-
東海地震の発生を想定し、防災訓練
伊那市、箕輪町、南箕輪村の地震総合防災訓練が2日、各会場であった。東海地震の発生を想定し、有事の際に即応できる体制の確立、住民の防災行動力の強化などを図った。
伊那市は、西春近の細ケ谷総合グラウンドを主会場に開いた。震度6弱程度で、市内全域で家屋の倒壊、山崩れ、電気や水道などライフラインの故障などを想定。自主防災会をはじめ、消防機関、日赤奉仕団などから500人余が参加した。
市と伊那市医師会で締結した「災害時の医療救護についての協定」に基づき、医師会が初めて加わり、傷病者を重傷度などから治療の優先順位を決めるトリアージ訓練に当たった。
家屋の倒壊で「右足に大量出血」「左足の骨折」「熱傷」など次々と模擬傷病者が運び込まれ、医師5人らが症状を見て、赤(最優先治療群)や黄(待機的治療群)など色別のシートに振り分けた。
そのほか、初期消火のバケツリレー、トラクターなど重機招集、煙中避難体験、炊き出しなどの訓練もあった。 -
村防災訓練
中川村は2日早朝、07年度地震防災訓練を村内全域で実施した。住民や消防団、日赤奉仕団など関係機関が参加し、重点地区(柏原・渡場)では地域集中訓練を、各地区では自主防災訓練を実施し、防災意識の高揚を図り、有事に備えた。
駿河湾沖を震源域とする大地震が発生、村内は震度6を想定。
地域集中訓練会場となった中川東小学校グランドでは、午前6時、現地本部が設置され、重点地区の住民らが続々と集まり、人員報告。引き続き、南消防署員の指導で、消火栓による初期消火訓練。筒先を抱え、重いホースを持って走り、火点に向かって放水した。
応急救護訓練では、AEDの取扱いについて消防団が実演した。 また、文化センターでは日赤奉仕団が救護方の訓練に励んだ。 -
飯島町地震総合防災訓練
)
飯島町で2日早朝、07年度地震総合防災訓練があった。自主防災組織や住民が中心になって、情報の伝達、収集、避難、安否確認、初期消火、火災の防御など、地区分散型の住民総参加訓練を実施し、防災意識を高め、有事に備えた。
訓練は午前6時駿河湾沖を震源とする大地震が発生、町内は震度6が観測され、町内各所で家屋倒壊、土砂崩れ、火災が発生した-を想定。4地区に訓練本部設置し、避難誘導訓練や初期消火訓練、炊き出し訓練、非常用トイレ設置、非常用飲料水確保訓練なども実施した。
このうち、本郷地区では防災無線で地震発生、避難指示が伝えられると、住民らは続々と最寄りの避難場所に避難し、安否確認を行なった。
訓練本部が設置された本郷公民館前では、消火器を使って、初期消火訓練、非常用の6角トイレを組み立てのほか、水路の水を浄化し、飲料水にする非常用飲料水の確保訓練にも励んだ。 -
宮田村地震防災訓練
宮田村は2日、村内全域で07年度地震総合防災訓練があった。自主防災組織が中心に、地域が連携し、避難誘導、初期消火、救護訓練などを展開、災害時の対応を住民ひとり一人が再確認した。
このうち、中越区では区民全員が各班ごとの第1次避難場所に避難したあと、各班長の誘導で、歩いて第2次避難場所の集落センターに集合し、人員報告をした。
引き続き、消火器を使った初期消火訓練、防災倉庫に常備した折りたたみリヤカーの組み立て、担架を使って、負傷者の搬出訓練も行ない、地域の防災力アップを図った。 -
「地域防災対策-自主防災組織の役割と活動-」
宮田村村民会館で2日、防災訓練に合わせ、県出前講座があり、県防災推進員の伊藤秀雄さんが「地域防災対策-自主防災組織の役割と活動-」をテーマに講話。約300人が聴講し、防災意識を高めた。
この中で、伊藤さんは風水害や土砂災害について説明した後、上下伊那で心配される大規模地震は「東海地震」「伊那谷断層地震」「糸魚川-静岡構造線断層帯地震」とした。
自主防災組織の活動には▽自助・共助・公序の役割認識に立ち、要援護者対策、ライフライン復旧▽地域の実情把握▽平常時には点検、準備と訓練▽災害時には応急活動の実施▽災害時要支援者への避難支援-などを挙げた。
また、自治体が出す避難情報について、「避難準備情報」は災害発生までに90縲・20分程度を予測。要援護者は避難開始、一般は避難準備。「避難勧告」は発災まで60分程度を予測。避難開始。「避難指示」は発災まで30分以内を予測。避難していない住民は直ちに避難する-などとした。 -
