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天山の末裔伊賀焼寄贈
高遠藩士、阪本天山の末裔で陶芸家の坂本としひとさんが20日、伊那市に伊賀焼きの壺を寄贈しました。坂本さんが伊那市役所を訪れ北原明教育長に壺を手渡しました。
坂本さんは高遠藩士、阪本天山の7代目にあたります。
三重県に生まれ伊賀焼きの3代目として県展にも入選するなど陶芸家として活躍しています。
今回、阪本天山の縁で、「伊賀耳つき花いれ」を伊那市に寄贈しました。
坂本さんによりますと、伊賀焼きは「歪みの美」また「ひずみの美」といわれているほか、作品に耳をつけ全体のバランスを整えるところが特徴だということです。
伊賀焼きは一次途絶えていたということですが、坂本さんのおじいさんが復活させ、受け継いでいます。
坂本さんはあすから、伊那市のベルシャイン伊那店で作陶展を開くということで、伊賀焼きの素晴らしさを、多くの人に知ってもらう機会にしたいと話しています。
【伊那ケーブルテレビジョン】 -
伊那市高遠総合支所で打ち水大作戦
ヒートアイランドをおさえようと20日、伊那市高遠町総合支所で打ち水大作戦がおこなわれました。
打ち水大作戦は環境問題への意識を高めようとおこなわれたもので、職員およそ15人が参加しました。
今日は支所近くの井戸から汲んできた水、およそ370リットルを支所前の駐車場に手分けしてまいていました。
打ち水は3分ほどおこなわれ、しばらくすると水でぬれたアスファルトから涼しい空気が流れてきました。
打ち水の結果、始める前は31度あった気温が3度下がり、28度になりました。
この打ち水大作戦は22日にも伊那市役所でおこなわれるということです。
市民ならびに市職員の環境意識向上につながるか、関心が寄せられるところです。【伊那ケーブルテレビジョン】 -
遠州大念仏踊り、高遠町健福寺で
静岡県の無形民俗文化財に指定されている遠州大念仏が、15日、伊那市高遠町の建福寺で行われました。
遠州大念仏は、静岡県浜松市周辺でお盆に行われる伝統行事です。
浜松市出身で、高遠町に移り住み、去年11月に亡くなった阿部清子さんを弔(とむら)おうと浜松市在住の親族が、保存会を招きました。
清子さんの夫、武雄さんが13年前になくなったとき、この大念仏を招いていて、清子さんは、自分のときも大念仏で弔って欲しいと遺言を残していたということです。
保存会のメンバー40人は、清子さんの遺影の前で念仏踊りを披露しました。
遠州大念仏は、広範囲に広く分布している事が最大の特徴で、70団体ほどが、その踊りを伝えています。
この日招かれたのは、根(ね)堅(がた)保存会です。
メンバーは、笛や太鼓に、歌い手などに分かれて、大念仏を講じていました。
清子さんの娘の太田和子さんは、「高遠の人たちにも保存会の人たちにも好意的に協力してもらいありがたかった。大切に育ててくれた両親の願いを叶えられてよかった」と話していました。 -
高遠湖で無料カヌー体験 無料は12日まで
夏休みを利用した、無料のカヌー体験が伊那市の高遠湖で行われている。11日は、上伊那の親子連れなどが高遠湖を訪れ、カヌーを体験した。
体験会を開いているのは、伊那市高遠町にあるB&G海洋センター。施設のPRを兼ねて、夏休みの子供達に湖に親しんでみもらおうと、毎年行っている。
子供達は、職員からバドルの使い方などを教わってから湖へ。最初は怖がった子供も、すぐに慣れ、楽しそうに漕いでいた。
無料でカヌーを貸し出すのは12日までで、時間は午前9時から午後5時まで。
(テロップ 問い合わせ伊那市高遠町総合支所 電話94-2551) -
伊那市赤十字奉仕団に村井県知事から感謝状
赤十字奉仕団への感謝状と委嘱書の伝達式が5日伊那市役所でおこなわれた。日本赤十字社長野県支部長、村井知事からの感謝状が昨年度の委員長、馬場茂子さんらに手渡された。
また今年度から委員長、副委員長になった4人に委嘱書が渡された。
委員長としての務めを終えた馬場さんは、「いろいろと勉強になりました。団の皆さんの協力のおかげです。」と話していた。
伊那市赤十字奉仕団は現在14分団あり、340人が活動している。08年度は伊那、高遠、長谷の分団の一体感を図るためあらたに、制服を作ることも計画しているという。 -
伊那毎日新聞休刊へ
