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中電ギャラリー閉鎖
長年にわたって市民のギャラリーとして親しまれてきた伊那市中央の中部電力伊那営業所「ふれあいギャラリー」は4日を最後に閉鎖する。
同営業所によると閉鎖の理由は、中部電力の組織改編により6月30日で廃止された駒ケ根サービスステーションの機能を伊那営業所に統合することから、業務スペースの拡張が必要になったためという。
95年4月のオープン以来、13年間にわたって延べ230回の展示会を開いてきたが、同社の社内事情により、惜しまれながら姿を消すことになる。
ギャラリー創設について相談を受け、同会場でも個展を計16回開いてきた洋画家の須澤重雄さん(72)=伊那市中央=は「地域の文化振興に大きく貢献してきたのに、閉鎖とは非常に残念。場所も大きさも手ごろで、とても良い会場だった。展示会の開催を通じて地元の作家やたくさんのグループ、サークルの活動を盛んにしてきた功績も大きい。今は長年の活動に感謝したい」と話している。 -
向山和秋洋画展展
箕輪町の洋画家向山和秋さん(59)は第2回油彩画展「天女たちの競艶」を4日まで伊那市中央の中部電力伊那営業所ギャラリー「ふれあい」で開いている。女性や風景を大胆な筆致で描いた作品20点が展示されている。
フィギュアスケートの女性選手の姿を描いた『ビールマン・スピン』『飛天』など女性をテーマにした作品と、『天上の地平線』『師弟』など、山や海などの自然をテーマにした作品が並ぶ。いずれも力強い色彩と大胆な構図が特徴的で、迫力ある作品に仕上がっている。
50歳から油彩を学び、昨年は風景画展を開いた向山さんは「最近は風景画より女性の美しさを素直に表現できたらと心を凝らしている。自分の頭の思考とは別に、右腕が勝手に動き出す妙を自分で堪能している」という。
入場無料。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
生産者交え保護者が給食試食
宮田村宮田小学校PTA父親母親委員会は今年度、保護者対象に給食試食会を開いている。自校で調理する村の学校給食の良さにふれながら、農産物を食材として提供する村内の生産者とも交流。「子どもたちのために」と取り組む現場の姿に理解を深めつつ、家庭の・ス食育・スを見直す機会にもしている。
試食会は昨年度から始めたが、今年度は生産者との会食を初めて盛り込んだ。27日には2、3年生の保護者が対象で、調理や子どもたちの配膳の様子なども見学した。
学校栄養士の滝澤きぬゑさんと、生産者でつくる「学校給食を育てる会」の吉澤小百合さん、有賀絹代さん、小田切靖子さんを交えて試食。
滝沢さんは栄養バランスに配慮して給食献立を考えていると説明し「家庭でも子どもたちの成長を心がけて食事をつくって」と呼びかけた。
吉澤さん、有賀さん、小田切さんは、食材提供に限らず児童と農産物の栽培も通じて交流を深めていると紹介し「喜んでくれる子どもたちの顔が忘れられない。それがパワーになります」と話した。
試食を終えた母親のひとりは「家でできない部分を給食でカバーしてくれている」と感想も。同委員会の平澤澄子委員長は「家庭に帰ってからも、親子の共通の話題として食事を考えてもらえれば」と話した。 -
英伸三写真展
写真家英伸三(はなぶさ・しんぞう)さんの写真展「農村に何が起こったか竏注。振り返る昭和」が6日まで、伊那市の伊那市立伊那図書館広域情報コーナーで開かれている。1960年代に撮影に訪れた伊那市や駒ケ根市の農村部で、押し寄せた工業化の波と農業のはざまで翻ろうされながら生きる農民の姿をとらえた作品など26点を展示している。
初日の28日には英さんが同館を訪れて「語る会」を開き、展示作品を撮影した当時の時代背景や思いなどを語った。英さんは「農家の主婦らが、改造した畜舎や納屋で時代の最先端のエレクトロニクス部品を作っている『農村電子工業』の光景は興味を引かれるものだった。農業の片手間に始めたはずの仕事なのに、ノルマに追いかけられて本業の時間がなくなるなど、高度成長時代ならではの社会のひずみを感じた」などと話した。
入場無料。問い合わせは同館(TEL73・2222)へ。 -
伊那北高まちづくりワークショップ
