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優しさ学ぼうと四季の会が講演会など開催へ
男女協働参画など心の問題に取り組む宮田村のグループ「四季の会」(辰野恒雄会長)は20日、子育てを全体の役割として考えてもらおうと学習会を開く。また3月5日には、喬木村出身で国内を代表する児童文学作家椋鳩十の長男を講師に、人の強さ、優しさから生きる喜びを知る講演会も予定している。
自然に囲まれた伊那谷で過ごした少年時代の体験から、人間と動物とのかかわりなどを描き続けた椋鳩十(1905‐1987、本名久保田彦穂)。没後の現在も、多くの人に読み継がれている。
3月の講演会では同氏の長男で前鹿児島椋文学記念館長の久保田喬彦さんを迎え、優しさや強さが描かれている椋文学のエピソードにふれる。
20日の学習会は言語聴能士の日詰正文さんを講師に、子育てについて理解を深める。軽度の発達障害など、療育の基本を踏まえながら、子と親の関係を見つめ直す。
同会は村内を中心にした5人で発足。村の福祉交流施設で女性のための相談室を開設したほか、先日は高遠高校福祉科の生徒を対象に男女協働参画の講習会も開いた。
事務局の辰野恭子さんは「人間の一番の基本は心の大切さ。今後も機会を通じて、みんなで考えていきたい」と話す。
20日の学習会は午後12時半から、3月5日の講演会が午後1時からで、いずれも宮田村民会館が会場。多くの参加を呼びかけている。問い合わせは事務局85・3590まで。 -
- 早春 - の童謡唱歌を熱唱
音楽を中心とした芸術文化の行事を企画するNPO法人クラシックワールドは9日、伊那市駅前ビル・いなっせで「童謡唱歌教室縲恆¥t編縲怐vを開いた。上伊那から約100人が参加。袴(はかま)姿の講師を囲み、オルガンの音色に合わせて一緒に懐かしい歌を合唱した。
同教室は、昔の歌を思い出して関心を深めよう竏窒ニ、2年前から始まった。講師は、まほらいな市民大学講師・宮原輝雄さんら5人で、本年度は夏に2回、秋と冬に1回づつ開き、愛好者らが交流を深めている。
早春編では「うぐいす」「めだかの学校」「早春賦」「さくら」などの季節の歌、約10曲を熱唱。参加者らは童心に戻りながら歌い、宮原さんの曲の解説にも耳を傾けていた。伊那市日影の60代女性は「昔を思い出しながら楽しく歌えた」と満足していた。
本年度最後の教室「春編」が3月16日にある。問い合わせは、市生涯学習センター(TEL78・5801)へ。 -
大数珠回して安全祈願
高遠町上山田引持で8日、「お事始め」の伝統行事があり、数珠回しをして一年の無病息災、五穀豊穣などを祈願した。
明治以前の古くから地区に伝わる行事で、区民で数珠回しをし、互いの安全を願い合うという。
集会所に集まった住民25人が輪になり、「南無阿弥陀仏」を唱えながら、長さ20メートルほどの数珠を右回りに3周した。数珠には一つだけ大玉があり、その大玉が自分の場所に回ってくると、頭を下げてそれぞれ一年の願いごとをした。
事始めは、陰暦2月8日の農事始めを指し、引持では毎年陽暦のこの日に行っているが、伝統行事を保存・継承していくために来年以降は、「若者が参加できる週末に開催していきたいと考えている」(平岩国幸常会長)。 -
伊南安協がマスコット製作
伊南交通安全協会女性部(小町谷美枝部長)は7日、ドライバーやお年寄りなどに配布するマスコットのハッチョウトンボの製作作業を駒ケ根警察署で行った。会員5人が集まり、3時間で約400個を作った。
マスコットはライトに照らされると光る夜光反射材をトンボの形に切って作る。大きさは体長6センチ、羽の幅8センチ。交通安全をアピールしようと数年前から会員有志らが施行錯誤を繰り返した末に現在の形が完成した。会員らはカッターやはさみを使って材料を切ったり、交通安全を訴える標語を添えてビニール袋に入れるなどの作業を黙々とこなしていた=写真。
マスコットは安協の会員らが人波作戦や交通指導所でドライバーらに配布するほか、高齢者宅を訪問した時などに安全を呼び掛けながら手渡している。1年間に約1千個を配布する予定。 -
