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落ち葉
落ち葉の季節。朝の冷えこみで、金色に輝いたイチョウも、鮮血のような鮮やかな紅葉も潔く葉を落した。木から離れ、自由になった葉は宙にくるくると舞い踊る。そして歩道をからからと走る。時には止まり、集い、また離れ、さまよう。やがて、歩道の端のU字溝に積もる。もう走れない。落ち葉の季節はうら悲しい気分にさせる▼が、木は葉を落とし、丸坊主になっても、冬空に向かって凛と立つ。枝先には冬芽を持ち、春には芽吹く、花も咲かせる、だから潔く葉を落す▼厳しい冬に向かって、しっかりとした冬芽(希望と言い換えてもいい)を持っていないから「うら悲しい」なのだ。小さくても希望の火を見付け燃やせることができれば「冬は楽し」なのだが:(大口国江)
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ハンセン病懇談会
不治の業病として恐れられたハンセン病についての正しい理解を深めてもらおうと県は26日、ハンセン病療養所入所者との懇談会を駒ケ根市の県看護大学で開いた。群馬県の国立療養所栗生楽泉園に入所している元患者の丸山多嘉男さん(79)が偏見や差別の根絶を訴えた=写真。
14歳で発病し、数年後草津の療養所に「強制収容された」という丸山さんは『ライ患者一掃竏窒ワず8名収容』と書かれた当時の新聞を示し「一掃とはごみをはいて捨てることだ。自分たちは人間でなく、ごみと同じ扱いなのか竏窒ニ悔しい思いをした」とこれまでのつらい思いを語った。時折涙で声を詰まらせながら切々と語る丸山さんの体験談に、集まった約10人はうつむきながらじっと耳を傾けていた。
ハンセン病はらい菌による感染症だが感染力は弱く、発病はごくまれ。発病すると皮膚や末梢神経が侵される。かつては不治とされたが、化学療法や投薬などにより治癒する。 -
旧中沢中記念碑移設
市道建設のために今月移転した「中沢中学校之碑」のしゅん工式が26日、中学のあった駒ケ根市の中沢小学校校庭の一角で開かれた。同窓会員ら約30人が集まり、石碑の前で懐かしい校歌を歌って往時をしのんだ=写真。
石碑は1980年に旧中沢中学校校舎が老朽化のため姿を消すのを記念して建てられたが昨年10月、主要地方道駒ケ根長谷線中沢地域バイパス改良工事に伴う市道の取り付け道路のルートに当たることが分かり、移転について同窓会(北原儀平会長)が中心になって話し合いを進めてきた。今月中旬に工事に着手し、東に約7メートル移築する工事を18日までに終えた。県の移転補償費用は約86万円。 -
伊那市でエイズ予防・性教育講演会
エイズ感染者で、来日するたびに各地でエイズ予防を訴える活動をしているブラジル人、ジョゼ・アラウージョ・リマ・フィーリョさんによるエイズ予防・性教育講演会が26日、伊那市民会館であった=写真。在日ブラジル人など約30人が参加。エイズ対策として先進的な取り組みをしてきたブラジル事例を通して、エイズから身を守るための方法や、子どもへの性教育のあり方を学んだ。
市内に住む在日ブラジル人にもエイズや性教育について学んでもらおう竏窒ニ、始めた取り組み。日本人も参加できるよう、日本語の同時通訳もしている。
ジョゼさんは2000年には感染者が150万人になると言われていたブラジルでは(1)治療の無料化(2)匿名での検査の実施(3)感染が進む特定グループでの予防対策竏窒iめ、60万人まで感染者を抑えた実例を紹介。「日本は先進国でありながら唯一エイズ感染者が増えている。私たちは国に対して正しい情報を提供してもらい、性について語り合っていかなければならない」と語った。
また「市内でも匿名かつ無料でエイズ検査が始まっており、気軽に検査に出かけてほしい」と呼びかけた。 -