伊那北高校のイベントプランニング部(平沢崇佳部長)はペン祭開催中の28日、最寄駅であるJR伊那北駅前の再構築について考える「まちづくりワークショップ」を同校の同窓会館で開いた。部員の生徒約10人のほか、駅周辺の商店主などでつくる山寺活性化協議会(矢野昌史理事長)の役員、近くの伊那小学校5年夏組(浦野孝文教諭、33人)の児童など約60人が参加し、魅力ある駅前にするためのアイデアを出し合った。
参加者は6グループに分かれて討論し、それぞれ結果を発表。「誰でも休めるようなベンチやパーゴラを置きたい」「美しい花壇を作りたい」「にぎやかになるように店やフリーマーケットが欲しい」などのほか、「池に噴水を造る」「バッティングセンターを作る」などのユニークなアイデアもあった。
ワークショップは今年あと3回の開催を予定している。平沢部長は「ワークショップで出た意見は案としてまとめ、今年中に市に要望していきたい」と話している。
夏組の児童は、総合的な学習の一環で昨年から駅前広場の清掃などに自主的に取り組み、今年は山寺活性化協議会とともに樹木の整備や花壇設置などを行った。 -
クラス一丸けん玉で全国目指して、宮田小6年1組
宮田村宮田小学校6年1組は29日、上田市で開かれる全国少年少女けん玉道選手権大会甲信越北陸ブロック予選に出場する。全国大会の出場権獲得を目指し、目標は優勝。日々の練習の成果は着実に力となって備わってきており、本番に向けて集中力も高めている。
5年生の時からクラス全員で始めたけん玉。全国につながる今回の大会は、遠方のために全員出場は叶わなかったが、28人中17人の児童が挑戦する。
総合学習の時間を主に使って練習を続け、27日は本番さながらの対戦形式。
大会に出場する、しないに関わらずいつも通りに全員で励み、6年1組一丸となって優勝しようと意欲を燃やした。
全国大会は各ブロックの男女個人戦。優勝者のみが出場を許される狭き門だが、担任の三澤稔教諭は「みんなが優勝を狙えるレベルにある。あとは精神力。大会を楽しむことができれば結果はついてくると思う」と期待を寄せる。 -
上伊那農高生が造園技能検定3級試験を受験
南箕輪村の上伊那農業高校中の原農場で28、29日、造園技能検定3級試験があった。同高緑地工学科緑地コース3年生18人らが受験し、竹垣などを設けた庭を造る作業試験や樹木鑑定などの実技試験で、日ごろの学習成果を披露した。
試験は厚生労働省が認定する国家検定。造園は3級から1級まであり、造園関係業者や造園を学ぶ専門高校生らが受験するという。同高での試験は2002年から7回目で、毎年、緑地工学科緑地コースの3年生が授業の一環で参加している。
作業試験は、標準時間2時間の中で縦1・5メートル、横2メートルの庭に竹垣や敷石の設置、サツキ、ヤブランの植栽をする内容。上農生たちは検定に向け、2年生の後半から竹垣などをロープで結ぶための独特の結び方を学ぶと3年生から実技の練習を始めてきた。授業には上伊那造園組合員の協力もあったという。
3級試験の県内会場は同高のほか、須坂園芸高、丸子修学館高であり、7月27日には松本合同庁舎で学科試験を行う。関係者によると、上農生の合格率は毎年高い水準を維持しているという。
造園技能検定3級の試験を受ける上伊那農業高校の受験生たち -
経塚保育園がふるさとの家で親子クッキング
親子で伝統食づくりを体験しよう竏窒ニ、駒ケ根市経塚保育園(小出ちせ子園長)の年長園児とその保護者が26日、東伊那の農林業体験施設「ふるさとの家」を訪れ、地元の女性たちに習いながら五平もち作りに挑戦した。
食育への取り組みとして駒ケ根市の各園では「親子クッキング」を開き、親子一緒に食への理解を深める機会を設けている。今回の五平もちづくりもその一環。今年は伝統の食について学ぼうと初めて「ふるさとの家」で開いた。
親子はご飯をすり鉢でつぶしてもちを作った後、クルミみそ作りへ。
「同じ分量で作ったのに味が違う」「不思議だね」と話しながら、各みその味見を楽しんだ。
有沢拓己君(6)の母親・紀子さん(36)は「家でもたまに作るが、こんなに本格的に作ったことはない。子どもと一緒に作れるのは楽しいし、家でもぜひやってみたい」と話していた。 -
伊那養護学校寄宿舎と木曽青峰高校相撲部が大相撲交流会
伊那市西箕輪の伊那養護学校の寄宿舎で23日、木曽青峰高校相撲部との大相撲交流会があった。小学部から高等部までの児童、生徒が相撲部員との対戦を楽しんだ。
