-
南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑧
南アルプスの登山口、北沢峠まで続く林道バスの安全を日々、守っている人たちがいます。 午前6時。伊那市長谷黒河内にある、伊那市営南アルプス林道バス営業所。パトロール員の西村福雄さんの1日が始まります。 大きな落石を道路脇によせる西村さん。「こんなのまだ楽だよ」と話します。 林道沿いは地盤が緩いため、雪解けの時期や大雨の後は、落石が多くみられます。毎朝、バスが通る前に、林道を整備するのが西村さんの仕事です。 数メートル進んでは車を停め、落ちている石などを片付けます。バスで行けば40分ほどの歌宿まで、西村さんは1時間半ほどかけて行きます。 南アルプス林道バスは、4月下旬から11月までの登山シーズン中に運行が行われています。シーズン中の利用者は平均して4万6千人。この間、職員10人がバスの運行に携わっています。林道は、自然保護のためのマイカー規制がされています。 南アルプス林道バスは昭和55年、1980年に林道の開通と共に開業しました。これまでにバスの事故は1度も起きていません。 開業当時から運転手をつとめている人もいます。西村茂さん65歳。30歳の時から運転手をしています。毎朝、運行前にバスの安全点検をします。 安全点検と点呼を終えると、登山者を乗せて、標高1680mの歌宿を目指します。 途中バスを停め、石灰岩の岩壁に咲くシナノコザクラを乗客に紹介します。「バスに乗るだけでなく、いろんな事が知れたと言われるのがうれしい」と西村さんは話していました。 パトロールを終えた西村福雄さん「お客さんにきれいな林道だねと言ってもらえる感動がひとつの楽しみ」と話します。 南アルプス林道バスを守る人たち。 林道を愛する思いが、無事故の歴史を築きあげています。
-
三浦輝峰さん 肖像画・風景画展
伊那市出身で日本を代表する肖像画家、三浦輝峰さんの肖像画・風景画展が伊那市坂下のはら美術で開かれています。 会場には、肖像画と風景画、あわせて60点が飾られています。 三浦さんは、肖像画を書く際には、必ず本人と会って表面だけでなく人がらや積み重ねた歴史など内面も表現するよう心がけているということです。 作品はすべて油絵です。 ひび割れを防ぐためにうすく塗り重ねていて、肖像画の技法が風景画にも生かされています。 三浦さんは、「伊那谷の澄んだ空気や光を感じてほしい」と話しています。 三浦輝峰さんの肖像画・風景画展は、20日まで、伊那市坂下のはら美術で開かれています。
-
森林浴を楽しみ 坂下区民ハイキング
伊那市坂下区は、森林浴を楽しみながら区民の交流を深めようと、坂下区民ハイキングを18日、ますみヶ丘平地林で行いました。 この日は小学生からお年寄りまで25人ほどが参加し、ますみヶ丘平地林を1時間程かけて散策しました。 坂下区民ハイキングは区民の交流を深めようと毎年行われている恒例行事です。 ハイキングには、元信州大学農学部教授の島崎洋路さんがガイドとして同行し、平地林について説明していました。 島崎さんは、コシアブラやよもぎなど、この時期、森で採れる恵みを紹介していました。 ある参加者は、「地域の交流は必要。自分で歩けるうちは、これからも参加していきたい」と話していました。
-
アドヴァンスが安全ベスト寄贈
コンクリートブロックなどの販売をしている南箕輪村の株式会社アドヴァンス長野事業部伊那出張所は、ボランティアでアクセス通りの美化活動をしている伊那市の住民グループに安全ベストを18日寄贈しました。 18日は、アドヴァンスの沖村隆営業部長が伊那市のアクセス通りを美しくしよう会の小松宏会長に安全ベスト50着を寄贈しました。 アドヴァンスが、支援物品の寄贈するのは今回で2回目です。 県と協定を結び道路愛護活動を行っている団体を支援するために花の苗や安全ベストなどの必要な物品を提供するサポーターにアドヴァンスは登録されています。 会のメンバーは、寄贈された安全ベストを着て作業を行っていました。 アドヴァンスの沖村さんは、「今まで以上に安全にボランティア活動を行っていただきたい」と話していました。
