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キムの会、日韓の歴史を探る訪韓ツアーの参加者を募集
日韓親善を図るため、市民レベルの交流をしている「日韓親善伊那谷の会」(キムの会)=唐木達雄代表=は月0日20日から3泊4日の韓国ツアーを計画している。日韓の歴史に縁の深い「武寧王」の墓を訪ねる。
武寧王は、『続日本紀』の中で、第50代天皇、桓武天皇の生母を約200年さかのぼ
った祖先に当たるとされている。01年には、現在の天皇陛下が誕生日の記者会見で「韓国とのゆかりをかんじている」と歴史背景についてコメントし、話題となった。
キムの会は今回の旅で、武寧王の墓を訪れ、書物に記された歴史が本当に正しいものなのか、またどうして韓国の人物が日本に渡来したのかなどを解明したいと考えている。
ツアーはキムの会運営委員長の鄭康雄さんがコーディネーターを務め、名所、旧跡を巡り、ソウル市内の見学、現地の人と交流会なども企画している。
鄭さんは「歴史知ることで今の自分を知り、将来の子どもたちに何かを残してあげたい」と話す。
参加人員は10縲・0人。経費は往復費、食事、宿泊、現地交通費など含めて10万円以内。
訪韓に先立ち、3回の事前学習会も予定。16日は午後2時縲恁゚後4時、伊那市駅前ビルいなっせ5階でキムの会の公開講座をする。
問い合わせは(TEL73・4737)鄭さんへ。 -
さらに美味しく、山ぶどう栽培組合が学習会
宮田村山ぶどう栽培組合(春日伊平組合長、14戸)は6日、さらに品質を高め、村特産の山ぶどうワインを美味しくしようと学習会を開いた。品質、収獲量とも過去最高となった昨季同様、今季も順調に生育。「よりレベルの高いワインにしたい」と組合員の意気も上がっている。
洋酒製造大手の元メルシャン軽井沢工場長の丸山敏彦さんを講師に、収獲から仕込みまでのぶどうの品質低下について学習。
「菌が繁殖するので、収獲したものを仕込むのは早ければ、早いだけ良い。原料の新鮮さがワインをつくるうえで最も重要」と丸山さんは話した。
村特産の山ぶどうワインは、高品質を証明する県原産地呼称管理制度で3年連続認定されるなど、評価は年々高まっている。
この日は、各組合員のほ場も巡回。着粒状況を点検したが、昨年以上の豊作も期待できる結果が出た。
ただ、9月末の収獲前まで予断はできず、各農家にとって休めない夏が続く。 -
JA上伊那、減農薬米の田んぼで生活クラブ神奈川と生き物調
減農薬米を栽培する水田の生き物を調べよう竏窒ニ8日、上伊那農業協同組合(JA上伊那)の減農薬米を年間契約購入する生活クラブ神奈川の約40人が来伊し、水田の生き物調査をした。
調査は2年目。今年は子どもも一緒に参加できるように土曜日を選択。減農薬米をつくる上伊那の生産者約30人も一緒に参加した。
自然環境にかんする調査研究や農地保全などに取り組んでいる「タム地域環境研究所」の遠道淳武さんらを講師に迎え、減農薬米を作って4年目になる東春近の水田で、イトミミズやユスリカの幼虫、カエルが何匹いるかを調査。イトミミズやユスリカの幼虫は、農薬が少なく有機質が豊富な土に生息するため、農薬の影響の大小を見ることができる。
参加者の一人は「広報誌などで見るのと実際は違う」と話し、田んぼの生き物を真剣に探していた。
遠道さんは「イトミミズなどはどの田んぼにもいるが、量は違ってくる。今回調査した田んぼは、多い方だと思う」と話していた。 -
集落営農組織講演会
中川村営農センターは5日夜、中川文化センターで、来年度から実施される国の品目別横断的経営安定化対策に対応するため、集落営農組織講演会を開いた=写真。40人余が参加し、先駆的な取り組みを進める農事組合法人「田原(伊那市)」本郷地区営農組合、本郷農産サービスの代表らの事例発表に耳を傾け、農事組合法人の仕組みや特徴、決め事、運営などについて理解を深めた。
このうち、農事組合法人「田原」の酒井弘道理事は「担い手不足や農業従事者の高齢化を受け、農地の維持、継承を目的に設立され、耕作面積は水田のみ16ヘクタール」と概要や法人設立までの流れについても話した。
また、県下唯一のそば種子を生産する本郷地区営農組合はそば乾燥機や選別機、コンバインなど施設概要を説明し「ブロックローテーションによる転作田を利用し、そばの栽培を行なっているため、品種間の交配がなく、良質な種子を生産できる。種子は食用よりも有利に販売できる」と特徴や、本郷農産サービスとの関係にも触れた。 -