町議会議員と商工会理事役員が懇談会
飯島町商工会(坂井武司会長)は31日夜、商工会館で町議会議員と商工会理事役員との懇談会を開いた=写真。
議会側は織田議長ら9議員が、商工会は理事役員16人が出席し、各部会ごと現状と課題を説明し、理解と支援を求めた。
坂井会長は「コスモ21のカミーナが本日限りで撤退する。超大型店の出店計画も浮上し、販売業を中心に、大きな変革が迫られている」など、会員事業所の厳しい現状に触れてあいさつ。織田議長は「議会は地域活性化という命題を背負い、住民付託に応えなくてはならない。議会人として、できることから対応したい」と有意義な会になることを期待した。
引き続き、生田順一事務局長が管内企業の動向について「業種間、企業間格差が広がっている。商業、特に物販が厳しい。建設業は公共事業の減少、入札金額の低下で土木関係が厳しい。全業種に共通して、後継者がいない、仕事の不足により廃業が懸念される」と報告した。
商業部会の小林哲雄部会長は「伊南バイパスが全線開通すると、飯島での買物する人がさらに減少し、ますます滞留率が低下するのでは」と述べ、議員の見解を聞いた。
また、工業部会の下平陸昭部会長は「町の支援で、ビッグサイトに出展でき、受注につながった企業もある」と感謝した。
公共事業で町と関わりの深い建設業部会の新井隆廣部会長は「入札は町内業者を優先してほしい」と訴えた。## -
【記者室 リサイクルと「もったいない」】
駒ケ根市のBDF(バイオ・ディーゼル燃料)精製施設が稼動を始めた。家庭などで出る使用済みのてんぷら油を回収し、燃料として再利用する一連の仕組みが整ったことになる▼だが喜んでばかりはいられない。リサイクルは必ずしも「お得」とは限らないからだ。資源物そのものを再び使う・ス再使用・スと違い、リサイクルは原材料として再生させる際にエネルギーと費用が必要になることを忘れてはいけない▼せっかくの環境への貢献も、エネルギーを使って差し引きマイナス竏窒ニいう可能性だってある。重要なのはリサイクルだけでなく、物を使い過ぎないこと、そして廃棄物を減らすこと。現代日本人が忘れかけた「もったいない」が世界的に注目されるゆえんだ。(白鳥文男)
-
箕輪町議会9月定例会日程
箕輪町議会9月定例会は4日開会し、18日までの15日間開く。
提出議案は、06年度一般会計などの歳入歳出決算認定7件、条例案2件、07年度一般会計などの補正予算案5件、中部小施設耐震補強・大規模改造工事の変更請負契約、まちづくり交付金事業地域交流センター・消防署建築本体工事の変更請負契約、土地の取得について。報告は町土地開発公社、みのわ振興公社の各経営状況について。
日程は次の通り。
▽4日午前9時=本会議開会▽5縲・日=休会▽10、11日=一般質問▽12縲・4日=常任委員会審査▽15縲・7日=休会▽18日午後1時半=本会議、全員協議会 -
駒ケ根市BDF精製所開所式
駒ケ根市が環境対策の一環として取り組んできた、家庭から出る使用済みのてんぷら油などの廃食用油をBDF(バイオ・ディーゼル燃料)に精製する施設が新たに完成し31日、同市町四区の大田切リサイクル・ステーション内の現地で開所式が開かれた。関係者など約30人が出席し、テープカットなどを行って施設の完成を祝った=写真。一般家庭からの廃食用油の回収は6月から始まっているが、施設の完成により、リサイクルのシステムがようやく整った。精製したBDFは廃食用油の回収車やごみ収集車などの燃料として使用し、余剰が出た場合は1リットル約105円で希望者にも販売していく考え。
市は施設への廃食用油の回収量を年間約2万リットルと見込んでいる。施設の装置の精製能力は一日当たり160リットル。事業費は約390万円で、県の元気づくり支援事業に採択されている。 -
県議会商工観光生活環境委員会がサン工業などを視察
長野県議会商工観光生活環境委員会(竹内久幸委員長)の現地調査が30日、南信地区であった。上伊那ではコンピューター部分の表面処理を中心としてOA機器や工作機械などのめっきをしている伊那市西箕輪のサン工業(川上健夫社長)を視察したほか、視察に伴って上伊那広域連合(連合長・小坂樫男伊那市長)の陳情もあった。