山を愛する会がそば打ち
宮田村の登山愛好会・宮田「山を愛する会」(藤田宜久会長)は6日夜、新年恒例のそば打ちを村民会館で行なった。素朴なそばをすすりながら親睦を図り、春からの山行きを心待ちにした。
村内を中心にした20代から60代までの約40人で活動している。今季も4月の戸倉山(駒ヶ根市)ハイキングを皮きりに、毎週のように年間25回ほどの山行。3千メートル級のアタックも計画している。
冬山の登山はしないため、シーズンオフの親睦にとそば打ちを3年前から実施。この日も各会員が協力しながら挑戦し、コシのあるそばが完成した。
酒を酌み交わし、さっそく会食。雪融けした新緑の山々に想いを馳せながら、夜は更けていった。
同会は新規会員を募集中で初心者も歓迎。体力や本人の希望にあわせてアドバイスしており、藤田会長は「一緒に山の良さを楽しみましょう」と呼びかけている。
問い合わせは藤田さん85・4366または、村民会館85・2314まで。 -
思い出工夫凝らしてスクラップブッキング
写真屋店長の久保田浩子さん(41)=伊那市山寺区=と友人によるスクラップブッキング展が28日まで、伊那中央病院1階で開かれている=写真。思い出の写真を工夫をこらして飾った作品が並び、利用者を喜ばせている。
2人は共にスクラップブッキングの講師の免許を持つ。久保田さんは自分の仕事に関係あると興味を持ち、3年ほど前に東京の教室へ2カ月通い、免許を取得。伊那市、岡谷市、飯田市で教室を開くなど活躍する。
作品は結婚式や運動会、旅行など、家族、友人を撮った写真に、場所や日付、その時話した言葉などの文字を添えるなど、思い出を積め込んだ15点を出品している。
久保田さんの「フィッシング光ちゃん」は3男(現在=3歳)が釣堀で魚釣りをする様子を作品にした。釣り竿の使用券や入場整理券の半券、魚型の色紙などを一緒に添えていて、大きな釣り竿を操っている息子の愛らしさがにじんでいる。
久保田さんは「忙しいばかりで時が過ぎる現代、子どもの目線になっていなかった自分を反省するなど、写真を見ていて思うことがある。個人的な写真ですが見てもらい、優しい気持ちにひたってもらえれば」と来場を呼びかけている。 -
勘太郎人形が新宿コマ劇場へ出張
新宿コマ劇場の3月公演「伊那の勘太郎」を前に、また旅姿の勘太郎人形がPRに出向く。人形の〃出張〃は初めてで、伊那市は誘客につながればと期待する。
勘太郎人形は97年7月に寄贈されたもので、市役所市民ホールに展示。高さ170センチで、笠をかぶり、雨がっぱをはおって腰に刀を差す。9日に市職員が新宿コマ劇場へ運び、10縲・8日に飾る。
劇場内では勘太郎人形と合わせ、伊那市の四季折々の風景、高遠城址公園の桜などの写真を展示。土・日曜日を利用し、観光宣伝したいと考えている。
公演は3月3縲・1日。芸道45周年の北島三郎が主演。盗人だけでなく、人殺しまでする「天狗党」とのいざこざを交えながら、勘太郎を取り巻く人情ばなしを描く。
伊那バス観光は3月25日、やまびこツアー「北島三郎特別公演竏宙ノ那の勘太郎&祭りだ祭りだ!」を企画。募集定員は40人で、希望者に早めの申し込みを呼びかけている。
旅行代金は1万8千円(昼食付き)。公演はS席で見ることができる。
問い合わせは、伊那バス観光の佐々木さん、または村田さん(TEL78・4321)へ。 -
高遠消防署・安全迅速に
高遠町消防署は、水槽付消防ポンプ車を更新し8日、町役場駐車場で入魂式をして、無事故・無災害を祈った。
新車両(6人乗り)は、20年間使用した車両の老朽化に伴う更新。従来の2輪駆動から4輪駆動となり、1・5トンを貯水する水槽を積んでいる。車両や土手火災などに有効で、1分間に6リットルを放水し、少ない水量で消火を高める高圧噴霧消火装置、電動ウィンチのほか、救助時に対応するスプレッターやカッターなどの油圧式救助機具も備えている。