マツクイムシの新たな防除方法の実験進む
拡大の一途をたどる松くい虫被害。新たな防除対策として県は「誘導抵抗性林分の造成」という研究をしている。毒性の弱いマツノザイセンチュウを健全な松に事前接種して免疫をつくり、松枯れを防ごうとする手段で、これまでの予防方法の一つ、薬剤の樹幹注入に比べ、樹木1本当たりにかかる費用を半分以下に抑えられるため、効果への期待も高まっている。
空中散布による防除に変わる手段を模索してきた長野県で、弱毒性のセンチュウの接種により抵抗性が誘導されることが紹介されたのは04年。上伊那ではその翌年から、実際の松林を使った実証実験をしている。
場所は飯島町日曽利、駒ヶ根市東伊那にある被害地区の一部で、昨年度は約100本、本年度は約260本に接種。センチュウを媒介するマツノマダラカミキリは風の通り道ができる河川、道路沿いを風に乗って北上する傾向にあるため、カミキリの飛来しやすい風上の林縁部に接種し、その奥の樹木を守る防護帯としての役割も検証している。
飯島町日曽利の場合、昨年8月の段階では接種したマツに影響はなかったが、10月には3本の枯損を確認。最近の状況を調査した関係者の話では、接種した樹木の枯損がわずかながら増えていたが、接種しなかった部分では被害拡大が明確であったのに対し、接種部分では被害の拡大が少なかった。
しかし、実験はまだ途中の段階であり、効果に継続性があるかどうかは結果を待たなければ分からない。今後県は、08年度まで実験を続け、手段の有効性を検証していく。 -
富県でグリーンツーリズム講演会
被害が深刻化する松くい虫と有害野生獣類被害の防除対策を学ぶ講演会が5日夜、伊那市の富県ふるさと館であった。約60人が参加。信州大学農学部付属施設アルプス圏フィールド科学教育研究センターの中村寛志教授と泉山茂之助教授を迎え、それぞれ生態や対策方法を学んだ=写真。富県グリーンツーリズム推進委員会など主催。
中村教授は「松枯れ病を媒介するマツノマダラカミキリは弱った松にしか卵を産まないため、昔はほとんど存在しなかった」と語り、県内では1989年から95年の間に被害が急増してきたことを示した。それに伴う被害木の伐倒・くん蒸、薬剤に樹幹注入などの対策を説明。また、現在実験中の誘導抵抗性林分に、一定の効果が見られたことなどを示した。しかし、決定的な解決手段の確立には至っておらず「被害拡大が防げない現状にある」と付け加えた。
泉山助教授は、野生獣類の棲息と被害防止について講演。「それぞれの動物によって生態・生活の方法が異なるため、防除方法も代えていかなければならない」とし、冬場は人間が畑に捨てた残飯などが動物の食糧となっていることなどを示した。また、具体的な防除については「さまざまな主体が連携して長期的、短期的防除を組み合わせて対策を講じていく必要がある」と呼びかけた。 -
アイガモ農法の水田を幼稚園児が見学
箕輪町認定農業者協議会内の箕輪ブランド研究会(根橋英夫会長)が本年度、試験的に募集した「信州・みのわ米オーナー」に申し込んでいる伊那市の緑ヶ丘幼稚園・敬愛幼稚園(宮原満生園長)が、箕輪町内のアイガモ農法自然栽培をしている水田を訪れ、米作りの様子を見てアイガモと触れ合っている。
幼稚園は、園外活動の一環でオーナーに参加。低農薬の米作り、アイガモが虫や草を食べることなどを定期的に水田を訪れて視覚で学び、園で絵を描くなどの活動につなげる。オーナーは米約50キロを収穫できる予定で、一部をもち米と交換しておはぎ作りやもちつきをやる予定。
このほど、敬愛幼稚園の年長児が水田を訪れた。園児はアイガモ24羽に興味津々で、水田の周囲に張り巡らした網に張り付くようにしてアイガモを眺めた。実際にアイガモを触らせてもらうと、「あったかい」「ふわふわ」と笑顔で話した。
根橋会長は、「小さいときから米作りを見てもらうことでお米を食べることへの理解が深まり、気の長い話だが米の消費拡大になれば」と期待を寄せている。 -
子どもに木の温もりを感じてもらう子どもの城、公開へ
地域材の温かさを子どもたちにじかで感じてもらおう竏窒ニ、伊那市美篶の信州国産材開発協同組合(玉田隆理事長)は、長野県産カラマツでつくったログハウスの中に、木のおもちゃや絵本などを置いた「子どもの城」を7月下旬から公開する。
同組合は、長野県産のカラマツの製材に取り組んでおり、ほとんどが輸入材でつくられているログハウスを、国産材でつくる取り組みもしている。