陳情では▽大型店の出店を広域的に調整する制度の構築を検討▽首都圏からの直通特急をJR飯田線に乗り入れ▽労働人材確保に向けたUターン、Iターンの推進竏窒ネど、8つの要望事項を盛り込んだ要望書の提出され、竹内委員長は「地元議員と話し合いながら検討していきたい」とした。
また、新しい技術開発などに精力的に取り組み、地元の産業の振興にも貢献していることから視察先となったサン工業では、新しい技術の説明を受け、社内を見学した。 -
南箕輪村議会9月定例会日程
南箕輪村議会9月定例会は3日開会し、14日までの12日間開く。
提出議案は、南箕輪村学童クラブ条例など条例案5件、06年度一般会計などの歳入歳出決算認定7件、07年度一般会計など補正予算案5件、教育委員会委員の任命1件。報告は継続費の精算報告について。
日程は次の通り。
▽3日=本会議開会・委員会審査▽4、5日=休会▽6、7日=連合審査▽8、9日=休会▽10日=連合審査▽13日=一般質問▽14日=本会議・一般質問 -
県市長会総会
第121回県市長会総会が30日、駒ケ根市内のホテルで開かれた。県下19市の市長らが一堂に会し、県と市を取り巻くさまざまな課題について話し合った。産科医師不足で出産の受け入れができない病院が増えている問題に関連して「医師不足の解消と地域医療の充実に関する特別決議」が緊急提案され、全会一致で採択された。
決議は▽医師の絶対的な不足を解消するため、特段の措置を講じること▽早期に県内各地の産科医療が均質に提供できるよう医師確保に努めること▽異常時において地域格差が生じないよう、連携強化病院や中核病院との協力関係を強化するための対策を進めること▽地域の医療を担う病院等の運営に対し財政的な措置を講じること竏窒ネどを要望したもの。来賓の村井知事は「重要な問題で、なりふり構わず検討していきたい」として状況の打開に前向きな姿勢を示した。決議は県に送られるほか、北信越市長会(10月25日)の採択を経て国に提出される。
開催市の中原正純市長はあいさつで「景気はようやく回復に向かっているが格差も生じている。地方が元気になるための仕組みづくりが大切。大都市有利にならないような税制の見直しをすべきだ」と述べた=写真。
総会は年に2回、市制順に持ち回りで開催される。 -
上伊那医療問題研究会が発足
上伊那広域連合は30日、地域の安定的な医療確保を図るため、上伊那医療問題研究会を立ち上げた。医師不足に伴う産科、夜間救急医療の対応など解決案を検討し、12月に上伊那広域連合正副連合長会へ報告する。
委員は公立3病院事務長、郡内8市町村担当課長、上伊那医師会事務長、伊那保健所次長ら14人。座長に上伊那広域連合事務局長の唐沢茂さんを選んだ。
早急に検討すべき事項は▽1次医療(初期救急医療)と、入院が必要な2次医療のすみ分けによる病院の過剰負担の軽減方法▽産科医不足による分娩(ぶんべん)対応竏窒ネど。長期的には、医師不足などに対応するための3病院の連携体制を構築する。
初回は、夜間救急医療や産科の実態を聞き、意見を交換。
辰野総合病院では出産を扱っておらず、昭和伊南総合病院は来年4月に産婦人科常勤医師がいなくなる。伊那中央病院は出産件数が年間千件で、施設的にパンク状態。医師1人の増員を見込み、施設改修を検討している。
施設改修には3縲・カ月かかり、11月初旬に着工しなければ、来年4月に間に合わないという。今のところ、整備の費用負担をどうするかは未定。
次回、上伊那医療圏で施設整備が必要であるのかを検討する。
委員から「産科医不足に地域住民から不安の声が出ている」と意見があった。
夜間の救急診療については、上伊那医師会の協力を得て対応している。医師会から夜間診療所設置の申し入れがあり、各市町村担当課長らでつくる検討委員会で想定できる案をまとめた。▽夜間在宅当番医を医師会に依頼する▽夜間診療所を設置する竏窒フ2案で、今後、医師会に検討を依頼する。
また、地域住民にかかりつけ医での診療や、中病の里帰り出産の自粛などを広報し、理解を求めていくことを確認。
次回から委員に消防組合も加える。 -
上伊那広域連合議会8月定例会
