-
十五夜の風習「オカラコ」を給食で
十五夜の25日、宮田村宮田中学校は上伊那地方に伝わる十五夜の風習「オカラコ」の汁物を給食に。生徒たちは郷土の伝統に舌鼓を打った。
「オカラコ」は季節の根野菜や米をつぶした丸餅を供える風習。十五夜の翌日にみそ汁に入れて食べるのが昔からの習わしだ。
近年では継承する家庭も少ないが、宮田中では4、5年前から十五夜にあわせ、給食で伝統をつないでいる。
この日も大根やカボチャなどが入った汁を食べた生徒たち。同校栄養士の小原啓子さんは「食を通じて少しでも地域の伝統に親しんでもらえれば」と話していた。 -
姫宮神社祭典で浦安の舞
宮田村南割区の姫宮神社秋季例祭は22日に宵祭り、23日に本祭りを開き、地元の女子高生4人が巫女に扮して「浦安の舞」を優雅に奉納した。宵祭りは年番の新田区が余興を用意。寸劇や踊りなど多彩な演目で、華やかに秋祭りを祝った。
同神社では昨年初めて例祭で浦安の舞を奉納。今年も昨年に引き続き地元日本舞踊グループ「鶴乃会」が協力した。
巫女になった4人も昨年と同じ中村千鶴さん、馬場桃香さん、多田井優海さん、吉沢友里恵さん。いずれも今年から高校に進学したが、初心にかえって稽古を積んできた。
「このような地域の祭りに出演し、伝統に親しむことは良いことだと思う」と師匠の中村ゆみさん。
宵祭りでは神社で奉納し、大田切区の大田切獅子とともに舞台にも出演。幻想的な4人の舞姿に、訪れた人たちは固唾を飲んだ。
続いての新田区による余興は楽しく賑やかに。8つの班や有志が練習を積んできた演芸を披露し、歓声があがった。 -
【国画会会員 画家 柴田久慶さん】
中学の時、級友らとともにごみを埋める縦穴を学校の一隅に掘った。数メートルのかなり深い穴だ。中央部に残った、身長を超える高さの土の塔を見て雷に打たれたような衝動を受け、スコップをつかんで彫刻を始めた。あっけにとられる級友らを尻目に、独り夢中になって人間の姿を彫った竏秩B級友の話によると、飛んで来た先生が彫刻の出来に目を見張ったという。
「遊びなどではなく、真剣だった。だがなぜ突然そんなことをしたのか今でも分からない。作品として残したいとか人に見せようなんて考えはなく、ただ彫りたかった。その前後のことは全然記憶がない。覚えているのはあの日、あの場所で一心不乱に彫った、ただそれだけだ」
◇ ◇
伊那市手良の農家の出身。子どものころから絵が好きで「プロになれなくてもいいから一生描いていくつもり」でいた。高校の先生に勧められて美大を受験したが落ちた。家庭も豊かではなく、浪人してまでも竏窒ニいう気持ちもあって東京の会社に就職。だが都会の水が肌に合わず、実家に帰って印刷会社などでデザインの仕事をしながら黙々と絵を描いていた。20歳代後半になり「どうせなら何をおいても好きなことをやろう」と覚悟を決め、勤めをやめた。
画家としてやっていける自信がついたのは40歳を過ぎてから。県展で86年に県知事賞、87年には10年に一度しか与えられない記念賞を受賞した。
前後して国画会では新人賞、国画賞を受賞。厳しい審査を通過して準会員となったが、次に目指した正会員はさらなる高みにあった。全国から優秀な作家が集まっている国画会の正会員の座は簡単に手に入るものではない。数年間挑戦を続けるうち、認められたい思いがあせりに変わり、自分を見失った。
ある年、出品の期日が目前に迫っても描き上がらなかった。午後から朝まで夜通し飲まず食わずで描いたが、いい色が出るはずはない。朝見たらひどい様相になっていた。さらに丸一日間、何も食べずに必死になって描き続け、いくらかましな出来になった。
「何とか出品にこぎつけることができた。恐る恐る会場に行ってほかの作品と比べて見たら、それほど恥ずかしくない程度に仕上がっていてちょっとほっとしたね。しかし、こんなことやっていては体を壊してしまう、もっと力をつけないといけない竏窒ニあの時に痛感させられた」
2年後、晴れて念願の正会員として認められた。見渡せば芸大出ばかり、という世界。だが、芸大どころか美大にさえも行かなかった自分でもここまでやれるんだ、と大きな自信になった。
「宝になっているのが感受性の豊かさ。それは大事にしたい。若い時は人に話もろくにできず、劣等感の塊だった。だが、それが逆に今の冷静な見方につながっているともいえる。順調に来た人には得られないものかもしれないね」
◇ ◇
ずっと人体を描いてきた。表面でなく、内面的な人間の在りようを表現しようと苦しんで描いてきたが、年齢と経験を重ねるにしたがって絵に対する取り組み方も変化し、肩の力を抜いて描けるようになった。
