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【記者室】憲法九条を守るつどいから
10月下旬、自民党で新憲法草案が決定した。戦争放棄と戦力を持たないことを規定していた第九条は「国の平和と独立」「国民の安全」確保のため「自衛軍の保持」が明記された▼九条を守ろうと全国各地で「九条の会」が立ち上がっている。「憲法九条を守る上伊那のつどい」で、参加者は「日本を戦争する国に変えようとしている」ことに危ぐ。「尊い命を奪った悲惨な戦争への道を再び歩むことはだれも望まない」と訴えた▼高校の文化祭で、中国人・朝鮮人の強制労働の実態などを調べた展示があった。憲法改正の動きに、生徒たちは「若者が関心を持たなければならない。平和の意味を考えて」と記した。戦後60年。人ごとではなく、身近なこととして考えなければならない。(湯沢記者)
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南箕輪村功労表彰・感謝状贈呈式
05年度南箕輪村功労表彰・感謝状贈呈式が5日、村民センターであった。功労表彰1人、感謝状贈呈2人で、賞状と記念品を贈り功績を称えた。
功労表彰は漆戸智治さん(74)=南殿。民生児童委員協議会長、村議を歴任し、村福祉行政推進に寄与した。
感謝状は、04年10月に大芝の湯敷地内にシャクナゲ庭園を寄贈した原幸男さん(58)=大泉=、05年7月に村に絵画「妙高高原の春」を寄付した垣内カツアキさん(70)=辰野町=に贈った。
唐木一直村長は、「村政発展のために大変お世話になり、改めて感謝申し上げる。これからもお力添えいただきたい」とあいさつ。受章者を代表して漆戸さんが、「身に余る光栄。大勢の皆さんのご協力をいただき今日に至っていることに深く感謝申し上げる。すばらしい村になるよう一つひとつがんばり、地域に貢献していきたい」と謝辞を述べた。 -
憲法第九条を守る上伊那のつどい
「憲法第九条を守る上伊那のつどい」が5日、伊那市の伊那公民館であった。各市町村から約50人が集まり「尊い命を奪った悲惨な戦争への道を歩むことはだれも望まない」と九条を守り、日本と世界の平和を目指すアピールを採択した。九条の会、準備会、高教祖などでつくる憲法九条を守る上伊那連絡会主催。
主催者を代表して、江間裕志さんは「憲法改正が強まる中、地域や職場で九条を守る取り組みを上伊那に広げてほしい」と呼びかけた。
そのあと、伊那市の伊藤辰子さん、長谷村の大出達雄さんが戦争体験を語り「九条を守ることが戦争犠牲者の鎮魂となる」と訴えた。
記念講演は、九条を守る県民過半数署名呼びかけ人・今井良夫さん=長野市=の「日本国憲法第九条の大切さを再認識しよう」。自らの満州開拓少年義勇軍の体験を交えながら、平和憲法が破壊されることを危ぐした。
そのほか、3団体の活動報告、伊那谷ことばによる憲法第九条の朗読なども。
上伊那では「九条の会」が辰野町、箕輪町、伊那市、駒ケ根市で結成され、残る6町村は立ち上げに向けて準備を進めている。九条を守る署名活動、憲法改悪反対の全国集会への参加などを展開している。 -
中条村ものがたり第2話を全戸配布へ
伊那市西箕輪の中条公民館は「中条村ものがたり 第2話」を発刊した。200部作り、全戸(82戸)へ配布する。
第2話=A5判、38ページ=は「自然の中での労働・学校生活」をテーマに「山は『宝の山』だ」「お蚕さまは天の虫」「青年時代」など5章で構成。炭焼き、蚕が繭になるまでの作業、わらじづくり、くぎうちなどの遊びなどイラスト入りで紹介している。地元で使われる方言も載る。
「厳しい労働の合間の家族や仲間との温かい結びつきなど現代の私たちが見失いがちな大切なものに気づかされることが多い」と記される。
6日、中条公民館で開く敬老会で配布する。
ものがたりの作成は、公民館活動の一つ。区誌編さん委員会を中心に、地域のお年寄りから生活、食べ物、遊びなどを聞き取り、記録としてまとめた。第3話まで発行する予定。 -
「火事のない伊那市に」広報車で防火呼びかけ放送を
