-
宮田村が空き店舗活用に助成金導入へ
宮田村は市街地の活性化などに役立てようと、空き店舗に出店する企業団体や個人などに家賃の半額を助成する制度を導入しようと検討している。同村内では空き店舗を活用して地域を元気にする取り組みが民間レベルで芽生え始めており、「商店街振興の一役を担えれば」と村産業建設課は説明する。
1年以上商業施設や事務所として利用した場合が対象となり、月額5万円を上限に家賃の半額を助成。風俗店などは対象外となる。
このほど開いた村商工業振興協議会で説明。今後、議会にも報告して制度化する計画。同課によると、上伊那では同様の助成制度を伊那市や中川村で導入しているという。
宮田村仲町モールでは、ものづくりの仲間らが中心になり空き店舗にギャラリー「手づくり屋」を開設するなど、民間の力で商店街を元気にする取り組みも始まっている。国道沿いの旧パチンコ店や広域農道沿いの旧コンビニエンスストア、中心商店街の旧酒屋をはじめとして空き店舗が散在するが、村は空き店舗活用の動きを後押しして地域活性化につなげたい考えだ。 -
9月の有効倍率1.03倍
今年度最低水準に伊那公共職業安定所は、9月の労働市場概況を発表した。9月の月間有効求人倍率は1.03倍と今年度、最低水準となった。
製造業などで求人が減るなか、解雇や派遣社員の打ち切りで求職者が増加し、9月の月間有効求人倍率は、今年度最低水準の1.03倍となった。
この数字は、平成16年の年度当初以来の低い数字だという。
安定所によると、アメリカのサブプライムローン問題を発端とする国際的な金融危機が続く状況で、上伊那でも景気が悪化しているという。
求人倍率は、今年6月から1.0倍台で推移するなど低迷した状況が続いている。 -
中央アルプス山麓美酒フェスタ開幕
多彩な地酒を飲みくらべ味わう中央アルプス山麓美酒フェスタ2008が6日、駒ヶ根市で開幕した。地元醸造所4社が、ビール、ワイン、ウィスキー、日本酒、リキュールと自慢の酒の数々を惜しみなく出品。初日は駒ヶ根高原の地ビールレストラン「味わい工房」が会場で、県内外から訪れた約50人が酒と料理のコラボレーションに酔いしれた。
南信州ビール、本坊酒造、長生社、養命酒の各社が、17種類の酒を用意。各種品評会で受賞したり、希少な酒もあり、シニアソムリエの石田通也さんが「「これだけレベルの高い酒が一堂に集う地域は全国、世界をみても数少ない」と紹介し、参加者はグラスを傾けた。
酒にあう料理やつまみも出され、相性も確かめながら満喫。各醸造所の担当者を交えて酒談義もはずんだ。会社の同僚らと一緒に参加した東京の熊谷トシ子さんは「雰囲気がとてもいいですね。もっとお酒が強くならないと」と話した。
7日も午後6時半から味わい工房で同様のパーティー形式で開き、8日は午後4時から同市内銀座商店街の会場で飲みくらべを楽しむ。7日分の当日券は4500円、8日分の前売りは1500円、当日1800円で、ともに定員になり次第締め切る。問い合わせは駒ヶ根市観光案内所0265・81・7700まで。 -
花王の前会長後藤さんが講演、駒ヶ根市経営講座
駒ヶ根市経営講座(市など主催)は7日開き、洗剤、化粧品など製造大手「花王」の前会長後藤卓也さんを講師に迎えて地元経営者ら約60人が耳を傾けた。良い製品をつくり販売するには、従業員の力を結集した総合力が不可欠であると説明。組織として全体のモチベーションをあげるコミュニケーションの必要性を指摘し、社員同士が向き合える企業風土の確立が大切と話した。
「100人いて全員がリーダーになれるわけではない。フォローする人の育成が企業の総合力につながる」と後藤さん。普段は光が当たらないが地道に仕事をして企業を支えている社員にも目を行き届かせ、配慮することがリーダーとしての役割と続けた。
「多様の力が発揮してこそ企業が成長していく」とも語り、「社員を大切にしないでお客様を大切にすることができるだろうか。社員がしっかりしないで、お客様に喜んでもらえる仕事はできないはず」と人あってこその企業であることを繰り返した。
資金運用などで利益をあげるような財務活動を花王は一切していないと説明。「ものづくりがメーカーの原点であり、日本の原点。技術力あればこそ、社会に貢献できる」とも。