第31回伊那市勤労青少年ホーム祭
第31回伊那市勤労青少年ホーム祭が25日、同ホームであった。サークル活動や講座受講でホームを利用する約50人が集まり、さまざまな催しを通して交流を深めた。
年に一度開く利用者の交流会。今年は「楽」をテーマに、20近いサークルや講座が参加。会食を交えながら、バンド演奏や各グループの取り組み発表などが行われた。
イベント企画やオリジナルグッズの企画制作をしているグループ「笑龍」は、さまざまなイベントをより楽しくするために開発しているオリジナルフード6種類を発表。
形や見た目はどれも似通っているが、味や触感はこれまでにない新鮮さを追求しており、試食した参加者は「面白い味」「カリカリしていて美味しい」などと話しながら楽しんでいた。 -
おはなしを楽しむつどい「わらべうたで遊ぼう」
おはなしを楽しむつどい「わらべうたで遊ぼう」は25日、箕輪町文化センターであった。親子連れら35人がわらべうたを歌い、一緒に楽しく遊んだ。箕輪町民ら有志によるおなはしを楽しむつどい実行委員会の主催。子ども夢基金助成活動。
福音館書店社外講師として全国で講演活動をしている神奈川県茅ヶ崎在住の荒川薫さんを講師に招いた。
わらべうた「おてぶしてぶし」は、どんぐりが左右どちらの手に入っているかを当てる。皆で歌い、荒川さんが両手をにぎって差し出すと、子ども達が集まって「こっち」と指差し、「おおあたり」と当たると飛び上がって喜んでいた。
「もどろもどろ」「おちゃをのみにきてください」など、参加者皆で輪になって遊んだ。 -
【記者室】ハンセン病を知っていますか
ハンセン病(古くはらい病)についてご存知だろうか。不治の病とされ、病状が進むと皮膚が変形することもあるためか必要以上に恐れられてきた。らい菌によって起こるが感染力は極めて弱く発病はまれ。投薬で完治する▼戦後間もなく強制的に療養所に収容された元患者の話を聞いた。涙で声を詰まらせながら語る言葉から、誤った国の政策により一生を台無しにされた無念の思いがひしひしと伝わってきた▼・ス元・ス患者は今も療養所で暮らしている。「半世紀以上も社会から隔離されてきたんだ。いまさら出てもいいと言われても住む家も家族もない」竏秩B恐ろしいのは病気よりもむしろ無知による偏見や差別だ。ハンセン病に限らず加害者にならないよう心したい。(白鳥文男)
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アルコール依存症研修会
駒ケ根市で精神障害者グループホームを運営するなどの福祉活動をしているNPO法人メンタルサポート駒の杜(松崎澄子理事長)は26日、アルコール依存症について考える研修会を駒ケ根市の県看護大学で開いた。約40人が集まり、三重県立こころの医療センターの臨床心理士杉野健二さんの講演「アルコール依存症とその家族の回復竏虫ゥ己喪失の病からの回復」を聴いた。
杉野さんはアルコール依存症について「体や心の疲れを癒そうとして酒に救いを求めるのはいいが、その依存度が病的に高まるとやがて24時間飲み続けずにいられない状態になる」と説明=写真。その上で治療法について「精神科への入院や通院でたいていは直るのだが、自分で断酒する強い意志がなければ結局は元に戻ってしまう」と話した。 -
伊那市消防音楽隊が消防庁のPRビデオに出演
3市町村合併により新たに発足した、伊那市消防団(田畑安彦団長、1156人)の機能別分団「消防音楽隊」が、総務省消防庁が作成する入団促進のPRビデオに出演することになった。27日夜、市民会館で、同隊の練習風景や団長らのインタビューの撮影があった。
音楽活動を通じて消防団の広報活動を任されている同隊は、特定の機能だけを受け持つ分団として消防団に所属。全国的にこうした形態は珍しいため、伊那市の消防団が同PRビデオに初めて取り上げられることになった。