伊那市幼少年婦人防火委員会(事務局・伊那消防署内)は5日、恒例の市少年消防クラブ育成研修会を「秋の火災予防運動」(9日窶・5日)に先立ち開いた。
委員会で結成する市内の荒井区少年少女消防クラブと、北町少年消防クラブの児童16人が参加。伊那中央病院内の防火・防災設備、伊那消防署の消防車両の見学のほか、市内を広報車で回り防火の呼びかけ放送窶狽ネどを通じて防火意識を高めた。
同市日影のベルシャイン伊那店前では、約500枚ほど用意した防火チラシを買い物客に配布。「火の用心に協力お願いします」と児童らは呼びかけ、啓発活動に一役買っていた。
防火啓発の広報車放送は「私たちは火遊びはぜったいしません。大人の人たちも火の取り扱いには十分気をつけて火事のない伊那市にしましょう」などと市民に訴えていた。
両クラブは、消防団のポンプ操法訓練や出初式の見学などに毎年参加し、防火意識の高揚に励んでいる。 -
スクールガード・リーダー
駒ケ根市下平
小出光恵さん(63)各地で相次ぐ学校への不審者侵入事件などを重くみた文部科学省が05年度から新たに取り組みを始めた「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」を受けて9月、県教育委員会からスクールガード・リーダー(=地域学校安全指導員)の委嘱を受けた。
受け持つのは駒ケ根署管内全域(駒ケ根市、飯島町、宮田村、中川村)。任務はそれぞれの地域のボランティアらでつくるスクールガードに対してアドバイスをすること、管内すべての小中学校を巡回し、問題点があれば指導や助言などをすること窶狽ネどのほか、県教委への提言なども併せて行っていく。
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満州(現中国東北部)生まれ。4歳の時、終戦に伴って一家で実家のある飯田市に引き上げてきた。教師になりたくて信州大教育学部に進学。卒業後、県内各地の小中学校で勤務したが、32歳の時、警察の一般職員に転身。主に防犯(生活安全)課で婦人補導員として青少年の指導に当たってきた。
「教師と補導員はある意味では同じものなんです。教師は子どもを表から見るのに対し、補導員は裏を見る。でも子どもたちをしっかりと見守る窶狽ニいう点ではどちらも共通しています。やはり教師だった父には『教員であったことを忘れるな』とよく言われました。人間の悪い点だけに目が行って、育てるという視点をなくしてはいけないということだったと思いますね」
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スクールガード・リーダーはできれば警察と学校、双方の経験が深い人材が望ましい。まさにうってつけの人選だ。任期は一応06年3月まで窶狽ニなっているが「それだけでは何もできない。子どもたちの安全のためにこれからが勝負なんだから」と早くも活動に熱意を燃やしている。
「長いこと警察のおばさんをやってきた私が、ここにきてまた伊南警友会の代表として仕事ができるのは大変名誉なこと。スクールガード・リーダーはとてもやりがいのある仕事ですから、一生懸命やりたいと思っています」
(白鳥文男) -
伊那谷断層帯トレンチ調査見学会
箕輪町内で行っている伊那谷断層帯トレンチ調査の見学会が3日、箕輪中部小学校東側水田の調査地点であった。「複数回の断層運動に伴って変形した地層が認められた」との報告に、地域住民ら約40人が興味深く地層を眺めた。
文部科学省の委託による補完調査の一環。産業技術総合研究所活断層研究センターが9月末から、町内3カ所で調査している。断層が活動して大地震が発生した歴史を地層のずれをもとに解明し、将来発生する地震の長期的な予測をする目的。
伊那谷自然友の会常任理事の松島信幸さん、活断層研究センター研究員の近藤久雄さんが説明した。
松島地区は10月18日から掘削。断層が隆起してできた伊那谷断層帯の崖をまたぐように幅3メートル、深さ3メートル、長さ15メートルの四角い穴を掘り地層の断面を調査した。