-
新園舎でゲームしながら探検
今年3月に竣工した伊那市の竜東保育園の園舎を保護者に知ってもらおうと18日、親子レクレーションが行われスタンプラリーなどをして楽しみました。 竜東保育園は施設の老朽化や伊那市の保育園整備計画に基づき建て替えられました。 親子レクレーションは、保護者に園舎を知ってもらい親同士の親睦を図ろうと開かれたもので、竜東保育園に通う子供と保護者、合わせて300人が参加しました。 18日は、保護者が新しい園舎の案内を子どもたちにしてもらいながら一緒にスタンプラリーをしました。 保育園に関する問題などが書かれたカードを子どもが首にかけ、親の手を引っ張って園内を駆け回りました。 各部屋に描かれている絵を当てたり、自分のクラスで手を洗ったりするとシールがもらえます。 参加した親子たちは一緒になって問題をといていました。 また18日は、普段は使うことが出来ない避難用のすべり台も開放されました。
-
パパ‘S絵本プロジェクト伊那 10周年絵本ライブ
伊那市内の父親でつくる読み聞かせグループ、パパ‘S絵本プロジェクト伊那の結成10周年記念絵本ライブが10日伊那市のいなっせで開かれました。 10日は、親子連れおよそ150人が訪れ、歌や読み聞かせを楽しみました。 市内の父親5人でつくるパパ‘s絵本プロジェクト伊那は、父親にも読み聞かせを身近に感じてもらおうと2004年に結成しました。 1年間に10回ほど活動していて、これまでに106回読み聞かせを行ってきました。 北原文徳代表は、「はじめの頃は聞きにくるのも母親が中心で、父親の姿はほとんどなかった。最近は父親の姿もありとてもうれしい」と話していました。
-
伊那市 酒井茂副市長辞令交付
17日は酒井茂副市長の辞令交付式が伊那市役所で行われました。 副市長の人事案は16日に開かれた伊那市議会臨時会に提出され全会一致で同意されました。 酒井さんは「これまでの経験を活かし、行政運営を行っていきたい」と話していました。 酒井副市長の任期は、平成30年5月16日までの4年間です。
-
南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑦
手紙「先月の甲斐駒ヶ岳での当方会員の遭難事故に際しましては、ひとかたならぬお世話になりましてありがとうございます。 せっかくの連休にもかかわらず私共のために危険な救助活動に力を尽くしてくださいました。 突然のでき事に驚きと悲しみと不安でいっぱいだった私たちにとってどんなに心強く救われた思いがしたことか・・・ ご家族の手でご葬儀を終えられまして、私共もお別れをいたしました。 本人は、まだまだ大好きな山登りを続けていきたかったのだろうと思うと胸がいたむばかりです。 今後は、各自1人1人が万全の準備を怠ることなく安全登山を楽しむよう留意するつもりでおります。 南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会隊長 西村和美様」 登山者の遭難救助活動をしている南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会は、昭和37年1962年12月に旧長谷村の浦公民館で発足しました。 協会は、南アルプスの北部、鋸岳から塩見岳までが主な管轄エリア。 隊員は、80人で、市役所職員がその大半を占めています。 山岳遭難が発生した場合は、消防団と同様24時間365日出動を求められます。 おととし、創立50周年を迎えた協会は、南アルプスの歴史とともに歩んできました。 4代目隊長の西村さんは「一番の自慢は、二次遭難を出していないこと」と話します。 長谷溝口の西村和美さん69歳。 仕事は第一線を退き趣味の木工を楽しんでいます。 平成5年から隊長となり、今も現役で隊を指揮しています。 