消防音楽隊は1989年に発足。現在は10縲・0歳代の男女36人が隊員で、消防団の「出初め式」や定期演奏会、福祉施設の訪問などで演奏を披露している。レパートリーにはオリジナル曲「THE SPIRIT OF FIRE」などがある。
撮影では、小林明彦音楽隊長が発足の経緯や消防団への入団の呼び掛けなどインタビューを受けた。田畑団長は「団員として、この地域の安全確保のために啓もう活動を広げてほしい」などとテレビカメラの前で話した。
団関係者によると、PRビデオは今年度中に完成の予定で、全国の市町村などに配られるという。 -
伊那署が犯人逮捕協力者に感謝状
伊那市中央区の県パトロール会社南信支社に務める、警備員の原英之さん(32)=箕輪町松島=に対し、伊那署は28日、建造物侵入の容疑者逮捕に協力したとして、感謝状を贈呈した。
原さんは、2日午前5時ごろ、同市西春近の自動車販売店に盗み目的で侵入し、逃げようとした犯人を「無我夢中」で取り押さえたもの。当時を振り返り「凶器を持っていたらと、怖かった」と語る。
原さんは、同パトロール会社に入社して2年ほど経つが、こういった現場に遭遇したのは初めての経験。「表彰されてうれしい。新たなやりがいとなり、今後の仕事の励みになる」と話していた。 -
新田営農組合収穫祭
宮田村の新田営農組合は26日、設立後初の収穫祭を村文化会館で開いた。多くの家族連れが訪れ、今年の収穫を喜び合った。広場では景気づけにもちつきが行われ、訪れた人たちが代わる代わるきねを振るうたびに周囲から「よいしょ」と威勢のよい掛け声が響いていた=写真。
会場では打ったばかりのそばや、豚汁、わたあめなどが無料で振る舞われたほか、収穫された野菜や果物などが格安で販売されて終日にぎわった。 -
中沢郵便局強盗訓練
「金を出せ」「早くしろ」拳銃やナイフを持った2人組が女性客を人質に取って金を要求竏秩B駒ケ根市の中沢郵便局(林信一局長)で27日、強盗を想定した防犯訓練が行われた。局員らは実際の事件さながらの緊迫感の中で、警察への非常通報や犯人への対応などを落ち着いてそつなくこなしたほか、走り去る逃走車に向けて備え付けのカラーボールを投げつけるなど素早い対処を見せた。
犯人と女性客はいずれも駒ケ根署の署員だが、真に迫った演技に、見学に訪れた上伊那郡内の特定郵便局員ら約30人も息を飲んで見詰めていた。
訓練後の検討会で同署生活安全刑事課の前島昭文係長は「犯人の逮捕には早い通報と正確な情報が大切。万一の際にも犯人の人相や服装などの特徴や逃走車のナンバーをしっかり記憶できるように心掛けてほしい」と呼び掛けた。 -
歴史探訪講演会
駒ケ根市内の赤穂、中沢、東伊那の3公民館でつくる駒ケ根市公民館協議会は25日、ふるさと歴史探訪講演会「天下の糸平と龍水社」を東伊那の駒ケ根シルクミュージアムで開いた。約30人の聴衆が集まり、同館の林典男館長が解説する地元出身の明治の豪商田中平八と、伊那谷の製糸を支えた龍水社についての話に耳を傾けた。
林館長は天下の糸平といわれた田中平八について、史実を基にした多くの資料を示しながら詳しく話した=写真。
田中平八(1834縲・884)は赤穂に生まれ、生糸相場で財をなした豪商。 -
道の駅「花の里いいじま」でもちつき
飯島町七久保の道の駅「花の里いいじま」は26日、利用感謝祭の催しでもちつき体験・試食会を開いた。折り良く立ち寄った観光客らが代わる代わるきねを振るって景気良くもちをついた=写真。もち米は飯島産のもち米「わたぼうし」。つき上がったもちは早速小分けされ、あんこ、きな粉などをまぶして利用者らに無料で振る舞われた。観光の途中で立ち寄ったという名古屋市の女性は「つきたてのもちはおいしい。良い時に来た」と喜んでいた。
