会
伊那青年会議所主催の小学生対象「うみがめ放流体験会」の体験発表会が15日、伊那市の富県ふるさと館であった。アカウミガメの放流を体験した子どもたちが、命の大切さやカメの赤ちゃんのかわいさなど感じたことを発表しあった。
体験会は、遠州灘でアカウミガメの卵を保護し、ふ化した子ガメを海に帰す活動をするNPO「サンクチュアリジャパン」を手伝い、子どもたちがカメの放流をする。
今年は「見て、聞いて、触れて、感じて、伝えよう!」をテーマに事前交流、体験、体験発表会の3回シリーズ。伊那市近隣市町村の小学1年から6年まで68人が参加し、9月23日の体験会はバスで静岡県浜松市の遠州灘海浜公園・中田島砂丘に行き、11班に分かれて各班1、2匹のカメを放流した。
発表会では、班ごとに感想を模造紙にまとめ、「思っていたよりもカメが小さくてかわいかった」「体験をして命の大切さがわかった」「これからごみを捨てたりしないようにウミガメのことを考えて生活したい」など、貴重な体験を通して命の重み、自然環境など子どもたちが感じ、考えたことを発表した。 -
後藤監督の長編映画 タイトルは「Beauty」
伊那市出身で、飯島町在住の後藤俊夫監督(67)がメガホンを取る長編劇映画のタイトルが「Beauty(ビューティー)竏樗・オきもの」に決まった。13日、下伊那郡大鹿村で記者会見し、後藤監督が発表した。
これまで「村歌舞伎一代」を仮題にしてきたが、伊那谷の自然や地芝居を伝承する人々の心の美しさを強調。若い世代にもターゲットを置きたいとの意向もあり、ローカルな感じを全国・世界発信用に切り替えた。
映画は、昨年秋から四季折々の風景を撮影し、11月からは役者を交え、子ども時代のシーンから撮る。撮影場所は、上・下伊那の各市町村から要望があった個所を事前に見て回り、伊那市長谷の熱田神社、下伊那郡清内路村のミズナラなどをピックアップ。07年5月までに撮影を終え、秋以降に全国上映する予定。
記者会見では、準主役の歌舞伎俳優・片岡愛之助さんの起用や、主人公の少年時代のクラスメートの子役も発表した。
クラスメート35人のうち上伊那の小中学生は3分の2を占める。主人公の子役は、踊りのけいこが必要であるため、地元からは選ばなかった。
映画は、昭和10(1935)年、信州の小さな村が舞台。主人公の木地師半次が地芝居を通して友情をはぐくむ青春時代から、シベリア抑留の過酷な戦争体験や親友の死などを経て地芝居を再興、継承していく物語。主役は、歌舞伎俳優の片岡孝太郎さん。
後藤監督は「村歌舞伎を伝承する人々の魂を見直す機会にしたい」と述べた。
製作費は2億円。寄付金5千万円を目標に置いていたところ、10日現在で4900万円が地元企業や地域住民などから寄せられた。
子役は次の皆さん(上伊那関係分)。
金沢智奈、川澄拓夢(以上辰野東小)岩田翠、松本綾菜、松下一花、丸山菜美、林珠希(以上飯島小)木下柊平、大日方和(以上西箕輪小)安藤友里、福沢愛香、鈴木颯太(以上伊那小)北原亜美(箕輪北小)松村大樹(七久保小)幸村響(赤穂中)柴明子、中村彩夏(以上西春近南小)小池愛海(伊那東小)原風音(南箕輪小)宮島亮太、平沢水喜(以上中川東小)遠藤巧也(伊那北小)春日啓志(赤穂東小)岡田萌(赤穂小)
撮影に当たり、村歌舞伎を見る観客役のエキストラ500人を募集している。
撮影は11月19日、下伊那郡大鹿村の大磧神社である。午前7時半縲・時に大鹿小学校体育館へ集合。撮影は午後4時半終了で、途中参加や退場はできない。
服装は昭和10年代をイメージしたもの。
問い合わせは、伊那市・飯島町が各市町の募集担当窓口、そのほかは大鹿村教育委員会エキストラ募集担当窓口(TEL0265・39・2100)。
タイトルを発表する後藤監督 -
もっと輝け!中小企業(1)
上伊那で輝いている中小企業経営者の・ス元気・スの秘訣を探り、地域産業の活性化に結び付けよう竏窒ニ、03年4月から05年3月まで「上伊那・輝く!経営者キャンペーン」が展開された。産学官でつくる推進委員会(委員長=三井貞明元養命酒工場長)が中心となり、2年間のキャンペーン期間中に、約100人の「輝く経営者」を伊那毎日新聞紙面やケーブルテレビ3局を通じて紹介するとともに、シンポジウムや表彰式、ミニ見本市などを開催。元気でユニークな経営者たちの経営手法、経営理念などに学び、上伊那および信州の産業のあるべき姿、進むべき道を探ってきた。
