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第59回長野県美術展
第59回長野県美術展(県、県教育委員会、信州美術会主催)の伊那会場が10日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。入選作品をはじめ審査員、無審査、遺作の計599点を一堂に展示。2年ぶりの伊那会場の開催で、南信各地から訪れた人々がじっくりと鑑賞している。
作品は日本画、洋画、彫刻、工芸。県内の居住者及び出身者からの応募数は4部門で912点。昨年と比べ日本画はわずかに減少したが、全体では11点多かった。約6割の547点が入選した。審査員作品30点、無審査6点、遺作5点も展示している。
上伊那地区の受賞者は、2部(洋画)で信州美術会賞に丸山栄一さん=南箕輪村、SBC賞に竹内みどりさん=辰野町、NBS賞に宮沢かつ子さん=辰野町、4部(工芸)で信州美術会賞に吉田冴子さん=箕輪町。
会場は、伊那や飯田地区の人が見やすいように洋画の関係地区分を1階に展示し、彫刻は周囲の壁を取り払い会館の大きな空間の中で鑑賞できるように配置するなど、展示方法にも工夫を凝らしている。
事務局では「多くの方に見に来ていただき、美術に興味を持ってほしい」と話している。
会期は17日まで。午前9時縲恁゚後5時(最終日は午後4時)。入場料は一般500円、高校・大学生300円、身障者、小学生無料。 -
阿竹晃子さん(63)、
絵も陶芸も根っこは同じ、表現方法が違うだけ。心の趣くままに描き、造形する-。
◇◇
1943年、名古屋市で彫刻家の故・中村喜平さんの長女に生まれ。子ども時代は川口市で過ごす。父の彫刻は売れず、母が和裁で一家を支えた。「父が好きで、まつわりついていた。父のモデルも務めた。父は生きていくにはお金は必要。85%はお金でカバーできる。残りの15%はお金では満たされないとよく言っていた」と父の思い出を。
偉大な彫刻家の父の背を見て育ち「気がついたら描いていた」と10代から独学で絵を描き始めた。「人物画はものすごく好き、モデルを見ると燃える。色彩は明るく、鮮やかな色に引かれる。冬は景色、粉雪が降る景色がいい」。父から母に毎日のように届く絵手紙を見て、絵心を誘われたとか。
25歳で夫の実さんに出会い、大恋愛の末、結婚。工業デザイナーを目指し勉学中の夫を支え、2女に恵まれた。次女のおむつを取れた時「むしょうに手が乾く。何かやってみたいと、父に相談すると、陶芸を勧められた」という。
陶芸家、岡村昭男さんに師事。「なにものにも捕らわれず、好きな物を好きなように作る」それが身上。「いいこともいやなことも、泣きたいことも作品にして吐き出す。絵を描くように、自由に形づくる。絵と陶芸、材料が違うだけ」とか。
陶芸はお金にしやすい」と、経済的に困窮すると、陶芸の個展を開催。「いい友達に恵まれ、友達が心配して買ってくれるから、ほとんど完売する」とか。
50歳から俳句をはじめ、60歳には盆栽にも目覚め、昨年から亡き父の工房(駒ケ根市福岡)に移転し、釜を構え、創作活動に励む。
「駒ケ根市は自然がきれいで幸せ。冬もいい。歩いて、氷や雪をすくって食べる」と寒さも楽しんでいる。「釜を持って、独立したら、自分に腕がないのに、愕然とした。穴があったら、作品を埋めたい。原点に返って、どうして焼物を始めたのか、自分はどういう物を作りたいのか、考えていきたい」と話す。
陶芸教室は毎週金、日曜日午後2時、7時。1人暮らし、(大口国江)
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かかしでスズメを追い払い
総合的学習の一環で米づくり取り組む中川村の中川西小学校5年生(高橋初男教諭、30人)は6日、体験田にかかし6体を立てた。 体験田は周囲の水田よりも一足早く出穂したため、格好のスズメの標的になり、田の東側から食害が出始めた。同クラスでは班毎、材料を持ち寄り、かかしを製作した。
かかしは麦わら帽子をかぶり、Tシャツを着た素朴なものや、スズメを思い切りおどかそうと、ビーチボールの頭に、キラキラ光る反射テープの髪、ボデーにCDを付けるなど工夫した。
