-
宮田小児童会祭り
宮田村宮田小学校の児童会祭りは15日開き、各委員会が趣向を凝らした体験型の・スお店・スを出店。全校児童が楽しみながら、児童会活動を知った。
クイズやゲームなど多彩な催しを12の各委員会が企画。高学年がなかよし学級の低学年児童を引率して、それぞれまわった。
新聞委員会は、普段読んでいる小学生新聞の記事から出題し、答えてもらう「新聞読もう屋」を開いた。来場者は難問に四苦八苦。それでもグループで協力しながら、答えをひねり出していた。
給食委員会は、豆々つかみを企画。時間内に何個はしでつかめるか争う競技で、器用にはしを使いこなす児童の姿もみられた。
美化委員会はゴミの分別、ふれあい委員会は車イス体験など、社会に目を向けた内容も多くあった。 -
放課後、週末有意義に…家庭・学校・地域は何を
伊那市教育委員会などが主催する「放課後子ども体験フォーラム」は14日夜、同市駅前ビルいなっせであった。子どもたちの健やかな成長のため、放課後や週末に体験活動・学習指導をさせるために家庭、学校、地域は何をしていけばよいかを考えた。
学校職員、PTA、育成会、公民館関係者など約200人が参加。伊那教育事務所の山田敏郎生涯学習課長の基調講演や「子どもの居場所づくりはなぜ必要か」などについての全体討議があった。
山田課長は、運動能力や学力の低下、集団行動ができなくなっている子どもたちの現状を説明。「心の成長には地域での豊かな体験が不可欠」などとし、人と人とのつながりを持った地域社会づくりの必要性を訴えた。
最後に「人と人とのつながりは時代と共に薄れていっている。キーワードは人との交流を自分の立場でどう問い直す必要があるか」と呼び掛けた。
討議では「子どもたちの生活は忙しくなっている。多様な人との関わりが減っているので、生活体験の豊かさを求めたい」「人と接する機会をつくって、家でテレビゲームをするよりも楽しいと思える居場所づくりができれば」などの意見が出た。 -
小中学生対象の税に関するコンクール入選者
小中学生を対象にした税に関する書道、標語、作文コンクールで、宮田村関係分の入選者が決まった。標語で、宮田中3年の澤下久仁香さんが伊那税務所長賞(優秀)を受賞。書道で宮田小6年の新井美香さん、作文で宮田中3年の所沢奈々さんがそれぞれ伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞に輝いた。
租税教育推進協議会、納税貯蓄組合連合会などが主催。
今年は村内から中学生の標語292点、作文14点、小学生の書道に323点の応募があった。作文を除く入賞作品は村役場ロビーに展示している。
入賞者は次の皆さん。
【小学生書道】▽伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞=新井美香(6年)▽同銀賞=草間洵奈(同)小田切雄、村沢茉美(以上5年)安田彩華(4年)
【中学生標語】▽伊那税務署長賞優秀=澤下久仁香(3年)▽同佳作=小野ちはる、浜田康貴(以上2年)▽上伊那地方事務所長賞=北原加奈(同)▽関東信越税理士会伊那支部長賞=大澤すずみ(同)▽宮田村租税教育推進協議会長賞=芦部俊也、保科蘭、上田成剛(以上3年)田中大貴(2年)高坂栞(1年)
【中学生作文】▽伊那地区納税貯蓄組合連合会長賞金賞=所沢奈々(3年) -
【造形作家 今井由緒子さん】
東伊那に定住して6年半になる。東京や横浜などの都会で暮らしていたが、10年ほど前、自然の中で創作活動をしたくてアトリエの適地を探した。首都圏からあまり離れると不便だと思い、近くから探し始めたが気に入った所はなかった。知人の紹介で現在の地を見たところ、風景の素晴らしさに「一目ぼれ」。母の実家にも近く、即決してアトリエを建てた。
「会った人に『作品のイメージと違いますね』とよく言われるんです。作品からは洗練されたちょっとおしゃれな印象を持たれるようで。近代のモダニズムの中で育ったからそれはそうかもしれないけれど、でも原点としては田舎育ちですからね」
茅野市出身。
「父が趣味で油絵を描いていました。いつも油絵のにおいがしている父の部屋に入ると何だかほっとしたものです」
その影響か、小学生の時から絵に才を現した。画家になるつもりで高校は美術課程に進んだが、そこでの出会いが人生の転機となった。思いもかけず彫刻作品を「なかなかいいじゃないか」と先生に褒められたのだ。
