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【記者室】食中毒を防ぐには
全国の食中毒発生のピークは、年によって違うが7、8月が多い。気温と湿度が高い環境が細菌の増殖に適しているというから、この暑さが続く間はくれぐれもご用心を▼伊那保健所に管内の食中毒発生件数を尋ねてみたところ意外なほどに少なく、05年度3件、06年度は1件竏窒ニいう回答だった。ほっとひと安心したものの、よく考えてみると一般の家庭で食中毒が起きた場合、よほど重い症状でなければ届け出はしないから、実際にはもっと多くの発生があると想像できる▼一方で食品の偽装表示なども相次いで発覚しているが、これも氷山のほんの小さな一角に違いない。消費者の立場から偽装を見破るのはまず不可能。頼るべきは自身の五感だけなのかもしれない。(白鳥文男)
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・ス虫瞰図・ス作品展示
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館が今月7日に開いた「小さな虫から命を学ぼう竏猪lたちの虫瞰図」に参加した駒ケ根市、伊那市の小中学生38人がワークショップで制作した絵画の作品展が9月9日まで同館で展示されている。色とりどりの個性豊かな作品40点が並び、訪れた人たちは小中学生ならではの自由な発想に感心しながら眺めている。
ワークショップは虫の視点から見た世界を表現する試みで、野外観察に出て感じ取ったモチーフやアイデアを絵画で表現した。 -
【画家 ノブ・サチさん】
・ス夢の世界をのぞいてごらん みんなともだち み縲怩ネしあわせ・ス…。願いをこめて地球、子どもたち、希望をテーマに夢の世界を描く。「美しく平和な地球の素晴らしさを子どもたちに伝えたい、少しでもその役に立てたらという思いで楽しく描いています」
心を癒すような温かみのある作風が会社のイメージアップにつながると、作品は大手企業のカレンダーなどにも続々と採用されている。
「動物も植物も人間も同じ生き物。だからこそ、みんながいつまでも共存できる素敵な地球でいてほしい」
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神戸市出身。趣味で油絵、水彩画を描いていた母に影響を受けて絵を描き始めた。今の作品からは想像しにくいが「これでも昔は渋い絵が好きだったんですよ、岸田劉生とか…。描く絵も具象で風景や花が主でした」。好きな絵をもっと勉強したいと大阪芸術大に進学。描きたいものが見つからずに苦しんだ時期もあったが「苦しさから抜け出たら、描くことがあらためて楽しくなった」。模索の中から確立した独自のスタイルで次第に注目を集める存在となった。
「絵を仕事にできるなんて全然考えていなかったのに、周りの人たちの助けでいつの間にか作家にさせてもらっていました。今でもただただ好きで描いているだけで特に才能なんかありません。締め切りに追われてすごく忙しい時もありますが、それでも描くのは楽しくて、苦しいと思ったことはないんです」
作品から受ける印象そのままの温和な性格。子どものころから集団生活やチームワークが苦手で、友達が楽しそうに遊んでいるところを少し離れた物陰から見ているような少女だった。「怒ったり怒鳴ったりしたことがないんです。一言でいえばマイペースだけど、やっぱりちょっと変わっているのかな…」人前に出ることは今でも恥ずかしく、個展の会場に出るのも大変な勇気がいるという。
◇ ◇
ずっと以前から自然が素晴らしい長野県に住みたいと思っていた。3年前に駒ケ根市を訪れて一目で気に入り、即決でアトリエを購入。
「アルプスの美しさときれいな川。絵を描く時に頭の中で想像するだけだった森の世界が現実のものとしていつでも目の前に広がっていることに感激しました。ちょっと庭に出ただけでたくさんの虫や鳥が息づいているのを見ることができるなんて本当に最高の環境です」