寄宿舎の余暇企画第2回「この指とまれ」で交流会を実施。同校に以前に勤務していた教諭が木曽青峰高校相撲部を指導している縁で交流が始まり今年で5年目。男子選手4人と女子マネージャー4人が訪れた。
体育館に作った土俵で、寄宿舎の児童生徒49人のうち希望者が対戦に臨んだ。小学部の児童が大きな体の相撲部員にぶつかったり、懸命に押し出そうとしても相撲部員がびくともしなかったり。児童生徒は大きな声援を送って楽しんだ。
部員を投げ飛ばそうと果敢に攻めた高等部3年の男子生徒は、長い取り組みの末、見事に上手投げを決めた。「相手は動かなくて押すのが大変だった。初めての相撲交流だったけどおもしろかった」と息を切らしながらも笑顔で話した。 -
食育懇話会が学校給食の人気メニューで親子料理教室を開催
給食で食べているメニューを親子で作ってもらおう竏窒ニ駒ケ根市の食育懇話会「子どもたちの食育部会」は20日、第1回親子料理教室を中沢公民館で開いた。中沢小学校に通う小学1年生から4年生までの親子6組が参加。栄養バランスが整ったユニークで楽しいメニュー5品に挑戦し、その味を楽しんだ。
生涯教育関係者、学校関係者、食改、生産者など、子どもの食に携わるメンバーでつくる同会は本年度、料理づくりを通して親子のコミュニケーションを図りながら食への理解を深めてもらおう竏窒ニ、親子料理教室を企画。第1回は中沢小学校の児童親子を対象に参加を呼びかけた。
この日は、シシャモをシソの葉とギョウザの皮で包んだ「シシャモのパリパリ揚げ」をはじめ、油揚げが入った「こぎつねごはん」「かっぱすいとん」など、給食でも人気のあるメニューが登場。
親子は協力しながら料理作りに励み、会話を楽しんでいた。
1年生の山口武流君(6)とともに参加した母親の照美さん(33)=中沢菅沼=は「親子で料理ができる良い機会になると思い参加した。今日覚えたメニューは、家でまた一緒につくりたい」と話していた。 -
松島保育園児が地震体験車で地震体験
箕輪町松島保育園の園児らが19日、地震体験車に乗った。同園の駐車場に止った同車両に乗ったのは年長園児60人。防災頭巾をかぶり、震度6強の地震を体験した。
同地震体験車はそれまで18年間使用してきたものに替わり県が新しく導入したもので、今年2月に県庁で発進式があった。新潟県中越沖地震や阪神淡路大震災など、実際に発生した地震のほか、東海地震など発生が想定されている地震の再現が可能になっている。
園児たちが体験したのは能登半島地震(07年3月)と長野県西部地震(84年9月)。
順番を待っている園児は、激しくゆれる地震体験車を見て「恐い」と震える子もいれば「電車みたい」とわくわくと待つ子もいた。
実際に乗ると、園児たちは激しい揺れにしっかりと手すりにつかまり、揺れが収まるのをじっと待った。
「恐かった」「すごかった」と地震体験車から降りた園児の感想。
地震体験車による地震体験は箕輪町内のほかの園でも予定している。
同地震体験車は30日、ジャスコ箕輪店北側駐車場に午後1時半縲・時駐車し、誰でも同車両による地震体験ができる。 -
中学校の通学区一部変更、「来年度からは時期尚早」。赤穂東小PTAの声多く
駒ケ根市教育委員会が来年度から中学校通学区の一部変更をしようとしているのを受け、赤穂東小学校のPTA(三枝徳夫会長)は21日、保護者の意見を集約するための話し合いを開いた。約40人が参加。市教委が来年度から通学区変更をしようとしていることについては「流れとしては『行く』という話で進むとしても、もう少し親にも子にも考える時間をもらいたい」とし、時期尚早を主張する声も多かった。
この日、参加した保護者の意見で多かったのは「通学路となる道路の安全性が確保されていない」という不安や、「実施時期が来年4月というのは早い」とする声。
中には「市教委は10年間検討してきたというが、その間、変更に伴なって通学路となる道の安全確保対策には取り組んない。真剣さが感じられない」とし、通学路の安全性が確保されるまでは希望者のみが東中に通うようにするべきという意見も出た。
また、通学区の一部変更は当該校のみの問題となっている現状に触れ「赤穂中のマンモス化を抑制したいということも通学区変更の狙いの一つなら、赤穂小、赤穂南小も含め、調整をしていくべき。これは全市的問題」とする声もあった。
三枝会長は「今回の意見は集約し、次回の委員会で報告したい」とした。