「それからというもの、彫刻に絵とは違う新鮮な面白みを感じ始めました。確かに絵が第一歩です。でも絵は2次元だから平面上でしか表現できない。それが彫刻は物として現実に存在するんです」
東京芸術大彫刻科に進み、卒業後も精力的に創作に打ち込んで多くの個展を開くなど、気鋭の作家として注目を集めた。
だが一時、特に思い当たる理由もないまま虚脱したような心境に陥り、創作活動を中断したこともあった。
「数年間何も作らなかった。ヨーロッパに行ったりして。このままアートやらなくてもいいや、と思った時もあったけれど、2年ぐらいたったらやっぱり何か作らずにはいられなくなった」
何か作っていないと落ち着かない。アート作家というのはやればやるほど意欲が出てくる反面、やらないと出てこないものらしい。
「エロスを表現したかった」という若いころとは一線を画し、20年ぐらい前から生と死をテーマにし始めた。
「やはり年齢を重ねるにつれてだんだん見えてくるものがあるということかな。人生の終焉に近づくと若い時とは違うものが感じられるようになってきた。これまで生きてきた時間の集大成として自然と人間とのかかわりを表現したい。ただ美しいだけでなく、きちんとしたコンセプトをもってね」
「たくさんの作品を作ってきたがなかなか満足できるものはない。でも表現は私にとって生きること。生きている間は表現し続けるでしょう」
(白鳥文男) -
中沢小マラソン大会
駒ケ根市の中沢小学校(北原三千生校長)は15日、全校マラソン大会を行った。快晴の青空の下、グラウンドを元気にスタートした児童らは色づいた紅葉が舞い散る秋の道を走った。
原則として1・2年生は1・5キロ、3・4年生は2キロ、5・6年生は2・4キロのコースを走るが、希望者は長い距離に挑戦することもできるほか、3・1キロの長いコースも用意された。グラウンドに集まった児童らは緊張した様子もなく、号砲とともに一斉にスタート=写真。直後の混乱の中で靴が脱げてしまう児童もあったが、元気いっぱいで起伏の激しい公道に飛び出した。
沿道では応援に繰り出した保護者や近くの住民らが「頑張れ」「もう少しだよ」などと大きな声援を送り、息を切らしながら懸命に走る児童らを励ましていた。 -
南部小学校の児童が南原保育園の園児とともに収穫祭
南箕輪村の南部小学校の児童と南原保育園の園児が13日、秋の収穫祭を兼ねた交流会を開いた。寒空の下、元気良く遊んだ子どもたちは、3年生の作った焼きいもやさつま汁で体を温めた。
3年生以下の児童と園児らは毎年、園の横にある畑でサツマイモをともに作っており、収穫を終えたこの時期に収穫祭をしている。調理は3年生が担当。男子が焼きいも、女子がさつま汁作りをしている間、1、2年生と園児らが一緒に遊ぶ。
小学校と保育園は、運動会を一緒に開催するなど、普段からも交流を進めている。この地域では南原保育園の園児のほとんどが南部小へ進学しているが、保育園のころからつながりができることで、新入時の不安解消にもつながっている。また、南部小の児童にとっても、世代の異なる兄弟以外の子どもと関わることで、縦の関係づくりを学ぶ機会になっている。 -
伊那市高遠第2・3保育園で異年齢交流
伊那市の高遠第2・3保育園(柿木節子園長、41人)で13日、異年齢交流を目的としたクッキングがあり、園児らが園で収穫したサツマイモを使ってスイートポテトづくりに挑戦した=写真。出来上がりを食べた園児らは「甘ーい」などと舌鼓を打ち、笑顔を広げていた。
本年度から本格的に始まった「なかよし保育」の一環。年間20回の予定で、各年代が一緒になってプール遊びなどの交流をしてきた。年上の子が年下の子の世話をすることで、園内に兄弟関係と同じような深いつながりが生まれているという。
この日は、各学年が交じり3グループに分かれて、蒸かしたサツマイモを潰し、生クリーム、砂糖、バターを混ぜて、丸い形にしていった。エプロンを着るのに手間取っている園児がいれば、年上の子が手伝うなどして交流を深めていった。
柿木園長は、なかよし保育について「同じ地域に帰った時でも交流できるようになってもらえればうれしい。小規模の保育園ならではの活動にしていきたい」と話していた。 -
宮田小3年3組、園児招いて秋まつり