また、田全体にスズメおどしの反射テープを張るなどした。
子どもたちは「かかしを立てたら、スズメが来なくなった」「かかしの効果は抜群」と満足そう。 -
育てた花で地域環境美化
箕輪西小3年生が福祉施設に花を贈る箕輪町の箕輪西小学校3年生(17人、上野平和教諭)は7日、総合的な学習で育ててきた鉢花を、上古田にある老人福祉施設「グレイスフル箕輪」にプレゼントした。
3年生は総合的な学習で花作りに取り組んでいる。育てた花を学区内や老人施設などに配り、地域の環境美化を考えると同時に、地域の一員として環境美化に関わる役割を担うねらいで、花いっぱい運動も推進している。
サルビア、サフィニア、マリーゴールドの3種類16鉢を届け、施設を利用しているお年寄りに水やり、肥料を与える回数など花の育て方を説明した。育て方を書いた画用紙と液肥も贈った。花はグループホーム前などに花の色や鉢の高さなどを考えながらきれいに並べた。
利用者は、「今日はありがとう。勉強と花の世話を両立させてね」と笑顔で話した。施設では職員と利用者で花を世話していくという。
3年生は、熱心に花の世話に取り組み、鉢花のほか学校花壇で切花を栽培。百日草やケイトウなどを全クラスに配り、学校中を花で飾っている。西部診療所にも花13鉢を届けた。上野教諭は、「花作りを通して生き物を大切にする気持ちや、水やりなど毎日継続する気持ちが育っている」という。
町は本年度、子どものころからの環境教育を重視し、学校と連携して環境教育プログラムに取り組んでいる。各学校でプログラム実施に必要な予算を町が確保する。今回の花のプレゼントもプログラムの一環で、町が支援したプランターや肥料を使って栽培した。 -
赤穂高定時制生活体験発表会
赤穂高校は6日夜、定時制生徒による生活体験発表会を同校で開いた。各学年で2名ずつ選抜された8人の発表者が出場。それぞれ緊張した表情でマイクの前に立ち、これまでの人生で味わった数々の挫折や、学校に入学してから得たクラスメートとの友情や将来の希望などを飾らない言葉で熱く語った=写真。
審査の結果、最優秀賞には古谷サラさんが選ばれた。古谷さんは24日に駒ケ根市で開かれる南信大会に出場する。同校は昨年の大会で最優秀賞を受賞し、県大会に出場している。
結果は次の通り(カッコ内は学年)。
▽最優秀賞=古谷サラ(4)▽優秀賞=新井愛(3)供野瞳(1)▽佳作=小泉彰(1)塩澤幸恵(2)高橋径(2)吉田弘次(3)供野美幸(4) -
宮田中2年職場体験
宮田村の宮田中学校2年生は7、8日、村内外の事業所に分かれて職場体験学習を行っている。見学するのではなく、自ら動いて汗して労働。将来の夢も考えながら、仕事に対する理解を深め、社会人としての礼儀作法も学んでいる。
108人の生徒は、主に希望する職業を選択して実習。サービス、製造、小売、医療機関など幅広い34事業所に分かれた。
自動車販売、整備の宮田自動車工業=町1区=では、堀木裕史君、本山一成君、浦野和樹君、福澤拓司君の4人が体験。
整備士から自動車の構造などについて説明を聞き、足回りの清掃やプラグの点検など、可能な範囲内で実際に作業にも加わった。
オイルにまみれ、使い慣れない道具に苦戦しながらも熱心に作業。車が安全に動くために、多くの苦労があることも肌で感じた。
「楽しい。もっと車のことを知りたくなった」と4人。妥協は決して許されない仕事の厳しさを感じつつ、仕事への関心を高めていた。
同中では1年から3年まで進路選択も絡めて職業についての学習を幅広く展開。2年生は後日、体験の成果を学年集会で発表する。 -
3人が3段に
飯島町の伊那谷お手玉の会(亀山福治会長)は全国お手玉遊び大会(27日、愛媛県新居浜市)で会員3人が日本お手玉の会の3段が認定された。
3段は両手3個ゆりを20秒以上続けること。認定されたのは、小林富子さん(飯島町飯島)、竹内尋美さん(七久保)、河野登志美さん(伊那市)。
3人とも、会発足以来の会員で、お手玉歴2年半。