同社の商品開発などにもふれ、開発力、生産力、宣伝力、営業力など一つでも欠けたら成功しないと話し、「常に危機意識も持ちながら愚直なまでの基本の徹底。本当にやるべきことを常に見直しながら仕事をしなければ」と締めくくった。 -
経営承継セミナー
中小企業の経営の承継をスムーズに進めるためのセミナーが5日、伊那市の伊那商工会館で開かれた。
セミナーは、上伊那の8つの会計事務所と伊那商工会議所が共催で開いた。
承継問題について、後継者が育たない、相続税について心配などの声に応えようと6年前から開いている。
この日は、実際に父親から会社を承継した駒ヶ根市の天竜精機(株)の芦部喜一社長が講演した。
天竜精機は、携帯電話の部品などを製造している会社で、芦部さんは突然の父親の死により会社を引き継ぐ事になった。
他の会社に勤めていた芦辺さんは、自分の仕事も楽しくなってきた時期で、戸惑いも大きかったという。
引き継いでからは、社員一人ひとりと何時間も面談し、個人の技術力に頼っていることや、社員の会社に対する意識が低いことなどに気付いた。
そこで、若手社員に面接官を勤めさせるなどの取り組みをしたところ、社員の会社に対する愛着が増し、リーダーの生まれる組織作りが進んだという。
松崎会計事務所の松崎堅太郎さんは、「日本の企業の90%以上が中小企業。その企業が承継できずにだめになったら日本の産業が危うい。こうしたセミナーが経営の助けになり、地域の活性化にもつながれば」と話していた。 -
南信地区労働フォーラム、仕事と生活の調和「ワークライフバランス」をテーマに率先3社が事例発表
県南信労政事務所(三石真所長)は6日、仕事と生活の調和を考え労使双方が働く意識を見直す「ワークライフバランス」をテーマにした労働フォーラムを伊那市生涯学習センターで開いた。各企業の人事労務担当者のほか、一般従事者など約60人が参加。率先してワークライフバランスに取り組む管内3企業が事例を発表し、少子高齢化が進み労働人口の減少が迫りつつあるなか、会社と社員がともに幸せになれる働きのあり方を見つめ直した。
寒天食品など製造の伊那食品工業(伊那市)の担当者は「いい会社とは、社員の幸せを通じた人々の幸せの場」と同社の理念を紹介。ものづくりの前に人づくりがあるとして、次の仕事への活力となる社員旅行、本人の希望を加味した職場異動など、福利厚生を会社の最優先投資にしていると説明した。支えあい、助け合いの意識醸成により、ひとつの部署に仕事が集中したら全社員が助っ人になる体制もできていると続け、会社全体が運命共同体のファミリーとして機能しているとふれた。
自動車部品用精密バネなど製造の日本発条伊那工場(宮田村)は、同社が実施する福利厚生の制度を紹介。会社が目標を掲げて有給休暇の取得を推進したり、育児退職者などを対象にした再雇用制度などを実施していると話した。また、同工場独自にママさん社員を対象に「子育て座談会」を行っているとも話し、仲間に悩みを打ち明け共有する機会を設けていることにもふれた。
コンデンサ製造のルビコン(伊那市)も、育児休業後の職場復帰支援、育児短時間勤務制度や妊娠出産後の女性社員の健康相談体制など、次世代をにらんだ支援を展開していることを説明。今後も社員にアンケートなどを実施しながら、さらに取り組みを推進していきたい考えも示した。
この日講師として参加した長野労働局基準監督課の野田直生課長は、3社の事例について「社員、会社双方のことを考えた取り組み。このような会社がさらに地域で成長し、これを目指すような企業が増えてほしい。できるところからコツコツとやって頂ければ」と話した。
同フォーラムは本年度2回目の開催。次回は12月4日に「メンタルヘルス」をテーマに職場でのいじめやパワーハラスメントなどについて考える。問い合わせは同事務所76・6833まで。 -
北原さん(駒ヶ根市)、熊谷さん(伊那市)ら県内23人が信州の名工に
県商工労働部は5日、卓越した技能で県内産業の発展に貢献した23人を「信州の名工」として発表した。知事が表彰するもので、上伊那関係からは2人、飯田下伊那関係からは4人が選ばれた。