上伊那広域連合議会定例会
上伊那広域連合議会8月定例会が29日、伊那市役所であり、歳入歳出予算の総額にそれぞれ1297万円を追加する一般会計第2回補正予算と、同じく歳入歳出の総額に249万円を追加する上伊那広域連合ふるさと市町村圏事業特別会計第1回補正予算を含む7案件を原案通り可決した。
一般案件では、効率的な情報処理を目的として上伊那広域連合が段階的に整備を進めている情報システム再構築業務にかかる電子計算機器、2億790万円を取得することを承認。また、06年度一般会計など3件の歳入歳出決算を認定した。
医師確保への取り組みなどについて小坂樫男連合長は「それぞれの病院の機能分担をしながら拠点病院を整備していこうと県も考えているようなので、上伊那としても早急な対応に努めていきたい」とし、各市町村や県、病院、医師会などを含めた対策協議会を発足させることを説明。また、広域的な有害鳥獣対策の必要性に対する指摘を受け「南アルプスを中心としたニホンジカについては、世界遺産に関連する市町村と協議会を発足する予定」とした。
また、任期満了に伴なう監査委員の選任では、箕輪町監査委員の山口武勇さんを新任した。 -
駒ケ根市の中割経塚線 飯田線アンダーパス工事着工へ
伊南バイパスと交わって東西に走る駒ケ根市の幹線道路、中割経塚線の整備で、JR飯田線の線路をくぐる立体交差化の工事が始まる。工事期間中は飯田線と並行して西側を走る市道桜木町線のうち約50メートルが通行止めとなるが、工事が終了するのは09年の5、6月ごろの予定。市担当者は、市民には大変な長期間にわたって迷惑をかけるがどうか理解と協力をお願いしたい竏窒ニして周辺道路への迂回を呼び掛けている。
同線は市役所に隣接する市営グラウンドと市武道館の間を通り、国道153号線に接続する計画。スムーズな道路交通確保のため、線路の下をくぐるアンダーパス方式を採用した。この部分の事業費は約7億8千万円。国道153号線に接続し、全線が供用できるのは09年度中の予定。 -
誘導柵を設け、イノシシなどの捕獲率高める
国直轄「鳥獣害防止対策事業」に、伊那市高遠町の捕獲体制整備事業が採択された。捕獲おり周辺に誘導柵を設け、イノシシやシカの捕獲率を高める。猟友会だけでなく、農業者も一緒になって技術や知恵を共有し、捕獲体制の整備を図る。
町内の獣害被害面積(06年)は、イノシシ、サル、シカなど15ヘクタール。有害鳥獣対策で集落を防護柵で囲った効果はあるものの、道路から侵入するなど被害面積は増えている。
そのため、信州大学農学部と連携し、有効な捕獲体制を整備する。
事業で、移動用の捕獲おり5基を導入。各地区でそれぞれ現地調査し、頻繁に獣が通る場所に置く。そのうち1基には、夜間撮影が可能な監視カメラを取り付け、シカの生態を調査。おりに対して、どういう警戒をするのかも見て、有効的な捕獲を考える。
誘導柵は全国的にも珍しい取り組みとみられ、獣が入りやすいように、既存の防護柵に沿って捕獲おりを置き、その周囲に設ける。誘導柵の角度などは模索段階。
管理は、各地区で新たに作る管理組合が当たる。9月中にも、営農組合や区を主体に、わなの狩猟免許を持つ人を含めて組織する方向。
28日、高遠町総合支所で第1回効果的な鳥獣害対策推進委員会を開き、事業の進め方を協議した。
町内の集落営農組合代表、農業関係者ら20人余が出席し、委員長に東部地区農業振興推進委員会委員長の守屋文裕さんを選んだ。
伊東義人高遠町総合支所長は「百姓をする気がなくなるという切実な声がある。農業を守るために、力を合わせて有害鳥獣対策に取り組み、一定の成果を上げたい」と話した。 -
上伊那広域連合、ごみ処理基本計画に伴う最終処分場と下水道汚泥の処理についての方針を示す
上伊那広域連合議会8月定例会が29日、伊那市役所であり、上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設にかかる最終処分場と公共下水道汚泥処理についての方針が全員協議会の中で示された。
最終処分場の圏域内確保と、下水道汚泥の処理については新ごみ中間処理施設の方針などを示した上伊那広域連合のごみ処理基本計画の検討課題となっており、市町村や関係行政機関でつくるプロジェクトチームや研究委員会を設置し、それぞれの方針を検討していた。