伊那毎日新聞は31日付の発刊をもって休刊する。1955(昭和30)年2月の創刊から53年余。地域とともに歩んだ半世紀の歴史に幕を下ろす。
伊那毎日新聞は、伊那市本町で産声を上げ、以来社屋を伊那市西町区、南箕輪村と移転。1999年に現在地の伊那市室町に移ってからは、紙面のカラー化などを図るとともに、内容の充実に積極的に取り組んできた。
01年には、「地元の課題は世界にも共通する課題」を合言葉に、公共事業や教育、環境などの問題を通じて「真の豊かさ」について考えてみよう竏窒ニ、伊那毎日新聞社製作のケーブルテレビ番組「いなまいニューススタジオ」がスタート。紙面と映像が連携する新しいスタイルで、公共事業の決定プロセスの不透明性や矛盾などを指摘した。
02年には、県会でのダム論議を背景に「いなまいテーブル」を作成。ダム問題を「財政」「環境」「生活」「産業」「景観」「決定プロセス」など多面的視点で検証する“判断の枠組み”を提供した。「いなまいテーブル」のパンフレットは上下伊那のほぼ全戸に配布。いま問題にされている戸草ダム建設計画中止を議論する際に十分応用できる。
03年から05年にかけては「上伊那・輝く経営者キャンペーン」を展開。産学官でつくるキャンペーン推進委員会の事務局を伊那毎日新聞社が務め、上伊那で輝いている中小企業経営者約100人を紙面、映像、単行本で紹介した。さらに、05年からは、戦後の上伊那経済を牽引してきた大手企業の優れた経営者・創業者を上伊那の「産業史」「経営史」として後世に残す企画も展開している。
読者参加でつくる各種カラー企画や人物紹介も好評で、郷土愛醸成につながる、との声も多かった。
最近では広域ごみ処理施設建設計画の詳細な報道などが住民の関心を集め、伊那毎の記事が注目されている中での残念な休刊となってしまった。 -
インターハイ制覇 高遠高校2年・松沢
全国高校総体(インターハイ)の陸上競技大会第2日は30日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で男子棒高跳び決勝を行い、松沢ジアン成治(高遠2)=写真=が初優勝した。記録は自己ベストを5センチ上回る5メートル10。前回大会は4メートル60で12位だった。助走の改良により、今季、松沢は自己新記録を順調に伸ばしていた。
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風土がはぐくむ地場産業
木曽屋社長 熊谷和寛さん澄んだ空気、清らかな水、広がる田園風景…。環境に恵まれた、伊那市高遠町の三峰川沿いに、麺(めん)類総合メーカー「木曽屋」は建つ。
県内で契約栽培したソバを石うすでひき、南アルプスからの伏流水を使う。自動製麺機を使用しながらも手打ちの味を生かした手法から生み出される商品は、信州そば品評会で農林水産大臣賞、食糧庁長官賞、農林水産省総合食料局長賞、県知事賞などを連続受賞する。1969年には皇太子殿下へそばを献上している。
機械製麺を手がける企業はコスト面などから外国産そば粉を使うところが多く、地元産にこだわるのは全国でも数少ない。
また、地域振興を目指して取り組む雑穀アマランサスなども積極的に活用する。
ただもうければいいではなく、地域振興を考えながら歩んできた。地場産業として、30年をかけて確立した「木曽屋のブランド」に迫る。
株式会社木曽屋
■本社/伊那市高遠町上山田78■創業/1955(昭和30)年9月■資本金/2000万円■従業員/43人■TEL/0265・94・2323■FAX/0265・94・2330 -
小・中学生が藤沢川などで水生生物や水質を調査
伊那市の第21回川シンポジウム「川再発見!せせらぎウォッチング」(実行委員会など主催)が21日、長谷の黒川などを会場にあった。小・中学生や保護者ら60人余が参加。水生生物などの調査結果から、藤沢川中流と黒川中流ともに「きれいな水」と判定した。
「せせらぎ竏秩vは、水生生物や水質調査などを通じて水の環境保全を考えるねらい。例年、三峰川で取り組んでいるが、川の水が濁っていたため、会場を変えた。
小学校教諭ら7人を講師に、子供たちは水素イオン濃度(pH)を調査したり、川に入って石を動かして網に川の生き物を採ったりと夢中になった。
藤沢川では、きれいな水にすむヒラタカゲロウ、ヘビトンボ、ヨシノボリを採集。黒川では、美しい声で鳴くカジカガエルも見つけたという。