南ア北部を知り尽くし、守ってきました。自然と動物、酒と自由をこよなく愛する山男で、その気さくな人柄は、隊員から厚い信頼を受けています。 隊長就任以来の出動回数は70回以上。 救助活動には常に危険がつきまといます。 隊の発足当時から現在まで活動を見守ってきた長谷総合支所長の中山晶計さん。 隊員を山に送り出す家族にも寄り添いました。 中高年を中心とした登山ブーム、軽装備の登山者の増加、技術やモラルの低下で遭難事故も増加傾向にあります。 登山者には遭難者にはなるなと呼びかけ、二次遭難は出さない。 南アルプス北部遭難対策協会のプライドです。
-
伊那市教育長 北原秀樹さん
伊那市の新しい教育長は高遠町長藤の北原秀樹さんに決まりました。 17日は、伊那市教育委員会の定例会が市役所で開かれ新しい教育長には北原さんが決まりました。 北原さんは「食育に力をいれ、教育の資質向上に努めたい」と抱負をのべました。 北原教育長は、昭和25年生まれの63歳。信州大学教育学部を卒業後、県内の小中学校で教鞭をとり、箕輪中学校の校長を務めました。 教育長の任期は、平成30年5月16日までの4年間です。 また17日は、教育委員長の選挙も行われ松田泰俊さんが再任されました。
-
中条盆栽・山野草クラブ展示会
中条盆栽・山野草クラブの展示会が17日と18日の2日間、伊那市西箕輪の中条公民館で開かれています。 会場には会員が育てた盆栽と山野草およそ250点が並んでいます。 アツモリソウの栽培に力を入れていて、南アルプス原産のものや、ロシア原産のものなど23鉢が並びます。 クラブでは、「盆栽と山野草を一緒に展示しているところはほかにないので、両方の良さを楽しんでほしい」と来場を呼び掛けていました。 中条盆栽・山野草クラブの展示会は18日まで、伊那市西箕輪の中条公民館で開かれています。
-
高遠・長谷総合支所長 交代へ
伊那市は、任期満了に伴う高遠町地区と長谷地区の総合支所長の人事異動を今日内示しました。 高遠町地区の新しい総合支所長には、高遠町総合支所産業振興課主査の広瀬源司さん。 長谷地区の新しい総合支所長には、伊那市観光協会の観光プロモーター池上直彦さんが就任します。 合併後の平成20年5月23日以来、高遠町総合支所長をつとめてきた伊藤俊規さんと長谷総合支所長の中山晶計さんは、任期満了となる22日で退任します。 新しい総合支所長の任期は、23日から平成28年3月31日までとなっています。
-
伊那市副市長に酒井氏 再任
伊那市の白鳥孝市長は、副市長に酒井茂さんを再任する人事案を16日市議会に提出し、全会一致で同意を得ました。 任期満了に伴うもので、任期は、17日から平成30年の5月16日までとなります。 酒井さんは、東春近在住の61歳。 京都大学農学部を卒業し、昭和50年に市の職員となりました。 旧伊那市の助役を経て、平成18年5月に新伊那市の助役に就任。 平成19年4月から副市長を務めています。
-
南アルプス エコパーク登録へ
文部科学省は、ユネスコの国際諮問機関が南アルプスのエコパーク登録を勧告したと15日発表しました。 文部科学省内にあるユネスコの国内委員会が去年9月に南アルプスのエコパーク登録を申請していました。 エコパークは、生態系の保全と持続可能な自然と人間社会の共生を目的としてユネスコが登録しています。 現在、117か国、621の地域が登録されていて、日本では、志賀高原や屋久島など5か所です。 南アルプスは、長野、山梨、静岡3つの県の10市町村にまたがり、面積は、30万ヘクタールです。 エコパーク正式登録は、6月にスウェーデンで開かれるユネスコの理事会で審議され、正式決定される見通しです。
-
5月12日は看護の日
5月12日は看護の日です。 16日までの看護週間にあわせ、伊那市の伊那中央病院は、看護の日をPRするイベントを12日に行いました。 看護の日は、ナイチンゲールの誕生日の5月12日で、今年は今日から16日が看護週間となっています。 院内では、看護師が病院を訪れた人に看護の日をPRする絆創膏を手渡しました。 この日はこのほか、血圧や体脂肪、骨密度の測定などが行われました。