同キャンペーンの背景には、県内企業の経営者や県知事らによる「信州ものづくり産業戦略会議」が02年に発表した提言や、上伊那の産学官でつくる「上伊那地域の新しい産業像及び振興策調査研究委員会」の提言があった。
両提言は「健康・福祉」「環境」「教育」にリンクした信州らしい「製造業」「観光(商業)」「農林業」のあり方や、「上伊那の地域特性」に沿った産業振興を強調。
「上伊那・輝く!経営者キャンペーン」はこれらの提言の有効性を証明する結果にもつながり、各層各界の注目を集めた。
このキャンペーンの・ス果実・スを多くの人々に還元しようと、伊那毎日新聞社はこのほど、キャンペーンで紹介した元気な経営者約100人を一挙に掲載した書籍「信州伊那谷からの挑戦」を「いなまい叢書」第2弾として発刊した。
この本に登場する経営者たちの「元気」の秘訣を産学官それぞれの立場から裏付けてもらい、改めて上伊那の産業モデルをさぐってみる。 -
シートベルト県内着用率調査結果
長野県は11日、9月25日から29日に県内の各市町村で実施したシートベルト調査結果を発表した。上伊那地区の市町村では、箕輪町が総合着用率ベスト10に100%で同率1位8町村の一つ、南箕輪村は93・9%でワースト10の10位だった。
調査は各市町村で地域内交通の多い地点1カ所(人口5万人以上の市は原則2カ所以上)、計97カ所で車両1万2508台を対象にした。着用率の最高は100%、最低は上田市で89・7%だった。
着用率ワースト10位の結果に対し南箕輪村の加藤久樹助役は、「村や村交通安全協会がマナーを守るよう呼びかけているが、なかなか徹底されず大変に残念な結果。自分のためだと思って着用してほしい。今後も呼びかけをし、徹底を図りたい」と話した。 -
演劇舞台演技セミナー 高校生ら・ス間・スの使い方学ぶ
伊那市の県伊那文化会館は9日、演劇舞台演技セミナーを開いた。上伊那の高校生ら約40人が参加し、県松本文化会館附属劇団の指導、演出を手掛ける指原和子さん=安曇野市=から基本を学んだ=写真。
同地区高校演劇合同発表会を前に開く恒例のセミナー。辰野、上伊那農業、伊那西、赤穂高校などの演劇部員、顧問のほか、一般参加者などが集まった。
指原さんは、演劇の楽しさについて話すと、台詞やしぐさなどの基本について指導。実際に舞台の上を歩いたりなどの空間を使った表現方法も教えた。
演技の・ス間・スの使い方では、「息継ぎの間」「期待を持たせる間」「強調の間」などの種類があると説明。「いろいろな台詞を生き生きさせたい時は、一つ間を取ることで相手に印象を持たせることができる」と話していた。 -
東京音楽大学校友会県支部 伊那で美しい音色披露
東京音楽大学の校友会県支部(市瀬益治支部長)の定期演奏会が8日、伊那市の県伊那文化会館であった=写真。県内出身の卒業生、在校生ら17人によるピアノ、バイオリンなどの演奏が集まった約400人を魅了した。伊那毎日新聞社など後援。
ヴィオラ奏者の宮坂千夏さん(伊那市)、ピアノ奏者の井澤久美子さん(駒ヶ根市)、中坪恵さん(南箕輪村)ら、上伊那出身者は6人が出演。宮坂さんと井澤さんは「ヴィオラとピアノのためのソナタop・11‐4」を演奏した。
同大学教授の釜洞祐子さん(声楽)、同講師の御邊典一さん(ピアノ奏者)のゲスト演奏では「オペラ『ミニョン』より・ス私はティターニア・ス」を披露した。
演奏会は県内4地区を順番に回り10回目となる。 -
犬のしつけ方教室実技開始
県動物愛護会上伊那支部と伊那保健所が共催する「犬のしつけ方教室」の実技講習が9日、県伊那文化会館東側多目的広場で始まった=写真。学科講習を既に終え、実技は10月29日までの全4回を予定。「おすわり」「待て」などの基本的なしつけ方法を学んでいく。
この日は、上伊那から11組の受講生が参加し、リードの付け方、飼い主と一緒に並走する方法を学習。最初は犬同士が吠え合い大騒ぎだったが、県家庭犬インストラクターら7人の指導で、参加者の指示通りに犬も歩くようになっていった。