式には署員ら関係者約20人が出席。伊東義人町長はあいさつで「迅速に対応できるように備えることが住民にも安心してもらえる。被害を最小限に抑えられるように訓練を積んでほしい」と呼びかけた。 -
みはらしの湯で和紙ちぎり絵とひな人形展示
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」は、紙の独特な質感が生きた和紙ちぎり絵25点を展示している。優しいラインで描かれた花や風景、生き生きとした子どもを描いた作品が、訪れた入浴客の目を楽しませている。28日まで。
展示しているのは伊那市御園の中村早恵子さん(74)の教室「七絵会」の19人。七絵会は、県老人大学のちぎり絵講座を受講した愛好者らでつくる会。長い人は11年以上活動している。
七絵会の所属する「しゅんこう」の手すき和紙は、紙を幾重にも薄く裂くことができるため、描くものの質感、表情などを生き生きと表現できるという。
中村さんは「絵の描けない人でも、和紙の味わいが生きたすてきな作品が描ける。作品には描く喜びが表現されており、それを感じてもらえれば」と話していた。
同施設はほかにも、1階の玄関正面に、ひな人形を展示する。
人形は地元に住む山口里美さん宅から借りた。持ち主が成長し、飾られなくなっていたが「ただしままっておくのももったいない」と、借り受けることになった。華やかな7段飾りは、ロビーに少し早めの春を演出している。
ちぎり絵は28日まで。 -
箕輪町郷土博物館でひな祭り機織り体験
箕輪町郷土博物館で4日、ひな祭り機織り体験講座があった。定員を上回る人気で、参加者は自分で織った布を着せて愛らしい内裏びなを作った。
機織りとひな人形作りがセットになった体験講座。人形の着物にする布を、博物館所蔵の機を再現した簡易機織り機で、縦糸に木綿糸、横糸に毛糸を使い約12センチの長さに織った。機織り初体験の人も多く、博物館職員に教わりながらきれいに織り上げた。
人形は、職員が事前に胴体や飾りを準備。綿棒の先端を顔にし、軸に綿を巻き、その上から絵の具で淡いぼかしのように色を塗ったキッチンペーパーを5枚重ねて着せた胴体に、参加者がそれぞれ織った布を着せ、烏帽子や冠、扇などをボンドでつけて仕上げた。
松島区の女性は、「機織りは足と手がうまくいかなくて…。ひな人形は幾つになってもいい。華やぎますね。和紙を敷いたお盆にのせて玄関に飾ります」とうれしそうに話していた。 -
【記者室】純白の結婚式
中央アルプス駒ケ岳の千畳敷で「純白の結婚式」が行われた。挙式したのは東京都と大阪府の2組のカップル。新郎新婦は「一生の記念になった」「大自然の中での挙式という念願がかなって大満足」とそれぞれ笑顔で話したが…▼東には遠く富士山が望めるほどの好天に恵まれたものの、雪に覆われた標高2610メートルの千畳敷は氷点下24度! 新婦はウエディングドレスからのぞく肩や腕にワセリンを塗ったり、服の下に使い捨てカイロをいくつもしのばせるなどの防寒対策をとっていた▼親族らは寒さに震えていたが、荒々しい岩肌を見せる宝剣岳の下での式は、新郎新婦はもとより出席者にとって忘れ得ない思い出になったろう。ともあれ吹雪でなくて何よりだった。(白鳥記者)
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まめまめクラブと手良小4が交流
黒豆栽培に取り組むJA上伊那手良地区生活部会の「まめまめクラブ」(北原温子代表、17人)は6日、手良小学校を訪れ、ふれあい学習に取り組む4年生(竹内千景教諭、24人)と昔遊びで交流した。
「まめまめクラブ」は一昨年に発足し、昨年は面積14アールで210キロの黒豆を収穫した。無農薬の上、天候不順で虫に食われたくず豆を使い、お手玉を作った。昨年は宅老所に贈り、今回は昔遊びを伝承したいと小学校を選んだ。
メンバーは、児童一人にお手玉を3個ずつプレゼント。1個40グラムで、くず豆など3種類を入れた。
「学校に行くとき、いつもお手玉を持って行った。休み時間は廊下で、友だちと遊んだ」というメンバーが、お手玉を手の上に乗せたり、両手で3個のお手玉を回したりといくつかの技を披露。児童たちから「おー、すごい」と声が挙がった。