通学区の一部変更に関しては先月27日、区長や各校のPTA、小学校関係者で構成する委員会が発足。その中で市教委は具体的なシュミレーションを提示し、次回までに各組織ごと意見集約をして持ち寄ることになっていた。しかし、今回の赤穂東小の話し合いでは市教委への不満が先行し、シュミレーションに関する意見を得るまで至らなかった。 -
伊那北小学童クラブで華道楽しむ
伊那市の伊那北小学校学童クラブの女子児童が毎月、文化庁委嘱事業「伝統文化こども教室」で華道に親しんでいる。
池坊いけばな教授の野溝淳子さん=東春近=が06年にボランティアで教え始め、07年からは「伝統文化こども教室」として指導している。
児童が37人と多いため学年別に2グループに分け、それぞれ月1回学ぶ。花材の説明を聞いたあと、1、2年生はオアシス、3年生は剣山と花器を使って自由に生ける。最後に野溝さんが手直しをし、生けた花は各自が家に持ち帰る。
1年生のときから続けている現3年生は、「自分のお花が出来上がるのが楽しい。家でも、きれいだねとほめてくれる」「家でアスパラを生けたこともある。楽しい」と伝統の華道を楽しんでいる。
野溝さんは、「礼儀作法や言葉など、花を通して何かを学んでほしい」という。夏休みには陶芸で花器作りをし、手作り花器にも生ける。昨年は音楽会で児童の生けた花を飾り、会場に彩りを添えた。今年は7月ころに学校に飾り、学びの成果を披露したいと計画している。 -
【伊那フィルハーモニー交響楽団団長 北沢理光さん】
高校時代は甲子園を目指して野球一筋に打ち込んでいたが、3年の夏に引退。就職に備えて上伊那図書館で勉強していると、講堂から伊那市民合唱団(現伊那混声合唱団)の美しい歌声が聞こえてきた。もともと音楽は好きだったが「野球ばかりで、ほかのことは目に入らなかった。でもその時に、音楽っていいもんだな、と思ってね。やってみたくてすぐに入団した」。
就職後は精密機械のエンジニアとして世界を忙しく飛び回った。30歳代後半のある日、手に取った新聞で、県の南部にも県民文化会館ができそうだ、と知り「ぜひとも伊那に文化の拠点を持ってこなくては」と強い思いにかられ、誘致活動に飛び込んだ。署名を集めたり市議会に陳情したりしたが、もっと強力なアピールはないかと考えた末に思い浮かんだのが、仕事で訪れたドイツの田舎町の風景だった。
「小さな町なのにちゃんとしたオーケストラがあって、子どもからお年寄りまでみんなが音楽を身近なものとして楽しんでいた。そうだ、伊那にもオーケストラをつくろう竏窒ニ思い立ったんだ」
見通しはまったくなかったが、持ち前の敢闘精神で「とにかく動き始めよう」と募集開始。ポスターなどで「未経験者でも歓迎」と呼び掛けたところ、60人ほど集まることは集まったが…。
「一番重要な弦楽器経験者がね、バイオリンただ1人だった。クラリネットやトランペット、サックスなどの吹奏楽経験者はともかく、ハーモニカや尺八の人もいたくらいだ。今じゃ笑い話だが、当時の伊那ではオーケストラがどんなものかさえ、あまり知られていなかったんだよ」
「こりゃ無理だ」「いっそ吹奏楽団にしたら」などの声もあったが、そんなこと言わずにみんなで頑張ろう竏窒ニ衆議一決。曲がりなりにもオーケストラとしての活動がスタートした。
とはいっても、弦楽器がなければオーケストラの体を成さない。メンバーそれぞれがバイオリン、ビオラ、チェロと担当を決めて各自で楽器を買い、鈴木メソードの教室に通うなどして基礎からの練習に取り組んだ。弦楽器未経験ではあっても、そこは下地のある人の集まり。楽器に慣れるにつれ、次第に音が整ってきた。
発足からわずか1年後の86年、第1回定期演奏会を伊那市民会館で開いた。曲はベートーベンの交響曲『運命』など。自身も「いい年になって始めるには難し過ぎた」というバイオリンを手にステージに登場した。
「バイオリンは結構人数がいたから、自分一人くらい難しいところが弾けなくても何とかなると思ってやった。懸命に弾いたけど、きっと変な音を出していたんだろうね」
伊那で初めての市民オーケストラの演奏を聴こうと詰め掛けた超満員の聴衆からは、割れんばかりの温かい拍手が送られた。
こうした涙ぐましいほどの努力が実り、文化会館の誘致は首尾よく成功。88年の開館時には、こけら落としの晴れのステージを務めた。曲はベートーベンの交響曲第9番『合唱付き』。これ以上ない最高の舞台で・ス歓びの歌・スを奏でた。
◇ ◇