「以前は内面をぶちまけるような絵、思いつめたような快くない絵を描いていた気がする。だが周りを見てみれば、きれいな物は自然の中にいくらでもあるんだ。絵はまず美しくなければならない。美しいものに迫りたい。生み出したいんだ。作品の良し悪しは見る人にお任せだから自分にはどうしようもないが描く喜びは…。何かが生まれ、形になっていくこの充足感は自分にとって何物にも代えがたいものなんだ」
(白鳥文男) -
下平幼稚園運動会
駒ケ根市の下平幼稚園(米山さつき園長)で22日、園児らが待ちに待った親子運動会が開かれた。快晴の秋空の下、かけっこやダンスなどさまざまなプログラムに出場した園児らは練習の成果を発揮して元気よく伸び伸びと走ったり踊ったり。保護者も園児と一緒になってさまざまな競技を楽しんだ。
『親子でゴーゴー』は(1)園児の乗った一輪車を親が押して走る(2)親におんぶした園児が玉入れ(3)フープに親子が一緒に入り、走ってゴール竏秩B出場した親子は楽しそうな笑顔でゴールを目指した=写真。観衆からは「頑張れ」、「もう少しだ」などと大きな声援が飛んでいた。
応援に詰め掛けた保護者らは躍動する元気な姿をビデオに収めようとカメラのレンズを向けながら、子どもの成長ぶりに目を細めていた。 -
信州大学農学部で地域連携フォーラムが開催
地域の行政や住民、企業と大学との連携について考える「地域連携フォーラム2007」が22日、南箕輪村の信州大学農学部であった。各方面の代表者によるパネルディスカッションでは農山村の再生のために大学、住民、地域行政などが、それぞれの立場から取り組むべき課題について考えた=写真。
基調講演では、島根大学名誉教授の保母武彦氏が農山村再生策について提言。三位一体改革の影響で厳しい財政状況を強いられている地方の自治体に対し「生き延びるだけなら守りだけでいいが、生き残るには攻めが必要」と指摘。積極的な姿勢で「島まるごとブランド化」などに取り組む島根県海士町の事例を紹介し、「立て直しにはまず、行政担当者の意識改革が大切。役場が替われば地域も変わる」と語ったほか、「大学側は真剣になっている地域の人たちを一緒に取り組み、結果にも責任を持つことが必要」とした。
また、パネルディスカッションでは、飯田市企画部の井上弘司企画幹が同市におけるグリーンツーリズムへの取り組みを紹介。過疎高齢化地域では地域が持続していくための振興策となりつつあることを示し、住民一人ひとりが考えながら取り組む中で地域の持ち味を発揮していくことの大切さを訴えた。 -
十五夜の「オカラコ」特別展
今年の十五夜(仲秋の名月、旧暦の8月15日)は9月25日にあたるが、宮田村民会館内にある向山雅重民俗資料館で、村内に伝わる十五夜の風習「オカラコ」の供え物を再現した特別展示が行われている。
村内では米をつぶして丸い鏡餅のようにした「オカラコ」を十五夜に供える風習があったが、現在では継承している家庭はごくわずか。
村教育委員会は「身近にあった習わしを見つめ直してもらおう」と昨年に続いて特別展を企画した。
町三区の白鳥静子さんが手作りしたオカラコに、里芋などの根菜、お神酒、ススキなどを昔ながらに飾り付け。満月も浮かべて風情を見事に再現した。
訪れた人たちは懐かしがったり、「オカラコって初めて聞くね」と興味深げ。情緒あふれる村の文化を再発見している。 -
「スペイン・アンダルシアの旅」展
駒ケ根市と東京都在住の知人らが集まった駒ケ根倶楽部(池田恭一代表)が今年3月から4月の1カ月間にわたって旅行したスペイン・アンダルシア地方の楽しい思い出をこめた絵画と写真の展示会が駒ケ根市の大沼湖畔「森のギャラリーKomorebi」(こもれび)で10月1日まで開かれている。駒ケ根市の画家加納恒徳さんの油彩画や池田さんのパルテル画、現地でのスケッチなど約20点の絵画のほか、旅の楽しさがしのばれるスナップ写真の数々や思い出の品などを多数展示している。
旅に参加したのは20縲・0歳代の男女9人。自炊生活をしながらレンタカーでアンダルシアの28カ所を訪れ、異国の自然や文化をたっぷりと楽しんだ。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時。火、水曜日定休。問い合わせは喫茶エーデルワイス(TEL83・3900)へ。 -
お茶の水女子大生が伊那小参観