手良小学校3年生の男の子(8つ)は「川の中にこんなに生き物がいるとは知らなかった。見ているとおもしろい」と驚いていた。
観察会に先立ち、市役所で天竜川や三峰川にすむ魚を学習。水槽に入ったイワナ、アマゴなど実物を見せながら、信州高遠少年自然の家環境未来センター講師・竹松俊幸さんが「カジカは自然のバロメーター。コンクリートで固められた川で、濁流にあうと生きていけない」「ヨシノボリはハゼの仲間で、胸に吸盤がある」など魚の特徴を解説した。 -
アートスクールが子どもワークショップ
さまざまな分野の美術に親しんでもらおうと伊那市高遠町の信州高遠美術館が主催するアートスクールは20日、08年度第4回講座「子どもワークショップ」を同町の地域間交流施設で開いた。市内の小学生16人と保護者が参加し、水墨画に挑戦した。
水墨画制作に先立ち、参加者らは屋外に出て、絵を描くのに使う竹の皮や、トウモロコシ、マツの枝、石などを採取。室内に戻ると、描きやすいように先を切ったり削ったりして筆代わりとなる素材を作った。
子どもたちは「何でも自由に描いていいよ」と指示を受けると、早速手造りのユニークな・ス筆・スに墨を含ませ、思い思いに木や虫などの絵を描いて楽しんだ。中には長さ約5センチの円筒形のコンクリート片を紙の上に転がして太い線を描く子どももいた。
指導に当たったのは東京芸術大大学院美術教育研究室の相原健作助手など4人。相原さんらは「発想が素晴らしい」「大胆な筆遣いだ」などと作品を褒めちぎっていた。 -
第6回高遠さくらホテル舞踊発表会
高遠さくらホテルが主催する舞踊発表会は13日、伊那市を中心に活動する5団体の合同発表会として同ホテルで開いた。
踊りの祭典として開き6回目。神代流、長藤舞踊会、高遠町郷土舞踊会、右女春会、扇秀流が参加した。
各流派ごとに1人、あるいはグループでステージに立ち、スポットライトを浴びながら、あでやかな着物姿で踊りを披露。「花の幡随院」「ああ 馬上盃」「金沢の雨」「おけさだいこ」などの曲で次々と踊った。観客からおひねりが飛んだり、大きな拍手が起きていた。
発表会後は交流を兼ねた食事会で、舞踊を楽しむ者同士、流派の垣根を越えて楽しいひとときを過ごした。 -
バスハイクで高遠城下町を探訪
伊那市民を対象にしたバスハイク「身近な魅力再発見」が15日、市内高遠町であった。第1弾は「高遠城下町探訪」で、市民22人が江戸時代の高遠藩主・保科正之公ゆかりの寺などを回った。伊那市観光協会伊那支部企画、伊那バス主催。
自分の住む地域の良さを知り、観光客に伝えてもらう竏窒ニNHK大河ドラマ化実現に向けて署名活動を展開している正之公(1611縲・2年)などを取り上げ、正之公の養父・正光公が建立した樹林寺、鉾持神社、東京音楽学校(現東京芸術大学)初代校長の伊沢修二生家など7カ所を回った。
ボランティアガイド「ふきのとう」会員らが案内に当たり、保科正光公の墓がある建福寺で正之公の生い立ちや4代将軍家綱の補佐役として江戸に詰め、飲用水のない江戸に玉川上水を開削するなど功績を紹介。「軍事力の政治から庶民の立場に立った政治へかじを取った」と説明した。
手良の春日敦子さん(67)は「近くてもなかなか来る機会がなかった。保科正之公がどんな人かあまり知らなかったので、説明を聞けてよかった」と話した。
本年度は11月まで5回の日程が組まれ、次回(8月)は長谷の仙水峠トレッキングを計画している。 -
芝平山絵図を虫干し
伊那市指定文化財である芝平山絵図の虫干しが15日、高遠町藤沢の御堂垣外公民館であった。高遠領6カ村と諏訪領12カ村の境界争いで、江戸幕府が決裁書として絵図を作ってから300年。地区住民は絵図を広げ、命がけで山を守った先人に思いをめぐらせた。
山論は6年間にわたり、高遠、諏訪の奉行所、江戸幕府評定所へ訴訟。その結果、諏訪に対して開墾を禁じ、芝平山に入ってはならないと裁決され、1708年、紛争が起きないように絵図を作って双方に渡した。
絵図は芝平山を中心に、道や川筋などが書かれ、諏訪領民の立ち入りを禁じる境界線が引かれている。
絵図は高遠町歴史博物館に保管されるが、年1回(7月15日)、御堂垣外、芝平、荒町、北原、栗田、四日市場の持ち回りで虫干ししている。
公民館には各地区総代ら20人余が集まり、木箱に入った縦1・8メートル、横2・4メートルの絵図を取り出し、畳の上に広げた。
張子の芝平山模型も出され、総代らは興味深げに見入っていた。