そのあと、メンバー6人を講師に、グループごとにお手玉を習った。うまく上がらず、お手玉をつかめないなど苦戦していた。
お手玉をするのが始めてだった後藤靖幸君(10)は「両手で2個を回すのが難しかったけど、楽しかった。これから練習したい」と話した。
「まめまめクラブ」は今後も、お手玉を通した交流をしていきたいとしている。 -
JA上伊那伊那華のみそ娘仕込み開始
伊那産の大豆と米麹(こうじ)でつくる上伊那農業協同組合(JA上伊那)の特産みそ「伊那華のみそ娘」の仕込みが今年も始まり、加工組合(市原みさを組合長)のメンバー約15人が、連日作業に励んでいる。
同組合は、地産地消による安全な食品の提供を目指し、地元農産物と塩だけを使用したみそ作りを進めている。昔ながらの田舎の味に近づけるよう、努力を重ね、味を左右する麹づくりにもこだわりがある。豆を炊き、桶に漬け込むまで、1日4人ずつで作業し、1日350キロ、ひと冬15トンを仕込む。
今年は、口当たりをより良くするために、あら塩を使用することにした。2縲・月に仕込み、1年間熟成させて完成する。
持ち込んだ自家用大豆をみそにする請け負いもしており、10キロの大豆から約30キロのみそができるという。
自家用大豆加工を希望する人はJA上伊那東春近支所(TEL72・5291)へ。 -
雪の話題
久しぶりにまとまった雪となった7日、小学校や保育園などで、雪遊びを元気よく楽しむ子どもたちの姿が見られた。
伊那市の竜東保育所(下島典子所長)では、登園してきた順に雪で遊びが始まった。
園児たちは、感触を確かめるように雪の上に寝転がったり、雪合戦、そり滑りなどを楽しみ、自分と同じ丈ほどある雪だるまも何体も作り上げた。雪の中を懸命に駆け回った園児らは「暑い」と頬(ほほ)を赤くしていた。
飯田測候所によると、昨年12月24日以来、44日ぶりのまとまった積雪となった。
今年は、強い冬型の寒波が続いたことから、太平洋側に雪や雨を降らせる低気圧がなかなか通過せず、南信地域に連日の好天をもたらしている。 -
三峰川みらい会議が風力発電を学習
三峰川みらい会議は7日夜、伊那市役所で風力発電の学習会を開いた。高遠町・長谷村に風力発電事業構想を持つ丸紅の子会社三峰川電力から事業概要を聞き、今後、会としての考え方をまとめる。
みらい会議は、三峰川の水源域を守る立場から、三峰川電力に対して事業の規模や野生動植物保護への対応、建設までの手続きなどの質問事項を提出。事業計画は固まっておらず、三峰川電力は現時点での入笠山縲恷ュ嶺高原の尾根伝い約11キロ(半対峠辺り除く)に計画している事業概要、風力発電のメリット・デメリットなどを説明した。
計画では、高さ100メートルほどの風車を20数基取り付ける。3万キロワットの電力を作った場合、3万トンの二酸化炭素を削減できるという。
環境影響評価の結果は1縲・カ月のうちに縦覧できるように準備し、事業計画が固まった時点で説明会を開く。地域住民が判断できる材料を示し、意見を聞きたいとした。
参加者から「権兵衛トンネルを抜けると、南アルプスが見える。自然エネルギーも大事だが、雄大な風景を次世代に残したい」など環境や生態系への影響を心配する声が上がり、三峰川電力の大西英一副所長は「事業によって、森づくりにつなげたい」と強調。「中止要望書に配慮した事業計画にしたい。住民の同意が得られなければ、事業化はできないと考える」と答えた。
そのほか、取り付け道路の規模や運営主体、住民の意見の反映などに質問があり、夜行性動物の調査に要望が出た。
学習会にはメンバーのほか、一般にも参加を呼びかけ、約20人が集まった。 -
マンモグラフィ検診施設画像認定
駒ケ根市の昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)は乳がん検診のエックス線撮影で使用されるマンモグラフィ検診施設に認定された。上下伊那では前澤病院=駒ケ根市=に続く2件目の認定。期間は2月1日縲・9年1月31日で、3年ごとに再評価、更新される。