お茶の水女子大学(東京)の学生26人が20日、教育実地研究のため伊那市の伊那小学校の総合学習・活動授業を参観した。学生らは児童たちと一緒に授業を受けながら、今まで自分たちが経験してこなかった・ス教育感・スを身に付けていった。
約30年前から総合学習・活動を先進的に始めている同小には、毎年、全国の教育関係者らが授業参観に訪れている。お茶の水女子大の訪問は初めてで、同大学関係者によると、「子どもにとって必要な学力とは何かを考えるため」訪れたという。
参加したのは、文教育学部人間社会学科の1年生を中心とした学生。林の中に作った基地やロープの遊具で遊んだり、牛乳パックから紙を作ったりと活動する、低学年、高学年、特別支援学級の計14クラスの授業を見学した。
田んぼに生息する生物を捕まえ、育てようと活動する3年森組の授業を見学した、仲手川ひとみさん(18)は、児童たちと一緒にトンボやカエルを手づかみで採集。「実体験を重ねることで、自分の気持ちを素直に表現できる子どもが育っているのだと感じた」と話していた。
児童たちと昆虫採集を楽しむ女子大生たち -
伊那弥生ケ丘高校生が中川中学校で模擬授業
私たちの先生は高校生-。中川村の中川中学校で18日、伊那弥生ケ丘高校(伊那市)生徒による模擬授業があった。同高校3年の北原拓真君が1年2組29人に社会科日本史の縄文時代、弥生時代を教えた。中学生は熱心にノートを取るなど真剣に授業を受けていた。
職業や勤労に対する理解を深め、進路意識を高めるキャリア教育の一環。高1年2人、3年2人が来校。教育実習計画に沿い、片桐校長から「教員志望の心構えと授業の見方」の講義を受けた後、先輩教諭の話を聞いたり、各教室を回って授業参観もした。
5時間目は4人を代表して、北原君が1年2組の社会科の模擬授業に挑戦した。
北原君は縄文時代のイメージ図を使って、概要を説明した後、黒板に、旧石器時代と縄文時代の相違点を列挙し、項目ごとに、副読本で確認させながら、授業を進めた。「1万年前」「縄文土器」「磨製石器」「三内丸山遺跡」と重要字句に丸印を付けるなどして、ポイントを押えた。
堂々とした北原君の先生ぶりに、生徒たちは全く私語もなく、鉛筆を走らせたり、説明に耳を傾けていた。
50分間の授業を終え、北原君は「とても緊張した。ただ、自分で説明しただけに終ってしまった。教えることは難しい」と感想を。一方、中学生は「黒板の字は見やすかった」「説明は分り易かった」と好評。片桐校長は「内容も良く、授業の組み立ても良かった」とほめていた。 -
世話して馬と友だちに、宮田小、中学校特別支援学級が交流学習
宮田小、中学校の特別支援学級の子どもたち9人は20日、馬の世話と乗馬を飯島町のアグリネーチャーいいじまで体験した。ただ楽しむだけでなく、フンの片付けなど一緒に汗して交流。動物と接するなかで、思いやりの心も育んだ。
最初は「ちょっと怖い」と話す児童もいたが、愛らしいポニーにエサをやり「かわいい」と満面の笑顔に。
ポニーより数倍大きいアメリカンクォターホースの「スキップ」のブラッシングも行い、フンを片付けるなど馬房の清掃もした。
「スキップ」と友達になった子どもたち。順番に乗馬も体験し、「気持ちいい」と堂々の騎手ぶりをみせた。
宮田小5、6組と宮田中若草学級の交流は年に数回実施。この日は飯ごうすいさんも行い、若草学級は同所に宿泊して、自然体験を満喫した。 -
天竜川 いのちの鎖
伊那谷の中央を流れる天竜川は、諏訪湖から河口まで約213キロ。中央アルプスや南アルプスの清流と合流し、人々の暮らしの中を流れ、遠州灘から太平洋へ注ぐ。
台所からの排水、工場排水、農地からの浸透竏窒サの天竜川の上流に暮らしている私たちの日々の暮らしは、全て下流へとつながっている。森の栄養分は川を通じて海に注がれ、魚のいきものたちを育む。生きている川でなければ、そのいのちの栄養分を下流に運ぶことはできない。
天竜川河口に広がる砂浜は、絶滅が心配されるアカウミガメの産卵地。天竜川が運ぶ砂がこの砂浜を形成してきた。上流に住む私たちが、このアカウミウガメの未来に大きく関わっていることは、言うまでもない。
伊那市新山小学校がある新山地域は、世界一ちいさなハッチョウトンボのふるさととして知られている。ハッチョウトンボも、一定の自然条件のもとでなければ育まれない貴重な生物だ。今春、珪藻研究者飯島敏雄さん(諏訪市在住)を迎えて、新山小学校で野外授業が開かれた。その授業の中で、ハッチョウトンボを育む水の中を観察し、そこに日本一大きな珍しいクチビルケイソウという珪藻の存在を確認した。ハッチョウトンボの幼虫が餌にしているミジンコは、この珪藻をエサにしている。つまり、このクチビルケイソウが生き続ける水環境を保つことが、ハッチョウトンボを守ることにつながるのだ。