体験・試食会は午前11時から1時間ごとに4回行われた。 -
箕輪町・共に活き活き~認め合おう、支えあおう「男と女」~
さわやかパートナーのつどい「共に活き活き」が26日、箕輪町文化センターであった。38歳で主婦から尼僧に転身し、全国各地で講演活動などをしている愛知県良正庵の庵主・小林良正さんを迎え、パートナーへの配慮や感謝を向けることの大切さを学んだ=写真。
小林さんは「和顔愛語縲怩竄ウしい言葉とほほえみ縲怐vを演題に講演。「年をとると『これくらいで分かっているだろう』と思いがちになるが、本当は分かっていないことが多い」と、夫婦関係を指摘。感謝の気持ちをきちんと伝えたり、互いを名前で呼び合うなど、ちょっとした心遣いや言葉を掛け合うことの重要さを示し、「たったこれだけのことで心が丸く収まってくる。『ありがとう』『お願いします』を1日1回でも家族に言えるように努力してほしい」と呼びかけた。 -
伊那市男女共同参画社会づくりをめざす2006伊那市民のつどい
伊那市男女共同参画社会づくりをめざす2006伊那市民のつどいが26日、伊那市役所であった。約300人が参加。職場や家庭においてお互いの人権を尊重し、責任を分かち合える社会の実現について考えた。
今年は、大正・昭和の時代に農村女性の地位向上や平和運動に尽力した佐久市の評論家・丸岡秀子さんの記録映画『丸岡秀子・ひとすじの道竏窒ミとつの真実に生きて』を上映。その後、丸岡さんの考えを引き継ぎ、自身の旅館で「佐久しあわせ教室」を開き、女性たちの悩み相談に乗ってきた佐々木都さんによるトークセッションを開いた。
佐々木さんは「当初は駆け込み寺的存在として女性が相談に来ることが多かったが、男女共同参画の影響もあり女性の帰りを待つ男性の苦情を聞くことも出てきた」などと、社会の変化を説明。会場からは「男女共同参画には賛成だが、夫婦が共働きできる環境を整えることが先ではないか」と、子育てと共働きを両立することの難しさを訴える声もあったが、佐々木さんは「難しい問題だが、今は夫婦がきちんと話し合って解決するしかないと思う。思っているだけではなく、『行う』ことが重要」とし、実践を重視した丸岡さんの考えを示した。
また、男女共同参画をテーマとした川柳の入選者の表彰式も行った。
川柳の入選者は次のみなさん。
◇最優秀賞=小松利江
◇優秀賞=池田悦子、唐沢敬子、橋爪増美
◇入選=小笠原延子、茅原泰子、唐木恵美子、竹中則子、田中弥生子、中村勝美
丸岡さんの教え「行うこと」の重要さを訴える佐々木さん -
叙勲受章報告
秋の叙勲で旭日双光章を受章したアルプス中央信用金庫理事長渋谷敦士さん(73)=駒ケ根市赤穂市場割(金融業功労)と元上伊那歯科医師会会長の歯科医春日衛さん(77)=駒ケ根市北町(保健衛生功労)=が23日、駒ケ根市役所を訪れ、中原正純市長らに受賞を報告した=写真。2人は「大変名誉なこと。地域の皆さんのおかげ」と異口同音に喜びを語った。中原市長は「長年にわたる大変な努力にあらためて敬意を表する。これからのさらなる活躍を祈る」と祝いを述べた。
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子ども会議で環境問題を考える
伊那市の第19回川シンポジウム「環境子ども会議」(実行委員会主催、伊那毎日新聞社など後援)が25日、市役所であった。小学生ら約40人が参加。環境保全活動の報告や「環境子ども議会」などを通じ、環境を守っていくためにどうしたらいいかを考えた。
子ども議会は議場で開かれ、小学生代表12人が風力発電事業、砂防ダムの必要性、クマ出没にかかわる森林整備などの考え方を質問。
伊那小6年智組の宮島裕太君は、入笠山周辺に計画されている風力発電事業について「伊那谷の風景は貴重な財産。施設ができると、景色が壊され、山の動物たちは住みかを追われるかもしれない」と尋ねた。