小林さんは「亀山さんの指導で認定書をもらえ、うれしい」。竹内さんは「ドキドキしたが、始めると、落ちつけた」。河野さんは「お手玉発祥の地に行くことが出来て感激。3段も取れてうれしい」と話していた。 -
3人が3段を取得
飯島町の伊那谷お手玉の会(亀山福治会長)は全国お手玉遊び大会(27日、愛媛県新居浜市)で会員3人が日本お手玉の会の3段が認定された。
3段は両手3個ゆりを20秒以上続けること。認定されたのは、小林富子さん(飯島町飯島)、竹内尋美さん(七久保)、河野登志美さん(伊那市)。
3人とも、会発足以来の会員で、お手玉歴2年半。
小林さんは「亀山さんの指導で認定書をもらえ、うれしい」。竹内さんは「ドキドキしたが、始めると、落ちつけた」。河野さんは「お手玉発祥の地に行くことが出来て感激。3段も取れてうれしい」と話していた。 -
有意義だったカナダでの交流、宮田中2年伊藤君が村長に報告
夏休みを利用してカナダで国際交流した宮田村宮田中学校2年の伊藤翼君(14)=中越区=が6日、同役場を訪れて清水靖夫村長らに帰国報告した。「機会があればもう1度行きたい」と、ホームステイや語学研修など有意義だった異国での約2週間を振り返った。
国際交流事業は伊那市など上伊那4市町村が中学生を対象に合同で実施。宮田村も2年生から希望者を募り、約40万円の旅費のうち10万円を補助する形で生徒を派遣している。
32人の仲間と一緒に海を渡った伊藤君。7月末から13日間、アメリカ国境に近い南西部の街レスブリッジに滞在した。
この日は、カナダで買ったお土産の菓子を村長に手渡し、充実した交流内容を報告。
ホームステイしながら語学研修、現地の人とのふれあいにと、思い出が一杯詰まったカナダでの日々を振り返った。
「国は変わっても人はみな心でつながっていると、感じられたはず。この経験を今後の生活にいかし、友人にも伝えてください」と清水村長は話した。
英会話の表現を本場で学び、忘れられない体験となった伊藤君。「将来は英語に関係する仕事につけたら」と夢もふくらませていた。 -
次につなげ、夏まつりの反省
7月に宮田村中心商店街一帯で行ったみやだ夏まつりの反省会は5日夜、村役場で開いた。前回2年前より100人多い1851人が参加したと報告。実行委員組織や参加のあり方、日程の調整など、今後につなげようと意見も交わした。
17回目を迎えたまつりは、村の呼びかけで区長や各種団体、参加者らで実行委員会を組織。踊りを中心に、新たな参加団体もあった。
反省会では、区が中心となって動員をかける現在のまつりの形態についても話題に。
「全て公募で参加者を募っては」「住民のまつり、地区を念頭にした主旨も大切にして」など賛否両方の意見が出た。
「祇園祭と2日連続開催は厳しい」「マンネリ化にならないように努力を」といった声も。
また、参加者一人当たりにつき600円が村から区に支払われる「参加費制度」について、「村の財政が厳しいこの時代に、一般常識から外れている」と指摘もあった。
村はまつりに300万円を補助。そのうち107万円余りが参加費として支出された。
村産業建設課によると、主にまつりの後の慰労会などの費用として使われているという。 -
上伊那PTA連合会南部支会秋季総会
上伊那PTA連合会南部支会は3日、秋季総会を駒ケ根市の中沢小学校で開いた。総会スローガンは「親子ともに育ち合う! 自然との共生!」。伊南4市町村の小・中学校の教職員、PTAなど約200人が参加し、単位PTAの活動報告として中川東小の「親子で協力し合い、ともに取り組む親子講座」と赤穂南小の「地域ぐるみの南小子どもを育てる会」について聞いた。講演では信州大名誉教授の森本尚武さんによる「自然との共生を求めて竏注ゥ虫たちを通して」を聞いた。
小学生とその保護者を対象に2年前から「森本自然教室」を開いている森本さんは、長年の昆虫の研究を通じて知った自然の不思議さなどを分かりやすく紹介し「子どもたちにも保護者たちにも自然が好きになってほしい」と訴えた=写真。 -
こねて丸めてイモ団子、宮田中の若草学級が挑戦
宮田村宮田中学校の自律学級「若草学級」は5日、自分たちで育てたジャガイモを調理して、イモ団子づくりに挑戦した。村の福祉交流施設なごみ家を訪れ、スタッフから手ほどきを受けたもので、フワフワした食感は抜群の仕上がり。同施設利用者らに振る舞うなど、ふれあいを深めながら楽しくクッキングした。