この野外授業での観察で、貴重な珪藻の存在を知り、その水環境が、新山地域を流れる新山川、三峰川を経て天竜川につながり、その先に広がる砂浜で産卵するアカウミガメにつながる竏秩B
「天竜川河口に行って見たい」「アカウミガメの産卵を見てみたい」。新山小学校の子どもたちの中で、そんな気持ちがふくらみ、7月末、親子で天竜川河口の砂浜へ出かけることになった。 -
粘土に夢中、子育て学級
宮田村公民館の子育て学級はこのほど、粘土で一輪挿しをつくろうと挑戦した。親子で楽しむ姿もあり、今後は素焼きして色を塗る。
大原区の仁科智弘さんの指導で、28組の親子が参加。久しぶりに粘土にさわる若い母親も多かったが、みんな夢中になって励んでいた。
仕上げた作品は11月の村文化祭に出品する計画だ。 -
南極の氷が飯島小、中に届く
南極の氷が届いたよ-。飯島町の飯島小学校と飯島中学校に19日、南極観測船「しらせ」が南極から運んできた貴重な南極の氷が届き、子どもたちを喜ばせた。
このうち、飯島小学校では体育館で全校児童に披露。子どもたちはクーラーボックスから取り出された縦10センチ、幅20センチほどの氷の固まりを見て「わあ、すごい!」と歓声を上げた。
氷は町出身で飯島町中町在住の自衛隊長野地方協力本部、伊那地域事務所の松田千眞男さんらが持ち込んだ。
松田所長は飯島町担当の山浦和之さんと2人で訪れ、贈呈を前に、児童らにスライドを使って南極について話した。
この中で、松田所長は「南極観測船『しらせ』は11月に出発し、オーストラリア経由で1カ月掛かって南極の昭和基地に到着する。南極ではオゾン層や地質、生物について研究している」と説明。南極にすむクジラやアザラシ、ペンギンが紹介されると、子どもたちは興味津々の様子で画面に見入った。オーロラの写真には「きれい!」「オーすごい!」と感嘆の声が上がった。
同校ではこの氷は理科の実験などに使う計画。 -
伊那技専から受託の職業訓練修了
宮田村商工会(前林善一会長)運営の宮田ビジネス学院が、県伊那技術専門校から受託した求職者対象のITビジネス応用力養成コースがこのほど、366時間に及ぶすべての日程を終えた。11人の受講者全員が修了し、それぞれ次のステップへ向かった。
閉講式で、石川秀延伊那技専校長が「これからが勝負。努力を重ね、意欲あふれる頼もしい人材になることを期待しています」とあいさつ。一人ひとりに修了証を手渡した。
受講者は20代から50代の女性。年齢もキャリアもさまざまだが、3カ月に及ぶ訓練は全員にとって新たな転機となったようだ。
「若い人たちからいろいろ学ばせてもらった。この頑張りを胸に就職活動に励みたい」などと語り合い、パソコン技術や各種資格を取得するだけでなく、仲間の輪もはぐくんだ3カ月間を振り返った。
##写真
修了証を受け取り3カ月間を振り返った -
第1回日本工業大学マイクロロボコン高校生大会で優勝
箕輪工業高校1年
井上大樹君(16)初めてのロボット作りは楽しかった竏秩B
今月1日、日本工業大学(埼玉県)が開催した「第1回日本工業大学マイクロロボコン高校生大会」に自身で製作したマイクロロボット“Robot Industries1号”とともに出場。全国から集まった約100台のロボットを抑えて優勝した。
大会は2・54センチ角しかない“1インチロボット”がコースを周回するタイムを競い合うというもの。競技者は主催者から事前配布されたキットを使ってロボットを製作し、中に組み込むマイクロコンピューターを調節して、黒いケント紙の上に描かれた5ミリ幅の白いラインの上を正確かつ迅速に追跡するようにしていく。
「優勝できるとは思わなかったので、嬉しい」と笑顔を見せる。
◇ ◇
“ロボコン”ってどんなことをやっているのだろう竏秩Bそんな興味から、友人2人を誘って大会へのエントリーを決め、8月上旬からロボット製作を開始した。ロボット製作は初めてだったが、電子工作などではんだ付けなどは経験したこともあり、ほどなくしてロボットは完成した。早速動かしてみようとスイッチを入れたが、動かない。もともと大学から配布されたキットは、ただ組み立てただけでは動かない代物。そこからプログラムを調整する作業が始まった。
最初は動かないロボットを動くようにするにはどうすればいいか、次は少しずつ動くようになったものを早く走らせるには竏窒ニ、考えながら、調整用のコースを何度となく走らせた。