上伊那からは陽極酸化処理めっき工で駒ヶ根市の北原一由さん(オリンパスオプトテクノロジー辰野本社)、木製家具・建具製造工で伊那市の熊谷次勇さん(熊谷木工所)が名工に。
飯田市からは染色工の石黒純治さん(染物処スミツネ)、日本料理人の萩原幸夫さん(割烹柚木元)、造園工の宮澤良弘さん(宮澤造園)、大工で清内路村の櫻井三也さん(三清建築)が選ばれた。
表彰式は19日午後1時半から長野市のメルパルクホールで行う。 -
中央アルプス山麓美酒フェスタ6日から
駒ヶ根市の駒ヶ根高原と中心市街地を会場に6日から、中央アルプス山麓美酒フェスタ2008(実行委員会主催)が開かれる。長生社、養命酒、本坊酒造、南信州ビールの地元醸造所4社が参加。和洋の多彩なお酒が楽しめ、駒ヶ根高原の地ビールレストラン味わい工房で開く7日分と、銀座通り商店街周辺で開く8日分のチケットは若干の余裕もあり前売り券を販売している。
昨年初めて開いた「中央アルプス山麓の美酒を楽しむ会」が好評で、東京からの宿泊ツアーも企画。最終日の8日には市街地の銀座通り商店街周辺に会場を設けるなど、新たな試みも行う。
6、7日は午後6時半から高原の味わい工房が会場で、酒と料理を楽しむパーティー形式。ソムリエやきき酒師など専門アドバイザーや各醸造メーカーの担当者の解説も聞きながら、ゆっくりと楽しむ。
8日の市街地会場は午後4時から同7時までで、同じくビール、ワイン、日本酒、リキュールとふんだんに用意。造り手との交流も深めながら、地元の美酒に酔いしれる。また、午後1時からは各醸造所を訪れるシャトルバスで行く工場見学(無料)も行う。
味わい工房会場の高原の部は前売りは4千円、当日は4500円で、市街地の部は前売り1500円、当日1800円。いずれも定員になり次第締め切る。
南信州ビールの竹平考輝さんは「多くの人に地元の豊かな酒文化にふれてもらう機会になれば」と期待を寄せている。
問い合わせは駒ヶ根市観光案内所0265・81・7700、駒ヶ根市商工観光課0265・83・2111へ。 -
伊那商工会議所女性会が寄付
伊那商工会議所女性会は30日、福祉活動に役立ててもらおうと、使わなくなった古布2千458枚を伊那市社会福祉協議会に寄付した。
今日は女性会の小林旬子会長ら4人が伊那市まちづくりセンターを訪れ、古布を手渡した。
女性会では環境、福祉の両面で地域に貢献していこうと、このような寄付活動を行っている。
古布は、女性会の会員46人が家庭で不要になったものを集め、使いやすいよう縦・横30センチに切った。
小林会長は、「まだ捨てるにはもったいないものはたくさんある。地域の福祉に少しでも役に立てればうれしい」と話していた。
伊那市社協では、古布を伊那市内のデイサービスセンターやホームヘルパーなどに利用してもらう計画。
なお女性会ではこの日、フィリピンへの支援活動を行っている南信美装伊那にTシャツ645枚を、伊那市に物産展の売上金の一部3万円を手渡している。 -
中国における知的財産の権利と模倣被害対策学ぶ講習会
中国における知的財産の戦略と模倣被害対策を学ぶ中小企業などを対象にした講習相談会がこのほど、箕輪町の伊那プリンスホテルであった。経済のグローバル化が進むなか、国際的視野で自社の製品、サービスを知的財産化していく必要性が高まっており、特許庁の委託事業として発明協会が開催。上伊那地方の企業を中心に経営者や技術者50人が参加し、市場拡大や模倣品被害対策などに理解を深めた。
知財に関する訴訟実務に数多く携わる中国法事務弁護士の何連明さん(TMI総合法律事務所)が講師。中国の法律から説明し、「中国は香港、マカオ、台湾と司法が分かれており、地域ごとに契約をつくる必要もある。地域を分けて法律を考えなければいけない」とも話した。
訴訟事例を示しながら模倣被害対策にふれ、参加者は組織的に対応する必要性など知的財産に関する権利執行の方法を学んでいた。 -
飯島町商工会4年ぶりの企業文化展、各社意欲的にPR
飯島町商工会は31日から2日間、地元43社の出展で「企業文化展2008inいいじま」を同町文化館で開いている。製造業にとどまらず、情報産業関連、建設、小売、飲食など幅広い業種が参加し、自社製品や技術力、サービス内容をPRしている。一段と厳しい経済情勢にあって4年ぶりの開催。「こんな時だからこそ地元企業が元気なところを多くの人にアピールしたい」と各担当者は意気込み、一般住民にも分かりやすく業務内容を伝えた。