静かな所でひっそりと誰にも会わない生活をしたかったのも本音だったというが「心配して声を掛けてくれる人たちがいて、それがとてもありがたくてうれしかったんです。私は一人で生きているんじゃないって気がつきました。そのことは、知らず知らずに絵にも表れてきているような気がします。こんな素晴らしい所で好きな絵を描いていられて幸せ。だから私だけでなく、みんなが幸せでありますように…」。
(白鳥文男) -
駒ケ根市民チャンピオン「長いナス」
駒ケ根市の何でもナンバーワンを決める市民チャンピオンの「長いナス」に、下平の農業山崎竹良さん(84)方の畑のナスが47センチで認定された。山崎さんは「普通のナスより長い種類を今年初めて作ってみたが、こんなに長くなるとは思わなかった。味も良いよ」と話している=写真。
山崎さんはこれまでにも「大きなナス」、「大きな折り鶴」など3部門で市民チャンピオンとなっている。 -
駒ケ根市東中耐震工事遅れの影響
入札の不調から工事業者が決まらず、着工が約1カ月遅れた駒ケ根市の東中学校(小木曽伸一校長)体育館の耐震補強工事は10月末の完成を目指して工事が進められている=写真。基礎や鉄骨はりの増強のほか、床の張り替えなども行われるため、工期中はまったく使用ができない。
工事の遅れを受けて同校は、生徒会の最大行事である文化祭の日程を当初計画の10月12(金)13日(土)から13(土)14日(日)に変更することを決めた。開祭式や各種のステージ発表などが予定される1日目にはどうしても体育館が必要であることから近くの東伊那小学校の体育館を借りてしのぐこととしたが、12日は同小の授業があって借りられないため。
入札は5月8日に14社が参加して行われたが、いずれも予定価格を上回り、落札されなかった。これを受けて市教育委員会は見積もりを委託した業者に積算の見直しを指示した上で6月25日に2回目の入札を行った。 -
駒ケ根市民チャンピオン「大きなワラビ」
駒ケ根市の何でもナンバーワンを決める市民チャンピオンの「大きなワラビ」部門で、上赤須の自営業遠藤正治さん(52)方に自生するワラビの1本が、昨年遠藤さん方で認定された57センチの記録を大きく上回る120センチで認定された。遠藤さんは「元はアルストロメリアやニラを栽培していた畑だが、3年前ほどからワラビが自然に増えてきた。以前の肥料が利いているのかもしれない」と話している=写真。
遠藤さんは「背の高いプルーン」などで合計6つの市民チャンピオンを保持している。 -
ふるさと就職相談会
産・学・官が連携して雇用対策に取り組んでいこうと7月に設立された駒ケ根雇用対策協議会(会長・中原正純市長)は16日、ふるさと就職相談会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。Uターンを促進しようと市が初めて行った昨年に続き2回目。就職を希望する人やその家族など約10組が訪れ、地域の就職状況などを担当者に尋ねていた=写真。来場者は真剣な表情で説明に耳を傾け、地元企業の会社案内パンフレットなどを何冊も持ち帰っていた。
協議会は趣旨に賛同した市内の企業約40社を会員に、赤穂高校、駒ケ根工業高校、伊那技術専門校と駒ケ根商工会議所、駒ケ根市が協力し、伊那公共職業安定所とも連携しながらさまざまな雇用対策を行っていく。U、I、Jターンを促進するため、全国の大学を訪問して地元企業をアピールしたり企業ガイドを作成・配布したりするほか、地元高校生に情報提供を行うなどの活動を行っていく。 -
駒ケ根市長選投票は1月20日
市選挙管理委員会は16日、来年1月28日に任期満了となる駒ケ根市長選の日程を発表した。告示は1月13日、投票は同20日。立候補手続き説明会は今年12月中旬に、立候補届け出書類の事前審査は1月上旬に行う予定。9日の定例会で決めた。
市長選に向けては現職の中原正純氏(66)=町三=、前回選で当選まであと一歩と迫った元県教育次長の杉本幸治氏(57)=上穂町=のほか、元市議会議長などの名前が挙がっているが、現時点ではいずれも出馬について明言を避けている。もし、中原市長が9月の市議会定例会で態度を明らかにするようなことがあれば、選挙戦に向けて情勢が一気に進展することも考えられる。 -