ここまでくればもう何でもできる竏窒ニ「いな少年少女合唱団」や、60歳以上の女性による合唱団「ザ・シワクチャーズ伊那」などの結成にもかかわった。
「次は伊那初の市民オペラをやりたい。5年後ぐらいが目標。ソリストは呼んで来るけど、オーケストラと合唱団はもちろん伊那の自前だね。故高木東六先生作曲の『春香』がいいんじゃないかな」
現在は伊那市生涯学習センターのコーディネーターとして、さまざまな音楽文化の発信に取り組んでいる。
「自分が演奏して楽しむより、音楽文化の裾野を広げるような活動をしたいから、とてもありがたい仕事だね。生活の中にいつも音楽がある、そんな伊那になるための手助けができればうれしい。あのドイツの小さな町のようにね」
(白鳥文男) -
南箕輪村保育料審議委員会 保育料改定の答申
南箕輪村保育料審議委員会(北條明委員長、11人)は20日、唐木一直村長に対し、保育料改定の答申をした。07年度税制改正により、所得税から住民税に税源委譲したことで保育料階層区分の変更が必要となった。答申は階層区分を決める定義変更のみ。改正期日は7月1日から。
村住民福祉課によると、税源委譲により所得税額は約半分となった。村の階層区分は5階層以上が前年度の所得税額に応じて階層を決めているため、今回の答申で5階層以上の区分で所得税額の定義変更があった。
村は同委員会に対し、引き続き、8月1日から改正実施する08年度の保育料についての検討を諮問。村としては、低所得者階層の保育料が他市町村と比べて割高となっている現状の見直しを考えている。
唐木村長に答申書を手渡す北條委員長 -
南箕輪の保育園保護者ら聴講 運動あそび講演会
南箕輪村と村保育園連合保護者会は21日、村民センターで「運動あそび」講演会を開いた。保護者約70人が出席。村が保育現場に2年前から取り入れている運動援助プログラム「運動あそび」を開発した松本短期大学の柳沢秋孝教授=写真=が運動支援と現状、課題について話した。
幼稚園や保育園の現場で約30年間、運動指導してきた柳沢教授は、現代の子どもの運動量の低下について指摘。人間は10歳までに全身的な神経配列を終えるとされているため、幼児期における運動は重要だと訴えた。
「キレる」子どもの原因は、テレビゲームなど一人遊びの増加が、体を使った集団遊びで培うコミュニケーション能力の低下につながっていることにあると指摘。また、体を動かすことで活性化する脳内の感情を制御する「46野」についても話し、運動と心の成長の関係性を説いた。
柳沢教授は「大切なのは楽しみながら、知らず知らずのうちに子どもたちに動ける体をつくってあげること。今からしっかりと、子どもたちにとって大切な10歳までの時間にかかわってあげてほしい」と呼び掛けた。 -
みやだ夏まつり夕方開催に
子どもたちの参加や防犯上の観点から、村の若者が提案した「夜開催」に慎重意見が出ていた宮田村のみやだ夏まつり(7月20日)について19日夜、実行委員会は折衷案として再提案された「夕方開催」を了承した。午後4時半開始で同7時半終了予定。会場は18回目にして初めて中心市街地の県道から、役場横の中央グラウンドに移る。
夏まつりの活性化を図ろうと検討した村の若者でつくる「おまつり青年隊」は当初、午後5時半からの開催を実行委員会に打診。
しかし、慎重意見が相次ぎ、改めて時間帯を見直した。
前回2年前までは午後3時半開始だったが、花火なども取り入れてみんなで盛りあがろうと、中間の夕方に時間を設定。
各区を中心にした踊り連がグラウンド中央を囲むように踊る。
設置するステージでは町三区の竜の舞、大田切の獅子など伝統芸能をはじめ、村の子どもたちらによるダンスなど多彩に展開。
商工会や壮年連盟の神輿も祭り気分を盛り上げる。
宮田太鼓の演奏にあわせて、箕輪町の「みのわ手筒会」による手筒花火15縲・0発の競演もみどころ。初の試み満載で、一体感を出した祭りにしていく計画だ。
唐木登実行委員長は「新しい出発点ともなるまつり。万全を期して成功させたい」と、区長ら関係者を中心に構成する委員に呼びかけた。 -
イイジマ・ミュージック・ウェーブ2008
夢の大ホールで奏でるジャンルを越えた新しいコンサートライブ「イイジマ・ミュージック・ウエーブ2008」が音楽で世界の子どもを救おう-をテーマに14日、飯島文化館で開かれた。町内外から330人が入場、若者のバンドやナツメロバンド、コーラス、津軽三味線など、さまざまな特徴ある演奏を楽しんだ。