検討の結果では、最終処分場については、現在伊北環境行政組合が運営している箕輪町八乙女の最終処分場を再生利用する。同施設は現在ほぼいっぱいの状態で、埋め立ては行われていないが、これまで埋め立てられた残さを順次掘り起こし、新しい中間処理施設で溶解処理する。これにより、現在外部に委託して最終処分している約3千トンのごみを、圏域内で処理することが可能となる。
また、3つのリサイクル施設(不燃、粗大、資源処理施設)については、ランニングコスト軽減を図るために駒ヶ根市大田切と伊那市横山にある施設を廃止。不燃・粗大ごみの破砕分別施設があり、比較的長期間使用が可能な八乙女の施設を継続させ、一方で別の場所へ新しいリサイクル施設を整備する。新施設の設置時期、規模は今後の検討課題としている。
下水道汚泥については「安定的な運転を行っていく量」とする全量(約1万6千トン)の20縲・0パーセントを新ごみ中間処理施設で一般廃棄物と合わせ処理し、残りは従来の委託処理を継続する。現在上伊那広域連合が想定している施設規模は1日当たり126トンとなっているが、これに下水道汚泥を加えると140トン前後となる。
今回の検討結果は現在新ごみ中間処理施設の施設規模や処理対象物を検討している上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会に示し、委員会としての方針を求めていく。 -
駒ケ根市06年度決算
駒ケ根市は28日、06年度普通会計の決算を発表した。歳入は141億6400万円で対前年度比5・4%減、歳出は138億8300万円で同5・7%減。繰越明許費などを差し引いた実質収支は2億6200万円の黒字となった。実質単年度収支は1億2800万円の黒字。
歳入の約30%を占める市税は47億6300万円で対前年度比3億1200万円(7・0%)増。歳出では普通建設事業費が19億9100万円で、対前年度比6億9100万円(25・8%)の大幅減となった。南田市場土地区画整理事業が終息に向かったことなどによる。ふるさとづくり基金からの取り崩し額は当初予算で4億円を見込んでいたが、1億2千万円にとどまった。
借金返済に充てる公債費の割合を示す指標の実質公債費比率は昨年度(17・5%)より0・7ポイント上昇して18・2%となった。18%を超えると地方債の発行は知事の許可が必要となるが、市担当者は「上昇は算定方法が変わったためで、全国的な傾向。従来の計算方法であれば17・4%となる」と説明。財政状態が悪化したわけではないと強調している。 -
中原市長 市長選は「熟慮中」
任期満了(08年1月28日)に伴う駒ケ根市長選への出馬について中原正純市長は「選挙日程も決まったので意識し始めている」と述べた上で「現在熟慮中。後援会とも相談し、会見で態度を表明したい。(発表の)時期はもう少し先になると思う」として、6期目を目指して立候補する可能性にも含みを持たせた。28日の記者会見で明らかにした。
選挙日程は告示が1月13日、投票は同20日に決定している。立候補手続き説明会は今年12月中旬に、立候補届け出書類の事前審査は1月上旬に行う予定。 -
駒ケ根市議会9月定例会日程
駒ケ根市議会は9月定例会を9月4日縲・8日の25日間の日程で開く。提案される議案は市教育委員任命など人事2、報告2、条例5、06年度一般会計決算など決算13、07年度一般会計補正予算など補正予算3、事件1の計26件。決算審議は今回初めて常任委員会ではなく、議員全員が参加しての決算特別委員会で行う。
07年度一般会計補正予算案は歳入歳出それぞれに1億3100万円を追加し、総額144億9700万円とするもの。新春日街道をはじめとする道路改良などに3320万円、昭和伊南総合病院への繰り出し金として1700万円を計上している。
日程は次の通り。
▽4日=本会議(提案説明、質疑、委員会付託など)、全員協議会▽13・14日=本会議(一般質問)▽18縲・0日=決算特別委員会▽21・25日=委員会▽28日=本会議(採決) -
公共交通の路線再編の方向性を了承