同商工会青年部が中心となり2004年に開いた企業文化未来展。それ以来の開催だが、同商工会事務局長の生田順市さんは「製造業の取引相手は町外が中心で、地元にあっても地元の皆さんと関わる機会が乏しかったのも現実。だからこそ、各企業がどんな仕事をやっているか知ってもらおうと企画しました」と経緯を説明する。
開催を告知するチラシは新聞折込で一般家庭に配ったほか、町内の飯島小・中学校、近隣の赤穂高校、駒ヶ根工業高校、松川高校には全生徒分配布した。「長い目線で優秀な人材を確保したい」(生田事務局長)。将来も見据えた想いもにじませる。
異業種の参加により、会場には年代や職業などを問わず多くの人が来場。小学生が団体で見学に訪れる姿もみられた。出展した製造業の担当者は「情勢が厳しいのは当たり前だが、地元にも私たちの仕事を知ってもらうなかで次へのステップにしたい」と話し、小売業の男性は「業種を超えて連携することで、相乗効果にもなる」と接客に汗を流した。
1日は午前10時から午後4時まで開場し、入場無料。特産品の抽選会や飲食コーナー、午後0時45分からはライブ、同2時からは放送作家加瀬清志さんの講演会もある。 -
マルイチ産商がふるさと企業大賞受賞
伊那市西春近の食品卸会社マルイチ産商は地域に貢献している企業に贈られる「ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」を受賞した。
マルイチは魚介類を中心とした食料品の卸売り会社で、長野市に本社がある。
伊那に支社ができて14年目で支社ではおよそ30人が働いている。
今回受賞したふるさと企業大賞は財団法人地域総合整備財団の融資制度を活用した企業のなかで地域振興に功績のあったところに贈られる。
マルイチは地元流通の発展や人材の雇用、また小学校の社会見学を受け入れるなど地域に密着した事業活動が認められた。
ふるさと企業大賞の表彰は30日、東京で行われる。 -
上伊那が県内最多の7件、今年上半期の工場立地
上伊那地方の今年上半期(1縲・月)の工場立地件数は7件で、県内で最多だったことが29日、県が公表した2008年上期工場立地動向調査で分かった。1千m2以上の用地取得が対象。前年同期に比べると2件減だが、県内他地域に比べると依然高い水準で推移しており、県商工労働部経営支援課は「関東、中京圏双方に近い交通至便な立地条件などが受け入れられている」と分析する。全県の立地件数は前年同期を5件下回る19件で、上期としては4年ぶりの減少。地域別では上伊那に続いて北信が5件、佐久が3件と多かった。飯田下伊那は立地がなかった。
上伊那の立地件数は昨年1年間だけで17件に達するなど、近年順調に伸びを示してきた。同課は「立地的環境のほかに、上伊那の各自治体が特に誘致に力をいれてきた部分も大きい」と話す。
今回の調査でも県内立地の36・8%を占める堅調さを示したが、「企業全体の設備投資意欲が落ち込んでいる」(同課)状況にあり全県的な傾向として立地件数は減少に転じ始めている。また、金融危機に端を発した不透明な経済情勢も重なり、上伊那地域にも例外なく先行きの厳しさが見込まれる。 -
伊那商工会議所「経営革新塾」開講
伊那商工会議所主催で4年目を迎えた「経営革新塾」が28日夜、全9講義の日程で開講した。新規ビジネスで成功した著名な経営者や経営コンサルタントら多彩な講師陣を招き、今年も上伊那地方の企業家ら約30人が受講。厳しい時代にあって、マーケティング、現場改善と幅広く生き残りの戦略を学んでいる。
初回は既存の自動車板金業から客が修理点検などを自ら行うシステム「レンタルガレージ」に大転換を図り成功を収めた栃木県の有限会社ジュントオルの谷田貝孝一社長が、「お金をかけず、モノも売らずにもうける方法」と題し講義した。
客とつながる方法をみつけることが、経営革新の第一歩であることを説明。つながりを持った客から広がるクチコミやたえずアンテナを張った新たな発想と実行力が、マスコミも動かして経費をかけずに大きな宣伝効果を生み出すとも紹介した。