川が運んだ地層、池や湖のような環境でできた地層などが見えるが、地層が崖に向かって上がり、崖の所で持ち上がっている。研究員は「伊那谷断層が西側が持ち上がる動きをしたことで変形してできた地層」と説明し、年代は測定中だが、「1万年よりは新しい地層を見ている見込み」と話した。
トレンチ調査は95年に上下伊那6カ所で実施して以来10年ぶり。当時は3カ所で断層の証拠となる地層が認められたという。 -
消費生活大学開講
飯田消費生活センターと駒ケ根市は4日、05年度消費生活大学を駒ケ根市の駅前ビル・アルパで開講した。応募した上下伊那の49人が開講式に臨み、全6回の講座のスタートを切った。
飯田消費生活センターの久保田篤所長はあいさつで「もともとは消費者運動のリーダーを養成しようと始まったこの大学だが、多くのトラブルが起きるこの時代にあって自分を守り、周りの人を守るための知識を学ぶ場として一緒に勉強しよう」と呼び掛けた=写真。
初日は飯田消費生活センター主幹の金田伊津子さんによる『クーリングオフの知識』、司法書士の矢澤茂さんによる『老後の財産管理窶泊椛ア、遺言、成年後見』が行われ、参加者は真剣な表情で講義に聞き入っていた。
同大学では1月27日まで毎月2回、公開講座を含む全6回の講座があり、保健所職員や司法書士、警察官などを講師に招いて生活にかかわるトラブルを防止する知識などについて学んでいく。 -
力作ぞろい展示の広場
「みのわ町民文化祭」の展示の広場が4日、町社会体育館で始まった=写真。町内の個人や団体による生涯学習活動や、小中学生の学業の成果が一同に並び、多くの人の目を楽しませている。町公民館で活動するクラブ・サークルなどでつくる実行委員会の主催。
陶芸や、書道、木彫り、絵手紙、生け花など約1150点を出品。本年度は町発足50周年に関連した行事などが多かったぶん、昨年度より150点ほど多い展示物が集まった。
展示品は初心者からベテランまでの力作がそろう。刺繍グループは、テーブルクロスやクッションなど、温かみのあるオリジナルの手作り作品を並べた。
午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後3時)。6日まで。
5日は、みのわ町民文化祭の音楽の広場が5日午前10時から、芸能の広場が午後2時から、共に町文化センターである。 -
伊那の米、南大東島で大好評
伊那市東春近の田んぼで栽培した友好米を持参した「伊那・平成コメ娘」一行が4日午前、沖縄・南大東島に到着した。南大東小中学校での給食で試食し、好評を博した。
小中学校での贈呈式で、団長の井地千代子さんが、3月の島訪問から友好米栽培のいきさつを紹介し、「伊那のお米を皆さんに食べてもらう姿が見たくてやってきました」とあいさつ。
島の宮城盛夫学校長や照屋林伸教育長が居並ぶ中、8月に「ボロジノ娘」の一人として伊那を訪問した野村麻莉生徒会長が、「伊那で初めて田んぼに入った感触が忘れられない。ずっと楽しみにしていました」と歓迎の言葉を述べた。
伊那のコシヒカリを初めて食べた子どもたちには「いつものお米と違って甘い」(小5・西川凛さん)、「もちもちしていて、光っている。おいしい」(中3・安慶名千春さん=給食委員長)などと大好評。
学校栄養職員の松田優子さんも「とてもおいしい。調理師も給食で新米を炊いたことがなく、水加減に気を配った。少し水を少なくしすぎたかしら」と笑顔で話した。
一行は南大東村役場でも、役場や幼稚園・老人ホーム用に米の贈呈式をし、役場職員から大きな歓迎の拍手を受けた。照屋林明南大東村長は「丹精をこめて作った米をいただき、伊那との交流のますます広げていきたいと思う。小学生同士の交流を現実的に始めたい」とあいさつした。
伊那西小から託された、南大東島にちなんだ演技や演奏をした運動会・音楽会のビデオや、伊那ケーブルテレビジョンから託された番組のビデオなども贈った。 -
桜井区、仲良く焼き芋
掘った、洗った、焼いた、食べた!伊那市富県の桜井区で30日、サツマイモの芋掘りと焼き芋会があり、70人が楽しんだ。桜井郷づくり委員会(広瀬明委員長)の主催。