・スお店屋さん・スで、おもてなし宮田村宮田小学校3年3組は14日、交流する西保育園の年長園児を招いて秋まつりを開いた。喜びそうな手作りのおもちゃやアクセサリーなど用意して「お店屋さん」を開店。年度当初の交流では、年齢が違う幼い子どもたちとのふれあいに戸惑いもあった児童たちだが、成長した姿で園児をもてなした。
9つのグループに分かれ、園児に喜んでもらおうと思案。単純にものを渡すだけでなく、喜び、楽しんでもらえるお店にしようと工夫を凝らした。
輪投げや射撃など縁日気分で盛り上げたり、お揃いのバンダナを巻いた衣装で店員の雰囲気を演出したり。
「いらっしゃい」「色々あるよ」と園児に声をかけ、積極的に客引きする姿もあった。
また、園児に自分たちで育てたサツマイモを食べてもらおうと、事前に調理。大学イモやポテトチップスなどにして、お茶でもてなした。
5月に交流した当初は、園児と上手にふれあえず悔しい想いをした児童もいたが、この日は全員笑顔。女子のひとりは「色々な会話もできて、本当に楽しかった」と話した。
今後も交流を続けていく考え。担任の清水貴美子教諭は「相手のことを少しでも考えて行動できるようになってきたかも」と、たくましさを増した児童の姿に目を細めた。 -
高遠高校と創造学園大学が連携協定
高遠高校は14日、群馬県の創造学園大学と高大の連携や交流を図る協定を締結した。教育内容の充実、生徒の学習意識や教員の指導力向上を目指す。
高遠高は95年度に芸術や福祉などのコース制を導入し、特色として掲げる。開学3年目の創造大は、創造芸術学部とソーシャルワーク(社会福祉)学部をもち、芸術と福祉の融合をテーマに大学づくりを進めている。
本年度、高遠高は魅力ある高校づくりに向けて設置した高校改革推進調整委員会で、コース制の特色を踏まえ、新たな方向付けとして、同様の専門学部をもつ大学との連携を図ることで意見をまとめ、創造大に投げかけた。双方とも高大の連携は初めて。
協定の締結により、高校側は音楽や美術、福祉の各教科で教育実習生を受け入れる。大学側は専任教員や学生を派遣して特別講義や技術指導をするほか、芸術と福祉コースからの指定校推薦枠を設ける。ほかに、教育に関する調査・研究などに対して協力し合う。
調印式で福沢務校長は「互いに手を携え、未来のためにより高いものを求めていきたい」、堀越哲二学長は「在学中に本大学を訪ねてくださる機会があることを願っている」と述べ、それぞれ協定書を交わした。
連携を記念し、高遠高合唱部と創造大オーケストラによるコンサートもあった。 -
戦後代表する俳人の句碑、遠祖の地宮田村に建立
中世に宮田村北割区の宮田城を拠点に一帯を治めた宮田氏の末えいで、一昨年に90歳で亡くなった戦後を代表する女流俳人・故桂信子(本名丹羽信子)さんの句碑が13日、遠祖ゆかりの地である同城址に近い真慶寺に建立された。「建てるならば宮田の地に」と故人の遺志を受け、300人以上に及ぶ門下が賛同。地元の宮田城址保存会の協力で、刻まれた句の通りに山々を一望する絶好の地に碑は建った。
「信濃全山十一月の月照らす」。桂さんが1960(昭和35)年に信州を旅した時に詠んだ句で生前、「句碑を建てる機会があれば、この句を宮田の地に」と親しい人に話していたという。
門下で現代俳句協会長の宇多喜代子さんらが故人をしのんで建立を計画し、同城址保存会が調整や手配など全面的に協力。南アルプスを一望する高台の真慶寺を場所に選んだ。
この日の建立除幕式には宇多さんや関西の門下でつくる「草樹」の5人が出席。地元からも保存会を含め、多くの参列者があった。
「山々を望む素晴らしい場所で、先生の句が皆さんと一緒に生き続ける。ふるさとに帰った気持ちで天国でも喜んでいるはず」と宇多さん。
保存会の春日甲子雄会長は「お手伝いできて本当にうれしい。今後も一層、宮田城址を村の文化遺産として後世に伝えていきた」と話した。 -
箕輪中学校外国語指導助手
ダンスタン・ヘンダソンさん箕輪町の箕輪中学校に外国語指導助手(ALT)として今年4月に着任し、半年以上が過ぎた。学校ではディー先生と呼ばれている。
2メートルの長身。校内を歩いていても目を引く。生徒の多くは敬称をつけずにディーと呼ぶ。「外国人なので扱いが違う。でも、先生として尊敬してくれていることを感じている」という。「生徒は元気で好奇心が強い。外国人の考え方の違いなどを質問してくる」と印象を語る。