「第5回伊那地域における新たな交通ネットワークシステム構築のための検討会」が28日、伊那市役所であった。市、交通事業者、公共交通機関利用者ら約20人が出席し、路線再編の内容を了承。今後、事業者と調整しながら実現できる方策を探る。
再編の方向性は前回(6月26日)、統合可能路線の整理・効率化、地域間バランスの調整、現行体系の踏襲など8つの柱を確認。
市内を走る路線の再編については▽市が運行する市街地の外回りと事業者が運行する内回りを「市街地東循環線」として統合。運賃の値上げを検討し、事業者の営業路線とする▽横山・ますみケ丘線、内の萱・城南町方面のバス路線は廃止し、試験的にデマンドタクシー(ワゴン車などを利用した乗合型タクシー)を導入する▽合併に伴う高遠縲恍キ谷を結ぶ周回コースを新設する竏窒ネどを示した。路線数の削減などがあるものの、サービス水準は現行レベルを維持、または向上できるようにした。
出席者から、ボランティア移送のボランティア要員確保の難しさ、生活路線バス運行の赤字経営の厳しさなどが挙がった。
次回(10月16日)、路線の便数や運行時間など具体的な運行計画案を示し、12月に承認。運行準備を整え、08年度に試行運行を開始する。次回以降、地域説明会が予定される。
また、観光客らを対象にした伊那竏猪リ曽連絡バスに関するアンケート結果(速報)を報告。連絡バスを「利用してみたい」「条件次第で利用してみたい」が半数近くを占め、観光期のニーズは高いとみている。 -
【記者室】昭和伊南病院産科休診の危機
昭和伊南総合病院は信州大から派遣されている医師の引き揚げにより、来年3月で産婦人科が休診する危機に直面している。市内には産科医院もない。年間500件の出産をどうするのか、早急な対応が望まれる▼原因は産科医師の絶対数不足というごく単純なものだけに、かえって解決が難しい。信州大は「引き揚げは決定済み」として取り付く島もないが、大学病院も医師不足だから竏窒ナ済む問題ではない▼深刻化する一方の医師不足を受けて、政府は大学医学部の定員増を来年度から10年間に限って認める方針だ。最大2450人の増員ができるというが、医師は現在全国で27万人。1%に満たない増加でどうしようというのか。焼け石(医師)に水とはこのことだ。(白鳥文男)
-
中病の施設整備を検討
来年4月に昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の産婦人科常勤医師がいなくなることを受け、伊那中央行政組合長の小坂伊那市長は27日の定例記者会見で、伊那中央病院(伊那市)の施設整備を検討していることを明らかにした。
上伊那の出産件数は年間1600件。内訳は中病が千件、昭和病院が500件、助産院など100件。医師の勤務体制のほか、診察室や分べん室など施設面からも、中病で昭和病院の出産をそのまま受け入れるのは難しい状況にある。
そのため、分娩室や陣痛待機室の改修、外来の診療室など部屋割りの変更などで、どう施設整備ができるかを検討している。
整備費用の負担について「中病を運営する3市町村だけで負担することに不満が出る。見積もりが出た時点で、県と協議し、助成をお願いしたい」と述べ、来年4月に間に合わせ、対応したいとする意向を示した。
医師の確保は、県に医師派遣を要望し、増員1人を見込む。検診など他病院にお願いして医療分担すれば、年間200縲・50人増の受け入れは可能とした。
上伊那の公立病院の連携体制について、小坂市長が救急救命センターの指定替えで県を批判した発言を、伊南行政組合議会定例会で、昭和病院から中病に替えなければ、協調できないというように受け止めていることに対し「指定替えの条件がなければ、産科を引き受けないとは言っていない。上伊那広域連合長の立場で、協力し合って上伊那の医療を考えていかなければならない」と述べた。 -
伊那市 「地域共生型福祉特区」の認定受ける
伊那市は、国の構造改革特別区域計画「地域共生型福祉特区」の認定などを受けた。高齢者のデイサービス、訪問介護などをする指定小規模多機能型居宅介護事業所で、障害者の生活介護事業サービスを受けることができる。