同病院のマンモグラフィ用設備は05年7月に最新のデジタル機器に更新。従来より少ないエックス線で解析ができるため被検診者の体への負担が少ないほか、診断に要する時間が短縮できるなどの利点がある。検診には女性の放射線技師2人が専任で当たる体制を取っているため、女性が気兼ねなく受診できる。検診は約10分で終わり、結果もすぐに分かるという。
乳がんは40縲・0歳代の発生率が高いとされるが、ライフスタイルの変化などにより30歳代の患者も増えつつあることから同病院は、病気の早期発見のために若いうちから定期的な受診を竏窒ニ呼び掛けている。 -
お手玉健康教室
飯島町の本郷地区健康推進委員会と本郷公民館(山口安彦館長)は5日、第2回本郷地区健康教室として「お手玉で遊ぶ会」を開いた。区民約20人が参加し、伊那谷お手玉の会の亀山ちず子さんの指導でお手玉作りとお手玉を使った健康運動を楽しんだ。
亀山さんは「お手玉は音も大切。中に何を入れるかでいろいろと楽しめますよ」と話し、中国アズキ、米などのほか、数珠玉といわれる植物の実やビール瓶の栓なども使えることを紹介した。
参加者がそれぞれお手玉を仕上げたところで、全員立ってお手玉を使った健康運動を開始。頭に乗せたお手玉を背中側に落として手で受け取ったり、ひざの下をくぐらせて手で受け取るなどの全身運動を繰り返した=写真。参加者は「暑くなった」と言って部屋のストーブを消してしまい「さあ次は?」といろいろな技に挑戦。「難しいけど楽しいね」「こりゃいい運動だわ」などと話し合いながら夢中になってお手玉を投げ上げていた。 -
木曽路ツアーが人気
伊那バスが企画した日帰りの「サンキュー木曽路ツアー竏猪リ曽馬の里縲恁茆ヤ明神温泉」が5日、あった。初回は伊那市、駒ケ根市、南箕輪村などの夫婦、家族、仲間連れなど42人が参加し、権兵衛トンネル開通によって結ばれた木曽との近さを実感した。
ツアーは、4日に開通したばかりの権兵衛トンネルを抜け、福島関所跡や木曽馬の里の見学、御嶽明神温泉「やまゆり荘」での入浴、奈良井宿の散策などが組まれた。
権兵衛トンネルは延長4・4キロで、5分ほどで通過。広域農道中の原信号機から木曽側の国道19号までの所要時間は25分ほどだった。
バスの中では、崩れやすい地質と大量の出水などで計画より2年遅れたなど工事中の苦労話が紹介された。また、参加者からの木曽節のリクエストに、バスガイドが音頭を取って一緒に歌う場面も。
木曽側の電光掲示板には、気温マイナス6度、5度などと示され、冷える1日だったが、うっすらと見える御岳山でゆっくりと温泉に入ってくつろいだり、行く先々で買い物を楽しんだりした。昼食には、開田のそばをはじめ、そばコロッケ、そば豆腐などを味わった。
娘夫婦に誘われて参加した駒ケ根市の中原ふさえさん(71)は「権兵衛峠を通るのに比べたら、本当にトンネルはあっという間。木曽が近くなったので、今度は夏に来てみたい」と話した。
ツアーは2月土・日曜日の7回を設定。1台につき40人だったが、反響の大きさに2便の運行に切り替え、500人まで増やした。ほぼ埋まっているため、平日の22日を追加。希望者は、申込金1千円を添えて申し込む。
今後のツアー企画については検討するという。
問い合わせは、伊那バス貸切課(TEL72・0002)へ。 -
箕輪町さわやかパートナー講座
箕輪町教育委員会主催の「さわやかパートナー講座」が3日夜、町文化センターであった。約30人がアルツハイマーの介護体験を熱心に聞いた。
夫の介護をしている木下在住の金田玲子さんが、「ちょっと耳を傾けて縲怩墲スしの介護体験から縲怐vと題して話した。金田さんは、98年ころからアルツハイマーの夫を介護。03年1月に脳梗塞状態で寝たきりになった夫の尊厳を重視しながら日々介護をしている。
寝たきりになる前は東京への旅行や観劇など夫をどこへでも連れ出したこと、寝たきりで話せない夫と言葉は返ってこないが普通と同じように会話していることなどを紹介。