◇ ◇
高遠町歴史博物館で8月3日まで、第29回特別展「地域の文化財を知ろう竏虫ナ平山絵図虫干し行事」を開催中。絵図複製パネルや行事の様子を写真などで紹介している。
入館料は一般400円、小・中学生200円。 -
高遠高校の校名検討
伊那市の高遠高校は、昨年度、一般公募した学校名の検討について、早ければ8月下旬にも2次選考に入る。年度内に結論を出したい考え。11日の高遠高校振興会の総会で報告した。
07年度、魅力ある学校づくりの一環として校名の検討を進めることとし、現行の「高遠高校」を含め、ホームページなどを通じて一般から公募した。その結果、307件が寄せられ、職員会の1次選考で▽現行のまま▽(高遠藩校から)進徳(館)が入るもの▽桜が入るもの竏窒フ3案にまとめた。しかし、高校再編計画が流動的だったため、一時中断していた。
2次選考する委員には同窓会、振興会、PTA、生徒会などの代表者を予定。2次選考で校名を決定するかどうかは委員会で詰める。
6月、県教育委員会がまとめた「高等学校再編計画」の骨子案で、旧第8通学区は「当面、現状の学校数を維持することが適当」とされている。 -
【高遠断酒会】
酒を飲み続けていると誰でも侵される可能性がある病気、アルコール依存症。きっかけは人によりさまざまだが、定量を超えて飲み続けることが原因の一つともいわれる。多くの場合、自分でも気付かないうちに酒量が増え、次第に一日中飲まずにはいられない状態となる。進行すると精神的、肉体的な禁断症状が現れていつしか職を失い、家庭は崩壊。社会的信用もなくなり、体を壊してついには死に至る竏秩B
酒をやめられないのは性格や意志の弱さゆえではない。脳への作用によって体がアルコールを求め、自分の意志で飲酒を止められない状態に陥っているからだ。アルコール依存症は、回復はしても完治することはないとされる。10年、20年と断酒していても一杯の酒で再び元の状態に逆戻り。酒の量を控えても駄目で、再発しないためには一生酒を断つしかない。だが、酒を飲みさえしなければ何ら普通と変わらない生活を送ることができる。
◇ ◇
「断酒会」は1958年、アルコール依存症に悩む人たちの自助組織として高知県で生まれ、5年後には全国ネットワークもできた。高遠断酒会は78年に発足。向山金治さん(77)が会長を務める。
「20歳ごろから飲み始めたが、当時の写真を見るとどれも一升瓶を持っている。結婚してからも勤め先のロッカーの中や弁当の底に酒を隠して、朝でも昼間でも飲んでいたよ」
体を壊して入院しても、体調が少し良くなるとまた飲んだ。母や妻が泣いて頼んでも「自分で稼いだ金で飲んで何が悪い」とはねつけた。
45歳の時、その母が亡くなったことで「今やめなければ一生やめられない」と断酒を決意。仲間5人とともに高遠断酒会を発足させた。
断酒会の例会は依存症の会員が定期的に集まり、それぞれの悲惨な体験を語り合うことで酒害の恐ろしさを互いに再認識する。同じ思い、似た体験を共有する人の話を聞くことで疑似体験ができ、二度と酒を飲むまいという気持ちが強くなる。妻や子に暴力をふるい、家庭がバラバラになったことや、死ぬほどの苦しみを味わった体験を涙ながらに語る人も多い。依存症の被害者側ともいうべき妻や子も出席して体験談を語る。これを地道に繰り返すうち、断酒生活が身についてくる。断酒会は依存症の泥沼からはい上がるための大きな助けになっているのだ。
「おかげでその後30年間飲んでないよ。いや、一度だけ断酒会の帰りに飲んでしまったことがあったが…それだけだ。会を立ち上げた手前、逆戻りするわけにはいかないから」
事務局を務める嶋村直人さん(53)は仕事そっちのけで酒びたりとなり、妻に愛想を尽かされて離婚するはめになった。
「飲み過ぎで体が動かなくなったが、それでも酒は離せない。ある日ついに血を吐いて病院送り。酒をやめるために断酒会に入ったが、やめるのは苦しい。歯を食いしばって耐えた」
1年たち、2年たつと苦しさも徐々に和らぎ、断酒に半信半疑だった周囲の見方も違ってきた。断酒のかいあって離婚から6年後、妻との復縁がかなった。
「地獄を見たければ依存症の家、極楽を見たければ断酒の家竏秩B仕事から帰って『ただいま』と言うと返ってくる『お帰りなさい』の声、家族皆で囲む食卓での何げない会話と笑顔。普通の家庭のそんな小さな幸せを今はかみ締めている。生きていてよかった」