全国大会出場選手激励会
駒ケ根市教育委員会は15日、全日本中学校総合体育大会に出場する選手らの激励会を保健センターで開いた。選手の代表者らは「雰囲気にのまれないよう全力を出し切りたい」、「1位を目指したい」、「悔いの残らないよう、上位入賞を果たしたい」とそれぞれ決意を述べた=写真。中原稲雄教育長は「自分のベストを発揮できるよう、精いっぱい頑張って」と激励した。
大会は陸上が8月21日に宮城県で、新体操は23日に青森県でそれぞれ行われる。
出場選手は次の皆さん(カッコ内は学年)
◆陸上▼100メートル、200メートル、4×100メートルリレー=加藤一樹(赤穂3)▼110メートルハードル、4×100メートルリレー=森雅貴(同3)▼4×100メートルリレー=松尾駿輝(同3)大野裕紀(同3)中嶋慎也(同3)▼1500メートル、3000メートル=福沢潤一(東3)
◆新体操▼団体=清水累衣(赤穂3)小原恵(同2)唐沢紗季(同2)山崎真緒(同2)新井彩夏(同1) -
早乙女勝元講演会
第19回平和のための信州・戦争展が開かれている駒ケ根市の総合文化センターで最終日の16日、作家で東京大空襲・戦災資料センター初代館長の早乙女勝元さんの講演会「いのちと平和の尊さを」が開かれた。早乙女さんは「10万人が死んだといわれる東京大空襲の夜を生き延びたが、終戦を実感したのは、灯火管制がなくなって明るい電灯の下で家族で食卓を囲んだ時だ。平和って明るいんだ、と思った」と話した上で平和憲法について「今の日本にはえたいの知れぬ胸騒ぎを感じる。戦後62年で最大の分かれ道に差しかかっているが、道を誤らないために憲法改正を許してはならない」と強く訴えかけた=写真。
聴衆は真剣な表情で早乙女さんをじっと見詰め、時折深くうなずいたりしながら話に耳を傾けていた。 -
【伝える】東伊那の登戸研究所跡
子どもたちの無邪気な歓声が明るく響く駒ケ根市の東伊那小学校グラウンド。その西側に接する急斜面を少し下った木立ちの中に高さ2メートル、幅1・5メートルほどの横穴がぽっかりと暗い口を開けている。
太平洋戦争末期に、旧陸軍の登戸研究所が薬品などの貯蔵庫として使ったとみられる壕(ごう)の跡だ。
入口は2つ。穴は5メートルほどの間隔で隣り合っているが、水平に延びる2本のトンネルは土の中で結ばれておらず、それぞれ独立している。内部の総延長は20メートルほどらしいが、天井や壁がくずれかかって危険なため正確に確認はできない。土地所有者の湯沢梅次郎さん(71)=東伊那栗林=は当時小学校1年生だった。
「子どものころ穴に入ってみたことがあったが、内部も入口とほぼ同じ大きさのトンネルでけっこう広かった。中には薬品を置くための棚が並んでいたと思う。入口は今は土がむき出しだが、当時はしっかりした材木で囲ってあったな」
登戸研究所は毒薬、細菌、風船爆弾などの特殊兵器の研究、開発、製造を行っていた陸軍の一部門。米軍による爆撃を避けるため、1945(昭和20年)3月に神奈川県川崎市の登戸から中沢村(現駒ケ根市中沢)や伊那村(同東伊那)など上伊那南部に疎開してきた。研究部門の本部は中沢国民学校(現中沢小学校)に置かれたらしい。湯沢さん宅も接収され、上級将校の宿舎に充てられた。研究員だった伴繁雄技術少佐も滞在していたという(伴少佐は戦後『陸軍登戸研究所の真実』を出版し、軍極秘事項として多くの謎に包まれたままだった研究所の内幕を公表して話題を呼んだ)。湯沢さん方の敷地内には壕のほか工場棟も建設されたが、本格稼動の前に終戦を迎え、直ちに撤去された。
湯沢さんは「跡には何も残らなかった。だがその後すぐ、東伊那の小学生がどこかの倉庫に忍び込み、中にあったチョコレートを食べて体の具合を悪くしたという話を聞いた。どうも研究所の試作品だったということだ。幸い死ぬようなことはなかったらしいがね」と話す。