同施設管理人の鈴木幸子さんに教えてもらいながら、さっそく調理開始。新ジャガをゆでて、つぶして、片栗粉を混ぜた。
3人の生徒は丸めて、こねる作業も熱心に。「それ大きすぎるよ」「いい感じ、いい感じ」など歓声もあがった。
焼いたり、揚げたりして完成。さっそく試食したが、フワフワ、モチモチの口当たりに満面の笑顔が広がった。
約2キロの新ジャガを使ったが、あっという間に完食。簡単に調理できるとあって、「またやってみよう」と喜んでいた。 -
上伊那教育財政懇談会
上伊那教育七団体連絡協議会(唐木章議長)は4日、06年度上伊那教育財政懇談会を、伊那市の信州INAセミナーハウスで開いた。関係者約80人が参加し、本年度県と県教育委員会に提出する7要望事項につき、地元県議らを交えて懇談した。
協議会は本年度(1)高校制度・高校入試制度(2)教員の加配・配置(3)自律教育、家庭教育、社会教育の充実竏窒ノ関する7項目を要望事項に盛り込んだ。
高校の入試制度に関しては、上伊那における高校募集定員の受容率改善を要望。上伊那のの募集定員は現在、地区内中学生の約75%しか受け入れることができない。同じ第3通学区である諏訪、下諏訪と比べても最も低い受容率になっており、中学校関係者からは地域差是正を求める声があがったが、「上伊那の高校に魅力があれば流入する生徒も増えるが、魅力に欠けるため流出が多い」と魅力づくりが進んでいないことを指摘する人もいた。
高校改革プランの実施については、地域の声を重視した進行や適切な教員配置と施設・設備の充実などを要望していく。 -
新刊「心の壁を壊す信州革命」
・ス信州学研究家・スで「田中康夫の真相」などの著書があるノンフィクション作家・角憲和氏=伊那市在住=がこのほど、痛快な信州改革プランを示した書「心の壁を壊す信州革命」を岳風書房(伊那市美篶)から発刊した。
小気味良い筆致で「脱南北格差」「脱地域型県議」などを提案し、「心の県庁が未来をひらく」と訴える。四六判、136ページ。
田中康夫前知事を詳細に観察し、冷静に評論し続けてきた著者だけあって、2期6年の田中県政を多面的に分析。「異端の変人だからこそ貫くことのできた改革」の意義などを面白く解説する一方で・ス地域型県議・スや南北格差が全県的な改革を阻害しているとして、広域型選挙区や知事室移転など、興味深い持論を展開している。
角氏は「信州改革の灯が消えようとしている今こそ必読の改革プラン」と強調する。
9月1日、村井県政がスタート。有権者は財政再建や県の組織・人事改革など、田中県政が進めてきた各種改善策をどう評価しているのか。
田中前知事が目指した「新しい時代の、日本の新しいあり方を提示できる長野モデル」の形成は過去の・ス悪夢・スとして葬り去られてしまうのか。
同書には、これから信州の進むべき方向を県民として真剣に考えるためのヒントが随所にちりばめられている。
定価1100円(税別)。問い合わせは岳風書房(TEL72・7778)へ。 -
中川西小避難訓練、視界ゼロの怖さを全校児童が体感
中川村の中川西小学校は4日、地震発生後に校内から火災が発生したと想定して避難訓練を行った。全校児童が煙の中を歩行する体験もあり、火災の怖さを実感。突発的な災害にも冷静に対処できるよう、心構えを肌で学んだ。
伊南広域の南消防署の協力で、特殊な装置を使って発煙。煙が充満した校内の廊下25メートルほどを全校児童が歩いた。
マスクを口と鼻に当て、姿勢を低くして歩行。しかし、立ちこめる白い煙は子どもたちの視界を遮った。
6年生は1人づつ歩いたが、ある男子児童は「まわりや友達の姿が何も見えない。一人だったら怖い」と体験の感想を話した。
この日は、校舎東側の保健室から火災が発生したと想定し、普段とは違った避難経路の使用法も訓練。
防火戸も実際に閉め、非常階段などを使用して校庭へ逃げた。
気賀澤厚典校長は「今日の経験を活かして安全に避難してほしい。災害はいつ発生するか分からない。家族とも話し合い、自分の命は自分で守ってください」と全校に呼びかけた。 -