-
第9回西町区美術作品展とお宝展
伊那市西町の区民による「第9回美術作品展とお宝展」が16日から、西町公民館で開かれています。 会場には、区民が手掛けた絵画や写真などの美術作品と、区民所蔵の書画や骨董品などおよそ120点が並んでいます。 西町区では年に1回、区民の作品の発表の場として展示を行っています。 今年から初めて区民から集めた書画や骨董品などの展示も行われています。 中村不折、池上秀畝の掛け軸や、陶器などの骨董品を見ることができます。 西町区民による「第9回美術作品展とお宝展」は、18日(日)まで、伊那市の西町公民館で開かれています。
-
南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑤
「1億年のロマン 戸台の化石」 伊那市長谷戸台。 ここにあるのが化石です。 今からおよそ1億2,000万年前の白亜紀の化石を数多く産出しています。 海抜1,000メートル以上の戸台で、海の生物の化石が発見される…長い年月と地球の偉大さを感じます。 北村健治さん71歳。 「戸台の化石」保存会の会長で、戸台のアンモナイトの発見者です。 北村さんは「叩けば簡単に割れる。光っているものは全て化石、小さすぎて全てを判別することは困難」と話します。 続けて「地層の沈下速度は一定、きれいな面を作って沈下していく、これを層理という。一緒にアンモナイトやサンカクガイなども沈下している、戸台の化石は空洞がなく潰れている、そのため層理面を探せば化石は出てくる。」と話していました。 これまでに戸台で発掘された化石は5,720標本を数えます。 これら全ては、戸台の化石保存会により、伊那市の長谷公民館、戸台の化石資料室に展示・保管されています。 北村さんによると「化石というとアンモナイトに注目が集まるが、戸台の化石を有名にしたのは実はサンカクガイ、サンカクガイの化石は日本の中でも2~3番目の古さで発見されている」ということです。 保存会では毎年学習会も開き、太古のロマンを子どもたちに伝えています。
-
ローメンファンからまちおこし団体へシフト
伊那の名物ローメンを応援し、名物としてPRしていこうと活動してきた「伊那ローメンファン倶楽部」は、ローメンを通したまちおこしを行う団体へとシフトすることを決めました。 14日夜は、伊那ローメンファン倶楽部の総会が、伊那市のタウンステーション伊那まちで開かれ、9人が参加しました。 新たな活動のスタートとして、今回倶楽部のルールとなる、什(じゅう)の掟七か条を作りました。 高遠藩主から会津藩主となった保科正之の精神を受け継ごうと、会津藩の掟をなぞったものです。 倶楽部は、平成23年12月に発足しました。 入会は年度ごと行われていて、平成24年度は225人、25年度は、99人が入会しました。 2年間の活動をふまえ、ローメンのファンの立場から、ローメンを通したまちおこしを行う団体へとシフトすることを決めました。 これまでにあった倶楽部に入会するとローメンズクラブ加盟店で100円引きのサービスが受けられる特典は廃止となります。 14日の段階で今年度の入会者は9人となっています。 また、任期満了に伴う役員の選任が行われ、新たに倶楽部の部長として平澤正貴さんが選ばれました。 伊那ローメンファン倶楽部では、毎週水曜日にタウンステーション伊那まちに集まり、地域の活性化策について話し合うなど活動していくとしています。
-
伊那市議会議長に伊藤泰雄氏 副議長柴満喜夫氏