子どもと大人が共同して芋を掘り出し、観浄寺の湧き水で洗い、新聞紙やアルミホイルに包んで、焚き火のオキの中に次々と入れた。サツマイモは生育上々で、幼児の頭ほどの大きさのものも。「こんなにデカくちゃ焼けないよ」「だから、切りなさいっていってるじゃない」などと、にぎやかで楽しいひと時だった。
地元の観浄寺周辺公園化事業の一環。6月5日、地区老人会と児童会が観浄寺の休耕田に花壇とサツマイモ畑を作った。広瀬さんによれば、委員会は始動4年目。1年目は計画づくりなどに費やし、2年目はサクラの植樹。3窶・年目に花壇と芋作りをしたという。
久保田和康桜井区長は「芋の作り方から焼き方まで方法を研究中。新聞紙に包み、それをアルミホイルに包んで焼くのが現在の桜井式焼き芋法かな」と笑っていた。 -
KOA収穫祭にぎやかに
KOA(本社伊那市、向山孝一社長)の収穫祭が3日、箕輪町の同社上伊那生産拠点「パインパーク」であった=写真。社員が栽培した米やリンゴがメニューに登場し、社員、家族、OB・OGらが「秋の実り」を楽しんだ。
松林の敷地内には日本そば、焼きそば、おでん、ポン菓子などの屋台、地酒がそろった居酒屋が並び、すべて無料で振る舞われた。社員が栽培した「KOA米」は五平もちや山菜ご飯、リンゴはリンゴジュースやどらやきのあんなどに使われ、来場者はいくつかの屋台を回りながら、地域食材を味わった。
また、来年度採用内定者約20人が豚汁を用意し、元気に売り込んだり、三陸直送のホタテやイカには行列ができたりとにぎわいを見せた。
特設ステージでは、社員でつくるバンド「KOMS」、南箕輪村の子ども太鼓「COCO龍」、南米音楽「あるみかん」の演奏があり、祭を盛り上げた。 -
大きな大きなサツマイモ採れた食べた
伊那市内の小中学生を対象とした「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)は29日、6月末に定植したサツマイモを収穫した。子どもたちは小雨のにもかかわらず、泥まみれになりながら両手いっぱいの大きなイモを掘り当ててはよろこんだ。
サツマイモの定植は2年目で、昨年に引き続き、市内西町区城南町の地域住民から借りた畑を利用。約80人が集まり、8アールほどの畑から軽トラック3台分を収穫した。春の乾燥で苗の定植に4割ほどが失敗したが、夏以降の気温の高さが影響し、たっぷりと養分を蓄えた大きなサツマイモが多く取れた。
大きいもので長さ50センチほどあり、児童たちは目を輝かせながら夢中で作業。形も長いものから、丸いものまでとさまざまで、なかにはウサギの頭の形をした変り種もあった。
収穫したサツマイモは、近くの青少年ホームへ持ち込み、市食生活改善推進協議会メンバーの協力で、サツマ汁やスイートポテトにして味わった。残りは、11月13日に市内の福祉施設の利用者と一緒に焼きイモ大会を楽しむ予定だ。
はなまる地域探検隊は、子供たちが学校や年齢の枠を超えて、日帰りキャンプや絵手紙づくりなどさまざまな活動を体験。今年で3年目を迎え、毎月一回の活動を展開している。 -
健やかな成長願い七五三参り
郡内各地の社寺で土・日曜日、祝日を利用して七五三参りをする親子連れの姿が見られる。伊那市坂下区の坂下神社でも3日、あいにくの雨にもかかわらず15組ほどの家族連れが神社を訪れた。
総代会(唐沢正雄会長)は、10月30日から11月27日まで、祈祷(とう)を受け付けていて、境内には千歳あめやお守りの露店、着付けの無料直し窶狽ネど、雰囲気を盛り上げている。
同市小沢区から長女(7つ)のお祝いに訪れた父親は「元気で大きく明るい子に育てほしい」と祈願。娘の晴れ姿を残そうと、家族6人で本殿をバックに思い出作りの記念撮影をしていた。
坂下神社へ七五三で訪れる利用者は例年160人程度。少子化で地域からの祈祷依頼は少ないものの、松本市や辰野町などの遠方からの依頼が毎年多いという。
総代会は、12、13日が依頼のピークと予想している。 -
ヒメバラモミ分布調査へ