授業では英語教諭を助けながら、「英語はインターナショナルだから」と、アメリカ人の発音、中国人の発音などの違いを実際に発音して生徒に聞かせる。面白い声で話してみたり、ロールプレイで女の子役を演じたり、時には踊ったり。「先生は驚いている。でも楽しい授業をやりたい。楽しく学んだことは覚えている」。生徒もロールプレイをするが、「恥ずかしがって、発音も棒読みになってしまう。もっと恥ずかしがらずにできたらいいと思う」という。
マレーシアで生まれ、オーストラリアのパースで育った。
日本に関心をもったきっかけは、小さいころに子ども向けのテレビ番組で見た折り紙だった。図書館で折り紙の本を借り、作って遊んだ。日本に行きたいと日本語も勉強した。
高校卒業後、モデルとして働き、イーデス・カーワン大学に進学。コンピューターサイエンスと日本語を専攻し学業に励みながら、モデルの仕事も続けていた。
初来日は4年前。大学を休学し、モデルの仕事で大阪に1年9カ月暮らした。その間、企業でビジネス英語も教えていた。日本料理は好きだが、母親の料理が食べたくなり少しホームシックにもなった。それでも、日本での生活は楽しいことが多かったという。
復学し、大学卒業後はミュージックプロモーターとして働いていたが、大阪では経験できなかった日本の教育システムを学びたいと再来日を決意。ALTとして長野県に来た。
「教育は未来と自由と力をつくる」。日本の教育がどのようにして日本人を形成するかに関心を抱いている。
武士の心、日本人の心にも魅力がある。「日本は強い国だが、日本人の中には日本文化を忘れている人がいる。武士の心は強いけど、今の日本人は知らない」。日本人が武士の心を忘れかけていることを残念に思っている。
日本の自殺者の多さにも驚いた。「すごい問題」と指摘する。女性の地位については、「オーストラリアは女性は強い。日本は女性の心は強いけど、日本文化が女性を抑えている。それは好きではない」という。
母国と日本の文化の違いなどを肌で感じながら暮らす日々。日本に来て花粉症に悩まされ、今度は「超寒い」と長野県の寒さに少しショックを受けているが、生活にも慣れた様子。「日本では教えていないオーストラリアと日本の歴史、世界史も教えたい」と教育現場での次なる課題も見出したようだ。
趣味は極真空手、運動、コンピュータープログラミング、そして折り紙。ビールも大好き。(村上裕子) -
宮田小3年が紙飛行機づくり、駒工生の指導で
宮田村宮田小学校3年は13日、駒ケ根工業高校情報技術科3年の生徒6人から指導を受けて、紙飛行機づくりに挑戦。生徒のやさしい指導で、児童がものづくりの楽しさ、喜びを肌で味わった。
講師を務めた生徒は課題研究として連携授業に取り組む4人と、飛行原理をラジコンから学んでいる2人。
最初は戸惑い気味だったが、児童からは「先生」などと呼ばれ、丁寧に作り方を指南。 寄り添って教える姿も目立ち、つくる喜びを分かち合った。
畑口翼君は「僕たちが普通に使っていても、小学生には理解できない用語もある。指導しながら気付きました」と話した。
さっそく飛ばして楽しみ、空高く舞いあがる愛機に歓声も。みんなの笑顔が広がった。 -
町発足50周年記念、子ども議会
近い将来、町を担う小・中学生と、現在の担い手である大人が一緒になってこれからの町づくりを考える飯島町発足50周年記念事業、「子ども議会(横山今日子議長)」が12日、議場であった。町内3小中学校の代表児童、生徒ら18人が議員になり、理事者や町幹部に質問をした。
質問は環境問題や防災対策、産業振興、財政など町政の広範な課題をはじめ、小・中学生ならではの視点に立った福祉問題を取上げ、率直に質した。答弁に立った高坂町長は、子どもたちに理解できるようにと、言葉を選びながら、丁寧に答弁した。
このうち、自然保護・環境問題は関心が高く、山田菖平君(飯中2年)、大嶋一輝君(七小6年)、堀越咲良さん(飯小5年)、高橋知世さん(飯小5年)がそれぞれの切り口でごみの減量化や、自然を守る方策について質問。高坂町長は「分別収集の徹底や、ごみゼロの日の実施」など具体的に答えた。
また、松村源貴君(飯中2年)は7月の豪雨災害を挙げ「大災害を想定し、どのくらいの備蓄物資があるのか」と質問。高坂町長は米や毛布など品目毎の備蓄数を示し「人口の5%、500人分の備蓄がある」とした。