「明確な目標を持つことが大切」と繰り返し指摘。「目標のために何をするのか。お金をかけずに経営するにはどうやっていくのかと考え戦略を練ることこそが経営革新。お金をかけないなら頭を使って工夫するしかない。体を使って行動すること」と話した。
最終講義は11月28日。その後12月にはフォロー講座として、個別相談会も行う。 -
信州機能性食品研究会 第2回研究会を開催
信州機能性食品研究会(会長=塚越寛伊那食品工業会長)は10月28日、2008年度第2回研究会を伊那技術形成センターで開いた。約50人が参加。
第一講演では、(社)食品需給センター調査研究部の長谷川潤一主任研究員が、農林水産省が進める食料産業クラスター事業の理念・制度内容・推進方法・先行事例などを説明し、食品産業を中心に、農業生産者・商工業者・運輸業者・大学など研究機関が連携して、「食」を基軸にした地域振興を進める際に、食品産業クラスター事業を有効に活用するべきことを訴えた。
石川県で進む伝統野菜中島菜を利用した産学官連携の取組みなどが事例紹介され、参加した食品関連企業の関心をひいた。
第二講演では、信州大学繊維学部応用生物学系の野末雅之准教授が、「植物ポリフェノールと酸化酵素」と題して、昨今注目が集まっている植物成分ポリフェノールの植物や人体に置ける役割や、その効果が現れる仕組などについて説明。食品産業において、この有効成分を活用することを訴えた。
講演の後に、信州大学農学部の教員による研究内容の発表もあった。発表内容は、(1)大谷元教授による「食品素材の免疫調整機能の解明と利用技術の開発を目指した産学官連携研究例の紹介」、(2)中村宗一郎教授による「アルツハイマー症を含むコンフォメーション秒予防抑制物質の構造機能相関に関する研究」、(3)藤田智之教授による「酵素阻害物質を中心としたきのせい食品素材の探索」「高圧処理装置を用いた食品などの加圧処理」、(4)藤井博教授の「機能性分子によるゲノム情報の発言および機能抑制に関する研究とその応用」、(5)濱渦康範准教授の「貯蔵・加工による果実の機能性成分の制御と利用」、(6)中村浩蔵准教授による「スプラウトを活用した新食品開発」。
いずれも専門的な先端研究だが、食品分野で新たな商品開発を目指す意欲的な企業は、それぞれの発表に熱心に聞きいっていた。
機能性食品研究会は、県テクノ財団伊那テクノバレー地域センターと信州大学農学部が約20社の企業と連携して設置している。事務局は伊那テクノバレー地域センターにある。 -
伊那市商工業振興審議会
伊那市商工業振興審議会は29日、同市役所で開いた。15人の委員を委嘱し、会長に伊那商工会議所工業部会の川上健夫さん、副会長に伊那市商工会の飯島明さんを互選。さっそく市の担当者から商工業施策の説明を受けたが、先行きが見えない経済情勢から産業立地への影響を懸念する質問もあがった。
市側が商工業、中小企業、企業誘致などの概略を説明した後に質疑し、ある委員は「経済状況が激変し、産業立地の引き合いにも影響があるのでは」と質問。産業立地推進課は「引き合いが全くないわけではないが、企業立地の面からみても厳しい状況にある」との認識を示した。
また、制度資金のうち業況の悪化している業種に対する支援措置が対象となるセーフティーネット保証制度5号認定分については、9月末現在で前年度実績10件を上回る24件の申請があり認定したと市は説明した。
川上会長はあいさつで「近年は新しい企業が伊那市に進出し、市の活力にもなっている。より活性化できるようつとめていきたい」と話した。 -
マルイチ産商にふるさと企業大賞総務大臣賞、伊那支社整備の地域振興で
地域総合整備財団(ふるさと財団)のふるさと融資制度を活用して伊那市に支社を整備したマルイチ産商が、同財団が表彰する本年度のふるさと企業大賞総務大臣賞に選ばれた。地域振興につながった功績が認められたもので、30日に東京都内のホテルで表彰式が行われる。
同大賞は、経済や雇用、イメージアップなど魅力ある地域づくりに特に貢献した同融資活用事業者が対象。マルイチ産商は平成7年度に、同融資を用いて伊那市西春近に伊那支社を整備した。 -
初の人材確保・育成支援施策説明会に15社参加