小坂市長は「賛否両論あり、市議会でそれぞれ陳情を受けている。12月定例会で結論が出ると思う。地球環境にやさしいエネルギーとして有効であるが、景観、音、動物への影響など検討しなければならない。議会や市民の意見を聞き、決定していきたい」と答えた。
そのあと、参加者全員で▽電気や水を無駄づかいしない▽身近な生き物を大切にする竏窒ネど4点を誓った。
また、桜の治療に当たる伊那小6年勇組、カヌー遊びや土石流調査に取り組む伊那小6年智組が写真などを交え、活動を報告した。 -
南信州木の情報館で第1回クラフトin南信州
木や木工製品に関するさまざまな情報が集まる伊那市美篶下県の「南信州木の情報館」で25日、「第1回クラフトin南信州」と題したクラフト市があった。屋外会場には木工やガラス、陶芸などのブースや、農産物直売ブースが並んだほか、KOA森林塾の元塾長・保科孫恵さんによる講演会も催され、訪れた人を楽しませた=写真。
県伊那技術専門校のOBでつくる「南信州木の会」が今年9月にオープンした同館は、木に関する情報や木工家具などを一堂に集め、国産材の良さをアピールしたり職人を消費者をダイレクトにつなぐことを目的とした情報館。より多くの人にこの館を知ってもらおう竏窒ニ、今回初めてクラフト市を企画した。
体験コーナーでは、クリスマス用の木工クラフトやオリジナルリース作りを実施。おしるこやキムチ漬けの無料配布もあり、来場者は体を温めていた。
木の会の一人、木村深幸さんは「木の面白さや作ることの喜びを自分で体験できる機会。地元の木材を使っていることも知ってほしい」と、多くの来場を呼びかけていた。
クラフト市は26日の午前10時縲恁゚後3時にも開かれる。午前10時からは、信州大学農学部の竹田謙一助手が「山が荒れてクマとシカが異常出没?」をテーマに講演する。 -
【記者室】菜の花プロジェクト
菜の花で放射能汚染地を再生する-。チェルノブイリ原発事故の被災者支援をしてきたNPOが、放射能汚染地ナロジチ地区再生のため「菜の花プロジェクト」に取り組む▼報告会の説明によるとプロジェクトは、菜の花栽培で土壌中の放射能を吸収、菜種からバイオディーゼル燃料の精製、葉・茎・根から熱源のメタンガスを精製する。食品による体内被爆の連鎖を断ち、エネルギーの自給自足で貧困からの脱出と自立の道をつくる。来年4月から5カ年計画で実験し、現地の大学も協力する▼ナロジチでは日本人の800倍の体内放射能で病気が続発している。研究室データはあるが、実際の汚染地で菜の花の栽培例はなく初の試み。人々を救う道になってほしい。(村上裕子)
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北村西望氏の作品展 ベル伊那
長崎平和祈念像の作者の故・北村西望氏の作品展は28日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている。ブロンズ像や肉質の書など約30点を展示販売している=写真。
「熊谷次郎直実」「将軍の孫」「いかるがの王子」などの有名作品の約30センチサイズのブロンズ像を出品。関係者は「日本彫刻界の1、2を争そう大先生の貴重な展示会」と話している。
北村氏の作品展のほか、来年の干支(えと)・イノシシをモチーフとしたブロンズなどの像も販売。有名作家3人が手掛けた、個性豊かな約40点が並んでいる。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
大木に成長したユズと雨平あやさん
##(見出し(1))
そのうち1面へ、北限の柚子(ユズ)たわわに
##(見出し(2))