壕(ごう)は戦後長くそのままの状態で残っていた。しかし、小学校グラウンドのすぐ下ということもあり、子どもたちが度々探検と称して入り込んだ。湯沢さんは周囲の土が粘土質で軟らかいことから崩落の危険を感じ、立ち入り禁止の札を立てたり、入口にバリケードを作って入れないようにしたが、相手は子ども。あまり効果はなかった。最近になっていよいよ横穴の天井部分が陥没を始め、いつ全体が崩れ落ちるか分からない状態となったため、遂に埋め戻しを決意。現在工事に入っている。
湯沢さんは言う。「貴重な歴史の遺産としての価値を考えると残念な気もするが、子どもたちの安全には代えられない」
工事は9月中にも完了する予定だ。穴は跡形もなくなり、ここに登戸研究所の施設があった証拠は完全に失われる。研究所で使われていた備品なども終戦直後にすべて処分されたため、手がかりとなる物はほかに何もない。ただ一つだけ、倉庫で使われていた木製の薬品棚が湯沢さん宅の物置に残っているだけだ。 -
駒ケ根市成人式
駒ケ根市の成人式が15日、市文化会館で開かれた。今年度新たに成人を迎えた466人(男性222、女性244)のうち273人が出席し、人生の節目を祝った。新成人代表の宮脇惇さん=町三=は「成人になって飲酒、喫煙が可能になるが、飲酒運転は絶対にせず、たばこは周りの迷惑にならないようマナーを守りたい。社会人としての自覚を持ち、ルールを守って生活していきたい」と謝辞を述べた。中原正純市長は「人生を築く上で成人は大きな節目。変化の激しい時代だからこそ『温故知新』を大切にしてほしい。若い感性を生かして大きな志を抱き、学びの心と向上心をもって研さん、精進することを期待する」と力強く激励した。
式典後には中学校の恩師らによるビデオメッセージが上映され、新成人は久しぶりに見る懐かしい顔と楽しい語り掛けに歓声を上げていた。
アトラクションとして、式に先立ち駒ケ根太鼓が、式典後に市民吹奏楽団がそれぞれ演奏を披露。新成人は素晴らしい演奏に大きな拍手を送っていた。 -
駒ケ根市内各地で盆踊り
お盆中の14日夜、駒ケ根市内のそれぞれの地区では各区分館主催の盆踊り大会がにぎやかに催された。
北割二区の盆踊り大会は宮澤印刷の駐車場にやぐらやテントを設置した特設会場で開かれた。景気づけに勇壮な和太鼓が演奏されてにぎやかに踊りがスタート=写真。集まった区民らはやぐらの周りで輪になって踊ったりじゃんけん大会や花火に歓声を上げたりして、夜のふけるのも忘れて夏の一夜を楽しんだ。
会場では焼きそば、かき氷、スイカ、焼きトウモロコシ、わたあめなどが無料で振る舞われ、訪れた親子連れが何度もお代わりを繰り返していた。 -
駒ケ根ベンチャーズライブ
駒ケ根市近郊在住の50歳代男性5人と女性1人でつくるバンド「駒ケ根ベンチャーズ」のライブ「夏だ! お盆だ! 駒ケ根ベンチャーズ」が14、15日の夜、駒ケ根市中央の野外特設ステージで行われた。1960年代に世界的なエレキブームを巻き起こしたベンチャーズの往年の名曲をはじめ、加山雄三のヒット曲や演歌など約30曲を次々に演奏=写真。得意の「テケテケ」サウンドを夜の商店街に響かせた。
同バンドは少年時代にベンチャーズにあこがれたメンバーが約10年前に結成。今や各地のイベントなどに引っ張りだこの人気バンドとなっている。駒ケ根の商店街でのライブはお盆の定番となっている。 -
【記者室】新成人の態度
上伊那のいくつかの市町村で成人式があった。駒ケ根市の式を取材した折、新成人の態度はどうだろうかと意地悪い目でじっくりと観察してみたが、式典中、大声でしゃべる人も携帯電話を操作する人もなく、立派な態度だった。祝辞の途中に居眠りする人が数人いたのはご愛きょうだ▼数年前、全国のあちこちで新成人が会場で騒ぐなどのトラブルが起きて社会問題化したことがあったが、幸いにして最近はあまり聞かない。出席者が・ス大人・スになったのだろうか▼式本来の目的を忘れて同窓会と化しているのだからもうやめたら竏窒ネどの批判もあるが、成人の節目を意識するこれほどの機会はほかにない。内容にひと工夫欲しい気もするが、続けていく意義は十分ある。(白鳥文男)