中部森林管理局は今月中にも、南アルプス北部に生育する常緑針葉樹・ヒメバラモミ(マツ科、トウヒ属)の分布調査を始める。自生母樹の総本数が数百本程度と言われ、絶滅の危険性が高い環境省の植物版レッドリストの絶滅危惧IB類に指定されている。昨年度からの6カ年事業で、生育個所を把握し、保存や増殖を目指す。
ヒメバラモミは八ケ岳の南西部と南アルプス北西部のみの生育が確認されている日本固有種で、胸高直径1・3メートル、樹高40メートルにも成長する。氷河期には優先的樹種だったが、その後の温暖化による降雨の多さが減少の原因とされるほか、鹿の食害も考えられるという。
南アルプス北部地域では、社団法人林木育種協会に委託し、最大の分布地とされる長谷村の戸台地区や、尾勝谷、巫女淵などのほか、大鹿村の豊口山、山梨県白州町の大平地区で、位置や樹高、胸高直径、枝下高などを調査する。
昨年11月には八ケ岳地域の現地調査を実施し、八ケ岳山ろくの4町4村で66本を確認。このうち33本が南牧村の農家の自宅で防風林とされていた。
調査結果をまとめた来年度以降は、穂木を採取して台木に接ぎ木し、その成苗で増殖のための種を採取する採種林や、広く紹介するための見本林を造成する。造成地は長谷村の国有林を予定している。 -
高遠・長谷の小中学生音楽で交流
第56回東部小中学校連合音楽会が2日、高遠町文化体育館で開いた。高遠町・長谷村5校の小学4年生以上と中学生約500人が、合唱や合奏などを発表し合い、音楽を通して交流を深めた。両町村による東部教員会の主催。
今年はプログラム15曲のうち合奏が4曲と例年に比べて多かった。長谷中3年生による南アルプス太鼓クラブは和太鼓で「仙丈」を演奏し、息の合った威勢のいい音を響かせた。
大舞台に緊張した様子を見せていた高遠北小4年生は15人と小人数ながら「ビリーブ」を合唱奏で発表した。大きな声で歌い、途中からはアコーディオンや木琴などの楽器を演奏して、練習の成果を精いっぱい披露した。
合唱は高遠中の2、3年生が混声四部で、長谷中の全校生徒が混声三部で、それぞれ心を一つに美しいハーモニーを披露した。
会場には保護者らも駆けつけ、それぞれの発表に大きな拍手を送っていた。 -
南アの紅葉 色濃く
長谷村の南アルプス林道から望む山々の紅葉が見ごろを迎え、除々にふもとに下りてきている。
今秋は暖かい日が続き、降雨も少なかったことから例年に比べて2週間ほど遅れていて、現在は歌宿あたりの標高1600メートル前後が見ごろ。ケヤキ、カツラ、ミズメなどが赤や黄、緑色の鮮やかなパッチワークをつくる。
村営バス営業所によると、期間中(11月15日まで)は十分楽しめる見通しで、今後冷え込みが続けば朝方には「霧氷」も目にすることができるという。 -
旭日双光章受賞(専門工事業振興功労)
麻野幸好さん(81)箕輪町三日町の農家に長男として生まれ、箕輪町役場勤務、建設業を経て1965年に駒ケ根市に信濃広告を設立。現在取締役会長。その間、県広告美術塗装業協同組合連合会会長、甲信越地区広告美術業組合連合会会長などを歴任し、業界の発展に尽くした。屋外広告物審議委員、景観審議委員・アドバイザーを務めるなど、屋外広告行政にも積極的に協力し、行政とのパイプ役としても活躍。
「(受賞は)うれしいが、自分の力だけではない。業界や関係者など、多くの人に代わっていただくものと思う」と謙虚に語る。
広告業に飛び込んだのはまさに日本が経済成長に入ろうとする時代だった。「役場の天井の節穴を定年まで眺めて暮らすのかと思ったら嫌になっちゃってね。役場を辞めた後、建設現場でもっこかつぎなんかをして金を貯め、それを元手に看板屋を始めたんだ。金がなくてもできるから窶狽ニ思ってね」
同業者の敬遠する仕事にも積極的に挑戦し、伊那谷一円の役場や国鉄(当時)飯田線の仕事を一手に引き受けるなど、順調に発展を続けてきた。
「振り返れば、80年一日のごとし窶狽セね。いろいろと世相の動きはあったが、今日を省みて明日を考える。この繰り返しでやってきた。後退せず、前に進むことだけを考えて何事にも努力してきたつもりだ。これからも体験から何かをつかもうとする意欲はずっと持ち続けていたいね」 -