中川村桑原の雨平正国さん宅のユズ=ミカン科=が黄色に色づき、収穫の時期を迎えた。
自宅の南側、北風が当らない土手に植えられたユズ(ミカン科)は、樹高5メートル余、樹齢50年余、幹の太さは直径約30センチ。表面に凹凸のあるピンポン玉大から直径7センチほどの実が5百個以上なっている。
正国さんのお母さん、あやさんが1953年に、飯田市上郷の親せきから長さ30センチほどの実生苗をもらい、大切に育てた。植えてから8年目頃から、春、可れんな白い花が咲き、実が2、3個なり始めたという。
ユズは砂糖漬けやナマス、ユズみそ、冬至にはユズ湯を楽しむとか。
雨平あやさんは「桑原は標高は700メートルと高く、ユズは育たないと思っていたが、割合、暖かくどんどん大きくなった」と話していた。 -
県文で第13回美鈴工房パッチワークキルト作品展
南箕輪村、伊那市、箕輪町、辰野町にある美鈴工房キルト教室(磯千恵子代表)で学ぶ受講者による「パッチワークキルト作品展」が26日まで、伊那市の県伊那文化会館で開かれている。大作のタペストリーや日常生活の中で使えるバッグなど約100点が、訪れた人を楽しませている=写真。
1年半置きに開く作品展で13回目。受講者が1年ほどかけて準備してきた2メートル近い大作が多数並んでいる。家族が着古した古着やタンスの中で眠っていた着物を使った作品も多く、細部までしっかりとキルティングされた作品の数々を、食い入るように観察する人もいた。
磯代表は「どれも人の手が作った作品。ぜひ、多くの人に挑戦してもらいたい」と話していた。
午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。入場無料。
25、26日は、屋外での生地の即売会やバッグ講習会なども催される予定。即売会は午前11時縲恁゚後2時。講習会は25日が午後1時から、26日が午前10時から。 -
伊那市・赤木公民館で初文化祭 女性団体が主催
伊那市西春近の赤木地区で初の文化祭が25日、赤木公民館であった。地区の女性団体3団体が立ち上げた企画で、区と公民館が後援。木彫や盆栽、絵画などに取り組む地域住民の作品を並べ、それぞれの個性を来場者と共に眺めた=写真。
作品を通じて隣近所の人を理解し、地区のつながりを強めようと開いた文化祭。中学生男子から91歳の女性までの約80人が一人数点ずつ出品した、計200点以上の力作が会場を埋め尽した。
ステンドランプ、絵手紙、水墨画、ちぎり絵、レザークラフトなど幅広いジャンルの作品ばかり。中には中学生が1枚の紙を切らずに百回以上折り重ねて作った折り紙などもあった。
田中節区長は「地域活性化のベースになる企画。女性の皆さんの地域興しの意識の高さに関心した」と感想。女性団体の関係者の小平久子さん(69)は「皆さんが喜んでくれてうれしい。今後も継続していきたい」と話していた。 -
かんてんぱぱで第11回書晋会展
第11回書晋会が26日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。作風も流派も異なる多彩な作品約50点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
上伊那書道協会に所属する伊那市在住者14人の作品展。今年は一人が3縲・点の作品を出品しており、大作の中には展覧会に出したものなどもある。作者の顔が分かるよう、作品の横には顔写真を添えた。
李白や杜甫の漢詩や、井上井月の句などを扱った作品から、あまりなじみのない人でも親しめるような柔らかな作品までさまざま。額装や軸装だけでなく、扇子や木片に書いた作品もある。
出展者の一人、泉石心さんは「それぞれがスタイル持ち、弟子に教えるレベルの書道家。流派を超えたさまざまな作品が楽しめる作品展」と話していた。