(白鳥文男) -
高遠小5年生が酪農体験学習
伊那市の高遠小学校5年生は3日、社会科の学習の一環で酪農1日体験学習をした。児童は乳搾りを体験し、牛や牛乳の話を聞いて酪農に関心を深めた。
5年生は、高遠町の竹内牧場に毎日通っている同級生2、3人から牛の話を聞くうちに、牛に興味を抱くようになった。上伊那畜産振興協議会の事業「酪農1日体験学習縲恣絜高ノ触っちゃおう!」を知り、社会科で酪農の学習もあるため、今回の学習になった。
高遠小には、伊那市手良の酒井秀明さんの酒井牧場から4歳のホルスタイン種「ルル」と1歳のジャージー種「ベリー」がやってきた。5年生の2クラス53人は、乳搾りの方法を教わり順番に体験。乳が出た瞬間、驚きや喜びの表情を見せながら、乳を手に受けた。子牛のベリーとも、優しく体をなでて触れ合った。
橋爪海飛君(10)は、「乳は水鉄砲みたいに出て温かかった。子牛は、おなかがふわふわしていて、角はとっても固かった」と楽しそうに話した。
牛の体の説明を聞いた児童は、「黒白以外の模様は」「どんなときに鳴くのか」「1回のお産で何頭産むのか」など積極的に質問していた。 -
高遠断酒会記念大会
高遠断酒会は29日、創立30周年記念大会を伊那市高遠町の町総合福祉センター「やますそ」で開いた。アルコール依存症に悩む人たちやその家族など、全国各地から約250人が参加し、依存症経験者の悲惨な体験談を聞いて互いに断酒を誓い合った。
自身が依存症だった男性は酒びたりだった日々を振り返り「母親もアル中だった。そんな母親を嫌いだったのに、生活すべてが面白くなく、自分も酒びたりになった。酒を買って来いと言って妻をなぐったり引きずり回したり、ひどいことをした。こんな自分が生きていると周りに迷惑だと思い、命を絶とうとしたことも2回あった」と、つらい思いを涙ながらに語った。「断酒会に入って、依存症は病気だと知り、正直ほっとした。これからは酒に逃げず、家族のため正面を向いて生きていきたい」と話して大きな拍手を受けた。
香川県断酒会の初代会長岩崎広明さんの体験談と、香川県の三光病院長市川正浩さんの記念講話もあった。 -
地域資源をまとめた宝モノ地図とカードが完成
伊那市高遠町長藤黒沢地区の文化財や風習、昔の遊びなどをまとめた宝モノ地図とカードが完成した。都会の人を対象に田舎生活体験を提供する「おてて倶楽部(くらぶ)」と黒沢にぎやかし協議会が共同で作成。「歴史を見直すことで、地域発展につながれば」と願う。
「おてて竏秩vは、地元にある資源を活用しないのはもったいないと住民に相談。それをきっかけに、昨年6月、黒沢地区有志12、13人で協議会を立ち上げ、古老からの聞き取りや現地確認などをして情報を集めた。
地図上には、1960年ごろまで奉納相撲が行われていた「鹿嶋神社」、縄文中期の居住跡「八幡屋敷遺跡」、出産時の胎盤を埋めた「後産」など27カ所を示した。現金収入を得る手段だった炭焼きや養蚕、地区の歳時記、過去30年間の人口推移なども紹介。A2判、カラー両面刷り。
カード=A5判=は、地図上に示した文化財など記録を兼ねて写真やイラスト入りで特徴や言い伝えを書き、37枚にまとめた。
県の元気づくり支援金の助成を受け、地図1千部、カード40セットを作った。地図は黒沢地区の全戸40戸に配布。
地域で1人しか知らなかった源堂城には案内板を取り付けた。
協議会事務局の藤原久さん(63)は「後世に伝えたいものは網羅した。私たち自身も知らないことがあり、勉強になった。地域の良さを知ってもらいたい」と話した。
地図・カードは、市役所本庁、高遠町総合支所で見ることができる。 -
高遠町公民館ソフトバレーボール大会
伊那市の高遠町公民館主催のソフトバレーボール大会が22日、高遠スポーツ公園文化体育館であった。12チーム、総勢100人が参加し競技に熱中した。
大会は15年目。過去にはブロンズ、シルバー、ゴールドの3クラスで競技していたが、チーム編成が困難になってきたことから、40歳未満のバリバリクラス、40歳以上のニコニコクラスの2クラスでの大会にし4年目を迎えた。
バリバリクラスに5チーム、ニコニコクラスに7チームが出場し、3セットマッチで白熱した試合を繰り広げた。
結果は次の通り。
▽バリバリクラス (1)晴ヶ峰チーム(2)上山田Bチーム(3)上山田Aチーム
▽ニコニコクラス (1)コヒガンチーム(2)守屋山チーム(3)ASC-Aチーム -