昔の木造家屋は、柱そのものに木の原型が感じられる温かなものが多かったが、現代は家を新築しても内面を加工版やコンクリートで覆うことがほとんど。子どもたちが本当の木に触れる機会はほとんどなくなってしまった。
そんな状況を知った玉田理事長は「本当の木の温もりを小さいうちから知ってほしい」と考え、楽しみながら木と触れ合える「子どもの城」を公開することを決意した。
現在はログハウスの名前を募しており、名前発表の時にはログハウスの色塗り体験会も合わせて行いたいと考えている。
名前の応募先は信州国産材開発協同組合(TEL78・6688)へ。 -
宮田小6年が宮田高原でキャンプ
宮田村の宮田小学校6年生は4、5日、宮田高原でキャンプを行っている。野外で寝食をともにし、友情をさらに強くした。
約3時間かけて、標高1650メートルの高原まで歩いて移動。休む暇なくテントを設営して、夕食の準備に取りかかった。
前日に買い物した食材で、各班ごとに調理。協力しあいながら、飯ごうでご飯も炊いた。
火力や水の吹きこぼれに注意を払い、見事に美味しいご飯が完成。輝く白米に子どもたちは「ヤッター」と歓声をあげた。
1組1班の木下穂澄君、斉藤拓也君も上手にご飯が炊けて満足顔。
ソーセージやジャガイモ、ニンジンがたっぷり入った具だくさんカレーをかけて、楽しく会食していた。
食後はみんなが楽しみにしていたキャンプファイヤー。歌ったり、踊ったり、そして語り合い、子どもたちの夜は更けていった。 -
JA上伊那、処理不可能乳の解消を目的に子牛用飼料として全粉乳を酪農家が買い戻す取り組みを実施
牛乳や乳製品の需要減少に伴う処理不能乳の発生を緩和するため上伊那農業協同組合(JA上伊那)と同酪農部会はこのほど、余剰生乳を飼育用全粉乳として酪農家に買い戻させた。
年々減少の一途をたどってきた生乳需要だが、乳製品に加工するなど、さまざまな企業努力で乗り切ってきた。しかし、ここへ来て一気に4%前後の需要が落ち込んだことと、学校給食のなくなる年度末が重なり処理不可能乳が発生。そこで、酪農家それぞれの出荷量に応じて処理不可能乳でつくった全粉乳を飼育用に買い戻してもらうという苦肉の策を講じた。
学校が始まった現在は、需要が回復しているが、夏の長期休業中は再度処理不可能乳が多くなることも考えられるという。
JA上伊那の担当職員は「牛乳は太る、骨が太くなるなど、誤った情報から、お茶や清涼飲料を好んで飲む人が増えている。風潮に踊らされず、重要な成長期にある子どもには牛乳を飲ませてあげてほしい」と話す。
処理不可能乳の増加により、最も懸念されるのは生産調整の問題。近隣4県でつくる東海酪農協同組合連合会の一員である長野県の場合、連合の割り当て分を更に地域へと落としていくことになる。現状では生産調整はまったくかかっていない。しかし、消費減少、高齢化に伴う飼育頭数の減少が続く中、生産調整がかかれば、それぞれの酪農家に何らかの影響がでることも懸念される。
JA上伊那は、東海酪連の割り当てられた余剰分バターの消費拡大として、生産者やJA役職員が購入する取り組みを始めている。しかし、一般消費者の需要減少は、全国規模の問題であり、抜本的な問題解決には混迷を極めている。 -
ブルーベリー収穫始まる
飯島町上の原の大島和志さん(74)のブルーベリーのほ場では6月末から収穫作業が始まった=写真。
大島さんは20年前から、15アールで700本を栽培。今収穫しているのは早生系で大粒のスタルダン。続いて、中生種のブルーレイ、バークレイと8月初旬まで続く。
家族総出で、青黒色に熟したものから、ひとつひとつ丁寧にもぎ取り、JA上伊那を通じて、関西方面などに出荷している。
大島さんは「今年は1週間ほど、収穫が遅れた。過熟にならないように適期収穫に気を使っている」と話していた。 -
【小学校で炭焼き指導 宮下秀春さん】
1991年、特色ある学校づくりのため、中沢の伝統産業である炭焼きを学習に取り入れようと学校に炭焼き窯を造ることを思い立った中沢小学校とPTAが窯造りの指導を依頼。「子どもたちのためなら」と快く引き受けた。
窯造りの作業にはPTAの役員らが中心になって取り組んだが、炭焼きを経験したことのない世代で要領がまったく分からず、作業は思うようにはかどらなかった。初めての取り組みでもあり、理解不足からか協力する人の数も少なかったが、苦労の末何とか完成にこぎつけた。