信州みやだ連、東京高円寺の阿波おどりに参加
若者ハツラツ、キラリ光る演舞で観衆を魅了宮田村の「阿波踊り信州みやだ連」はこのほど、50回の歴史を数える東京高円寺の「阿波おどり」に参加。高校生ら若いメンバーが踊りの輪に加わり、本場の踊り手に交じって貴重な経験を積んだ。
同連は東京高円寺の菊水連から手ほどきを受けて18年前に発足。以来、2日間でのべ130団体ほどが出演する高円寺阿波おどりにも参加してきた。
会員の減少などで途切れた時期もあったが、ここ数年は子どもたちや若いメンバーも多く加入し、菊水連に混じる形で参加を続けている。
今回もやる気のある若手メンバーが連に参加し、多くの観衆の前で日ごろの練習の成果を披露。ハツラツとした踊りは、本場の踊り手と対等以上に光を放った。
「阿波踊りは日々形を変え、新しいものが取り入れられる。若い人にとって、本場の経験を積むことも大切と思う」と副連長の小木曽広子さん。
将来的には再び単独のみやだ連として、高円寺阿波おどりに参加できればと夢をふくらませた。 -
地域ぐるみで子どもを育てるためのフォーラム
情報交換を通してネットワークを築き、地域で子どもを育てる意味・課題などを考える「地域ぐるみで子どもを育てるためのフォーラム」が2日、箕輪町文化センターであった。上伊那、諏訪地区の教育関係者など約250人が参加。日本冒険遊び場づくり協会理事・天野秀昭さんは「遊びは生きる力の源」をテーマに講演し、子どもたち自身が主役となって遊びを見出していくことの重要性を訴えた。
地域住民と世田谷区との協働で生まれた子どもたちの遊び場「羽根木プレーパーク」のプレーリーダーとして活躍する天野さんは「現代の大人は、自分の価値観でやっていいこと、悪いことを決め、子どもたちの遊びを制限する一方、“遊べない子どもが増えている”というが、遊べないのでなく、子どもたちは自分達が“やってみたい”という遊びを、大人が制限している」と指摘。「子どもは、“やってみたい”という自分から求める遊びをする中で、生きていることを実感し、命の根っこが育つ。大人の決めた世界で子どもを遊ばせ続ければ、生きている実感を喪失し、自分で生きる力を失ってしまう」と語り、子どもたちには自ら育とうとする力があることを強調した。
また現代は、迷惑をかけないように遊ばせようとするが「迷惑をかけない関係はありえない」とし、小さい時から迷惑をかけながら、かけてはいけない迷惑を学んでいく重要性を示した。
分科会では、地域で行っている子育て活動の実践発表もあった。 -
シンガー
伊那市
湯沢加代子さん伊那北高校卒業後に渡米。ボストンにあるバークリー音楽院で2年間、ボーカル科で学び7月に帰国した。
故郷伊那での最初のステージは、8月の伊那市生涯学習センターでの「ジャズライブコンサートin伊那 思い出の映画音楽」だった。
「リハーサルが数回だけ。当日までリハーサルできなかった曲もあって不安だった」。迎えた本番。「観客との距離が近くてすごい緊張したけと、『いいよ、楽しんじゃえ』という気持ちになれて、一番よくできた。課題も残ったけど、バンドの方からもお客さんからも助けられたコンサートだった」。7曲を歌い上げ、賞賛の言葉と温かな拍手が贈られた。
音楽大学出身の母親の影響で、幼いころから音楽に親しみ、小学6年から高校3年まで駒ヶ根市の「すずらん少年少女合唱団」に所属した。「合唱は皆と一緒になれる感じがして楽しかった」。中学3年から三沢照男さんに師事し、クラシックの声楽を学んだ。合唱団の仏への演奏旅行でソロも経験。「度胸もついたし、舞台慣れさせてもらった」と振り返る。
高校受験のときにはすでに歌の世界に進路を決めていた。留学への思いが強く、英会話教室にも通った。
高校時代にゴスペルに参加。「パワフルでソウルフルでリズミカル。本当に歌っていて楽しい。今までやってきた合唱と世界が違った」。強い衝撃を受けた。大学は日本の音大を勧められたが、「本場のブラックミュージックに触れたい」と留学を決めた。
米国では幅広くボーカルを学び、特にR&Bを追求した。授業は先生1人に生徒8人くらい。一人ずつ歌いたい曲を先生と生徒の前で1曲歌ってアドバイスを受ける。レストランやイベントでも歌った。