「水」をテーマに、環境を考えよう
信州高遠青少年自然の家で21日、環境を考える「エコ・キッズ・プロジェクト」が始まった。「水」をテーマに、年間を通して水と触れ合う実践活動を展開する。
このプロジェクトは、環境に対する関心を養い、環境と自分のかかわりを考えようと国少が初めて企画したもの。市内をはじめ、岡谷市、茅野市の小学校5、6年生7人が申し込み、来年2月まで6回の日程で、国少周辺や諏訪湖の水調査、水をきれいにする簡単な道具作りなどに取り組む。
初回は、食物連鎖の説明を受けたあと、ネイチャーゲームをしながら敷地内の硫黄沢を観察。小学生は木に聴診器を当てて水を吸い上げる音を聞いたり、地面に置かれたぬいぐるみなど自然にないものを探したりと楽しみながら自然に親しんだ。
岡谷市の井出直輝君(11)は「生態系が1つでも崩れたらだめだということが分かった」と話した。
次回は7月19日の予定で、牛乳パックなどを利用して水めがねや透視計を作り、川の様子を調べる。
定員に余裕があるため、あと3人を募集。申し込みは、国少(TEL96・2527)へ。 -
ハーモニカ教室が開講
伊那市高遠町公民館の初心者向けハーモニカ教室が17日夜、開講した。受講生の半分以上が子どもろのころに吹いた経験があり、初回から童謡などに挑戦した。
教室には「子どものころに吹いたままで、60年ぶり」「歌が下手で、ハーモニカを吹きたいと思っていた」という50縲・0代の10人が申し込んだ。地元長藤のハーモニカ愛好家藤原善信さんを講師に迎え、12月まで月1回のペースで全7回、町総合福祉センター「やますそ」を会場に開く。
藤原さんからハーモニカの吹き方など基本を習い、音を出した。
楽譜を読めない人がいることから、「ドレミ」の順に1から数字をふった楽譜を用意。短時間で「キラキラ星」や「春の小川」などを合わせ、楽しんで吹いた。
矢野やよ江館長は「音色の美しさに感動し、本年度新たに設けた。ハーモニカを演奏することで生活が豊かになれば」と話し、童謡・唱歌を歌うグループとの交流やハーモニカ演奏を通じた地域貢献につなげたいとした。 -
ONE・碗展
伊那市高遠町西高遠のギャラリーみなと屋で22日まで、「ONE・碗(わんわん)展」が開かれている。中堅の陶芸作家7人が作った、さまざまな碗150点がそろう。
上伊那の出展者は伊那市の宮崎守旦さん、林秋実さん、伊藤真一さん、駒ケ根市の湯沢千春さん。ほかは、奈良県、京都府など。
題名の通り、茶碗、湯飲み茶碗、抹茶碗、どんぶり碗、コーヒー碗など用途ごとに並ぶ。白、赤、青など模様の染付けや彫り込みなど作家の個性が出た手作りの一点もの。ゆう薬のかかり具合、微妙な形の違い、重さなど手に取って楽しむことができる。
みなと屋の杉村嘉勇さんは「手にどうなじむのか1点1点の違いを確かめ、マイカップを持つ楽しさを味わってほしい」と話す。
営業時間は午前10時縲恁゚後6時。
問い合わせは、みなと屋(TEL94・1201)へ。 -
高遠しんわの丘ローズガーデン バラ祭り始まる
伊那市高遠町の「高遠しんわの丘ローズガーデン」で14日、バラ祭りが始まった。初日から多くの来園者でにぎわい、中央アルプスを望み、ピンクや赤、黄など色鮮やかに咲くバラ園の散策を楽しんだ。7月21日まで。
桜の名所に次ぐ「高遠第3の花の園」を市内外にPRしようと、市、市振興公社、しんわの丘ローズガーデン友の会などでつくる実行委員会が初めて企画した。
高遠中学校吹奏楽部の演奏でオープニング。
小坂市長は「『パノラマ伊那市』にふさわしい景観。さらに素晴らしいバラ園にして、通年観光を目指したい」とあいさつした。
ローズガーデンは昨年6月にグランドオープン。県内屈指のローズガーデンで、花の丘公園西側の敷地面積8千平方メートルに、一輪の大輪咲き、中輪咲き、つるバラなど124種、約2600本が植えられている。見ごろは7月末までだが、四季咲きが多く、11月ごろまで楽しむことができる。入園無料。
期間中の土・日曜日はバラの苗木販売、22日はバラなんでも相談がある。
初日、長谷アルプスフォトギャラリー主催の撮影会「初夏のバラ園を撮る」が開かれ、市内外から45人が参加。講師の山岳写真家・津野祐次さんのアドバイスを受け、参加者は残雪の中央アルプスとバラを組み合わせた構図などをカメラに収めた。