やれやれと思ってホッとしたのもつかの間、仕事はそれで終わりではなかった。教職員や児童らは炭焼きのことを何も知らない。原木の切り出しから火入れ、炭出しまで一部始終を丁寧に説明し、手取り足取り根気よく教えた。
いよいよ窯に火を入れて炭を焼き始めると、夜中や朝方を含め1日10回も学校に通っては火加減などを調節した。
「微妙な温度管理が必要だからね。でも炭焼きは昔からそういうもの。夜でも朝でも特に苦にはならないよ」
どんな炭が焼けたかと期待する児童らに「あせるな」と教えた。
「造ったばかりの窯ですぐに良い炭は焼けない。だから最初はおぞい木を入れるんだ。3回目ぐらいからだな、良い炭が焼けるようになるのは。そうしたらナラの木を入れる。炭はやっぱりナラだからね」
◇ ◇
炭焼きをしていた父の姿を子どものころから見て育った。
「根っから山が好きでね。中学を出て以来ずっと山仕事をしていた。40歳ごろから造り酒屋の長生社で働いたが、定年になってまた山の仕事に戻った。山には今でも年間200日ぐらいは出るかな。頼まれるわけじゃないがよその山に行ってカラマツに巻きついたつる草を取ったりもしているよ。何しろ山が好きなんだ」
父の代に1町歩だった山は5町歩に増えている。自分の窯は山の中にあったが、小学校に窯を造った年に自宅近くに新しく造った。長い経験に裏打ちされたこだわりで良質の炭を焼いて出荷を続けている。
「もう300回も焼いているかな。まだいけると思うよ。でも今度新しい窯を造ろうと思っていろいろ考えているところなんだ」
◇ ◇
小学校の窯も老朽化したため昨年新たな窯を造ることになり、再びその指揮を取った。
「今度は20センチばかり背を高くした。炭のためには良くないが、前の窯の時は出入りに苦労したからね」
最初の窯を造ったころの炭焼きの回数は年に2回だったが、新しい窯ができて4回に増えている。
「時には大変だと思うこともある。でもね、子どもたちと炭焼きをするのは楽しいんだ。大きなパワーをもらっているよ」
(白鳥文男) -
宮田高原キャンプ場オープン
標高1650メートルの別天地、宮田村の宮田高原キャンプ場が1日から、今季の営業を開始する。村観光協会は他では味わえない、大自然の魅力をPR。「多くの人に楽しんでほしい」と呼びかけている。
芝生が広がりオートキャンプも可能なテントサイト。貸しテントも完備し、大・中・小と揃うログハウスも計6棟と充実。学校のキャンプから、日帰りのデイキャンプまで幅広く対応する。
何といっても最大の魅力は、恵まれた環境。宮田村中心部から車で20分、伊那、駒ケ根両市街地からも40分ほどの立地にもかかわらず、人里の喧騒を離れた高原遊びが満喫できる。
遊歩道も整備され、場内には牧場も。少し歩けば釣りや川遊びもできる。夜は満点の星空が天空に広がる。
同協会は今季から2泊以上した人に、宮田観光ホテルと隣接するこまゆき荘のいずれかで使える温泉入浴券をプレゼント。
新たな試みも加え、9月末までの営業期間中、多くの来場を期待している。
テントサイトは1泊テント持ち込み2500円、貸しテントの場合3千円。ログハウスは5千円から9500円。
予約、問い合わせは村観光協会85・5864または、高原管理室85・2863まで。 -
こだわりの木工と木の情報発信で消費者とつながり地域活性化を目指す「木の情報館」7月末を目途のオープン
職人こだわりの木工作品を展示したり、木に関するあらゆる情報を集積・発信していく「木の情報館」が7月末、伊那市美篶の信州国産材開発協同組合の一画にオープンする。消費者と職人をダイレクトにつなぐだけでなく、地域材利用の状況や里山の様子、木材加工の方法など、あらゆる情報を発信しながら、木に関心を持つ人のすそ野を広げていく。地域材利用の普及、木材文化を通じた地域交流も進めていく構えだ。
取り組みを進めているのは県伊那技術専門校の卒業生などでつくるNPO「南信州木の会」の約20人。家具作家、建具士など木工関係者をはじめ、漆工芸家、建築設計士、森林保護活動家、製材担当者、木材加工機械を製造する技術者など、多彩な顔ぶれで、それぞれが持ち寄った情報をセミナー、体験教室などを通して発信していく。
消費者との交流だけでなく、職人同士の情報を交換、伊那技専に通う職人の卵などと交流を図る場としての機能も持ち、不安も多い職人の活動を後押しする。
また、権兵衛トンネルの開通によって距離が縮まった木曽地域は、昔から木の文化が根付いていることから、木曽で木材について学ぶ人たちとも交流を図っていきたいとしている。