「自分には向こうの人間性が合っていてすぐに慣れた。自分のやりたい音はもちろん、聞いたことのない音楽も、いろいろ聞かせてもらえた。いい環境で勉強になった」
授業の一つにオーディションが必要なゴスペルグループもある。約80人という大所帯は95%が黒人で、昔はアジア人は入れなかった。どうしても参加したくて、「先生お願い」と頼み込み、唯一のアジア人として無理やり席に座らせてもらった。
最初は「何だお前、みたいに視線が痛かった」。歌詞を書き写させてもらったり、よくわからくても口を合わせて歌ったり。「お前だけ音が違う」と言われないよう必死に学び、仲間になれた。「日本人はシャイだと思われている。向こうの人ばりに押していかないと。周りの空気に合わせるのはできるほう。その性格が役に立った」。なかなか利用できない学校の大ホールで、一緒に歌うことができた。「すごくうれしかった」。貴重な経験もした。
今後は、「年内は県内でライブをしたい。松本や長野を攻めたいですね」。R&Bを中心にちょっと新しいことをしたいという。
「歌から地球の匂いがするオーガニックシンガー」。友達からもらったキャッチフレーズ。「田舎育ちだから土の匂いがするのかな。自分でも大きな規模で歌いたいと思ってる。まだまだひよっこなので場を踏んで、恥をたくさんかいて大きくなって、いずれ東京に行きたい」。
シンガーとしての一歩を踏み出した。(村上裕子) -
現箕工へ新しく設置する08年度開始予定の多部制・単位制高校の内容面の検討がほぼ完了
高校改革プランに伴い、08年度開始となる多部制・単位制高校の設立準備を進める箕輪工業高校将来計画準備委員会と箕工の未来を育てる会は、新しい高校の中身の検討をほぼ完了した。多部制・単位制の特色を生かし、1クラス20人程度となる少人数教室を実現。普通科を基本に、科目選択の仕方で進学コース、工業コースなど、さまざまな方向に特化して学べるようにする。また、入学年度ごとの少人数ホームルームを設けるなど、心のケアにも努めていく。
3年間での卒業を目指す生徒の受け入れを想定する午前部に2クラス(80人)、午後部、夜間部はそれぞれ1クラス(40人)を設置し、従来の定時制を希望する生徒の受け入れを想定した。
工業コースを選択すれば、現在の箕輪工業工業科とほぼ同様の内容が学べる。また、地元企業との連携によりデュアル・システムを導入。各企業が持つ最先端技術が学べる実践的就業体験を取り入れていく。
定時制を希望する生徒への配慮から、定時制専用教室を設置したいとしているが、現状では教室数に限界があるため、県に対し設備の充実を求めていく。
今後は、教育課程の検討、パンフレットの作成を10月末までに進める。 -
悠生寮作品展
駒ケ根市の知的障害者更正施設「悠生寮」の利用者の作品展が駒ケ根市立博物館ロビーで10日まで開かれている。切り絵、貼り絵、刺しゅう、絵画、書など、利用者らが思い思いに制作した個性あふれる約20点の作品が展示されている=写真。訪れた人たちは「なかなか大したもんだ」などと作品の出来に感心しながら鑑賞している。入場無料。
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南箕輪小6年2組が村へ1万円を寄付
南箕輪小学校6年2組(春日睦美教諭、33人)は1日、役場を訪れ、災害支援に使ってほしいとフリーマーケット売上金の半分1万円を寄付した。
4年生からリサイクル活動に取り組んでおり、8月下旬の大芝高原まつりの際、家庭で不要になったものを再利用しようとフリマを開いた。7月下旬の梅雨前線による豪雨災害を受け、自分たちで使うのではなく、被害を受けた人の力になれればと、話し合って寄付することに決めた。
役場には、春日教諭の引率で、フリマ係の代表3人が訪問。
義援金を受け取った唐木村長は感謝し、来年のまつり参加を呼びかけた。
フリマでは、タオルや陶器など日用品、子ども服のほか、牛乳パックを使った手作りの小物入れなど180点を販売した。また、まつりのおまつりパレードにも参加し、楽しんだ。