関係者は「人間社会で犬と一緒に生活できるようにしつけする必要がある。最近は我が子のように溺愛してしまうケースが多く、しつけができていないケースが多い」と話す。
柴犬の「モモ」ちゃん(生後8カ月)と参加した、川上照子さん(53)=伊那市上牧=は「飼い主が無知でもいけない。ただかわいがることは、犬にとっても人にとってもよいことではない」と講座に取り組んでいた。 -
県議選 小原派後援会長に前林氏
県議選上伊那郡区に出馬表明した現職の小原勇氏(58)=県民協働・無所属ネット、宮田村=の後援会「勇NET(ゆうねっと)」は、来春の選挙に向けて新たな後援会長に前林善一氏を選んだ。
前林氏は村商工会長。前会長の清水靖夫氏が村長に就いた関係などから退いたことに伴い、8日の役員会で選任された。
事務局長も加藤恭一氏から城倉栄治氏に交代した。 -
県内外の強豪と熱戦 ケーブルテレビ杯ミニバス大会
第4回ケーブルテレビ杯争奪ミニバスケットボール選手権大会が9日、伊那市の県勤労者福祉センター体育館など3会場であった。地元を中心に、県内外から28チームが男女の2部門へ出場、それぞれでトーナメントを繰り広げた=写真。伊那ミニバスケットボール連盟主催、伊那毎日新聞社など後援。
選手たちは保護者の声援や監督のげきを受けながらコート内を動き回り熱戦。全力疾走でゴールを目指したり、3点シュートを狙ったりと、息の合った連携で目まぐるしい攻防を見せた。
上伊那のケーブルテレビで10月下旬縲・1月初旬にかけて、決勝戦を中心とした録画中継を放送する。
結果は次の通り。
▽男子 (1)安曇野(2)松本清水(3)箕輪(4)駒ヶ根
▽女子 (1)長久手(愛知県)(2)伊那ミニ(3)箕輪健全(4)伊那北 -
飯田・伊那地区少年野球大会 伊那市で熱戦展開
第5回飯田・伊那地区少年野球大会が7、8日、伊那市の富士塚スポーツ公園グラウンドなどであった。=写真。両地域のスポーツ少年団などが白熱のトーナメントを繰り広げた。飯田・伊那地区少年野球連盟(宮原崇連盟会長)の主催。
野球の試合を通じて、互いの地域の児童たちの交流の和を広げることを目的とした大会。毎年交互に行き来して開いている。
初日は、上伊那8チーム、下伊那8チームの計16チームが同グラウンドと美篶スポーツ公園で1、2回戦を戦った。児童たちは友人や保護者の声援を受けながら、全力で走ったり、打ったりして勇姿を見せていた。
8日は、手良総合グラウンドで準決勝、決勝戦を開いた。
結果は次の通り。
(1)伊那北スポーツ少年団(2)伊那中部スポーツ少年団(3)竜東スポーツ少年団、伊那スターズ -
NTTカップドッジボール大会
第17回NTT東日本カップドッジボール県大会中南信地区大会が7日、伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館などであった=写真。小学4縲・年の男女千余人、計68チームがエントリーし、県大会出場を目指して熱戦を繰り広げた。NTT東日本長野支店の主催。
男子の部37チーム、女子の部32チームがそれぞれトーナメント。攻守の入れ替わりが激しい、目まぐるしい試合に会場がわいた。時には全力で放たれたボールに飛びつく勇気あるプレーもあり、保護者らから歓声もあった。
各部の上位8チームは11月5日、長野市である県大会へ出場
県大会出場は次のチーム。
【男子の部】(1)松本バージョンアップ(松本市立寿小)(2)神風の竜丘魂(飯田市立竜丘小)(3)さすらいの竜丘魂(同)(4)ドッジやろうぜ(安曇野市立明南小・穂高北小、北安曇郡小谷小)(5)原ストライクイーグルス(原村立原小)座光寺DBCリアル(飯田市立座光寺小)南小ハトポッポ(南箕輪村立南箕輪小)キングファイターズ(飯島町立飯島小・七久保小)
【女子の部】(1)竜丘魂(飯田市立竜丘小)(2)南小アタッカーズ(南箕輪村立南箕輪小)(3)箕輪パワフルファイターズ(箕輪町立箕輪東小)(4)辰西サプライズ女子(辰野町立辰野西小)(5)田もさんファンクラブ19(下條村立下條小)座光寺DBCスターズ(飯田市立座光寺小)Cherry blossoms fighters(高森町立高森南小)ドッジだいすき(安曇野市立明南小・穂高北小、長野市立若槻小) -