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信州戦争展
第19回平和のための信州戦争展が16日まで駒ケ根市の文化センターで開かれている。太平洋戦争の現実を伝えるパネルや写真、当時の軍服や戦死者の遺書など、多くの資料を展示している=写真。写真家高橋邦典さんの作品展も併せて開かれているほか、イラク戦争の展示などもある。
14日の証言コーナーでは体験者3人が戦争の悲惨さを来場者に語り掛けた。1945(昭和20)年3月の東京大空襲を経験した松崎岩夫さんは「B29の焼夷弾爆撃で東京の東半分が火の海。道路や川に裸の死体がごろごろしていた。体の焼けるにおいが充満してしいたが、気がおかしくなっていたのか、悲惨さはそれほど感じなかった」と当時の体験を生々しく語った。
実行委員長の清水久志さんは、特に戦争を知らない世代に来てもらい、日本と世界のために何ができるか考える機会にしてほしい竏窒ニしている。
15、16日にも戦争体験者3人による証言が行われるほか、16日午前10時からは作家で東京大空襲・戦災資料センター初代館長の早乙女勝元さんによる講演「いのちの平和の尊さを」が大ホールで開かれる。
午前10時縲恁゚後5時。入場料は大人300円、高校生以下無料。 -
駒ケ根市民チャンピオン「背の高いユリ」
駒ケ根市の何でもナンバー1を決める市民チャンピオンに13日、背の高いユリが初めて認定された。ユリは中沢のデイサービスセンター竜東やまびこ園(吉沢みはる園長)の庭に育った物で、高さは2メートル70センチ。96年の記録を10センチ上回った。同園の庭に咲く花々の手入れをしている職員の塩沢正己さんは「場所が建物の西側で、一日中日が当たらないのが良いのかもしれない。特別な肥料を与えるなどの手入れは何もしていないが、土がユリに合っているのかな」と話している=写真。
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小町屋区ふれあい広場
駒ケ根市小町屋の区民ふれあい広場は12日、区内のきらめき公園であった。恒例のマスつかみやマスの塩焼き、食べ物・飲食のテントが並び、老若男女の住民でにぎわった。
「区民ふれあい広場」は14年目、「きらめき公園」での開催は2年目。小学生から高齢者まで約百人で組織した実行委員会が主催。 マスつかみでは隣接のねずみ川をせき止め、ニジマスを放流し、子どもたちは歓声と水しぶきを上げて追いまわした。
新企画の消防コーナーでは、子どもたちは消防工作車に試乗したり、放水体験に大喜び。青年海外協力隊の協力で実施した国際交流コーナーでは外国料理の試食、民族衣装の試着、アフリカンドラムの体験などもあり、人気を集めた。
駒ケ根市のヒーロー「スピート太郎」も応援に駈け付け、子どもたちとゲームで盛り上がった。
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キッズスポーツキャラバン
伊那教育事務所は8月から10月にかけ、信州縦断キッズスポーツキャラバンとして子どもの体力向上キャンペーンに取り組んでいる。11日、第1回ワークショップが駒ケ根市の赤穂小学校体育館で開かれた。保育園児、小学1、2年生と保護者ら約100人が参加し、さまざまな運動を通して体力の向上に取り組んだ。腕や肩など、子どもたちが普段の生活の中で使うことの少ない部分の筋力を養うため、参加者は四つんばいになって歩くクマさん歩きやトンネルくぐり、ゴムひもを使っての側転など、講師の指導で楽しくこなした=写真。
最近の子どもは昔に比べて体格が良くなっているにもかかわらず転んだ時のけがが増えていることから、幼少期に筋力やバランス感覚を養う必要があるとして、伊那教育事務所は2年前からキャンペーンに取り組んでいる。
ワークショップ第2回は25日に伊那市で、第3回は10月27日に箕輪町でそれぞれ開かれる。 -
天竜精機社員研修会