上伊那地方事務所は27日、地元企業など対象に「人材確保・育成支援施策説明会」を伊那市西箕輪の伊那技術形成センターで開いた。企業側から「県など各機関の支援施策を詳しく聞きたい」という要望が強く初めて開催し、製造業を中心にした15社と市町村、商工会関係者ら約40人が出席した。先行きが見えない経済情勢を受けて、新規採用にも厳しい影響を及ぼす見方があるなか、出席したある企業の担当者は「厳しいことは確かだが、将来を考えれば新しい人材を採用して技術研さんも図っていかなければ」と話した。
県商工労働部は、県外からのU・Iターン希望者や新規学卒者らを対象に登録制で情報提供したり、ガイダンスや相談会なども実施していると説明。Iターン希望者の登録者数は今年度445人で、うち上下伊那地域への希望者は91人にのぼるとも話し、「潜在的な就職希望者は多い」と続けた。
昨年度の上下伊那へのIターン希望登録者は82人。うち上伊那で8人、飯田市下伊那は2人が実際に就職した。県商工労働部は「全県的にみても少ない数字ではないが、もっと県の施策などを活用してさらに伊那谷への就職を促進できれば」と話す。
この日は県のほかに、伊那公共職業安定所や県テクノ財団伊那テクノバレー地域センターなども支援策を紹介。すべての説明を聞き終えたある製造業の人事担当者は「人材という面では、大手も派遣や期間労働者に頼るなど厳しいのが実情ではないか」と漏らす。その一方で「他社との競合などに勝ち抜くためにも有能な人材を登用していかなければ」とも。「行政の支援なども活用しながら、人材育成を進めたい」と話した。 -
宮田村議会が北川製菓を視察
宮田村議会は23日、新田区にある北川製菓駒ケ岳工場を視察した。駒ヶ根市福岡に本社がある同社が宮田村に進出して1年が経過。議員たちは同工場が立地する西山山麓地域の観光や村の産業振興も含め今後の活性化のあり方を探ろうと、熱心に見学した。
同工場は全国菓子組合連合会が認証する高度な管理衛生システム「HACCP」(ハサップ)で、全国8番目の認証工場。視察した議員一行は主力商品のドーナツ製造ラインを見学し、徹底された機械化や衛生面などの工場環境に関心を寄せた。
山田一三工場長は「競争は激しいが、良質で安全な製品づくりに努めている」と説明。新たな製品開発も積極的に展開している企業風土も紹介した。
同社は観光面への寄与も視野に入れて同地に進出した経緯もあり、松田英俊議長は「今後とも宮田村を応援していただきたい」と呼びかけた。
視察は議会改革の一環として取り組んでいるもので、昭和伊南総合病院をはじめ課題となっている現場へ直接的に足を運び理解を深めている。 -
観光土産品公正規約の予備審査
観光土産品の、賞味期限などの表示が適正かをみる、審査会が23日に伊那商工会館で開かれた。
28日に長野市で開かれる県の土産品審査に向けて、上伊那から出品する61品が適正か審査するもの。
上伊那の小売店や製造業者でつくる、上伊那観光土産品公正取引協議会の役員6人が審査にあたった。
県の審査を通過すると、安心・安全な土産品の印となる、認定証のシールを貼って販売することができる。
審査員は、「材料を分けずに1つにまとめて書いた方が良い。」「さらに細かく説明した方が安全性がわかる。」など、箱などに書かれた表示を中心にチェックしていた。
審査の結果61品すべてが適正で、県の審査に出品されることになった。
協議会の熊谷和寛会長は、「これからも地元から安心・安全な土産品を出していけるよう呼びかけていきたい。」と話している。 -
県みそ品評会知事賞に伊那谷から3社
第58回長野県みそ品評会(県など主催)の審査結果が24日発表され、伊那谷からは淡色系I部漉しの部でハナマルキ伊那工場(伊那市)、マルマン(飯田市)、淡色系I部粒の部でひかり味噌飯島グリーン工場(飯島町)がそれぞれ最高賞の県知事賞に輝いた。
県内の醸造業者から6部門に309点の応募があり、そのうち淡色系I部漉しの部には69点が出品。同部門の県知事賞6席のうち、2席が伊那谷の醸造所という結果になり、みそづくりが盛んな県内にあって上下伊那の高い技術力を示した。マルマンは前回に続いての県知事賞。淡色系I部粒の部には57点の出品があり、4席の県知事賞のなかにひかり味噌が見事に選ばれた。