内装は全て長野県産カラマツを使用する予定で、現在オープンに向けて改築を急いでいる。費用の一部はコモンズ支援金でまかなう。オープン当日はさまざまなイベントを行う予定。
活動に参加する会員も募集している。
問い合わせは家具工房木槌(TEL74・7794)田中さんへ。 -
登場
上伊那農業協同組合(JA上伊那)代表理事組合長
宮下勝義さん(65)まずは国の新しい方針の担い手となる農業組織を各地域に応じた形で立ち上げたい。農地荒廃の進行防止し、農業供給の拠点を次世代に引き継いでいくことは責務だと考えている竏秩B就任の意気込みを語る。今後は、世代の異なるさまざまな人たちと関係を築きながら「地域に身近な農協」と「食農教育」の普及を目指す。
中沢農協で営農技術員を務めた後、長野県経済連に就職。果実、キノコ、花、米など、さまざまな農産物の技術普及に努めた。
今では広く知られるようになった「やまびこしめじ」の導入にも従事。「当時はエノキダケくらいしか知られていない時代だったから、作っても売れない。市民権を得るまでには時間がかかったよ」。消費者に新しいキノコを知ってもらおう竏窒ニ、テレビや雑誌など、あらゆる手段を使ってPR。栽培技術の向上にも尽力し、現在の地位を確立した。
01年に退職してからは、それまで人に勧めてきた野菜や地元の伝統野菜などの栽培に挑戦。直売所に出すようになってからは「あのキュウリは美味しいのでもっと出してほしい」などの声も届くようになり、喜びを感じた。「この地に根付く野菜には良いものがたくさんある。そういうものをもっと大切にしていかなければいけないと思っている」。
農業体験の重要性も認識している。「今の子どもはブロッコリーがどうなっているかを知らない。しかし、自身の体で体験すれば、給食に使われている野菜がどんな風になっているのかイメージすることもできるようになる。そういうことが大切なんです」。
趣味は山歩き、スポーツ観戦。多忙な日々のストレスは畑作り発散している。
妻、長男と3人暮らし。 -
全線開通控え、林道の環境整備
標高1650メートルの別天地、宮田村の宮田高原に通じる寺沢林道(通称パノラマライン)が、高原キャンプ場のオープンにあわせて7月1日に全線開通する。快適に通行してもらおうと、28、29日に村産業建設課の職員らが林道沿線で枝打ちや草刈りをした。
同林道延長11キロのうち、高原側5キロ区間は6月末まで冬期間の通行止め。
既に残雪などはないが、崩落などの部分を片付けてようやく規制が解除される。
この日は、通行車両に支障がないよう、道路にはみだしている草木などを丁寧に取り除く作業。
職員たちは「多くの人に高原遊びや、絶景の林道ドライブを楽しんでもらえれば」と話し、せっせと汗を流していた。 -
農業委員会が全町でパトロール
飯島町農業委員会は遊休荒廃地解消に向け27日、委員と役場職員ら23人が地区ごと5班に分かれ、担当地区の遊休荒廃農地をパトロールした=写真。パトロールは8月までに全地区約16ヘクタールで実施し、現状把握する。
農委は遊休荒廃農地として把握された農地を1筆ごとに解消に向けて検討する。検討結果により(1)農地に戻り耕作していってもらう農地(2)農地としての活用は無理であり、山林への転用もやむを得ない農地(3)(1)と(2)の中間で検討を要する土地-に分類する。
耕作してもらう農地については、所有者の意向を調査し、耕作してもらうように依頼する。自分で耕作できない農地は地域の担い手(認定農業者、営農組合担い手法人)などに貸付して、耕作していくことができないか、対策を講じていく。
また、無作付農地は最低限の管理として、農地と畦畔の草刈りを年間2回以上行ってもらうように、所有者に呼び掛けている。 -
JA上伊那、シニア世代が農業を学ぶあぐりスクール開校
上伊那農業協同組合(JA上伊那)の本年度新規事業「シニアあぐりスクール」が24日、開校し、退職後の帰農を目指す中高年など約30人が、病害虫の防除方法などを学んだ。
担い手不足が深刻化する中、定年を迎えようとしている団塊の世代などを農業に取り込み、出荷までできる人材として養成することを目的とした取り組み。参加者は南箕輪村の農産物直売所「ファーマーズあじ縲怩ネ」の生産者登録を行い、農業技術、経営、機械操作の基礎などを学んでいく。今回は、農業経験者を含め40縲・0代の男女が集まった。