伊那市議会議員選挙後初の市議会臨時会が、15日、市役所で開かれ、議長には、伊藤 泰雄さんが、副議長には柴 満喜夫さんが選ばれました。 議長には、2人が立候補し、選挙で選ばれました。 立候補したのは、選挙前にも議長を務めた無所属の伊藤 泰雄さんと、共産党の飯島 光豊さんです。 選挙は、全ての議員21人で投票を行い、18対3で伊藤さんが選ばれました。 伊藤さんは、これまでにある議会改革特別委員会・道路交通対策特別委員会のほかに、人口減少対策について検討する特別委員会を設置したいとしたほか、「市民との意見交換の場を設け積極的に活動したい」と挨拶しました。 副議長選挙には共産党の柳川 広美さんと無所属の柴 満喜夫さんの2人が立候補し、21人が投票した結果、17対3で柴 満喜夫さんが選ばれました。 正副議長の任期は申し合わせにより2年となっています。 また常任委員会の構成も決まりました。 総務委員会委員長には、黒河内 浩さん、社会委員会委員長には、中山 彰博さん、経済建設委員会委員長には若林 敏明さん、議会運営委員会委員長には竹中 則子さんが選任されました。
-
伊那市手良の登内さん宅 ジャーマンアイリス咲き始め
伊那市手良八ツ手の登内さん宅では、ジャーマンアイリスが咲き始めています。 つぼみもまだ多くあり、今週中には見頃になるということです。
-
伊那まつり公式Tシャツデザインが決定
8月2日・3日に開催される第42回伊那まつりの、公式Tシャツのデザインが決まりました。 Tシャツは7点の応募があり、15日、市役所で審査が行われました。 審査の結果、伊那市の降幡聡さんの作品がTシャツのデザインに採用される事が決まりました。 白と黒のコントラストで竜を表現している点が個性的だと評価されました。 また、うちわは、高遠北小学校4年の伊藤良菜さんの作品に決まりました。プロではない作品が選ばれたのは初めてです。 Tシャツの予約注文は6月5日から始まり、うちわは、1口2万円で協賛する企業などを募集しています。
-
南アルプス国立公園指定50周年記念特集④
2008年に撮影された南アルプス仙丈ケ岳の馬の背の様子です。 山肌が見えてしまっています。 原因は、ニホンジカが植物を食べてしまったから。 ニホンジカの食害から高山植物を守ろうと、南アルプスを構成する伊那市などの4市町村や3つの地方事務所、信州大学農学部などにより2007年に南アルプス食害対策協議会が発足しました。 南アルプスの植物を守ろうと、奔走し続けている人たちがいます。 信州大学農学部食料生産科学科の竹田謙一准教授。 南アルプス食害対策協議会発足当時から、その一員として研究を続けています。 竹田准教授は、「南アルプスにはもともとニホンジカがたくさん生息していた。それで里に下りられなくなったニホンジカが、上に上がってきた」と話します。 協議会では、2008年から、仙丈ケ岳の馬の背のお花畑に防護柵を設置しています。 2009年には、ボランティアを含め44人が参加しました。 シカの侵入を防ぎ、食べられてしまった花を復元させるためです。 防護柵を張った直後のお花畑です。 その2年後のお花畑です。 シナノキンバイや、ミヤマキンポウゲなどの貴重な植物が戻ってきました。 竹田准教授は、「柵の中と外では植物の量が全く違う。残念ながら、多様な植物が一度に戻ってはいないが、1年に1種類ほどのペースで戻ってきている」と話しています。 しかし、根本的な対策には、ニホンジカの個体数を減らすことが必要です。 協議会では、猟友会に委託して個体数調整を行っています。 南信森林管理署の発表によりますと、昨年度は南アルプスの国有林で1,771頭のニホンジカが捕獲されました。 竹田准教授は、「これからは、被害にあっている場所で捕獲をしていくことが必要になってくる」と話します。 長谷猟友会の北原幸彦会長。 地元の猟友会として、ニホンジカの捕獲に取り組んでいます。 狩猟歴60年のベテランです。 北原さんは、「罠にいっぱいかかってればいいと思うけれど、かわいそうだなあと思って処理してくる」と話していました。 長谷猟友会は、山梨県側の猟友会と協力して、南アルプスでニホンジカの捕獲を行っています。 長野県側は、2011年に初めて高山帯での捕獲に踏み出しました。 標高2000メートルの大平山荘付近でくくりわなを設置しました。 また、昨年度は、環境省が初めて高山帯で銃による捕獲実験を行いました。 北原さんは、「一人では守れない。みなさんの協力が必要なこと」と話しています。 竹田准教授は、「高山帯でできること、里でできることをそれぞれやっていくことが求められる」と話していました。 ニホンジカの食害から、貴重な高山植物を守るための地道な取り組みが続きます。