唐沢涼君は「まつりに参加して、地域にかかわることができた。貯めたお金も渡せたので、よかった」と話した。 -
洋画家の富成勇夫さん 人生の中で絵は・ス楽しみ・ス
「優しさがにじみ出た絵」「ほわーんっと温かみがある作品ばかり」竏秩B
5日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで個展「竏猪・ナ(のぼとけ)の詩・異文化への憧憬(しょうけい)竏秩vを開く。愛きょうのある男女の道祖神「双体野佛」や、昨年の欧州スケッチ旅行で描いたポルトガル、スペインの街並みなど、油絵、水彩画の計50余点が並ぶ。
◇ ◇
駒ヶ根市在住で、伊那美術協会、信州美術会会員、新世紀美術協会準会員などの肩書きを持ち、画歴は約50年。定年退職するまでは、小中学校の図工・美術教員として、上伊那を中心に10校以上の学校で働き、現在は画家としての道を歩む。
◇ ◇
昨年3縲・月の3週間のスケッチ旅行は若桑みどり著「クアトロ・ラガッツィ竏駐V正少年使節と世界帝国竏秩v(集英社)をテーマにヨーロッパを訪問した。
「クアトロ竏秩vは500年前、織田信長の許可を受け、キリスタンの日本人少年4人がバチカンのローマ法王を表敬訪問する話。少年らは往復8年の旅路を経て本土へ戻るが、豊臣秀吉の時代へ移り変わっており、禁教令でひどい弾圧を受けて生涯を終えている。
少年たちを偲び、4人が辿った一部の足跡を追って、ポルトガル、スペインの教会、古城、街並みをスケッチ。ポルトガルのエボラ教会では少年2人が曲を演奏し、拍手大かっさいだったと記された、大聖堂のパイプオルガンなどを描いた。
ヨーロッパの美しい風景を目の当たりしたのと同時に、「少年たちは最後のことなんか予想もせず、この風景に目を輝かせていたのか」と哀れな気持ちを胸いっぱいにし、帰国の途についたという。
◇ ◇
退職後は海外へスケッチ旅行へ出掛ける機会が増えた。ヨーロッパは6年間で約5カ国を3回訪欧。500縲・00年前の石造りの建物など古い街並みを探訪する。
「日本人は異文化に憧れを持っている。観光旅行、グルメ旅行など、向かう目的は皆と同じ。写真を撮る代わりにスケッチをしてくるだけのこと」
「のんきに絵を描けることはぜいたく。金は無いけど、スケッチ旅行も続けたいし、もっと重厚な作品を描きたいね」。人生の中で絵とは・ス楽しみ・スだという。
※「富成勇夫個展竏猪・ナの詩・異文化への憧憬竏秩vは5日まで、ベルシャイン伊那店2階文化ホールで開催中。午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
魚取りやいかだ遊びに熱中
飯島町中央公民館の父と子の冒険隊が27日、父子25人が参加し、田切の天竜川支流フッ川であった。
フッ川の淵に繰り出した父子は、歓声を挙げながら、たも網やせせりを使って、魚取り。天竜川から遡上したアユやアカウオ、ドジョウ、カジカなどのほか、八つ目ウナギも取れ、子どもたちを喜ばせた。
また、天竜川の河川敷で、流木を拾い集め、ロープで縛り、いかだも作り、フッ川に進水。水量がないため、いかだの前後にロープを着け、子どもを交代で乗せ、引っ張った。
子どもたちは「落ちそうになったが、怖くなかった」と大喜びしていた。 -
箕輪南小と東小の1、2年生が交流
箕輪町の箕輪南小学校と箕輪東小学校の1、2年生が29日、交流した。近い学校同士、交流して仲良くなろうと計画し、2年生は南小、1年生は東小でそれぞれ楽しく遊んだ。
2年生は、東小周辺に川遊びできる環境がないため、南小の学校林に流れる沢で沢ガニ採りを計画した。当初予定した7月は、悪天候でカニ取りができず、ドッジボールなどゲームで交流。この日は待ちに待った2回目の交流で、東小の31人は虫採り網と小さい水槽などを持って学校林に到着した。
生活科の授業で訪れている南小の15人が案内し、石を動かしたり、目を凝らしてカニを探した。「いた!」「カニ!」とあちらこちらで響く歓声にまぎれて、時には「助けて縲怐Aはさまれた」などという叫び声も。児童は沢を行ったり来たりしてカニ採りに夢中になっていた。 -
【記者室】サイトウキネンって何?