出演は飯田市を中心に活動している「FRANcesc-A」。飯島小学校の教諭らでつくる「e-shоw第ニオンガク係」。全員地元、40代から後期高齢者まで5人でつくるナツメロバンド「sions」、津軽三味線の南島友一さん、キューブミュージックスタジオの「キューブ」。高校生バンド「暇人一家」、コーラスグループ「しいくかかり」も加わった「TeaTime」。
「FRANcesc-A」の元気いっぱいの「Fight-Song」で幕開け「Link」など3曲を披露。次いで、登場した「e-shоw第ニオンガク係」は「世界中の誰よりきっと」やコブクロの「轍」「WINDING RОAD」を演奏、子どもたちから大きな拍手が送られた。
日本の歌・童謡・唱歌・流行歌など幅広いレパートリーを持つ「sions」は「夜霧よ今夜もありがとう」「シクラメンのかほり」などナツメロを演奏し、中高年の聴衆を喜ばせた。
入場料の1部がNPО「世界の子どもにワクチンを日本委員会」を通じて、発展途上国のワクチンを提供する寄付金とすることから、同委員会の活動パネル、ポスターなどの展示もあった。 -
高尾第1遺跡試掘確認調査はじまる
飯島町教育委員会は17日から、飯島町飯島高尾の工場建設予定地1・5ヘクタールで高尾第1遺跡試掘確認調査を始めた。初日の発掘作業で縄文土器片が数点発見された。
試掘は20メートル間隔で幅2メートルのトレンチを8本入れて、埋蔵文化財の有無を調査する。
重機で黒土部分をはぎ、黒土と赤土の境界部分を手作業で表面の土を取り除き、土器片や住居址など遺物がないか調べた。
発見された縄文土器片は2縲・センチ以下。
作業に当った丸山浩隆学芸員は「縄文人の生活の痕跡が見つかっていない。土器片は農耕などで他から動いてきたことも考えられる」と話していた。
試掘調査は23日まで5日間実施、住居址など重大な発見があれば、本発掘に切り替えられる。 -
のども鍛えて祇園祭に、おんたけやま練習熱く
伝統ある宮田村津島神社祇園祭のあばれ神輿で、・ス奉仕者・スと呼ばれる担ぎ手の男衆が景気づけに唄う「おんたけやま」。「唄えなければ神輿を担ぐ資格なし」とされ、神輿をとりしきる二年祭典委員は7月19日の祭り本番まで、独特の節回しを習得しようと熱心に練習に励んでいる。
長矢富秋さん、蓑和茂さん=町三区=に指導を仰ぎ、声を張らす委員たち。祭りが近づくと奉仕者との合同練習になるため、それまでに手本になれるようにと力強い。
「唄えないことは許されないですからね」と二年祭典委員長の小田切洋一さん。
おんたけやまは神輿の出発を知らせる祝い歌でもあり、本番までのども鍛える日々が続く。 -
中沢地区中割の小池宏さんが地区で所蔵してき古文書をまとめた書籍『ツメで拾った中割区史』を出版し、自治組合200戸に配本
駒ケ根市中沢中割の小池宏さん(77)がこのほど、同地区の自治組合が地域の記録として江戸時代中期から所蔵している古文書約800冊の中から、明治期の記録に残されていた22の話をまとめた本『ツメで拾った中割区史』を自費出版し、中割自治組合の200戸に配本した。小池さんは「江戸のしっぽをそのまま引きずりながらきた明治という時代の古臭さ、雰囲気を伝えたかった。地区の人も意外に喜んでくれ、本をまとめて良かった」と語る。
中割自治組合では、江戸時代中期から現代に至るまで、地域の歴史や文化、変遷などを記録した多くの古文書を保管してきた。しかし、実際どんな古文書があるかなどは整理してなかったため、2年前から文書目録の作成を開始。
小池さんはその目録整理に携わる中で、明治期の日記などからいくつかのエピソードを拾い出し、それを今回の本にまとめた。
話の中には、馬のえさであるヒエと交換するため、「サワシ柿」を伊那の西箕輪へ運び、その帰り道で馬を無くした老父の話、今でも中割では人が集まる場所を「協議所」と呼ぶが、その経過などに触れており、どの話からも、当時の時代背景が垣間見える。
小池さんは「協議所という言葉も多分明治期にの言葉。中沢の昔の人たちは民主主義の原則を心得ていたから、ただ集まると言う意味ではなく、高い志を持ってその名前を付けたのだと思う」と振り返る。
今後は中沢小学校、東中学校に本を寄贈するほか、中沢公民館にも寄贈する予定。 -
ONE・碗展
伊那市高遠町西高遠のギャラリーみなと屋で22日まで、「ONE・碗(わんわん)展」が開かれている。中堅の陶芸作家7人が作った、さまざまな碗150点がそろう。