「元気なときよりもかえって心の中では夫婦らしい夫婦をしている。主人と対しているときはとても穏やか。これがとても不思議」と話し、以前は病気と闘い、夫とのけんかは当たり前、自分がすごくみじめで悲しかったことを話した。
「病人も変化するが介護者も変化する。せつないことばかりじゃない。だんだん変わってくることを皆さんに言ってあげたい」とし、困っている人同士話すことでいやされる-と、町福祉課の認知症家族会「のぞみの会」「夫婦の会」があることも紹介した。
「夫は自分からアルツハイマーだと言って病気を認めた。病気を認め、できるだけ認知症になった人も社会生活できるように地域でしていかないといけない。認知症は病気だということを認識してもらい、介護者と病人が安心してくらせる世の中を願っている」と語った。 -
寒中すくすくおもしろ将棋戦会
南箕輪おもしろ将棋塾(野沢勝代表)は4日、「寒中すくすくおもしろ将棋戦会」を南箕輪村公民館で開いた。今年の指し始め会で、小学生から大人まで13人が半日じっくりと将棋を指して楽しんだ。
おもしろ将棋塾は小学生を含め会員20人。第1土曜日に例会、第3土曜日に南箕輪わくわくクラブの活動をしている。
指し始め会は毎年2月で、将棋を楽しく指して腕前を試し、仲間づくりをしようと開いている。
親ぼくを深めることが主目的のため、勝敗を競うのではなく自由に指し合った。会員の小学3、4年生も大人に交じって真剣な表情で将棋板に向かっていた。
「特に子ども達に伝統文化の将棋にふれて、おもしろさを知ってほしい」と参加も呼びかけている。 -
自分たちで収獲したギンナンで調理実習
宮田村宮田小学校1年2組はこのほど、11月にクラス全員で収獲したギンナンを使って茶碗蒸しとまぜご飯づくりに挑戦した。協力しながら調理し、見映えもよく完成。手作りの味に舌鼓を打った。
中央保育園の庭先で収獲したギンナン。何に使えるかとみんなで考え、メニューを決めた。
茶碗蒸しにはギンナンのほか、エビや鶏肉なども入れて彩り豊かに。蒸したてのアッツアツが出来あがった。
「どこにギンナン入っているかな」と、ちょっとお楽しみ。「出たーっ」と喜びながら口に運び、「ホクホクしてる」と歓声をあげた。
まぜご飯もギンナンのホロ苦さが食欲を誘い、子どもたちもモリモリ食べていた。 -
戦争体験聞き、平和守る大切さ再確認
日本国憲法第2章「戦争の放棄」第9条を守る箕輪町の「9条の会みのわ」が結成1周年を記念し5日、「いま平和を考えよう竏柱尠@9条を語る会」を町産業会館で開いた。会員ら約50人が集まり、平和や戦争について語り合った。
会員ら4人が戦時中の様子などを紹介。下古田の男性(80)は「食料、衣服に恵まれた今の生活があるのは憲法9条を守ってきたからこそ。憲法が改正された場合にどんな状況になるのか肝に命じてもらい、みんなで輪を広げて憲法改正を阻止していかなければならない」と訴えた。
木下の女性(88)は「一面火の海」に染まった悲惨な戦争当時を振り返り、「再び戦争を起こしてはいけない。これは子にも孫にも語り継ぎたい。過去60年の歳月を大切にし、愛と平和の国を目指してほしい」と願った。
参加者は体験談を通して戦争について語り合い、憲法の疑問点を出し合うなどして意見を交わし、「平和を守ることの大切さ」を確認した。
同会の会員は現在約160人。年間通して展開した第9条を守る署名活動で約200人分を集めた。 -
おはなしこんにちは
腹話術楽しむ箕輪町図書館で4日、2月の「おはなしこんにちは」があった。親子35人が集まり、絵本の読み聞かせや腹話術、手品など盛りだくさんのお話会を楽しんだ。
みのわ腹話術研究会が担当。小人が登場して子どもたちとジャンケンをしたり、腹話術お人形の話では「てんぐとはうちわ」の話を聞きながら人形のケンちゃんが「すごいね」などと相づちを打ったり。ケンちゃんの声まねをする子もいて、子どもたちは笑いながら腹話術に熱中していた。