産業用加工機を開発・設計・販売する天竜精機(芦部喜一社長、駒ケ根市)は11日、社員全体研修会を駒ケ根市の文化会館で開いた。市内の製造業者などでつくるテクノネット駒ケ根の会員など、約20人の来賓を招いて開く初めての公開研修。「・ス成長と自信・スを共有する研修会」と題して社員ら約100人が参加し、ここ2年間に取り組んできたプロジェクトのうちの3つについて代表者の発表を聴き、意見交換をするなどして、会社の着実な進歩を互いに確認し合った=写真。芦部社長は今後の方向について「納期、完成度で卓越した会社を目指そう」と全社員に呼び掛けた。
発表されたのは「伝わる組織作り」、「採用」、「人事評価制度構築」の3プロジェクト。「伝わる組織作り」に取り組んだ3人の管理職社員らは1年間にわたる活動から得られたことについて「自分を見つめ直すことができた」、「部下とのコミュニケーションを常に考えるようになった」などと取り組みの成果を強調した。 -
東伊那の小池勤さん
「カラカラーン。冷凍になった同朋の遺体を仮設の屍室に投げこむ時の音。あれから60有余年経った今でも、その時の夢にうなされる」と、語るのは駒ケ根市東伊那の小池勤さん(84)
小池さんは1923年東伊那に生まれ、尋常高等小学校卒業後、8年間、大工の修業をし、召集され、満州に渡った。
45年8月ソ連戦車隊の爆撃に遭い、陣地は破壊され軍はバラバラ、食糧の補給は途絶え、ボーフラの湧いた水溜まりの水をすすり、サルノコシカケで命をつないで、本部を目指して後方に移動した。
大けがをし傷口からウジがわいている同胞や、ぼろ布のように路傍でうずくまり、救いを求める人も置き去りにして「今度はおれの番か」と何度も思いながら、死の行軍の果て、ソ連兵に投降し、捕虜になり、平安の格納庫に収容された。
張り詰めていた糸がプツンと切れるように、栄養失調や赤痢で多くの同朋がバタバタと亡くなった。
平安を後に、ソ連兵に追いたてられ、アムール河を渡り、ブエゴエスチンクスに着いたのは11月の初め、シベリアはすでに厳寒期だった。
病気と栄養失調の体で、シベリアの極寒に耐えられるはずもなく、毎日、何10人かが亡くなった。衣類は剥ぎとられ、カチカチに凍り、白蝋のように変わり果てた屍は、木材でも扱うように無造作に仮設屍室に放りこまれた。カラカラーン、カラカラーンと異様な響きが耳に突き刺した。
さらに貨物列車に乗せられ、46年1月にシベリアの最奥地ヤクドニヤの捕虜収容所に移され、毎日、「ダワイ、ダワイ(早く、早く)」と苛酷な強制労働に駆り出される抑留生活が始まった。
使役は2人引きのノコギリで薪の伐採作業、ふらつく体での重労働、少しでも休むと、銃をつき付けられた。体感温度は零下50縲・0度、気を付けないと、顔や鼻、足の先はすぐに凍傷になってしまう。
2カ月ほどで、大工の腕が見込まれ、ウルガル方面に移動、建物の建設や橋の架橋工事に従事し、作業中、足を滑らし、大けがをし、病院に入院した。回復すると病院勤務を命ぜられた。病院に日本人の入院患者がいなくなると同時に、4年間の抑留生活から開放され、49年8月28日に大郁丸で帰国した。
現在、小池さんは「駒ケ根9条の会」の会員であり、機会あるごとにシベリア抑留体験を語っている。「今もシベリアの永久凍土の下に放置されている同朋のことを思う時、2度と戦争を起してはならない、戦争の悲惨さを語ることが、体験者の責務。生きている限り、語り継ぎ、平和憲法を護る活動をしたい」と話す。 -
安楽寺で施餓鬼法要
先祖の霊が帰るといわれるお盆を前にした11日、恒例の施餓鬼(せがき)法要が駒ケ根市の安楽寺で営まれた。市内全域の檀家から約500人が本堂に集まり、16人の僧侶の読経が響く中「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら手を合わせて焼香し、先祖の霊を慰めた=写真。法要を終えた参加者らは僧侶がまいた散華(さんげ)と呼ばれる仏の絵を描いた札や塔婆、小旗などを大切そうに抱えてそれぞれの家路についた。
施餓鬼は地獄で苦しむ餓鬼に施しをするための法要だが、人への思いやりや先祖への感謝の気持ちを忘れないよう、お盆に合わせたこの時期に行われることが多い。 -
弦楽四重奏サマー・コンサート