来春、中学生となる伊藤友梨亜さん(七小6年)は「中学の制服をかわいいデザインにして」と女子ならではの切実な訴えには「そういう意見が多くあれば、検討委員会をつくり検討したい」と優しく答えた。「50周年記念にタイムカプセルの埋設」を提案した久根美奈子さん(七小5年)に対する答弁は「学校で検討してほしい。場所の提供は可能」と前向き答弁をした。
16議員の質問終了後、副議長の松田慧さん(飯小6年)が「笑顔でふれあいがいっぱいのあたたかい町をつくる要望書」を提案、全会一致で採択、閉会した。
この日の子ども議会で出された意見、要望は可能な限り行政運営に生かされる。 -
駒展
駒ケ根市在住の県展出陳作家の力作を集めた「第5回駒展」が26日まで、市博物館で開かれている=写真。
駒ケ根総合文化センター開館20周年記念の同展には、国展で活躍の柴田久慶さんの力強い「MAN」。日展審査員の木下五郎さんの鍛金作品「空寂」。大自然の大切さをアピールする、小木曽章八さんの「汚染、生きる者達」。加納恒徳さんの「鷲ケ峰」、北村昌道さんの染色作品「かたくり」など、洋画、工芸、水墨画、陶芸、漆芸作品約20点を並べた。
いずれも、県展や中央の展覧会、個展で活躍している作家が、渾身の思いを込めた作品だけに、見る人に深い感動を与えている。
また、会場では駒展実行委員である作家の小品作品の展示、入札による販売も行なわれている。収入は全額、市文化財団基金に寄付される。 -
伊那西高校社会クラブが人文・社会科学コンクールで佳作に入選
米づくりを続けてきた一人の男性にスポットを向けたレポート『聞き書き「米づくり名人」おじいちゃんの農業50年』を制作した伊那西高校社会クラブがこのほど、県高校文化連盟が主催する第7回人文・社会科学コンクールで佳作に選ばれた。初出展での嬉しい知らせにメンバーは「入ると思っていなかった」と話しながら、笑顔を見せた。
部長の伊藤千紘さん(18)、伊東春佳さん(17)、田畑香奈絵さん(18)の3年生3人で制作したレポートは、メンバーの一人、伊東さんの祖父・伊東陽一郎さん(74)の米作りにスポットを当てたもの。伊那市新山で長年米作りをしてきた陽一郎さんの話をテープ起こしする中で、この地に根付いてきた農業の歴史や、現在の取り組みまで踏み込んだ。
伊藤さんは「農業に励んできた一人の男性の話を通して、日本の農業政策まで見えた」と話す。
もともとコンクールに出品する予定ではなかったこともあり、出品を決めてから急きょ準備をしてきたが、豪雨災害の影響で学校閉鎖になるなど、なかなか思うように準備が進まなかったが、夏休みを返上してなんとか完成させた。
現在は3年生しかいない同クラブだが「今年中途半端になった部分を来年はもっと時間をかけて調べてほしい」と来年度への思いを語っていた。 -
東春近小4年生が2分の1成人式
伊那市の東春近小学校4年生82人の10歳の節目を祝う「2分の1成人式」が11日、同校体育館であった。
家庭や学校、地域でどのように期待されているかを考え、将来の希望に向かって大きく羽ばたいてほしいと地元の地区協議会、こども育成会が企画した。6年目。
ステージ上に立った児童たちは、いつも見守っている家族や地域住民に感謝し「素直になれないときもあるけれど、言われたことを守り、頑張りたい」と決意を述べた。
また、合唱やソーラン節も元気よく披露。
20歳になって開封するタイムカプセルには、児童一人ひとりが柔道大会の優勝メダルやぬいぐるみ、漫画など記念の品、10年後の自分に向けたメッセージを入れ、かぎをかけた。
三沢こころさん(10)は「何を入れるか迷ったけど、入学式の写真とかを入れた。10年後、保育士さんになっていますかと書いた」と話した。
タイムカプセルは春近郷ふれ愛館に保管する。
地区協議会の伊藤一美会長は「たくましく成長するには、好き嫌いなく食べ、丈夫な体を作ること。自分でものごとを判断し、将来に夢を持って、21世紀を歩んでほしい」と願った。
地元のシンガー湯沢加代子さん(20)の「どりぃむ・かむ・とぅるぅ(夢はかなう)」と題した歌を交えた講演もあった。 -
第38回日展初入選 松田靖宏さん(47) 伊那市狐島
陶芸の魅力は「土」。子どものころに土で遊んだ記憶、手に残る感触…。無心になって創作する楽しさがある。
第38回日展の第4科工芸美術(陶磁)で、3度目の出品にして初入選を果たした。