宮下勝義組合長は「農業はやりようによってはいつまでもできる。体を動かすことは気分転換やストレス発散にもつながる。これをきっかけにJAとも仲良くなってもらい、楽しみながら続けていってほしい」と受講者に呼びかけた。
講義では、農薬の種類や使用方法、直売所の仕組みなどを説明。その後、実際に帰農した農家がつくるほ場を見学し、各作物の生育方法を学んだ。 -
南福地で集落営農組織発足
国が示す新しい方針に基づく農業の担い手となるべく24日、伊那市富県南福地で、集落営農組織が発足した。法人ではない任意の集落営農組合が市内で誕生したのは今回が一例目。組合長に選任された宮下正之さんは「若い兼業農家が地域農業を支えている反面、後継者のいない農業者も出てきた。今のうちに南福地を守れる営農組合をつくり、先祖伝来の土地を守ろうということとなった」と語り、組織運営への協力を求めた=写真。
95戸の賛同を得た同集落の設立当初取り扱い面積は約52ヘクタール。今後も引き続き取り扱い面積を拡大し、水稲30ヘクタール、麦7ヘクタール、大豆5ヘクタールを目指す。利用集積した農地は組合員が作業分担していく予定だが、当面は個々人が自身の農地を管理していく。 販売物収入は取れ高で、諸経費は面積割、助成金などは面積割りと取れ高で分配し、組織としての収入は残さない。
今後富県地区は7月中に、集落ごとで5つの任意組織を発足することを計画している。また、国の新方針が任意組織に課している「法人化計画」については、富県地区全体で1つの法人を成立させたいとしている。 -
かかし隊が・スかかし・スを手づくり
汗して収獲の喜びを味わう宮田村公民館の親子体験講座「われら、かかし隊」は24日、案山子(かかし)づくりに挑戦した。表情もユーモラスに完成。隊のシンボルにもなる立派な出来映えで、野菜や稲を育てる自分たちの田畑にさっそく飾りつけた。
隊の名前にもなっている「かかし」だが、約20人の親子にとって、つくるのは初体験。
各家庭から古着などを持ち寄り、町3区の加藤政義さんが指導した。
ワラでつくった本体に古着を重ね着。子どもたちは顔の表情をマジックで描いた。
「鼻水も垂らしちゃお」「リボンもつけよう」と、遊び心満点。
「怖い顔だ。こりゃ鳥も人間も逃げるわ」と、親たちもその出来映えにビックリした。
2体つくるはずが、調子に乗って3体目も製作。水田と畑を見張るように、さっそく設置した。
「見ることもなけりゃ、つくったこともない。見よう見真似だったが、楽しかった」とある父親。
この日は、先月末に植えたハツカダイコンやキュウリも収獲でき、天の恵みを肌で味わっていた。 -
カワウ 稚アユ食べていた
天竜川漁業協同組合(後藤治也組合長)から、「放流直後のアユの稚魚が食害を受けている」と、有害鳥獣捕獲の申請を受けた県は24日、同漁協と日本野鳥の会の立ち会いの下、猟友会の協力で捕獲したカワウの腹を開いて、実際にアユを食べているかを調査した
午前4時30分から同10時30分までの間、駒ヶ根と辰野の猟友会、総勢約100人が出動し、カワウ2羽を捕獲。そのうち1羽の食道付近からアユ2匹(体長=10縲・5センチ)と、ウグイ2匹(15縲・0センチ)を確認。胃の中からも消化されている魚の頭などを検出した。
同漁協は天竜川の総漁獲量が減少傾向にあるのはカワウの増加が原因とし、飛来数が最も多い冬場の捕獲を実施してきたが、5月の放流後のアユについても被害があると主張。野鳥の会は、冬に関しては理解を示してきたが、「放流直後のアユは食べない」とし、抱卵期の捕獲については難色を示していた。
日本野鳥の会特別会員の小口泰人さん=駒ヶ根市=は「カワウは20縲・0センチの魚しか食べないが、天竜川に生息する好物のウグイを食べ尽くし、小さなアユを狙い始めている」と分析した。
県では今回の調査データも含め、来年以降は稚魚が放流された直後のデータも収集していく考え。抱卵期の捕獲についても検討していく。 -
天竜川のカワウ 上伊那に抱卵期100羽とどまる
抱卵期は上伊那の天竜川から居なくなるはずのカワウが本年、100羽(日本野鳥の会調べ)ほど、上伊那に留まっていることが分かった。これにより、5月に放流したアユが食べられている。飛来数が最も増える冬場の食害は最も大きく、天竜川に生息する魚が減少傾向になっている。
野鳥の会の調査では、上伊那に生息するカワウが抱卵期に確認され始めたのは00年ごろ。繁殖のため生坂村(東筑摩郡)や天竜村に営巣を目的に移動するが、居残るカワウがいる理由は分かっていない。同会によると、・ス結婚できずに残っている可能性・スがあり、その群の巣が吉瀬ダム(駒ヶ根市)にあるという。