入場無料。午前9時半縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。 -
上新山に木製えん堤を設置
伊那市富県上新山の湧(ゆう)水路に23日、木製えん堤1基を設けた。04年度から数えて3基目で、土砂流出の防止などを図る。
えん堤は大雨の際、土砂や流木を留め、木の間から水が流れる仕組み。以前は大雨が降ると、農業用水路に土砂がたまり、いざらいに労力を使っていたが、木製のえん堤を設けたところ、9割の土砂をせき止める効果があったという。周辺はザゼンソウやミズバショウの群生地で、保護・育成も兼ねている。事業費は65万円(うちコモンズ支援金約23万円)。
作業には、新山土地改良区や新山山野草等保護育成委員会のメンバー、県・市職員約40人が参加。
えん堤は、昨年のえん堤から下流約10メートルに設置。カラマツやヒノキ、クリなど地元産(民有林)の間伐材を使い、長さ2メートルに切りそろえた間伐材を川幅4メートルのU字型の湧水路に一段ずつ積み上げた。針金で固定し、高さ2・5メートルの土留めを築いた。
地域住民は「一帯を散策できる環境になれば」と期待した。
また、ハッチョウトンボが生息する「トンボの楽園」周辺の草刈りもした。 -
箕輪町
ぷち・らぱん代表
戸田真理子さん夫の両親が暮らす箕輪町に今年7月、夫より一足早く、東京から引っ越してきた。「雑貨の店をやったら」との夫の言葉で起業を決意。「かわいい大人のためのうるおい雑貨」をコンセプトに中心商店街に店を構え、新たなスタートを切った。
店名は仏語で小さいウサギの意。子どもが一文字ずつ読めるよう平仮名にした。店にはフランスとベトナムの品、今まで使ったブランドなど自分の好きなものを置こうと考えた。なくてもいいけど、あれば生活がうるおう。そんな「うるおい雑貨」をそろえた。
オープンから2カ月。若い世代が店を探して訪れる。「おかげさまで毎日忙しい。皆さんゆっくり見てくださって、居心地がいいのかなと本当にうれしい」と微笑んだ。
東京では、接客マニュアルを作り指導する仕事をしていた。仕事を辞める前の1、2年はホスピタリティーも学び指導していたが、実際の接客は初。「接客の基本は、心から来ていただいたことに感謝すること。自分が教えていたことは間違っていなかった」と実感した。
ターゲットは20歳代後半から30歳代。東京のイメージは、30歳代で結婚し35歳で2、3歳の子がいる。しかしここでは「こんなに若い人がいると思わなかった」と驚いたほど若い世代、小さな子ども連れが多いという。
店内は1軒の家をイメージしキッチン、クローゼット、勉強部屋などテーマを持たせたディスプレイだが、客層を見て、お母さんの買い物中に子どもが遊んで待てるコーナーも新たに作った。定休日もディスプレイを変えたり、半受注の棚を作ったりと忙しい毎日を送っている。
もともと雑貨が好きで、お気に入りはアメリカのスーパーで買ったポパイの缶詰。ホーローは15年も愛用している。パリを訪れるときも、わざわざアパートに泊まり、例えばヨーグルトなどかわいいパッケージのものを買い、中身を食べて容器を持ち帰る。
料理好きで、台所用品はかわいいものが欲しいと、特に布きんは色柄がきれいなフランスものにこだわる。「ちょっとした贅沢。小市民なんですけどね」と、トイレットペーパーも柄物を使う。
購入するばかりでなく、身近にあるビンに手を加えるなど、型にはまらず自由な発想で雑貨を生活に取り入れている。
勤めていたころは、「雑貨屋さんを見てまわるのが息抜きだった」。買ってはみたものの家に帰ったらサイズが合わないなど、買い物で失敗したこともある。「一度家に帰って考えて」。自身の経験からのアドバイスだ。