出品した全てのみその一般公開は11月4日午前10時から同11時半、きき味会は正午から午後2時まで長野市の県工業技術センター食品技術部門講堂で開く。表彰式は同日午後2時半から長野市のメルパルク長野で開く。 -
宮田村仲町商店街でハロウィーン、子どもたちが仮装してにぎやかに
商店街を元気に‐。宮田村仲町モール商店街で25日夕、地域の子どもたちらが多数参加してハロウィーンの仮装行列が行われた。海賊や魔女などに扮装し、にぎやかにパレードした。
同商店街にある梅が里ギャラリー「手づくり屋」が企画。同ギャラリーに手工芸品を出品している市川明子さん、加藤昌利さん=同村町1区=が中心になって準備を進め、数十人が集まった。
子どもたちは行列を組んで各店舗をまわり、店主からあめなどのお菓子をもらう場面も。「かわいいね」と買い物客も一緒に楽しんでいた。
「こんなに多くの人たちが扮装して参加してくれるとは驚き」と市川さん。商店主らも商店街の活性化につながればと目を細めていた。
この日は、カボチャを使ったランタンづくりの教室も手づくり屋で開き、イベントを楽しむ声が商店街に広がった。 -
北川製菓が「しっとり野菜ドーナツ」
北川製菓(駒ヶ根市福岡、北川浩一社長)は、野菜ジュースを生地に練り込んだ「しっとり野菜ドーナツ」を全国の生協を通じて販売を開始する。従来にも野菜ドーナツはあったが、濃厚な野菜のうまみを生かして味や食感をさらに改良した。
「ドーナツはしっとりした食感のほうが人気が高い。野菜のうまみを残しながら、ドーナツのやさしい味わいを重ねました」と製造する駒ヶ岳工場(宮田村新田区)の山田一三工場長。従来品よりもさらに生地の配合にこだわり、風味豊かな本格的な味に仕上げている。 -
2008南みのわフェア
南箕輪村の農工商業を紹介する、南みのわフェアが19日、大芝高原屋内運動場で行われた。
このイベントは、村内を中心とした企業や団体を紹介し地域の人に親しんでもらおうと、村と村商工会が開いている。
ブースの数は年々増え、今年は企業の商品やそれに関連した体験コーナー、加工食品の販売など30のブースが並んだ。
伊那技術専門校のブースでは、写真立てを作るコーナーや、修了生が制作したゲームのコーナーなどがあり、人気を集めていた。
またフェアでは、今年は初めてビンゴゲームが行われ、会場中央のステージには、子どもからお年寄りまで多くの人が集まった。
関係者は、「フェアは今年で3年目。年々来場者も増えている。この機会に村への関心を深めてもらえたら嬉しい」と話していた。 -
リニア中央新幹線3ルート いずれも工事可能
JR東海は21日、南アルプスをトンネルで貫くCルートを含めたリニア中央新幹線の3ルートについて、いずれも工事が可能との調査結果を発表した。
長野県によると、JR東海は20日、自民党リニア特命委員会に南アルプスの地質や断層の調査により、想定される3つのルートについて、いずれも工事が可能との結果を報告したという。
リニア中央新幹線はJR東海が全額自己負担で建設し2025年に首都圏から中京圏の開通を目指していて、事業費は5兆1千億円を見込んでいる。
ルートは木曽を通るAルート、諏訪・伊那地域を通るBルート、南アルプスをトンネルで貫くCルートが想定されている。
ルートについてJR東海は南アルプスを直線で貫くルートを想定しているが、伊那地域の自治体などは伊那谷を通るBルートを要望している。
JR東海は21日、調査結果を国土交通省に報告し、今後はルートなどについて、地元との調整をすすめていくという。 -
伊那商工会議所が緊急経済対策を要望
事業者の経済状況の悪化を防ぐため伊那商工会議所は21日、伊那市に緊急経済対策の実施を要望した。
これは、円高株安による金融危機へ対応するもので、向山公人会頭など4人が伊那市役所を訪れ、小坂樫男市長に要望書を手渡した。
要望は▽伊那市経営安定化資金の条件緩和▽融資制度の利率引き下げ▽融資制度を利用する上での保証料の自己負担の当面の免除▽公共工事の前倒し発注と支払の早期決済竏窒フ4項目となっている。
これを受け小坂市長は、「検討して出来るだけ応えていきたい」としている。