「どう走らせればいいのかということを考えて、プログラムを作るのは初めての経験だった。やっているうちに新しい発見もあり、動くようになるマシーンを見るのが喜びになった」と振り返る。
◇ ◇ -
高教祖が上伊那農業高校定時制を多部制・単位制高校に統合する計画の再検討を求める街頭活動
長野県高等学校教職員組合(高村裕執行委員長)は14日、08年4月開校となる新しい多部制・単位制高校に統合する上伊那農業高校定時制の、生徒募集停止に反対する街頭活動を伊那市駅周辺などで実施した=写真。
募集停止の見直しを求める活動は今回が初めて。9月県会が開会する9月末までの間に、県内12支部ごとに募集停止反対を求めるチラシ300枚を配布するほか、伊那市の9月議会には「上伊那上農高校定時制と多部制・単位制高校に統合する計画の再検討を求める意見書」(案)と、その採決を求める陳情書を提出している。
反対理由は▽定時制高校に通う生徒数が増加傾向にあること▽現在の定時制高校に通う生徒の多くが不登校経験者など、コニュニケーション面での配慮が必要なケースが多く、そうした生徒が実際に多部制・単位制高校に通えるか竏窒ネど。
内山到副執行委員長は「多部制・単位制高校そのものを否定しているわけではないが、不登校経験者など、多部制・単位制の夜間部が、定時制、通信制が担保できるのかを心配している。現場の教師や生徒、父母の声を聞いたうえでやってほしい」と話していた。 -
弥生のPTA進路セミナーで有森裕子さんが講演
伊那市の伊那弥生ヶ丘高校で15日、PTA進路セミナーがあった。全体会では、バルセロナ、アトランタオリンピックのメダリストで元マラソン選手の有森裕子さんが陸上と向き合い続けた自身の経験を交えながら講演。強い意志を持って自分の人生を切り開いていくことの大切さを訴えた=写真。
4年目となる同セミナーは保護者と生徒が一緒に生き方や進路について考える機会にする目的で毎年開催しており、全体会、学年別分科会などを実施している。
今年の講師に迎えた有森さんは「よろこびを力に」を演題に講演。もともと劣等感が強かった有森さんが、陸上やさまざまな人物との出会いを通じて自分の価値を見出したこと、なかなか記録が伸びなかった高校時代、3年間補欠というつらい経験をしても、諦めずに頑張り続けたことが、現在の自分をつくり、オリンピックでのメダル獲得へと導いたことなどを語り、生徒らに「チャンスは誰にも平等にあるけど、待っていても降りてこない。自分がその気になって望めば、自分は変わっていく。ぜひ頑張ってほしい」と訴えた。 -
フラメンコフェスタ 熱気に包まれる
伊那市日影のカフェ・レスト「茶歩林(チャップリン)」で月1回、「フラメンコ・フェスタ」が開かれている。フラメンコ愛好者らが集い、生のギター演奏に合わせて楽しく踊り、店内は熱気に包まれる。
3年半のフラメンコ経験を持つ店主・田畑恵子さん。「おなかいっぱい食事を食べて、酒を飲んで、フラメンコを踊って楽しもう」と1年ほど前から閉店後の店を開放し、フェスタを開いている。
15日夜は地元をはじめ、駒ケ根市、諏訪市などから、フラメンコ教室に通う女性ら約30人が集まった。
店内に踊り場を設け、ギター演奏が響く中、「セビジャーナス」「タンギージョ」「タンゴ」などを踊った。来店者のリクエストにも応じ、徐々に踊りの輪が広がっていく。
フラメンコを始めて2年になる市内東春近の公務員女性(41)は「タップや腰の振りなど踊りを覚えるのが難しいけど、リズムに引き込まれ、感情が入って体が動く」とフラメンコの魅力を話す。
フラメンコを踊るほか、スペイン語の歌を練習したり、来店者同士で踊り方を確認し合ったり。ほかの人の踊りを見ることで「もっとうまく踊りたい」と思う人も少なくないという。
「レッスンを受けていても覚えるのに精一杯で、楽しむところまでいかない。楽しむことで、フラメンコ人口も増えると思う」と田畑さん。
開催日は土曜日で不定期。フェスタの日に次回の日程を決める。次回は10月27日午後7時から。
問い合わせは、同店(TEL78・7394)へ。営業時間は午前8時縲恁゚後5時。日曜日定休。 -
飯島町2小学校で運動会
飯島町の2小学校で15日、秋の大運動会を開いた。短期間の集中練習で培った技と力、協力する心をグラウンドいっぱいに繰り広げた。
このうち、飯島小学校では、「赤勝て、白勝て」と互いにエールを交換し競技開始。力の限り走り抜いた5年生の短距離走、かわいらしい1年の表現「ゆうえんちにいこう」と続いた。