敷地内には、眺望が楽しめるビューポイント「アルプスの庭」をはじめ、「太陽の雫」「風の香り」など公募で決まったエリア名が付けられている。 -
遊休農地の荒廃防ぐ 牛4頭を放牧
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。
遊休農地に牛4頭を放牧
ソバを栽培
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。 -
高遠長谷保育園年長交流会
伊那市の高遠長谷地区保育園の年長交流会が6日、高遠第1保育園であった。普段は別々の園で過ごす園児57人が、新しい友達と混合のグループでゲームやカレー会食を楽しんだ。
交流したのは高遠第1、第2・3、第4、長谷保育園の4園。年長交流は恒例行事で、本年度は4回計画し、季節によって各園を会場に、その地域ならではの体験なども取り入れて交流を深める。
この日は本年度第1回で、自己紹介で1人ずつ名前や好きな遊びを発表した。動物や乗り物のまねをするゲームなどで、初めて会った友達とも少しずつ慣れたあと、園庭に出て、自分の園にはない遊具に挑戦したり、砂場で川を作ったり、ままごとをしたり、皆夢中になって遊んでいた。
高遠長谷地域は、小学校でも高遠小、高遠北小、長谷小の3校交流があり、保育園での交流から小学校までの流れができ、いい連携ができているという。 -
ミヤマシロチョウを保護
県の天然記念物に指定され、絶滅が危ぐされるミヤマシロチョウ保護のため、伊那市は6日、入笠山にメギの木の苗木100本を植樹した。地元の高遠、高遠北の2小学校4年生ら50人余が協力した。
ミヤマシロチョウの減少は、乱獲やメギの木の伐採が要因の一つに考えられることから、自然環境保全の学習を兼ね、ミヤマシロチョウの幼虫が葉を食べるメギの木を植えている。5年目の取り組み。
児童たちは面積600平方メートルの決められた場所に、とんがで穴を掘って肥料や水を与え、高さ30センチほどの苗木を植えた。
高遠小の伊藤朗君(9つ)は「僕の植えた木が一番大きくなって、ミヤマシロチョウが増えてくれたらいい」と話した。
植樹に先立ち、県自然観察インストラクター征矢哲雄さんが講話。「南アルプスにいるチョウは7種類。ミヤマシロチョウは霧ケ峰、入笠、鹿嶺高原でいっぱい見ることができたが、00年の入笠山調査では数匹を確認しただけ」と生態を交え、保護を促した。
ミヤマシロチョウは標高1800縲・500メートルに生息する高山チョウ。羽は白く、翅脈が黒色。羽化後、集団生活するのが特徴。征矢さんは「ゆくゆくは幼虫を放したい」と話した。 -
高遠町商店街で花のプランター設置
伊那市高遠町の中心商店街の活性化を目指し、住民らでつくる町商店街発展の会(米山祥一会長)と、高遠景観形成会(柳沢秀一会長)は6日、同商店街の街路にサフィニアの花の苗を植えたプランターを設置し始めた。作業は8日にもあり、2日間で約100人が参加する。
取り組みは「高遠・花の商店街づくり事業」で、市の08年度「地域づくり活動支援金事業」として採択された新規事業。2団体それぞれに50万円の支援金があり、両会ではカラマツ製のプランター(100個)とサフィニアの苗(200株)、肥料の費用に充てた。
プランターは、高遠町に本社工場を構える木工メーカー「ウッドレックス」に特注した、城下町の同商店街にあう茶色に色を塗ったカラマツ製を使用。花は長く楽しめるよう、花期時期が10月までの一年草、サフィニア(紫色、すみれ色の2色)に決めた。
この日は、両会員から50人の人手が出て、42個のプランターをメーン通りなどに飾った。景観形成会の柳沢会長は「お客さんに和んでもらえればうれしい。もう一度、高遠町に来てみたいと思ってもらえる町づくりを目指したい」と話していた。
高遠町の中心商店街に花のプランターを設置するメンバー -
高遠消防署員が水難救助訓練
夏の本格的なウォーターシーズンを控え、伊那市の高遠消防署は4日、高遠ダム湖で水難救助訓練をした。全署員18人が交代でゴムボートを使った救助訓練に当たった。
管内に高遠、美和のダム湖があり、モーターボートやカヌーなどが楽しめることから、水難事故が発生した場合、円滑で適切な救助活動ができるように、119番通報を受けてから要救助者の救急車搬送まで総合的に取り組んだ。