市社会福祉課によると、障害者自立支援法による福祉サービス体系が新たに変り、市内に一つの身体障害者療養施設「大萱の里」の受け皿が減少。法の規制が地域の現状に合わないため、介護保健法に基づく、指定小規模多機能型居宅介護事業所での受け入れができるように申請していた。
市はこれまでに、大萱の里以外の高齢者デイサービスなどをする市内5事業所でも生活介護事業ができるよう認め、受け皿を確保。今回の地域共生型福祉特区の認定により、障害者の生活介護事業サービスを受けられる施設は、6施設から7施設に増える。
また、市は国の地域再生計画「自然、歴史、文化等地域資源を活用した『人づくり』計画」の認定も受けた。支援事業「文化芸術による創造のまち」により、高遠町出身の伊沢修二が初代校長を務めた、東京音楽大学(現東京芸術大学)とのつながりを生かし、市民の音楽リーダーの養成を図り、人材を育てていく。
9月4日、東京都内で、いずれの認定書授与式がある。 -
中原市長高齢者学級で講演
駒ケ根市の中原正純市長は24日、赤穂公民館主催の高齢者学級の第5回定例会で講演した=写真。
5期目の任期が来年1月28日に満了となる中原市長は「市長として残された任期はわずかだが、最後まで誠心誠意務めたい」と述べるにとどまり、1月20日に行われることが決まっている市長選については特に言及しなかった。
伊那中央行政組合の小坂樫男組合長が昭和伊南総合病院の救急救命センター指定を伊那中央病院に変更してもらわなければ連携協力はできないなどと発言したとされる問題について中原市長は「本意ではないと思う。公の席で言ったことではないのでは」とした上で「指定の返上はするはずも、するつもりもなく、今後ともしっかり守っていきたい」と述べた。 -
伊南行政組合決算
伊南行政組合議会は23日、第4回定例会を開き、条例改正1、06年度決算2、07年度一般会計補正予算2の計5議案を原案通り可決、認定して閉会した。
昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)の06年度決算は総収益54億5670万円、総費用59億2500万円で、純損失はこの17年間で最大の4億6830万円となった。医業収益は外来、入院とも前年度に比べ微増だったが、収支を改善するまでには至らなかった。医業外収益は救急救命センター運営費補助金が廃止されたことなどにより、対前年度比8260万円(17%)の大幅減となった。
同病院は90年度から11期連続で赤字を計上し、01年度のみ黒字となったものの、02年度から再び5期連続の赤字経営を続けている。05年度末には資本剰余金を取り崩し、それまでの累積欠損金39億8千万円を解消する措置を取っている。
伊南行政組合の06年度一般会計決算は、歳入が18億8470万円で対前年度比2億1640万円(13%)増、歳出は17億8730万円で、同1億7720万円(11%)増。実質収支は9750万円の黒字となった。 -
第2回上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会
上伊那広域連合の新しいごみ処理中間処理施設の機種とごみの減量化などについて検討するごみ処理基本計画推進委員会(小沢陽一委員長)の2回目の会合が24日、伊那市内であった。今後の日程と現在のごみ排出実態や減量化に向けた各市町村の取り組みについて確認。一部の委員から検討事項に応じた専門部会の設置を求める声もあったが、それぞれの検討事項には関連性があるという理由から、現状では部会を設置せず、必要となった場合に改めて設置を検討することとなった。
今後の委員会スケジュールとしては、ごみの減量化、資源化の検討を進めながら処理対象物を検討。それに合った施設規模、機種を選定していく。
ごみ排出量の現状については、燃やせるごみが全体の約65パーセント、資源ごみが約25パーセントと大きな割合を占めていることを説明。また、家庭から出る燃やせるごみの約40パーセントは台所などから出る生ごみで、事務局は「減量化のためにはこうしたごみの減量化を考えるのが効果的ではないか」とした。 次回はごみの減量化、資源化に向けた具体的な対策を模索するほか、処理対象物の検討を始める。 -
長野県議会土木住宅委員会が環状北線などを視察