旭日双光章(地方自治功労)受賞 中坪敏郎さん(74)
1987年に駒ケ根市議会議員に初当選。03年に引退するまでの4期16年間にわたって市政の発展に尽くしてきた。95縲・9年までの2期4年間は市議会議長を務め、議会の長としての重責を担った。
◇ ◇
「父は、私を絶対に議員にさせない窶狽ニ生前言っていたようだが、いろいろな成り行きで議員として働くことになった。中でも印象に残っているのは、議長時代、全市全戸への下水道整備、南田市場の区画整理、伊南バイパス建設などについて中原正純市長に相談を受け、これらの課題の実現に向けて協力して全力で取り組んだことだ。地域の人の理解をどうやって得るかで大変苦労したが、市民の皆さんの手伝いが少しはできたという気がする」
「市長とは遠慮なくやり合ってきた。今後の議員に言いたいのは駄目なものは駄目とはっきりと言い、やる時はとことんやれということだ。市長が言うことに同調してばかりいてはこれからの時代はうまくいかない。理事者や議員にはそのあたりの読み違えをしないように望みたいね」
「(受賞は)市民のためにと思ってやってきたことを評価してもらえたのかもしれないが、何だか申し訳ないような気持ちだ。支えてくれた多くの人たちに感謝したい」 -
ミツバチ供養
伊那市の小松養蜂園(小松実治代表)は30日、西箕輪羽広の仲仙寺でミツバチ供養をした。受粉のためにミツバチを使う上伊那のイチゴ生産者26人が参列した。
小松養蜂園のミツバチは、10月から翌年5月までの7カ月間、イチゴ栽培のハウス内で受粉のために働く。今年は10月20日過ぎからハウスに放している。12月初旬には実がなり、クリスマス時期の出荷に間に合わせる。
ハウス内で働くミツバチは、自然環境の中と比べ短命になってしまうという。生産者は1年間働いたミツバチに感謝し、静かに手を合わせた。 -
瑞宝双光章(教育功労)受賞
高坂保さん(76)「教え子たちは幾つになっても『先生、先生』と言って慕ってくれる。教師をやってきて良かったとつくづく思いますね。本当に楽しかった。でも振り返ってみれば教え子に教えられることの方が多かったですね。今回の受賞も支えてくれた教え子や保護者、先輩たちとともにいただくものと思います」
◇ ◇
七久保村(現飯島町七久保)の村長の家に生まれ、予科練(海軍飛行予科練習生)を経て大陸で戦闘機の訓練中に終戦を迎えた。本土への復員船の中で「これからの日本は大きく変わっていかなければならない。それには何といっても教育が大切だ」と考えを定め、理想に燃えて教職の道を選んだ。1950年、長野市の川端中学校を振り出しに下諏訪町、伊那市、松本市、駒ケ根市、辰野町の中学校勤務を経て駒ケ根市立東中校長、赤穂小校長を歴任。退職後は駒ケ根市教育長の重責を10年間務めた。
学校では怖い先生だったという。「子どもたちと友達になってしまっては駄目だ。しかし共に笑い、共に泣くような『共感』は絶対に必要。厳しい時と緩める時の塩梅(あんばい)が大切ですね」
若いころは教えることの難しさに悩んだこともあるが「先輩や同僚の教師らと毎晩遅くまで議論したり、哲学書や禅、武士道などの書物の読み合わせをしたものだ。そんな切磋琢磨を重ね、周囲に支えられて今日の自分があるんですよ」。 -
町一区子ども会のお楽しみ会
駒ケ根市の町一区子ども会(須田秀枝会長)は30日、赤須町地域交流センターでお楽しみ会を開いた。親子約60人が参加し、紙芝居やバルーンアートのほか、ゲームやクイズなどで楽しんだ。
バルーンアートは赤穂高校ボランティア部の女子生徒3人が訪れて、子どもたちに犬やキリンなどの作り方を丁寧に教えた。「細長い風船を膨らませたら、ここをこうねじって、ここをこう結んで…ほら出来上がり」生徒らの手元を食い入るように見詰めていた子どもたちは「すごい」「私も作りたい!」と先を争って色とりどりの風船を手にすると早速ポンプや口を使って膨らませ、生徒らに教えてもらいながら動物や花づくりに夢中で取り組んでいた=写真。 -