絵本「パンツぱんくろう」「ぼくそらをさわってみたいんだ」の読み聞かせ、エプロンシアター、紙袋にハンカチを入れると花が出てくる不思議な手品も楽しんだ。 -
大芝の湯にAED導入
南箕輪村開発公社が救急講習南箕輪村開発公社は、温泉や運動施設の利用者に安心・安全・快適に楽しんでいただきたい-との理念に基づき、AED(自動体外式除細動器)を購入し、大芝の湯フロントに配備した。2日、社員全員が扱えるように、フォレスト大芝で救急講習を受けた。
大芝の湯では、月平均2回以上、湯あたりなどで救急車を呼んでいる。マレットゴルフ場など運動施設でも年1、2回ある。これまでAEDが必要なほどのケースはないが、万一に備えて導入した。
大芝荘、大芝の湯の社員、村役場の保健師ら28人が参加した。伊那消防署員6人の指導で普通救命講習IIを受講。AEDの扱い方、心肺そ生法など署員の手本に続いて一人ひとりが実際に人形で練習した。
今回業務で受講できなかった社員らの救急講習も近々開く予定。
公社では昨年秋から、休館日を利用して避難訓練、接遇研修など社員全員を対象にした講習会を開いている。今後、AEDの扱い方などを忘れないように定期的な講習も検討したい-という。 -
中央アルプス千畳敷で「純白の結婚式」
中央アルプス駒ケ岳の千畳敷で4日「純白の結婚式」が行われた。氷点下24度の寒さの中、2組のカップルが親族らに見守られながら真紅のバージンロードを進み、手作りの雪のチャペル前で指輪を交換して永遠の愛を誓った=写真。
挙式したのは光井紳裕さん(30)和佳子さん(30)=大阪府茨木市=と安齋雄一さん(27)久実さん(27)=東京都羽村市=の2組のカップル。式を終えた新郎新婦は「一生の記念になった。幸せです」「寒かったが、大自然の中での挙式という念願がかなって大満足」とそれぞれ笑顔で話した。
標高2610メートルの千畳敷は一面雪に覆われた白銀の世界。東には遠く富士山が望めるほどの素晴らしい好天に恵まれたものの、気温はこの冬一番という氷点下24度。2人の新婦はウエディングドレスからのぞく肩や腕にワセリンを塗ったり、服の下に使い捨てカイロをいくつもしのばせるなどの防寒対策をとった。出席した親族らは「新婦は大丈夫かな」などと気遣いながら「こんな寒さは初めての経験だ」などと震えながら話し合っていた。
千畳敷での結婚式は4年目。駒ケ根市観光協会が毎年4月縲・0月に一般から希望者を募集して行っている。 -
米村でんじろう先生の科学塾
全国で年間120回の科学実験教室を開いたりテレビ番組に多数出演するなど、科学の楽しさを広める活動をしている米村でんじろうさんによる科学塾が4日、駒ケ根市文化会館で開かれた。伊南こども劇場主催。上伊那各地から40組・約100人の小学生親子が参加し、科学の楽しさと不思議さを体験した。
テーマは「静電気の不思議」。米村さんは風船を布でこすって起こした静電気で空中のシャボン玉を自在に操り「遊んで体験した知識は忘れないよ」と子どもたちに呼び掛けた。参加者はグループごとにプラスチック製コップにアルミ箔を巻いたコンデンサ「電気コップ」を米村さんの指導で製作し、静電気を体感する実験に挑戦。電気コップに静電気をため、全員が手をつないで一つの輪になり、電気を通した瞬間、あちこちから「ギャー」と大きな悲鳴が上がった。「これで大体2万ボルトぐらいかな」との米村先生の言葉に参加者は「もう1回やりたい」「もうやだよ」などと興奮した表情で話し合っていた。
科学塾は5日にも2回開かれるが、各回ともすでに定員に達したため申し込みを締め切っている。 -
開通を祝い、紅白もちなど配る
伊那・木曽の権兵衛トンネル出入り口付近で4日、ドライバーに先着各30人にナンバー入りの通行証明証を手渡した。また、観光パンフレットなども配り、まちをPRした。
木曽側は、開通を祝う紅白のもち菓子「すあま」のほか、観光パンフレットやスキー場割引券など500人分を用意。
横断幕「ようこそ日本のふるさと木曽町へ」を掲げ、役場職員や商工会員15人が沿道に立った。気温マイナス6度で冷たい風が吹いていたものの、職員らは伊那から木曽に入ったドライバーを笑顔で出迎えた。