訓練は、高遠ダム湖でカヌー1隻が横転し、行方不明者2人が出たと想定。1人は自力で脱出し、もう1人は湖に取り残され、署員5人が長さ3・8メートルのゴムボートに乗り込み「1、2」と声をかけながらボートをこぎ、救助者を引き上げて救急車搬送した。
現場本部の設置、ゴムボートの組み立て、夕方の事故発生時刻に合わせた湖岸への照明器具の準備など一連の救助体制を確認し、技術習得につなげた。
蟹沢昭二署長は「伊那消防署と連携を図り、万一の場合は迅速に対応したい」と話した。 -
花ろまん39牡丹(ぼたん)
「牡丹花は咲き定まりて 静かなり 花の占めたる位置のたしかさ(木下利玄)」。原産地の中国では「花王」、日本では「百花の王」と呼ばれる富貴花、牡丹。鮮やかな濃赤色の「太陽」と、純白の「白神」の咲き乱れた様は能「石橋(しゃっきょう)」の1シーンのようで、風情ひとしお-。今回は伊那市高遠町山室の牡丹寺として有名な遠照寺(松井教一住職)を訪ね、今を盛りと咲き誇る牡丹の銘花、珍花について、松井住職からお話を聞いた(大口国江)
◇「花の色、香、形どれをとっても最高の花」
同寺の牡丹は松井住職の母、智恵子さんが1983年に3株植えたのが始まり。その後、毎年株を増やし、現在は160種類、2000株が広い境内を彩る。紅、桃、紫、黒、白、黄色とほとんどの色があり、単弁、八重、千重、万重と花弁数もいろいろ。花形は抱え、半抱え、獅子咲き、平咲きと咲き方も多彩だ。
5月下旬から咲き始め、6月初旬まで楽しめる。
松井住職は「香り、色、姿、どれをとっても最高。まさに花王。朝日が昇る時、山の端に日が入る時は花の色が冴え、花びらもしゃんとして、1番きれい」と話す。
◇牡丹の歴史と芍薬(シャクヤク)
「立てば芍薬、座れば牡丹」と美人の形容詞にされる、牡丹も芍薬と同じボタン科ボタン属。牡丹は落葉低木で芍薬は草。牡丹は開花後、茎が木化して、冬季間も枯れずに残るが、芍薬は地上部は枯れる。
牡丹は奈良時代に中国から渡来した。弘法大師が持ち帰ったという説もある。江戸時代に大ブームが巻き起き、専門書「牡丹名寄」が出版され、300種類の記載があった。
牡丹の国内最大の産地、島根県大根島では、江戸時代に全隆寺住職が静岡県から薬用として持ち帰り、境内に植えたのが始まり。それが島内の農家に普及し、研究し新品種を作り出した。
1955年、成長が早い芍薬の苗に牡丹の芽を継ぐ技術が開発されたのをきっかけに、苗の大量生産が容易になり、大根島の牡丹は全国で栽培されるようになったという。大根島で作出された銘花も多く、「島の司」「島錦」など名前に「島」がついている。
新品種の作出は最初は中国、続いて日本、20世紀に入ると、欧米でも行われ、黄色の「ハイヌーン」「金帝」、桃色系獅子咲きのラインエリザベス」などの名花が誕生している。
◇「獅子に牡丹」は能「石橋」が起源か
「獅子に牡丹」は取り合わせのよいものの例えに使われ、獅子はイノシシとみなし、イノシシ鍋は牡丹鍋と呼ばれる。
獅子と牡丹の取り合わせは能「石橋」に登場する。
能「石橋」とは、仏跡を訪ねて入唐した寂照法師は清涼山で、石橋を見た。自然の流れが岩を貫き、数千丈の深い谷に架かった石橋の向こうは文殊菩薩の浄土。しばらく拝んでいると、文殊が可愛がっている獅子が現れ、満開の牡丹の中で狂い舞った-という豪華、絢爛の大曲。
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図書館カードデザインコンテスト表彰式
伊那市の伊那図書館で24日、第1回図書館カードデザインコンテスト入選作の表彰式があった。デザイン採用の2人に、表彰状と新デザインの利用者カードを贈った。
受賞者は、上の原保育園に通う宮下光誠ちゃん(5)=中央区=と、三洋グラビアに勤務する早川美佳さん(34)=箕輪町木下。
早川さんは、小学校2年の長女が「ママの描いた絵がカードになったらうれしいな」という一言で応募した。「長女の好きなゾウをデザインした。カードが愛され、図書館利用者が増えたらうれしい」と話した。
乗り物の本が好きという光誠ちゃん。母・真由美さんによると、4月から年長組(ひまわり組)になり、ヒマワリと夏の青い空を組み合わせてクレヨンで描いた。
新デザインのカードは新規登録者に配布。すでに利用者カードがあってカード変更したい場合は1枚100円かかる。
合併で図書館の情報システムを統合したことに伴い、共通の利用者カードを作成。利用者などにデザインの応募を呼びかけたところ、196人から209点が集まった。