入笠牧場で下牧始まる
伊那市高遠町の入笠牧場で5日、牛の下牧が始まった。4カ月間伸び伸びと過ごした牛たちは広大な草地との別れを惜しむように下山した。
放牧は丈夫な乳牛の育成や種付け、酪農家の労力軽減が狙い。今季は南信地方の酪農家42軒から希望を受け、ホルスタインや黒毛和種162頭を放した。
降雨日が少なく高温が続いた影響で牧草の伸びが悪い上、鹿に食べられたことで乾草を与えて補ったため、「健康状態が良くない牛も見受けられた」。例年、下牧時には平均40縲・0キロ体重が増えるという。
JA上伊那職員や酪農家など関係者約50人が作業。妊娠鑑定や体重測定、駆虫剤の投与などをして下牧させた。初日は約70頭で、2日かけて全頭を下ろす。 -
新地域食材の開発・ブランド化セミナー
上伊那で生産される新たな地域食材を活かした食べ方の提案を行い、学校給食への普及と特産品づくりの方向性を模索してもらおう竏窒ニ5日、「新地域食材の開発・ブランド化セミナー」が、伊那市の女性プラザであった。上伊那管内の学校栄養士など約70人が参加し、蓼科高原のフランス料理店・エスポワールのオーナーシェフ・藤木徳彦さんから、エゴマやダチョウ肉などの調理方法を学んだ=写真。
遊休荒廃農地の解消などを目的として新たに作られるようになったエゴマやアマランサスをはじめとする新食材などの食べ方を提案するセミナーで、今年は、上伊那が重点振興品目として生産しているブロッコリーや白ネギ、ブナシメジなどポピュラーな食材も用いたメニューとした。
藤木さんは、駒ヶ根市や中川村で生産されている信州黄金シャモのポワレに、アマランサスを合わせた料理など、7品目を紹介。
「地元食材を食べ方の提案方法の違いにより、いくらの付加価値を付けることができるかを考えてほしい」と語り、料理を提供する対象者によっても、その調理方法を変えていく必要があることを訴えた。
出来上がった料理は好評で、「ダチョウは少し癖があり淡白なイメージがあったが、調理方法でそれも解消することが分かった」などといった感想が挙がった。 -
天竜川の護岸など強化へ 激特・助成事業採択
7月豪雨災害で被害を出した諏訪湖、天竜川の治水対策として、「諏訪湖・天竜川河川激甚災害対策特別緊急事業」と「天竜川河川災害復旧助成事業」が4日、採択された。諏訪湖の水位上昇による浸水被害を防ぐため、天竜川の流下能力を高め、釜口水門の最大放流量をこれまでの毎秒400トンから同430トンへ引き上げる。
国土交通省・天竜川上流河川事務所の発表によると、激特事業は2010年までの5年間で採択事業費は142億円、助成事業は09年までの4年間で同34億円。関係者は「7月豪雨災害が再度襲来しても、家屋浸水被害は解消される」とした。
天竜川は水門からの放流と支流から流れ込む水の量に対応するため、横川川合流点(辰野町)までの県管理区間(約11・5キロ)を助成事業で、三峰川合流点(伊那市)までの国管理区間(約20キロ)を激特事業で改修。それぞれで河道掘削、護岸強化などの工事を実施する。
国管理区間では橋梁補強もあり、今のところ天竜橋(南箕輪村、伊那市の境)、明神橋、水神橋、中央橋(以上同市)など6個所を予定している。
天竜川上流河川事務所は大学教授など治水関係の専門家でつくる、箕輪町の堤防決壊などをはじめとする河川災害の対策検討組織「天竜川上流域豪雨災害対策検討委員会」での提言を詳細設計に生かしていきたいとしている。 -
日本山岳写真協会南信支部
第12回写真展「貌(かたち)・季節の中で」9日まで日本山岳写真協会南信支部(津野祐次支部長)の第12回写真展「貌(かたち)・季節の中で」が3日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。長野県内の山を中心に美しい大自然を撮影した写真が来場者を魅了している。