米国オハイオ州を拠点に活動する演奏家たちによる弦楽四重奏サマー・コンサート「オハイオより愛をこめて 世界の未来に夢と希望を与える」が9日、駒ケ根市の市文化会館大ホールで開かれた。赤穂キリスト協会主催。夜の一般公演と昼の小中学生向け無料特別公演が開かれ、幅広い年代の聴衆が静かに響く弦楽の調べに浸った。
演奏はロジャー・スティーグ(バイオリン)ウェイ・ユー(同)松田健一郎(ビオラ)ジル・ライト(チェロ)の4人で、曲目はいずれもモーツァルトの『弦楽四重奏 K387』、ハイドンの『弦楽四重奏 皇帝』アロン・コープランドの『一つの贈り物』など。メンバー中唯一の日本人の松田さんは曲の合間の語りで「高校に入ってからビオラを始めた。小さい頃から習わなければものにはならないから、やめた方がいいとよく言われたが、好きなことだから続けてこられた。皆さんも人のいうことは気にせず、自信をもって生きてほしい」と聴衆に呼び掛けた。 -
駒ケ根ロータリークラブ国際奨学生派遣
駒ケ根ロータリークラブ(福沢晴海会長)は今年度の国際奉仕事業の一環で、ピアニストの松島さおりさん(25)=駒ケ根市南割、赤穂高校3年生の北沢まなみさん(17)=同市中央=の2人を国際奨学生として海外に派遣する。派遣期間はいずれも1年間。
9日、2人は福沢会長らに伴われて市役所を訪問。中原正純市長に出発のあいさつをした。松島さんは「イタリア・ミラノのベルディ音楽院でピアノの勉強をしてきたい。日本の文化も紹介するなどしながら外国の人たちと交流したい」、北沢さんは「交換留学生として米国ペンシルベニア州の高校で勉強してくる。ホームステイ先が3カ月ごとに代わるので大変だが、親交を深めて来たい」とそれぞれあいさつした。中原市長は「楽しみながら一生懸命に勉強し、人間的に二回りも三回りも大きくなって帰ってきて」と笑顔で激励した。
松島さんは23日に、北沢さんは21日にそれぞれ留学先に向けて出発する。 -
駒ケ根市職員共済組合が地震災害義援金寄付
駒ケ根市職員共済組合(組合長・原寛恒副市長)は新潟県中越沖地震の被災者に対する義援金約17万9千円を日本赤十字社県支部駒ケ根地区(地区長・中原正純市長)を通じて寄付した。10日、竹内啓剛副組合長が中原正純市長に目録を手渡した=写真。中原市長は「職員の皆さんの尊い気持ちをうれしく思う。一日も早く復旧、復興できるよう、日赤を通じて被災者に届けたい」と礼を述べた。
募金は地震が起こった7月16日の4日後から同31日まで行われ、組合員304人が協力した。 -
駒ケ根市が地震被災の柏崎市に職員派遣
駒ケ根市は新潟県中越沖地震で被災した新潟県柏崎市の要請を受け、同市にまちづくり推進部水道課の横田大輔主査(33)=駒ケ根市福岡=を12日から18日まで派遣する。10日、中原正純市長が災害派遣命令書を横田主査に手渡した=写真。横田主査は「短い期間だが少しでも役に立つよう力を尽くしたい」と述べた。中原市長は「積み重ねてきた知識と技術力で復旧に当たってほしい。職員、市民の代表として頑張って」と激励した。現地での業務は、下水道の復旧工事のための設計書作成などの予定。横田主査は昨年の7月豪雨災害後に上伊那広域連合に派遣され、約1カ月間復旧関連業務に当たった経験がある。
派遣は駒ケ根市が今年2月に加盟した地域資源循環技術センターの「農業集落排水施設災害対策応援に関する協定」に基づくもの。同協定によって職員を派遣する市町村などは全国の延べ30団体。 -
【ごっちゃん会代表 吉川武朋さん】
駒ケ根青年会議所の会員が中心となり、相撲好きが集まって3年前に結成したごっちゃん会の代表。小学生に相撲の指導などを行うほか、相撲大会では行司なども務めている。
◇ ◇
福岡県生まれ。中学、高校時代にはバスケットボール部に入って練習に明け暮れていたが、残念ながらレギュラーメンバーにはなれなかった。相撲との出合いはバスケット部を引退した高3の春。相撲部に入って初めてまわしをつけた時、何ともいえない不思議な感覚に襲われた。