-
新宿の小学生が森で間伐を体験
伊那市と友好都市提携を結んでいる東京都新宿区の小学生が14日、伊那市のますみヶ丘平地林にある新宿の森で間伐を体験しました。 間伐を体験したのは、新宿区の落合第六小学校の6年生23人です。 新宿の森は、伊那市と新宿区との間で締結されている協定に基づき設けられているおよそ4,000平方メートルです。 落合第六小学校は、平成21年から毎年、身近にない自然環境の中で様々な体験をする移動教室を伊那市で行っています。 14日は、ますみヶ丘平地林の手入れなどをしている、NPO法人伊那谷森と人を結ぶ協議会のメンバーから間伐の方法を教わり、ノコギリを使って木を切りました。 高さ10メートルの木が倒れると児童らは歓声をあげていました。 うまく切ることができず、ロープを使って倒す班もありました。 児童らは、2泊3日の日程で伊那市に滞在し、15日は美篶の田んぼで田植えを行うということです。 21日には、新宿区にある他の小学校からも訪れることになっています。
-
14日の伊那地域の最高気温は26.7度
14日の伊那地域の最高気温は26.7度となり、今年一番の暑さとなり7月上旬並みの陽気になりました。 伊那市の鳩吹公園では遠足で訪れた園児たちが青空の下遊んでいました。
-
たかずやの里に善意の自転車
ビルメンテナンスなどをてがける伊那市東春近の株式会社南信美装伊那は、児童養護施設たかずやの里に自転車10台を寄付しました。 14日吉澤文男社長らが、たかずやの里を訪れ、埋橋良和理事長に目録を手渡しました。 今回贈られたのは、補助輪付の幼児用3台、小学生用5台、変速機付の中高生用2台の合わせて10台です。 去年行われた会社の30周年記念ゴルフコンペで集まった寄付金などを充てました。 南信美装は、移転新築に役立ててもらおうと今回とは別に30万円を去年寄付しています。 吉澤社長は、「大事なのはこれから。継続的な支援をしていきたい」と話しています。 たかずやの里出身で平成24年に入社した小林貴史さんも贈呈式に参加し、今回の寄付を喜んでいました。
-
伊那市全小学校で「花育」スタート
花に親しむことにより、感情や情緒を育てようという「花育」の学習が14日から伊那市内の小学校でスタートしました。 このうち花卉栽培が盛んな東春近地区の東春近小学校では、364人の全校児童に1人2本ずつ上伊那産のアルストロメリアが贈られました。 アルストロメリアの生産量は、上伊那地域が日本一で、中でも伊那が1番です。 花育は、自分の住んでいる地域を子どもたちに知ってもらおうという狙いもあり、伊那市とJA上伊那、生産者が連携して行うものです。 体育館での贈呈式が終わると3年生は、近くの花卉生産者、橋爪恭治さんから花を長持ちさせるコツなどを学びました。 橋爪さんは、「花は、野菜や果物と違い、相手に気持ちを表すときに使われる気持ちが届く生き物です」と子どもたちに語りかけていました。 花育は、6月4日までの毎週水曜日に市内全ての小学校15校で実施される計画です。
-
西駒山荘資材の最終確認
伊那市が建て替えを進めている西駒山荘は、今月20日頃から資材の荷あげが始まります。 それを前に、13日資材などの最終確認が駒ヶ根市で行われました。 13日は、駒ヶ根市の南割集会所に、西駒山荘の建替え作業をする伊那市や駒ヶ根市の大工5人が集まり荷あげ前の最終確認をしました。 山での作業をスムーズに行えるよう13日は、2階部分の土台の仮組をして風に耐えられるかなどをチェックしました。 これまでに、屋根部分の仮組が終わっていて今回の土台部分の仮組が最後の確認となります。 13日は、西駒山荘の管理人、宮下拓也さんも訪れ作業を手伝っていました。 宮下さんによると西駒山荘付近は雪がまだ3メートルほどあるということです。 今週17日には中央アルプスの西駒地域を盛り上げる団体「西駒こまくさ会」のメンバーらが山荘付近の雪かきを行うということです。 集会所近くの倉庫には、ヘリで運ぶ準備が整っていました。 今月20日頃から伊那市の鳩吹公園から資材をヘリで荷あげする予定で大工たちは、26日から現場で作業を行うことになっています。 西駒山荘は7月中の完成を予定しています。