子どもとみまもり隊、来賓による玉入れ「これからもよろしく」、力と力がぶつかる、迫力満点の男子「棒倒し」、女子の「騎馬戦」など採点種目17種目を含む28プログラムの最期は全校ダンスで締めくくった。
一方、七久保小学校は「秋風をいっぱいうけて、やりぬこう!!」をスローガンに、運動会定番の短距離走、大玉送り、綱引と続いた。マラソン「秋風を切って」では高学年、低学年に分かれてスタート。長距離を懸命に走る姿に、応援にも熱が入った。このほか、4、5、6年が帽子を取り合う「七久保ケ原の合戦」、男女別の紅白リレーで盛り上がった。
保護者らはPTA種目に出場したり、ビデオカメラを回し、わが子のナイスショットを狙ってシャッターを押すなど家族で運動会を楽しんだ。 -
中川西小・東小で運動会
##(見出し(1))
中川村の2小学校で15日、さわやかな秋風が吹きぬける校庭で、秋の大運動会を開いた。
このうち、東小学校では1、2、3年生のかけっこに続き、1本の綱に力と心を合わせ全力で引いた4、5、6年の綱引。2回戦は走って、綱に飛びつき引き始めるというルール、力と敏しょうさで勝敗が決まった。祖父母と低学年児童が協力しあって玉を投げ入れる「大空に向かって」。迫力満点の騎馬戦「大草城の合戦」。練習の成果を披露した組体操「未来につなぐ橋」など、採点種目13を含む23プログラムのラストは全校による「豊年おどり」で飾った。
一方、西小学校は「西小風林火山みんな一丸勝利をつかめ!」をスローガンに、全力で走り抜けた5年の「音より早く」で競技スタート。1本の竹に群がり、懸命に引いた「竹取物語」。運動会定番の綱引や大玉送り、1、2年のかわいらしいダンス「さんらんぼーず」。迫力満点の「風林火山 牧ケ原の戦い」と続いた。最初は全騎馬が総掛り、2回戦は武田軍、上杉軍に分れ一騎打ちで盛り上がり、採点種目11種目を含む21プログラムを楽しんだ。 -
秋色満載、森の演奏会
宮田村の音楽指導者らでつくる宮田ミュージックサークル(MMC、瀧澤智恵子代表)は17日、森の演奏会を駒ケ根市福岡の養命酒駒ケ根工場ロビーで開いた。地元や工場見学の観光客ら100人余りが、趣向を凝らした・ス秋色・ス満載のコンサートを堪能した。
緑の木々に囲まれたガラス張りのロビーが会場。電子ピアノの伴奏で、吹き抜けの天井にも届く清らかな歌声も響き渡らせた。
モーツアルトからミュージカルの名曲まで多彩な演目。「千の風になって」は会場と一緒に歌ったほか、童謡の「里の秋」や「赤とんぼ」など秋を感じさせる曲も散りばめた。
各所で演奏活動を行っているMMCだが、同工場で開くのは初めてで、敬老の日にちなんで誰もが楽しめるようにと企画。訪れた人たちは風薫る初秋の風景に包まれながら、音楽の楽しさを五感で味わっていた。 -
岡野兄弟津軽三味線コンサート
津軽三味線デュオとして人気の岡野将之(19)哲也(17)兄弟のコンサートが15日、駒ケ根市の市文化会館大ホールで開かれた。アルプス中央信用金庫年金友の会主催。ステージに登場した兄弟は津軽三味線特有の激しいばちさばきから大音量の迫力のある音を繰り出し、速い旋律が続く部分でもぴったりと息の合った演奏を聴かせた=写真。
兄弟は津軽三味線全国大会のジュニアの部優勝などの実績があり、国内外でコンサートを行うほか、テレビ、ラジオなどにも出演している人気、実力とも折り紙つきの2人とあって約900人の聴衆が客席を埋め、2人の見事な演奏に聴き入った。
津軽手踊り、津軽民謡の中野みち子も出演したほか、前座として地元駒ケ根太鼓の演奏も披露され、大きな拍手を受けていた。 -
駒ケ根市5小学校で運動会
秋晴れに恵まれた15日、駒ケ根市内の全5小学校で一斉に運動会が開かれた。児童らは玉入れ、綱引き、騎馬戦などのほか、かけっこやリレーなど次々に行われる競技に張り切って登場し、応援に訪れた保護者らの大きな声援を受けて精いっぱいの頑張りを見せた。
綱引きや騎馬戦など団体種目での楽しそうな笑顔とは打って変わって、各学年ごとに行われるかけっこでスタート順を待つ児童らの表情は一様に緊張気味だったが、号砲とともにスタートし、夢中で走ってゴールした後には、一転して満足感と達成感で輝く笑顔がこぼれていた。
訪れた保護者らは、懸命に競技に取り組む児童らの表情を残そうとカメラやビデオカメラを向けたり、頑張るわが子に届けとばかり「いけ」、「頑張れ」などと大きな声援を送っていた。 -
宮田小学校運動会