「裸になること自体、それまでのスポーツのイメージとまったく違った感覚だったが、しこ、そんきょなど、勝負とは直接関係のない所作がいろいろあることに伝統の重みを強く感じた」
初めて経験する本格的な相撲だったがその2週間後、腕試しに竏窒ニ出場した県の大会で連戦連勝。あれよあれよという間に勝ち上がり、何と個人優勝を果たして県1位に輝く。
「あの時はひどく緊張していて頭の中は真っ白だった。取り口とか決まり手なんかまったく記憶がない。表彰式でメダルをかけてもらったことだけは何とか覚えているが、どうやって勝ち進んだのか分からない。でも、バスケットで足腰を鍛えていたことが無駄ではなかったような気がしてうれしかった」
その年には国民体育大会にも初出場した。惜しくも全国の厚い壁にはね返されたが、その後も精進を重ねて多くの大会で優勝。24、25歳の時には国体に2年連続出場を果たすなど活躍した。
◇ ◇
駒ケ根市には10年前に越してきた。誰か相撲をやっている人はいないかと見まわしてみたが、残念ながら見当たらなかった。しかし相撲の経験者であることを伝え聞いた人の紹介もあり、小学生相撲大会で子どもたちの指導をすることになった。
「相撲の魅力は勝ち負けよりも礼儀を重んずること。会の活動の目的は相撲の普及というよりも、相撲を通じて人間同士の心のつながり、思いやり、礼節などを学んでほしいというのが本当のところなんです。そのことは子どもたちだけでなく、大人たちにも広がっていってもらいたい。だから、これからは相撲以外にもいろいろと活動していこうと考えているんです」
(白鳥文男) -
高校生ものづくりコンテスト
県内の工業系学科で学ぶ高校生を対象に県下5会場で行われる「第7回高校生ものづくりコンテスト」の電子回路組立部門長野県大会が8日、駒ケ根市の駒ケ根工業高校で行われた。県内の工業高校6校でそれぞれ選抜された生徒15人が出場し、与えられた課題に挑んだ=写真。北信越大会(9月、富山県)への出場権を得られる1位と2位には小口宏之君(松本工業3年)、西村誠君(同2年)が入った。駒工からは3人が出場したが出場権獲得はならなかった。
課題は制限時間内に制御対象回路と配線組立回路を製作し、事前に製作した接続ケーブルでコンピュータに接続して制御プログラムをプログラミングすることにより、指示通りに発光ダイオードを表示させたりモーターを制御するシステムを完成させるもの。回路製作(ハードウエア)とプログラミング(ソフトウエア)の両面が審査される。 -
駒ケ根市民チャンピオン・ス大きなカンナ・ス
駒ケ根市の何でもナンバー1を認定する市民チャンピオンに・ス大きなカンナを育てた人・スとして上穂北、山宮好枝さん(70)が新たに認定された。市職員がスケールを持って山宮さん方を訪れ、庭の一角に咲くカンナの地表からの高さを測定し、170センチでの認定となった。この部門での認定は初めて。山宮さんは「カンナは育てるのが難しいが、やっぱり土づくりが大事。茎も葉もこんなに大きく元気に育ってくれた」と認定に目を細めている=写真。
山宮さんは89年にも・ス多くの押し花を収集した人・スで市民チャンピオンに認定されている。押し花の数は千種類だった。 -
駒ケ根ロータリークラブ新体制発足
駒ケ根ロータリークラブは8日夜、第49年度(07年7月1日縲・8年6月30日)の体制を発表した。新会長には福沢晴海さん(77)=福沢米穀店会長=が就任した。福沢会長は年度会長方針について、RIテーマと地区方針を尊重して実行しつつ、特に楽しむことを柱として職業を通じた社会奉仕に取り組んでいきたい、とする考えを明らかにした。青少年交換留学生の派遣・受け入れのほか、ボーイスカウト、ガールスカウトへの支援などのさまざまな奉仕活動を行っていく。
主な役員・理事は次の皆さん。
▽会長=福沢晴海▽会長エレクト=塩沢崇▽副会長=宮下善行▽幹事=村沢英夫▽会計=下平洋一▽SAA=滝沢義一郎▽直前会長=中島清一▽副幹事=窪田雅則▽副会計=山浦速夫▽クラブ奉仕委員長=宮下善行▽職業奉仕委員長=木下勝博▽社会奉仕委員長=吉沢利文▽国際奉仕委員長=伊藤雅基▽新世代活動委員長=窪田雅則