木曽町PRに当たった職員は、トンネル開通で▽伊那との新たな交流が生まれる▽国道19号で事故が発生したとき、う回することができる▽東京から高速で来た場合、伊那のインターから降りれば、これまでより30分短縮できる竏窒ネどのメリットを挙げ、誘客に期待。女性職員は「早速、イチゴ狩りに行きたい」と楽しみにしていた。
そのほか、町内でも振る舞い酒などがあり、祝いムードが漂った。
伊那側でも、通行者に市のイメージキャラクター「イーナちゃん」グッズなどの記念品を手渡した。 -
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通
中央アルプスを貫き、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが4日、開通した。通行不能区間を解消したことで、時間と距離の短縮、救急医療体制の充実、国道や高速道路の代替、通勤・通学のエリア拡大などが期待される。
現地でのセレモニーは、権兵衛トンネル内のほぼ中央地点であり、地権者、国・県・市町村関係者、施工業者ら約500人が出席。
オープニングで、伊那の小出太鼓、木曽の日義巴(ともえ)太鼓の演奏が響き、開通に花を添えた。
出席者は伊那側、木曽側が向き合う形で並び、国や県、国道361号権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進規制同盟会の関係者19人がテープカット。合わせて、出席者代表33人が二手に分かれてくす玉を割った。
そのあと、太鼓の音が響く中、伊那側から25台、木曽側から16台の乗用車・大型バスが式典会場の伊那市民体育館までパレードした。
国道361号は、岐阜県高山市を起点に、高遠町に至る延長152キロで、今回の供用開始区間は塩尻市竏宙ノ那市与地の延長9・9キロ。事業費は約605億円。権兵衛トンネルは延長4・4キロで、幅員9・5メートルの2車線。着工から7年の歳月をかけた。
開通前には、自動車の長い列ができるほどで、開通を待ちわびた地域住民らの関心の高さをうかがわせた。 -
権兵衛トンネル開通記念イベント各地で
権兵衛トンネルが開通した4日、伊那市内の各地で記念イベントがあり、多くの人たちでにぎわった。
伊那市駅前ビル「いなっせ」では、伊那中学校吹奏楽部のコンサートや宝投げがあった。
伊那市境区の食品製造・販売店「シャトレ」(黒河内明夫社長)が開通記念で開発した「ローメンまん」の無料サービスには、多くの人が行列をつくった。当初は、配り始めを午後2時10分からにしていたが、正午ころから並び始めたため、急きょ整理券を配布。午後1時半ころには、限定数100枚を配り終えた。
整理券を一番に手にした親子は「テレビや広告で見て一度食べてみようと思った」と話していた。また、別の親子は「思ったより美味しい。癖がないから子どもでも食べられる」とアツアツのローメンまんを仲良く味わっていた。 -
トンネル開通 木曽側一番乗りは金原俊雄さん
権兵衛トンネルの木曽側一番乗りは会社員金原俊雄さん(56)=岡谷市。北海道、九州を除いて全国各地の高速道路などの開通1番乗りに挑戦しており、権兵衛トンネルが25度目の達成となった。
3日午後11時半ごろに到着。寝袋を持参して一晩を自動車の中で過ごした。
開通までの時間を利用し「一台目は華やかがいいでしょう」と自動車に「開通・おめでとう」の文字とトンネルをデザインした看板を取り付け。日の丸の旗や電飾などでにぎやかに飾った。
周囲からあおられたそうだが、1日に下見へ来るほどの徹底ぶり。景色が広がる伊那へ抜けるため、木曽側に並んだ。
「せっかくだから、みはらしファームに寄っていこうか」と話していた。
2番手は木曽町の無職男性(71)。4日午前6時前に並び「たまたま2番だった」。伊那方面に親せきがいることから、権兵衛峠を通って年5回ほど出向いていた。「これからは近くなって便利。買い物は塩尻に行っていたが、伊那にも行ける」と喜んだ。