入選作は「遙(はるか)」。「夕方の空を見ることが多く、金色に輝いて見えるときがある」と、時間の流れから生まれる自然の美しさを表現した。高さ26センチ、幅98センチ、奥行き11センチ。板作りの方法で、平らに伸ばした土から型を取り、厚さ1センチにした土を張り合わせ、2つの半円の曲線部分を重ねた。ゆう薬は、オリジナルの水色系。上部の半円の側面には、雲をイメージした白色と金色が入る。
日展には、その年にできるいい作品を出品する。入選は目標としていただけに「まさかと思った。身に余る光栄」と喜ぶ。「創作活動の励みになると同時に、これからどうなるのかというプレッシャーが大きい。今年以上に、よりよい作品を仕上げることが目標」と気持ちも新た。
陶芸を始めたのは、35歳のとき。伊那社会保険健康センターの陶芸教室の募集チラシを見つけ、早速、申し込んだ。5年ほど通い、高遠焼の唐木米之助さんから指導を受けた。
その後、唐木さんの紹介で上伊那工芸会に入会。日展会員の彫鍛金家・木下五郎さん=駒ケ根市=に師事。会員は染めもの、木工などさまざまな分野の作家で、切磋琢磨(せっさたくま)する。使う素材は異なるものの、日本のものづくりの原点は同じ。刺激を受け、イメージがわくこともある。
「日展に自分の作品を出品するとは想像もしていなかった」。良い師、同じ志を持つ仲間に出会い、家族の協力があったからこそ、今回の結果につながったと感謝する。
自営業のかたわら、自宅の敷地に設けたかまで創作活動を続ける。生活雑器はほとんど作ることができず、伊那展、県展、現代工芸展、日展と締め切りに追われる。
「作る度に納得はできません。出しては嫌になり…。思いをいかに形にするかが大事」と自分らしい表現を追求する。
伊那美術協会、信州美術協会などに所属。
(湯沢康江) -
上伊那創造ものづくりフェア
第3回上伊那創造ものづくりフェアは11、、12日、伊那市駅前ビルいなっせ2階ギャラリーで開いている=写真。上伊那の小中学校の児童、生徒が技術家庭科の授業などで製作したエプロンや木製の椅子など約120点を展示している。「上伊那家庭科、技術・家庭科教育研究会」の主催。
地域の人たちに学校の授業成果を披露する場となっていて、本年は小中学校全52校の内40校から出品。作品一つひとつには、製作者の説明や感想が添えられ、工夫や失敗した点などのコメントが書かれている。
同会事務局の千種周嗣教諭(中川中学校)は「一人ひとりの個性を生かした力作ぞろい。一つひとつ手に取ってできばえを見てほしい」と来場を呼び掛けている。
入場無料。12日は午前10時縲恁゚後3時。 -
【記者室】中学校の運動部が社会体育へ
中学校の運動部が社会体育に移行する方向性について駒ケ根市で議論になっている。発端は赤穂中が剣道部の実質的な活動を社会体育に任せたいとする方針を昨年提案したこと。これに対し保護者らは「外部への丸投げだ」などと猛反発した▼一方で学校側の事情も分かる。顧問を務める教職員は毎日の練習のほか、休日の試合などにも帯同しなければならず、負担は相当に大きい。また競技経験の浅い(ない)教職員が生徒の指導、監督に行き詰まることも想像できる▼社会体育への移行は県教育委員会の方針でもあるが、関係者は広く保護者らの意向に耳を傾けて最善の方法を模索する謙虚な姿勢が必要だろう。今後議論がどう推移し、どこに落ち着くのか注目される。(白鳥文男)
-
今井由緒子作品展
駒ケ根市東伊那在住の造形作家今井由緒子さんの絵画作品展が同市の東伊那郵便局(小林敏明局長)ロビーで24日まで開かれている。「森」「雨」「夜明け」などをテーマに和紙とケント紙にアクリル絵の具や鉛筆、カラーペンなどで心象風景を描いた絵画7点を展示している。
駒ケ根市にアトリエを構え、移り住んで6年になるという今井さんは「素晴らしい伊那谷の風景に触発されたからこそ、これらの作品が生まれた。ここで育った人たちには見慣れた風景が私の目には新鮮に映る。身近な自然の素晴らしさを見直すきっかけになってくれればうれしい」と話している=写真。
今井さんは東京芸術大彫刻科卒。各地で展覧会を開催するなど首都圏を中心に活躍中。96年には駒ケ根高原にモニュメントを制作、設置している。 -
桃沢さんの梨園で、梨の学習
飯島町飯島小学校4年1組(湯沢滋教諭、33人)は9日、本郷の桃沢匡行さんの果樹園で、梨づくりの話を聞いた。
同学級は総合的学習の一環として、町内の片桐文雄さん宅から、二十世紀梨の一枝を借り、花摘みから摘果、袋掛け、収穫販売まで、一連の梨づくりを体験し、学習のまとめとして、梨づくり名人、桃沢さんから話を聞いた。