南信支部は会員20人。「貌」を課題に年1回、写真展を開いている。今年は17人が出品し、全紙、全倍を中心に61点を展示。昨年から今春にかけて撮影した成果を発表している。春から冬まで順番に並べ、写真1枚1枚はもちろん、微妙な季節の移り変わりも楽しめる。
会員は、各自のテーマを持って自分の求めるものを撮る人、山に行きながら楽しんでそのとき出合ったものを撮る人などそれぞれのスタイルがあり、「去年よりいいもの、今年よりもっといいもの」と創作活動している。
「山岳の自然は、自然という名の彫刻家が創り上げた造形的な被写体で、芸術的見地からも面白い被写体。1度しか見せない瞬間を捉え、発表している。ぜひ見てほしい」と話している。
展示は9日まで。9日午後2時から、津野祐次さんのライブトークもある。 -
体育指導委員協議会女性体育指導委員研修会
第11回長野県体育指導委員協議会女性体育指導委員研修会が30日、南箕輪村の村民体育館であった。県内の女性体育指導委員など約70人が集まり、リラックス体操や上伊那踊りのメドレーに挑戦した。
研修は質の高い指導力や実践力をやしなうことを目的としたもので例年県内各地で開催してきた。
上伊那での開催となった今年は上伊那の女性体育指導委員ら27人が「上伊那い縲怩ネ心も体もリラックス」をテーマとした研修を企画。上伊那で取り組まれている踊りを取り入れるなどして“上伊那らしさ”をPRしたり、マレットゴルフに挑戦することで、南箕輪村の自然の良さを実感してもらえる内容とした。
リラックス体操では女性を装った男性体育指導委員が、テレビ番組から広まった体操を指導。会場の笑いを誘い、参加者の緊張をほぐしていた。 -
和紙ちぎり絵展
伊那市通り町のニシザワデパート4階で30日から、和紙ちぎり絵展が始まった。水彩画のような画風が特徴で、花や風景など新作180点が並ぶ。1日まで。
ちぎり絵「しゅんこう」認定講師の中村早恵子さん=御園区=の指導を受ける県の老人大学修了生の「七絵会」「二千絵会」と、地域で開く「御園教室」の合同作品展で、75人が出品した。
富士山や樹木を題材に、4枚を一つの額に収めて新緑、紅葉など四季の移ろいを表現したり、源氏物語を創作したりと工夫を凝らしている。
そのほか、思い出の写真からキャンプファイヤーの様子を作品に仕上げた「駒ケ根高原の夜」、まさかりを担いだ「金太郎」、「鯉の滝のぼり」「ばら」「月見」などバラエティーに富む。中には、ちぎり絵を取り入れた「秋色の街」のランプシェイドも。
中村さんは「男性を含め、意欲的に取り組んだ作品がそろった。指先で表現できる楽しさ、和紙のすばらしさを感じてほしい」と話している。
1日は午前10時縲恁゚後5時。実演コーナーもある。 -
広域連合ごみ処理施設用地候補の一案示す
伊那市美篶下川手区の臨時総会が28日夜に開かれ、上伊那広域連合が計画しているごみ処理施設の用地候補の一案として、伊那中央清掃センターに隣接する南側を示した。「意見統一には勉強不足」として、次回以降の臨時総会で区としての方向を出すことになった。
用地候補として複数区で説明会が開かれているが、下川手区で区民を対象にした説明会は初めて。非公開だった。
広域連合の斎藤秀夫事務局長らが説明に当たり、メリットとして▽現施設の敷地を利用でき、建設コストが安くなる▽循環型の施設を建設した場合、補助金が活用できる竏窒唐ー「広い見地に立って考えてほしい」と要望した。
終了後、区関係者によると、用地選定に対して区内には賛否両論ある。判断材料が足りず、出席も266戸のうち84戸で、委任状が3分の2を占めたことから、個々で判断する期間を置いた。次回(10月)の臨時総会には、区内25班の班長を通じ、区民に出席を呼びかける。
当初、07年度の稼働を目指していたが、用地選定が難航し、遅れている。
昨年12月、6区1常会の執行部らでつくる中央清掃センター地元対策委員会で「地元での建て替えはないのか」と意見が挙がったことから、広域連合は8月、対策委員会へセンターに隣接する案を示した。
地権者はすべて下川手区の区民10人余で、ほとんどが水田。
広域連合は清掃センターの敷地面積1万平方メートルで、新しい処理施設は2万5千平方メートルを確保したいとしている。