上農高写真部 伊那中央病院で作品展
伊那中央病院の院内レストラン前で4日まで、上伊那農業高校写真部の作品展が開かれている=写真。校外での展示は初めて。若者ならではの個性的な視点で撮影した作品に、多くの関心が集まっている。
4年前からデジタルカメラで撮影し、プリントする・ス手軽な方法・スに切り替え、2カ月に1度の校内展示を中心に活動。本年は生徒の写真技術向上に伴い発表の場を広げていて、本紙では5月から毎月2作品づつの掲載をしている。
メンバー4人が組み写真を中心に16点を出品。花のしべのアップ、雲がかかる空、猫などの身近な日常をモチーフに、自分らしさを表現している。
所河憂美部長は「自然を主体に撮っているので、患者の人も室内で自然を感じて元気になってもらえれば」と話している。 -
星空☆マタニティ~いいお産の日in上伊那~
11月3日の「いいお産の日」に合わせ伊那市の県伊那文化会館プラネタリウムで2日、「星空☆マタニティ~いいお産の日in上伊那~」があった。妊婦ら50人が来場し、ドームに映した胎児の写真や満天の星空、マタニティ・ヨガなどで、お腹の赤ちゃんと一緒にくつろいだひとときを過ごした。
伊那文化会館、日本助産師会長野県支部上伊那地区、日本看護協会長野県伊那支部助産師機能の主催。
妊娠中のお母さんにマタニティ・ライフを楽しんでもらおうと、昨年に続き2年目。
ドームの満天の星空に、子宮という“小宇宙”で育つ胎児の11週から37週までの超音波写真を映し出し、絵本「おかあさんになるってどんなこと」の読み聞かせもした。助産師会上伊那地区長の池上道子さんは、「安心して無事に出てきてね。心から待ってるよ」という魔法の愛の言葉を紹介。「お腹の赤ちゃんや子どもにいろいろ語りかけてくださいね」と話した。
妊娠8カ月の伊那市の女性は、「妊娠中はちょっとイライラすることもあるので、リラックスできてよかった。絵本の話を聞いて赤ちゃんも動いていて、一緒に喜び、ゆっくり楽しめた」と話した。
3日は午前10時から。おなかの赤ちゃんの話、満天の星空と音楽のコンサート、リラクゼーション・ヨガ、胎児の心音測定、開業助産師の紹介、妊婦体験などがある。詳細は同会館(TEL73・8822)へ。 -
ようやくキノコ出はじめました
朝晩の冷え込みが厳しくなり、紅葉が始まった駒ケ根市東伊那の里山では、1カ月遅れの10月末からキノコが出始め、話題になっている。
地物のキノコ料理で有名な東伊那大久保のしぶき荘(赤羽芳春社長)では、先週末までマツタケも雑キノコも1本も採れなかったが、今週に入って、突然出始め、連日、マツタケやショウゲンジ、ハナイクチなど10キロ余を採取している。
2日も午後から持ち山や東伊那財産区の競り山を回って、マツタケ30本を含む、10キロ余のキノコを採った。
例年、キノコの発生は10月末まで、11月になってからの発生は珍しく、キノコ採り歴30年余の赤羽昭二会長は「地球はきまぐれ、こんな年は初めて」と驚いている。 -
瑞宝単光章 消防功労 川手成美さん(71)
51(昭和26)年に旧伊那町消防団員になってから28年間、消防団活動に携わった。94窶・8年に団長、95年に上伊那消防協会副会長などを務めた。
冬の夜、火災現場で放水した水が凍っても団員は火を消し止め、次に備えてポンプ車を整備しなければならない。「団員が一生懸命やってくれたおかげ。個人でもらったものではない」と団員の活動をたたえる。
93(平成5)年4月、面積35ヘクタールを焼いた東春近の山林火災が記憶に残る。現場に着いたときは盛んに燃えていた。水利を探したがなかなか見つからず、ポンプをつないで消火活動に当たった。「火が頭の上を飛ぶ恐ろしい山火事」で、自衛隊のヘリコプターを依頼して消し止めた。「少しの火でも大きな火になる」と恐ろしさを語る。
死傷者が出る火災を目の当たりにしたことも。「ガスをつけたら、その場を離れない」と注意を促す。
「団員確保」が課題。長男で地元にいればほとんど入った時代とは違う。「地域の人との関係ができるし、苦労しただけ成長するのではないかと思う。地域の安全確保のため、力になってほしい」と若者にメッセージを送る。