伊那商工会議所では独自の対応として21日から緊急金融特別相談窓口を設置した他、11月6日には特別相談会を予定している。 -
1670万色のLED照明、アルゴルがシステム開発
超高速で精密な画像処理検査装置を手がけるアルゴル(南箕輪村)は、1670万色もの発光色を操れるLED照明装置を開発した。画像処理のための光源としてLEDの開発を進めてきた同社だが、LEDの発光色を自在に制御することにより「画像処理検査にとどまらず、今まで考えられなかった新たな需要も考えられる」と今井博充社長は話す。
微妙な色の違いを使い分けることで、通常の白色照明だけでは見抜けなかった微小な傷や汚れを検出することにもヒントを得て「他の用途にも使えないか」とシステムを開発。このほど開かれた諏訪圏工業メッセにも出展し、照明の色を違えることでバイオ分野など新たな製品開発や研究に活用できないかと来場者の熱い視線も浴びていた。 -
トーハツマリーンで工場見学会、船外機生産250万台達成で
駒ヶ根市下平のトーハツマリーンは船外機生産250万台達成を記念して18日、一般対象の工場見学会を開いた。地域住民ら訪れた人たちは船外機生産のパイオニアである同社の歴史にふれながら、伊那谷の地で成長を続ける高い技術開発力に関心を寄せた。
昭和31年に日本で初めて船外機生産を開始した同社は、3年前に岡谷市から駒ヶ根市に本社を移転。現在は年産20万台ほどにのぼり、今年8月に生産累計250万台を達成した。国内の船外機メーカーはわずか6社だが、その先駆者として同社は産業からレジャーまで幅広く下支えしている。
この日は組み立て工場の見学や新旧の船外機を展示。また、昭和20縲・0年代に生産していたオートバイなどオールドファンには懐かしい展示品もあり、参加者は熱心に見入っていた。 -
長期熟成ビールを商品化、南信州ビールが発売へ
地ビール製造の南信州ビール(駒ヶ根市)は、2年もの間熟成させたプレミアムビール「ヴィンテージクリスマス」を11月6日から同市内で開く中央アルプス山麓美酒フェスタにあわせて発売を開始する。7.5%の高アルコール度数ながら、コクのあるまろやかな味わいを実現。これだけ高アルコール、長期熟成したビールは珍しく、新たなビールの楽しみ方が広がりそうだ。
宮田村にある駒ケ岳醸造所でステンレスの樽に寝かせ、低温3度で丸2年間熟成。竹平考輝同醸造所長は「バーレーワインという紹興酒にも似たアルコール度数が10縲・2度のビールはあるが、ビールの味わいそのままにした高アルコールの製品はあまりない」と説明する。
同社は、もっと地域の人たちにビールを楽しんでもらおうとさまざまな取り組みを進めているが、熟成タイプも試験的に研究を進め、製品化にこぎつけた。「まろやかな味わいに仕上がった。長期熟成したことで、カドがとれて芳醇さが増した」と竹平さんは胸を張る。
美酒フェスタで披露し、350本限定だが330ミリリットル瓶600円で小売店でも市販。同社が駒ヶ根高原で直営するレストラン味わい工房でも提供する予定だ。 -
第7回まちじゅう美術館審査会
伊那市内の商店街に園児の作品が並ぶ「まちじゅう美術館」の審査会が16日、伊那市の伊那商工会館で開かれた。
商工会議所の商業連合協議会の会員8人が審査した。
まちじゅう美術館は、伊那市内の商店街に園児の絵を飾り、商業活性化につなげようと毎年開いているもので、今年で7回目になる。
作品は、伊那市内全30の保育園と幼稚園の年長児が、「わたしの好きなお店」「わたしの家族」というテーマに沿って描いたもので、およそ700点が集まった。
審査員は、明るさや子どもらしさなどをポイントに審査していた。
審査委員長を務めた日本美術家連盟会員の須澤重雄さんは、「今年の作品は、色が豊かで創造性にも富んでいて素晴らしく、選ぶのが難しい」と話していた。
審査の結果、最高賞となる会頭賞には、緑ヶ丘敬愛幼稚園のはらだ・こうせいくん、上の原保育園のろくはら・りなさん、西箕輪南部保育園のくしや・りょうすけくん、高遠第一保育園のさいじょう・りささん、竜西保育園のみわ・はるなさんの5人が選ばれた。
入賞作品の表彰式は25日に行われる予定で、全作品が11月1日から25日まで伊那市内の商店55店舗に飾られる。