用地選定から稼働まで4縲・年かかるという。 -
新三峰川講座
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所主催の第11回新「三峰川講座」が24日、伊那市役所であった。約30人が、「地層が語る伊那谷の生い立ち」を地質区分ごとの岩石などを写真で見ながら学んだ。
講師は元中学校理科教諭で伊那谷自然友の会会員の寺平宏さん。
糸魚川静岡構造線、中央構造線、仏像構造線を説明し、自身が撮影した写真などを映しながら領家帯には花崗岩や片麻岩、三波川帯には緑色片岩や黒色片岩など、地質区分ごとに岩石を紹介した。
約250万年前に伊那谷・天竜川が誕生し、年代に新しくなるにつれ南アルプス、中央アルプスの隆起、段丘の形成などがあったことなども話した。 -
第18回光風会工芸部長野支部展
伊那市の県伊那文化会館で10月1日まで、第18回光風会工芸部長野支部展が開かれている=写真。陶芸、七宝、染色などの一線で活躍する県内作家の作品約60点が、訪れた人たちの目を楽しませている。
隔年で開催する支部展を県伊那文化会館で開くのは3回目。東京都美術館で開かれる光風会展に出展した作品が中心で、一人が1、2点を出展ている。
1912年から続く光風会からは、多数の著名作家も輩出されており、若手からベテランまでが活躍している。各作家は、作品製作を通して新らたな分野に挑戦しており、個性豊かな作品が並んでいる。
和泉清支部長は「地方ではなかなか見られない大きな作品もそろっているので、ぜひ大勢の人に見に来てほしい」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。 -
伊那・駒ケ根地区の電話応対コンクール
日本電信電話ユーザ協会伊那と駒ケ根地区協会は27日、伊那市の「かんてんぱぱホール」で電話応対コンクールの地区大会を開いた。上伊那の11事業所から22人が出場、青木智さん=伊那食品工業=が優勝を決めた。
コンクールは、企業の顔となる電話受け付けの対応の重要性を認識し、営業やコミュニケーションスキルの向上を図るねらい。
信越放送テレビ編成局アナウンス室長ら4人が音声表現力、コミュニケーションスキル、営業スキルなど5項目で「顧客満足度」を審査した。
競技時間は3分間で、参加者は模擬セットを使い、客からのクレームに対して謝り、営業につなげる応対に当たった。
初出場で優勝した青木さんは「賞をいただけると思っていなかった。練習を重ね、いい応対を心がけたい」と信越大会への抱負を語った。
審査委員長の那須重信さん=NHK文化センター講師=は、講評で▽文章の意味を伝える▽書き言葉でなく、話し言葉で会話する竏窒ネどをアドバイス。「相手に伝わる会話を考えてほしい」と呼びかけた。
上位3位の入賞者は10月18日、新潟市で開かれる信越ブロック大会に出場する。
優勝以外の結果は次の通り(敬称略)。
(2)金子英明(中部電力長野支店伊那営業所)(3)有賀香奈子(トヨタUグループ)(4)中村一美(ルビコン)(5)畠中より子(中電長野支店伊那営業所)(6)井原直子(ルビコン) -
第27回上伊那地区高校演劇合同発表会
第27回上伊那地区高校演劇合同発表会(上伊那地区高校演劇連盟など主催)は24日、伊那市の県伊那文化会館大ホールであった。上伊那の5校が出演し、熱演を繰り広げた。
出演は赤穂、上伊那農業、伊那西、伊那弥生ヶ丘、辰野高校。各校の上演時間は1時間で、人間の奥底に眠る差別意識、環境問題、高校を舞台にテストの有無を考えるなど、さまざまテーマの作品を演じた。
演出家の飯島岱さん、舞台美術家で昭和音大芸術運営学科講師の和田平介さんが講師を務め、各舞台の終了時に講評した。
県合同発表会(11月4-5日、長野県県民文化会館)の予選会も兼ね、伊那弥生ヶ丘高校が出場校に選ばれた。 -
上伊那のいも焼酎原料 箕輪町を皮切りにイモ掘り
いも焼酎の原料となるイモ掘りが23日、上伊那地区では箕輪町を皮切りにはじまった=写真。本年度は、上伊那産のサツマイモを使った焼酎「伊那八峰(仮称)」の販売を同地区の酒販売店有志が計画しているため、イモの出来上がりに注目が集まっている。