カワウが飛来を始める1月の確認数は、初飛来となった93年の2羽から、年々数を増やし、04年には最大の500羽へ増加。
天竜川漁業協同組合は03、04年2月末にそれぞれ、有害鳥獣捕獲の申請をし、数回の捕獲を試みたが増加の歯止めに効果は特になかった。
漁獲量の推移で変化が大きいのはウグイで、中川ヤナでは1990年の1500キロに比べ、05年は150分の1となる10キロに減少。つけば申請者数も漁獲量と同様に、減少傾向をたどる。
天竜川の魚を食べ尽くしたためか本年は240羽に減少したが、天竜川漁協の漁獲量は痛手を受けたまま。関係者は頭を抱えている。 -
農林産物直売所「たかずや」で5周年祭り開催
伊那市富県の農林産物直売所「たかずや」は24日、開所から5年を迎えたことへの感謝を込めて「5周年祭り」を開く。
同直売所は、富県地区の生産者がその日の朝収穫した新鮮な旬の野菜の数々が並ぶのが魅力。年に一度の祭りは、消費者への感謝を込めて例年開催している。
当日は、大ぶりで色艶のよいレタスやキャベツをはじめ、ブロッコリー、カリフラワー、キュウリなど、旬の野菜のほか、キノコ、切り花、山菜、ハチミツなど各種農林産物がぞくぞくと並ぶ。
また、手打ちそば、おにぎりの無料試食サービスを実施。ぽん菓子やたこ焼きなども販売する。
生産者の一人は「それぞれの生産者一生懸命つくった野菜が並ぶので、ぜひ大勢の方に来てほしい。そばなどの無料サービスなどもあるので、楽しんでもらえれば」と、多くの参加を呼びかけていた。
午前10時縲恁゚後4時。
問い合わせは中部グリーンセンター富県(TEL72・5279)へ。 -
南ア、高山植物咲き始める
お花畑が広がる南アルプス仙丈ケ岳で、ミヤマキンバイ、イワカガミなどの高山植物が咲き始めている。今月下旬以降が見頃となりそうだ。
頂上に向う稜線上に花々が点在。小仙丈ケ岳(標高2864メートル)付近では、ミヤマキンバイが可憐な花を咲かせていた。
ミネザクラも咲いており、「今年は何度もサクラのお花見ができた」と登山者の目を楽しませている。 -
高遠町の小4年生入笠山にメギ苗木植える
伊那市高遠町の入笠山で20日、「自然環境保護学習会」があり、地元の高遠、高遠北の両小学校4年生46人が、県天然記念物に指定されているミヤマシロチョウの食草であるメギの苗木100本を植えた。
絶滅が危惧(ぐ)されているミヤマシロチョウは、標高1600メートルから1900メートルに生息する高山蝶(ちょう)。7月中旬ころから8月下旬ころまで舞い、130から150個を産卵する。幼虫期にメギやヒロハヘビノボラズの葉をエサに成長する。
県自然観察インストラクターの征矢哲雄さん(77)=南箕輪村=によると、入山する観光客の増加により、特有のとげがあるメギが伐採されたことや、ミヤマシロチョウが乱獲されたことなどが絶滅危惧の要因とみられている。
旧高遠町では6年前に動植物や地質などの自然環境基礎調査でミヤマシロチョウの激減を確認。これをきっかけに2年後、復元を目指すとともに環境保全への意識の高揚を図るために学習会を始めた。
これまでに植えてきた苗は順調に育っているものもあれば、降雪が少なかったことによりシカの食害にあった苗も少なくないという。
児童たちを前に、「入笠山の青い空に再び多くの美しいミヤマシロチョウが飛翔することを願って植えてほしい」と征矢さん。児童たちは穴を掘って肥料を施し、高さ約50センチほどの苗木を一本ずつ丁寧に植えた。
高遠小の宮島華菜さん(9)は「(ミヤマシロチョウが)いっぱい飛んでくれればきれいだし、みんなもうれしくなるから少しでも増えてほしい」と話していた。 -
飯島町自然と共生する農業セミナー
千ヘクタールの自然共生農場づくりを進める飯島町営農センターは19日夜、農村環境改善センターで自然との農業セミナーが開講した。
自然共生農場づくりの取り組みの輪を広げ、環境に優しい農業に対する理解を深め、実践する農業者の育成がねらい。約30人が受講し、来年1月まで7回開き、いもち病やカメムシの防除、エコファーマーの認定制度について学ぶ。
初回はエコファーマーに認定された紫芝勉さん(田切農産代表、飯島町1号)に県知事の認定書の伝達各地区のいもち病予察員の委嘱に続き、病害虫防除所の辻さなるさんを講師に水稲いもち病の発生生態と防除、予察技術について理解を深めた。