妻浅子さんと2人暮らし。旅行や食事に出かけることが楽しみ。
伊那市平沢。 -
秋の叙勲 上伊那で7人が受章
政府は3日付で、秋の叙勲の受章者を発表した。上伊那は、旭日章(顕著な功績を上げた人)で3人、瑞宝章(公共的な業務に従事し、功労を積み重ねた人)で4人。
受章は、旭日双光章で専門工事業振興功労の麻野幸好さん(81)=駒ケ根市・元県広告美術塗装業協同組合連合会長、地方自治功労の熊崎安二さん(77)=飯島町・元飯島町長、中坪敏郎さん(74)=駒ケ根市・元市議会議員、瑞宝小綬章で教育功労の千田俊明さん(70)=伊那市・元公立高等学校長、瑞宝双光章で教育功労の高坂保さん(76)=駒ケ根市・元公立小学校長、瑞宝単光章で消防功労の川手成美さん(71)=伊那市・元伊那市消防団長、郵政業務功労の酒井祐治さん(65)=伊那市・元郵政事務官=。
受章者は全国で4029人、県内で81人。県内の内訳は旭日章25人、瑞宝章56人となっている。 -
瑞宝単光章(郵政業務功労) 酒井祐治さん(65)
「仕事の面では先輩や同僚を含めて上の人たちがいるなかで、なぜ(自分が叙勲をもらえたのか)と思った」と驚きの様子。
1940(昭和15)年に生まれる。小中学校、高校と地元で学び、西春近郵便局に正規職員として19歳で入局。定年退職した2000(平成12)年までの約40年間、同局一筋で仕事に励んだ。
貯金と保険の外務員を中心に、郵便配達員、郵便担当の総務主任を歴任。貯金の勧誘をしていた当時は思いもしなかったが、「貯金が元手で、子どもを大学に出せたよ」と、退職後に言われた利用者の労いがうれしかったと振り返る。
仕事のモットーは、先輩から引き継いだ仕事を次の世代につなげる・スよい継承者・スを目指した。利用者に対しても目線を下げ、「仕事をやってやるではなく、郵便配達をさせてもらう」気持ちで接するなかで、周りに育てられながら仕事をしてきたという。
これからの郵便局について考える。時代の流れで民営化が進むが「今まで通り、お客さまに気軽に安心して利用してもらえる場所であってほしい」と願う。
書道、写真撮影などが趣味。妻と2人暮らし。
伊那市西春近表木。 -
南箕輪村オリジナル年賀はがき発売
南箕輪村は、06年のオリジナル年賀はがきを作成し1日、発売した。南箕輪郵便局と村内の切手取扱い店で購入できる。
村をアピールしようと昨年に続き2年目。「南箕輪村からの仙丈ヶ岳」の写真をはがき右下に掲載した。冬の風景で、山や民家の屋根には白く雪が積もっている。村の美しい風景を撮影した写真の中から選んだ。
2万枚作成。1枚50円。昨年は大芝湖の写真で、完売した。村は「希望者はお早めに」と話している。 -
伊那市青島いきいきサロン
タニシ汁に舌づつみ「うまいもんだよタニシのお汁 尻をつついて口で吸う」とかつては詠われ、今では幻の珍味になっているタニシを味わう集まりが30日、伊那市青島地区であった。
地域の社会福祉協議会(矢島信之会長)が主催した高齢者対象の「いきいきサロン」。供されたのは同地区の農家が採ったタニシ500粒で。だしのきいた味噌汁に、参加者は「昔は良く食べた」「なつかしい」と、つまようじで身を引き出しては吸い取っていた。
矢島さんによれば、40年程前は同地区の田んぼでタニシが良く採れたが、当時は、表土の薄い青島の土地柄から、タニシにはほとんど何も付着せずきれいだった。
近年は農薬などによりタニシはほぼ絶滅し、有機農業を営む小川文昭さんの田んぼなどにだけ棲息しているが、有機農法で土地が肥えているためか藻などが付着したものが多く、今回もタニシ500粒を1つづつ歯ブラシで磨いて用意したという。
タニシ試食会に先立って、伊那市福島在住の地名研究家・松崎岩夫さんが美篶の地名の由来などを講演。「地名は字ではなく音が大切。青島(アオシマ)はもともとは大島(オオシマ)などと呼ばれていたはず。シマは川沿いの村落などを示す」などの話に、参加者は盛んにうなづいたりしていた。