宮田村の宮田小学校はさわやかな秋晴れとなった15日、校庭で運動会を開いた。学年ごとのかけっこや綱引き、全校での大玉送りなどが次々に行われ、張り切って登場した児童らは応援に駆けつけた保護者らの大きな声援を受けながら懸命に競技に取り組んだ。
組体操「ふるさと宮田」では6年生児童が最上級生らしい見事な演技の数々を披露し、見詰める保護者や下級生らの大きな拍手を受けていた。
運動会の最後を飾る代表選手のリレーでは手に汗握る熱戦が展開され、校庭に大歓声が響いた。 -
田楽座稽古場公演 表情豊かな舞台最高潮に
伊那市富県を拠点に全国活動する歌舞劇団・田楽座の稽古(けいこ)場公演「よっておくんな田楽座」が13、14日の夜あった。日ごろの感謝の気持ちを伝えよう竏窒ニ始まり16回目。初日は、地元を中心に関東や東海方面から集まった観客約150人が唄や踊りなどの民俗芸能を楽しんだ。
恒例の木曽地方に伝わる「鳥さし舞」や家内安全、無病息災を祈る「獅子舞」のほか、同公演でしか見れない若手座員の「駒回し」や「ひょっとこ舞」の研究演目を含む13演目を披露した。観客は、座員が繰り広げる力強く、表情豊かな演目に酔いしれた。
フィナーレに向け続いた太鼓の2演目では、横打ち、縦打ちなど全国各地の打法を取り入れた美しいばちさばきなどを披露。会場の熱は最高潮に達し、最終演目の「祭り囃子踊りこみ」で傘や扇子を手にした座員が舞台いっぱいに舞い跳ねると、一際大きな歓声がわいた。 -
旭光写真展
57年の歴史を持つ旭光カメラクラブ(吉村昇代表、13人)は「2007旭光写真展」を23日まで駒ケ根市立博物館で開いている=写真。上伊那在住の会員10人がそれぞれの思いを込めてこの1年間に撮影した作品31点が展示されている。いずれも自然の風景や花、人物などが見せる一瞬の表情を見事に切り取った力作ぞろい。
訪れた人たちは作品の美しい色彩と描写に感心した様子で、近寄ったり離れたりしながらじっくりと見入っている。
クラブ名の「旭光」は、警察官だった初代会長が警察のシンボルマークに光をつけたイメージで命名された。宮崎学さん、津野祐次さんなどのプロ写真家を輩出している。
午前10時竏柱゚後6時(最終日は午後5時)。18日は休館。入場無料。 -
第12回みのわ美術展 16日まで
第12回みのわ美術展が13日、箕輪町文化センターホールで始まった。日本画、洋画などの絵画41点、彫刻、工芸などの立体作品25点の計66点が並び、見ごたえある展示会になっている=写真。みのわ美術会(小川節子会長)の主催。
昨年に比べ、展示数を縮小したが絵画は100号サイズ以上の大作が多く並ぶ。作品は箕輪町在住の会員と一般公募者の制作で、県美術展、伊那美術展などに出品されたそれぞれの自信作が多く、間近に鑑賞することができる。
小川会長は「昨年より出品数を減らしたがそれぞれ個性あふれる作品が多く、レベルも高い。箕輪町に根付いている陶芸の作品もますますよくなってきた」と話し、来場を呼びかけている。
16日まで。入場無料。午前9時縲恁゚後5時30分(最終日は午後4時)。
一般公募入選者は次の方。
◇第4部(工芸)▽奨励賞=「落陽」漆戸紀代子(北小河内) -
歯の衛生に関する図画コンクール 上伊那審査
歯の衛生に関する図画・ポスター審査
第55回歯の衛生に関する図画・ポスターコンクールの上伊那地区審査会が12日、伊那市西町の上伊那歯科医師会館であり、同地区の小中学校から寄せられた566点から入選作品を決めた=写真。上伊那歯科医師会など主催。
歯の衛生について理解と認識を高める狙いで、本年は小学校26校、中学校6校から応募があった。審査員が小学校低学年(180点)、同高学年(296点)、中学校(154点)の3部門からそれぞれ入選作品を選んだ。
歯科医師会をはじめ、伊那教育事務所、上伊那学校長会などの関係者15人がデザイン、色合い、訴える力などの観点から審査した。
最優秀、優秀、佳作の入選作品は10月22縲・1日、伊那市役所1階のホールに展示する。また、来年度の県歯科医師会コンクールに出品する。
結果は次の通り(カッコ内は学校名と学年)。
◇小学校低学年▽最優秀=田村彩(赤穂南1)湯沢奈緒子(辰野南2)▽優秀=中田さなえ(南箕輪南部1)春日晴喜(七久保2)唐沢諒太(宮田3)池上有咲(赤穂東3)春日梨子(赤穂東3)▽佳作=池上明音(南箕輪南部1)宮崎諒(赤穂2)松崎れいか(南箕輪2)川島夕芽(箕輪中部2)大嶋ひとみ(七久保2)吉岡美奈(宮田3)酒井奎汰(赤穂東3)湯沢詩永里(赤穂東3)古畑朝望(赤穂東3)渡辺裕貴(赤穂東3)野溝その子(赤穂東3)