箕輪での生活も4カ月が過ぎた。「本1冊買うにも手に入らないなど、あまりにも地方と東京の違いを感じた。だから、私の店に雑貨が好きで集まってくれる人には、ここに来ればあるというふうにしてさしあげたい」。商売よりも友達づくりを考えて始めた店。「皆さんがとても温かい。無理しないで、ずっと長くやっていけたら」。
ハンドメイド作品を展示する店内の無料貸出テーブルをきっかけに、人が集まる試みとして、12月にハンドメイドフェスタを計画している。(村上裕子) -
伊那市高遠町藤沢で「はつらつ藤友教室」
伊那市高遠町で、藤沢地区在住の一人暮らしの高齢者を対象にした「はつらつ藤友教室」が開かれている。健康体操や調理実習などを通して、認知症や体力低下などの予防につなげている。
藤沢地区の高齢化率は高遠町では最も高い約45%(昨年度)で、一人暮らしも多い。高遠町総合支所は町内数カ所で高齢者の介護予防教室を展開しているが、藤沢地区は、70歳から85歳の一人暮らしの高齢者を対象にした。
該当する37人に参加を呼びかけ、14人が登録。10月から12月まで週1回ずつ、全12回を予定している。栄養バランスがとれた献立で一人でも簡単に作れる料理の実習、全身を使った転倒予防の健康体操、演奏や歌を歌った音楽療法の体験のほか、消費生活についての講習も受ける。
お年寄りたちは和気合い合いと楽しい時間を過ごしている。教室最高齢者の83歳の女性は「みんなでわいわいやって、笑ってる。いろんなことも体験できるから、毎週楽しみにしているんですよ」と笑顔で話していた。 -
県長寿社会開発センター上伊那「賛助会員の集い」開催
県長寿社会開発センター上伊那地区賛助会(高橋大八会長)の「賛助会員の集い」が22日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。会内の各グループによる実践発表や作品展示など、日ごろの活動を紹介し合って、交友を深めた。
会は県老人大学の卒業生を中心に約600人で構成。俳句や短歌、書道、手芸など文化活動や、マレットゴルフやペタンクなどスポーツなど34グループあり、生涯学習活動を展開している。全体でも、料理教室やスポーツ交流などを通して年数回、会員が集まって親ぼくを深めている。
「賛助会員の集い」は会員の資質向上を図る目的で毎年1回開く。各グループの展示発表によって、会の活動を広く一般に知ってもらう機会にもしている。
実践発表は、2グループが詩吟や童謡・唱歌を披露。記念講演は、辰野町の手話ダンスパフォーマー・深澤美和さんが「あなたも歌が見えますか」と題して、手話ダンスを交えながら話した。会場には、会員のさまざまな力品を飾り、日ごろの成果を披露した。
高橋会長は「会員の高齢化伴って、活動を取り巻く環境は年々厳しくなっている。高齢者の気持ちがわかるのは地域の高齢者であり、互いに助け合って、幸せづくりをしていきたい」と話した。 -
伊那小5年剛組 通り町商店街に草木染めのれん
伊那市の通り町商店街の活性化に向けて活動する、伊那小学校5年剛組(大沼聡教諭、31人)は、同商店街に草木染めした手作りのれんを飾った。黄色や紫色の優しい色合いに染まったのれんを見て、買い物客らも和んでいる。飾り付けは12月中旬まで。
通り町一丁目を中心とした約100メートル間に26枚を飾った。家庭科の授業で作った幅80センチ、長さ90センチののれんを、マリーゴールドの花やタマネギの皮などで草木染め。自分たちで染め方を調べ、地元の呉服店の協力で作業を進めた。
剛組は、4年生の時から総合学習でさまざまな取り組みを始めた。これまでに、花のプランターや手作り木製ベンチなどを設置したり、地域住民にアンケート調査をしたりして活性化を目指してきた。
商店街の店主らは「剛組の取り組みに感謝している。お客さんも興味を持って見てくれている。子どもたちの思いがうれしい」と話している。