上伊那の出展者は伊那市の宮崎守旦さん、林秋実さん、伊藤真一さん、駒ケ根市の湯沢千春さん。ほかは、奈良県、京都府など。
題名の通り、茶碗、湯飲み茶碗、抹茶碗、どんぶり碗、コーヒー碗など用途ごとに並ぶ。白、赤、青など模様の染付けや彫り込みなど作家の個性が出た手作りの一点もの。ゆう薬のかかり具合、微妙な形の違い、重さなど手に取って楽しむことができる。
みなと屋の杉村嘉勇さんは「手にどうなじむのか1点1点の違いを確かめ、マイカップを持つ楽しさを味わってほしい」と話す。
営業時間は午前10時縲恁゚後6時。
問い合わせは、みなと屋(TEL94・1201)へ。 -
ハーモニカ教室が開講
伊那市高遠町公民館の初心者向けハーモニカ教室が17日夜、開講した。受講生の半分以上が子どもろのころに吹いた経験があり、初回から童謡などに挑戦した。
教室には「子どものころに吹いたままで、60年ぶり」「歌が下手で、ハーモニカを吹きたいと思っていた」という50縲・0代の10人が申し込んだ。地元長藤のハーモニカ愛好家藤原善信さんを講師に迎え、12月まで月1回のペースで全7回、町総合福祉センター「やますそ」を会場に開く。
藤原さんからハーモニカの吹き方など基本を習い、音を出した。
楽譜を読めない人がいることから、「ドレミ」の順に1から数字をふった楽譜を用意。短時間で「キラキラ星」や「春の小川」などを合わせ、楽しんで吹いた。
矢野やよ江館長は「音色の美しさに感動し、本年度新たに設けた。ハーモニカを演奏することで生活が豊かになれば」と話し、童謡・唱歌を歌うグループとの交流やハーモニカ演奏を通じた地域貢献につなげたいとした。 -
プール開き
)
梅雨の晴れ間となった18日、中川村の中川東小学校(井上康良校長)でプール開きを行った。8月末の水泳記録会(水泳学習のまとめの会)まで水泳授業を行う。
プールサイドに水着で集合、児童を代表し、6年生の小池魁舟君が「それぞれ目標を持って事故のないように楽しく泳ごう」と呼び掛け、井上校長は「水泳は身体を鍛えるのに適したスポーツだが、危険はつきもの。準備運動をする、先生の指示に従う、ラリーを組んだ友だちを確認するなどルールを守って、自己の記録を伸ばそう」と話し、楽しいプール学習になるように希望した。
また、井上校長や児童の代表らはプールの四隅に塩をまいて、水泳の上達と安全を祈願した。
6年生の模範泳に続き、全員で25メートルを初泳ぎした。 -
保育園日曜参観
宮田村の3保育園は15日、日曜参観を行った。子どもたちと保護者がふれあう多彩な内容を用意。友人に囲まれながら親子一緒に楽しい時間を過ごした。
中央保育園では「なかよしウォーキング」を行い、園児と保護者が同園から小田切川に沿って・スお散歩・ス。
途中にクイズや宝探しなどのコーナーを設けて、親子で楽しみながら関門をクリアした。
東保育園はミニ運動会。玉入れや障害物リレー、フォークダンスなど、親子で楽しめる多彩な種目を用意し、にぎやかに汗を流した。 -
下平幼稚園の園児がフナを放流
駒ケ根市の下平幼稚園(米山さつき園長)の園児約45人が17日、約7アールの水田にフナ15匹を放流した=写真。園児らは「かわいい卵を産んでね」などと呼びかけ、フ放流したナに手を振った。
フナの放流は市内の農家らでつくる駒ケ根オーガニック会議(中坪宏明会長)の協力のもと、昨年から取り組んでいる。フナは今後卵を産み、幼魚が9月ころには食べごろに成長する。それを再び園児らにつかまえてもらい、味わってもらう。
園児に自分たち自身で命を育て、それを食してもらう中で、命の大切さなど学んでほしいという願いが込められており、フナの放流のほか、ジャガイモやトウモロコシなどの野菜も育てて収穫する。
今年はフナ専用の水田を用意。オーガニック会議の中城多喜男さん(70)が園児らの指導に当たり「また、フナにえさをやりながらちょくちょく見に来て、秋のお祭りころにはみなさんでとりに来てください」と呼びかけた。
米山園長は「子どもには私たち自身の命がこういう命をいただいてあるということを知り、命の大切さ、感謝する気持ちを育んでほしい。また、地域の人たちとの交流も大切にしていければ」と話していた。 -
県宝宮田宿本陣でそば囲み夢ふくらませ