◇小学校高学年▽最優秀=藤沢勇飛(辰野南4)若林和輝(宮田6)▽優秀=井口舞(伊那東4)福島志音(辰野南4)岡田夏帆(辰野東5)片桐美波(中川西5)花井龍之介(東春近6)宮沢瞳(赤穂南6)小平美穂(箕輪北6)伊藤なぎさ(西箕輪6)▽佳作=小池涼太(赤穂東4)石原亮太(辰野西4)有賀弘紀(辰野西5)伊東亜海(西箕輪5)池上優菜(美篶5)斉藤翻隆(箕輪中部5)日野和真(箕輪中部5)小沢佳奈子(伊那東5)春日梢(伊那東5)清水健太郎(南箕輪5)田中綾乃(南箕輪5)原志門(南箕輪5)北原怜奈(南箕輪6)工藤このみ(宮田6)堀内巧(辰野東6)斉藤愛(南箕輪南部6)米山響音(飯島6)福島瑞季(飯島6)
◇中学校▽最優秀=坂井田めぐみ(赤穂3)▽優秀=田中真帆(南箕輪1)大沢友貴(南箕輪2)宮沢るみ(赤穂2)原真理子(西箕輪3)▽佳作=保科亜利沙(高遠1)白鳥結希(南箕輪1)加藤大地(南箕輪1)中山嵯也花(辰野1)一ノ瀬芽衣(辰野2)高坂栞(宮田2)中島雅樹(赤穂2)竹村望(赤穂3)宮島愛(西箕輪3) -
高遠高校福祉コースの2年生が乳幼児のだっこ体験
伊那市の高遠高校福祉コースの2年生が12日、乳幼児の「だっこ体験」をした=写真。
「だっこ体験」は介護福祉や保育などを学ぶ福祉コース2年生が、実体験を通じてこれまでに学習したことを確認するために行っている取り組み。母親らとともに子育てに対する不安などを一緒に考えたり、検診の様子を学ぶため、高遠町保健センターで開く乳幼児検診に合わせて実施している。
3カ月検診に合わせて実施したこの日は、8人の生徒が実習に参加。小さな赤ちゃんにそっと触れたり、抱きかかえたりしながら、笑顔を見せていた。
初めて赤ちゃんを抱いた松枝義幸君(16)=伊那市美篶=は「思った以上に重たい。抱き方は人形などで練習したが、実際には動くので難しかった。いい経験になった」と話していた。 -
南箕輪村
御嶽山保存会南箕輪村大泉に残る民謡「御嶽山(おんたけやま)」。05年に村の無形文化財に指定されたこの民謡を後世に伝えようと、村内の15人が活動している。
「民謡の団体とは大いに交流したい」と清水伝之丞会長。そんな想いがかない、木曽町の「木曽節保存会」(田沢博会長)と初の交流が実現した。
9月9日、木曽町の総合体育館であった敬老会で、ボランティアで「御嶽山」と「伊那節」を披露した。観客は450人。「皆ではりきってやった。『御嶽山』や『伊那節』を聞いたことがある人もいて、中には見よう見真似で手を動かして踊る人もいた。とっても喜んでもらった」。
その後の茶話会で、木曽節保存会から「『御嶽山』は木曽にも重要。ぜひ覚えて木曽にも残したい」との話があり、近いうちにまた木曽を訪れ交流することが決まった。
今回の交流は、今春、名古屋であったイベントに両団体が参加し、木曽節保存会の田沢会長から「御嶽山」のいわれを尋ねられたのが発端。木曽から伊那に伝わったことを話したところ交流の話が持ち上がり、御嶽山保存会の清水会長が7月の木曽祭りに招かれた際に再び話をして今回の訪問となった。
「交流のスタートとしては大成功。木曽では役場の課長さんにも交流を続けてほしいと言われ、あちらは熱心。保存会としても喜んで交流していきたい」と清水会長はいう。
「御嶽山」は1820年ころにはすでに流行し、1908年に「御嶽山」から「伊那節」に名を変えたが、大泉では「御嶽山」の名で継承されてきた。祝い唄として村祭りや来客のときには必ず唄って踊り、60年ころまでは結婚式にも欠かせないものだったという。
その後しばらく途絶えていたが91年、大泉区内で民謡に親しんでいた人たちが、個人で唄い継いでいたものを集めようと保存会を発足。それから4、5年経ったころに、皆で踊りを研究するなかで現在の形に整えた。
会は伊那節振興協会に所属。唄2人、三味線2人、太鼓1人、残りの人は踊りを担当する。大泉の西部地区館で毎月第2金曜日に練習し、区内の敬老会や収穫祭で踊るほか、依頼を受けて催しなどでも「御嶽山」を披露している。
04年には、日本フォークダンス連盟(本部・東京都)の事業で、全国から選ばれた10曲のうちの1曲として、CD「ふる里の民踊」(コロムビアレコード)に収録された。全日本民踊指導者講習会で全国の民踊指導者千人に「御嶽山」を指導したこともある。
念願かなって民謡の保存会同士の交流も始まり、「『御嶽山』を全国に広めたい」と、ますます意欲を見せている。(村上裕子)