本年度から販売に向け、全8市町内で生産者組合員やボランティアらが焼酎の原料「黄金千貫」などの苗を植えた。総収穫数量は推定200トン。その一部で、各市町村産の焼酎、合計約1万6千本(1本720ミリリットル)を「喜久水酒造」(飯田市)が製造する。12月上旬発売予定。
町では昨年に比べて約20倍となる7万本の苗を町内10個所のほ場、計約5ヘクタールへ植えた。上伊那の中では植付けが最も早かったため、この日は木下のほ場で、町焼酎いも生産組合員と、町内の酒販売店5店舗5人の計15人がイモ掘り作業をした。
本年は低温、日照不足などで収穫量は少ない見込みだが、柴正人同組合長は「生産者と販売者が気持ちを一つにして、安定した販売を目指したい」と意気込む。酒販売関係者も「生産者が大切に育てたものを精一杯努力して販売していきたい」と話していた。 -
伊那弥生が代表決定戦へ
第115回秋季北信越地区高校野球県大会は23日開幕し、長野五輪、県営長野、県営上田の3球場で1回戦8試合があった。伊那弥生ケ丘は田川を2竏・で下し、代表決定戦に駒を進めた。
【長野五輪スタジアム】
伊那弥生
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田 川
○…投手戦となった接戦を伊那弥生は9回、敵失に乗じ2点をもぎとって制した。投げては主戦平澤が9奪三振、6安打に封じて完封した。
打線は得点機に決定打に欠けるなど5安打に抑え込まれて平澤を援護できなかったが、9回、四死球で二死一、二塁に、小島の遊ゴロが敵失を誘い、二走唐澤、一走春日が生還した。平澤は再三得点圏に走者を背負いはしたものの、要所できっちりと締めてピンチをしのいだ。 -
県書道展伊那地区展
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第59回県書道展覧会伊那地区展が22日、県伊那文化会館で始まった。上伊那の小中学生、高校生、一般から応募のあった931点の中から入選作品917点を展示、県下巡回作品約60点なども並ぶ。24日まで。県教育委員会、県書道協会などの主催。
漢字、漢字系調和体、かな、篆刻、刻字などを出品。伊那地区は他地区と比べて会派が多いため、一般作品は作風もバラエティーに富み、見所の多い展示となっている。
審査員の一人である千葉耕風さん=箕輪町=は「年々、来場者の足が止まる作品が多くなってきている。書に興味のある人は見るだけでも勉強になると思う」と来場を呼び掛けている。
午前9時30分縲恁゚後5時30分(最終日は午後4時)。入場料無料(パンフレット代300円)。 -
「飲酒運転撲滅」へ啓発
秋の全国交通安全運動が21日、30日までの10日間の日程で始まり、全国的に問題となっている飲酒運転の撲滅が重点事項に急きょ加えられるなど、期間中事故防止に向けた啓発活動が展開される。伊那、駒ヶ根の両警察署は管内で人並作戦や交通安全パレードなどをして、交通安全に対する意識の高揚を図っていく。
スローガンは「信濃路はルールとマナーの走るみち」。「高齢者の交通事故防止」を基本重点にし、▽夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽後部座席を含むシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽重大事故につながる飲酒運転の撲滅を推進する。
伊那署管内では初日、各地で出発式をして街頭指導所を開設した。市役所前では署員、交通安全協会員、交通指導員ら関係者が参加して人並作戦を実施。車道両側に上り旗を立て、ドライバーに啓発用グッズを手渡して安全運転を呼びかけた。
管内で発生した今年の人身事故は20日現在で、昨年同期比84件減の364件、うち死亡事故は3件増の5件で、単独事故が目立っている。駒ヶ根署管内は10件増の185件で、死亡事故はなく、傷者は3人増の253人。女性が第一当事者となる事故が増えている。 -
7月豪雨災害の教訓