県宝に指定される宮田村の宮田宿本陣旧新井家住宅で16日夕、村内の女性グループが手打ちしたそばや地元産食材の料理を振る舞い、指定管理者のシルバー人材センターと村の関係者が囲んで懇談した。江戸時代の歴史的建造物でもある本陣の利活用促進も目指した初の試み。周辺一帯の西山山麓は観光振興を模索する動きが進んでおり、「これをきっかけに何か広がれば」と夢をふくらませた。
かつて大名や旗本が宿泊した一室に所狭しと並ぶ心づくしの料理。そば打ちに励む村の女性有志「そばの実の会」が用意したもので、清水靖夫村長ら村の理事者、課長らとシルバー人材センターの会員が舌鼓を打った。
ろうそくとあんどんが灯る非日常的空間。「この雰囲気にお母さんたちの素朴な料理が絶妙。週末だけでもいいので、ここにそば屋でを開店したら」と歓声もあがった。
身分の高い武士が宿泊した本陣。旧新井家住宅は伊那街道沿いで唯一現存する貴重な文化財だが、年間の来場者数は200人から300人ほどと少ない。
「今までも利活用の構想はあったが、具体的に形にならなかった。村だけではどうしても限界もあって」と村教育委員会の小池孝文化財主任。
今年度から駒ケ根伊南広域シルバー人材センターが指定管理者として村教委から管理委託を受けるようになり、施設利用度を高める動きは加速。今回の懇談にもつながった。
「一回で途切れては価値がない。利用したいという希望があれば応えていきたい」と同センター宮田管理室長の鈴木末男さん。
清水村長は「知恵を活かし人を呼びこむきっかけにしてもらいたい」と期待を寄せた。 -
伊那北高校吹奏楽部の定期演奏会
伊那北高校吹奏楽部(山下祐里奈部長)の第53回定期演奏会が15日、県伊那文化会館大ホールであった=写真。
演奏会は3部構成で、08年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲「天馬の道」やヒット映画音楽メドレーなどを演奏。メーンの「翠風(すいふう)の光」は23分間の大曲で、初夏の光景を表現した。
会場に詰めかけた観客は、部員約80人が心を一つにして奏でる音色に聞き入った。
吹奏楽部は1956(昭和31)年に発足。吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテスト出場のほか、文化祭や地元の敬老会などで演奏している。 -
東伊那保育園で教育長が「生きようとする子どもを育てるには」を演題に講話
駒ケ根市の東伊那保育園(高坂正美園長)は14日、保護者を対象とした講話会を同園で開いた。講師の中原稲雄教育長をは「生きようとする子どもを育てるために」をテーマに講話。子どもたちの心と体を育む子育てについて学んだ=写真。
講話会は保育参観に合わせて企画した。
中原教育長は近代化に伴ない、テレビ、ゲームなどデジタルな情報が子どもたちを取り巻き、子どもたちがまず最初に家庭や地域社会の中で体験するはずだった人との触れ合いや群れ遊びがなくなってしまっていることを指摘。
このことが子どもの「育ち」に大きな影響を与えいることから「世の中の流れに任せて子育てをするのをやめよう」と呼びかけた。
また、子どもが泣くことに同様する親が多い現状から「子どもは泣いて育つもの」と示したほか、子どもが泥まみれになって遊んだりすることを叱らないようにすること、異年齢の子どもと群れて遊ぶことの大切さなどを語った。 -
みすゞ創刊700号の節目祝う
伊那谷を中心とする俳句雑誌「みすゞ」の創刊700号記念大会が15日、伊那市であった。会員ら約180人が出席。創刊から62年目の大きな節目を喜び合った。
城取信平主宰は「『みすゞ』は戦争が終わった8カ月後に誕生した。会費が集まらず、会員も定着せず、苦難の連続であったが、会員の協力で昭和40年代以降は安定した運営ができるようになった。この中に時代の文化を感じる」と歩みを振り返り「これからもお互いに信頼し、800号を目指して頑張りましょう」とあいさつした。
そのあと、会員・千曲山人さんの記念講演「一茶俳句の風土性・民衆性と反骨」やバイオリン演奏などがあった。
県内で最も古い俳句雑誌という「みすゞ」は1946(昭和21)年の創刊。本年6月号で700号を数えた。年3回しか発行できない年もあったが、昭和40年代以降は月1回の定期発行で、「みすゞ」の50号ごとに「みすゞ句集」をまとめている。会員は県内をはじめ、東京都、京都府、埼玉県など約500人。うち当初会員は3人いる。70歳以上が60%以上を占め、若い世代を獲得していきたいという。