長野県議会土木住宅委員会(風間辰一委員長)の現地調査が24日、上伊那であった。委員9人と地元県議を交えて、伊那建設事務所の07年度主要事業個所を視察。進展状況などについて説明を受けた。
市街地への車の流入緩和などを目的として本年度中の完成を目指す伊那市御園の環状北線では、ワークショップにより地元の要望を吸い上げながら事業を進めていることなどを説明。委員からの「環状北線を整備しても、今後は153号の混雑が予想される。環状北線から先の計画は」という質問を受け、山浦直人伊那建設事務所長は「バイパスを整備して交通整備をしていくことが必要だと考えている。現在伊那市の方とも話し合いを始めている。早く現実的なルート案を決めていきたい」と説明。そのほかにも道路改良事業として整備されている伊那バイパスや昨年の7月豪雨で被害を受け、現在災害対策関連事業などを進めている箕輪町や辰野町の事業個所を視察した。
また、視察に伴い上伊那広域連合(小坂樫男連合長)の陳情もあり、国道153号の改良整備と上伊那地区バイパスの建設促進や伊那中部・西部広域農道の県道昇格など、17事項を要望。小坂連合長は「153号線バイパス事業を進めていただいてはいるが、工事がなかなか進まず、伊那、宮田間はルートも決まっていないのが実情。また、権兵衛トンネルの開通に伴い交通量も増えており、環状北線から153バイパスまで続く先線の計画を作ってほしい」として、伊那バイパスの早期実現と東西道路網の強化を訴えた。 -
伊那市と信州大学農学部との交流会
伊那市と信州大学農学部との交流会は23日、南箕輪村の信大農学部キャンパスであった。市の理事者や市議、信大の教授など約100人が参加。官学連携の取り組みとして進めているプロジェクトや新規連携課題について話し合った=写真。
毎年の懇談で今回が13回目。今年は市議も参加した。
懇談では、遊休農地の解消と特産品開発などを目的とする地域ブランドワインの開発プロジェクトや、有害鳥獣駆除プロジェクトなどといった現在進行中の連携課題について話し合ったほか、農学部側からは地元自治体と連携しながら地域ニーズに合った人材創出拠点の整備を図ることを目的とする「地域再生人材創出ユニット形成事業」の提案もあった。
唐沢豊学部長は「法人化し3年目となるが、運営経費の削減、人件費の抑制と厳しい状況にある。民間との共同研究をしながら成果を上げていきたい」とした。
また、懇談後は農学部の60周年記念として設けた食と緑の科学資料館などを見学した。 -
昭和伊南病院と伊那中央病院の連携今後も
伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合の小坂樫男組合長(伊那市長)が22日に、昭和伊南総合病院の救急救命センター指定が伊那中央病院に変更されなければ今後協調していくことはできない竏窒ネどと発言したと一部で報道された問題について伊南行政組合の中原正純組合長(駒ケ根市長)は23日の議会定例会で「公の席での発言ではないと思う。本意は違うのではないか。信じられないし、あり得ない」と述べた上で「救急救命センターの返上は考えていない」とあらためて強調。両病院を中心とした連携体制はこれまで話し合ってきた通り進めていきたいとする考えを示した。馬場宣子議員(駒ケ根市)の質問に答えた。
昭和伊南病院の産婦人科に派遣されている信州大の医師2人が来年3月で引き揚げることにより、以降の同科常勤医師がゼロとなる問題について中原組合長は「助産師が分娩を行う院内産院の開設を検討しているが、現段階では来年4月の開院は大変厳しい状況にある」と述べた。引き続き県や信州大とともに解決に向けて検討を進めたいとした上で、住民の不安に対応するため「産科についての専門窓口を新たに病院内に設置し、市民の相談に乗れる体制をつくりたい」とする考えを明らかにした。
院内産院の見通しについて同病院の千葉茂俊院長は「医師がいないとリスクに対応できない。何かあった場合に伊那中央病院に医師の応援を要請するとしても5分、10分を争う時に30分もかかっていては難しい」とした上で「引き続き医師確保、伊那中央との連携、地域の医師を嘱託とするなどの方法を検討し、努力を続けていく」と述べるにとどまった。