子どもたちは桃沢家が普及させた盃状式仕立て方の特徴について質問、桃沢さんは「木の自然の性質を生かし、無駄な枝が出ないように工夫した。収量も多くなった」と答えた。
また、「伊那谷でなぜ、二十世紀梨が栽培されるようになったか」については「かつて、伊那谷は養蚕が盛んだったが、昭和の初めに繭価格が暴落し、それに代わるものとして、果樹栽培が始まった。夏、乾燥し、土地が肥え、黒斑病などが病虫害の発生が少なく、梨栽培に適しているから」とした。
このほか、花粉つけはどうするのか、ほかにどんな果樹を栽培しているのか、天皇陛下が視察に来た時の様子などを聞いた。 -
中川西小、マラソン大会
)
中川村の中川西小学校は10日、紅葉真っ盛りの学校周辺道路で、全校マラソン大会を行った。
低学年は学校周辺の1・2キロ、中学年は学校から田んぼまで1・8キロ、高学年は牧ケ原周辺まで2・6キロと、それぞれ、体力と脚力に合ったコースで、互いに励ましあいながら、完走を目指した。
コース沿いには多数の保護者や、近くの片桐保育園の園児も駆けつけ、懸命に走る児童らに、最後まで走りぬくように、声援を送っていた。 -
伊那西高校文芸クラブの2人が県文芸コンクールで最優秀賞を受賞
伊那西高校文芸クラブの6人が、第7回長野県文芸コンクール(県高校文化連盟主催)で入賞した。部長の蔡・スさん(17)=中川村=は詩部門で、2年生の下平恵さん(17)=駒ヶ根市=は短歌部門で最優秀賞を受賞。「別の作品の方が思い入れが強かったからびっくりした」「普段は俳句の方が多いから意外だった」と、それぞれに思い語った。
例年さまざまなコンクールで多くの入賞者を輩出する同クラブ。今回も応募者の約3分の1が入賞し、蔡さんは6部門すべてで入賞した。
蔡さんの詩『貴方が貴方である為に』は、身の回りにあるものの定義を考えながら「自分とは何か」を模索した作品。下平さんの短歌『昼下がり気まぐれな雨をにらみつつ父の洗いし苗代運ぶ』は、田植えをしている最中に降り出した雨へのいらだちを詠った。
顧問の伊藤あけみ教諭は「出品した作品はどれも一定のレベルに達している。最優秀の二人の作品も、面白い感覚が生きていたり、日常の光景が見える」と語っていた。
入賞者は次のみなさん。
◇詩部門(応募数33編)▼最優秀賞=蔡・ス(3年)▼優秀賞=春日千香子(2年)◇短歌部門(応募総数263首)▼最優秀賞=下平恵(2年)▼優秀賞=春日幸穂(1年)▼佳作=蔡・ス(3年)◇俳句部門(応募数252句)▼優秀賞=唐木まなか(3年)鈴木彩乃(3年)▼佳作=蔡・ス(3年)下平恵(2年)◇散文部門(応募数34編)▼佳作=蔡・ス(3年) -
必履修教科・科目の対応
県教育委員会定例会が10日、県庁であり、必履修教科・科目で未履修があった県内の県立高校における実態と、具体的対応方法などが示された。
それによると、上伊那で未履修問題が発生している3校は、ともに03年から必履修科目を履修しなくても卒業できる制度を導入。本年度の卒業生においては、伊那北で世界史149人、現代社会125人、伊那弥生ヶ丘、赤穂の世界史でそれぞれ162人、73人の未履修があった。
伊那北では、平常の時間割を振り替えて授業の中で実施したり、平日の時間割を増加して実施。土日や長期休業の中で集中的に行うなどの方法を組み合わせながら、11日縲・月20日にそれぞれの補充を行うため、当初3月2日に行うはずだった卒業式を、3月21日に延期する。すでに補充が始まっている伊那弥生ヶ丘は、平日の時間割を増加したり、土日での集中授業を行うなどして対応。補充期間は3月20日までに完了する。同じく補充を開始した赤穂は、平日の時間割への振り替えと授業の増加、土日の集中授業で対応し、1月26日までに完了する。 -
07年度県立高校生徒募集定員決定
県教育委員会定例会が10日、県庁であり、県立高校の07年度生徒募集定員を決定した。原則として旧通学区ごとで中学校卒業見込者数の増減に見合う調整。対前年度比で78人の減少が見込まれる上伊那では、伊那弥生ヶ丘高校の普通科1学級減となった。
募集定員策定に当たっては、全学科で1学級の生徒数は40人とし、第1回入学志願者予定数調査の結果、旧通学区ごとの流出入、本年度の空き定員、学校収容能力などを考慮した。