-
伊那養護と木曽青峰が相撲で交流
伊那養護学校の児童生徒と木曽町の木曽青峰高校相撲部が、7日、相撲で交流をしました。 以前伊那養護学校に勤務していた職員と、木曽青峰高校相撲部の前の監督が知り合いだったことがきっかけで、相撲の交流が始まり、今年で10年目です。 この日は、伊那養護学校の主に寄宿舎の児童生徒39人と、木曽青峰高校相撲部の生徒5人が、土俵で組み合いました。 体格のよい相撲部の生徒を相手に、養護学校の子ども達は何とか土俵の外に出そうと、果敢に勝負を挑んでいました。 途中、1人では勝ち目がないとわかると、2人がかりで挑む姿もありました。 伊那養護学校寄宿舎指導員の下島慎司さんは、「相撲の楽しさを体験すると同時に、礼儀作法を学んでほしい。競技に触れて、親睦を深めてもらいたい」と話していました。
-
ジオパーク認定ガイド講座
南アルプスジオパークの魅力を案内するために必要となるスキルを身につける講座が12日、開講しました。 去年に引き続き高遠高校3年生、6人が参加しました。 12日は伊那市の創造館で講座が開かれ、高遠高校の生徒やこれまでにジオパークガイドの認定を受けた人など30人が参加しました。 ジオパークガイド講座はガイドのスキルアップを目的に南アルプスジオパーク協議会が開いているもので、今年で4年目です。 高遠高校では、去年から始まった科目「地域の科学」の一環で、地域の環境を学ぼうと3年生6人が参加しました。 初回のこの日はジオパークの概要や、ガイドの心構えなどを学習しました。 また、ジオパーク認定ガイドが受講生に実際にガイドの手本を見せました。 ジオパーク認定ガイド講座は、今年度7回開かれることになっていて、次回は熱田神社や高遠城址公園などの旧跡を巡ることになっています。
-
村全協 大芝観光企画推進員
南箕輪村は大芝高原のイベントの企画や運営などに携わる大芝観光企画推進員を新たに配置します。 これは12日村役場で開かれた村議会全員協議会で報告されたものです。 村ではこれまでに、大芝高原のイベントの企画・運営に携わる専門の職員の必要性を求められていました。 職員は、臨時職員で産業課商工観光係として1人で、雇用期間は6月9日から来年3月末までだということです。 主な職務は、大芝高原関連イベントの企画・運営や、観光PR、農商工連携などで、村観光協会設立に向けた準備も行います。
-
「芝田会」発足20周年記念「郷土をささえた書画展」始まる
上伊那の美術愛好者で作る「芝田会」は、発足20周年を記念した書画展を、11日から伊那文化会館で開き、伊那市出身の日本画家小坂芝田の作品を中心に展示しています。 会場には、小坂芝田の作品を中心に、中村不折や池上秀畝などの作品163点が展示されています。 芝田会は、個人の家で眠っている貴重な作品を多くの人に見てもらおうと平成6年に発足し、現在は80人ほどの会員がいます。 今回は発足20周年を記念した書画展となっていて、初日の今日は、芝田の四男で彫刻家の小坂昇平さんが、東京から訪れテープカットを行いました。 小坂芝田は、明治5年に伊那市小沢で生まれ、16歳の時に絵を始めました。 中国絵画の技法「南宗画」から影響を受けた、日本画の画法のひとつ「南画」を描き、大正6年に45歳で亡くなりました。 今回の書画展では、伊那市の文化財に指定されている「十六羅漢図」なども見る事ができます。 芝田会発足20周年記念「郷土をささえた書画展」は17日(土)まで伊那文化会館で開かれています。