上伊那各地に大きな被害をもたらした7月の梅雨前線豪雨災害から2カ月が経過。災害復旧も徐々に進んではいるが、恐ろしい土石流や堤防決壊などの記憶は住民の脳裏からいまだに消えない。そんな中で、今回の災害を教訓として生かそうと、信州大学農学部の木村和弘教授=伊那市西箕輪梨の木=は、7月豪雨当時の自宅裏山の出水状況や住民の防災行動などをまとめた記録を基に、いま改めて「住民ができること」「行政がすべきこと」などを訴える。特に・ス切り捨て間伐・スで山林に放置されている伐倒木が土石流を誘発するとして、有効な処理を求めている。
近年、住民の防災に対する意識も徐々に高まり、区や常会単位の自主防災組織が整備されてきた。今回の災害でも出水処理や避難誘導などで組織が力を発揮した。土地の地形などを知り尽くした住民自らが防災にあたることの有効性は各方面から指摘され、今後さらに組織の充実が求められる。一方、住民による対応に限界があることもまた明らかだ。
木村教授の自宅周辺の住民は、以前から大雨時に簡易雨量計(バケツなど)で降水量を測って警戒するなど、防災に対する意識は高い。過去2度の出水経験から「降水量が250ミリを超えると、裏山からの出水の可能性がある」ことを知り、住民自ら「水みち」の整備や落葉落枝の除去などを行っている。
以下、木村教授の記録に沿って七月豪雨時の住民の行動などを追ってみる。
◇ ◇
7月16日夜半から豪雨となり、17日朝までの降水量は簡易雨量計で50ミリを記録。
18日になって「裏山から出水」との連絡が住民のOさんからあった。Oさんは出水に備えて水みちを整備し、落葉落枝を除去。
出水量は徐々に増え、夜になって木村教授とMさんが水みちの整備、巡視をする。出水現場では、間伐の伐倒木に落葉落枝が絡まり、水流がせき止められている個所がいくつもあったため落ち葉などを除去。Mさんの庭から大量の水が湧き出し始めた。17日朝から18日夜半までの降水量は190ミリ。
20日になってもまだ裏山からの出水は続いたが、道路への流出はなくなる。畑法面の流出も続いた。
16日夜から21日朝までの降水量合計は150ミリ。
22日にようやく晴れ、地元住民6人で、水流で侵食された歩道や水路を補修。砂利を入れ、近所の土木業者から借りたプレート式振動締め固め機で整える。さらに、水みちをふさいでいた、間伐された伐倒木をチェーンソーで切断し除去した。
◇ ◇
以上が木村教授の記録に基づく住民の主な行動。
木村教授はこれらの体験から「今回程度の降水量のもとで、数年に一度程度の出水であれば、今回のような対処で十分と考えられるが、これ以上の降水量への対応には不安がある。自分たちで構築した水路、水みちも洗掘されているので、ある程度の構造物の設置が必要になろう」などとして、地元による対応の限界を訴える。
さらに、森林の整備方法について再検討を強く求める。
山林の至る所に見られる、切り捨て間伐による伐倒木に、大雨で発生した水流に乗った落葉落枝がつまり、水みちをふさぐ。せき止められた水はやがてその・ス自然ダム・スを崩し、勢いよくふもとの住宅地に向かって流れ出す。当然、大災害へとつながる危険性は強まる。
木村教授は「豪雨時の住民による見回りや落葉落枝の除去は今後とも必要。しかし、切り捨て間伐による伐倒木の処理は、数少ない住民の手では困難だ。伐倒木搬出などの方策が講じられなければならない」と主張。間伐の必要性は認めた上で、補助金制度もある間伐の「成果」の確認と伐倒木の処理を行政に求めている。
今回の豪雨災害では土石流や土砂崩落が多く発生し、地形を考慮した森林整備のあり方が改めて問われている。渓流筋を自然林化すれば土石流をある程度防げると訴える研究者もいる。伐倒木処理も含め、それらの提案を誰がいつ、どのように実行に移すべきなのか。
再び豪雨に襲われる前に、行政、住民、それに大学などの研究機関が知恵を出し合い、それぞれ森林整備のために「何ができるか」を協議、検討する必要がありそうだ。
木村教授らは30日、防災シンポジウム「災害における住民・行政・研究者のかかわり縲恤ス成18年度豪雨土石流災害の検証と地域防災を目指して縲怐vを信州大学農学部30番講義室で開く。参加自由で午後1時30分から3時40分まで。