この中で、辻さんは「上位葉に進展した葉いもちは、そのまま穂いもちの感染源になる。穂いもちによる被害を出さないために、葉いもちがまん延する前に発生を把握し、予防対策が大切」と早期発見、早期予防を強調した。
各地区のいもち病予察員は次のみなさん(敬称略)
▽飯島地区=小林政司▽田切地区=紫芝勉▽本郷地区=小林雄一▽七久保地区=鎌倉寿秀 -
カジカの稚魚を200匹放流
宮田村の自然を呼び戻す会(加藤一彦会長)はカジカの稚魚の養殖に成功。18日、小田切川で会員や小学生ら約40人が参加し、初めて本格的にカジカの稚魚の放流をした。
小学生らは持参したバケツに加藤会長から7、8匹ずつ分けてもらい、「大きくなって」と親水護岸から放した。
子どもたちは「元気に泳いでいった」「早く大きくなるといいね」と笑顔。
今回放流した稚魚は、加藤会長が2月末、天竜川から雄、雌各1匹のカジカを捕獲、水槽で飼育。4月初旬に産卵、ふ化、2カ月飼育し約2センチに生育した。
加藤会長によると、小田切川にかつてカジカは生育していたが、今はほとんどいない。5年前から復活に向け、数10匹ほど放流していたが、今年初めて、稚魚の養殖に成功し、大々的に放流できたという。 -
女性を対象とした環の農業者セミナー開講
地産地消や地域農業の重要な担い手である女性農業者に、環境に優しい農業を学んでもらおう竏窒ニ20日、「環の農業セミナー」が開講した。40縲・0代の女性25人が参加。身近なところから始める減農薬栽培などを学んだ。
環境負荷の少ない農業技術の普及などを目的として上伊那農業改良普及センターが昨年度から始めた取り組み。本年度は女性をターゲットとした。
この日は、5月から施行されたポジティブリスト制度や、農薬散布について学習。ポジティブリストの導入により、残留農薬に対するチェックが厳しくなったため、農薬散布時には、隣の畑への飛散にも配慮する必要があることを学んだ。
スイートコーンのほ場では、農薬散布機を使った場合にどれだけの飛散があるかを確認。病害虫がつきやすい葉の裏側には中々農薬がつかない反面、ほんの少しの風でも飛散するため、家庭用の小さな散布機でも4メートル近い飛散があることを知った。
指導に当たった専門技術員は「目的を持って農薬を散布することで、散布量は減らすことが出来る」と語り、新しい技術がなくてもできる減農薬の事例を示した。 -
高山植物等保護対策協議会南信地区協議会総会
高山植物等保護対策協議会南信地区協議会の総会が20日、伊那市の南信森林管理署であった。昨年度の保護取締まり状況を確認し、本年度事業案を承認した。
05年度の取し締まり件数は849件。前年比で77%に減少したものの、依然踏み荒らしや禁止区域への侵入件数が多い。近年増加してきたペットの連れ込みに加え、昨年度はマウンテンバイクでの乗り入れも多かった。
本年度は、パトロールの強化、標識、保護ロープなどの整備、環境美化運動の推進を図りながら、高山植物などの一層の保護に努めていく。7月からはハローワークを通じて募集した森林保護員も活動していく。
駒ヶ岳の千畳敷については「植物を食べるサルの姿が再三見られるようになり、何を食べているか調査してほしい」とする声も挙がった。 -
わくわくカミーちゃん農園
サクランボ狩りなど体験JA上伊那の食農教育イベント「わくわくカミーちゃん農園」が18日、伊那市東春近の畑などであった。あいにくの雨模様だったが、上伊那特産ブロッコリーの収穫やサクランボ狩りなど貴重な体験を親子で楽しんだ。
昨年に続き2年目のカミーちゃん農園。収穫体験を通して農業を知ってもらう企画で、年3回を予定する。
この日は第1回で、42組の親子123人が参加した。イベントは伊那市を中心に振興作物として栽培者が増えているブロッコリーの収穫、上伊那ではあまり栽培されていないサクランボの食べ放題、春近発電所見学、皆で収穫したブロッコリーでカレーを作り昼食、繭を使うまゆクラフトと盛りだくさんの内容だった。
酒井和彦さんのブロッコリー畑では、直径12縲・3センチに育ったブロッコリーを1人2株ずつ収穫。子どもたちは茂った葉の間をのぞき込んで大きさを確認し、上から12センチくらいのところを包丁で切って収穫した。
伊那市西箕輪の唐沢奈津子さんは、「サクランボ狩りやブロッコリー狩りを子どもたちに体験させてあげたいと思った」と、真奈さん(西箕輪小2年)、直弥君(4つ)と参加。真奈さんは、「楽しい」と上手にブロッコリーを収穫していた。