県全体としての卒業見込み者数は前年度比で149人少ない2万1818人。うち推定進学者数は2万662人となっている。学科別に見ると、募集定員減少数が最も多いのが普通科で前年度比400人の減。次いで工業科の160人減、商業科の80人減となっているが、総合学科は560人増となっている。
生徒募集定員における普通科、職業科、総合学科比率は、14対5対1となる。 -
飯島写楽会が「発足20周年記念写真展」
飯島町の写真愛好グループ「飯島写楽会(矢亀政美会長、10人)」は七久保の道の駅、花の里いいじまで「発足20周年記念写真展」を19日まで開いている=写真。
各地の桜や紅葉、ユリの花咲く富士見高原、秋の千人塚公園、本郷のそばの花など風景や動植物、自然、生活、祭りなどを写したA1から4つ切まで60点を展示した。
矢亀会長は「10人10色の個性的な写真を見て欲しい」と来場を呼び掛けている。
同会は隔月で例会を開き、作品を持ち寄り互いに批評し合ったり、年1回、県内外で撮影会も行なっている。現在、新規会員を募集している。
詳細は矢亀さん(TEL86・4808) -
子育て学級、焼きイモ満喫
宮田村公民館の子育て学級は9日、新田区のふれあい広場に出かけ、焼きイモを楽しんだ。
雲一つない快晴。紅葉鮮やかな山々を眼前に、参加した約20組の親子が焼きたてのサツマイモをほおばった。
「おいしい」と、子どもたちの笑顔もホックホク。みんなで賑やかに外で食べる秋の味覚は、また格別な様子だった。 -
駒ケ根市中学部活動あり方検討会
駒ケ根市教育委員会は8日夜、中学校運動部部活動あり方検討会の第2回会議を市保健センターで開いた。市内の赤穂、東の両校教諭らと保護者のほか、社会体育関係者など約30人が出席し、前回に続いて部活動の現状と課題などについて話し合った=写真。市体育協会やスポーツ少年団の代表らは、学校から要請があれば生徒の指導、監督などの面で協力していきたいとする考えを示した。今後の方針についてさらに検討会を開いて協議していく。
運動部が25ある赤穂は教職員の立場からの問題点について、部の数が多すぎて正副顧問の配置が困難▽指導者として要求される専門性に応えられない▽社会体育との連携が困難▽大会が多く休日も取れない竏窒ネどを挙げ、生徒と保護者の立場からは、部活と社会体育双方に所属しているため身体的負担が大きい▽試合参加時の経済負担が大きい竏窒ネどを挙げた。一方、運動部が4のみの東は、生徒が希望する部がないが教職員数が少なく、部を増やすのは不可能竏窒ネどの問題点を挙げた。 -
小、中学校の枠を越え「心の育ち考える日」
村の子どもたちの今を参観宮田村の宮田小、中学校の教職員、教育関係者が子どもたちの学校生活を参観し、現状を理解して話し合う「心の育ちを考える日」は9日、同小で開いた。小中学校の枠を越えて、村の子どもたちを一貫して見守っていく取り組み。参観後は授業に取り組む児童の様子などを感想として話し合い、今後に向けて活かしていく点など意見交換した。
1985(昭和60)年から年に1回実施。小、中学校を交互に参観し、児童、生徒の育ちについて深く理解する機会としている。
この日は、宮田中の教職員、教育委員が宮田小各学級の授業を自由に参観。
将来宮田中に通う子どもたちが、どのように学び、考え、取り組んでいるか、つぶさに見て回った。
参観後は小、中教職員、教育委員が入り混じって分散会。参観した感想などをもとに、子どもの現状について熱く語り合った。
宮田中の新津吉明校長は「中学とは違った学習指導、学習環境を知ることも我々にとって大変勉強になる。今後も一緒になって村の子どもたちの育ちを見守っていきたい」と話した。 -
19年度生徒募集に向けた県立高校の魅力ある高校づくり
県教育委員会は9日、07年度の生徒募集に向けて県内の県立高校が取り組んでいる魅力づくりの概要を発表した。
上伊那では辰野高校が、普通科を総合選択性からコース制に移行する計画。現在は、人文国際系、社会科学系、医療看護系、福祉生活系など、7つの選択科目系統から、生徒たちがそれぞれの進路に合わせて必要な科目を選択するようになっているが、それら7系統を文系進学コース、理系進学コース、福祉保健系進学コースの3コースに統合し、より進学に特化した教育内容の充実を図る。
商業科は、従来通りコース制とするが、それぞれのコース名を変更するとともに、コミュニケーション能力、就職人意識、基礎学力などに関する内容も充実させ、就職、進学に対応できる能力の養成も図る。