「サイトウキネン? 何それ」。1カ月近くにわたって松本市で開かれているサイトウ・キネン・フェスティバルに県内の小学6年生と自律学校の児童が招待されるが、当の小学生の多くは冒頭のような反応だ▼サイトウはチェロ奏者、指揮者で桐朋学園などで後進の育成に力を尽くした故齋藤秀雄氏のこと。彼を恩師と仰ぎ、世界で活躍する100人以上の演奏家が集まって84年にオーケストラが生まれた▼齋藤氏に指揮を学んだ小沢征爾さんらが中心になって92年から毎年フェスティバルを開き、児童の招待も第1回から続けている。多くの児童にとって一生の間に聴く中で最高の演奏かもしれないことをよく肝に銘じて聴いて来てほしい。間違っても寝たりせずに…。(白鳥記者)
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大人気リトミック教室新たにスタート
楽しみながらリズム感を養う乳幼児親子対象の宮田村公民館リトミック教室が大好評で1日、新たに2クラスに分かれて開講した。計49組の参加があり、年末まで9回開く。
同教室は音楽指導者でつくる宮田ミュージックサークルの瀧澤智恵子さん=大原区=、赤羽みゆきさん=南割区=、下沢恵美さん=中川村=を講師に迎え、今年2月に開講した。
気軽に体を動かせるうえに、交流も深められるとあって口コミで評判に。予定の12回を終えて8月に一旦閉講したが、同公民館は寄せられる要望にこたえてリニューアルして再開した。
参加希望者が多いことから、今回は2歳以下の「ちびーず」と2歳以上の「ちゃいるず」に分けて実施。
初回のこの日も、ピアノのリズムにあわせて手足、そして体全体を動かした。
手拍子打ったり、手をつないでステップ踏んだり。すぐにみんな仲良しになり会話も弾んでいた。 -
「リトルバーズ-イラク・戦火の家族たち」上映会
中川村教育委員会は26日夜、綿井陽健第1回監督作品「リトルバーズ-イラク・戦火の家族たち」の上映会と綿井監督の記念講演があった。
約200人が来場、03年3月の米軍のイラク空爆以来、ニュース番組でイラクからの中継レポートを続けたビデオジャーナリスト綿井健陽さんが1年半の取材映像を基に製作した映画「リトルバーズ、-イラク戦火の家族たち」を鑑賞した。
記念講演会では、今年3月、再び、バクダットに訪れた綿井監督は、映画で登場した家族に、2年振りに再会。その時の様子を映像を交えながら紹介した。この中で「バクダッドは誘拐や殺人が横行し、外国人が外を歩ける状態でなかった。アリ・サクバン家の奥さんは外出できない状態が続き、子どもたちも学校に行く以外は家の中に閉じこもっていた。アリさんの弟は車から銃を乱射され、亡くなった。米軍の非人道兵器クラスター爆弾で右目を負傷した少女、ハディールは右目に爆弾の破片が入ったまま。おじさんも家の前で殺害された。いつ、どこで、だれが殺されるか分らない」と話し、戦争の悲惨さ、不条理さを訴えた。 -
昔の人の暮らし方で3日間過ごす
飯島町教育委員会の第2回飯島陣屋通学塾(第1陣)が小学3年から中学1年までの20人が参加し、27日縲・9日まで行なわれ、陣屋の特性を生かし、火打石で火を起こすなど昔の人の暮らしに近い、不便さにこだわった。
子どもの生活習慣の形成と異年齢の子どもたちの交流を通して、人間関係の構築を図ることがねらい。
27日、陣屋に集合した子どもたちは早速、3日間使用するはしやコップを竹で作り、火打石で火を起こし、かまどでご飯を炊き、みそ汁を煮、囲炉裏で魚を焼くなど、班ごとに役割分担し、夕食の用意をした。
夜はろうそくの明かりで寺子屋。島崎藤村の「雀のお宿」の朗読をした。
翌朝は午前5時起床、朝食準備、陣屋内の掃除、ラジオ体操を済ませてから、朝食。みんなそろって、集団登校した。
帰塾後はうどんを打ち、ニワトリのすき焼きで夕食を取った。
子どもたちは「かまどで炊いたご飯はおいしかった」と笑顔。 -
水泳参観、中川西小
中川村の中川西小学校は25日、各学年ごと水泳参観を行い、夏休み中の練習の成果を披露した=写真。
このうち、2年生はは低学年プールで、並んでバタ足、水に顔をつける、だるま浮、なカエルさん、水中じゅんけんなど水慣らしや、壁面をキックし、背伸びバタ足、クロールなどを精いっぱいの泳ぎを見せた。
プールサイドでは保護者がずらりと並び、「すっかりに水に慣れて、楽しそう」などと話しながら、わが子の力泳を見守っていた。 -
祇園祭、夏まつり写真コンテスト審査会
宮田村津島神社祇園祭、みやだ夏まつりの写真コンテスト審査会は31日、村商工会館で開いた。主催者の村商工会などが推薦、特選など各賞を選考。入賞者は3日付けの本紙で発表する。
今回は昨年より11点多い77点の応募があった。7月の祇園祭、夏まつりの風景を、さまざまな角度から撮影した多彩な作品が集まった。
神社石段から投げ落とす「あばれ神輿」や商店街を練り歩く踊りの輪など、臨場感あふれる力作の数々。審査員を悩ませていた。
優秀作品は観光ポスターなどに使われる。